以下、本発明の実施の形態を図面に基づき実施例によって説明する。なお、本実施例の説明において、これまでの説明の例と同一名称部分には同一符号を付し、その重複説明は省略または簡略化する。
図1には、本発明に係る気体漏れ検査装置の第1実施例の要部構成が模式的に示されており、図2には、その要部制御構成がブロック図により示されている。本実施例の気体漏れ検査装置は、従来例と同様に、中空部を有する被検査体の気体漏れ検査を行う気体漏れ検査装置であり、その基本構成は図13に示した従来例と同様の構成要素を多く有している。本実施例の説明において、図13に示した構成要素についての説明は省略または簡略化する。
図1に示されるように、本実施例の気体漏れ検査装置は、空気導入通路3における空気導入部2と空気導入制御弁9との間に、気体の圧力を可変可能な試験圧設定手段13と、導入経路切替弁14(PPV)とを設けて形成されている。試験圧設定手段13は、気体漏れ検査時に基準体7側と被検査体5側に導入される気体の圧力を予め定められる試験圧となるように設定(可変設定)する手段である。また、導入経路切替弁14を迂回する迂回通路33が形成されており、迂回通路33には低圧ガバナ(調圧器)35(PPR;プリプロセス動作用レギュレータ)と逆止弁30が設けられている。
空気導入通路3の分岐部4の手前側には分岐通路15が接続され、分岐通路15には気体排出制御弁16(AV2)が設けられている。また、分岐部4よりも下流側の被検査体側導入通路6と基準体側導入通路8には、それぞれ、バイパス通路17との接続部よりも下流側に手動開閉弁36,37が設けられており、これらの手動開閉弁36,37は、検査時は解放となっている。
また、本実施例では、気体排出通路18は被検査体5側と基準体7側とにそれぞれ設けられており(符号18a,18b、参照)、基準体7側から加圧気体を排出する基準体側排出通路18aと被検査体5側から加圧気体を排出する被検査体側排出通路18bが形成されている。基準体側排出通路18aに気体排出制御弁19(19a)(EXHV1)が設けられ、被検査体排出通路18bに気体排出制御弁19(19b)(EXHV2)が設けられている。
本実施例において、これらの気体排出制御弁19a,19bおよび気体導入制御弁9(AV1),10(AV3),11(AV4),導入経路切替弁14、気体排出制御弁16は全て、スプリングバック式のエアオペレートバルブにより形成されている。なお、各弁はスプリングバック式ではないエアオペレートバルブにより形成することもできるし、エアオペレートバルブ以外の弁により形成することもできるが、電磁弁とすると開閉時に熱が発生するため、エアオペレートバルブにより形成ことが好ましい。
また、空気導入制御弁9は常時閉、その他の弁10,11,14,16,19a,19bは常時開の弁であり、空気導入制御弁10,11以外の弁体作動方向は、気体の流れとは逆方向に形成されている。そして、基準体7と被検査体5はそれぞれ、弁体が基準体7側と被検査体5側に向けた方向に作動するエアオペレートバルブにより挟まれており、各弁を閉じた状態で閉じ込められた気体側から各弁に圧力がかかっても気体の漏れが微少も生じないように形成されている。
図2に示されるように、本実施例の気体漏れ検査装置1は、制御装置21を備えた制御構成を有して、スタートAスイッチ22、スタートBスイッチ23に信号接続されている。制御装置21は、ウォーミングアップ運転実行手段24、気体漏れ検査実行手段25、気体漏れ検出部26,圧力調整手段27、プリプロセス動作実行手段28を有しており、前記差圧検出部12と試験圧設定手段13と導入経路切替弁14、弁9,10,11,16,19にも信号接続されている。
なお、図2に示されている弁9,10,11,16,19は、前記気体導入制御弁9,10,11と気体排出制御弁16,19を示すが、図2では、図を分かりやすくするためにこれらの各弁をまとめて表示している。
また、図1に示す構成を有する本実施例と図13に示した従来例とはシステム構成は異なる部分はあるが、本実施例においても、気体漏れ検査動作は図13の各工程とほぼ同様に行われ、被検査体5に導入された加圧気体の圧力と基準体7に導入された加圧気体の圧力との差圧に基づいて被検査体5の気体漏れ検査が行われるものであり、この動作は気体漏れ検査実行手段25によって実行される。
つまり、気体漏れ検査実行手段25は、各弁9,10,11,16,19の開閉動作を行い、また、圧力調整手段27に指令を加えて導入気体の圧力を調整させ、被検査体5と基準体7の両方に加圧気体を導入する加圧気体導入工程(図13(a)参照)を実行する。また、該加圧器体導入工程後に被検査体5内の気体の圧力と基準体7内の気体の圧力とを平衡させる平衡工程(図13(b)参照)、該平衡工程後に被検査体5内の気体の圧力と基準体7内の気体の圧力との差圧を検出する差圧検出工程(図13(c)参照)、該差圧検出工程後に被検査体5内と基準体7内から気体を排出する気体排出工程(図13(d)参照)を実行する。
なお、本実施例では、基準体7側から加圧気体を導出する気体排出制御弁19aと被検査体5側から加圧気体を導出する気体排出制御弁19bとが別々に設けられているので、気体漏れ検査実行手段25は、前記4つの工程のうちの気体排出工程においては、気体排出制御弁19a,19bを共に開き、それ以外の工程においては気体排出制御弁19a,19bを共に閉じる。また、例えば加圧気体導入工程(CHG)は30秒程度、平衡工程(BAL)は60秒程度、差圧検出工程(DET)は60秒程度、気体排出工程(EXH)は10秒程度行われるといったように、これらの各工程は、予め定められる設定時間で行われるものである。
本実施例において、差圧検出工程において差圧検出部12によって検出される基準体7と被検査体5との圧力差は、気体漏れ検出部26に加えられ、気体漏れ検出部26によって被検査体5に気体漏れがあるかどうかが検出される。
圧力調整手段27は、試験圧設定手段13を制御することによって気体漏れ検査動作時に導入する気体の圧力を調整すると共に、導入経路切替弁14の開閉制御を行い、加圧気体の導入口2から導入される加圧気体を、導入経路切替弁14を通して基準体7や被検査体5側に導くか、あるいは、低圧ガバナ35を通して基準体7や被検査体5側に導くかを選択制御することにより、基準体7や被検査体5側に導かれる加圧気体の圧力を調整する。
圧力調整手段27は、気体漏れ検査実行手段25から気体漏れ検査実行時の圧力調整指令が加えられると、試験圧設定手段13を制御することによって気体漏れ検査動作時に導入する気体の圧力を予め定められる設定試験圧(例えば300〜500kPa)とし、導入経路切替弁14を開いて導入経路切替弁14を通して試験圧の加圧気体を基準体7側と被検査体5側とに導入できるようにする。この圧力調整手段27による導入気体圧力の調整と気体漏れ検査実行手段25による弁9,10,11,16,19の開閉制御によって、従来例とほぼ同様の気体漏れ検査動作が行われることになる。
スタートAスイッチ22は、気体漏れ検査装置1による気体漏れ検査動作の準備動作開始のための操作手段であり、気体漏れ検査実行手段25による気体漏れ検査動作の開始前に必要に応じて行われるウォーミングアップ運転や第1のプリプロセス動作を開始させるための操作手段である。スタートAスイッチ22が操作される(例えば押される)と、準備動作スタート信号がウォーミングアップ運転実行手段24とプリプロセス動作実行手段28とに加えられる。
ウォーミングアップ運転実行手段24は、気体漏れ検査実行手段25による気体漏れ検査動作の開始時に、予め定められる設定条件が満たされたときには、気体漏れ検査動作の複数の前記動作工程(図13(a)〜(d)、参照)を、該気体漏れ検査の動作時に行われる各工程の所要時間よりも短い予め定められている設定短縮時間で予め定められている設定回数だけ行ってから前記気体漏れ検査の動作を開始させるものである。
このウォーミングアップ運転実行手段24によるウォーミングアップ運転実行の基準となる設定条件とは、例えば気体漏れ検査装置1の電源をオンしてからの初期運転時や、前回の計測(気体漏れ検査)終了後、予め定められる設定時間(S分以上であり、Sは例えば30〜60分。例えばS分=60分=1時間)経過したときとすることができ、ウォーミングアップ運転実行手段24は、気体漏れ検査装置1の電源をオンしてからの初期運転時かどうかの判断手段と、前回計測終了時を把握する手段と時計機構(図示せず)とを有し、前記のような設定条件が満たされたときにはウォーミングアップ運転を実行する。
つまり、気体漏れ検査装置1の電源をオンしてからの初期運転時や、前回計測終了後に長時間(一定時間以上)経過した後に、直ぐに気体漏れ検査動作を行うと、気体漏れ検査装置1が安定せずに測定が正確に行われないことが多いので、気体漏れ検査装置1の電源をオンしてからの初期運転時と予め定められる設定時間以上経過したときにウォーミングアップ運転を実行することにより、気体漏れ検査装置の安定化を的確に行え、正確な気体漏れ検査動作を行うことができるようにする。
なお、ウォーミングアップ運転に必要であると判断する前記設定時間は、この時間経過後に直ぐに気体漏れ検査動作を行うと気体漏れ検査装置が安定せずに正確な測定が行われないと推定される時間であり、例えば実験等により予め求めて定められる時間である。
また、前記の如く、本実施例においても気体漏れ検査動作自体は従来例とほぼ同様に行われるものであり、気体漏れ検査動作時には、加圧気体導入工程(CHG)、平衡工程(BAL)、差圧検出工程(DET)、気体排出工程(EXH)の全工程を合わせて例えば160秒程度行われるが、ウォーミングアップ運転は、例えば全工程の時間を合わせて20秒程度、またはそれ以下に短縮し、1回以上の予め定められる設定回数(例えば2〜3回)繰り返し行われる。
なお、ウォーミングアップ運転中の各工程の時間は、例えば時間設定パタンを複数設けて選択できるようにしてもよいし、典型パタンを予め設定しておいて必要に応じて可変できるようにしてもよい。また、ウォーミングアップ運転の設定回数も可変できるようにしてもよい。
例えば、冬等の気温が低いときにはウォーミングアップ運転の各工程の時間や設定回数を多めにし、その逆に夏等の気温が高い時には各工程の時間や設定回数を少なめにする等、外気温に応じてウォーミングアップ運転の設定を自動的に変更してもよいし、利用者が気温に対応させて設定を変更できるようにしてもよい。また、ウォーミングアップ運転実行手段24にカレンダー機能を持たせて、そのカレンダーに応じて自動的に設定を変更してもよい。
また、気体漏れ検査装置1の停止時間に応じて、停止時間が長くなるほど各工程の時間や設定回数を多めにする等、ウォーミングアップ運転の設定を自動的に、または手動により変更してもよいし、測定する被検査体5の容積を考慮して、被検査体5の大きさが大きいほど、各工程の時間や設定回数を多めにする等、ウォーミングアップ運転の設定を自動的に、または手動により変更してもよい。
ウォーミングアップ運転実行手段24は、ウォーミングアップ運転の実行に際し、各弁9,10,11,16,19の開閉を適宜行うと共に、圧力調整手段27にウォーミングアップ運転実行信号を加え、加圧気体の導入口2から導入される加圧気体を、導入経路切替弁14を通して基準体7や被検査体5側に導くようにしてウォーミングアップ運転を実行する。
圧力調整手段27は、ウォーミングアップ運転実行手段24からウォーミングアップ運転実行信号が加えられると、気体漏れ検査動作時と同様に、前記試験圧の加圧気体が基準体7や被検査体5側に導かれるように、試験圧設定手段13を制御し、かつ、導入経路切替弁14を開状態として、試験圧の加圧気体を基準体7や被検査体5側に導く。
なお、ウォーミングアップ運転実行手段24によるウォーミングアップ運転中にも、検出工程においては、被検査体5側と基準体7側との差圧の検出が行われることになり、このときに検出される値は不適切な値となることが多い。つまり、ウォーミングアップ運転は、気体漏れ検査装置1を安定化するための運転であり、このウォーミングアップ運転が終了するまでの間は気体漏れ検査装置1の安定化が不十分である可能性があり、また、ウォーミングアップ運転は通常の気体漏れ検査動作に比べて各工程を非常に短い時間で行うものであるため、検出工程において被検査体5側と基準体7側との差圧の検出を正確に行うことはできない可能性がある。
そこで、本実施例では、ウォーミングアップ運転実行手段24によるウォーミングアップ運転中には、気体漏れ検出部26からエラー信号が出力される可能性があるが、ウォーミングアップ運転実行手段24は、ウォーミングアップ運転中に出力されるエラー信号は無視してウォーミングアップ運転を継続し、前記設定回数繰り返して行い、その後、ウォーミングアップ済み信号を出力してプリプロセス動作に移行する(プリプロセス動作が行われない場合には気体漏れ検査動作に移行する)ようにしている。
以上のようなウォーミングアップ運転を実行し、ごく短い時間であっても気体漏れ検査装置1に加圧気体を通し、弁9,10,11,14,16,19を開閉制御することによって気体漏れ検査装置1を安定化することができる。つまり、例えば夕方から次の日の朝までの間や昼休みの時間をおいた後に測定を行う時等、気体漏れ検査装置1、接続配管、基準体(マスタ)7および外部弁等の起動後の過渡的な特性変化を解消することができ、気体漏れ検査装置1を安定化することができる。
ウォーミングアップ運転実行手段24は、以上のようなウォーミングアップ運転を実行した時の終了時とウォーミングアップ運転を実行しない時(する必要がないとき)とには、ウォーミングアップ済み信号をプリプロセス動作実行手段28に加える。
プリプロセス動作実行手段28は、気体漏れ検査実行手段25による気体漏れ検査の開始前に、基準体7側にのみ加圧気体を通す第1のプリプロセス動作と、基準体7と被検査体5の両方に加圧気体を通す第2のプリプロセス動作との少なくとも一方の動作を行う手段である。プリプロセス動作実行手段28は、ウォーミングアップ運転実行手段24からウォーミングアップ済み信号が加えられると、例えば以下のタイミングで第1のプリプロセス動作を行う。
つまり、プリプロセス動作実行手段28は、スタートAスイッチ22の操作が行われる度に(スタートAスイッチ22が押されてからウォーミングアップ済み信号が加えられる度に)第1のプリプロセス動作を行ってもよいし、例えばスタートAスイッチ22が予め定められる設定回数操作される毎に(スタートAスイッチ22が設定回数押されてウォーミングアップ済み信号がプリプロセス動作実行手段28に設定回数加えられる度に)第1のプリプロセス動作を行ってもよい。
また、スタートAスイッチ22が押された後に初めてウォーミングアップ運転実行手段24からウォーミングアップ済み信号が加えられたときと、その後、気体漏れ検査実行手段25による気体漏れ検査実行終了後(気体漏れ検査実行手段25から気体漏れ検査終了信号が加えられたとき)には自動的に毎回第1のプリプロセス動作を行う、あるいは、気体漏れ検査実行終了回数が設定回数となった毎に第1のプリプロセス動作を行う等、様々な制御パタンを設定することができる。また、以上のような固定の制御パタンを予め設定しておいてもよいし、必要に応じて制御パタンを可変できるようにしてもよい。
本実施例では、一例として、スタートAスイッチ22が操作された後に、押されてから初めてウォーミングアップ運転実行手段24からウォーミングアップ済み信号が加えられたときと、その後、気体漏れ検査実行手段25による気体漏れ検査実行終了後(気体漏れ検査実行手段25から気体漏れ検査終了信号が加えられたとき)に毎回、自動的に第1のプリプロセス動作を行うように設定されている。
プリプロセス動作実行手段28による第1のプリプロセス動作は、弁9,10,11,16,19の開閉制御と、導入経路切替弁14の閉制御とによって、加圧気体を基準体7に通す動作であり、具体的には、プリプロセス動作実行手段28は、第1のプリプロセス動作を行う際に、気体導入制御弁9,10と気体排出制御弁19aを開き、気体導入制御弁11と気体排出制御弁16,19bを閉じる。
また、プリプロセス動作時に導入する加圧気体の圧力は試験圧よりも小さく設定されるものであり、プリプロセス動作実行手段28は、第1のプリプロセス動作を行う際に、圧力調整手段27にプリプロセス動作実行信号を加え、導入経路切替弁14を閉状態とし、低圧ガバナ35を通して加圧気体を基準体7側に導くことにより、試験圧より小さい圧力(例えば10kPaを超える圧力で、かつ、100kPa未満の圧力)の加圧気体を基準体7側に導き、加圧気体を基準体7に通して気体排出制御弁19a側から排出するようにする。
なお、第1のプリプロセス動作および後述する第2のプリプロセス動作時に導入する加圧気体の圧力は特に限定されるものではないが、気体の流速が音速を超えると、衝撃波が生じ、振動等により損傷が生じたり発熱が生じたりするといった支障が生じるため、気体の流速が音速以下になるように調整されるものであり、そのために、本実施例では、例えば導入する加圧気体の圧力が100kPaを超えないように低圧ガバナ35を設けて調整している。なお、加圧気体を低圧ガバナ35を通して基準体7側や被検査体5側に導く代わりに、圧力を定圧から高圧までの広い範囲で可変可能な電空レギュレータを設けて、導入する加圧気体の圧力を調整してもよい。
また、プリプロセス動作実行手段28は、第1のプリプロセス動作時に、必要に応じ、ファン等を用いて基準体7内を冷却する等して温度安定化を図ってもよい。放熱性の高い基準体7を用いる場合等には、特に、ファンによる温度安定化が有効になる。
プリプロセス動作実行手段28は、第1のプリプロセス動作を実行した後、直ちに、あるいは予め定められる設定待機時間経過後に第1のプリプロセス動作終了信号を発信し、表示部31に加える。表示部31には、第1のプリプロセス動作終了表示が行われる。なお、表示の仕方は特に限定されるものでなく適宜設定されるものである。また、表示部31を設けて表示を行う代わりに、あるいは表示に加え、メッセージ発生やブザーやチャイム等の音の発生等、適宜の音声による報知を行うようにしてもよい。
スタートBスイッチ23は、気体漏れ検査装置1による気体漏れ検査動作の準備動作から気体漏れ検査動作に移行させるための操作手段である。例えば、スタートAスイッチ22が操作されてから、ウォーミングアップ運転や第1のプリプロセス動作が適宜行われ、表示部31に第1のプリプロセス動作終了表示等の報知が行われたときに、利用者がスタートBスイッチ23を操作する(例えば利用者によって押される)と、検査移行スタート信号がプリプロセス動作実行手段28と気体漏れ検査実行手段25とに加えられる。
スタートBスイッチ23の操作によって検査移行スタート信号が加えられると、例えばその都度、プリプロセス動作実行手段28が第2のプリプロセス動作を行うようにすることができる。つまり、スタートBスイッチ23は、プリプロセス動作実行手段28による第2のプリプロセス動作を開始させるための第2のプリプロセス開始操作手段としても機能するものであり、また、前記の如く、スタートAスイッチ22がプリプロセス動作実行手段28による第1のプリプロセス動作を開始させるための第1のプリプロセス開始操作手段としても機能することから、本実施例では、プリプロセス動作実行手段28による第1と第2の少なくともプリプロセス動作を開始させるためのプリプロセス開始操作手段として、第1のプリプロセス開始操作手段と第2のプリプロセス開始操作手段を個別に備える態様と成している。
なお、スタートBスイッチ23の操作の度に第2のプリプロセス動作を行う代わりに、例えばスタートBスイッチ23が連続して2回押されるといった、特有の操作毎に、プリプロセス動作実行手段28に検査移行スタート信号が加えられるようにして、この場合にのみ、第2のプリプロセス動作が行われるようにしてもよい。また、スタートBスイッチ23が第2のプリプロセス動作の開始用の操作手段と気体漏れ検査の開始用の操作手段を兼ねる構成とせずに、気体漏れ検査動作開始用の操作手段と第2のプリプロセス動作開始操作専用の操作手段を個別に設けてもよい。
プリプロセス動作実行手段28は、スタートBスイッチ23の操作に伴う検査移行スタート信号が加えられると、気体導入制御弁9,10,11と気体排出制御弁19a,19bを開く。なお、気体排出制御弁16は閉じたままとする。また、プリプロセス動作実行手段28は、第2のプリプロセス動作を行う際にも、圧力調整手段27にプリプロセス動作実行信号を加え、導入経路切替弁14を閉状態とし、低圧ガバナ35を通して加圧気体を基準体7側と被検査体5側とに導くことにより、試験圧より小さい圧力の加圧気体を基準体7側と被検査体5側とに導く。そして、加圧気体を基準体7に通して気体排出制御弁19a側から排出するようにするとともに、加圧気体を被検査体5に通して気体排出制御弁19b側から排出するようにする。
プリプロセス動作実行手段28は、第2のプリプロセス動作終了後、あるいは、第2のプリプロセス動作の必要がない場合には、プリプロセス動作済み信号を気体漏れ検査実行手段25に加える。気体漏れ検査実行手段25は、プリプロセス動作実行手段28からプリプロセス動作済み信号が加えられると、前記のような気体漏れ検査動作を実行する。
本実施例は以上のように構成されており、以下、本実施例の気体漏れ検査装置を用いた動作について説明する。図3に示されるように、ステップS1で電源がON(オン)されるとステップS2で初期画面が表示され、ステップS3で計測設定画面が表示される。ここで、利用者により、計測設定操作が行われてスタートAスイッチ22が操作されると、ステップS4で、気体漏れ検査動作の準備動作が開始される。つまり、ステップS5で計測画面が表示され、ステップS6で、ウォーミングアップ運転実行手段24によるウォーミングアップ運転(暖機運転)が、ウォーミングアップ運転を実行するために定められた前記設定条件を満たす場合には、適宜行われる。
このウォーミングアップ運転は、例えば図4に示されるように行われるものであり、ステップDS1で気体漏れ検査動作の準備動作がスタートすると、ステップDS2で、電源がオンされてから最初の運転(初期運転)かどうかが判断され、初期運転の場合にはステップDS4に進み、初期運転でない場合にはステップDS3で、前回計測終了後からS分(Sは例えば30〜60であり、ここではS分=60分=1時間)経過したかどうかが判断され、経過した場合にはステップDS4に進む。ステップS3で、前回計測終了後からS分経過していないと判断された場合にはステップDS9に進み、ウォーミングアップ済み信号が出力されて、図3のステップS7に進む。
一方、図4のステップDS4に進んだ場合には、ウォーミングアップ運転実行手段24によるウォーミングアップ運転が順次行われる。つまり、ステップDS4で、加圧気体導入工程(CHG)の動作が例えば約5秒行われ、ステップDS5で、平衡工程(BAL)の動作が例えば約1秒行われ、ステップDS6で、差圧検出工程(DET)の動作が例えば約1秒行われ、ステップDS7で、気体排出工程(EXH)の動作が例えば約1秒行われる。そして、ステップDS8で、これらの全工程が前記設定回数(ここでは3回)終了したかどうかの判断が行われ、3回終了したらステップDS9に進んでから図3のステップS7に進む。
図3のステップS7では、必要に応じて、第1のプリプロセス動作(PP1)が行われる。つまり、本実施例では、電源がオンされてから初回の運転時と気体漏れ検査動作終了後に、ウォーミングアップ運転実行手段24からプリプロセス動作実行手段28にウォーミングアップ済み信号が加えられて第1のプリプロセス動作開始信号(PP1信号)が出力されるので、その場合は、前記の如く第1のプリプロセス動作が開始される。
なお、図5には、第1のプリプロセス動作と第2のプリプロセス動作とを経て気体漏れ検査動作を行う際の一連の動作における各工程別の弁開閉状態が示されている。同図に示されるように、第1のプリプロセス動作時には、導入経路切替弁14が閉じられ、気体導入制御弁9,10と気体排出制御弁19aが開かれ、それ以外の弁11,16,19bは閉じられる。
そして、第1のプリプロセス動作が終了すると、第1のプリプロセス動作終了が表示部31に表示されるので、図3のステップS8で、利用者によるスタートBスイッチ23の操作が行われてステップS9に進み、ステップS9で、前記の如く第2のプリプロセス動作(PP2)が行われる。なお、ステップS9での第2のプリプロセス動作以降の弁開閉動作もそれぞれ、図5のタイムチャートに示されている。
第2のプリプロセス動作後には、気体漏れ検査実行手段25によって、図3のステップS10〜ステップS14までの各動作が行われる。つまり、ステップS10で、気体漏れ検査装置を安定化するために例えば予め定められる設定待機時間(例えば30秒)経過するまで待ち(DLY)、ステップS11で、被検査体5と基準体7の両方に加圧気体を導入する加圧気体導入工程(CHG)の動作を行い、ステップS12で、被検査体5内の気体の圧力と基準体7内の気体の圧力とを平衡させる平衡工程(BAL)の動作を行う。
その後、ステップS13で、検査体5内の気体の圧力と基準体7内の気体の圧力との差圧を気体漏れ検出部26によって検出する差圧検出工程(DET)の動作を行って、検出結果を表示部31に表示したり、検出結果を気体漏れ検査装置1に信号接続されているパソコンのデータ格納部に格納してデータ処理等の適宜の操作に利用したり、記録用紙に記録したりするといった適宜の動作を行い、ステップS14で、被検査体5内と基準体7内から気体を排出する気体排出工程(EXH)の動作を実行する。
そして、気体排出工程の動作後には、図3のステップS5に戻り、計測画面の表示が行われて、次回の気体漏れ検査動作が行われることになるが、気体漏れ検査動作がほぼ連続して行われる場合には、ステップS6のウォーミングアップ運転は行われずにステップS7に進むことになる。そこで、気体漏れ検査を2回目以降行うときには、前回の気体漏れ検査動作の気体排出動作終了時から利用者による被検査体5の付け替え作業時に第1のプリプロセス動作を行うようにすることで、気体漏れ検査の準備から実際の測定動作までの時間の流れを有効に利用することができ、全体の計測時間を短縮できるので好ましい。
本実施例では、以上のように、ウォーミングアップ運転実行手段24によるウォーミングアップ運転の実行と、プリプロセス動作実行手段28による第1と第2のプリプロセス動作の実行により、気体漏れ検査装置1の安定化と基準体7と被検査体5の温度安定化を行うことができるので、正確な気体漏れ検査を行うことができる。
なお、気体漏れ検査装置1内に加圧気体を導入すると、気体の圧縮に伴って発生する熱が、気体漏れ検査装置1内の特定の部位や基準体7内の特定部位や被検査体5内の特定部位に溜まりやすく(図14のHに示す斜線部分、参照)、一方、排気の際には減圧されて熱が奪われ、減圧時には気体排出制御弁19周辺の温度が最も低下し、系として(気体漏れ検査装置や基準体、被検査体を含む構成要素内に)熱的不均衡が生じることから、吸気排気が繰り返し行われると熱影響が生じやすいため、その熱影響に起因して被検査体5内と基準体7内の気体の圧力差に基づく被検査体5の気体漏れ検出が正確に行われないことがあった。
特に、気体漏れ検査において被検査体5は検査毎に交換が行われるが、基準体7は被検査体5のように頻繁には交換が行われないため、気体漏れ検査を繰り返し行うと、基準体7内には特に吸気排気の繰り返しによる熱影響が生じやすい。それに対し、第1のプリプロセス動作を行って、気体漏れ検査の開始前に、基準体側にのみ加圧気体を通すことにより、基準体内の気体の温度を安定化でき(溜まった熱を排出して例えば周囲温度や被検査体側と同等の温度にでき)、正確な気体漏れ検査を行うことができる。
また、例えば被検査体5の容積が大きいときや、被検査体5が例えば樹脂製であったりガラス製であったりして放熱性の低い素材(断熱性が高い)のものである場合等には、被検査体内の気体が、その周囲温度と同等の温度になるのに時間がかかり、例えば周囲温度と同等の温度になっている基準体7内の気体との温度差が生じる可能性があるが、プリプロセス動作実行手段28によって第2のプリプロセス動作を行って、気体漏れ検査の開始前に基準体7側と被検査体5側の両方に加圧気体を通すことにより、基準体7内の気体の温度と被検査体5側の気体の温度とを同等にして安定化でき(被検査体5側の温度残留歪み等の影響を抑制でき)、正確な気体漏れ検査を行うことができる。
なお、本実施例では、基準体7側や被検査体5側に導入される気体の圧力を可変可能な圧力可変手段13を設け、プリプロセス動作時に行われる第1と第2の対応するプリプロセス動作に対応させて基準体7側と被検査体5側に導入される気体の圧力を、気体漏れ検査時に基準体7側と被検査体5側に導入される気体の圧力よりも小さく調整することにより、小さな圧力で効率的にプリプロセス動作を行うことができる。
また、プリプロセス動作は、基準体7内や被検査体5内の気体の温度が高くならないように調整するために行われるものであるから、圧力の高い気体を導入する必要はなく、気体圧縮による温度上昇抑制や加圧気体導入による装置への負担の抑制等の観点から、むしろ、気体の圧力は小さい方が望ましいので、前記のように、導入する気体の圧力を大気圧よりは高めであっても試験圧よりは小さくすることにより適切にプリプロセス動作を行うことができ、気体漏れ検査時には高い圧力の気体を導入することによって、効率的に、かつ、適切に気体漏れ検査を行うことができる。
本実施例の気体漏れ検査装置1を用いて、熱交換器や貯湯タンクの気体漏れ検査を行ったところ、気体漏れ判定の結果がほぼ100%適切な値となることが確認されている。
次に、本発明に係る気体漏れ検査装置の第2実施例について説明する。なお、第2実施例の説明において、前記第1実施例および従来例と同一部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略または簡略化する。
図6には、本発明に係る気体漏れ検査装置の第2実施例の要部システム構成が模式的に示されており、図7には、その制御構成がブロック図により示されている。第2実施例のシステム構成が第1実施例と異なる特徴的なことは、基準体7側から加圧気体を排出する基準体側排出通路18aにおける加圧気体の出口34側が、通路連通制御弁32を介し、被検査体側導入通路6のバイパス通路17への接続位置よりも気体通過の下流側位置に接続されていることである。
通路連通制御弁32は電動ボールバルブ(BV)により形成されており、該電動ボールバルブは、開閉動作が緩慢で該開閉動作時に圧力変動が生じない又は殆ど生じない弁である。通路連通制御弁32は、通路連通制御弁32を制御する弁制御手段(図7の符号29、参照)によって、差圧検出部12による差圧検出時には閉じて該差圧検出時以外には開いた状態される。
また、第2実施例において、基準体側排出通路18aには気体排出制御弁が設けられておらず、基準体7側から加圧気体を排出する際には、加圧気体が基準体7の出口側(図の下部側)から基準体側排出通路18aを通して被検査体5に導入され、被検査体5と被検査体側排出通路18bを通って排出される。また、被検査体5の交換作業時に、被検査体5への気体導入側が大気解放となる際に、そこから加圧気体を排出することもできる。
なお、第2実施例において、配置される基準体7については特に限定されるものではないが、基準体7の容積が被検査体5の容積に比べて格段に小さい小容器が適用されるようにすることが好ましい。基準体7を小容器により形成すると、基準体7からの気体排出を被検査体5側を通して行っても短時間で行える。
また、第2実施例の制御構成は図7に示され、図2に示した前記第1実施例の制御構成とほぼ同様に構成されているが、第2実施例では、制御装置21内に弁制御手段29が設けられており、気体漏れ検査実行手段25による気体漏れ検査の実行動作時に通路連通制御弁32の開閉制御が以下のように行われる。
つまり、気体漏れ検査実行手段25は、気体漏れ検査の実行動作時に、前記第1実施例と同様に、図8のステップS11,12で、加圧気体導入工程、平衡工程を順に行った後、弁制御手段29に通路連通制御弁32の制御開始信号を加える。
弁制御手段29は、この制御開始信号を受けて、通路連通制御弁32(BV)を閉じる方向に動作させる(図8のステップS13、参照)。そうすると、図11のタイムチャートのボールバルブ駆動の蘭に示されるように、電動ボールバルブにより形成された通路連通制御弁32は徐々に閉じていくので、例えば図9のステップBS1に示されるように、通路連通制御弁32が完全に閉じてから、予め定められる設定時間経過後(例えば図9のステップBS2で3秒経過したことが確認された後)に、気体漏れ検出部26に信号を加える。
気体漏れ検出部26は、差圧検出部12により検出される差圧に基づいて気体漏れの有無を検出し(図9のステップBS3)、検出済み信号を、気体漏れ検査実行手段25を介して弁制御手段29に加える。弁制御手段29は、この検出済み信号を受けて通路連通制御弁32を開く方向に動作させ、徐々に開かせる(図9のステップBS4、図11のタイムチャートのボールバルブ駆動の蘭、図8のステップS15、を参照)。以上のように、通路連通制御弁32は、差圧検出部12による差圧検出時には閉じて該差圧検出時以外には開いた状態される。
なお、第2実施例では、通路連通制御弁32が開かれてから予め定められる設定時間経過後(例えば図9のステップBS5で3秒経過したことが確認された後)に、図8のステップS16で、気体排出動作が行われる。
第2実施例では、通路連通制御弁32を設けて差圧検出時以外は通路連通制御弁32を開いておくことにより、図10に示されるように、差圧検出時までは差圧検出部(差圧検出計)12の両端を同一圧力にすることができて差圧を0とすることができる。また、通路連通制御弁32を閉じたままにしておくと、基準体7に加圧気体が導入されることによって基準体7の出口34側に熱が溜まるが、通路連通制御弁32を開いておくことにより、熱を前記出口34側から被検査体5側に排出(逃がすことが)できて、基準体7側の熱歪みを解消でき、基準体7側と被検査体5側の温度を互いに等しいまたはほぼ等しい温度に安定化できる。
そして、差圧検出時に通路連通制御弁32を閉じることによって、基準体7と被検査体5とを非連通状態として(切り離した状態として)密閉し、基準体7と被検査体5との差圧計測を行うことで、基準体7側と被検査体5側が共に温度的に安定した状態で、かつ、差圧検出直前まで差圧を0とした状態で差圧を検出することによって基準体7と被検査体5との差圧を正確に検出することができる。なお、その差圧検出後も通路連通制御弁32を開くことにより差圧検出部(差圧検出計)12の両端を同一圧力にすることができて差圧を0とすることができる。
また、第2実施例でも前記第1実施例と同様に、プリプロセス動作を行うによって基準体7側と被検査体5側をさらに温度的に安定した状態とするので、基準体7と被検査体5との差圧計測を正確に行うことができる。
さらに、本実施例においては通路連通制御弁32を電動ボールバルブにより形成することにより、通路連通制御弁32を閉じて基準体7側と被検査体5側を切り離す動作を緩やかに行うことができ、通路連通制御弁32を閉じるときや開くときの圧力変動の影響を小さくできるので、より正確に差圧計測を行うことができる。
なお、第2実施例においては、配置される基準体7は、その容積が、配置される被検査体5の容積よりも小さいものとされるので、気体漏れ検出部26は、基準体7の容積と被検査体5の容積との差に応じて生じる被検査体5内の気体の圧力と基準体7内の気体の圧力との差圧分(ドリフト分)を、差圧検出部12による検出差圧値から差し引いた値に基づいて、被検査体5からの気体漏れを検出する。
つまり、第2実施例の気体漏れ検査装置1を用いての気体漏れ検査は、配設される被検査体5に対し、配設される基準体7の容積が格段に小さくなるようにして被検査体5の気体漏れ検査動作が行われるようにすることを好ましい態様としており、このような場合には、基準体7の容積が小さいので、加圧気体の圧力が基準体7の気体導出側に強くかかっても、基準体7の容積が大きい場合に比べると、気体の温度は少しずつしか上昇しないといった利点があるが、その反面、配設される被検査体5と、配設される基準体7の容積とが異なると、その容積の違いにより、被検査体5側と基準体7側との差圧の検出に影響がある。
そこで、例えば、予め実験等によって、気体漏れがあることが始めから分かっている被検査体5を用いる等して、被検査体5に漏れが生じている場合には被検査体5と基準体7との差圧がどのように検出されるかといったデータを基準体7の容積と被検査体5の容積に対応させて様々に求め、それらの相関関係をとっておき、その相関関係データと被検査体5および基準体7の容積のデータとに基づいて差圧検出のプログラムを変える等して被検査体5側と基準体7側との差圧を検出し、気体漏れ検査動作を行うようにする。
なお、図10には、第2実施例において検出される差圧検出時(DET)およびその前後の差圧値のイメージ図が示されており、この図において、例えば、特性線aは差圧が判定閾値を超えているので気体漏れがあると判断され、特性線bの場合には差圧が判定閾値未満であるので気体漏れはないと判断される。
また、第2実施例において、小容器の基準体7を設ける代わりに、図12に示されるように、基準体側導入通路8に設けられた手動開閉弁37と通路連通制御弁32との間の通路(図の破線枠M内の通路部分)を基準体として機能するようにしてもよい。このようにする場合も、前記第2実施例と同様の効果を奏することができる。
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものでなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲において様々な態様を採り得る。例えば、前記各実施例では、プリプロセス開始操作手段は、第1のプリプロセス開始操作手段と第2のプリプロセス開始操作手段を個別に備える態様としたが、第1と第2のプリプロセス動作の開始のためのプリプロセス開始操作手段は一つの操作手段としてもよい。
この場合、例えば図2、図7の破線に示されるように、プリプロセス動作実行手段28によって第1のプリプロセス動作のみを行うか第2のプリプロセス動作のみを行うか第1と第2の両方のプリプロセス動作を行うかを選択するための動作選択操作部27を設け、動作選択操作部40により選択操作された動作を、プリプロセス開始操作手段の操作が行われたときにプリプロセス動作実行手段28により実行するようにしてもよい。また、この場合は、例えば前記各実施例におけるスタートBスイッチ23は省略し、一つのスイッチが操作された後に、第1と第2のプリプロセス動作を自動的に適宜行うようにしてもよい。
また、図2、図7の破線に示されるように、配設される基準体の容積と、配設される被検査体の容積を検出する容積検出手段41と、容積検出手段41が検出した結果に基づいてプリプロセス動作実行手段28によるプリプロセス動作を決定する実行動作判断手段42とを設けてもよい。なお、これらの容積検出手段41と実行動作判断手段42は制御装置21内に設けてもよいし、制御装置21とは別に設けて制御装置21と信号接続されるようにしてもよい。
このようにする場合、容積検出手段41が検出した結果を実行動作判断手段42に加え、実行動作判断手段42が、容積検出手段41によって検出される前記基準体の容積と前記被検査体の容積と予め定められるプリプロセス動作実行基準情報とに基づき、プリプロセス動作実行手段28により行うプリプロセス動作を第1のプリプロセス動作のみとするか第2のプリプロセス動作のみとするか第1と第2の両方のプリプロセス動作とするかを判断するようにする。
そして、実行動作判断手段42による判断結果をプリプロセス動作実行手段28に加え、例えば被検査体5の容積が大きいときには第1のプリプロセス動作と第2のプリプロセス動作の両方を行い、被検査体5の容積が小さいときには第1のプリプロセス動作のみを行うようにする等、プリプロセス動作実行手段28が行うプリプロセス動作を決定してプリプロセス動作実行手段28により実行する構成としてもよい。この場合も、例えば前記各実施例におけるスタートBスイッチ23は省略し、一つのスイッチが操作された後に、第1と第2のプリプロセス動作を自動的に適宜行うようにしてもよい。
なお、容積検出手段41と実行動作判断手段42とを設ける構成においては、基準体7の容積と被検査体5の容積とに応じた適宜のプリプロセス動作を選択できる。例えば、被検査体5の容積が大きい場合には、その周囲温度と被検査体の中の温度が同等の温度になるのに時間がかかり、周囲温度と同等の温度になっている基準体7内の気体との温度差が生じる可能性がある。そこで、このような場合に第2のプリプロセス動作を行うことにより、被検査体5と基準体7の温度を同等にして安定化することができる。
一方、被検査体5の容積が小さい場合には、基準体7のみに加圧気体を通すことにより、効率的に気体漏れ検査の準備動作を行うようにすることができる等、被検査体5と基準体7の容積に基づく実行動作判断手段の判断に基づいてプリプロセス動作実行手段により行うプリプロセス動作を決定することにより、適切なプリプロセス動作を容易に実行させることができる。
なお、以上のようなプリプロセス動作に関する構成(各実施例で設けたプリプロセス動作実行手段28および、このプリプロセス動作実行手段28によるプリプロセス動作を行うための構成や、その他の実施例におけるプリプロセス動作に関わる構成)は省略することもできる。
さらに、前記第2実施例では、通路連通制御弁32として電動ボールバルブを用いたが、通路連通制御弁32は電動ボールバルブに限定されるものではなく適宜設定されるものである。なお、通路連通制御弁32は、開閉動作が緩慢で該開閉動作時に圧力変動が生じない又は殆ど生じない弁であることが望ましく、このような弁として、電動ボールバルブの代わりにモータスライドバルブ等を適用することもできる。