JP5314386B2 - 密閉容器のリーク検出システム及びリーク検出方法 - Google Patents

密閉容器のリーク検出システム及びリーク検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、密閉容器のリーク検出システム及びリーク検出方法に関する。
従来より、各種産業分野において、内容物の安定化や保護を行う目的で密閉容器が使用されている。このような密閉容器の中には、製造時におけるシール不良や容器自体の破損等に起因したエアリークが生じるものが含まれる場合がある。このため、現在においては、密閉容器のエアリークを検出するための方法が種々提案されている。
例えば、リーク検出対象である被測定密閉容器をリーク検出用のチャンバの内部に配置し、チャンバを密閉した後にチャンバ内部の圧力を測定し、測定した圧力の変化に基づいて被測定密閉容器のエアリークの有無を判定する、いわゆる直圧式と称されるリーク検出方法が提案されている。但し、このような直圧式のリーク検出方法においては、判定の基準となるチャンバ内部の圧力が測定環境(例えばチャンバ外部の温度や湿度)の変化に大きく左右されてしまうため、正確なリーク検出が困難となる場合がある。
そこで、近年においては、いわゆる差圧式と称されるリーク検出方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。差圧式のリーク検出方法は、配管を介して2つの密閉槽を接続し、一方の密閉槽の内部に被測定密閉容器を配置し、双方の密閉槽の内部の圧力を同一に設定した後、所定時間経過後におけるこれら2つの密閉槽の内部の圧力差が所定の閾値を超えた場合に、被測定密閉容器にエアリークが発生したものと判定する方法である。このような差圧式のリーク検出方法は、2つの密閉槽の圧力バランスの崩れに基づいてエアリークの有無を判定するものであるため、測定環境の変化によってリーク検出結果が大きく左右されることは少ないものと考えられる。
特開平3−77041号公報
ところで、前記した差圧式のリーク検出方法においては、被測定密閉容器が配置される密閉槽を含む検査空間の圧力を所定の目標値に設定するために、検査空間に検査用流体を流入させて検査空間の圧力を上昇させる(又は検査空間から検査用流体を流出させて検査空間の圧力を低下させる)必要がある。このような圧力設定を行う際に、従来は、検査空間の圧力を検出し、この検出した圧力に基づいて圧力制御弁の開度を制御することにより、検査空間の圧力を徐々に上昇(低下)させて目標値に到達させていた。しかし、このような従来の圧力設定方式を採用すると、圧力設定に相当の時間がかかるため、リーク検出対象となる被測定密閉容器が長時間高圧(低圧)に晒されてしまうという問題があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、リーク検出対象となる被測定密閉容器が高圧又は低圧に晒される時間を大幅に短縮することができるリーク検出システム(方法)を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明に係る第1のリーク検出システムは、開口部を有しこの開口部への施蓋により密閉されるように構成された第1の被測定密閉容器の内部と、第1の被測定密閉容器の開口部に末端が接続されたリーク検査用配管の内部と、を含む第1の検査空間に対して検査用流体を流入又は流出させることにより、第1の検査空間の圧力を大気圧とは異なる所定の目標値に設定して第1の被測定密閉容器のリークを検出するシステムであって、第1の検査空間に対して流入又は流出する検査用流体の流量を調整するマスフローコントローラと、所定流量の検査用流体を第1の検査空間に対して流入又は流出させるようにマスフローコントローラを制御することにより、第1の検査空間の圧力を目標値に近い所定の近似目標値に到達させる流量制御手段と、第1の検査空間の圧力を検出する圧力検出手段と、第1の検査空間の圧力を制御する圧力制御弁と、第1の検査空間の圧力が近似目標値に到達した時点から、圧力検出手段で検出した圧力に基づいて圧力制御弁を制御することにより、第1の検査空間の圧力を目標値に到達させる圧力制御手段と、を備えるものである。
また、本発明に係る第1のリーク検出方法は、開口部を有しこの開口部への施蓋により密閉されるように構成された第1の被測定密閉容器の内部と、第1の被測定密閉容器の開口部に末端が接続されたリーク検査用配管の内部と、を含む第1の検査空間に対して検査用流体を流入又は流出させることにより、第1の検査空間の圧力を大気圧とは異なる所定の目標値に設定して第1の被測定密閉容器のリークを検出する方法であって、第1の検査空間に対して流入又は流出する検査用流体の流量を調整するマスフローコントローラと、第1の検査空間の圧力を検出する圧力検出手段と、第1の検査空間の圧力を制御する圧力制御弁と、を採用し、所定流量の検査用流体を第1の検査空間に対して流入又は流出させるようにマスフローコントローラを制御することにより、第1の検査空間の圧力を目標値に近い所定の近似目標値に到達させる流量制御工程と、第1の検査空間の圧力が近似目標値に到達した時点から、圧力検出手段で検出した圧力に基づいて圧力制御弁を制御することにより、第1の検査空間の圧力を目標値に到達させる圧力制御工程と、を含むものである。
かかる構成及び方法を採用すると、施蓋により密閉される第1の被測定密閉容器(例えばペットボトル等の容器)の内部を含む第1の検査空間の圧力を所定の目標値に設定する際に、最初にマスフローコントローラを用いて所定流量の検査用流体を第1の検査空間に対して流入(流出)させて第1の検査空間の圧力を目標値に近い近時目標値に逸早く到達させ、しかる後、圧力制御弁を用いて第1の検査空間の圧力を制御して最終的に目標値に到達させることができる。従って、最初から圧力制御弁を用いて第1の検査空間の圧力を目標値に設定する場合と比較して、圧力設定に要する時間を大幅に短縮することができる。この結果、リーク検出対象の容器が高圧(低圧)に長時間晒されることを抑制することができるため、この容器の損傷や破損を防ぐことができる。
また、本発明に係る第2のリーク検出システムは、予め密閉された第2の被測定密閉容器がその内部に配置されるとともに開口部を有するリーク検査用チャンバと、リーク検査用チャンバの開口部に末端が接続されるリーク検査用配管と、を備え、リーク検査用チャンバの内部とリーク検査用配管の内部とを含む第2の検査空間に対して検査用流体を流入又は流出させることにより、第2の検査空間の圧力を大気圧とは異なる所定の目標値に設定して第2の被測定密閉容器のリークを検出するシステムであって、第2の検査空間に対して流入又は流出する検査用流体の流量を調整するマスフローコントローラと、所定流量の検査用流体を第2の検査空間に対して流入又は流出させるようにマスフローコントローラを制御することにより、第2の検査空間の圧力を目標値に近い所定の近似目標値に到達させる流量制御手段と、第2の検査空間の圧力を検出する圧力検出手段と、第2の検査空間の圧力を制御する圧力制御弁と、第2の検査空間の圧力が近似目標値に到達した時点から、圧力検出手段で検出した圧力に基づいて圧力制御弁を制御することにより、第2の検査空間の圧力を目標値に到達させる圧力制御手段と、を備えるものである。
また、本発明に係る第2のリーク検出方法は、予め密閉された第2の被測定密閉容器がその内部に配置されるとともに開口部を有するリーク検査用チャンバと、リーク検査用チャンバの開口部に末端が接続されるリーク検査用配管と、を採用し、リーク検査用チャンバの内部とリーク検査用配管の内部とを含む第2の検査空間に対して検査用流体を流入又は流出させることにより、第2の検査空間の圧力を大気圧とは異なる所定の目標値に設定して第2の被測定密閉容器のリークを検出する方法であって、第2の検査空間に対して流入又は流出する検査用流体の流量を調整するマスフローコントローラと、第2の検査空間の圧力を検出する圧力検出手段と、第2の検査空間の圧力を制御する圧力制御弁と、を採用し、所定流量の検査用流体を第2の検査空間に対して流入又は流出させるようにマスフローコントローラを制御することにより、第2の検査空間の圧力を目標値に近い所定の近似目標値に到達させる流量制御工程と、第2の検査空間の圧力が近似目標値に到達した時点から、圧力検出手段で検出した圧力に基づいて圧力制御弁を制御することにより、第2の検査空間の圧力を目標値に到達させる圧力制御工程と、を含むものである。
かかる構成及び方法を採用すると、予め密閉してある第2の被測定密閉容器(例えば缶詰の缶等の容器)を配置したリーク検査用チャンバの内部を含む第2の検査空間の圧力を所定の目標値に設定する際に、最初にマスフローコントローラを用いて所定流量の検査用流体を第2の検査空間に対して流入(流出)させて第2の検査空間の圧力を目標値に近い近時目標値に逸早く到達させ、しかる後、圧力制御弁を用いて第2の検査空間の圧力を制御して最終的に目標値に到達させることができる。従って、最初から圧力制御弁を用いて第2の検査空間の圧力を目標値に設定する場合と比較して、圧力設定に要する時間を大幅に短縮することができる。この結果、リーク検出対象の容器が高圧(低圧)に長時間晒されることを抑制することができるため、この容器の損傷や破損を防ぐことができる。
前記リーク検出システムにおいて、リーク検査用配管に圧力制御弁を設けるとともに、圧力制御弁を迂回するようにリーク検査用配管に接続されたバイパス配管にマスフローコントローラを設けることができる。
また、前記リーク検出システムにおいて、リーク検査用配管の圧力制御弁下流側の位置にバッファタンクを設けることが好ましい。
かかる構成を採用すると、圧力制御弁の下流側にバッファタンクが設けられているので、圧力制御弁による圧力制御(例えば圧力検出手段で検出した圧力に基づくフィードバック制御)の際にハンチングが発生することを抑制することができる。
また、前記リーク検出システムにおいて、リーク検査用配管の圧力制御弁下流側の位置から分岐する分岐配管と、分岐配管に設けられた第2のマスフローコントローラと、を備えることもできる。
かかる構成を採用すると、圧力制御弁の下流側に応答速度の速いマスフローコントローラが設けられているので、圧力制御弁による圧力制御を迅速にかつ高精度に行うことができる。また、検査空間に対して検査用流体が過剰に流入(流出)したような場合においても、このマスフローコントローラにより、検査空間の圧力が過剰に変化することを未然に防ぐことが可能となる。
また、本発明に係る第3のリーク検出システムは、開口部を有しこの開口部への施蓋により密閉されるように構成された第1の被測定密閉容器の内部と、第1の被測定密閉容器の開口部に末端が接続されたリーク検査用配管の内部と、を含む第1の検査空間に対して検査用流体を流入又は流出させることにより、第1の検査空間の圧力を大気圧とは異なる所定の目標値に設定して第1の被測定密閉容器のリークを検出するシステムであって、第1の検査空間に対して流入又は流出する検査用流体の流量を調整するマスフローコントローラと、所定流量の検査用流体を第1の検査空間に対して流入又は流出させるようにマスフローコントローラを制御することにより、第1の検査空間の圧力を前記目標値に到達させる流量制御手段と、を備えるものである。
また、本発明に係る第3のリーク検出方法は、開口部を有しこの開口部への施蓋により密閉されるように構成された第1の被測定密閉容器の内部と、第1の被測定密閉容器の開口部に末端が接続されたリーク検査用配管の内部と、を含む第1の検査空間に対して検査用流体を流入又は流出させることにより、第1の検査空間の圧力を大気圧とは異なる所定の目標値に設定して第1の被測定密閉容器のリークを検出する方法であって、第1の検査空間に対して流入又は流出する検査用流体の流量を調整するマスフローコントローラを採用し、所定流量の検査用流体を第1の検査空間に対して流入又は流出させるようにマスフローコントローラを制御することにより、第1の検査空間の圧力を前記目標値に到達させる流量制御工程を含むものである。
かかる構成及び方法を採用すると、施蓋により密閉される第1の被測定密閉容器(例えばペットボトル等の容器)の内部を含む第1の検査空間の圧力を所定の目標値に設定する際に、マスフローコントローラを用いて所定流量の検査用流体を第1の検査空間に対して流入(流出)させて第1の検査空間の圧力を目標値に逸早く到達させることができる。従って、最初から圧力制御弁を用いて第1の検査空間の圧力を目標値に設定する場合と比較して、圧力設定に要する時間を大幅に短縮することができる。この結果、リーク検出対象の容器が高圧(低圧)に長時間晒されることを抑制することができるため、この容器の損傷や破損を防ぐことができる。また、かかる構成及び方法を採用すると、圧力制御弁や圧力センサを使用することなく第1の検査空間の圧力設定を実現させることができる。従って、圧力制御弁や圧力センサの応答遅れや故障が発生した場合においても、リーク検出対象の容器を保護することが可能となる。
また、本発明に係る第4のリーク検出システムは、予め密閉された第2の被測定密閉容器がその内部に配置されるとともに開口部を有するリーク検査用チャンバと、リーク検査用チャンバの開口部に末端が接続されるリーク検査用配管と、を備え、リーク検査用チャンバの内部とリーク検査用配管の内部とを含む第2の検査空間に対して検査用流体を流入又は流出させることにより、第2の検査空間の圧力を大気圧とは異なる所定の目標値に設定して第2の被測定密閉容器のリークを検出するシステムであって、第2の検査空間に対して流入又は流出する検査用流体の流量を調整するマスフローコントローラと、所定流量の検査用流体を第2の検査空間に対して流入又は流出させるようにマスフローコントローラを制御することにより、第2の検査空間の圧力を前記目標値に到達させる流量制御手段と、を備えるものである。
また、本発明に係る第4のリーク検出方法は、予め密閉された第2の被測定密閉容器がその内部に配置されるとともに開口部を有するリーク検査用チャンバと、リーク検査用チャンバの開口部に末端が接続されるリーク検査用配管と、を採用し、リーク検査用チャンバの内部とリーク検査用配管の内部とを含む第2の検査空間に対して検査用流体を流入又は流出させることにより、第2の検査空間の圧力を大気圧とは異なる所定の目標値に設定して第2の被測定密閉容器のリークを検出する方法であって、第2の検査空間に対して流入又は流出する検査用流体の流量を調整するマスフローコントローラを採用し、所定流量の検査用流体を第2の検査空間に対して流入又は流出させるようにマスフローコントローラを制御することにより、第2の検査空間の圧力を前記目標値に到達させる流量制御工程を含むものである。
かかる構成及び方法を採用すると、予め密閉してある第2の被測定密閉容器(例えば缶詰の缶等の容器)を配置したリーク検査用チャンバの内部を含む第2の検査空間の圧力を所定の目標値に設定する際に、マスフローコントローラを用いて所定流量の検査用流体を第2の検査空間に対して流入(流出)させて第2の検査空間の圧力を目標値に逸早く到達させることができる。従って、最初から圧力制御弁を用いて第2の検査空間の圧力を目標値に設定する場合と比較して、圧力設定に要する時間を大幅に短縮することができる。この結果、リーク検出対象の容器が高圧(低圧)に長時間晒されることを抑制することができるため、この容器の損傷や破損を防ぐことができる。また、かかる構成及び方法を採用すると、圧力制御弁や圧力センサを使用することなく第2の検査空間の圧力設定を実現させることができる。従って、圧力制御弁や圧力センサの応答遅れや故障が発生した場合においても、リーク検出対象の容器を保護することが可能となる。
本発明によれば、リーク検出対象となる被測定密閉容器が高圧又は低圧に晒される時間を大幅に短縮することができるリーク検出システム(方法)を提供することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るリーク検出システムについて説明する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態として、開口部への施蓋により密閉されるように構成されたペットボトル等の第1の被測定密閉容器(以下、「第1密閉容器」という)のリークを検出するリーク検出システム1について説明することとする。まず、図1〜図3を用いて、本実施形態に係るリーク検出システム1の構成について説明する。
リーク検出システム1は、図1に示すように、リーク検査用配管2、図示されていない空気供給源からリーク検査用配管2に供給される空気(検査用流体)を遮断するための遮断弁3、リーク検査用配管2に設けられた流量計4及び圧力センサ5及び圧力制御弁6、圧力制御弁6を迂回するようにリーク検査用配管2に接続されたバイパス配管7、バイパス配管7に設けられた初期供給用マスフローコントローラ8、バッファタンク9、システム内の各種機器を制御するとともに第1密閉容器100のリークの有無を判定する判定器20等を備えている。
遮断弁3の開閉動作は、判定器20によって制御される。遮断弁3が閉鎖されると、配管(リーク検査用配管3やバイパス配管7)の内部と第1密閉容器100内部とにより閉空間(以下、「第1の検査空間」という)が形成されることとなる。判定器20は、この第1の検査空間における空気の流れに基づいて、第1密閉容器100のリークを検出する。
流量計4は、第1の検査空間を流通する空気の流量を検出するものである。流量計4によって検出された流量に係る情報は判定器20に伝送され、リーク判定に用いられる。本実施形態における流量計4は、半導体ダイヤフラムを有する熱式流れセンサを有する熱式流量計である。ここで、図2及び図3を用いて、熱式流れセンサ40の構成について説明する。
熱式流れセンサ40は、図2及び図3に示すように、キャビティ42が設けられた基板41、基板41上にキャビティ42を覆うように配置された絶縁膜43、絶縁膜43に設けられたヒータ44、ヒータ44の両側に配置された第1の測温抵抗素子45及び第2の測温抵抗素子46、周囲温度センサ47等を有している。
絶縁膜43のキャビティ42を覆う部分は、断熱性のダイヤフラムを構成している。周囲温度センサ47は、第1の検査空間内の空気の温度を測定する。ヒータ44は、キャビティ42を覆う絶縁膜43の中心に配置されており、第1の検査空間内を流通する空気を、周囲温度センサ47が計測した温度よりも一定温度高くなるように加熱する。第1の測温抵抗素子45はヒータ44の一方側の温度を検出するために用いられ、第2の測温抵抗素子46はヒータ44の他方側の温度を検出するために用いられる。
ここで、第1の検査空間内の空気が静止している場合、ヒータ44で加えられた熱は、ヒータ44の両側へ対称的に拡散する。従って、第1の測温抵抗素子45及び第2の測温抵抗素子46の温度は等しくなり、第1の測温抵抗素子45及び第2の測温抵抗素子46の電気抵抗は等しくなる。これに対し、第1の検査空間内の空気が例えば図2及び図3に示した矢印の方向に流れている場合、ヒータ44で加えられた熱は、下流の第2の測温抵抗素子46側へ運ばれる。従って、第1の測温抵抗素子45の温度よりも、第2の測温抵抗素子46の温度が高くなり、これにより、第1の測温抵抗素子45の電気抵抗と第2の測温抵抗素子46の電気抵抗との間に差が生じる。
第1の測温抵抗素子45の電気抵抗と第2の測温抵抗素子46の電気抵抗との差は、第1の検査空間内の空気の流速や流量と相関関係がある。このため、第1の測温抵抗素子45の電気抵抗と第2の測温抵抗素子46の電気抵抗との差から、第1の検査空間内を流通する空気の流速や流量が算出される。図2及び図3に示した矢印の方向と反対方向に空気が流れた場合においても、同様の原理で空気の流速や流量を算出することができる。
図2及び図3に示した基板41の材料としては、シリコン(Si)等が使用可能である。絶縁膜43の材料としては、酸化ケイ素(SiO2)等が使用可能である。キャビティ42は、異方性エッチング等により形成される。またヒータ44、第1の測温抵抗素子45、第2の測温抵抗素子46及び周囲温度センサ47の各材料には白金(Pt)等が使用可能であり、リソグラフィ法等により形成可能である。
圧力センサ5は、リーク検査用配管2の流量計4上流側の位置に設けられており、リーク検査用配管2を流通する空気の圧力を検出するものである。すなわち、圧力センサ5は、本発明における圧力検出手段として機能する。圧力センサ5で検出した圧力に係る情報は、判定器20に伝送され、圧力制御弁6の制御に用いられる。圧力制御弁6は、その開閉動作が判定器20によって制御されることにより、リーク検査用配管2を流通する空気の圧力を制御するものである。
バイパス配管7は、空気供給源から供給された空気を、圧力制御弁6を経由させずに第1密閉容器100へと導くためのものであり、空気供給の初期段階において用いられる。初期供給用マスフローコントローラ8は、空気供給源から供給された空気の流量を調整するものであり、判定器20によって制御される。本実施形態においては、初期供給用マスフローコントローラ8を用いて所定流量の空気を供給して第1の検査空間の圧力を所定の目標値に近い近似目標値に到達させた後、圧力制御弁6を用いて第1の検査空間の圧力を制御して所定の目標値に到達させることとしている。
バッファタンク9は、リーク検査用配管2の圧力制御弁6の下流側に配置されており、その内部に大容量の空気を蓄えることにより、所定圧力(目標値)設定後における検査空間の圧力がリークに起因して急激に低下することを抑制する機能(緩衝機能)を果たし、リーク検査の確度向上に寄与するものである。また、バッファタンク9は、圧力制御弁6による圧力制御(圧力センサ5で検出した圧力に基づくフィードバック制御)の際にハンチングが発生することを抑制する機能をも果たす。また、本実施形態においては、空気供給源から空気が過剰に供給されることにより第1密閉容器100内部の圧力が過剰に上昇することを未然に防ぐ目的で、過給対策用マスフローコントローラ10を採用している。過給対策用マスフローコントローラ10は、リーク検査用配管2の圧力制御弁6下流側の位置から分岐する分岐配管11に設けられている。空気供給源から多量の空気が導入された場合には、判定器20の制御により過給対策用マスフローコントローラ10が作動して、第1密閉容器100内部の圧力が所定の閾値以下に抑えられるようになっている。過給対策用マスフローコントローラ10は、本発明における第2のマスフローコントローラに相当するものである。
判定器20は、図1に示すように、各種機器の制御や情報処理を行う中央制御部21、検出結果や判定結果等の各種情報を記録するメモリ22、判定結果や警報等の各種情報を表示する表示部23、判定に関する各種情報を入力するための操作部24等を有している。メモリ22には、第1密閉容器100のリーク判定に用いられる各種データ(例えば後述する基準流量特性等のデータ)が保存されている。表示部23は、リークの判定結果(リークの有無)を画像情報として出力する。
中央制御部21は、第1密閉容器100のリーク判定処理に先立ち、初期供給用マスフローコントローラ8や圧力制御弁6を制御して、第1の検査空間の圧力を所定の目標値に設定する。具体的には、中央制御部21は、所定流量の空気を第1の検査空間に流入させるように初期供給用マスフローコントローラ8を制御することにより、圧力センサ5での検出圧力を目標値に近い所定の近似目標値に到達させる。この際に流入させる流量は、近似目標値に到達させるための空気の積算流量に相当する。近似目標値は、例えば目標値の90%の値に設定することができる。
その後、中央制御部21は、圧力センサ5での検出圧力が近似目標値に到達した時点から、圧力制御弁6を制御することにより、圧力センサ5での検出圧力を目標値に到達させる。すなわち、中央制御部21は、本発明における流量制御手段及び圧力制御手段として機能する。なお、中央制御部21は、圧力センサ5での検出圧力を目標値に到達させた直後に遮断弁3を閉鎖する。
また、中央制御部21は、流量計4によって検出された流量の流量特性と、リークのない基準密閉容器を第1容器100に代えて接続した場合における基準流量特性と、に基づいて第1密閉容器100のリークの有無を判定する。本実施形態においては、流量特性として、時間流量曲線(第1の検査空間の圧力が所定値から大気圧へと回復する過程で第1の検査空間内を流通する空気の流量の時間履歴を表す曲線)を採用している。かかる時間流量曲線は、リーク判定対象となる被測定密閉容器の温度には依存しない(すなわち被測定密閉容器の温度に拘らず一定形状となる)ことが実験により明らかとなっている。従って、このような時間流量曲線を採用してリーク判定を行うと、リーク判定時間を短縮することが可能となる。
次に、図4のフローチャート等を用いて、本実施形態に係るリーク検出方法(リーク検出システム1を用いて第1密閉容器100のリークを検出する方法)について説明する。
まず、リーク検出システム1のリーク検査用配管2の末端2aに第1密閉容器100の開口部110を接続する(密閉容器接続工程:S1)。次いで、リーク検出システム1の判定器20の中央制御部21は、ユーザによる操作部24の操作等に基づいて、初期供給用マスフローコントローラ8を制御することにより、所定流量の空気を第1の検査空間に流入させて、圧力センサ5での検出圧力を目標値に近い所定の近似目標値に到達させる(流量制御工程:S2)。次いで、中央制御部21は、圧力センサ5での検出圧力が近似目標値に到達した時点から、圧力制御弁6を制御することにより、さらに空気を第1の検査空間に流入させて、圧力センサ5での検出圧力を目標値に到達させ(圧力制御工程:S3)、遮断弁3を閉鎖する。これら流量制御工程S2及び圧力制御工程S3により、第1の検査空間の圧力が所定の目標値に設定される。
続いて、リーク検出システム1の判定器20の中央制御部21は、流量計4で検出された第1検査空間における空気の流量特性(第1密閉容器100に対応する時間流量曲線)と、リークのない基準密閉容器を第1密閉容器100に代えて接続した場合における基準流量特性と、に基づいて第1密閉容器100のリークの有無を判定する(リーク判定工程:S4)。この後、判定器20の中央制御部21は、ユーザによる操作部24の操作等に基づいて、リーク判定工程S4で判定されたリークの有無を表示部23に表示し(判定結果表示工程:S5)、全工程を終了する。
以上説明した実施形態に係るリーク検出システム1においては、施蓋により密閉される第1密閉容器100(例えばペットボトル等の容器)の内部を含む第1の検査空間の圧力を所定の目標値に設定する際に、最初に初期供給用マスフローコントローラ8を用いて所定流量の空気を第1の検査空間に流入させて第1の検査空間の圧力を目標値に近い近時目標値に逸早く到達させ、しかる後、圧力制御弁6を用いて第1の検査空間の圧力を制御して最終的に目標値に到達させることができる。従って、最初から圧力制御弁6を用いて第1の検査空間の圧力を目標値に設定する場合と比較して、圧力設定に要する時間を大幅に短縮することができる。この結果、リーク検出対象の第1密閉容器100が高圧に長時間晒されることを抑制することができるため、この第1密閉容器100の損傷や破損を防ぐことができる。
また、以上説明した実施形態に係るリーク検出システム1においては、リーク検査用配管2の圧力制御弁6下流側の位置にバッファタンク9が設けられているので、圧力制御弁6による圧力制御(圧力センサ5で検出した圧力に基づくフィードバック制御)の際にハンチングが発生することを抑制することができる。
また、以上説明した実施形態に係るリーク検出システム1においては、リーク検査用配管2の圧力制御弁6下流側の位置に応答速度の速い過給対策用マスフローコントローラ10が設けられているので、圧力制御弁6による圧力制御を迅速にかつ高精度に行うことができる。また、第1の検査空間に空気が過剰に流入したような場合においても、過給対策用マスフローコントローラ10により、第1の検査空間の圧力が過剰に変化することを未然に防ぐことが可能となる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態として、予め密閉された缶詰の缶等の第2の被測定密閉容器(以下、「第2密閉容器」という)のリークを検出するリーク検出システム1Aについて説明することとする。本実施形態に係るリーク検出システム1Aは、第1実施形態に係るリーク検出システム1のリーク検査用配管2の末端にリーク検査用チャンバ12を接続したものであり、その他の構成は第1実施形態と実質的に同一である。このため、重複する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、詳細な説明を省略することとする。
本実施形態に係るリーク検出システム1Aは、図5に示すように、リーク検査用配管2と、リーク検査用配管2の末端2aに接続されるリーク検査用チャンバ12と、第2密閉容器200のリークの有無を判定する判定器20Aと、を備えている。また、リーク検出システム1Aは、遮断弁3、流量計4、圧力センサ5、圧力制御弁6、初期供給用マスフローコントローラ8、バッファタンク9及び過給対策用マスフローコントローラ10を備えており、これらの構成は、第1実施形態で説明したものと実質的に同一である。
リーク検査用チャンバ12は、その内部に第2密閉容器200を収納するための密閉槽であり、リーク検査用配管2に接続される開口部13を有している。遮断弁3が閉鎖されると、配管(リーク検査用配管3やバイパス配管7)の内部とリーク検査用チャンバ12の内部とにより閉空間(以下、「第2の検査空間」という)が形成されることとなる。判定器20Aは、この第2の検査空間における空気の流れに基づいて、第2密閉容器200のリークを検出する。
判定器20Aは、図5に示すように、各種機器の制御や情報処理を行う中央制御部21A、検出結果や判定結果等の各種情報を記録するメモリ22A、判定結果や警報等の各種情報を表示する表示部23A、判定に関する各種情報を入力するための操作部24A等を有しており、基本的な構成は第1実施形態の判定器20と共通している。メモリ22Aには、第2密閉容器200のリーク判定に用いられる各種データが保存されている。
中央制御部21Aは、第2密閉容器200のリーク判定処理に先立ち、初期供給用マスフローコントローラ8や圧力制御弁6を制御して、第2の検査空間の圧力を所定の目標値に設定する。具体的には、中央制御部21Aは、所定流量の空気を第2の検査空間に流入させるように初期供給用マスフローコントローラ8を制御することにより、圧力センサ5での検出圧力を目標値に近い所定の近似目標値に到達させる。この際に流入させる流量は、近似目標値に到達させるための空気の積算流量に相当する。近似目標値は、例えば目標値の90%の値に設定することができる。
その後、中央制御部21Aは、圧力センサ5での検出圧力が近似目標値に到達した時点から、圧力制御弁6を制御することにより、圧力センサ5での検出圧力を目標値に到達させる。すなわち、中央制御部21Aは、本発明における流量制御手段及び圧力制御手段として機能する。なお、中央制御部21Aは、圧力センサ5での検出圧力を目標値に到達させた直後に遮断弁3を閉鎖する。
また、中央制御部21Aは、流量計4によって検出された流量の流量特性と、リークのない基準密閉容器を第2密閉容器200に代えて接続した場合における基準流量特性と、に基づいて第2密閉容器200のリークの有無を判定する。本実施形態においては、流量特性として、時間流量曲線(第2の検査空間の圧力が所定値から大気圧へと回復する過程で第2の検査空間を流通する空気の流量の時間履歴を表す曲線)を採用している。
次に、図6のフローチャート等を用いて、本実施形態に係るリーク検出方法(リーク検出システム1Aを用いて第2密閉容器200のリークを検出する方法)について説明する。
まず、リーク検出システム1Aのリーク検査用チャンバ12内部に第2密閉容器200を配置するとともに、リーク検査用配管2の末端2aにリーク検査用チャンバ12の開口部13を接続する(密閉容器配置工程:S11)。次いで、リーク検出システム1Aの判定器20Aの中央制御部21Aは、ユーザによる操作部24Aの操作等に基づいて、初期供給用マスフローコントローラ8を制御することにより、所定流量の空気を第2の検査空間に流入させて、圧力センサ5での検出圧力を目標値に近い所定の近似目標値に到達させる(流量制御工程:S12)。次いで、中央制御部21Aは、圧力センサ5での検出圧力が近似目標値に到達した時点から、圧力制御弁6を制御することにより、さらに検査用流体をリーク検査用配管2(及びリーク検査用チャンバ12)に流入させて、圧力センサ5での検出圧力を目標値に到達させ(圧力制御工程:S13)、遮断弁3を閉鎖する。これら流量制御工程S12及び圧力制御工程S13により、第2の検査空間の圧力が所定の目標値に設定される。
続いて、リーク検出システム1Aの判定器20Aの中央制御部21Aは、流量計4で検出された第2の検査空間における空気の流量特性(第2密閉容器200に対応する時間流量曲線)と、リークのない基準密閉容器を第2密閉容器200に代えて接続した場合における基準流量特性と、に基づいて第2密閉容器200のリークの有無を判定する(リーク判定工程:S14)。この後、判定器20Aの中央制御部21Aは、ユーザによる操作部24Aの操作等に基づいて、リーク判定工程S14で判定されたリークの有無を表示部23Aに表示し(判定結果表示工程:S15)、全工程を終了する。
以上説明した実施形態に係るリーク検出システム1Aにおいては、予め密閉してある第2密閉容器200(例えば缶詰の缶等の容器)を配置したリーク検査用チャンバ12の内部を含む第2の検査空間の圧力を所定の目標値に設定する際に、最初に初期供給用マスフローコントローラ8を用いて所定流量の空気を第2の検査空間に流入させて第2の検査空間の圧力を目標値に近い近時目標値に逸早く到達させ、しかる後、圧力制御弁6を用いて第2の検査空間の圧力を制御して最終的に目標値に到達させることができる。従って、最初から圧力制御弁6を用いて第2の検査空間の圧力を目標値に設定する場合と比較して、圧力設定に要する時間を大幅に短縮することができる。この結果、リーク検出対象の第2密閉容器200が高圧に長時間晒されることを抑制することができるため、この容器の損傷や破損を防ぐことができる。
なお、以上の各実施形態においては、バッファタンク9の上流側に遮断弁3を一つ設けた例を示したが、バッファタンク9の下流側(バッファタンク9と被測定対象物との間)に第2の遮断弁(又は他の流体遮断機構)を設けることができる。そして、被測定対象物交換の際に、リーク検査用配管2の末端2aから第1密閉容器100又はリーク検査用チャンバ12を取り外すことに先立って、第2の遮断弁を用いて検査用流体の供給を停止させることができる。第2の遮断弁としては、例えば、流量計4の代わりに設けたマスフローコントローラを採用することができる。
このように被測定対象物交換の際に第2の遮断弁を用いて検査用流体の供給を停止させると、リーク検査用配管2からの検査用流体の流出を少量に止めることができ、リーク検査用配管2内部の圧力低下を抑制することができる。そして、被測定対象物交換後にリーク検査を再開する際には、第2の遮断弁を開いて検査用流体を再供給すると同時に圧力制御弁6を用いて検査空間の圧力を制御することにより、きわめて短い時間で検査空間の圧力を目標値に到達させることができる。従って、被測定対象物交換後における検査用流体の供給時間を大幅に短縮することができるので、複数の異なる被測定対象物のリーク検査を行う際の検査時間を大幅に短縮することが可能となる。なお、リーク検査再開の際には、第2の遮断弁を開くと同時に初期供給用マスフローコントローラ8を用いて所定流量(第2の遮断弁を採用しない場合とは異なる流量)の空気を検査空間に流入させて検査空間の圧力を近時目標値に到達させ、しかる後、圧力制御弁6を用いて検査空間の圧力を制御して検査空間の圧力を目標値に到達させることもできる。
また、以上の各実施形態においては、遮断弁3を閉鎖して閉空間を形成した状態でリーク検査を実施した例を示したが、遮断弁3を閉鎖しない状態で(すなわち検査用流体の供給を継続したまま)リーク検査を実施することもできる。このように検査用流体の供給を継続したままリーク検査を実施する場合には、バッファタンク9を省くこともできる。
また、以上の各実施形態においては、遮断弁3を用いて検査用流体の供給を停止させた例を示したが、圧力制御弁6及び初期供給用マスフローコントローラ8を用いて検査用流体の供給を停止させることもできる。また、圧力制御弁6に代わるマスフローコントローラ(以下、「第3のマスフローコントローラ」という)をリーク検査用配管2に設け、この第3のマスフローコントローラ及び初期供給用マスフローコントローラ8を用いて検査用流体の供給を停止させてもよい。
また、以上の各実施形態においては、検査空間に所定流量の空気を流入させ、この検査空間の圧力を大気圧よりも高い所定圧力に設定した上でリーク検査を実施した例を示したが、検査空間から所定流量の空気を流出させ、この検査空間の圧力を大気圧よりも低い所定圧力に設定した上でリーク検査を実施することもできる。
また、以上の各実施形態においては、リーク判定の際にのみ流量計4を使用した例を示したが、圧力設定の際にも流量計4を使用することができる。すなわち、初期供給用マスフローコントローラ8を用いて検査空間に空気を流入させる際に、検査空間を流通する空気の流量を流量計4で検出して流入開始時点からの積算流量を算出し、この積算流量が所定値(検査空間の圧力が近似目標値になる値)に到達した時点で初期供給用マスフローコントローラ8を停止させることもできる。
また、以上の各実施形態においては、検査空間の圧力を所定の目標値に設定する際に、マスフローコントローラ8を用いた流量制御と、圧力センサ5及び圧力制御弁6を用いた圧力制御と、の双方を採用したシステム(方法)について説明した例を示したが、マスフローコントローラ8のみを用いて、検査空間の圧力を所定の目標値に設定してもよい。かかる場合には、検査空間を所定の目標値に到達させるために必要な所定流量(目標流量)を予め算出しておき、被測定対象物の接続(配置)の後にマスフローコントローラ8を制御することにより、この目標流量の検査用流体を検査空間に流入させて検査空間の圧力を所定の目標値に到達させ、しかる後、流量特性等に基づいてリーク検査を実施するようにする。このようなシステム(方法)を採用すると、圧力センサ5や圧力制御弁6を使用することなく検査空間の圧力設定を実現させることができる。従って、圧力センサ5や圧力制御弁6の応答遅れや故障が発生した場合においても、リーク検出対象の容器を保護することが可能となる。
また、以上の各実施形態においては、流量計として半導体ダイヤフラムを有する熱式流れセンサを備える熱式流量計を採用した例を示したが、かかる熱式流れセンサに代えて、他の方式(超音波式や電磁式)の流量センサを備える流量計を採用してもよい。その他、本発明を、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが可能である。
本発明の第1実施形態に係るリーク検出システムの構成を示す構成図である。 図1に示したリーク検出システムの流量計の流れセンサを示す斜視図である。 図2の流れセンサをIII-III方向から見た場合の端面図である。 本発明の第1実施形態に係るリーク検出方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るリーク検出システムの構成を示す構成図である。 本発明の第2実施形態に係るリーク検出方法を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1・1A…リーク検出システム
2…リーク検査用配管
2a…末端
4…流量計
5…圧力センサ(圧力検出手段)
6…圧力制御弁
7…バイパス配管
8…初期供給用マスフローコントローラ
9…バッファタンク
10…過給対策用マスフローコントローラ(第2のマスフローコントローラ)
11…分岐配管
12…リーク検査用チャンバ
13…開口部
21・21A…中央制御部(流量制御手段、圧力制御手段)
100…第1密閉容器(第1の被測定密閉容器)
110…開口部
200…第2密閉容器(第2の被測定密閉容器)

Claims (7)

  1. 開口部を有しこの開口部への施蓋により密閉されるように構成された第1の被測定密閉容器の内部と、前記第1の被測定密閉容器の前記開口部に末端が接続されたリーク検査用配管の内部と、を含む第1の検査空間に対して検査用流体を流入又は流出させることにより、前記第1の検査空間の圧力を大気圧とは異なる所定の目標値に設定して前記第1の被測定密閉容器のリークを検出するシステムであって、
    前記第1の検査空間に対して流入又は流出する検査用流体の流量を調整するマスフローコントローラと、
    所定流量の検査用流体を前記第1の検査空間に対して流入又は流出させるように前記マスフローコントローラを制御することにより、前記第1の検査空間の圧力を前記目標値に近い所定の近似目標値に到達させる流量制御手段と、
    前記第1の検査空間の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記第1の検査空間の圧力を制御する圧力制御弁と、
    前記第1の検査空間の圧力が前記近似目標値に到達した時点から、前記圧力検出手段で検出した圧力に基づいて前記圧力制御弁を制御することにより、前記第1の検査空間の圧力を前記目標値に到達させる圧力制御手段と、を備える、
    密閉容器のリーク検出システム。
  2. 予め密閉された第2の被測定密閉容器がその内部に配置されるとともに開口部を有するリーク検査用チャンバと、前記リーク検査用チャンバの前記開口部に末端が接続されるリーク検査用配管と、を備え、前記リーク検査用チャンバの内部と前記リーク検査用配管の内部とを含む第2の検査空間に対して検査用流体を流入又は流出させることにより、前記第2の検査空間の圧力を大気圧とは異なる所定の目標値に設定して前記第2の被測定密閉容器のリークを検出するシステムであって、
    前記第2の検査空間に対して流入又は流出する検査用流体の流量を調整するマスフローコントローラと、
    所定流量の検査用流体を前記第2の検査空間に対して流入又は流出させるように前記マスフローコントローラを制御することにより、前記第2の検査空間の圧力を前記目標値に近い所定の近似目標値に到達させる流量制御手段と、
    前記第2の検査空間の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記第2の検査空間の圧力を制御する圧力制御弁と、
    前記第2の検査空間の圧力が前記近似目標値に到達した時点から、前記圧力検出手段で検出した圧力に基づいて前記圧力制御弁を制御することにより、前記第2の検査空間の圧力を前記目標値に到達させる圧力制御手段と、を備える、
    密閉容器のリーク検出システム。
  3. 前記圧力制御弁は、前記リーク検査用配管に設けられるものであり、
    前記マスフローコントローラは、前記圧力制御弁を迂回するように前記リーク検査用配管に接続されたバイパス配管に設けられるものである、
    請求項1又は2に記載の密閉容器のリーク検出システム。
  4. 前記リーク検査用配管の前記圧力制御弁下流側の位置に設けられるバッファタンクを備える、
    請求項3に記載の密閉容器のリーク検出システム。
  5. 前記リーク検査用配管の前記圧力制御弁下流側の位置から分岐する分岐配管と、
    前記分岐配管に設けられた第2のマスフローコントローラと、を備える、
    請求項3又は4に記載の密閉容器のリーク検出システム。
  6. 開口部を有しこの開口部への施蓋により密閉されるように構成された第1の被測定密閉容器の内部と、前記第1の被測定密閉容器の前記開口部に末端が接続されたリーク検査用配管の内部と、を含む第1の検査空間に対して検査用流体を流入又は流出させることにより、前記第1の検査空間の圧力を大気圧とは異なる所定の目標値に設定して前記第1の被測定密閉容器のリークを検出する方法であって、
    前記第1の検査空間に対して流入又は流出する検査用流体の流量を調整するマスフローコントローラと、前記第1の検査空間の圧力を検出する圧力検出手段と、前記第1の検査空間の圧力を制御する圧力制御弁と、を採用し、
    所定流量の検査用流体を前記第1の検査空間に対して流入又は流出させるように前記マスフローコントローラを制御することにより、前記第1の検査空間の圧力を前記目標値に近い所定の近似目標値に到達させる流量制御工程と、
    前記第1の検査空間の圧力が前記近似目標値に到達した時点から、前記圧力検出手段で検出した圧力に基づいて前記圧力制御弁を制御することにより、前記第1の検査空間の圧力を前記目標値に到達させる圧力制御工程と、を含む、
    密閉容器のリーク検出方法。
  7. 予め密閉された第2の被測定密閉容器がその内部に配置されるとともに開口部を有するリーク検査用チャンバと、前記リーク検査用チャンバの前記開口部に末端が接続されるリーク検査用配管と、を採用し、前記リーク検査用チャンバの内部と前記リーク検査用配管の内部とを含む第2の検査空間に対して検査用流体を流入又は流出させることにより、前記第2の検査空間の圧力を大気圧とは異なる所定の目標値に設定して前記第2の被測定密閉容器のリークを検出する方法であって、
    前記第2の検査空間に対して流入又は流出する検査用流体の流量を調整するマスフローコントローラと、前記第2の検査空間の圧力を検出する圧力検出手段と、前記第2の検査空間の圧力を制御する圧力制御弁と、を採用し、
    所定流量の検査用流体を前記第2の検査空間に対して流入又は流出させるように前記マスフローコントローラを制御することにより、前記第2の検査空間の圧力を前記目標値に近い所定の近似目標値に到達させる流量制御工程と、
    前記第2の検査空間の圧力が前記近似目標値に到達した時点から、前記圧力検出手段で検出した圧力に基づいて前記圧力制御弁を制御することにより、前記第2の検査空間の圧力を前記目標値に到達させる圧力制御工程と、を含む、
    密閉容器のリーク検出方法。
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