JPH11304632A - 洩れ検査用ドリフト補正値算出装置及びこれを用いた洩れ検査装置 - Google Patents

洩れ検査用ドリフト補正値算出装置及びこれを用いた洩れ検査装置

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JPH11304632A
JPH11304632A JP11513698A JP11513698A JPH11304632A JP H11304632 A JPH11304632 A JP H11304632A JP 11513698 A JP11513698 A JP 11513698A JP 11513698 A JP11513698 A JP 11513698A JP H11304632 A JPH11304632 A JP H11304632A
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drift
value
differential pressure
test object
temperature difference
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JP11513698A
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English (en)
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Akio Furuse
昭男 古瀬
Kazutoshi Hamaide
和敏 濱出
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Cosmo Instruments Co Ltd
Original Assignee
Cosmo Instruments Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 取扱いが容易で検査の信頼性が高い洩れ検査
装置を提供する。 【解決手段】 被検査体と基準タンクに空気圧を与え、
両者間に圧力差が発生するか否かにより被検査体に洩れ
が有るか否かを判定する洩れ検査装置において、校正時
に被検査体と環境温度ごとに被検査体と基準タンクとの
間に発生する圧力差をドリフト特性としてドリフト特性
記憶手段に記憶すると共に、ドリフト検出手段により洩
れの成分等を含まない純度の高いドリフト値を検出し、
このドリフト値とドリフト特性記憶手段に記憶したドリ
フト特性との偏差を求め、その偏差をドリフト特性記憶
手段から読み出されるドリフト特性に加え、ドリフト特
性の位置を平行移動させて利用することによりドリフト
補正の精度を高めた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は各種の容器等の洩
れの有無を検査する洩れ検査装置に用いるドリフト補正
値算出装置と、この算出装置によって算出したドリフト
補正値を利用して動作する洩れ検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より使用状態で洩れの存在がないこ
とが必要な製品もしくは部品を、その生産工程ライン中
において順次検査し、その検査データを設定基準値と比
較して製品もしくは部品の良否を判定している。図7は
この種の洩れ検査装置の一般的な構成を示すブロック図
で、空圧源11の出力側に接続された流管10は調圧弁
12及び3方電磁弁14を介して3方電磁弁14の出口
側で分岐される分岐路15A,15Bにそれぞれ接続さ
れている。調圧弁12の出口側と3方電磁弁14の入口
側の間には検査圧を設定する圧力計13が接続されてい
る。
【0003】分岐路15Aは電磁弁16を介して導管1
8の一端に接続され、この導管18の他端部には洩れが
検査される被検査体20が接続可能な接続治具24が設
けられる。この接続治具24により被検査体20が順次
接続されて洩れ検査が可能な構成となっている。一方、
分岐路15Bは電磁弁17を介して導管19の一端に接
続され、この導管19の他端部には基準タンク21が接
続されている。電磁弁16及び17の出口側において導
管18及び19がそれぞれ延長して取り出され、それぞ
れの端部間に差圧検出器22が取付けられている。
【0004】差圧検出器22の出力信号は増幅器31を
介して比較器32に与えられ、比較器32において基準
値設定器33の出力基準値と比較可能な構成とされる。
被検査体20を導管18の端部に取付け、導管19には
洩れのない基準タンク21を取り付けて3方電磁弁14
のa−b間を閉状態とし、調圧弁12を開いて圧力計1
3によって空圧源11から所定の空気圧が得られるよう
に調整する。電磁弁16及び17を開状態とし、3方電
磁弁14のa−b間を開状態にして設定された一定の空
気圧を分岐路15A,15B,導管18,19を通じて
それぞれ被検査体20及び基準タンク21に供給する。
【0005】一定時間が経過して被検査体20及び基準
タンク21内の圧力が安定した後に、電磁弁16及び1
7を閉状態にする。更に所定の安定時間後に差圧検出器
22に接続された自動零補正式増幅器31の出力信号の
読み取りが行われる。被検査体20の気密が完全で洩れ
が存在しない状態では、増幅器31からの出力信号は一
定検出時間後において理想的には零となる。被検査体2
0に洩れが存在すると、その内部の圧力が正圧の場合は
漸次減少し、負圧の場合は漸次増加する出力信号が得ら
れ、一定検出時間内の出力信号は負または正の洩れ量に
ほゞ比例した値となる。
【0006】基準値設定器33から与えられる基準差圧
値と増幅器31の出力値が比較器32で比較され、出力
信号が基準差圧値を越えたか否かにより、良品もしくは
不良品を示す良否判定出力35が得られる。この一般的
な洩れ検査装置においては基準タンク21を被検査体2
0と全く同一状態で洩れのないものを使用しても、主に
被検査体20と基準タンク21との温度差によって影響
を受ける。被検査体20と基準タンク21の形状が異な
れば気体を加圧したとき断熱変化による気体温度の上昇
が被検査体20と基準タンク21の温度に等しくなって
いく過程での気体温度差が発生し、出力信号が理想的に
零の状態にならない。即ち、被検査体20に全く洩れが
なくても、一定検出時間中の出力信号は理想的な零状態
とならず、正または負の相当な洩れ量に匹敵する差圧値
を示すのが通常である。この洩れ量に匹敵する差圧値を
一般にドリフト量と称している。
【0007】この様子を図8を用いて説明する。図8に
示す曲線Aはドリフト量、曲線Bは洩れ量、曲線Cはド
リフト量に洩れ量を加えた実質的に差圧検出器22によ
って検出される差圧値を示す。図8から解るように、曲
線Cで示す差圧値は大部分がドリフト量であり、洩れ量
に相当する差圧値はわずかである。この差圧値(曲線
C)から洩れ量だけを取り出す方法として、ドリフトに
よって発生する差圧値は時間が経過するとその増加率は
ほゞ0に近づく、これに対して洩れ量によって発生する
差圧値は時間が経過してもいつまでも一定の増加率で上
昇する現象を呈する。
【0008】この点に着目して図7に示す構成の洩れ検
査装置では、自動零補正式増幅器31の出力を或る時間
(ドリフト量の増加が0に近づいた時点以後のタイミン
グ)TIM−1で強制的にゼロにリセットし、ゼロリセ
ット後に利得を高めて差圧検出器22の検出信号を増幅
させ、出力信号SD(曲線D)を得るようにし、この出
力信号SDを比較器32に供給し、一定時間後に発生す
る出力信号SDを比較器32で基準値と比較し、一定時
間が経過した時点で出力信号SDが基準値を越えていれ
ば不良と判定している。
【0009】この検査方法によれば、ドリフト量の増加
率が0に近づくのを待って検査を開始するから、1個の
被検査体に要する検査時間が長くなる欠点がある。この
ため、差圧が発生し始めた初期の時点でドリフト量を除
去し、洩れ量に相当する差圧値だけを取り出すことがで
きると検査時間を短縮できる利点が得られる。しかしな
がら、ドリフト量によって発生する差圧値(曲線A)は
温度、特に被検査体20の温度等によって大きく変動す
るから一概にドリフト量だけを除去することは難しい。
【0010】この欠点を解消するために、例えば特公平
1−57728号公報に見られるように被検査体20と
基準となる環境温度として、例えば基準タンク21との
間の温度差を測定し、各温度差ごとに発生する差圧値を
メモリに記憶させ、図9に示す温度差ΔT℃−差圧値Δ
Pのドリフト特性曲線Aを求め、検査時は被検査体20
と基準タンク21との間の温度差に応じて、各温度差ご
とにメモリに記憶したドリフト特性曲線Aからドリフト
値を読み出し、この読み出したドリフト値を測定した差
圧値から差し引くことにより、測定した差圧値からドリ
フト量を除去し、差圧の発生開始の初期の段階でドリフ
ト量を除去し、検査を短時間に済ませることができる洩
れ検査装置を提案した。
【0011】図10に先に提案した洩れ検査装置の概略
の構成を示す。この先に提案した洩れ検査装置では、被
検査体20と基準タンク21の温度を測定する温度セン
サ40A,40Bを設け、これら各温度センサ40Aと
40Bで測定した被検査体20と基準タンク21の温度
を差動増幅器41で差を求め、その温度差をAD変換器
42でAD変換してマイクロコンピュータによって構成
した制御器43に入力する。
【0012】これと共に、そのとき差圧検出器22から
出力されている差圧値を必要に応じて増幅器36で増幅
し、その増幅器出力をAD変換器37でAD変換し、そ
のAD変換した差圧値を制御器43に入力する。ドリフ
ト特性曲線A(図9参照)を取り込む際には、被検査体
20として良品を用いて模擬的に試験を実行する。制御
器43にはメモリ44が接続され、このメモリ44に各
温度差ごとに差圧値を記憶させる。つまり、メモリ44
には複数の記憶領域A〜Nが設けられる。各記憶領域A
〜Nにそれぞれ温度差を割り当てる。温度差が0℃であ
れば記憶領域Aにそのとき差圧検出器22が測定した差
圧値を書き込む。温度差が1℃の場合は記憶領域Bに、
温度差が2℃の場合は記憶領域Cに書き込む。このよう
に各温度差ごとに記憶領域を割り当てる。
【0013】各記憶領域A〜Nには、例えば20〜30
程度のアドレスを用意し、同一温度差で発生した差圧値
(ドリフトと等価)を記憶できるように構成し、読み出
し時にはこれら複数のアドレスに記憶した差圧値の平均
を平均値算出手段46で求めその平均値をドリフト補正
値として減算器38に与える。メモリ44に用意した温
度差の全ての領域に差圧値を短時間に取り込むことはむ
ずかしい。このため、現実には温度差が異なる2点の差
圧値を取り込んだ場合に、この2点の差圧値から直線近
似して全ての温度差に対応する差圧値を演算して求め、
その演算により求めた差圧値を各温度差に対応して記憶
領域に記憶させ、この記憶したデータ列をドリフト特性
曲線Aとして利用することも考えられている。
【0014】実際の検査に当たっては、被検査体20と
基準タンク21の温度差に対応してメモリ44から差圧
値を読み出し、その差圧値を減算器38で測定値から引
き算し、その残差分を良否判定手段32に入力し、この
良否判定手段32において基準値設定器33から与えら
れる基準値と比較し、残差値が基準値より小さければ
良、大きければ不良と判定し、その判定結果を表示器3
9に表示させる。
【0015】検査中に良否判定手段32で良と判定した
場合には、良否判定手段32から制御器43に制御信号
が出され、そのとき差圧検出器22で測定した差圧値
を、そのとき測定した温度差に対応した記憶領域に書き
込むことを繰り返す。この動作により同一温度差で良品
であるにも係わらず、徐々に差圧値がドリフトした場合
でも、その変化がメモリ44に記憶されるから、ドリフ
ト分を減算器38で除去し、ドリフトによって差圧値が
変動して良品であるにも係わらず、不良品と判定してし
まう事故を防止することができる。
【0016】このように、先に提案した洩れ検査装置に
よれば検査中でも良品と判定した場合には、そのとき測
定した差圧値をメモリ44に書込み、検査装置に学習さ
せて周囲温度の変化等に対応してドリフト特性曲線Aを
ドリフト特性曲線BまたはC(図9参照)に移動させ、
常に最適なドリフト補正値が得られるように考慮したも
のである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】先に提案した洩れ検査
装置では、検査中も良品と判定するごとに、そのとき測
定した差圧値を、そのとき測定した温度差に対応したメ
モリの記憶領域に記憶させている。しかしながら、良品
と判定された被検査体20でも、例えばわずかな洩れが
あった場合には、その洩れに相当する差圧を含んだデー
タがドリフト特性曲線AまたはB,またはCを決めるデ
ータとしてメモリに記憶されることになるから、メモリ
に蓄積されるドリフト特性曲線AまたはB,またはCを
決定する差圧値には温度差ΔT℃の変化に追従しない他
の要素(例えば洩れ量)をパラメータとする変化成分が
混入することになり、正確なドリフト補正を行っている
とは言えない状況となる。
【0018】このため、従来は検査開始ごとに良品と判
定されている被検査体を用意し、この被検査体を用いて
模擬的に検査を実行し、この模擬検査時に得られる温度
差ΔT℃と差圧値ΔPを測定し、この測定値をメモリに
記憶させて正しいドリフト特性曲線AまたはB,または
Cを記憶させ、データが一通り得られた段階で検査を開
始させ、検査中はメモリへのデータ書替えを禁止し、メ
モリに記憶しているドリフト特性曲線に温度差の変化を
パラメータとする差圧変化成分以外の成分が混入するこ
とを阻止する状態で実用している。
【0019】従って、従来のドリフト補正方法では固定
されたドリフト特性曲線を利用しているに過ぎないか
ら、周囲温度の変化等に応動してドリフト特性曲線が図
9に示した曲線AからBに、またはAからCに変化し、
正しいドリフト補正を実行しようとする目的が達せられ
ない状況にある。この発明の目的は、ドリフト特性曲線
をメモリに記憶させ、このメモリに記憶したドリフト特
性曲線を利用して測定される。差圧値に含まれるドリフ
ト成分を除去し、洩れの有無を判定する型式の洩れ検査
装置において、被検査体に洩れがあっても、洩れとドリ
フトとを区別し、ドリフト変動だけを検出し、ドリフト
変動に従ってドリフト特性曲線の位置を平行移動させ、
常に正しいドリフト補正値を発生させることができるド
リフト補正値算出装置を設け、このドリフト補正値算出
装置を用いた洩れ検査装置を提供しようとするものであ
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】この発明では、マスタリ
ングと呼ばれる技術を利用してドリフトを洩れと区別し
て測定し、測定したドリフト値を利用してドリフト特性
曲線の位置を修正し、常に正しいドリフト補正を実現す
ることができるドリフト補正値算出装置と、このドリフ
ト補正値算出装置を用いた洩れ検査装置を提案するもの
である。
【0021】この発明によれば、良品を使ってドリフト
特性曲線をメモリに取り込む動作を一度だけ実行すれ
ば、爾後は被検査体の形状、内容積等が変更されない限
りマスタリング動作だけを実行すればマスタリング動作
によりその時点における正しいドリフト量を求めること
ができる。この結果、正しいドリフト量を用いてメモリ
に記憶したドリフト特性曲線の位置を修正すればドリフ
ト特性曲線から温度差に対応した正しいドリフト補正値
を算出することができる。
【0022】従って、この発明によるドリフト補正値算
出装置によればどのような環境下にあっても正しいドリ
フト補正値を得ることができるから、このドリフト補正
値算出装置を用いた洩れ検査装置によれば常に正しい洩
れ検査を実行することができる利点が得られる。
【0023】
【発明の実施の形態】図1にこの発明による洩れ検査装
置の概略の構成を示す。図7及び図10と対応する部分
には同一符号を付して示す。この発明ではドリフト補正
値算出装置100を設け、このドリフト補正値算出装置
100において、常に正しいドリフト補正値を算出し、
この算出したドリフト補正値を差圧検出器22で測定し
た差圧値から減算器38で減算し、その減算結果を比較
器32で基準値と比較し、良否を判定する構成としたも
のである。
【0024】ドリフト補正値算出装置100は大きく分
けてドリフト検出手段110と、ドリフト特性記憶手段
120と、偏差算出手段130と、ドリフト補正手段1
40とによって構成することができる。ドリフト検出手
段110は洩れ検査装置を校正する場合に起動され、後
述するマスタリング動作を実行してその時点におけるド
リフト値を洩れ等他の要素を含むことなく検出する。
【0025】ドリフト特性記憶手段120は図10で説
明したメモリ44と同じ構成を有し、被検査体20と環
境温度(この例では接続治具24の温度を環境温度とし
た場合を示す)との差に従って差圧値ΔPを記憶する。
ここでは説明を簡素にするためにドリフト特性記憶手段
120に各温度差ごとに良否を検査した場合に発生する
差圧値が既に記憶されているものとして説明する。図3
にドリフト特性記憶手段120に記憶したドリフト特性
の一例を示す。図3に示すドリフト特性Aは洩れ検査装
置を出荷する際にドリフト特性記憶手段120に記憶さ
せ、実用中は被検査体20の形状、内容積等が変更され
ない限り書替えを行う必要はない。従って、このドリフ
ト特性記憶手段120は例えば読出専用メモリによって
構成することができる。複数種の被検査体を検査する利
用者にあっては、各品種の被検査体ごとに、ドリフト特
性を予め測定し、その測定結果をメモリに用意すればよ
い。
【0026】次に洩れ検査装置の校正動作について説明
する。校正モードではドリフト検出手段110が起動さ
れ、被検査体20と接続治具24の温度差を測定し、そ
の温度差におけるドリフト値を求める。このドリフト値
を求める方法については後で説明するが、温度差ΔT℃
が例えばΔT℃=0℃であり、更にそのとき測定された
ドリフト値が図3に示すように、ΔP02であったとする
と、ドリフト特性記憶手段120に記憶しているドリフ
ト特性は図3に示す曲線Aであるから、温度差ΔT℃=
0℃に記憶している差圧値ΔP01を読み出し、この差圧
値ΔP01と測定されたドリフト値ΔP02との偏差を偏差
算出手段130で求める。偏差はΔP02−ΔP01=−Δ
1 となる。
【0027】偏差算出手段130が偏差ΔP1 を算出す
ると、その偏差ΔP1 をドリフト補正手段140に渡
し、この偏差ΔP1 をドリフト特性記憶手段120から
読み出されるドリフト特性に加算してドリフト補正を施
す。従って、この場合には図3に示すドリフト補正値は
曲線A′に従ってドリフト補正が施されることになる。
ドリフト測定値がΔP01より小さい図3に示すΔP03
あった場合には、偏差はΔP03−ΔP01=ΔP2 とな
る。この場合にはドリフト補正手段140で偏差−ΔP
2 を加算すれば、結果的にドリフト特性曲線Aから偏差
ΔP2 だけ減算された曲線A″が得られ、この曲線A″
に従ってドリフト補正が施されることになる。
【0028】偏差ΔP1 または−ΔP2 が算出された時
点で校正が終了し、爾後はドリフト特性記憶手段120
から読み出すドリフト特性の値に偏差ΔP1 または−Δ
2を加算してドリフト補正を施せばよい。ドリフト補
正が施されたドリフト補正値はドリフト補正値記憶器2
00に記憶される。このドリフト補正値記憶器200に
格納したドリフト補正値は被検査体20と接続治具24
との温度差ΔT℃が変化し、ドリフト特性記憶手段12
0から読み出される差圧値が変化するごとに新しいドリ
フト補正値に書き替えられる。
【0029】以上により、この発明の概略の構成及び動
作について理解されよう。以下ではドリフト検出手段1
10の構成及び動作について図2を用いて詳細に説明す
る。ドリフト補正値算出装置100はパーソナルコンピ
ュータ或いはマイクロコンピュータ等によって構成する
ことができる。コンピュータシステムは既に良く知られ
ているように、中央演算処理装置101と、読出専用メ
モリ102と、書替え可能なメモリ103と、入力ポー
ト104,出力ポート105等によって構成される。
【0030】この実施例では、ドリフト特性記憶手段1
20を読出専用メモリ102に格納した場合を示す。ま
たドリフト検出手段110と、偏差算出手段130,ド
リフト補正手段140は書替え可能なメモリ103に格
納したプログラムによって構成した場合を示す。ドリフ
ト検出手段110はマスタリング制御手段111と、第
1メモリ112と、収束判定手段113と、第2メモリ
114と、演算手段115とによって構成される。先
ず、マスタリング制御手段111について説明する。
【0031】マスタリング動作を実行するには図1に示
すように被検査体20と、基準タンク21との間を自由
に導通させることができる平衡手段47を必要とする。
この平衡手段47は導管18と19の間に導管47Bを
差し渡すと共に、この導管47Bの中間に電磁弁47A
を介挿して構成することができ、電磁弁47Aを開の状
態に制御することにより、被検査体20と基準タンク2
1との間に発生している差圧を平衡させる動作を実行す
る。温度センサ40Aと40Bは、例えば熱電対のよう
な温度センサを用いることができる。温度センサ40A
は被検査体20の装着位置近傍に設けられ、被検査体2
0を接続治具24に装着すると必然的に被検査体20が
温度センサ40Aに接触し、被検査体20の温度T1を
測定する。温度センサ40Bは接続治具24に直接取り
付けられ、接続治具24の温度T2を測定する。これら
温度センサ40A,40Bの検出信号は差動増幅器41
とAD変換器42を通じてドリフト補正値算出装置10
0に取り込まれ、ドリフト値の算出及びドリフト特性の
読み出しに利用される。
【0032】ここで、ドリフト補正値算出装置100に
ついて詳細に説明する。ドリフト補正値算出装置100
において、ドリフト値D1を求める場合は被検査体20
の温度T1と環境温度T2を測定し、この測定温度を初
期温度差として記憶する。この状態でマスタリング制御
手段111を起動させて図4に示すマスタリング動作を
実行する。
【0033】マスタリング動作とは、被検査体20と基
準タンク21に加圧気体を印加し、加圧気体の供給路を
遮断すると共に、加圧気体の供給路を遮断した後、一定
時間経過後に発生する初回の差圧検出値Daを測定し、
その初回の差圧測定値Daを第1メモリ112に記憶さ
せる。差圧検出値Daを測定した後に平衡手段47を動
作させて被検査体20と基準タンク21の間の圧力を平
衡させる動作を実行させる。
【0034】差圧の発生と平衡を繰り返すうちに被検査
体20と接続治具24との間の温度差がT1=T2=0
℃に近づくため、差圧の発生値は図4に示すように徐々
に小さくなり、被検査体20に洩れが全く無い場合は差
圧値は最終的に0に収束するが、洩れが有る場合は一定
値Dbに収束する。収束判定手段113は複数回にわた
って差圧検出器22が一定値Dbを測定したことを検出
し、差圧値が一定値に収束したと判定し、この一定値D
bを第2メモリ114に記憶させる。
【0035】このようにマスタリング動作によって最終
的に得られる差圧値Dbは現在接続している被検査体2
0の洩れ量に相当し、この洩れ量Dbを最初に測定した
差圧値Daから演算手段115において減算することに
より、その環境下におけるドリフト値D1=Da−Db
を求めることができる。このドリフト値D1は洩れ量D
bを含まない純粋なドリフト量を示す。このドリフト値
D1を偏差算出手段130に与え、偏差算出手段130
においてドリフト特性記憶手段120から読み出したド
リフト特性曲線上の初期温度差における差圧値との偏差
を求める。この例では初期温度差が0℃の差圧値ΔP01
(図3参照)との偏差ΔP1 または−ΔP2 (図3)を
求める。
【0036】偏差算出手段130において偏差を求め
る。この偏差をドリフト補正手段140に与え、このド
リフト補正手段140でドリフト特性記憶手段120か
ら読み出される各温度差毎の差圧値に偏差を加えてドリ
フト補正値とし、このドリフト補正値をドリフト補正値
記憶器200に記憶させ校正が終了する。検査モードで
は被検査体20が交換される毎に、被検査体20の温度
と環境温度とを温度センサ40Aと40Bで測定し、そ
の温度差によりドリフト特性記憶手段120からドリフ
ト特性値を毎回読み出し、ドリフト補正手段140にお
いてこのドリフト特性値に偏差算出手段が算出した偏差
を加え、この加算動作によってドリフト特性曲線を平行
移動させてドリフト値を求め、このドリフト値を検査中
に発生した差圧値から減算器36で減算してドリフト成
分を除去し、その残差を比較器32で基準値と比較して
良否を判定する。
【0037】従って、一度校正モードを実行すると、そ
の環境下における最適なドリフト値D1が求められ、そ
のドリフト値D1とドリフト特性曲線の偏差を求め、そ
の偏差をドリフト特性曲線に加算して平行移動させて使
用するから、ドリフト補正値は常に正しいドリフト値に
維持され、また検査開始の起動も簡単に行うことができ
る。
【0038】図5はこの発明の変形実施例を示す。この
図5に示す例では被検査体20の温度と環境温度との差
を測定する温度差測定手段として差圧検出器22を代用
する実施例を示す。つまり、電磁弁16、17が開の状
態において3方電磁弁14のb−c間を導通させ、被検
査体20と基準タンク20と21に大気圧を与える。大
気圧を与えた状態のまま電磁弁16、17を閉じ、被検
査体20と基準タンク21との間に発生する圧力差を差
圧検出器22で測定する。差圧検出器22で検出した差
圧値は被検査体20と環境温度の差に対応する。
【0039】つまり、被検査体20の温度と環境温度と
の差が大きければ圧力差が大きく発生する。このとき被
検査体20と基準タンク21内の圧力は大気圧であるか
ら、被検査体20に洩れが有ってもその洩れの影響を受
ける率は小さい。従ってこの状態で発生する差圧値は温
度差に対するドリフト値と見ることができる。このドリ
フト値の検出方法に関しては本出願人により「特公昭5
3−2526号公報」で示すように既に提案されてい
る。
【0040】被検査体20に各種の温度を与え環境温度
との間に温度差を発生させ、各温度毎に発生する差圧値
を測定することにより図6に示す差圧値対ドリフト値と
するドリフト特性曲線Aを得ることができる。このドリ
フト特性曲線Aを予め測定し、ドリフト特性記憶手段1
20に記憶させ、検査モードにおいてこのドリフト特性
を被検査体20が交換される毎に数秒間づつ大気圧を密
封して差圧の発生を検出し、その発生した差圧値により
ドリフト特性記憶手段120からドリフト特性値を読み
出し、そのドリフト特性値にドリフト補正手段140に
おいて偏差算出手段130で算出した偏差を加えてドリ
フト補正すれば、図1の実施例と同様のドリフト補正を
行うことができる。
【0041】この図5に示した実施例によれば温度セン
サを必要とせず、差圧検出器22で温度測定差手段を代
用することができる。この結果構成部品の数を少なくで
きることから、故障の少ない洩れ検査装置を提供するこ
とができる利点が得られる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば
ドリフト検出手段110とドリフト特性記憶手段120
とを組み合わせることにより取扱いが容易で、しかも検
査の信頼性が高い洩れ検査装置を提供できる。従って、
その効果は実用に供して頗る大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の概要を説明するためのブロック図。
【図2】この発明の要部の構成を説明するためのブロッ
ク図。
【図3】この発明の要部の動作を説明するためのグラ
フ。
【図4】図3と同様のグラフ。
【図5】この発明の変形実施例を説明するためのブロッ
ク図。
【図6】図5の動作を説明するためのグラフ。
【図7】従来の技術を説明するためのブロック図。
【図8】図5の動作を説明するためのグラフ。
【図9】図5の動作を説明するためのグラフ。
【図10】従来の技術の他の例を説明するためのブロッ
ク図。
【符号の説明】
11 空圧源 12 調圧弁 13 圧力計 14 3方電磁弁 15A,15B 分岐器 16,17 電磁弁 18,19 導管 20 被検査体 21 基準タンク 22 差圧検出器 24 接続治具 32 比較器 100 ドリフト補正値算出装置 110 ドリフト検出手段 120 ドリフト特性記憶手段 130 偏差算出手段 140 ドリフト補正手段 200 ドリフト補正値記憶器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 A.被検査体と基準タンクに加圧気体を
    印加し、印加完了時点で加圧気体の供給路を遮断し、上
    記印加完了時点から一定時間が経過した時点で上記被検
    査体と基準タンクとの間の差圧値を差圧検出器によって
    測定し、その差圧値からドリフト補正値を除去し、その
    残差値が所定値以上か以下かによって上記被検査体に洩
    れが有るか否かを判定する洩れ検査装置において、 B.上記被検査体の温度と環境温度との差を測定する温
    度差測定手段と、 C.この温度差測定手段によって測定した温度差ごとに
    測定した差圧値をドリフト特性として記憶したドリフト
    特性記憶手段と、 D.上記被検査体と基準タンクとの間を導通状態と非導
    通状態に制御する平衡手段と、 E.上記温度差測定手段により上記被検査体の温度と環
    境温度との初期温度差を測定すると共に、 上記被検査体と基準タンクに加圧気体を印加し、加圧気
    体の印加後に加圧気体の供給路を遮断し、この遮断状態
    において一定時間が経過するごとに上記差圧検出器で被
    検査体と基準タンク間に発生する差圧値を測定すると共
    に、この差圧値の測定が終了するごとに一定時間ずつ上
    記平衡手段を動作させて、上記被検査体と基準タンク間
    の圧力差を平衡させる動作を繰り返し、平衡動作を実行
    するごとに発生する差圧値が一定値に収束したことを検
    出して、その収束した差圧値を初回に発生した差圧値か
    ら減算し、その減算結果をドリフト値として検出するド
    リフト検出手段と、 F.このドリフト検出手段が検出したドリフト値と、上
    記ドリフト特性記憶手段に記憶したドリフト特性曲線上
    の上記初期温度差におけるドリフト値との偏差を算出す
    る偏差算出手段と、 G.この偏差算出手段が算出した偏差を上記ドリフト特
    性記憶手段から読み出されるドリフト特性値に加算し、
    各温度差ごとにドリフト補正値を算出するドリフト補正
    手段と、 によって構成したことを特徴とする洩れ検査用ドリフト
    補正値算出装置。
  2. 【請求項2】 A.被検査体と基準タンクに加圧気体を
    印加し、印加完了時点で加圧気体の供給路を遮断し、上
    記印加完了時点から一定時間が経過した時点で上記被検
    査体と基準タンクとの間の差圧値を差圧検出器によって
    測定し、その差圧値からドリフト補正値を除去し、その
    残差値が所定値以上か以下かによって上記被検査体に洩
    れが有るか否かを判定する洩れ検査装置において、 B.上記被検査体の温度と環境温度との差を測定する温
    度差測定手段と、 C.この温度差測定手段によって測定した温度差ごとに
    測定した差圧値をドリフト特性として記憶したドリフト
    特性記憶手段と、 D.上記ドリフト特性記憶手段から読み出されるドリフ
    ト特性値に請求項1記載の偏差算出手段が算出した偏差
    を加算し、各被検査体ごとにドリフト補正値を算出する
    ドリフト補正手段と、 E.検査工程において上記差圧検出器で測定した値か
    ら、上記ドリフト補正手段が算出したドリフト補正値を
    減算する減算器と、 を具備し、この減算器の減算出力が所定値以上か以下か
    によって上記被検査体に洩れが有るか否かを判定する構
    成としたことを特徴とする洩れ検査装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の洩れ検査用ドリフト補正
    値算出装置又は請求項2記載の洩れ検査装置の何れかに
    おいて、上記温度差測定手段は被検査体の温度と環境温
    度との差を測定する一対の温度センサによって構成した
    ことを特徴とする洩れ検査装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の洩れ検査用ドリフト補正
    値算出装置又は請求項2記載の洩れ検査装置の何れかに
    おいて、上記温度差測定手段は被検査体と基準タンクに
    大気圧を与えた状態で両者を密封し、この密封状態で両
    者間に発生する発生差圧を温度差として測定する差圧検
    出器によって構成としたことを特徴とする洩れ検査装
    置。
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