JP6420960B2 - 電子制御装置 - Google Patents

電子制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6420960B2
JP6420960B2 JP2014050974A JP2014050974A JP6420960B2 JP 6420960 B2 JP6420960 B2 JP 6420960B2 JP 2014050974 A JP2014050974 A JP 2014050974A JP 2014050974 A JP2014050974 A JP 2014050974A JP 6420960 B2 JP6420960 B2 JP 6420960B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pull
terminal
electronic control
control device
resistor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014050974A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015175676A (ja
Inventor
寛 岩澤
寛 岩澤
広津 鉄平
鉄平 広津
佐藤 千尋
千尋 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Astemo Ltd
Original Assignee
Hitachi Automotive Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Automotive Systems Ltd filed Critical Hitachi Automotive Systems Ltd
Priority to JP2014050974A priority Critical patent/JP6420960B2/ja
Publication of JP2015175676A publication Critical patent/JP2015175676A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6420960B2 publication Critical patent/JP6420960B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は自動車のエンジン等の制御を行う電子制御装置に関し、制御対象に装着された各種のセンサやスイッチ等(以下、センサ類と記す)から電子制御装置に入力される信号を電子制御装置内部での演算に適するように処理する手段に関する。
従来から、自動車のエンジン等を高度に制御する手段として、エンジン等の制御対象に接続された温度センサや酸素センサ等のセンサ類から制御対象の状態を入力し、内部のマイコン等の演算手段による演算結果をもって燃料噴射器等のアクチュエータを操作して所望の制御を実現する電子制御装置が用いられている。このような電子制御装置において、センサ類からの多様な入力信号を電子制御装置の内部で処理するのに適するよう処理する入力処理回路が用いられている。
具体的には、例えばサーミスタやポテンシォメータのように抵抗値が変化するセンサ類からの入力をプルアップまたはプルダウン抵抗によって電圧信号に変換し、さらにAD変換を行うことでマイコン等の電子制御装置の内部の演算手段において信号を直接扱うことができるようになる。
なお、これらの入力処理回路は外部から印加されるサージへの対策のため、各入力端子にコンデンサ(以下、「端子コンデンサ」と呼ぶ)を実装することが一般的である。
また、エンジン等の制御対象の多機能化および高機能化により、電子制御装置に接続されるセンサ類の数量は増加し、その種類も多様化する傾向にある。これらのセンサ類は電子制御装置に接続される際にプルアップすべきものとプルダウンすべきものが混在しており、電子制御装置はその各々に対応する必要がある。
通常は入力端子から抵抗器を介して直接電源配線またはGND(グラウンド)配線に接続することでプルアップまたはプルダウン処理を行うが、別の構成としてプルアップ抵抗とプルダウン抵抗の両者を実装しておき、入力端子に対してどちらを接続するかをスイッチ等で切り替えることができる構成(プログラマブルプルアップ・プルダウン)とすることもでき、この場合は同じ電子制御装置をその設定次第で多様なセンサ類に柔軟に対応させることができる。
特開2012−145410号公報
一般に、電子制御装置を含む自動車の制御システム、特にエンジン等の重要機能に関する制御システムにおいては高い信頼性および安全性が求められる。特に、昨今重要性が高まってきている機能安全の観点での安全性を実現するためには、制御システムを構成する各要素の故障を診断する機能(自己診断機能)が必要となる。
このように自己診断機能を持つ入力処理回路は様々な形態をとることができるが、例えば特許文献1に記載の「信号入力回路、及び集積回路」では、任意の電圧に充電された検査コンデンサを診断対象の検査経路に接続した際に検査経路に現れる電圧から、端子コンデンサを含む検査経路のオープン故障や断線故障を診断することを可能としている例が開示されている。
一方で、本方式では診断のために検査コンデンサとして専用のコンデンサが必要であり、コスト上昇要因となる課題があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、診断のための追加コストをできるだけ削減しつつ、端子コンデンサを含む入力処理回路の故障を診断することが可能な電子制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための構成の一例としては、抵抗値が変化する外部センサを接続可能な一つまたは複数の入力端子と、一方の端子が前記入力端子に接続され、他方の端子がGND(グラウンド)配線または電源配線と結線された端子コンデンサと、前記入力端子からの配線を入力としてそのうち1つを選択して出力するマルチプレクサと、一方の端子が前記マルチプレクサの出力に接続され、他方の端子が電源配線またはGND配線へ任意に接続可能な形で接続されたプルアップ抵抗またはプルダウン抵抗とを備え、前記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の接続を切り替えたときの入力端子の電圧変化の時定数から、前記端子コンデンサの故障有無の診断を行う。
本発明に係る請求項1、2、4および5に記載の電子制御装置によれば、診断のために専用の回路要素を追加することなく、端子コンデンサを含む入力処理回路の故障を診断することができる。
また、本発明に係る請求項3および6に記載の電子制御装置によれば、診断時において電圧測定誤差による影響を軽減することができる。
第一の実施形態における電子制御装置1の構成を示した回路ブロック図 第一の実施形態における被選択信号105の電圧変動を表したグラフ 測定間隔Tとτ2の実測値の誤差との関係を計算したグラフ 第一の実施形態における被選択信号105の電圧変動を表したグラフの別例 第二の実施形態における電子制御装置1の構成を示した回路ブロック図 第二の実施形態における被選択信号105の電圧変動を表したグラフ
以下、本発明の第一の実施形態による電子制御装置について、図1を用いて説明する。図1は、本発明の第一の実施形態おける電子制御装置1の構成を示した回路ブロック図である。

[電子制御装置1の構成]
電子制御装置1は入力処理回路10とマイコン13、および図示しない出力部から構成され、その入力端子100に複数の外部センサ21および22が接続される。外部センサ21および22は図示しない制御対象に装着され、制御対象の状態に応じて抵抗値が変化する特性を持つ。外部センサ21および22は入力端子100を介して一端が電源配線101またはGND配線102に、もう一端が入力信号103および104として入力処理回路10に接続されている。電源配線101はVccの電圧を、GND配線102はゼロの電圧を持つとする。
ここで、外部センサ21や22の一端を電源配線101とGND配線102のいずれに接続するかは外部センサの種別や用途ごとに異なり、一般的に一つの電子制御装置内で混在されることが多い。ここでは、外部センサ21を電源配線101に、外部センサ22をGND配線102に接続している例で説明する。

[通常動作時の入力処理回路10の構成と動作]
以下、まずは通常動作時における入力処理回路10の構成と動作を説明する。入力処理回路10は端子コンデンサ111および112、マルチプレクサ113、制御回路114、およびプログラマブルプルアップ・プルダウン部12から構成され、外部センサ21および22の抵抗値を電圧信号に変換することで、マイコン13内のAD変換器131でディジタル信号に変換するのに適するよう処理する役割をもつ。
入力端子100から入力された入力信号103および104は各々に端子コンデンサ111および112が接続され、さらにマルチプレクサ113に入力されている。また、端子コンデンサ111および112のもう一端はGND配線102に接続されている。なお、この配線はGND配線102ではなく電源配線101等、他の直流電位に配線されていてもよい。入力信号103および104はマルチプレクサ103により1つの信号が選択され、その被選択信号105はプログラマブルプルアップ・プルダウン部12の中間点およびマイコン13内のAD変換器131に接続される。
プログラマブルプルアップ・プルダウン部12はプルアップSw(スイッチ)121、プルアップ抵抗122、プルダウン抵抗123、およびプルダウンSw(スイッチ)124から構成され、被選択信号105に対してプルアップ処理を行うかプルダウン処理を行うかを任意に選択することができる。
具体的には、プルアップ・プルダウン設定信号108に応じてプルアップSw121やプルダウンSw124のON/OFFが選択され、プルアップ処理を行いたい場合はプルアップSw121を、プルダウン処理を行いたい場合はプルダウンSw124を排他的にONすることでこれを実現する。
なお、マルチプレクサ113の選択すべき信号を指示する選択信号107やプルアップ・プルダウン設定信号108は、マイコン13から入力される制御信号106に基づいて制御回路114から出力される。
以上の構成により外部センサ21および22の抵抗値を電圧信号に変換し、AD変換器131にてディジタル信号への変換処理を行うことができるようになる。
具体的には、電源配線101に接続されている外部センサ21に対してはマルチプレクサ113にて入力信号103を選択した後にプルダウンSw124をONすることでプルダウン処理を行う。また、GND102に接続されている外部センサ22に対してはマルチプレクサ113にて入力信号104を選択した後にプルアップSw121をONすることでプルアップ処理を行う。
この動作により、電源電圧Vccが外部センサの抵抗値とプルダウン抵抗124またはプルアップ抵抗121の抵抗値で分圧された電圧Vdivが非選択信号105に現れる。この電圧Vdivは外部センサの抵抗値によって変化するため、これをAD変換器131にて読み取ることで外部センサの抵抗値を測定することができ、マイコン13は外部センサが装着された制御対象の状態を知ることができる。
例えば外部センサ21の抵抗値R21を測定する場合、R21の値はプルダウン抵抗123の抵抗値R123、電源電圧VccおよびAD変換器131にて測定された分圧電圧Vdivから下記の式3によって測定することができる。

R21=R123×(Vcc−Vdiv)/Vdiv ・・・式3

以上が通常動作時における入力処理回路10の構成と動作である。マイコン13はこのようにして外部センサ21、22および入力処理回路10を介して得られた制御対象の状態を元に制御演算を行い、図示しないアクチュエータを操作し、制御対象に対して所望の制御を行う。

[端子コンデンサ111および112の役割]
なお、端子コンデンサ111および112は前述の分圧動作には直接寄与していないが、次に述べるサージ印加時においてマルチプレクサ113以降の回路を保護するために重要な役割を担っている。以下、端子コンデンサ111および112の役割を述べる。
電子制御装置1はさまざまな段階において外部からのサージを印加される可能性があり、規定内のレベルのサージであれば故障や誤動作をすることなくそれに耐える必要がある。例えば自動車用の電子制御装置であれば、製造・流通時や車両への組み込み時および整備時などに静電気を印加される可能性があり、また車両の使用時においても運転者等が操作するスイッチ・パネルを介して静電気が、近隣に設置されたモーター等から電磁ノイズがサージとして印加される可能性がある。
これらのサージは電子制御装置1の外部との接点である入力端子100を介して印加されることが多い。静電気に代表されるサージは、絶対的なエネルギー量は必ずしも大きくないが誘起し得る電圧が高いため、マルチプレクサ113等の電子回路に直接印加されると絶縁破壊等により回路を破壊してしまうおそれがある。この対策の一つが入力端子100に端子コンデンサ111および112を設置することであり、端子コンデンサ111および112にサージのエネルギーを吸収させることで電圧の上昇を抑え、後段の電子回路を保護することができる。
端子コンデンサ111および112は上述のようにサージからの保護に関して重要な役割を担っているため、万が一断線や短絡等の故障を生じた場合はサージからの耐性が低下してしまう。このため、他の回路部品と同様に、その故障を定期的に診断し、故障が検出された際には必要に応じて電子制御装置1の補修または交換を行うことができるようにしておくことが望ましい。
以上が端子コンデンサ111および112の役割である。

[診断時の動作(プルアップ・プルダウンの切り替え)]
次に、故障診断時における入力処理回路10の動作を説明する。
まず、診断開始時の初期状態からプルアップ・プルダウンの切り替えまでの動作について図2を用いて説明する。ここでは、端子コンデンサ111の故障を診断する場合を例に説明する。
図2は、本実施形態における電子制御装置1の診断時の動作におけるプルアップ・プルダウン設定信号108のタイミングチャート(図2上部)と、それに対応する被選択信号105の電圧Vinの変動を模式的に表したグラフ(図2下部)である。
まず診断のための初期状態として、外部センサ21の抵抗値を通常動作時と同様に測定している状態とする。すなわち、マルチプレクサ113において端子コンデンサ111に対応する入力信号103を選択し、さらにプルアップSw121をOFF、プルダウンSw124をONすることでプルダウン処理を行なっている状態である。
このとき、被選択信号105の電圧Vinは電源電圧Vccが外部センサ21とプルダウン抵抗124によって分圧された電圧Vdivとなっている(図2の時刻t0以前の状態)。
ここで、時刻t0においてマイコン13から制御回路114に対してコンデンサ111の診断を指示する制御信号106が伝達されると、制御回路114はプルアップ・プルダウン設定信号108を反転させる。これに応じてプルアップSw121はON、プルダウンSw124はOFFされ、被選択信号105はプルアップされる。その結果、被選択信号105の電圧Vinは電源電圧Vccに向かって変動を始める。
このときの電圧変化は図2の時刻t0以降に示したような電源電圧Vccに向かって漸近する一次遅れ波形となる。この一次遅れの時定数をτ1としたとき、時刻tに応じた電圧Vinの値は下記の式4にて表すことができる。
ただし、exp(x)はネイピア数を底とした指数関数を表す。

Vin=Vcc−(Vcc−Vdiv)exp((t0−t)/τ1) ・・・式4

この時定数τ1はプルアップ抵抗122の抵抗値R122、外部センサ21の抵抗値R21、および端子コンデンサ111の静電容量C111から定まり、下記の式5で表すことができる。

τ1=C111×R122×R21/(R122+R21) ・・・式5

[診断時の動作(電圧変化波形の時定数の実測)]
次に、故障診断時における入力処理回路10の動作のうち、被選択信号105の電圧変化から時定数を実測する動作について、引き続き図2を用いて説明する。
時刻t0においてプルダウン状態からプルアップ状態に切り替わった後、AD変換器131は被選択信号105の電圧を等しい測定間隔Tごとに時刻t1、t2、t3の各々で計3回測定する。このとき得られた電圧値がそれぞれV1、V2、V3であったとき、一次遅れ波形の時定数を下記の式6を用いてτ2として実測することができる。ただし、ln(x)はxの自然対数を表す。

τ2=T/ln((V2−V1)/(V3−V2)) ・・・式6

なお、このときの測定開始時刻t1は任意に選ぶことができるが、t1はできる限りt0に近く、すなわちプルアップ・プルダウンの切り替えの直後に電圧の測定を開始することが望ましい。これは、以下に述べる理由によるものである。
一次遅れ波形の特性からVinの変動速度はt0の直後が最も大きく、時間の経過に従って小さくなるため、式6の演算に用いる(V2−V1)および(V3−V2)の値はt1がt0に対して遅くなるに従って小さくなる。これはV1、V2、V3を測定した際の電圧測定誤差によって生じるτ2実測値の誤差がt1が遅くなるに従って相対的に大きくなってしまうことを意味する。
また、測定間隔Tも任意に選ぶことができるが、Tは正常時の時定数τ1近傍の値とすることが望ましい。これは、以下に述べる理由によるものである。
第一に測定間隔Tが短すぎる場合は、各測定時刻間のVinの変化量が小さいため式6の演算に用いる(V2−V1)および(V3−V2)の値がともに小さくなり、V1、V2、V3を測定した際の電圧測定誤差によるτ2の実測値への影響が大きくなってしまう。
第二に測定間隔Tが長すぎる場合は、(V2−V1)の値は大きくすることができるが逆に(V3−V2)の値は小さくなるため、V2およびV3を測定した際の電圧測定誤差によるτ2の実測値への影響が大きくなってしまう。
上述の特性を計算値で示したものを図3に示す。図3は電圧測定誤差が存在する場合における測定間隔Tと式6によるτ2の実測値の誤差との関係を計算したグラフである。ただし、電圧誤差はV1、V2、V3の各々の測定値に独立に混入するものとし、その大きさが(Vcc−Vdiv)の1%であるとして計算している。また、横軸の測定間隔Tは正常時の時定数τ1で正規化している。このグラフから、測定間隔Tが正常時の時定数τ1近傍の値であるときにτ2の実測値の誤差が小さく、それより小さくても大きくても急激にτ2実測値の誤差が増大する特性を持つことが確認できる。

[診断時の動作(故障有無の判定)]
以上の動作によって実測された時定数τ2と、前述の通常動作時に測定したR21の値および正常時のR122とC111の値から式3を用いて算出できる正常時の時定数τ1とを比較することで、端子コンデンサ111を含む各部品および信号の伝達経路に故障がないかを診断することができる。
すなわち、R122およびC111の値、マルチプレクサ113、制御回路114、プルアップSw121、およびAD変換器131の動作のいずれかに故障があった場合、被選択信号105の電圧変化波形は正常時と異なる波形となり、その波形から実測される電圧変化の時定数τ2はτ1と大きく異なる値となる。
以上から、τ2の値をτ1と比較してある閾値以上ずれている場合に前述の各部品および信号の伝達経路に故障が存在すると診断することができる。このときの閾値は各部品の定数の誤差および電圧測定の誤差から、正常時に故障と誤診断するおそれが十分に小さい範囲で設定される。
なお、上記の診断処理が完了した後は、図2の時刻t4以降に示すようにプルアップ・プルダウン設定信号108を再度切り替えることで診断動作を解除し、プルダウン状態に切り替えて通常動作に戻すことができる。この後はそのまま通常動作を継続してもよいし、別の端子コンデンサ112の診断動作に移行してもよい。

[診断時の動作(プルアップ時・プルダウン時双方での時定数の実測)]
もしくは、次に述べるように時刻t4以降の電圧変化を利用し、同様の手法で再度時定数を実測することができる。すなわち、時刻t4以降、被選択信号105の電圧Vinの時間変化は図4のt4以降に示したように分圧電圧Vdivに向かって漸近する一次遅れの波形となる。このときの時定数τ3はプルダウン抵抗123の抵抗値R123、外部センサ21の抵抗値R21、および端子コンデンサ111の静電容量C111から定まり、下記の式7で表すことができる。

τ3=C111×R123×R21/(R123+R21) ・・・式7

ここで、時刻t4以降にAD変換器131にて被選択信号105の電圧を等しい測定間隔Tごとに時刻t5、t6、t7の各々で計3回測定する。このとき得られた電圧値がそれぞれV5、V6、V7であったとき、一次遅れ波形の時定数を下記の式8でτ4として実測することができる。

τ4=T/ln((V6−V5)/(V7−V6)) ・・・式8

こうして得られた時定数τ3およびτ4をτ1およびτ2と同様に比較することで、各部品および信号の伝達経路に故障がないかを診断することができる。
すなわち、R123およびC111の値、マルチプレクサ113、制御回路114、プルダウンSw124、およびAD変換器131の動作のいずれかに故障があった場合、被選択信号105の電圧変化波形は正常時と異なる波形となり、その波形から実測される電圧変化の時定数τ4はτ3と大きく異なる値となる。
以上から、τ4の値をτ3と比較してある閾値以上ずれている場合に前述の各部品および信号の伝達経路に故障が存在すると診断することができる。
さらには、R123とR124の値を同じものに設定していた場合、正常時におけるτ1とτ3および期待されるτ2とτ4の値が同じとなるため、実測されたτ2とτ4の平均値をもってτ1=τ3と比較することができる。この場合、τ2およびτ4に含まれる誤差の影響を減らすことができ、より正確な診断を行うことができる利点がある。
以上が本実施形態での故障診断時における入力処理回路10の動作である。同様の手法で端子コンデンサ112の故障も順次診断することができる。ただし、端子コンデンサ112の場合は接続されている外部センサ22の一端がGND配線102に接続されているである点が端子コンデンサ111と異なるため、プルアップとプルダウンの関係を逆にする必要がある点に注意が必要である。
本実施形態では入力端子100とプログラマブルプルアップ・プルダウン部12との間にマルチプレクサ113が存在する例を説明したが、接続すべき外部センサが1つのみである場合はマルチプレクサ113を省略して入力端子100とプログラマブルプルアップ・プルダウン部12を直結する構成とすることもできる。この場合においてもマルチプレクサ113に関する部分を除いて同様の動作を行うことで同様の診断を実施することができる。
また、本実施形態ではプルアップ・プルダウンの切り替えを1回ずつ行っている例を説明したが、これを複数回繰り返してτ2やτ4を複数回実測し、それらの平均値を元に診断を行ってもよい。この場合は、診断に時間を要する代わりにτ2およびτ4に含まれる誤差の影響をさらに減らすことができ、より正確な診断を行うことができる。
次に、本発明の第二の実施形態による電子制御装置について、図5を用いて説明する。図5は、本発明の第二の実施形態おける電子制御装置1の構成を示した回路ブロック図である。本実施形態は、外部センサ21および22の一端を接続する先が電源配線Vccに限られる場合において、より簡易な構成で第一の実施形態と同様の効果を得ることができるものである。

[電子制御装置1の構成]
本実施形態における電子制御装置1の構成を、第一の実施形態での構成との差異の面から説明する。
本実施形態における電子制御装置1では、入力端子100に複数の外部センサ21および22は両者ともその一端が電源配線101に接続されている。また、第一の実施形態ではプログラマブルプルアップ・プルダウン部12に存在したプルアップSw121およびプルアップ抵抗122が存在しない。また、プルアップ・プルダウン設定信号108についてもプルアップ設定に相当する信号は存在しない。すなわち、第一の実施形態と比べてプルアップ処理を行うための構成が存在しない。以上の点を除いた他の構成は第一の実施形態におけるそれと同一である。

[通常動作時の入力処理回路10の構成と動作]
次に、通常動作時における入力処理回路10の動作を説明する。通常時の動作は第一の実施形態におけるそれと同一である。すなわち、外部センサ21の抵抗値R21を測定する場合はマルチプレクサ113にて入力信号103を選択した後にプルダウンSw124をONすることでプルダウン処理を行う。この動作により、電源電圧Vccが外部センサ21の抵抗値とプルダウン抵抗123の抵抗値で分圧された電圧Vdivが非選択信号105に現れる。これをAD変換器131にて測定し、前述の式3によって外部センサ21の抵抗値R21を測定することができる。

[診断時の動作(プルダウン処理の停止と時定数の実測)]
次に、故障診断時における入力処理回路10の動作を図6を用いて説明する。図6は、本実施形態における診断時の動作におけるプルアップ・プルダウン設定信号108のタイミングチャート(図6上部)と、それに対応する被選択信号105の電圧Vinの変動を模式的に表したグラフ(図6下部)である。
診断時の動作についても、第一の実施形態におけるそれと基本的に同一である。すなわち、前述の通常動作時の状態を初期状態として、時刻t0においてマイコン13から制御回路114に対してコンデンサ111の診断を指示する制御信号106が伝達され、制御回路114はプルアップ・プルダウン設定信号108を反転させ、プルダウンSw124がOFFされる。
本実施例においてはプルアップ抵抗122が存在しないが、外部センサ21が電源配線101に接続されているため、被選択信号105の電圧Vinは電源電圧に向かってゆっくりと変動を始める。このときの電圧変化は第一の実施形態と同様に式4で表すことができるが、時定数τ1は第一の実施形態と異なり、下記の式9で表される値となる。

τ1=C111×R21 ・・・式9

続けて、第一の実施形態と同様に、AD変換器131にて被選択信号105の電圧を等しい測定間隔Tごとに時刻t1、t2、t3の各々で計3回測定する。このとき得られた電圧値がそれぞれV1、V2、V3であったとき、一次遅れ波形の時定数を式6でτ2として実測する。こうして得られたτ1およびτ2の値を比較することで、端子コンデンサ111を含む各部品および信号の伝達経路に故障がないかを診断することができる。
上記の診断処理が完了した後は、図6の時刻t4以降に示すようにプルアップ・プルダウン設定信号108を再度切り替えることで診断動作を解除し、プルダウン状態に切り替えて通常動作に戻すことができる。このときの電圧変化の時定数τ3は第一の実施形態と同一であり、式7で表すことができる。よって、このときにも電圧を3回測定し、得られた電圧V5、V6、V7から電圧変化の時定数を式8でτ4として実測することができ、τ3とτ4を比較することで診断を実施することができる。ただし、本実施形態においてはτ1とτ3は同じ値にはならないため、τ1とτ2、τ3とτ4はそれぞれ個別に比較する必要がある。

以上が本実施形態での故障診断時における入力処理回路10の動作である。同様の手法で端子コンデンサ112の故障も順次診断することができる。
本実施形態では外部センサ21および22の一端を接続する先が電源配線101に限られる場合について説明したが、外部センサ21および22の一端を接続する先がGND配線102に限られる場合においても電源配線101とGND配線の関係、およびプルアップ・プルダウンの関係を逆にすることにより、同様の手法で診断を実施することができる。
なお、以上説明したような各種の変形例は、それぞれ単独で適用しても、任意に組み合わせて適用してもよい。また、以上説明した各実施形態や各種の変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
1:電子制御装置、10:入力処理回路、100:入力端子
111、112:端子コンデンサ、113:マルチプレクサ、114:制御回路
121:プルアップSw(スイッチ)、122:プルアップ抵抗、123:プルダウン抵抗、124:プルダウンSw(スイッチ)
13:マイコン、131:AD変換器
21、22:外部センサ

Claims (6)

  1. 抵抗値が変化する外部センサを接続可能な一つまたは複数の入力端子と、
    一方の端子が前記入力端子に接続され、他方の端子がGND(グラウンド)配線または電源配線と結線された端子コンデンサと、
    前記入力端子からの配線を入力としてそのうち1つを選択して出力するマルチプレクサと、
    一方の端子が前記マルチプレクサの出力に接続され、他方の端子が電源配線へ接続されたプルアップ抵抗と、
    一方の端子が前記マルチプレクサの出力に接続され、他方の端子がGND配線へ接続されたプルダウン抵抗とを備えた電子制御装置であって、
    前記プルアップ抵抗とプルダウン抵抗とをその一方から他方へ切り替える制御手段と、
    前記端子コンデンサの診断を指示する制御信号が伝達されると、前記制御手段によって前記プルアップ抵抗とプルダウン抵抗とを切り替えて、前記マルチプレクサによって選択された前記入力端子の電圧変化の時定数から、前記端子コンデンサの故障有無の診断を行う診断手段とを備えることを特徴とする電子制御装置。
  2. 請求項1に記載の電子制御装置において、
    前記端子コンデンサの正常時の静電容量値をCt、前記外部センサの抵抗値をRs、プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の抵抗値をRpとしたときに、下記の式10で求まる第一の時定数と、
    前記プルアップ抵抗またはプルダウン抵抗の接続を切り替えたときの入力端子の電圧変化から実測される第二の時定数とが略等しい場合に前記端子コンデンサが正常であると診断することを特徴とする電子制御装置。

    第一の時定数=Ct×Rp×Rs/(Rp+Rs) ・・・式10
  3. 請求項2に記載の電子制御装置において、
    前記第二の時定数を実測する際に、
    前記入力端子への接続をプルアップ抵抗からプルダウン抵抗に切り替えた際の電圧変化から実測される時定数と、
    前記入力端子への接続をプルダウン抵抗からプルアップ抵抗に切り替えた際の電圧変化から実測される時定数との平均値を用いることを特徴とする電子制御装置。
  4. 請求項2に記載の電子制御装置において、
    前記入力端子の電圧変化は、略等しい時間間隔で3回以上前記入力端子の電圧を測定することで取得することを特徴とする電子制御装置。
  5. 請求項4に記載の電子制御装置において、
    前記入力端子の電圧を時間間隔Tごとに3回取得し、電圧値をそれぞれV1、V2、V3としたとき、第二の時定数を下記の式11から実測することを特徴とする電子制御装置。

    第二の時定数=T/ln((V2−V1)/(V3−V2))・・・式11
    ただし、ln(x)はxの自然対数を表す。
  6. 請求項5に記載の電子制御装置において、
    前記入力端子の電圧を測定する時間間隔Tが前記第一の時定数と略等しいことを特徴とする電子制御装置。
JP2014050974A 2014-03-14 2014-03-14 電子制御装置 Expired - Fee Related JP6420960B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014050974A JP6420960B2 (ja) 2014-03-14 2014-03-14 電子制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014050974A JP6420960B2 (ja) 2014-03-14 2014-03-14 電子制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015175676A JP2015175676A (ja) 2015-10-05
JP6420960B2 true JP6420960B2 (ja) 2018-11-07

Family

ID=54255001

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014050974A Expired - Fee Related JP6420960B2 (ja) 2014-03-14 2014-03-14 電子制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6420960B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6946914B2 (ja) 2017-10-10 2021-10-13 株式会社デンソー 電子制御装置
US20210199722A1 (en) * 2018-04-20 2021-07-01 O2Micro Inc. Detecting whether a battery management system is abnormal

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6050306B2 (ja) * 1978-10-20 1985-11-07 株式会社山武 アナログ入力装置の診断装置
US5754963A (en) * 1996-07-30 1998-05-19 Hitachi America, Ltd. Method and apparatus for diagnosing and isolating faulty sensors in a redundant sensor system
JP4120232B2 (ja) * 2002-02-20 2008-07-16 トヨタ自動車株式会社 Ecu検査装置
JP2013205257A (ja) * 2012-03-28 2013-10-07 Sanyo Electric Co Ltd 電源装置、及びこの電源装置を備える車両並びに蓄電装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015175676A (ja) 2015-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6158029B2 (ja) 電子制御装置
JP4670940B2 (ja) 電子式セーフィングシステム
CN107257915B (zh) 具有改进的故障识别的测量电桥组件和方法
US9739822B2 (en) Input circuit
JP6291979B2 (ja) 自己診断機能を有する入力回路
JP6420960B2 (ja) 電子制御装置
JP5409286B2 (ja) 測定トランスデューサ
JP6499760B2 (ja) 車載制御装置、車載集積回路
JP6088642B2 (ja) 複数のアナログ信号検出チャネルを有するアナログ信号入力回路
CA2607879C (en) Method for evaluating a potentiometer and circuit arrangement having a potentiometer
JP2020092341A (ja) Ad変換装置
JP2014211382A (ja) センサ装置
JP5757833B2 (ja) スイッチ回路
WO2016111128A1 (ja) 故障検出装置
CN108139956B (zh) 用于基于看门狗电压来监测微控制器的电路装置和方法
JP2010015921A (ja) マルチプレクサスイッチの試験方法とその装置および多点測定装置
JP2009145181A (ja) 検出装置
JP5368601B2 (ja) A/d変換装置
JP6673154B2 (ja) オープンコレクタ方式の回転センサの自己診断回路
EP2239588B1 (en) Voltage surveillance circuit
JP2019052943A (ja) 電子制御装置
JP2015021954A (ja) 電流制御装置
KR20200061669A (ko) 릴레이 진단 회로 및 그것의 진단 방법
US20240027543A1 (en) Vehicle Ground Connection Diagnostic
JP5920244B2 (ja) 異常検知装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161221

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170116

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170123

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170926

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171003

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180424

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180614

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180918

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181015

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6420960

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees