JP6420107B2 - ハイブリッド車両の蓄電池加熱システム - Google Patents

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Description

本発明は、動力源として発電機と併載された蓄電池を加熱するハイブリッド車両の蓄電池加熱システムに関する。
近年、環境及びエネルギー効率の観点から、車両を推進させるモータの動力源としての二次電池と、同二次電池を充電する発電装置とが併載されたハイブリッド鉄道車両が開発されている。一般に、発電装置の発電機を駆動させる発動機が二次電池の充電にのみ使用されるものをシリーズ方式ハイブリッド車両と呼び、トランスミッションを介して車両の推進にも使用されるものをパラレル方式ハイブリッド車両と呼ぶ。何れの方式においても、二次電池から供給される電力によってモータを駆動させて、車両が推進される。二次電池の電力は、モータの駆動以外にも、車両の電装品の電源としても使用される。発動機は、通常、液体燃料を燃焼させてエネルギーを発生させる内燃機関(以下、「エンジン」)が用いられる。
図8に、シリーズ方式ハイブリッド車両及びパラレル方式ハイブリッド車両の構造を模式的に示す。シリーズ方式ハイブリッド車両1sは、エンジンEsで発電機Gを駆動して電力を発生させる。発生した電力はコンバータCを介して、リチウムイオンバッテリBに蓄積される。リチウムイオンバッテリBに蓄積された電力はインバータIを介してモータM及び補助装置Ea(不図示)にそれぞれ供給され、モータMは車軸を介して駆動輪Waを直接回転させる。
シリーズ方式ハイブリッド車両1sは、駆動輪Waの回転によって推進すると共に、被駆動輪Wpは連れ回転する。主電動機(モータ)Mは、回生ブレーキ時に、シリーズ方式ハイブリッド車両1sの運動エネルギーを電気エネルギーに変換して回収するために発電機として使用される。つまり、主電動機Mはシリーズ方式ハイブリッド車両1sを推進させる動力発生と回生発電との2つの機能を兼ね備えている。
パラレル方式ハイブリッド車両1pは、シリーズ方式ハイブリッド車両1sにおいて、発電機Gと主電動機MとがモータM(G)に置き換えられ、インバータIとコンバータCとがインバータI(C)に置き換えられ、変速機T及び補助発電機Gaが追加されている。エンジンEpは補助発電機Gaと機械的に接続されると共に、変速機Tを介して駆動輪WaとモータM(G)とに機械的に接続されている。補助発電機GaはエンジンEpによって駆動されて、補助装置Ea(不図示)用の電力を発生する。
モータM(G)は変速機Tを介してエンジンEpによって駆動されて、シリーズ方式ハイブリッド車両1sに於ける発電機Gと同様に電力を発生する。発生した電力は、インバータI(C)を介して、リチウムイオンバッテリBに蓄積される。リチウムイオンバッテリBに蓄積された電力はインバータI(C)を介してモータM(G)に供給される。駆動輪Waは、変速機Tを介してエンジンEp及び/或いはモータM(G)によって駆動される。モータM(G)は、シリーズ方式ハイブリッド車両1sに於ける主電動機Mと同様に、回生発電する。このように、パラレル方式ハイブリッド車両1pにおいては、エンジンEpの出力とリチウムイオンバッテリBに電力の形で蓄えておいたエンジンEpの出力との何れか一方或いは両方を同時に車両の推進力源として用いることができる。
上述のように、ハイブリッド車両では、リチウムイオンバッテリBに発電装置で発生させた電力を蓄えることができる。そのためハイブリッド車両は、従来のディーゼル機関車やディーゼルカーに比べて、最大出力の小さな発電装置(発電機及び発動機)を用いることができる。ディーゼル機関車は、発電装置で発生させた電力によってモータを駆動して車両を推進させる点はハイブリッド車両と同様であるが、発電装置で発生させた電力を蓄えておく二次電池を備えていない。そのため、ディーゼル機関車は、最大負荷が掛かる走路を走行時に必要な駆動力を上回る電力を出力できる発電装置を備える必要がある。
ハイブリッド車両では、通常及び低負荷の走路を走行中或いは駅などに停車中に発電装置が発生させる、走行或いは停車には過剰な電力を二次電池に蓄える。そして、最大或いは強負荷が掛かる走路の走行時には二次電池に蓄えておいた電力を用いることによって、発電装置に対する発電負荷を平均化することができる。これによって、ハイブリッド車両は、ディーゼル機関車やディーゼルカーに比べてより低出力の発電装置を搭載することができ、製造コスト及びランニングコスト的に優位である。
二次電池は、放電特性の温度依存性が強く、低温になるほど放電容量が低下する。そのために、寒冷地等の低温環境下で使用されるハイブリッド車両においては、停車時のように二次電池の充放電負荷が小さい時は、二次電池が低温環境によって冷やされてしまい、車両の走行或いは照明や空調等の補助装置の駆動に必要な電力を得ることができない。特に、寒冷地で車庫等の屋内や屋外に長時間に渡って停留される場合は、二次電池が環境温度まで冷却されてしまい、環境温度がまだ低い早朝の始動に支障を来す。このような事態を避けるべく、二次電池の暖機技術が必要とされている。
図9に、特許文献1に提案されている、鉄道車両の電池暖機装置を含む制御装置の全体を示す。鉄道車両1は、主電動機2、インバータ3、発電機4、コンバータ5、二次電池6、昇降圧チョッパ7、動力発生装置8、列車制御装置9、マスコン10、データベース11、エネルギー制御装置12、及び空気ブレーキ13を含む。インバータ3は、発電機4とコンバータ5または二次電池6と昇降圧チョッパ7から供給される直流電力を三相交流電力に変換して、鉄道車両1を駆動する主電動機2に給電する。発電機4は、ディーゼルエンジン等の動力発生装置8と共に発電装置を構成して、三相交流電力を出力する。コンバータ5は発電機4から出力される三相交流電力を直流電力に変換して、インバータ3に供給する。昇降圧チョッパ7は、二次電池6からインバータ3の直流側への放電、あるいはインバータ3の直流側から二次電池6への充電の双方向制御を行う。
鉄道車両1においては、発電装置の始動時に、外気温度に基づいて二次電池6の暖機運転の要否が判断される。要と判断される場合には、二次電池6のエネルギー残存量にもとづいて、「発電機からの充電による二次電池暖機運転」と「他の方法による二次電池暖機運転」との何れかが選択される。具体的には、二次電池6のエネルギー残存量が所定値以下、つまり充電の余地がある場合には、「発電機からの充電による二次電池暖機運転」が行われる。一方、二次電池6のエネルギー残存量が所定値より多い、つまり充電の余地がない場合には、「他の方法による二次電池暖機運転」が行われる。「発電機からの充電による二次電池暖機運転」は、二次電池6が所定の温度に到達或いは、充電の余地が無くなったと判断された時点で、「他の方法による二次電池暖機運転」に切り替えられる。
翌日の発電装置の始動時に、電池暖機運転が必要な場合には「発電機からの充電による電池暖機運転」を行うために、当日の運転終了時の二次電池6のエネルギー残存量が「所定値以下、つまり充電の余地がある」ように、二次電池6の充放電が制御される。このように、特許文献1は発電機により二次電池6を充電することにより、二次電池6の効率のよい速やかな暖機を図っている。
特開2006−238543号公報
大出力が要求されるハイブリッド車両用二次電池としては、リチウムイオン電池が広く用いられている。リチウムイオン電池は、温度によって、放電特性及び充電特性が著しく変化するために、それぞれに電池の品質、寿命、及び安全性を確保するために、構造的な対策が取られると共に適正な充電温度や放電温度等の使用条件が定められている。
蓄積エネルギーが増大していく充電においては、特に安全性の観点から、構造的及び保護回路などによる対策が取られている。低温で充電する場合、リチウムイオン電池は、正極から出たリチウムイオンが負極に吸収されにくくなり、リチウム金属が析出しやすくなり、電池を急激に劣化させて事故の原因になりかねない。また、高温で充電する場合、充電流による温度上昇が環境温度に加わり、リチウムイオン電池が高温になる懸念がある。このような事態に備えて、リチウムイオン電池には、充電状態を管理する保護回路が設けられている。
一方、蓄積エネルギーが減少していく放電においては、低温では放電中のリチウムイオンが動きにくくなり、セルの内部抵抗が上昇する。結果、セル電圧が低下して、ハイブリッド車両の十分な推進力が得られない。このように、リチウムイオン電池においては、充電及び放電(以下、「充放電」)は温度範囲に応じて適正電流値で行われる必要がある。特に、充電に関して、その温度範囲と電流値の要求は、放電に比べて遙かに厳しい。
リチウムイオン電池の充電特性及びハイブリッド車両に於ける発電効率の観点から、特許文献1に提案されている、「発電機からの充電による電池暖機」には安全性及び設備の効率性に問題がある。先ず、暖機を必要とする低温での「発電機からの充電による電池暖機」には、リチウム金属の析出による電池の劣化及び事故の危険性があり、この対策が必要である。具体的には、リチウムイオン電池の充放電可能温度範囲内であっても、その低温域においては低電流による充電が強いられる。暖機を必要とするリチウムイオン電池の温度が低いほど、暖機充電の電流値は低く制限される。そのために、リチウムイオン電池を推進力発生のための放電可能温度まで昇温させるのに長時間を要する。さらに、暖機充電の進行とともに、リチウムイオン電池の充電率が上昇すると、充電電流はさらに減少せざるを得ず、充電暖機の完了が更に遅れる。
また、リチウムイオン電池の暖機に必要な熱量(エネルギー)を、充電により供給するために、走行のための充電より大きな電力を出力できる発電装置が必要になり、ハイブリッド車両に於ける発電装置の製造コスト及びランニングコストの優位性が損なわれる。
上述の問題に鑑みて、本発明は、ハイブリッド車両の動力源として発電機と併載された蓄電池を原則として放電により、必要に応じて充電により加熱して、ハイブリッド車両の推進のための放電を速やかに可能にする、ハイブリッド車両の蓄電池加熱システムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係るハイブリッド車両の蓄電池加熱システムは、車両システムが停止した状態からの起動時に、動力源として発電機と併載された蓄電池を放電或いは充電させることによって加熱するハイブリッド車両の蓄電池加熱システムであって、
前記蓄電池が所定の温度範囲にあるか否かを検出するバッテリ監視手段と、
前記蓄電池の放電負荷を変化させる放電負荷可変手段と、
前記検出された蓄電池の温度範囲に基づいて前記蓄電池の加熱の要否を判定すると共に、前記放電負荷可変手段を制御して、前記蓄電池を放電させる加熱制御手段と
前記発電機を駆動させて発電させるエンジンとを備え
前記加熱制御手段は、当該エンジンを排気ブレーキモードにして前記発電機の回転負荷を増大させることにより、前記放電負荷を増大させて、前記蓄電池を放電させる。
本発明は、ハイブリッド車両の動力源として発電機と併載された蓄電池を主に放電により、必要に応じて充電により加熱して、ハイブリッド車両の推進のための放電が可能な温度まで昇温できる。
本発明の実施の形態1に係る蓄電池加熱システムが組み込まれたシリーズ方式ハイブリッド車両の要部構成を示すブロック図である。 図1の蓄電池加熱システムにおいて検出されるリチウムイオンバッテリの温度範囲を示す図である。 図1の蓄電池加熱システムの主に放電加熱開始までの動作を示すフローチャートである。 図1の蓄電池加熱システムの主に放電加熱開始以降の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係る蓄電池加熱システムが組み込まれたパラレル方式ハイブリッド車両の要部構成を示すブロック図である。 図5の蓄電池加熱システムの主に放電加熱開始までの動作を示すフローチャートである。 図5の蓄電池加熱システムの主に放電加熱開始以降の動作を示すフローチャートである。 シリーズ方式ハイブリッド車両及びパラレル方式ハイブリッド車両の構造をそれぞれ示す模式図である。 従来の鉄道車両の電池暖機装置を含む制御装置の構造を示すブロック図である。
本発明の実施の形態について詳述する前に、本発明に係るハイブリッド車両の蓄電池加熱システムについて説明する。本発明においては、車両システムが停止(全ての機器がOFF)状態にあるハイブリッド車両を走行可能状態にする車両システムの起動時に、蓄電池が車両運転に不適な低温であれば、同蓄電池を車両運転に適した温度まで加熱するべく考案されている。
上述のように、ハイブリッド車両に用いられる二次電池には、安全面及び製品寿命の観点から二次電池を充放電しても良い所定の温度範囲(以降、「充放電許容温度範囲」)が定められている。しかしながら、二次電池は低温になると放電特性(放電可能容量)が著しく低下して、充放電許容温度範囲内にあってもハイブリッド車両の推進動力を生み出す主電動機の駆動に十分な電力を出力できなくなる。本発明は、充放電許容温度範囲内であっても、ハイブリッド車両の推進動力を生み出す主電動機の駆動に十分な電力を出力できる温度より低い低温状態にある二次電池を主に放電させると共に必要に応じて充電することにより内部から熱を発生させて十分な電力を出力できる温度まで速やかに加熱するものである。
蓄電池を放電させてその蓄電池を加熱することを放電暖機と呼び、放電暖機するために蓄電池を放電させることを暖機放電と呼ぶ。一方、蓄電池を充電してその蓄電池を加熱することを充電暖機と呼び、充電暖機するために蓄電池を充電することを暖機充電と呼ぶ。本発明に係るハイブリッド車両の蓄電池加熱システムにおいては放電暖機を主としており、そのためには蓄電池には放電暖機に必要十分な電力が蓄積されていることが好ましいが、必要に応じて充電が行われる。
(実施の形態1)
以下に図1、図2、図3、及び図4を参照して、本発明の実施の形態1に係るハイブリッド車両の蓄電池加熱システムについて説明する。本実施の形態は、図8に例示したシリーズ方式ハイブリッド車両の蓄電池の加熱に用いられる蓄電池加熱システムである。
図1に、蓄電池加熱システムが搭載された、シリーズ方式ハイブリッド車両の要部構成を示す。なお、蓄電池の加熱の説明に特に必要のない部材については言及を控える。上述のように、シリーズ方式ハイブリッド車両Vsにおいては、エンジンEsは、リチウムイオンバッテリBに一旦蓄積された後に、駆動輪(車輪)Wa或いは補助装置Eaの駆動に使用される電力の発生に使用される。
シリーズ方式ハイブリッド車両Vsは、発電装置Ags、変換制御器C、リチウムイオンバッテリB、インバータI、主電動機M、補助電源装置Ia、補助装置Ea、バッテリ監視制御器Mbt、及び駆動輪Waを含む。発電装置Agsは、エンジンEsと誘導発電機G(以降、「発電機G」)とを含む。発電機GはエンジンEsに機械的に接続されており、エンジンEsにより駆動されて三相交流電力Pgを発生する。エンジンEsの排気管の途中に設けられているバルブVaは、電磁弁Veにより駆動される空気シリンダCpによって開閉される。変換制御器Cは、発電機G(発電装置Ags)に電気的に接続されて、発電機Gから供給される三相交流電力Pgを直流電力Pcに変換する。
リチウムイオンバッテリBは、スイッチSWbiを介して変換制御器C及びインバータIに電気的に接続されると共に、スイッチSWbaを介して補助電源装置Iaに電気的に接続される。スイッチSWbiは変換制御器Cで生成される制御信号Scbi(以降、「インバータ接続信号Scbi」)によって開閉され、スイッチSWbaは補助電源装置Iaで生成される制御信号Scba(以降、「補助電源装置接続信号Scba」)によって開閉される。
リチウムイオンバッテリBは、変換制御器Cから供給される直流電力Pcを蓄積(充電)すると共に、安定した直流電力Pbを出力(放電)する。なお直流電力Pcは、変換元である三相交流電力PgがエンジンEsの回転(ひいては、車両の走行)状態に応じて変動する。リチウムイオンバッテリBに蓄積される直流電力Pcの電流を充電電流Apcと称し、リチウムイオンバッテリBから出力される直流電力Pbの電流を放電電流Apbと称する。リチウムイオンバッテリBは自身の温度を計測して、計測された現在の温度Tc(以降、「バッテリ温度Tc」)を示す温度信号Stを出力する。
補助電源装置Iaは、スイッチSwbi及びSWbaを介して、変換制御器C或いはリチウムイオンバッテリBから供給される直流電力Pc或いは直流電力Pbを補助装置Eaの駆動用に電圧及び周波数が固定な交流電力Pbaに変換する。補助装置Eaは補助電源装置Iaに電気的に接続されて、補助電源装置Iaから供給される交流電力Pbaによって駆動される。
インバータIは、変換制御器Cから直接供給される直流電力Pc或いはスイッチSWbiを介してリチウムイオンバッテリBから供給される直流電力Pbをシリーズ方式ハイブリッド車両Vsを推進させる主電動機Mの駆動に適した三相交流電力Pbdに変換する。主電動機Mは、インバータIに電気的に接続されると共に駆動輪Waに機械的に接続されている。主電動機Mは、インバータIから供給される三相交流電力Pbdによって駆動されて、駆動輪Waを回転させる。
シリーズ方式ハイブリッド車両Vsの通常走行時は、スイッチSWbi及びSWbaは閉にされており、発電装置Ags(発電機G)で発生された三相交流電力Pgは変換制御器Cで直流電力Pcに変換されて、補助装置Ea及びインバータIに供給される。補助装置Ea(補助電源装置Ia)及び主電動機M(インバータI)で消費されなかった余剰の直流電力PcがリチウムイオンバッテリBで蓄積される。具体的には、シリーズ方式ハイブリッド車両Vsが主電動機Mを駆動させないで惰行或いは停車している場合には、インバータIは動作しない。よって、変換制御器Cからの直流電力Pcは、インバータI及び主電動機Mで消費されずに、リチウムイオンバッテリBで蓄積されると共に補助電源装置Ia及び補助装置Eaによって消費される。
シリーズ方式ハイブリッド車両Vsが、主電動機Mを駆動させて加速(含む、定速度走行)している場合には、インバータIは動作される。変換制御器Cから供給される直流電力Pcが、インバータI(主電動機M)と補助電源装置Ia(補助装置Ea)の電力消費より小さい時には、直流電力Pcに加えてリチウムイオンバッテリBからも直流電力PbがインバータI及び補助電源装置Iaに供給される。変換制御器Cから供給される直流電力Pcが、インバータI(主電動機M)と補助電源装置Ia(補助装置Ea)の電力消費より大きい時には、直流電力PcはインバータIと補助電源装置IaとリチウムイオンバッテリBに供給される。
つまり、三相交流電力Pgの容量が主電動機M及び補助装置Eaの駆動に不足する場合にも、リチウムイオンバッテリBから十分な容量の直流電力Pbが補助装置Ea及び主電動機Mに供給される。車庫等に長時間に渡って停留(特にエンジンEsが停止)される場合には、リチウムイオンバッテリBの不要な消耗を避けるために、システム機能の保持に必要な最低限の機能保持に必要な場合を除いて、基本的にスイッチSWba及びSWbiは全て開にされる。なお、本実施の形態において、リチウムイオンバッテリBから出力(放電)される直流電力Pbは、スイッチSWbiを介して、変換制御器Cに供給されて、発電機Gを駆動させる三相交流電力Pbcに変換される。
後程詳述するように、本発明においては、発電機Gの回転負荷を増大させることによって、三相交流電力Pbcの消費量(より詳しくは、リチウムイオンバッテリBからの直流電力Pbの放電量)を増大させる。つまり、増大された放電電流Apbに因る発熱により、リチウムイオンバッテリBが車両運転に適した温度まで速やかに昇温(放電暖機)される。
バッテリ監視制御器Mbtは、リチウムイオンバッテリBに電気的に接続されて、リチウムイオンバッテリBから入力される温度信号Stに基づいて、リチウムイオンバッテリBが所定の温度範囲にあるか否かを示すバッテリ温度判定信号Sccを生成する。バッテリ温度判定信号Sccについては、図3及び図4を参照して後程詳述する。
次に、図2を参照して、リチウムイオンバッテリBの温度範囲と、本発明に於ける暖機放電及び暖機充電との関係について説明する。図2において、直線Ltcは、ハイブリッド車両に用いられるリチウムイオンバッテリBのバッテリ温度Tcが取り得る値の一例を示している。つまり、以下に具体的に述べる電流値(A)及び温度(℃)は、一例であって、実際には使用されるリチウムイオンバッテリBに固有の特性に応じて適宜決定される。直線Ltcに於けるTLは、リチウムイオンバッテリBの充放電許容温度範囲の下限温度(以降、「下限温度TL」)であり、低電流(Apc≦30A)で充電或いは、600A以下の通常電流(例えば、Apb=100A)で放電が許される最低温度を示している。30A以下の充電電流Apcでは、下限温度TLにあるリチウムイオンバッテリBの暖機は期待できないが、品質の劣化の恐れなく安全に充電できる。また、600A以下の放電暖機電流Apbでは、下限温度TLにあるリチウムイオンバッテリBを損なうこと無く、効果的に暖機放電できる。なお、300Aはハイブリッド車両の走行時の最大値であり、600AはリチウムイオンバッテリBの能力の最大値である。
THは、リチウムイオンバッテリBの充放電許容温度範囲の上限温度(以降、「上限温度TH」)を示している。Ttは、リチウムイオンバッテリBが低電流の充電電流Apcによる充電を強いられる上限温度である。Ttより高い温度にあるリチウムイオンバッテリBは、600A以下(例えば、Apc=150A)通常電流での充電暖機が許される。以降、Ttを「充電暖機下限温度Tt」と呼ぶ。なお、充電暖機下限温度Ttは、放電電流Apbに関しては、特に制約を課すものではない。
TdはリチウムイオンバッテリBを車両駆動用の主電動機を駆動させるために大電力放電が許される最低温度(以降、「主電動機駆動電力出力下限温度Td」)を示している。主電動機駆動電力出力下限温度Tdより低い温度にあるリチウムイオンバッテリBは暖機を必要としている。つまり、主電動機駆動電力出力下限温度Tdは放電暖機或いは充電暖機が必要とされる上限温度でもある。本実施の形態においては、下限温度TLは−15℃に設定され、充電暖機下限温度Ttは0℃に設定され、主電動機駆動電力出力下限温度Tdは20℃に設定され、上限温度THは65℃に設定されている。これらの温度は上述の電流値と共に一例であって、本発明が適用される蓄電池(リチウムイオンバッテリB)の実際の特性に応じて、適宜設定されるものであることは言うまでもない。
直線Lr1、Lr2、Lr3、Lr4、Lr5、及びLr0はそれぞれ、上述の下限温度TL、充電暖機下限温度Tt、主電動機駆動電力出力下限温度Td、及び上限温度THを閾値として、リチウムイオンバッテリBに対して異なる充放電条件が適用される温度範囲を示す。
直線Lr1は、リチウムイオンバッテリBが何らかの充放電が許される温度範囲(TL<Tc<TH)である、充放電可温度範囲R1を示している。充放電可温度範囲R1は、許される放電電流Apb及び充電電流Apcの大きさ(A:アンペア)によって、以下に述べるように細分される。
直線Lr2は、600A以下、例えば100A程度の放電電流Apbで放電暖機或いは30A以下の充電電流Apcで充電が許される、リチウムイオンバッテリBの温度範囲(TL<Tc≦Tt)である、暖機放電・低電流充電可温度範囲R2を示している。暖機放電・低電流充電可温度範囲R2においては、放電暖機(Apb≦600A)或いは低電流充電(Apc≦30A)のいずれも許される。
直線Lr3は、リチウムイオンバッテリBが600A以下、例えば150Aの充電電流Apcで充電暖機が許される温度範囲(Tt<Tc<Td)である、充電暖機可温度範囲R3を示している。つまり、主電動機駆動電力出力下限温度Tdは、放電暖機或いは充電暖機が不要な最低温度である。このように、暖機放電・低電流充電可温度範囲R2と充電暖機可温度範囲R3においては、充電電流Apcの大きさ及びその有する意味が異なる。暖機放電・低電流充電可温度範囲R2に於いては、充電電流Apcは30A以下であり、リチウムイオンバッテリBの暖機ではなく充電のためにのみ許される。一方、充電暖機可温度範囲R3においては、充電電流Apcは600A以下であり、リチウムイオンバッテリBの充電および暖機の両方のために許される、充電暖機電流と言える。
直線Lr4は、暖機放電・低電流充電可温度範囲R2と充電暖機可温度範囲R3とを包含する温度範囲(TL<Tc<Td)R4を示している。この温度範囲R4の全域にわたって、本実施の形態においては、暖機放電電流Apbは600A以下、例えば100A程度であれば良い。しかし、充電は充電暖機下限温度Ttの前後で、暖機放電・低電流充電可温度範囲R2における非暖機用の低(30A以下)から、充電暖機可温度範囲R3における暖機用の高(600A以下)に切り替わる。以降、この温度範囲R4を、「暖機放電可温度範囲R4」と称する。
直線Lr5は、充放電可温度範囲R1から、暖機放電可温度範囲R4を除いた高温度範囲(Td≦Tc<TH)であり、リチウムイオンバッテリBが車両駆動用の主電動機駆動のための大電力による充放電(Apc≦600A、Apb≦600A)が許される、車両駆動放電可温度範囲R5を示している。例えば、充放電電流値の300Aは、シリーズ方式ハイブリッド車両Vsの加速時と減速時の最大電流値であり、停車時には充電電流Apcは150Aであり、放電電流Apbは100Aである。
直線Lr0は、リチウムイオンバッテリBが充放電が許されない、充放電不可温度範囲R0を示している。
本発明においては、始動時に主電動機駆動電力出力下限温度Tdより低い温度(Tc<Td)にあるリチウムイオンバッテリBを、安全及び電池劣化防止の観点より基本的に放電により主電動機駆動電力出力下限温度Tdまで昇温させることを目的としている。なお、放電暖機中(暖機放電可温度範囲R4)であっても、充電暖機可温度範囲R3を利用しての充電暖機も可能としている。結果、リチウムイオンバッテリBの蓄電量Pwが、放電暖機によりリチウムイオンバッテリBを主電動機駆動電力出力下限温度Tdまで昇温させるに必要な暖機完遂電力量PwDより少ない場合における、トータルの暖機時間の増大を抑えることができる。
暖機完遂電力量PwDは現時点でのバッテリ温度Tcから主電動機駆動電力出力下限温度Tdまで放電暖機させるに必要な電力量である。
リチウムイオンバッテリBのバッテリ温度Tcが上述の温度範囲R0、R1、R2、R3、R4、及びR5の何れにあるかが、バッテリ監視制御器Mbtによって温度信号Stに基づいて検出される。バッテリ監視制御器Mbtは検出結果を示すバッテリ温度判定信号Sccを生成して変換制御器Cに出力する。本明細書において、温度範囲R0、R1、R2、R3、R4、及びR5に対応するバッテリ温度判定信号Sccをそれぞれ、充放電不可信号Scc0、充放電可信号Scc1、暖機放電・低電流充電可信号Scc2、充電暖機可信号Scc3、暖機放電可信号Scc4、及び車両駆動放電可信号Scc5と識別している。
さらに、変換制御器Cは、スイッチSWbiを介して接続されたリチウムイオンバッテリBのバッテリ電圧Vbに基づいて、リチウムイオンバッテリBに蓄えられている電力量Pw(以降、「蓄電量Pw」)が放電暖機の継続に必要な電力である暖機可能下限電力量PwL(暖機可能下限電圧VL)以上であるか否かを検知する。つまり、変換制御器Cはバッテリ電圧Vbに基づいて、現時点の蓄電量Pwで放電暖機を継続できるか否かを検出している。
変換制御器Cは、バッテリ監視制御器Mbtに接続されて、バッテリ温度判定信号Sccが入力される。バッテリ温度判定信号Scc及びバッテリ電圧Vb(蓄電量Pw)に応じて、変換制御器CはリチウムイオンバッテリBの暖機放電、低電流充電、及び暖機充電を選択的に実行させる。具体的には、バッテリ電圧Vbに基づき、蓄電量Pwが暖機放電の継続に十分であるか否かに応じて、変換制御器Cは発電装置Agsの電磁弁Veの開閉を制御するバルブ駆動信号Sdvを生成すると共に、エンジンEsの運転(起動/停止)を制御するエンジン駆動信号Sdeを生成する。なお、バルブVaを閉じさせるように電磁弁Veを駆動するバルブ駆動信号Sdvをバルブ駆動信号Sdv1とし、バルブVaを開かせるように電磁弁Veを駆動するバルブ駆動信号Sdvをバルブ駆動信号Sdv0と表示して識別する。
また、リチウムイオンバッテリBが充放電可温度範囲R1にある場合に、エンジンEsを起動させるエンジン駆動信号Sdeをエンジン起動信号Sde1とする、なお、暖機放電・低電流充電可温度範囲R2にあるリチウムイオンバッテリBを低電流充電するために、発電機Gを低電流発電させるべくエンジンEsを回転させるエンジン駆動信号Sdeをエンジン低速駆動信号Sde2とする。充電暖機可温度範囲R3にあるリチウムイオンバッテリBを通常(暖機)充電するために、発電機Gを通常発電させるべくエンジンEsを回転させるエンジン駆動信号Sdeをエンジン高速駆動信号Sde3とする。そして、駆動しているエンジンEsを停止させるエンジン駆動信号Sdeをエンジン停止信号Sde0と識別する。
変換制御器Cは、蓄電量Pw及びバッテリ温度判定信号Sccに基づいて、発電装置Agsの電磁弁Veの開閉を制御するバルブ駆動信号Sdvを生成すると共に、発電機Gの発電によるリチウムイオンバッテリBへの充電を制御する。本発明においては、リチウムイオンバッテリBの蓄電量Pwとバッテリ温度Tc(バッテリ温度判定信号Scc)とに基づいて、リチウムイオンバッテリBの充放電による暖機が制御される。これについては、後程詳述する。つまり、温度信号St、バッテリ温度判定信号Scc、バルブ駆動信号Sdv、エンジン駆動信号Sde、及びインバータ接続信号Scbiに基づいて、リチウムイオンバッテリBの加熱動作が制御される。
上述のように、本発明は、何らかの充放電が許される温度範囲(充放電可温度範囲R1)内にあるものの、ハイブリッド車両の推進動力を生み出す主電動機の駆動には十分な電力を出力できない低温状態(暖機放電可温度範囲R4)にある二次電池を加熱対象としている。通常の走行時には、主電動機Mを駆動させるためにリチウムイオンバッテリBは大容量の直流電力Pbを放電しており、十分に暖まって車両駆動放電可温度範囲R5にある。よって、通常運行時に駅などで一時停車する状態では、寒冷地であっても蓄電池の加熱は不要である。
一方、当日の運行を終えた後に、寒冷地の車庫内で保管される鉄道車両においては、リチウムイオンバッテリBを暖機放電可温度範囲R4に保つことは可能である。しかしながら、車両駆動放電可温度範囲R5に保つことは経済的或いは技術的な理由により困難な状況にある。つまり、本発明に係る蓄電池加熱システムは、暖機放電可温度範囲R4にあるハイブリッド鉄道車両に適用される。特に、暖機放電・低電流充電可温度範囲R2及びその下限である下限温度TL近傍にあるハイブリッド鉄道車両の暖機にも好適に適用できる。
図3及び図4に示すフローチャートを参照して、本実施の形態に係るシリーズ方式ハイブリッド車両Vsの蓄電池加熱システムの動作について説明する。
先ず、図3に示すステップS2において、シリーズ方式ハイブリッド車両Vsの運転台などの適宜な場所に設けられているシステム起動スイッチがONにされた時点で、車両システム(不図示)の立ち上げ動作と平行して蓄電池加熱システムの動作が開始される。上述のように、スイッチSWba及びSWbiは開状態である。処理は、次のステップS4に進む。なお、本発明に係る蓄電池加熱システムによる電池の放電による加熱に直接関係の無い車両システムによる動作については基本的に説明を省略する。
ステップS4において、バッテリ監視制御器Mbtによって、リチウムイオンバッテリBから入力される温度信号Stに基づいて、リチウムイオンバッテリBの現在のバッテリ温度Tcが、リチウムイオンバッテリBの充電或いは放電が許される充放電可温度範囲R1内(TL<Tc<TH)にあるか否かが判断される。つまり、バッテリ温度Tcが充放電温度範囲の上限温度THより低く且つ下限温度TLより高いか否かが判断される。バッテリ温度Tcが充放電許容温度範囲外(TL≧TcまたはTc≧TH)である充放電不可温度範囲R0にある場合は、リチウムイオンバッテリBの充放電は許されないので、Noと判断されて処理はステップS6に進む。
ステップS6において、バッテリ監視制御器Mbtは、リチウムイオンバッテリBの温度が充放電不可温度範囲R0にあることを示す充放電不可信号Scc0を変換制御器Cに出力する。処理はステップS8に進む。
ステップS8において、変換制御器Cは充放電不可信号Scc0に基づいて、リチウムイオンバッテリBの充放電不可を示す表示信号Si1(不図示)を生成する。なお、表示信号Si1を受けて、「リチウムイオンバッテリBが充放電不可」であることを光学或いは音声的に表示する手段を設けることが好ましい。そして制御は次のステップS10に進む。
ステップS10において、充放電不可信号Scc0に基づいて変換制御器Cは、ステップS2で開始された車両システム起動を中止、つまり車両システムの立ち上げ動作を停止する。そして、処理は終了する。
一方、バッテリ温度Tcが充放電可温度範囲R1内にある場合は、上述のステップS4においてYesと判断されて、処理はステップS12に進む。なお充電に関しては、後述するように事故防止の観点から、電流値が決定される。
ステップS12において、バッテリ監視制御器MbtはリチウムイオンバッテリBの温度が充放電が許される充放電可温度範囲R1内にあることを示す充放電可信号Scc1を変換制御器Cに出力する。そして、処理はステップS14に進む。
ステップS14において、充放電可信号Scc1に基づいて、変換制御器CはスイッチSWbiに対してインバータ接続信号Scbiを出力する。これにより、ステップS4及びS12を経て、充放電可能な充放電可温度範囲R1にあると確認されたリチウムイオンバッテリBを放電暖機(放電加熱)させるための一連の作業が開始される。制御は、次のステップS16に進む。
ステップS16において、インバータ接続信号Scbiに基づいて、スイッチSWbiが閉にされる。これによって、インバータIと共にスイッチSWba(開状態)が変換制御器C及びリチウムイオンバッテリBに電気的に接続される。上述のように、シリーズ方式ハイブリッド車両Vsは停車中であるので、三相交流電力Pgは発生しておらず、またリチウムイオンバッテリBから直流電力PbはインバータIに供給されない。処理は、次のステップS18に進む。
ステップS18において、補助電源装置IaはスイッチSWbaまで、直流電力Pbが供給されていることを検知して、スイッチSWbaに対して補助電源装置接続信号Scbaを出力する。処理は、ステップS20に進む。
ステップS20において、補助電源装置接続信号Scbaに基づいて、スイッチSWbaが閉にされる。リチウムイオンバッテリBから直流電力Pbが補助電源装置Iaに供給される。補助装置Eaは補助電源装置Iaによって変換された交流電力Pbaによって駆動される。このようにして、先ず補助装置Ea(補助電源装置Ia)の駆動のために直流電力Pbが放電されることにより、リチウムイオンバッテリBの加熱が開始される。後述するように、リチウムイオンバッテリBの放電負荷は必要に応じて可変される。そして、処理は次のステップS22に進む。
ステップS22において、変換制御器Cは、上述のステップS12で出力された充放電可信号Scc1に基づいて、エンジンEsを起動させるエンジン起動信号Sde1をエンジンEs(発電装置Ags)に出力する。処理は次のステップS24に進む。
ステップS24において、エンジンEsが起動されてアイドリング状態で低速回転する。エンジンEsの回転により発電機Gは連れ回転するが、変換制御器Cが駆動していないので、三相交流電力Pgは発生されない。そして、処理は次のステップS26に進む。
ステップS26において、バッテリ監視制御器Mbtによって、温度信号Stに基づいてバッテリ温度Tcが主電動機Mの駆動に十分な電力を出力できる最低温度である主電動機駆動電力出力下限温度Tdより低いか否かが判断される。
リチウムイオンバッテリBは充放電が許される温度(充放電可温度範囲R1)であることが、既に上述のステップS4(Yes)で確認されている。よって、バッテリ温度Tcが主電動機駆動電力出力下限温度Tdより低いか(暖機放電可温度範囲R4にあるか)否かによって、リチウムイオンバッテリBの放電による加熱の要否が判断される。バッテリ温度Tcが駆動電力出力温度Tdより低くない、つまりバッテリ温度Tcが主電動機駆動電力出力下限温度Td以上(Tc≧Td)の車両駆動放電可温度範囲R5にあれば、リチウムイオンバッテリBは加熱を必要としていないと判断できる。この場合、本ステップにおいて、Noと判断されて処理はステップS28に進む。
ステップS28において、バッテリ監視制御器Mbtは、リチウムイオンバッテリBは、充放電可温度範囲R1で放電加熱を必要としない車両駆動放電可温度範囲R5にあることを示す車両駆動放電可信号Scc5を変換制御器Cに出力する。処理は、ステップS30に進む。
ステップS30において、ステップS28で出力された車両駆動放電可信号Scc5に基づいて、変換制御器CはリチウムイオンバッテリBは加熱が不要である旨を示す表示信号Si2(不図示)を生成する。これは、充放電可温度範囲R1にある(ステップS4でYes)と共に、主電動機駆動電力出力下限温度Tdより高い温度(ステップS26でNo)にあるリチウムイオンバッテリBは、加熱しなくても、シリーズ方式ハイブリッド車両Vsの駆動のために放電が可能であることを意味している。なお、表示信号Si2を受けて、「リチウムイオンバッテリBが加熱不要」であることを光学或いは音声的に表示する手段を、上述のステップS8に於けるのと同様或いは共通に設けることが好ましい。そして、処理は、図4に示すステップS72に進む。
ステップS72において、ステップS2で開始したシリーズ方式ハイブリッド車両Vsの車両システム起動が完了した後に、処理は終了する。
図3に戻って、上述のステップS24で起動されたエンジンEsはアイドリング状態で、通常走行での発電用に準備されている。一方、バッテリ温度Tcが、主電動機駆動電力出力下限温度Tdより低い(Tc<Td)、つまり暖機放電可温度範囲R4にある場合は、ステップS26において、Yesと判断されて処理はステップS32に進む。
ステップS32において、バッテリ監視制御器Mbtから、リチウムイオンバッテリBが暖機放電可温度範囲R4にあることを示す暖機放電可信号Scc4が出力される。この時点では、バッテリ温度Tcが暖機放電・低電流充電可温度範囲R2及び充電暖機可温度範囲R3の何れにあるか、つまり充電暖機下限温度Ttより低いか高いかは明らかではない。何れの場合でも、リチウムイオンバッテリBは暖機を必要としており、放電暖機が適用できることは明らかである。よって、本ステップで出力される暖機放電可信号Scc4は、リチウムイオンバッテリBの暖機放電を許可する信号でもある。処理は次のステップS34に進む。
ステップS34において、暖機放電可信号Scc4に基づいて、リチウムイオンバッテリBの速やかな放電暖機を実現するべく放電負荷増大化が開始される。まず、変換制御器Cは発電装置AgsのバルブVaを閉じさせるべく、電磁弁Veを駆動するバルブ駆動信号Sdv1を出力する。これにより、エンジンEsの排気ブレーキモードの準備が開始される。処理は、ステップS36に進む。
ステップS36において、バルブ駆動信号Sdv1に基づいて、電磁弁Veは、空気シリンダCpを駆動させて、バルブVaを閉にする。エンジンEsの排気管が閉められることにより、排気圧力が高められて、エンジンEsにかかるコンプレッサのような負荷、すなわちポンピングロスが通常より大きくなることにより回転速度を抑制される。エンジンEsはアイドリング状態から排気ブレーキモードになる。これにより、エンジンEsに機械的に接続されている発電機Gの回転負荷が増大される。処理は次のステップS38に進む。
ステップS38において、ステップS32で出力された暖機放電可信号Scc4に基づいて、変換制御器Cは、リチウムイオンバッテリBから供給される直流電力Pbを三相交流電力Pbcに変換して発電機Gに供給する。エンジンEsに直結されている発電機Gは三相交流電力Pbcによって、既に排気ブレーキモードで回転しているエンジンEsの回転速度より速く回転させようとするように駆動される。発電機Gに供給された電流によって、本来発電機Gがモータとして回転する回転速度と実際の回転速度との差が回転負荷として働く。
上述のステップS20で開始された、補助装置Ea(補助電源装置Ia)の駆動のための直流電力Pbの放電量に、排気ブレーキモードのエンジンEsによる回転負荷による放電量が追加されてリチウムイオンバッテリBの放電量は本ステップで大きく増大する。つまり、発電機Gに付加された排気ブレーキモードのエンジンEsによる回転負荷が、リチウムイオンバッテリBの放電負荷を増加(可変)させ、リチウムイオンバッテリBの放電量を増大させる。この増大した放電により増加する内部発熱により、リチウムイオンバッテリBは主電動機Mの駆動に必要な電力を出力(放電)できる主電動機駆動電力出力下限温度Td以上(車両駆動放電可温度範囲R5)に向けて急速に加熱される。つまり、本発明に係る、排気ブレーキモードにおける、リチウムイオンバッテリBの放電暖機が開始される。上述のように、変換制御器Cは、リチウムイオンバッテリBの加熱の要否を判定すると共に、放電負荷を可変(増大)してリチウムイオンバッテリBを放電させる加熱制御手段として機能する。なお、放電負荷とはリチウムイオンバッテリBの消費電力を増大させるものである。処理は、次のステップS40に進む。
ステップS40において、上述のステップS4に於けるのと同様に、バッテリ温度Tcが、充放電可温度範囲R1にあるか(TL<Tc<TH?)否かが判断される。つまり、上述のステップS38で開始された放電暖機の後も、リチウムイオンバッテリBが充放電が可能な状態にあるかの安全確認が行われる。Noと判断される場合には、処理は図4に示すステップS42に進む。
ステップS42において、上述のステップS38で開始した排気ブレーキモードでの放電暖機を停止させる処理が開始される。先ず、監視制御器MbtはリチウムイオンバッテリBが充放電が許されない充放電不可温度範囲R0にある(Tc≦TL、Tc≧TH)ことを示す充放電不可信号Scc0を出力する。そして、処理はステップS44に進む。
ステップS44において、上述のステップS8に於けるのと同様に、変換制御器CによってリチウムイオンバッテリBの充放電不可を示す表示信号Si3(不図示)が出力される。そして上述のステップS12〜S38で実施された排気ブレーキモードによる放電暖機の停止処理が開始される。なお、表示信号Si3を受けて、「リチウムイオンバッテリBが充放電不可」であることを光学或いは音声的に表示する手段を、上述のステップS8及びステップS30に於けるのと同様或いは共通に設けることが好ましい。処理は、次のステップS46に進む。
ステップS46において、変換制御器CはステップS42で出力された充放電不可信号Scc0に基づいて、エンジンEsの停止を指示するエンジン停止信号Sde0を出力する。処理は、ステップS48に進む。
ステップS48において、上述のステップS24で起動されたエンジンEsが、ステップS46で出力されたエンジン停止信号Sde0に基づいて、停止される。処理は、次のステップS50に進む。
ステップS50において、変換制御器CはステップS42で出力された充放電不可信号Scc0に基づいて、スイッチSWbiに対してインバータ接続信号Scbiを出力する。処理は、次のステップS52に進む。
ステップS52において、インバータ接続信号Scbiに基づいて、ステップS16において閉にされたスイッチSWbiが開にされる。インバータIと共にスイッチSWbaが変換制御器C及びリチウムイオンバッテリBから電気的に切り離される。そして、補助装置Ea及び補助電源装置Iaによる、交流電力Pba(直流電力Pb)の消費が停止する。これにより、充放電可温度範囲R1外である充放電不可温度範囲R0にあるリチウムイオンバッテリBに対して、不要であると共に有害である充放電処理が行われるのを防止している。処理は、次のステップS54に進む。
ステップS54において、補助電源装置IaはスイッチSWbaに直流電力Pbが供給されなくなったことを検知して、スイッチSWbaに対して補助電源装置接続信号Scbaを出力する。処理は、ステップS56に進む。
ステップS56において、補助電源装置接続信号Scbaに基づいて、ステップS20で閉にされたスイッチSWbaが開にされる。このように、ステップS42〜ステップS56の処理により、ステップS12〜ステップS24を経て制御されたシリーズ方式ハイブリッド車両Vsの各構成要素がステップS2の直後の状態に戻る。処理は、ステップS58に進む。
ステップS58において、上述のステップS10に於けるのと同様に、ステップS2において開始した車両システムの起動が中止される。そして、処理が終了する。一方、図3に示す上述のステップS40においてYes(リチウムイオンバッテリBが充放電可温度範囲R1にある)と判断される場合には、処理はステップS80に進む。
ステップS80において、変換制御器Cはバッテリ電圧Vbに基づいて、上述のステップS38で開始された排気ブレーキモードでのリチウムイオンバッテリBの放電暖機の継続が不可能であるか否かを判断する。つまり、バッテリ電圧Vbが、リチウムイオンバッテリBが暖機放電を継続するために最低必要な電力を有していることを示す暖機可能下限電圧VLより低いか(Vb<VL)否かが判断される。暖機可能下限電圧VLは、現在のリチウムイオンバッテリBが所定の電流値の直流電力Pbを放電するために必要な最低の暖機可能下限電力量PwLに対応する。暖機可能下限電圧VLは、リチウムイオンバッテリBの特性や環境条件(特に、温度)に応じて、予め求めておいてROM等に格納しておくことが出来る。
バッテリ電圧Vbが暖機可能下限電圧VLより小さい、つまりリチウムイオンバッテリBの蓄電量Pwが暖機放電を継続できる暖機可能下限電力量PwL以上ない場合は、ステップS80でYesと判断されて、処理はステップS82に進む。そして、ステップS82において、リチウムイオンバッテリBに暖機放電に必要な電力を蓄電させる充電処理の準備が開始される。
ステップS82において、上述の排気ブレーキモードでの放電暖機を停止させる処理が開始される。先ず、変換制御器Cは上述のステップS38(図3)で開始した、リチウムイオンバッテリBから出力される直流電力Pbを三相交流電力Pbcに変化して発電機Gに供給することを停止する。これにより、ステップS38で開始したリチウムイオンバッテリBの暖機放電が停止されて、リチウムイオンバッテリBに蓄えられている電力量の更なる消費(蓄電量Pwの低下)が防止される。そして、処理はステップS84に進む。
ステップS84において、上述のステップS36で開始した排気ブレーキモードを停止させる処理が開始される。先ず、変換制御器CはバルブVaを開にするように発電装置Agsの電磁弁Veを駆動させるバルブ駆動信号Sdv0を出力する。処理は、次のステップS86に進む。
ステップS86において、バルブ駆動信号Sdv0に基づいて、電磁弁Veは、空気シリンダCpを駆動させて、バルブVaを開にする。エンジンEsの排気管が開かれることにより、エンジンEsのポンピングロスが通常に戻される。これにより、エンジンEsは、上述のステップS36で開始された排気ブレーキモードが解除されてアイドリング状態に戻る。これにより、排気ブレーキモードにより発電機Gに付加された回転負荷が除かれる。そして、処理は次のステップS88(図4)に進む。
ステップS88において、バッテリ温度Tcが充電暖機下限温度Tt以下か否か、つまりリチウムイオンバッテリBが暖機放電・低電流充電可温度範囲R2及び充電暖機可温度範囲R3の何れにあるかが判断される。これは、バッテリ温度Tcによって、リチウムイオンバッテリBに供給(充電)が許される充電電流Apcの値が異なるので、充電時間の短縮化及び充電暖機の効率化を図るべく、許される充電電流Apcを判定する処理である。Yes(リチウムイオンバッテリBが暖機放電・低電流充電可温度範囲R2にある)、つまりリチウムイオンバッテリBの通常電流による充電(充電暖機)が許されない場合には、処理はステップS90に進む。一方、No(リチウムイオンバッテリBが充電暖機可温度範囲R3にある)と判断、つまりリチウムイオンバッテリBの通常電流による充電(充電暖機)が許される場合には、処理はステップS96に進む。
なお、本ハイブリッド車両の蓄電池加熱システムの処理の開始直後に、バッテリ電圧Vb<VL(蓄電量Pw<暖機可能下限電力量PwL)と判断(ステップS80でYes)された場合は、リチウムイオンバッテリBは車両システム起動開始(ステップS2)の時点より、ステップS4〜S24の処理のために放電した分だけ暖機されている。なお、同暖機による発熱量は、上述の排気ブレーキモードでの暖機放電による発熱量に比べて遙かに小さい。
つまり、ステップS80に至るまでの処理(放電暖機の継続)時間の短い程、つまりステップS2の時点での蓄電量Pwが小さい程、ステップS4〜S24に於ける放電暖機によるリチウムイオンバッテリBの昇温は小さい。この場合、バッテリ温度Tc≦Tt(ステップS88でYes)と判断される確率が高い。また、ステップS2の時点での、バッテリ温度Tcが下限温度TLに近いほど、バッテリ温度Tc≦Tt(ステップS88でYes)と判断される確率が高い。つまり、蓄電量Pwが小さく、バッテリ温度Tcが下限温度TLに近い程、排気ブレーキモードによる放電暖機を中断してのリチウムイオンバッテリBの充電(ステップS82〜S106)時間が長くなる。この場合、結果として、リチウムイオンバッテリBの暖機完了に要する時間が長くなる。バッテリ温度Tcが充電暖機下限温度Ttに近ければ、充電時間つまり放電暖機の中断時間は短くなり、暖機完了に要する時間が短くなる。
一方、ステップS2の時点での蓄電量Pwが大きい程ステップS80でYesと判断される迄の処理(放電暖機の継続)時間は長く、ステップS4〜S24に於ける放電暖機によるリチウムイオンバッテリBの昇温は大きい。この場合、バッテリ温度Tc>Tt(ステップS88でNo)と判断される確率が高い。つまり、蓄電量Pwが大きい程、排気ブレーキモードによる放電暖機を中断する充電時間が短くなり、暖機完了に要する時間が短くなる。
上述のように、ステップS88でYes(バッテリ温度Tc≦充電暖機下限温度Tt)、つまりリチウムイオンバッテリBが低電流でのみ充電が許される場合は、ステップS90において、バッテリ監視制御器MbtはリチウムイオンバッテリBが暖機放電・低電流充電可温度範囲R2にあることを示す暖機放電・低電流充電可信号Scc2を出力する。処理は次のステップS92に進む。
ステップS92において、暖機放電・低電流充電可信号Scc2に基づいて、変換制御器Cはエンジン低速駆動信号Sde2を出力する。処理は次のステップS94に進む。
ステップS94において、エンジン低速駆動信号Sde2に基づいて、エンジンEsはアイドリング状態から、暖機放電・低電流充電可温度範囲R2におけるリチウムイオンバッテリBの充電に適した低電流(30A以下)の三相交流電力Pgを発電機Gが出力できるように回転数が上げられる。より詳しくは、変換制御器Cは、三相交流電力Pgが変換された直流電力Pcの電流値(充電電流)Apcが低く(Apc≦30A)なるように、発電機Gを所定の回転速度で駆動させると共に、発電機Gを励磁し、低電流の三相交流電力Pgを発生させる。処理は、次のステップS102に進む。
一方、ステップS88でNo(バッテリ温度Tc>充電暖機下限温度Tt)、つまりリチウムイオンバッテリBの、600A以下の通常充電電流Apc(例えば、150A)による充電(充電暖機)が許される場合は、処理はステップS96に進む。
ステップS96において、バッテリ監視制御器MbtはリチウムイオンバッテリBが充電暖機可温度範囲R3にあることを示す充電暖機可信号Scc3を出力する。処理は、次のステップS98に進む。
ステップS98において、充電暖機可信号Scc3に基づいて、変換制御器Cはエンジン高速駆動信号Sde3を出力する。処理は、次のステップS100に進む。
ステップS100においては、エンジンEsはアイドリング状態から、ステップS94に於けるのと同様に、但しエンジン高速駆動信号Sde3に基づいて、充電暖機可温度範囲R3におけるリチウムイオンバッテリBの通常電流充電に適した通常電流(600A以下)の三相交流電力Pgを発電機Gが出力できるように回転数が上げられる。そして、変換制御器Cは、直流電力Pcの電流値(充電電流)Apcが通常(例えば、Apc=150A)になるように、発電機Gを所定の回転速度で駆動させると共に、発電機Gを励磁して、通常電流の三相交流電力Pgを発生させる。処理は、次のステップS102に進む。
ステップS102においては、直前の処理(ステップS94或いはS100)で発生された低電流(ステップS94)或いは通常電流(ステップS100)の三相交流電力Pgが、変換制御器Cによって直流電力Pcに変換される。変換された低電流或いは通常電流の直流電力Pcは上述のステップS16で既に閉にされているスイッチSWbiを介してリチウムイオンバッテリBに供給されると共に、上述のステップS20で既に閉にされているスイッチSWbaを介して補助電源装置Iaに供給される。
つまり、直前の処理がステップS94であれば、暖機放電・低電流充電可温度範囲R2にあるリチウムイオンバッテリBに対する低電流(30A以下)による充電が開始される。一方、直前の処理がステップS100であれば、充電暖機可温度範囲R3にあるリチウムイオンバッテリBに対する通常電流(600A以下)による暖機充電が開始される。このように、充電の前に、リチウムイオンバッテリBの温度に応じて、適正な電流の直流電力Pcを発電することによって、充電によるリチウムイオンバッテリBの品質劣化防止及び安全の確保と共に、充電時間の短縮を図っている。処理はステップS103に進む。
ステップS103において、変換制御器Cによって、バッテリ電圧Vbに基づいて、リチウムイオンバッテリBが放電暖機に備えての充電が不要か否か(充電を継続する必要の有無)が検知される。つまり、バッテリ電圧Vbが充電を停止する充電停止電圧VH(例えば、車両起動電力+余力電力)以上であるか(Vb≧VH?)否かが検知される。バッテリ電圧Vbが車両起動電圧VHより低い(ステップS103でNo)と判断される場合、リチウムイオンバッテリBは充電の継続が必要であり、処理はステップS104に進む。
ステップS104において、バッテリ温度Tcが上述の充電により、充電暖機下限温度Ttより高いか(Tc>Tt?)否かが判断される。これにより、充電の継続が必要とされるリチウムイオンバッテリBが、低電流では無く通常の充電電流Apcで充電できるかが確認される。バッテリ温度Tcが充電暖機下限温度Tt以下、つまりバッテリ温度Tcが暖機放電・低電流充電可温度範囲R2にある場合には、No(通常電流の充電電流Apcでは充電不可)と判断されて処理はステップS103に戻る。
一方、バッテリ温度Tcが充電暖機下限温度Ttより高い、つまりバッテリ温度Tcが充電暖機可温度範囲R3にある場合には、Yes(通常電流の充電電流Apcで充電可)と判断されて処理はステップS105に進む。
ステップS105においては、変換制御器Cによって現在の充電電流Apcが低電流か否かが判断される。低電流である場合は、Yesと判断されて処理は上述のステップS96〜S102の処理を経て、リチウムイオンバッテリBの充電電流Apcが低電流から通常電流に切り替えられる。
一方、本ステップの直前の充電処理(ステップS102)の直前の処理がステップS100、つまり充電電流は低電流でなく通常電流である場合には、Noと判断されて処理はステップS103に戻る。この場合、通常の充電電流Apcによって、リチウムイオンバッテリBの充電が継続される。
充電開始温度が充電暖機下限温度Tt以下である場合(ステップS88でYes)には、低電流で充電が開始され、リチウムイオンバッテリBの蓄電力Pwが車両起動電力量PwHになるまで低電流充電が継続される(ステップS103でNo→ステップS104でNo→ステップS103でYes)。そして、途中でバッテリ温度Tcが充電暖機下限温度Ttより高くなった時点で、充電電流Apcは低電流から通常電流に切り替えられて、リチウムイオンバッテリBの蓄電力Pwが車両起動電力量PwHまで充電される(ステップS103でNo→ステップS104でYes→S105でYes→S96〜S102→S103でYes)。
一方、ステップS80(図3)においてバッテリ電圧Vbが暖機可能下限電圧VL以上である、つまりリチウムイオンバッテリBに蓄電されている電力が放電暖機を継続できる暖機可能下限電量PwL以上である場合には、Noと判断されて、処理はステップS60(図4)に進む。
ステップS60においてNo(リチウムイオンバッテリBのバッテリ温度Tcが主電動機駆動電力出力下限温度Tdに到達)と判断されるまで、ステップS38における排気ブレーキモードでの放電暖機が継続される。このようにして、リチウムイオンバッテリBに暖機可能下限電力量PwL以上が蓄電されている間(ステップS80でNo)は、暖機放電が継続される。なお、蓄電量Pwが暖機完遂電力量PwD以上である場合と、暖機完遂電力量PwDより小さい場合とでは、放電暖機開始以降の処理が以下に述べるように異なる。
先ず、蓄電量Pwが暖機完遂電力量PwD以上である場合には、バッテリ温度Tcが主電動機駆動電力出力下限温度Tdに達する(ステップS60でNo)まで、上述の放電暖機処理(ステップS80、S60、S38、S40)が繰り返される。つまり、リチウムイオンバッテリBの放電暖機が完遂される。そして、処理はステップS62に進み、リチウムイオンバッテリBの排気ブレーキモードでの放電暖機終了処理が開始される。
ステップS62において、バッテリ監視制御器Mbtから変換制御器Cに対して、リチウムイオンバッテリBが車両駆動放電可温度範囲R5にあることを示す車両駆動放電可信号Scc5が出力される。処理は、次のステップS64に進む。
ステップS64において、ステップS62で出力された車両駆動放電可信号Scc5に基づいて、変換制御器Cは稼働停止する。結果、発電機Gに対する三相交流電力Pbcの供給(リチウムイオンバッテリBの直流電力Pbの放電)が停止される。処理は、次のステップS66に進む。
ステップS66において、ステップS62で出力された車両駆動放電可信号Scc5に基づいて、変換制御器CはバルブVaを開にするように発電装置Agsの電磁弁Veを駆動させるバルブ駆動信号Sdv0を出力する。処理は、次のステップS68に進む。
ステップS68において、ステップS66で出力されたバルブ駆動信号Sdv0に基づいて、電磁弁Veは、空気シリンダCpを駆動させて、バルブVaを開にする。エンジンEsの排気管が開かれることにより、エンジンEsのポンピングロスが通常に戻される。これにより、エンジンEsは、上述のステップS36で開始された排気ブレーキモードが解除されてアイドリング状態に戻る。そして、処理は次のステップS70に進む。
ステップS70において、ステップS62で出力された車両駆動放電可信号Scc5に基づいて、変換制御器Cによって、リチウムイオンバッテリBの加熱完了を示す表示信号Si4(不図示)が生成される。そして、処理は次のステップS72に進む。上述のように、ステップS72において車両システム起動が完了した後に、処理が完了する。車両は、リチウムイオンバッテリBが主電動機駆動電力出力下限温度Tdまで昇温された状態で、走行開始状態に準備される。
一方、蓄電量Pwが暖機完遂電力量PwDより小さい時は、放電暖機継続(ステップS80、S60、S38、S40)中に、バッテリ温度Tcが主電動機駆動電力出力下限温度Tdに到達する前に蓄電量Pwが暖機可能下限電力量PwLより小さくなる。つまり、リチウムイオンバッテリBの蓄電量Pwが暖機放電継続に不足する。よって、ステップS80でYesと判断されて、処理はステップS82に進む。そして、ステップS82において、リチウムイオンバッテリBに蓄電させる充電処理が開始する。
上述のように、許される充電電流Apcの判定(ステップS88)の前に、ステップS80、S60、S38、S40、及びS80が構成する放電暖機ループ処理(を繰り返すこと)により、リチウムイオンバッテリBの蓄電量Pwが暖機下限電力量PwLになるまで放電させることによって、リチウムイオンバッテリBを出来るだけ昇温させている。これは、通常の充電電流Apcによる充電の可能性を高めると共に、低い充電電流Apcによる充電から通常の充電電流Apcに切り替わるタイミングを早めることを意図している。また、充電開始時のリチウムイオンバッテリBの充電率を出来るだけ小さくすることによって、充電率の上昇に伴う充電電流Apcの低下を抑制して、出来るだけ大きな充電電流Apcでの充電暖機を可能にしている。結果、ステップS2の時点での蓄電量Pwが暖機完遂電力量PwDに足りなくて、放電暖機を中断して充電せざるを得ない場合であっても、リチウムイオンバッテリBの安全及び性能劣化の防止と、速やかな暖機を可能としている。
以下に、上述の本実施の形態に係る蓄電池加熱システムの動作を要約する。車両のシステム起動処理の開始と共に蓄電池加熱システムの動作が開始されると、先ず、バッテリ温度Tcに基づいて、リチウムイオンバッテリBの蓄電池加熱システムの動作及び車両システム起動処理の動作継続の是非が判断される(ステップS4)。バッテリ温度Tcが充放電不可温度範囲R0(TL≧Tc又はTc≧TH)である場合には、車両システム起動及び蓄電池加熱システムが共に停止させられる(ステップS6〜S10)。これにより、リチウムイオンバッテリBを損なう充放電が未然に防止される。
一方、バッテリ温度Tcが充放電可温度範囲R1(TL<Tc<TH)内にある場合には、リチウムイオンバッテリBが補助電源装置Iaに電気的に接続されて、補助装置Eaが駆動される。引き続き、エンジンEsが起動される(ステップS12〜S24)。これにより、本実施の形態に係る放電暖機の処理が準備される、なお、補助装置Eaを駆動させる放電により、リチウムイオンバッテリBは発熱して加熱される。しかし、発熱量(放電暖機量)は、リチウムイオンバッテリBを車両の始動時刻までの短時間に主電動機駆動電力出力下限温度Tdまで加熱するには不十分であり、本発明に係る蓄電池の加熱システムにおけるリチウムイオンバッテリBの放電暖機(暖機放電)とは区別される。
次に、バッテリ温度Tcに基づいて、リチウムイオンバッテリBの主電動機駆動電力出力下限温度Td迄の(放電)暖機の要否が判断される(ステップS26)。リチウムイオンバッテリBの(放電)暖機が不要(Tc≧Td)な場合は、放電暖機動作は開始されることなく、車両システム起動が完了される(ステップS28、S30、及びS72)。リチウムイオンバッテリBの(放電)暖機が必要(Tc<Td)な場合はリチウムイオンバッテリBの放電負荷が増大(可変)され、排気ブレーキモードにされたエンジンEsの回転負荷に抗して発電機Gを回転させるべく、リチウムイオンバッテリBから直流電力Pbの放電(暖機放電)が開始される(ステップS32〜S38)。
そして、バッテリ温度Tcに基づいて、開始されたリチウムイオンバッテリBの暖機放電を継続してよいか否かが判断される(ステップS40)。リチウムイオンバッテリBが充放電不可温度範囲R0(TL≧Tc又はTc≧TH)にある場合には、暖機放電の継続は許されない。よって、排気ブレーキモードで運転中のエンジンEsが停止され、リチウムイオンバッテリBがインバータI及び補助電源装置Iaから切り離される。これによって、リチウムイオンバッテリBの暖機放電が停止されると共に充放電処理が防止される。そして、シリーズ方式ハイブリッド車両Vsの各構成要素が、車両システム起動開始(ステップS2)直後の状態に戻された後に、車両システムの起動が中止される(ステップS42〜S58)。
一方、暖機放電の開始後も、リチウムイオンバッテリBが暖機放電が許される充放電可温度範囲R1(TL<Tc<TH)にある場合には、バッテリ電圧Vbに基づいてリチウムイオンバッテリBに放電暖機を継続するために必要な電力である暖機可能下限電力量PwLが蓄電されているか否かが判断される(ステップS80)。暖機可能下限電力量PwLが蓄電されていない(Vb<VL)場合は、リチウムイオンバッテリBから発電機Gへの暖機放電を停止し、エンジンEsの排気ブレーキモードを解除して、リチウムイオンバッテリBのバッテリ温度Tc(暖機放電・低電流充電可温度範囲R2或いは充電暖機可温度範囲R3)に応じた電流(充電電流Apc)の三相交流電力Pgを発電機Gで発生させ、リチウムイオンバッテリBを充電してバッテリ電圧Vbが充電停止電圧VHになるまで蓄電させる(ステップS88〜S106)。上述のように、充電停止電圧VHは、好ましくは、車両起動電力に余力電力を加えた量に設定されている。この意味において、充電停止電圧VHは車両起動電圧とも言える。
バッテリ温度Tcに応じた電流値でリチウムイオンバッテリBを充電することにより、上述の低温での充電による電池暖機に起因するリチウム金属の析出による電池の劣化及び事故の危険性は回避される。充電電流Apcは、バッテリ温度Tcに応じて、低電流及び通常電流のいずれかが選択される(ステップS88〜S100)。通常電流による充電は、リチウムイオンバッテリBを昇温させる充電暖機である。
つまり、リチウムイオンバッテリBの充電が開始されるのは、リチウムイオンバッテリBに蓄積されている蓄電量Pwが暖機放電可能下限電力量PwLになるまで放電暖機に使用した後である。本来充電には不都合な低温にあるリチウムイオンバッテリBの温度を放電暖機によって少しでも昇温させると共に充電率を低下させた後で充電することにより、より大きな充電電流Apcでの安全且つ迅速なリチウムイオンバッテリBの充電を図っている。
さらに、リチウムイオンバッテリBの充電中に、バッテリ温度Tcが充電暖機下限温度Ttより高くなった、つまりリチウムイオンバッテリBが(低電流では無く)通常の充電電流Apcで充電できる状態になったと判断される場合は、充電電流Apcが低電流から通常電流に切り替えられる(ステップS104、S105、S96〜S102)。これにより、安全且つ迅速なリチウムイオンバッテリBの充電を図っている。
上述の充電処理(ステップS82〜S106)による発熱の結果、リチウムイオンバッテリBが放電暖機を必要としない主電動機駆動電力出力下限温度Td以上(Tc≧Td)に昇温(充電暖機)していれば、更なる放電暖機は行われることなく、車両システム起動完了と共に加熱処理が終了する(ステップS26、S28、S30、及びS72)。充電後のバッテリ温度Tcが主電動機駆動電力出力下限温度Td未満(Tc<Td)の場合には、バッテリ温度Tcが主電動機駆動電力出力下限温度Td以上になるまで、暖機放電が継続(ステップS32〜S38、S40、S80、S60)された後に、エンジンEsの排気ブレーキモードが解除されて、車両起動完了と共に加熱処理が完了する(ステップS62〜S72)。なお、充電の結果、リチウムイオンバッテリBが充放電が許されない状態(TL≧Tc又はTc≧TH:充放電不可温度範囲R0)になった場合には、エンジンEsが停止されて車両システム起動中止と共に加熱処理が終了される(ステップS42〜S58)。
一方、上述のステップS80においてNo、つまりリチウムイオンバッテリBには暖機放電を継続することが出来る暖機可能下限電力量PwL以上が蓄電されていると判断される場合は、処理は上述の充電処理(ステップS82〜S106)をスキップしてステップS60に進む。
また、本発明においては、リチウムイオンバッテリBが加熱が必要な低温状態にある場合に、先ずリチウムイオンバッテリBの放電暖機を開始し、その後にリチウムイオンバッテリBの蓄電量Pwが暖機放電の継続に不足(Pw<PwL)の場合にのみリチウムイオンバッテリBの充電を行っている。これにより、低温時の不用意な充電によるリチウム金属の析出によるリチウムイオンバッテリBの劣化及び事故の防止を図っている。
また、リチウムイオンバッテリBのバッテリ温度Tcに応じて、充電電力を低電流(30A以下)と通常電流(600A以下)との何れかに切り替えることによって、リチウムイオンバッテリBの品質劣化及び損傷の防止と共に安全の確保が図られている。なお、上述の下限温度TL、充電暖機下限温度Tt、主電動機駆動電力出力下限温度Td、及び上限温度TH並びに充電電流Apc及び放電電流Apbとして具体的に挙げられている数値は一例であって、それぞれ用いられるリチウムイオンバッテリBの特性によって適宜決定されるものである。
(実施の形態2)
以下に図5、図6、及び図7を参照して、本発明の実施の形態2に係るハイブリッド車両の蓄電池加熱システムについて説明する。本実施の形態は、図8に例示したパラレル方式ハイブリッド車両の蓄電池の加熱に用いられる蓄電池加熱システムである。上述のように、パラレル方式ハイブリッド車両においては、エンジンEpはリチウムイオンバッテリBに蓄積される三相交流電力Pgの発生に加えて、さらに駆動輪Waの直接駆動力発生及び補助装置Eaを駆動させる交流電力の発生にも使用される。
図5に、本実施の形態に係る蓄電池加熱システムが搭載された、パラレル方式ハイブリッド車両の要部構成を示す。なお、蓄電池の加熱の説明に特に必要のない部材、及び上述のシリーズ方式ハイブリッド車両Vsと共通の構成及び働きについては、特に必要がない限り言及を控える。
パラレル方式ハイブリッド車両Vpは、動力発生装置Agp、変換制御器I(C)、リチウムイオンバッテリB、バッテリ監視制御器Mbt、補助発電機Ga、補助装置Ea、及び駆動輪Waを含む。リチウムイオンバッテリB、バッテリ監視制御器Mbt、補助装置Ea、及び駆動輪(車輪)Waは、基本的に、上述のシリーズ方式ハイブリッド車両Vs(図1)に於ける物と同様である。変換制御器I(C)は動力発生装置Agp及びリチウムイオンバッテリBに電気的に接続されている。以下に詳述するように、変換制御器I(C)はシリーズ方式ハイブリッド車両Vsに於けるインバータIの機能と変換制御器Cの機能を兼ね備えたものと言える。
動力発生装置Agpは、エンジンEpと変速機Tと誘導電動機M(G)(以降、「モータM(G)」)とを含む。エンジンEpは、変速機Tと補助発電機Gaとの両方に機械的に接続されている点を除いて上述のエンジンEs(図1)と同様に構成されており、排気管の途中に設けられているバルブVaが電磁弁Veにより駆動される空気シリンダCpによって開閉される。モータM(G)は、変速機Tを介して、エンジンEpと駆動輪Waに機械的に接続されていると共に変換制御器I(C)と電気的に接続されている。変速機Tは駆動輪Wa及びモータM(G)の少なくとも一方をエンジンEpの出力軸に接続する。
補助発電機GaはエンジンEpに機械的に接続されると共に補助装置Eaに電気的に接続されている。補助発電機Gaは、エンジンEpによって回転されて、交流電力Pbaを発生する。補助装置Eaは交流電力Pbaによって駆動される。
変換制御器I(C)は、モータM(G)(動力発生装置Agp)に電気的に接続されて、モータM(G)から供給される三相交流電力Pgを直流電力Pcに変換して、リチウムイオンバッテリBに供給する。リチウムイオンバッテリBは、変換制御器I(C)から供給される直流電力Pcを蓄積すると共に、安定した直流電力Pbを変換制御器I(C)に出力する。
変換制御器I(C)は、リチウムイオンバッテリBから供給される直流電力Pbをパラレル方式ハイブリッド車両Vpを推進させるモータM(G)の駆動に適した三相交流電力Pbcに変換する。モータM(G)は、変換制御器I(C)から供給される三相交流電力Pbcによって駆動されて、変速機Tを介して駆動輪Waを回転させる。
パラレル方式ハイブリッド車両Vpの通常走行時は、動力発生装置AgpのエンジンEpで発生された動力の一部は補助発電機Gaを介して補助装置Eaの駆動に消費され、残りは変速機Tを介しての駆動輪Waの駆動とモータM(G)の駆動に消費される。つまり、エンジンEpの出力の内で、補助装置Ea及びパラレル方式ハイブリッド車両Vpの駆動(駆動輪Wa)で消費されなかった余剰出力(三相交流電力Pg)が直流電力PcとしてリチウムイオンバッテリBに蓄積される。具体的には、パラレル方式ハイブリッド車両Vpが駆動輪Waを駆動させないで惰行或いは停車している場合には、エンジンEpの出力の内で補助装置Ea(補助発電機Ga)で消費されない分が直流電力PcとしてリチウムイオンバッテリBに供給される。
パラレル方式ハイブリッド車両Vpが加速する場合など、エンジンEpの出力では不十分な場合には、リチウムイオンバッテリBに蓄積されている直流電力Pbも使用される。つまり、変換制御器I(C)を介してリチウムイオンバッテリBから供給される三相交流電力PbcによってモータM(G)が駆動されて、その駆動出力が変速機Tを介してエンジンEpの出力と合算されて駆動輪Waを駆動させる。
バッテリ監視制御器Mbtは、上述のシリーズ方式ハイブリッド車両Vs(図1)に於けるのと同様に、現時点でのリチウムイオンバッテリBが所定の温度範囲にあるか否かを示すバッテリ温度判定信号Sccを生成する。変換制御器I(C)は、バッテリ監視制御器Mbtから入力されるバッテリ温度判定信号SccとリチウムイオンバッテリBの蓄電量Pwとに応じて、上述の変換制御器C(図1)と同様に、リチウムイオンバッテリBの暖機放電、低電流充電、及び暖機充電を選択的に実行させる。具体的には、変換制御器I(C)は、バルブ駆動信号Sdvとエンジン駆動信号Sdeとを生成すると共に、変速機Tを駆動輪Wa及びモータM(G)の少なくとも一方をエンジンEpに接続するように制御する制御信号Sdt(以降、「エンジン接続信号Sdt」)を生成する。つまり、温度信号St、バッテリ温度判定信号Scc、バルブ駆動信号Sdv、エンジン駆動信号Sde、及びエンジン接続信号Sdtに基づいて、リチウムイオンバッテリBの加熱動作が制御される。
以下に、図6及び図7に示すフローチャートを参照して、本実施の形態に係るパラレル方式ハイブリッド車両Vpの蓄電池加熱システムの動作について説明する。本実施の形態に係るフローチャートは、上述の実施の形態1に係るフローチャート(図3及び図4)において、パラレル方式ハイブリッド車両Vpには存在しないスイッチSWba及びSwbiや補助電源装置Iaに関するステップS14、S16、S18、S20、S50、S52、S54、及びS56が削除されている。また、処理の主体と客体が異なるものの動作内容がシリーズ方式ハイブリッド車両Vsにおけるのと基本的に同一の処理に対してはステップ番号の末尾にrを付している。具体的には、シリーズ方式ハイブリッド車両Vsにおける変換制御器C、発電機G、エンジンEs及び補助電源装置Iaが、それぞれ、パラレル方式ハイブリッド車両Vpにおける変換制御器I(C)、モータM(G)、エンジンEp、及び補助発電機Gaに置き換わっており、ステップS8r、S10r、S22r、S24r、S30r、S34r、S36r、S38r、S44r、S46r、S48r、S58r、S64r、S66r、S68r、S70r、S72r、S80r、S82r、S84r、S86r、S92r、S94r、S98r、S100r、S102r、S103r、S105r、及びS106rが相当する。
以下に、パラレル方式ハイブリッド車両Vpに固有の処理に重点をおいて、本実施の形態に係る処理について説明する。
先ず、ステップS2において、パラレル方式ハイブリッド車両Vpの運転台などの適宜な場所に設けられているシステム起動スイッチがONにされた時点で、車両システム(不図示)の立ち上げ動作と平行して蓄電池加熱システムの動作が開始される。そして、リチウムイオンバッテリBが充放電不可温度範囲R0にある(ステップS4でNo)場合には、上述のシリーズ方式ハイブリッド車両Vsに於けるのと同様に、ステップS6、S8r、及びS10rに於ける処理を経て、ステップS2で開始された車両システム起動が中止される。
一方、リチウムイオンバッテリBが充放電可温度範囲R1内にある(ステップS4でYes)場合は、ステップS12で出力された充放電可信号Scc1に基づいて、ステップS17においてインバータI(C)が変速機Tに対して、モータM(G)をエンジンEpに接続させるエンジン接続信号Sdt1を出力する。処理は、次のステップS19に進む。
ステップS19において、エンジン接続信号Sdt1に基づいて、変速機TはモータM(G)をエンジンEpに接続する。なお、エンジンEpは駆動輪Waとは非接続のままである。処理は、次のステップS22rに進む。
ステップS22rにおいて、変換制御器I(C)は、ステップS12で出力された充放電可信号Scc1に基づいて、エンジンEpを起動させるエンジン起動信号Sde1をエンジンEp(発電装置Agp)に出力する。処理は次のステップS24rに進む。
ステップS24rにおいて、ステップS19において、モータM(G)が接続された状態のエンジンEpが起動される。そして、エンジンEpに直結されている補助発電機Gaと、変速機Tを介して接続されているモータM(G)とが駆動される。補助発電機Gaにより交流電力Pbaが発生されて、補助装置Eaが駆動される。しかし、パラレル方式ハイブリッド車両Vpは停止状態であるので、モータM(G)は三相交流電力Pgを発生しない。処理は次のステップS26に進む。
ステップS26において、リチウムイオンバッテリBが暖機運転を必要としている(Tc<Td)かが判断される。なお、パラレル方式ハイブリッド車両Vpにおいては、補助装置Eaの駆動はリチウムイオンバッテリBから放電される直流電力Pbでは無く、エンジンEpで駆動される補助発電機Gaで発電される交流電力Pbaにより駆動されるので、シリーズ方式ハイブリッド車両Vsに於ける補助装置Eaに対するリチウムイオンバッテリBの放電及びエンジンEsの駆動に相当する処理(シリーズ方式ハイブリッド車両VsにおけるステップS14〜S20)は行われない。
リチウムイオンバッテリBが暖機不要である(ステップS26でNo、つまり車両駆動放電可温度範囲R5にある)場合には、ステップS28、S30r、及びステップS72rに於ける処理を経て、シリーズ方式ハイブリッド車両Vsに於けるのと同様に、ステップS2で開始された車両システム起動が完了されて処理が終了する。
一方、リチウムイオンバッテリBが暖機必要である(ステップS26でYes、つまり暖機放電可温度範囲R4にある)場合には、シリーズ方式ハイブリッド車両Vsに於けるのと同様に、ステップS32、S34r、及びS36rに於ける処理を経て、シリーズ方式ハイブリッド車両Vsに於けるのと同様に、エンジンEpが排気ブレーキモードにされる。そして、ステップS38rでエンジンEpに直結されているモータM(G)は、変換制御器I(C)から供給される三相交流電力Pbcによって、既に排気ブレーキモードで回転しているエンジンEpの回転速度より速く回転するように駆動される。エンジンEpとモータM(G)の回転速度の差がモータM(G)の回転負荷として働く。
このように、パラレル方式ハイブリッド車両Vpにおいては、リチウムイオンバッテリBの暖機放電の際に、リチウムイオンバッテリBの放電負荷を高めるためにシリーズ方式ハイブリッド車両Vsに於けるように補助装置Ea(補助電源装置Ia)に交流電力Pba(直流電力Pb)が直接供給されない。しかしながら、パラレル方式ハイブリッド車両Vpにおいては、補助装置Eaを駆動させる交流電力Pbaを発生させるために補助発電機GaをエンジンEpにより駆動させている。つまり、補助装置Eaの駆動電力と排気ブレーキモードのエンジンEpの回転負荷が、リチウムイオンバッテリBの放電負荷を増していることは、シリーズ方式ハイブリッド車両Vsに於けるのと同様である。但し、補助装置Eaを駆動させる交流電力Pbaを発生させる補助発電機GaはエンジンEpの排気ブレーキモード時の回転負荷の一つとなっている点が異なる。
結果、リチウムイオンバッテリBの放電量は、大きく増大する。この増大した放電による内部発熱により、リチウムイオンバッテリBをモータM(G)の駆動に必要な電力を出力(放電)できる駆動電力出力温度Tdまで急速に加熱できる。
そして、シリーズ方式ハイブリッド車両Vsに於けるのと同様に、リチウムイオンバッテリBが充放電可能な状態にあるか否かがステップS40で判断される。充放電不可(ステップS40でNo)の場合には、ステップS42、S44r、S46r、S48r、S48r、及びS58rを経て、ステップS2で開始されたパラレル方式ハイブリッド車両Vpの車両システム起動が中止された後に、処理は終了する。充放電許容温度範囲外にあるリチウムイオンバッテリBに対して、不要であると共に有害である充放電処理が行われるのが防止されている。
なお、パラレル方式ハイブリッド車両Vpにおいては、上述のように補助装置EaはリチウムイオンバッテリBによってではなく、補助発電機Ga(エンジンEp)で発生された交流電力Pbaで駆動されるので、シリーズ方式ハイブリッド車両VsにおけるステップS50〜S56におけるエンジンEsから補助装置Eaに対する交流電力Pba供給停止に相当する処理は行われない。
充放電可(ステップS40でYes)の場合には、ステップS80rにおいて、リチウムイオンバッテリBの蓄電量Pwが放電暖機に必要な暖機可能下限電力量PwL以上(Pw≧PwL:ステップS80rでNo)であれば、放電暖機が継続される。そして、バッテリ温度Tcが主電動機駆動電力出力下限温度Tdに到達(Tc≧Td:ステップS60でNo)した時点で、ステップS60、S62、S64r、S66r、S68r、S70r、及びS72rに於ける処理を経て、シリーズ方式ハイブリッド車両Vsに於けるのと同様に、リチウムイオンバッテリBは駆動電力出力温度Tdまで昇温された後に、車両は走行開始状態に準備される。
なお、リチウムイオンバッテリBの蓄電量Pwが放電暖機の継続に必要な暖機可能下限電力量PwL未満(Pw<PwL:ステップS80rでYes)であれば、エンジンEpは排気ブレーキモードが解除され、放電が停止される。バッテリ温度Tcに基づいて選択された電流値でリチウムイオンバッテリBが充電(ステップS82r、S84r、S86r、S88、S90、S92r、S94r、S96、S98r、S100r、S102r、S103r、S104、及びS105r)される。そして、充電の結果、リチウムイオンバッテリBが主電動機駆動電力出力下限温度Td以上に昇温して(ステップS26でNo、つまり充電暖機されて)いれば、さらなる放電暖機は行われることなく、車両システム起動完了と共に加熱処理が終了する(ステップS28、S30r、及びS72r)。
充電後のバッテリ温度Tcが主電動機駆動電力出力下限温度Td未満(Tc<Td:ステップS26でYes)の場合には、エンジンEpが再度排気ブレーキモードにされた後に、バッテリ温度Tcが主電動機駆動電力出力下限温度Td以上になるまで、暖機放電が継続(ステップS32、S34r、S36r、S38r、S40、S80r、S60)された後に、エンジンEpの排気ブレーキモードが解除されて、車両起動完了と共に加熱処理が完了する(ステップS62〜S72r)。なお、充電の結果、リチウムイオンバッテリBが充放電が許されない状態(充放電不可温度範囲R0内)に成った場合には、エンジンEpが停止されて車両システム起動中止と共に加熱処理が終了される(ステップS42〜S58r)。
上述のように、本実施の形態に係る蓄電池加熱システムは、上述の実施の形態1に係る蓄電池加熱システムと同様に、リチウムイオンバッテリBの温度範囲R0〜R5のそれぞれに対応して、放電による暖機が優先して行われ、蓄電の為にのみ充電による暖機が補助的に行われる。
なお、上述の実施の形態1及び2においては、暖機放電可温度範囲R4(リチウムイオンバッテリBが暖機を必要とする温度範囲)は、充電暖機下限温度Ttを閾値として2つの温度範囲(暖機放電・低電流充電可温度範囲R2と充電暖機可温度範囲R3)に区分されている。充電暖機下限温度Tt以外にもリチウムイオンバッテリBの充放電特性が変化する温度がある場合は、複数の閾値を設定して暖機放電可温度範囲R4をさらに細分化してもよい。暖機放電可温度範囲R4を細分化することにより、放電電流Apb及び充電電流Apcの大きさをより多段階に設定でき、リチウムイオンバッテリBの暖機を安全かつ効率よく行える。
また、上述の実施の形態1及び2においてはリチウムイオンバッテリBの充電は蓄電量Pwが車両起動電力量PwH以上となるまで行われるが、蓄電量Pwが車両起動電力量PwHより小さく暖機完遂電力量PwD以上である所定の値に達した時点で充電を中断して放電暖機に切り替えてもよい。この場合、放電暖機の完遂後に、車両起動電力の蓄電のための充電が必要となるが、暖機完了に要する時間は短縮できる。
なお、図2を参照して説明したように、上述の実施の形態1及び2における充電暖機可温度範囲R3に於いては、充電電流Apcは150Aと、放電電流Apbの100Aに比べて大きく、充電暖機効果も放電暖機効果より大きいと言える。しかしながら、充電暖機には上述のように安全性及び設備の効率性において問題があり、本発明においては上述のステップS80及びS80rでの判断(Vb<VL?)により、基本的に充電は放電暖機の継続のために行っている。これにより、最大限放電により暖機を行う一方、充電暖機及び充電暖機に起因する問題を必要最小限に抑えている。
本発明は、ハイブリッド車両に搭載された蓄電池の加熱に利用できる。
Vs シリーズ方式ハイブリッド車両
Vp パラレル方式ハイブリッド車両
B リチウムイオンバッテリ(蓄電池)
Mbt バッテリ監視制御器
Ags 発電装置
Agp 動力発生装置
Es、Ep エンジン
G、Ga 発電機
M、M(G) 電動機(モータ)
C 変換制御器
I(C) 変換制御器
Ea 補助装置
Ia 補助電源装置
I インバータ
Wa 駆動輪
Va バルブ
Ve 電磁弁
Cp 空気シリンダ
R0 充放電不可温度範囲
R1 充放電可温度範囲
R2 暖機放電・低電流充電可温度範囲
R3 充電暖機可温度範囲
R4 暖機放電可温度範囲
R5 車両駆動放電可温度範囲
Scbi インバータ接続信号
Scba 補助電源装置接続信号
St 温度信号
Tc バッテリ温度

Claims (5)

  1. 車両システムが停止した状態からの起動時に、動力源として発電機と併載された蓄電池を放電或いは充電させることによって加熱するハイブリッド車両の蓄電池加熱システムであって、
    前記蓄電池が所定の温度範囲にあるか否かを検出するバッテリ監視手段と、
    前記蓄電池の放電負荷を変化させる放電負荷可変手段と、
    前記検出された蓄電池の温度範囲に基づいて前記蓄電池の加熱の要否を判定すると共に、前記放電負荷可変手段を制御して、前記蓄電池を放電させる加熱制御手段と
    前記発電機を駆動させて発電させるエンジンとを備え
    前記加熱制御手段は、当該エンジンを排気ブレーキモードにして前記発電機の回転負荷を増大させることにより、前記放電負荷を増大させて、前記蓄電池を放電させることを特徴とするハイブリッド車両の蓄電池加熱システム。
  2. 前記放電の継続の可否を判定する放電継続可否判定手段をさらに備え、
    前記放電継続が否であると判定された場合には、前記発電機から出力される電流で前記蓄電池を充電させることを特徴とする、請求項1に記載のハイブリッド車両の蓄電池加熱システム。
  3. 前記放電の継続の可否を判定する放電継続可否判定手段をさらに備え、
    前記放電継続が否であると判定された場合には、前記放電を停止して、前記発電機から出力される電流で前記蓄電池を充電させることを特徴とする、請求項1に記載のハイブリッド車両の蓄電池加熱システム。
  4. 前記放電の継続の可否を判定する放電継続可否判定手段をさらに備え、
    前記放電継続が否であると判定された場合には、前記排気ブレーキモードを解除して、前記発電機から出力される電流で前記蓄電池を充電させることを特徴とする、請求項に記載のハイブリッド車両の蓄電池加熱システム。
  5. 前記検出された蓄電池の温度範囲に基づいて、前記発電機から出力される電流を変化させることを特徴とする、請求項2乃至4のいずれか一項に記載のハイブリッド車両の蓄電池加熱システム。
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