JP2016152067A - 蓄電システム - Google Patents

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Abstract

【課題】蓄電装置を昇温させるためのヒータの通電/非通電を制御するリレー装置の故障の際に、蓄電装置の温度上昇を抑制する。
【解決手段】本発明の蓄電システムは、車両の走行用モータに電力を供給する蓄電装置を昇温させるヒータと、蓄電装置からの電力又は蓄電装置を充電するための外部電源からの電力を、ヒータに出力するDC/DCコンバータと、DC/DCコンバータとヒータとの間の電流経路を遮断状態と接続状態との間で切り換えるリレー装置と、リレー装置のオフ故障を検出するコントローラと、を有する。DC/DCコンバータの出力側には、ヒータと共に補機バッテリが接続されており、コントローラは、リレー装置の故障が検出されたとき、DC/DCコンバータを介した補機バッテリへの電力供給を許容しつつ、DC/DCコンバータの出力電圧を低く制限する。
【選択図】図7

Description

本発明は、蓄電装置を温める温度調節デバイスを備えた蓄電システムに関する。
特許文献1には、外部電源から供給される外部電力をバッテリに供給する外部充電の際に、ヒータを用いてバッテリを加熱しながら充電することで、バッテリの内部抵抗の上昇に伴う許容入力電力量(許容充電電流量)の低減を緩和し、充電時間を短縮するようにしている。
特開2014−075297号公報
特許文献1に記載の技術において、温度調節デバイスであるヒータは、DC/DCコンバータを介してバッテリや外部電源と接続されている。このとき、DC/DCコンバータの出力側には、ヒータ以外にも補機に電力を供給する補機バッテリと接続することができる。このため、DC/DCコンバータを動作させると、ヒータ及び補機バッテリそれぞれに電力が出力されるので、ヒータへの電力供給を停止する際は、DC/DCコンバータとヒータとの間に設けられたリレー装置をオフにする。このように構成することで、DC/DCコンバータを動作させてもヒータに電力が供給されないように制御することができる。
しかしながら、リレー装置が固着等によって故障すると、DC/DCコンバータとヒータとの間の電流経路を遮断できない。このため、DC/DCコンバータから補機バッテリに電力を出力する必要がある場合、DC/DCコンバータの駆動制御により、ヒータにも電力が供給されてしまい、バッテリに対する不必要な昇温を行ってしまうおそれがある。
バッテリの温度が高くなると、入出力特性の低下や電池劣化を招くことが知られている。このため、例えば、バッテリの温度が所定温度を超えると、バッテリの許容入出力電力を低く制限してバッテリを保護することができる。このようなバッテリ保護の制限制御が介入すると、車両走行におけるドライバビリティの低下や燃費悪化に繋がるので、ヒータによる昇温を低く抑えてバッテリ保護の制限制御の介入を抑制することが好ましいが、DC/DCコンバータの動作を停止させると、例えば、補機バッテリへの充電ができないため、補機バッテリが過放電状態となってしまう。
そこで、本発明の目的は、DC/DCコンバータとヒータとの間の電流経路を遮断状態及び接続状態の間で切り換えるリレー装置が故障しても、DC/DCコンバータの動作を停止させずに蓄電装置の温度上昇を抑制することができる蓄電システムを提供することにある。
本発明である蓄電システムは、車両の走行用モータに電力を供給する蓄電装置を備えた蓄電システムである。蓄電システムは、蓄電装置を昇温させるヒータと、蓄電装置からの電力又は蓄電装置を充電するための外部電源からの電力を、ヒータに出力するDC/DCコンバータと、DC/DCコンバータとヒータとの間の電流経路上に設けられ、電流経路を遮断状態と接続状態との間で切り換えるリレー装置と、DC/DCコンバータとヒータとの間の電流経路が遮断できないリレー装置の故障を検出するコントローラと、を有する。このとき、DC/DCコンバータの出力側には、ヒータと共に補機バッテリが接続されるように構成されている。そして、コントローラは、リレー装置の故障が検出されたとき、DC/DCコンバータを介した補機バッテリへの電力供給を許容しつつ、DC/DCコンバータの出力電圧を低く制限する。
DC/DCコンバータとヒータとの間の電流経路が遮断できないリレー装置の故障が生じた状態でDC/DCコンバータを動作させると、ヒータに電力が出力されてしまい、蓄電装置を不必要に昇温させてしまうおそれがある。このため、DC/DCコンバータの動作を停止することで、ヒータへの電力供給を停止することができるが、ヒータが接続されるDC/DCコンバータの出力側には、補機バッテリが共に接続されているため、これらに電力を供給する必要がある場合、DC/DCコンバータを動作させなければならない。したがって、リレー装置の故障が検出されたとき、DC/DCコンバータを介した補機バッテリへの電力供給を許容すると、ヒータに電力が供給され続けてしまい、ヒータによる昇温が促進されてしまうが、DC/DCコンバータの出力電圧を低く制限することで、ヒータへの電力供給量を低減し、蓄電装置の温度上昇を抑制する。
このように構成することで、DC/DCコンバータの動作を停止させなくても、蓄電装置が過度に加熱される状態を抑制することができる。このため、車両走行の際の蓄電装置の入出力制御または外部電源からの電力を充電した後の車両走行の際の蓄電装置の入出力制御において、蓄電装置の過熱に伴う許容入出力電力の制限介入を抑制することができ、車両走行におけるドライバビリティの低下や燃費悪化を抑制することができる。
また、リレー装置の故障が検出された後の車両走行において、DC/DCコンバータの動作を停止させずに、出力電圧を低く制限しつつ、補機バッテリへの電力供給が許容されるため、補機バッテリが充電されないことによって過放電状態になることを抑制することができる。
また、上記蓄電システムは、蓄電装置の温度を検出する温度センサをさらに備えることができる。このとき、コントローラは、リレー装置の故障が検出されたとき、蓄電装置の温度が所定温度よりも高い場合に、蓄電装置の温度が所定温度よりも小さいときよりもDC/DCコンバータの出力電圧を低くするように制御することができる。このように構成することで、蓄電装置の温度が所定温度を超えてさらに昇温されることを抑制できる。さらに、所定温度は、蓄電装置の許容出力電力を低く制限するために設定される温度とすることができる。蓄電装置の温度が許容出力電力を低く制限するための温度を超えてさらに昇温されることを抑制できるので、車両走行における蓄電装置の過熱に伴う許容入出力電力の制限介入を抑制することができる。
また、上記コントローラは、車両のイグニッションスイッチがオフされたとき、リレー装置の故障が検出されていれば、DC/DCコンバータの出力動作を停止させないように制御することができる。リレー装置の故障が検出されると、DC/DCコンバータの出力電圧が低く制限されるため、蓄電装置から補機バッテリへ供給される電力量が低減する。このため、車両のイグニッションスイッチがオフされた後、DC/DCコンバータの出力動作を停止させないように制御することで、補機バッテリへの充電機会を確保することができる。特に、上記コントローラは、リレー装置の故障が検出された後の車両のイグニッションスイッチのオフ信号に伴い、DC/DCコンバータの出力電圧を低く制限せずに、DC/DCコンバータを介して蓄電装置の電力を補機バッテリに充電させるように制御することができる。リレー装置が故障していてもDC/DCコンバータの出力電圧を低く制限せずに(又は、低く制限された状態のDC/DCコンバータの出力電圧を引き上げて)、補機バッテリへの充電を行うことで、次回車両走行時の補機バッテリの充電量を確保でき、補機バッテリが過放電状態になることを抑制することができる。
また、上記蓄電システムは、蓄電装置の温度を検出する温度センサをさらに備えることができる。このとき、DC/DCコンバータは、外部電源からの電力を蓄電装置に供給する充電経路と接続されており、外部電源からの電力をヒータに出力し、コントローラは、外部電源からの電力を蓄電装置に供給するとともに、外部電源からの電力をDC/DCコンバータを介して補機バッテリ及びヒータに供給する外部充電制御を行うことができる。そして、コントローラは、リレー装置の故障が検出されたときの外部充電制御において、蓄電装置の温度が所定温度よりも高い場合に、蓄電装置の温度が所定温度よりも小さいときよりもDC/DCコンバータの出力電圧を低くするように制御する。
外部充電制御において、DC/DCコンバータを介して外部電源からの電力を補機バッテリに充電することができる。このとき、リレー装置が故障していると、ヒータに電力が供給されてしまうため、蓄電装置の温度上昇を抑制することが難しい。そこで、所定温度に対して、蓄電装置の温度が高いときは、DC/DCコンバータの出力電圧を低くする。補機バッテリへの充電を許容しつつ、ヒータへの電力供給を抑制することができるので、外部充電後に蓄電装置が過度に加熱される状態を抑制することができる。このため、外部充電後の次回車両走行の際に、過熱に伴う蓄電装置の出力制限の介入を抑制することができる。また、蓄電装置は、温度が高くかつSOCが高い状態では劣化が進みやすいが、外部充電後に蓄電装置が過度に加熱される状態を抑制することができるので、外部充電後の高SOC状態にある蓄電装置が高温状態となることを抑制することができ、劣化を抑制することができる。
また、上記蓄電システムは、蓄電装置に空気を供給するファンをさらに備えることができる。このとき、コントローラは、蓄電装置の温度に基づいてファンの駆動制御を行うとともに、蓄電装置の温度が上記所定温度よりも高いとき、ファンの風量を蓄電装置の温度が所定温度よりも低いときに比べて増加させることができる。ファンの風量を増加させて蓄電装置の冷却効率を向上させることで蓄電装置の温度上昇を抑制し、車両走行における蓄電装置の過熱に伴う許容入出力電力の制限介入を抑制することができる。
実施例1における電池システムの構成を示す図である。 バッテリの温度を調節する構造を示す概略図である。 昇温を伴う外部充電時のバッテリの温度の変化を示す図である。 バッテリの温度と電池出力の上限電力W_Maxの関係を示す図である。 DC/DCコンバータと温度調節デバイスとの間の電流経路に設けられるリレー装置の故障を検出する処理を示すフローチャートである。 外部充電処理を説明するフローチャートである。 バッテリの充放電制御におけるDC/DCコンバータの出力電圧の制限処理を説明するフローチャートである。 DC/DCコンバータの出力電圧の制限処理に伴うイグニッションスイッチがオフされた後の補機バッテリの充電処理を説明するフローチャートである。
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
図1から図8を参照して、本発明の実施例1における電池システム(本発明の蓄電システムに相当する)について説明する。図1は、本実施例における電池システムの構成を示す概略図である。本実施例の電池システムは、ハイブリッド自動車や電気自動車などの車両に搭載することができる。
バッテリ(本発明の蓄電装置に相当する)10は、例えば、複数の単電池を有する組電池である。単電池の数は、適宜設定することができる。ここで、バッテリ10を構成する複数の単電池は、直列に接続したり、並列に接続したりすることができる。なお、バッテリ10の代わりに、1つの単電池を用いることもできる。単電池としては、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池といった二次電池を用いることができる。また、二次電池の代わりに、電気二重層キャパシタを用いることができる。
バッテリ10の正極端子には、正極ラインPLが接続されており、バッテリ10の負極端子には、負極ラインNLが接続されている。バッテリ10は、正極ラインPLおよび負極ラインNLを介して、昇圧回路24と接続されており、昇圧回路24がインバータ25と接続されている。インバータ25は、バッテリ10から出力された直流電力を交流電力に変換し、交流電力をモータ・ジェネレータMG2に出力する。モータ・ジェネレータ(本発明の走行用モータに相当する)MG2は、インバータ25から出力された交流電力を受けて、車両を走行させるための運動エネルギ(動力)を生成する。
モータ・ジェネレータMG2は、トランスミッション(変速機)TMを介して駆動輪26に接続される駆動軸に接続され、モータ・ジェネレータMG2の動力がトランスミッションTMを介して駆動軸に伝達され、駆動軸によって駆動輪26に伝達される。モータ・ジェネレータMG2が生成した動力がトランスミッションTMを介して駆動輪26に伝達されることにより、バッテリ10の電力を用いた車両走行を行わせることができる。
動力分割機構27は、エンジン28の動力を、駆動輪26に伝達したり、モータ・ジェネレータMG1に伝達したりする。モータ・ジェネレータMG1は、エンジン28の動力を受けて発電する発電機である。モータ・ジェネレータMG1が生成した電力(交流電力)は、インバータ25を介して、モータ・ジェネレータMG2に供給されたり、昇圧回路24を介してバッテリ10や補機バッテリ42に供給されたりする。モータ・ジェネレータMG1が生成した電力を、モータ・ジェネレータMG2に供給すれば、モータ・ジェネレータMG2が生成した運動エネルギによって、駆動輪26を駆動することができる。モータ・ジェネレータMG1が生成した電力をバッテリ10に供給すれば、バッテリ10を充電することができる。
車両を減速させたり、停止させたりするとき、モータ・ジェネレータMG2は、車両の制動時に発生する運動エネルギを電気エネルギ(交流電力)に変換する。インバータ25は、モータ・ジェネレータMG2が生成した交流電力を直流電力に変換し、直流電力をバッテリ10に出力する。これにより、バッテリ10は、回生電力を蓄えることができる。
昇圧回路24は、バッテリ10の出力電圧を昇圧し、昇圧後の電力をインバータ25に出力したり、インバータ25の出力電圧を降圧して降圧後の電力をバッテリ10に出力したりする電圧変換器である。
エンジン28は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの燃料を燃焼させて動力を出力する公知の内燃機関である。エンジン28は、モータ・ジェネレータMG1をエンジン始動用モータ(スタータ)として用い、始動することができる。バッテリ10から所定の電力がモータ・ジェネレータMG1に供給され、動力分割機構27を介してモータ・ジェネレータMG1がエンジン28の駆動軸を回転させ、エンジン28を始動させるように構成することができる。
DC/DCコンバータ40は、バッテリ10やモータ・ジェネレータMG1,MG2の出力電圧を降圧し、降圧後の電力を補機41、補機バッテリ42及び温度調節デバイス43に出力する。本実施例のDC/DCコンバータ40は、バッテリ10と昇圧回路24との間の電流経路に設けられている。具体的には、DC/DCコンバータ40の一端が、システムメインリレーSMR−Bと昇圧回路24との間の正極ラインPLに接続され、他端が、システムメインリレーSMR−Gと昇圧回路24との間の負極ラインNLに接続されている。
補機41は、例えば、電池システムを搭載する車両の車室空調装置(エアコンのインバータやモータ等)、AV機器、車室内の照明装置、ヘッドライト、パワーウィンドモータ、ドアロックユニット、スイッチユニット、オートドア開閉ユニット等の電力消費機器である。
補機バッテリ42は、これらの補機41に電力を供給する電源装置である。なお、補機41によっては、補機バッテリ42を介さずに、昇圧回路24を介してバッテリ10から供給される電力で直接動作することもできる。補機バッテリ42は、DC/DCコンバータ40を介し、バッテリ10に蓄積された電力、モータ・ジェネレータMG1,MG2によって発電された電力、及び後述する外部電源53から供給される外部電力の各電力を充電することができる。
温度調節デバイス43は、バッテリ10の温度を調節するために用いられる。温度調節デバイス43は、リレー装置TDRを介して、DC/DCコンバータ40と接続されている。リレー装置TDRがオンであるときに、DC/DCコンバータ40から出力される電力が温度調節デバイス43に供給される。これにより、温度調節デバイス43を駆動することができる。
本実施例では、DC/DCコンバータ40の出力側に、補機41、補機バッテリ42及び温度調節デバイス43が接続されている。このため、DC/DCコンバータ40を動作させると、補機41や補機バッテリ42に電力が出力されるとともに、温度調節デバイス43にも電力が供給される。したがって、DC/DCコンバータ40を動作させつつ、温度調節デバイス43への通電を遮断するときは、リレー装置TDRをオフにする。
また、本実施例の電池システムは、外部電源53からの外部電力をバッテリ10の充電させるための充電器50を含んで構成されている。充電器50は、充電ラインPL1,NL1を介してバッテリ10に接続されている。充電ラインPL1は、バッテリ10の正極端子とシステムメインリレーSMR−Bとの間の正極ラインPLに接続されている。一方、充電ラインNL1は、バッテリ10の負極端子とシステムメインリレーSMR−Gとの間の負極ラインNLに接続されている。
各充電ラインPL1,NL1には、充電リレーRch1,Rch2がそれぞれ設けられている。充電リレーRch1,Rch2がオンにされることで、バッテリ10及び充電器50(外部電源53)が電気的に接続される。
充電器50は、車両外装に設けられるインレット51と接続されている。インレット51には、充電プラグ52が接続される。充電プラグ52は、外部電源53から延びる充電ケーブルに設けられた接続コネクタである。充電プラグ52をインレット51に接続することにより、外部電源53の外部電力が、充電器50を介してバッテリ10に供給可能となる。これにより、外部電源53を用いて、バッテリ10を充電することができる。外部電源53が交流電力を供給するとき、充電器50は、AC/DCコンバータを備えることができ、外部電源53からの交流電力を直流電力に変換したり、昇圧したりして直流電力をバッテリ10に供給する。外部電源53の電力をバッテリ10に供給して、バッテリ10を充電することを外部充電という。外部電源53としては、例えば、商用電源がある。
なお、本実施例では、充電プラグ52をインレット51に接続することにより、外部充電を行うようにしているが、これに限るものではない。具体的には、いわゆる非接触方式の充電システムを用いることにより、外部電源53の電力をバッテリ10に供給することができる。非接触方式の充電システムでは、電磁誘導や共振現象を利用することにより、ケーブルを介さずに電力を供給することができる。非接触方式の充電システムとしては、公知の構成を適宜採用することができる。
電圧センサ20は、バッテリ10の端子間電圧値Vbを検出し、検出結果をコントローラ60に出力する。また、電圧センサ20は、バッテリ10を構成する各単電池の電圧値を検出することもできる。電流センサ21は、バッテリ10の正極端子とシステムメインリレーSMR−Bとの間の電流経路上のバッテリ10の電流値Ibを検出し、検出結果をコントローラ60に出力する。図1に示す例では、電流センサ21は、外部充電電流の電流値も検出することができる。なお、外部充電の電流値を検出するための個別の電流センサを設けるようにしてもよい。温度センサ22は、バッテリ10の温度(電池温度)Tbを検出し、検出結果をコントローラ60に出力する。
コントローラ60は、電圧センサ20や電流センサ21、温度センサ22からの検出値に基づいてバッテリ10のSOC(state of Charge)や満充電容量を算出してバッテリ10の状態を管理するとともに、この管理情報を車両制御装置80に送信する。コントローラ60は、メモリ60aを有し、メモリ60aは、本実施例で説明する処理に必要な情報を記憶する。なお、メモリ60aは、コントローラ60に対して外付けされる態様であってもよい。
コントローラ60は、システムメインリレーSMR−B,SMR−G、充電リレーRch1,Rch2、及びリレー装置TDRのオン/オフを制御する。各リレー装置は、コントローラ60からの制御信号を受けることにより、オンおよびオフの間で切り替わる。また、コントローラ60は、昇圧回路24、インバータ25、モータ・ジェネレータMG1,MG2、DC/DCコンバータ40及び充電器50の各動作制御し、電池システム全体の充放電制御及び外部充電制御を行うことができる。
エンジン制御装置70は、車両制御装置80からのエンジン制御信号に基づいてエンジン28を制御する。エンジン制御装置70は、回転数センサなどの各種センサの検出値に基づいて、車両制御装置80によって定められた目標回転数及び目標トルクで動作するように、エンジン28の燃料噴射量や吸気する空気量、点火時期などを制御する。
車両制御装置80は、車両全体の制御を行うメインコントローラである。車両制御装置80は、車両全体で要求される車両要求出力に応じてエンジン28の出力制御及びバッテリ10の入出力制御を行う。車両制御装置80は、運転状態に応じて車両の動力源を選択し、エンジン28及びモータ・ジェネレータMG2のうちの一方又は両方からの駆動力を用いた車両の走行制御を遂行する。なお、コントローラ60、エンジン制御装置70及び車両制御装置80は、1つの制御装置として構成してもよい。また、例えば、コントローラ60において、各リレー装置のオン/オフ制御や充放電制御、外部充電制御のそれぞれが、個別の制御コントローラとして構成されてもよい。
コントローラ60は、車両のイグニッションスイッチがオン(IG−ON)されたとき、システムメインリレーSMR−B,SMR−Gをオフからオンに制御し、バッテリ10と昇圧回路24(インバータ25)とを接続して電池システムを起動(Ready-On)する。一方、電池システムが起動されている状態で車両のイグニッションスイッチがオフ(IG−OFF)されたとき、システムメインリレーSMR−B,SMR−Gをオンからオフに制御し、バッテリ10と昇圧回路24(インバータ25)との接続を遮断し、電池システムを未起動状態(Ready-off)にする。イグニッションスイッチのオン/オフに伴うシステムメインリレーSMR−B,SMR−Gのオン/オフ制御において、充電リレーRch1,Rch2は、常にオフに制御される。イグニッションスイッチのオン/オフ信号は、車両制御装置80を介して又はコントローラ60に直接、入力される。
なお、システムメインリレーSMR−B又はシステムメインリレーSMR−Gのいずれか一方に、直列に接続されたリレー装置および抵抗素子を並列に接続することができる。システムメインリレーSMR−B,SMR−G,抵抗素子が直列に接続されるリレー装置のオン/オフを制御することで、電池システム起動時の突入電流を抑制することができる。
外部充電のとき、コントローラ60は、充電リレーRch1,Rch2を共にオンに制御するとともに、システムメインリレーSMR−B,SMR−Gをオンに制御する。これにより、バッテリ10及び充電器50(外部電源53)が接続され、かつDC/DCコンバータ40が、バッテリ10及び充電器50(外部電源53)と接続される。DC/DCコンバータ40がバッテリ10及び充電器50と接続されることで、バッテリ10や外部電源53からの電力を補機バッテリ42に充電したり、温度調節デバイス43に電力を供給したりすることができる。
なお、DC/DCコンバータ40は、バッテリ10の正極端子およびシステムメインリレーSMR−Bを接続する正極ラインPLと、バッテリ10の負極端子およびシステムメインリレーSMR−Gを接続する負極ラインNLとに接続することもできる。この場合には、システムメインリレーSMR−B,SMR−Gをオンにしなくても、充電リレーRch1,Rch2をオンにするだけで、例えば、充電器50からDC/DCコンバータ40に電力を供給することができる。
次に、バッテリ10の温度調節構造について、図2を用いて説明する。本実施例の温度調節構造は、循環ダクトD、循環ダクトDの内部に設けられる温度調節デバイス43および送風ファン44を含んで構成されている。なお、バッテリ10と共にリレー装置等の通電部品も温度調節するように構成してもよい。
送風ファン44を駆動すると、循環ダクトDには、矢印で示す方向において空気の流れが発生する。温度調節デバイス43は、送風ファン44に対して、空気の移動方向における下流に設けられており、送風ファン44から導かれた空気を、バッテリ10の温度調節に用いられる空気に変換する。
バッテリ10を冷却するとき、温度調節デバイス43は、送風ファン44からの空気を冷やして、冷えた空気をバッテリ10に供給する。このとき、温度調節デバイス43としては、例えば、ペルチェ素子やコンプレッサ式ヒートポンプを用いることができる。
一方、バッテリ10を温めるとき、温度調節デバイス43は、送風ファン44からの空気を温めて、温められた空気をバッテリ10に供給する。このとき、温度調節デバイス43として、例えば、通電に伴って発熱するヒータ、ペルチェ素子、コンプレッサ式ヒートポンプを用いることができる。
コントローラ60は、温度センサ22の出力に基づいて、バッテリ10を温めるか否かを判別したり、バッテリ10を冷却するか否かを判別したりすることができる。バッテリ10の温度を所望の温度範囲内に維持することにより、バッテリ10の入出力特性が低下してしまうことを抑制できる。また、コントローラ60は、送風ファン44の駆動制御を行う。例えば、コントローラ60は、電池温度Tbに基づいて送風ファン44の駆動や停止、風量の増減を行うことができる。
バッテリ10との間で熱交換された空気は、循環ダクトDを移動して、送風ファン44に導かれる。そして、送風ファン44を通過した空気は、温度調節デバイス43によって、バッテリ10の温度調節に適した空気に変換された後に、バッテリ10に再び供給される。本実施例では、空気を用いて、バッテリ10の温度を調節しているが、これに限るものではない。具体的には、空気以外の気体を用いたり、液体を用いたりすることができる。
また、本実施例では、循環ダクトDを用いて、空気を循環させているが、これに限るものではない。具体的には、送風ファン44を駆動することにより、外部からの空気を取り込み、バッテリ10に供給することができる。そして、バッテリ10との間で熱交換された空気は、外部に排出させることができる。ここでいう外部とは、例えば、車両の室内又は車両の外部とすることができる。
図2に示したバッテリ10の温度調節構造において、温度センサ23(ヒータ温度センサ)は、温度調節デバイス43の温度を検出し、検出結果をコントローラ60に出力する。また、温度センサ23A(吸気温度センサ)は、循環ダクトDによって形成される吸気経路内において、温度調節デバイス43の上流側、例えば、送風ファン44の上流側に設けられ、温度調節デバイス43に供給される空気の温度(吸気温度)を検出し、検出結果をコントローラ60に出力する。温度センサ23は、バッテリ10に対して、温度センサ23Aよりも吸気経路の下流側に設けられている。
バッテリ10は、温度が低いと、内部抵抗が上昇しやすくなり、バッテリ10に電流が流れにくくなる。バッテリ10に流れる電流値(外部充電電流)が低下すると、バッテリ10を充電する時間が長くなってしまう。このため、温度調節デバイス43によってバッテリ10を温めてバッテリ10を昇温させつつ、外部充電を行うことで充電効率を向上させて充電時間を短くすることができる。
そこで、コントローラ60は、外部充電を行うとき、バッテリ10の温度が所定温度よりも低ければ、外部電源53から供給される外部電力を、バッテリ10だけでなく、DC/DCコンバータ40を介して温度調節デバイス43にも供給する。
図3は、昇温を伴う外部充電時の電池温度Tbの変化を示す図である。コントローラ60は、外部充電を行う際、温度センサ22によって検出される電池温度Tbが、閾値温度T_lowよりも低いか否かを判別し、電池温度Tbが閾値温度T_lowよりも低いとき、リレー装置TDRをオフからオンに制御し、DC/DCコンバータ40を駆動させて温度調節デバイス43(ヒータ)に電力を供給する。
コントローラ60は、外部電力をバッテリ10に充電するように制御しつつ、外部電力の一部をDC/DCコンバータ40を介して温度調節デバイス43に出力する。バッテリ10は、温度調節デバイス43による昇温により、徐々に温度が上昇する。そして、電池温度Tbが閾値温度T_upに達したとき、昇温を停止する。環境温度が低いと、昇温を停止した後にバッテリ10の温度が低下するので、昇温停止後に電池温度Tbが閾値温度T_lowよりも低くなったとき、再度昇温を行う。電池温度Tbが閾値温度T_upよりも高くなった後は、昇温の停止及び昇温の起動を繰り返し行うことで、電池温度Tbが閾値温度T_up,T_lowの間の温度に維持されるように制御することができる。閾値温度T_up,T_lowとしては、電池温度Tbを上昇させることで充電電流を流れ易くして、所定の充電効率を確保することができる温度を適宜設定することができる。
なお、図3の例では、2つの閾値温度T_up,T_lowを用いて、電池温度Tbが閾値温度T_up,T_lowの間の温度に維持されるように制御しているがこれに限るものではない。例えば、1つの閾値温度を用い、電池温度Tbが閾値温度よりも低いときに昇温を行い、電池温度Tbが閾値温度よりも高くなったときに昇温を停止する処理を繰り返し行うように構成してもよい。
ここで、外部電力は、補機バッテリ42に充電したり、補機41に出力したりすることができる。コントローラ60は、例えば、補機バッテリ42に外部電力を充電するとき、DC/DCコンバータ40を動作させて補機バッテリ42に電力を供給するように制御する。このとき、バッテリ10の電池温度Tbが閾値温度よりも高ければ、昇温の必要がないので、リレー装置TDRをオフに制御し、温度調節デバイス43に外部電力が供給されないように制御される。
しかしながら、リレー装置TDRが固着等によって故障(オン故障)すると、DC/DCコンバータ40と温度調節デバイス43との間の電流経路が遮断できない。DC/DCコンバータの出力側には、補機41や補機バッテリ42と共に温度調節デバイス43が接続されているため、補機41や補機バッテリ42に外部電力を供給すると、DC/DCコンバータの駆動制御により、温度調節デバイス43にも電力が供給されてしまい、バッテリ10に対する不必要な昇温を行ってしまうおそれがある。
図3の例において、例えば、リレー装置TDRがオン故障していると、温度調節デバイス43への通電を遮断できないので、バッテリ10の電池温度Tbが、昇温停止の閾値温度よりも高くなっても、温度がさらに上昇してしまう。一方、リレー装置TDRがオン故障していても、DC/DCコンバータの動作を停止させることで、温度調節デバイス43への通電を遮断できるものの、補機41や補機バッテリ42への電力供給が必要である場合、DC/DCコンバータ40の動作を停止させることができない。
DC/DCコンバータ40の動作を停止させずに、補機41や補機バッテリ42への電力供給を許容すると、バッテリ10の温度がさらに高くなる。例えば、図3の二点鎖線で示すように、電池温度Tbが閾値温度T_limitまで上昇してしまうことがある。
バッテリ10の電池温度Tbが高いと、入出力特性の低下や電池劣化を招くことが知られている。ここで、閾値温度T_limitについて説明する。バッテリ10は、電池温度Tbが上昇すると、入出力特性が劣化してしまうので、劣化を抑制するために、図4に示すように、バッテリ10の入出力電力を制限する閾値温度T_limitを設定する。電池温度Tbが閾値温度T_limitを超えた場合、バッテリ10の上限電力W_Maxを小さく制限して劣化を抑制するように制御することができる。
しかしながら、バッテリ10の上限電力W_Maxが低く(小さく)制限されると、回生電力を効率良くバッテリ10に充電できなかったり、使用できる電力量が小さくなったりするので、外部充電後の車両走行におけるドライバビリティの低下や燃費悪化に繋がる。例えば、ハイブリッド自動車の場合、バッテリ10の出力可能な電力量が低く制限されると、車両要求出力に対して足らないバッテリ10の出力を補うために、エンジン28を駆動しなければならず、燃費が悪化する。
また、外部充電に限らず、車両走行を行う場合も同様である。車両走行において、バッテリ10の電力やモータ・ジェネレータMG1,MG2によって発電された電力を、DC/DCコンバータ40を介して補機41又は/及び補機バッテリ42に出力する。この場合においても、リレー装置TDRがオン故障していると、温度調節デバイス43への通電を遮断できないので、温度調節デバイス43に電力が供給され、バッテリ10の電池温度Tbがバッテリ10の入出力電力を制限する閾値温度T_limitよりも高くなり、バッテリ10の上限電力W_Maxが低く制限されるおそれがある。
そこで、本実施例では、外部充電時及び車両走行時において、リレー装置TDRのオン故障している場合、DC/DCコンバータ40の動作を停止させずに、DC/DCコンバータ40を介した補機41又は/及び補機バッテリ42への電力供給を許容しつつ、DC/DCコンバータ40の出力電圧を低く制限することで、温度調節デバイス43への電力供給量を低減し、温度調節デバイス43によるバッテリ10の温度上昇を抑制する。
このように構成することで、DC/DCコンバータ40の動作を停止させなくても、バッテリ10が過度に加熱される状態を抑制することができる。このため、車両走行の際のバッテリ10の入出力制御または外部充電後の車両走行の際のバッテリ10の入出力制御において、バッテリ10の過熱に伴う許容入出力電力の制限介入を抑制することができ、車両走行におけるドライバビリティの低下や燃費悪化を抑制することができる。
また、リレー装置TDRがオン故障している状態の車両走行において、DC/DCコンバータ40の動作を停止させずに、出力電圧を低く制限しつつ、補機41又は/及び補機バッテリ42への電力供給が許容されるため、補機バッテリ42が充電されないことによって過放電状態になることを抑制することができる。
また、外部充電後のバッテリ10のSOCは、高い状態となる。バッテリ10は、温度が高くかつSOCが高い状態では劣化が進みやすいことが知られているが、本実施例では、外部充電後にバッテリ10が過度に加熱される状態を抑制することができるので、外部充電後の高SOC状態にあるバッテリ10が高温状態となることを抑制することができ、劣化を抑制することができる。
なお、DC/DCコンバータ40の出力電圧の制限処理は、例えば、リレー装置TDRのオン故障が検出される前に許容されていた出力電圧の目標値よりも低い目標値を設定することで、出力電圧を制限することができる。出力電圧の目標値は、補機41、補機バッテリ42及び温度調節デバイス43によって消費(充電)される電力に基づいて設定することができる。このため、コントローラ60は、補機41、補機バッテリ42及び温度調節デバイス43によって消費(充電)される電力に応じて出力電圧の目標値を設定し、DC/DCコンバータ40の駆動制御を行う。
このとき、補機41又は/及び補機バッテリ42への電力供給を許容しつつ、温度調節デバイス43へ供給される電力を低減するために、出力電圧の目標値は0よりも大きくなるように設定される。具体的には、補機41又は/及び補機バッテリ42への電力供給に対して設定される出力電圧の上限値及び下限値のうち、下限値(>0)を目標値として設定することができる。
なお、DC/DCコンバータ40の出力電圧の制限処理の具体例として、リレー装置TDRのオン故障が検出される前に許容されていた出力電圧の目標値よりも低い目標値を設定する例について説明したが、これに限るものではない。例えば、電池温度Tbがバッテリ10の入出力電力を制限する閾値温度T_limitよりも高くなったとき、電池温度Tbが閾値温度T_limitよりも低いときに許容されていた出力電圧の目標値よりも低い目標値を設定することもできる。バッテリ10の上限電力W_Maxの制限介入の機会を低減させる本実施例では、閾値温度T_limitを超えるまで、リレー装置TDRのオン故障が検出されても、出力電圧の目標値よりも低く制限せずに、電池温度Tbが閾値温度T_limitよりも高くなったとき、電池温度Tbが閾値温度T_limitよりも低いときの出力電圧の目標値よりも低い目標値(例えば上述した下限値)を設定することができる。
また、DC/DCコンバータ40の出力電圧の制限処理を開始するトリガーとして、リレー装置TDRのオン故障が検出されたことを前提に、電池温度Tbが閾値温度T_limitよりも高いときに、DC/DCコンバータ40の出力電圧の制限処理を開始したり、リレー装置TDRのオン故障が検出されたことのみをもって制限処理を開始したりしてもよい。
図5は、本実施例のリレー装置TDRのオン故障の検出処理を示すフローチャートである。図5に示す処理は、コントローラ60によって遂行される。また、処理タイミングは、DC/DCコンバータ40を動作させてバッテリ10の電力、外部電力、又はモータ・ジェネレータMG1の発電電力を、温度調節デバイス43に供給可能な任意のタイミングとすることができる。例えば、イグニッションスイッチがオンされた後や外部充電のときに行うことができる。
図5に示すように、コントローラ60は、リレー装置TDRをオフに制御する(S101)。続いて、コントローラ60は、温度センサ23によって検出されるヒータ温度T1と、温度センサ23Aによって検出される吸気温度T2を取得する(S102,S103)。このとき、コントローラ60は、DC/DCコンバータ40を動作させて上述した電力を温度調節デバイス43に出力可能な状態に制御している。
コントローラ60は、ステップS104において、ヒータ温度T1が吸気温度T2よりも大きいか否かを判別する。コントローラ60は、ヒータ温度T1が吸気温度T2よりも大きいとき、リレー装置TDRが固着等によってオン故障しているものと判別し、故障フラグをオンにする(S105)。一方、コントローラ60は、ヒータ温度T1が吸気温度T2以下のとき、リレー装置TDRがオン故障していないものと判別し、故障フラグをオフにする(S106)。
リレー装置TDRがオン故障していないとき、リレー装置TDRがオフに制御されていれば、DC/DCコンバータ40と温度調節デバイス43との間の電流経路が遮断されているはずである。つまり、通電状態であれば、ヒータ温度T1が上昇して、上流側の吸気温度T2よりも高くなるので、リレー装置TDRのオン故障の有無を判別することができる。
なお、ヒータ温度T1と吸気温度T2とを比較するにあたり、ヒータ温度T1は、バッテリ10の電池温度Tbを考慮して、補正してもよい。例えば、バッテリ10は、充放電によって発熱する。ヒータ温度T1を検出する温度センサ23は、図2に示すように、温度センサ23Aよりもバッテリ10に近い位置に配置されているので、電池温度Tbの影響を受ける可能性がある。この場合、リレー装置TDRがオン故障していなくても、ヒータ温度T1が吸気温度T2よりも高くなることがある。そこで、電池温度Tbが吸気温度T2よりも高い場合、電池温度Tbに応じてヒータ温度T1を補正し、補正後のヒータ温度T1と吸気温度T2とを比較して、リレー装置TDRのオン故障を判別してもよい。また、図2の例では、温度調節デバイス43が、バッテリ10と離間した位置に配置されているが、ヒータとしての温度調節デバイス43をバッテリ10に近接して配置したり、バッテリ10に直接接するように配置することができる。つまり、温度調節デバイス43が空気等の媒体を温め、温められた媒体でバッテリ10の温度調節を行う上記方法以外にも、バッテリ10を直接的に温めるような場合であっても、上述したように電池温度Tbに応じてヒータ温度T1を補正し、リレー装置TDRのオン故障を判別することができる。
以下、外部充電を行うときの処理について、図6に示すフローチャートを用いて説明する。図6に示す処理は、コントローラ60によって実行される。例えば、充電プラグ52がインレット51に接続されたときに開始させたり、タイマー充電の充電開始時刻になったときに開始させたりすることができる。外部充電を行うとき、コントローラ60は、システムメインリレーSMR−B,SMR−Gおよび充電リレーRch1,Rch2をオフからオンに切り替える。
ステップS301において、コントローラ60は、温度センサ22の出力に基づいて、バッテリ10の電池温度Tbを検出する。ステップS302において、コントローラ60は、ステップS301の処理で検出した電池温度Tbが閾値温度T_lowよりも低いか否かを判別する。
電池温度Tbが閾値温度T_lowよりも低いとき、コントローラ60は、ステップS303の処理に進む。一方、電池温度Tbが閾値温度T_lowよりも高いとき、コントローラ60は、バッテリ10を温める必要が無いと判別し、ステップS306の処理に進む。
コントローラ60は、バッテリ10の内部抵抗の上昇によって、バッテリ10の入出力特性が低下して十分な充電電流を流すことができず、バッテリ10を温める必要があると判別されたとき(S302のYES)、ステップS303において、リレー装置TDRがオンであるか否かを判別する。リレー装置TDRがオフであるとき、コントローラ60は、ステップS304の処理に進む。一方、リレー装置TDRがオンであるとき、コントローラ60は、ステップS305の処理に進む。
ステップS304において、コントローラ60は、リレー装置TDRをオフからオンに切り替える。これにより、外部充電を行うときの充電電流が、バッテリ10だけでなく、DC/DCコンバータ40を介して温度調節デバイス43にも流れることになる。ステップS305において、コントローラ60は、温度調節デバイス43を駆動することにより、バッテリ10を温める処理(昇温処理)を行う。その後、コントローラ60は、ステップS301の処理に戻る。
ステップS302の処理からステップS306の処理に進んだとき、コントローラ60は、リレー装置TDRがオン故障しているか否かを判別する。コントローラ60は、メモリ60aに記憶された故障フラグを参照し、故障フラグがオンであれば、リレー装置TDRがオン故障していると判別する。
ステップS306において、リレー装置TDRがオン故障していないと判別された場合、コントローラ60は、リレー装置TDRをオフにして昇温を停止させる(S307)。なお、昇温を行っていないとき、コントローラ60は、昇温を行わないままとする。ステップS308において、コントローラ60は、現在におけるバッテリ10のSOCを算出し、バッテリ10のSOCが指定SOCよりも高いか否かを判別する。
バッテリ10のSOCは、バッテリ10に流れる電流値を積算することによって推定することができる。すなわち、外部充電を行うときには、外部充電を開始するときのバッテリ10のSOCと、外部充電中にバッテリ10に流れる電流値を積算した値とに基づいて、現在におけるバッテリ10のSOCを推定することができる。
また、バッテリ10のSOCは、電圧センサ20によって検出されるバッテリ10の電圧値に基づいて算出(推定)することができる。SOCおよびOCV(Open Circuit Voltage)は、所定の対応関係があるため、バッテリ10のOCVを測定すれば、SOCおよびOCVの対応関係に基づいて、バッテリ10のSOCを推定することができる。
バッテリ10のSOCが指定SOCよりも低いとき、コントローラ60は、バッテリ10の外部充電を継続すると判別し、ステップS301の処理に戻る。一方、バッテリ10のSOCが指定SOCよりも高いとき、コントローラ60は、バッテリ10の外部充電が完了したと判別し、ステップS309の処理に進む。
ステップS309において、コントローラ60は、外部充電を完了するために、充電リレーRch1,Rch2及びシステムメインリレーSMR−B,SMR−Gをオンからオフに切り替える。
一方、ステップ306の処理において、リレー装置TDRがオン故障していると判別された場合、コントローラ60は、ステップ310に進む。本実施例では、外部充電時に外部電力を補機バッテリ42に充電したり、補機41への電力供給を許容するようにDC/DCコンバータ40が制御される。このため、電池温度Tbが閾値温度T_lowよりも高く、昇温を行う必要がなくても、DC/DCコンバータ40を停止させずに、補機41又は/及び補機バッテリ42に電力供給が行えるようにしている。このため、ステップS306で、リレー装置TDRがオン故障していると判別された場合、コントローラ60は、通電状態を解除できない温度調節デバイス43によるバッテリ10の昇温を抑制するために、DC/DCコンバータ40の制限処理を行うことができる(S311)。具体的には、DC/DCコンバータ40の出力電圧の目標値を所定の下限値に設定する。
なお、図6に示すように、電池温度Tbが閾値温度T_limitよりも高いときに、DC/DCコンバータ40の出力電圧の制限処理を行うようにしてもよい。ステップS306においてリレー装置TDRがオン故障していると判別された場合、電池温度Tbが閾値温度T_limitよりも高いか否かを判別する(S310)。コントローラ60は、電池温度Tbが閾値温度T_limitよりも高いと判別された場合、ステップS311の処理に進み、DC/DCコンバータ40の出力電圧の制限処理を行う。一方、電池温度Tbが閾値温度T_limitよりも低いと判別された場合、ステップS311の制限処理を行わずに、外部充電処理を継続する。
また、ステップS310において、電池温度Tbが閾値温度T_limitよりも高いと判別された場合、コントローラ60は、DC/DCコントローラ40の出力電圧の制限処理を行いつつ、停止中の送風ファン44を駆動させたり、駆動中の送風ファン44の風量を増加させたりするように制御することができる(S312)。
送風ファン44は、電池温度Tbに基づいて制御され、例えば、閾値温度T_limitよりも低い所定の温度で送風ファン44を駆動し、電池温度Tbが閾値温度T_limitに近づくにつれて段階的に風量を多くし、バッテリ10を冷却することができる。そして、電池温度Tbが閾値温度T_limitよりも高いときは、電池温度Tbが閾値温度T_limitよりも低いときの送風ファン44の風量よりもさらに多くなるように風量を増加させてバッテリ10を冷却することができる。このように構成することで、バッテリ10の冷却効率を向上させてバッテリ10の温度上昇を抑制し、車両走行におけるバッテリ10の過熱に伴う許容入出力電力の制限介入を抑制することができる。
図7は、バッテリ10の充放電制御におけるDC/DCコンバータ40の出力電圧の制限処理を説明するフローチャートである。図7に示す処理は、車両のイグニッションスイッチがオンされた後、オフされるまでの間、所定のタイミングで繰り返し行われる。図7に示すように、イグニッションスイッチがオンされた後のバッテリ10の充放電制御において、コントローラ60は、バッテリ10の電池温度Tbを取得する(S501)。
そして、コントローラ60は、電池温度Tbが閾値温度T_limitよりも高いか否かを判別する(S502)。コントローラ60は、電池温度Tbが閾値温度T_limitよりも高いと判別された場合、図4に示した上限電力W_Maxを低く制限して充放電制御を行う(S504)。このとき、図6のステップS312と同様に、駆動中の送風ファン44の風量を増加させるように制御することができる(S505)。
また、図7の例では、ステップS502において、電池温度Tbが閾値温度T_limitよりも高いと判別された場合、図6のステップS306と同様に、リレー装置TDRがオン故障しているか否かを判別する(S503)。リレー装置TDRがオン故障していると判別された場合、コントローラ60は、DC/DCコンバータ40の出力電圧の制限処理を行う(S506)。この場合の制限処理は、上述したように、電池温度Tbが閾値温度T_limitよりも低いときに許容されていた出力電圧の目標値よりも低い目標値を設定することができる。ステップS503において、リレー装置TDRがオン故障していないと判別された場合、DC/DCコンバータ40の出力電圧の制限処理を行わずに、上限電力W_Maxを低く制限して充放電制御を行う。
さらに、ステップS502において、電池温度Tbが閾値温度T_limitよりも低いと判別されたときは、コントローラ60は、上限電力W_Maxを低く制限せずに充放電制御を行う。このとき、既に上限電力W_Maxが低く制限された充放電制御を行っている場合、コントローラ60は、上限電力W_Maxの制限を解除して充放電制御を行う。具体的には、図4に示した電池温度Tbが閾値温度T_limitよりも低いときの上限電力W_Maxに設定し、充放電制御を行う(S507)。同様に、ステップS502において、電池温度Tbが閾値温度T_limitよりも低いと判別されたときは、コントローラ60は、リレー装置TDRのオン故障の有無にかかわらず、DC/DCコンバータ40の出力電圧の制限処理を行わない。このとき、既にDC/DCコンバータ40の出力電圧の制限処理を行っている場合、コントローラ60は、DC/DCコンバータ40の出力電圧の制限を解除する(S508)。具体的には、DC/DCコンバータ40の出力電圧の目標値を、補機41又は/及び補機バッテリ42への電力供給に対して設定される出力電圧の上限値に設定してDC/DCコンバータ40の駆動制御を行うことができる。
図8は、DC/DCコンバータ40の出力電圧の制限処理に伴うイグニッションスイッチがオフされた後の補機バッテリ42の充電処理を説明するフローチャートである。
図6及び図7で示したように、リレー装置TDRがオン故障すると、DC/DCコンバータ40の出力電圧が低く制限されるため、DC/DCコンバータ40から補機バッテリ42への電力供給が許容されていても、バッテリ10から補機バッテリ42へ供給される電力量が低減する。外部電力やモータ・ジェネレータMG1の発電電力も同様である。このため、DC/DCコンバータ40の出力電圧が低く制限されると、補機バッテリ42の充電容量(SOC)が低下して過放電状態になるおそれがあり、補機バッテリ42から補機41などに電力が供給できなくなってしまう。
そこで、コントローラ60は、車両のイグニッションスイッチがオフされたとき、リレー装置TDRの故障が検出されていれば、DC/DCコンバータ40の出力動作を停止させないように制御することができる。このように構成することで、車両のイグニッションスイッチがオフされた後、バッテリ10から補機バッテリ42への充電機会を確保することができる。特に、コントローラ60は、リレー装置TDRのオン故障が検出された後の車両のイグニッションスイッチのオフ信号に伴い、リレー装置TDRが故障していてもDC/DCコンバータ40の出力電圧の制限処理を行わずに、または、低く制限された状態のDC/DCコンバータ40の出力電圧を引き上げて、DC/DCコンバータ40を介してバッテリ10の電力を補機バッテリ42に充電させるように制御する。リレー装置TDRが故障していてもDC/DCコンバータ40の出力電圧を低く制限せずに補機バッテリ42への充電を行うことで、次回車両走行時の補機バッテリ42の充電量を確保でき、補機バッテリ42が過放電状態になることを抑制することができる。
コントローラ60は、車両のイグニッションスイッチがオフされると(S701のYES)、リレー装置TDRがオン故障しているか否かを判別する(S702)。リレー装置TDRがオン故障していると判別された場合、コントローラ60は、DC/DCコンバータ40の出力動作を停止させずに、DC/DCコンバータ40の出力電圧の制限を解除する(S703)。具体的には、コントローラ60は、リレー装置TDRがオン故障していても出力電圧の目標値を低く制限しない。また、出力電圧の目標値が低く制限されている状態であれば、DC/DCコンバータ40の出力電圧の目標値を引き上げる。そして、DC/DCコンバータ40の出力電圧の制限を解除した状態で、バッテリ10の電力を補機バッテリ42に充電させる(S704)。
なお、図6から図8の各処理フローの説明では、予めリレー装置TDRの故障検出を行い、メモリ60aに記憶された故障フラグのオン/オフを参照して各処理においてリレー装置TDRの故障判別を行っているが、これに限るものではない。例えば、各処理フローの最初に又は途中で、図5に示したリレー装置TDRの故障検出処理を行うように構成することもできる。
10:バッテリ(蓄電装置)、20:電圧センサ、21:電流センサ、22,23,23A:温度センサ、24:昇圧回路、25:インバータ、MG1,MG2:モータ・ジェネレータ、26:駆動輪、27:動力分割機構、28:エンジン、40:DC/DCコンバータ、41:補機、42:補機バッテリ、43:温度調節デバイス、44:送風ファン、50:充電器、51:インレット、52:充電プラグ、53:外部電源、60:コントローラ、60a:メモリ、PL:正極ライン、NL:負極ライン、PL1,NL1:充電ライン、SMR−B,SMR−G:システムメインリレー、Rch1,Rch2:充電リレー、TDR:リレー装置、D:循環ダクト

Claims (7)

  1. 車両の走行用モータに電力を供給する蓄電装置を備えた蓄電システムであって、
    前記蓄電装置を昇温させるヒータと、
    前記蓄電装置からの電力又は前記蓄電装置を充電するための外部電源からの電力を、前記ヒータに出力するDC/DCコンバータと、
    前記DC/DCコンバータと前記ヒータとの間の電流経路上に設けられ、前記電流経路を遮断状態と接続状態との間で切り換えるリレー装置と、
    前記DC/DCコンバータと前記ヒータとの間の電流経路が遮断できない前記リレー装置の故障を検出するコントローラと、を有し、
    前記DC/DCコンバータの出力側には、前記ヒータと共に補機バッテリが接続されており、
    前記コントローラは、前記リレー装置の故障が検出されたとき、前記DC/DCコンバータを介した前記補機バッテリへの電力供給を許容しつつ、前記DC/DCコンバータの出力電圧を低く制限することを特徴とする蓄電システム。
  2. 前記蓄電装置の温度を検出する温度センサを備え、
    前記コントローラは、前記リレー装置の故障が検出されたとき、前記蓄電装置の温度が所定温度よりも高い場合に、前記蓄電装置の温度が前記所定温度よりも小さいときよりも前記DC/DCコンバータの出力電圧を低くすることを特徴とする請求項1に記載の蓄電システム。
  3. 前記所定温度は、前記蓄電装置の許容出力電力を低く制限するために設定される温度であることを特徴とする請求項2に記載の蓄電システム。
  4. 前記コントローラは、車両のイグニッションスイッチがオフされたとき、前記リレー装置の故障が検出されていれば、前記DC/DCコンバータの出力動作を停止させないように制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の蓄電システム。
  5. 前記コントローラは、前記リレー装置の故障が検出された後の車両のイグニッションスイッチのオフ信号に伴い、前記DC/DCコンバータの出力電圧を低く制限せずに、前記DC/DCコンバータを介して前記蓄電装置の電力を前記補機バッテリに充電させるように制御することを特徴とする請求項4に記載の蓄電システム。
  6. 前記蓄電装置の温度を検出する温度センサを備え、
    前記DC/DCコンバータは、前記外部電源からの電力を前記蓄電装置に供給する充電経路と接続されており、前記外部電源からの電力を前記ヒータに出力し、
    前記コントローラは、前記外部電源からの電力を前記蓄電装置に供給するとともに、前記外部電源からの電力を前記DC/DCコンバータを介して前記補機バッテリ及び前記ヒータに供給する外部充電制御を行い、
    前記コントローラは、前記リレー装置の故障が検出されたときの前記外部充電制御において、前記蓄電装置の温度が所定温度よりも高い場合に、前記蓄電装置の温度が前記所定温度よりも小さいときよりも前記DC/DCコンバータの出力電圧を低くすることを特徴とする請求項1に記載の蓄電システム。
  7. 前記蓄電装置に空気を供給するファンを備え、
    前記コントローラは、前記蓄電装置の温度に基づいて前記ファンの駆動制御を行うとともに、前記蓄電装置の温度が前記所定温度よりも高いとき、前記ファンの風量を前記蓄電装置の温度が前記所定温度よりも低いときに比べて増加させることを特徴とする請求項2、3又は6のいずれか1つに記載の蓄電システム。
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