JP6418499B2 - セラミックハニカムフィルタの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、セラミックハニカムフィルタの製造方法に関し、特に、セラミックハニカム構造体の端面を容器中のスラリーに浸漬して封止部を形成するセラミックハニカムフィルタの製造方法に関するものである。
ディーゼルエンジンの排気ガス中の炭素を主成分とする微粒子を除去するため、セラミックハニカム構造体の両流路端部を交互に封止したセラミックハニカムフィルタが使用されている。セラミックハニカムフィルタ1は、図1(a)(b)に示すように、多数のセル13を形成する多孔質隔壁12と、外周壁11とからなるセラミックハニカム構造体10と、セル13の両端面15a、15bを市松模様に交互に封止する封止部14a、14bとからなる。微粒子を含有する排気ガスは流入側端面15aに開口するセル13aに流入し、隔壁12を通過した後、隣接するセル13bを経て、流出側端面15bに開口するセル13bから排出される。この際、排気ガス中に含まれる微粒子は、隔壁12に形成された細孔(図示せず)に捕集される。
セラミックハニカム構造体10の端部への封止部の形成は、例えば、次のような方法で行われる。すなわち、図6に示すように、セラミックハニカム構造体10の一方の端面15aに例えば樹脂製フィルム6を貼り付け[図6(a)]、セルが市松模様になるようレーザ加工でフィルム6に貫通孔6aを開け[図6(b)]、容器90中のセラミック粉末と分散媒とを含有する封止材スラリー80に浸漬する[図6(c)]。その際、セラミックハニカム構造体10を下方(矢印D)に押圧して、セラミックハニカム構造体の一方の端面を所定の距離だけ下降させる。これにより、封止材スラリー80は封止用フィルム6の貫通孔6aから所定のセル13内に導入され、封止部14aが形成される[図6(d)]。次いで、セラミックハニカム構造体10を容器90から取り出し、他方の端面15bから別のセル内に同様に封止部14bを形成する[図6(e)]。そして、封止部14a、14bを乾燥、焼成し、端面15a、15bが封止部14a、14bで市松模様に封止されたセラミックハニカムフィルタ1が得られる。
このように形成された封止部は、容器中のスラリー量やセラミックハニカム構造体の下方(矢印D)への押圧力が変動すると、その長さが、封止材スラリーに押圧するセラミックハニカム構造体毎に変動することもあった。
そのため、封止部の長さが封止材スラリーに押圧するセラミックハニカム構造体毎に変動し、不均一となることを防止する方法として、特許文献1に、次のことが記載されている。すなわち、上端部に開口部を有する容器に封止材スラリーを充填し、前記容器内に貯留する封止材スラリーに、セラミックハニカム構造体を押圧するにあたり、封止材スラリーに押圧予定の端面側のセラミックハニカム構造体を把持手段を用いて把持するとともに、容器の開口部を把持手段で塞いだ後に、封止材スラリーをセラミックハニカム構造体の端面に押し込み封止部を形成する。この時、把持手段は、セラミックハニカム構造体の外周を把持するチャック部材を設け、チャック部材でセラミックハニカム構造体を把持した状態で、チャック部材を、開口部を区画している容器の側壁に、開口部の全周に渡って当接させることが記載されている。
また、セルの開口端部において、封止深さの揃った封止部を形成する方法として、特許文献2に、次のことが記載されている。すなわち、封止部の原料となるスラリーを、スラリーの界面が平坦になるように貯留容器に貯留し、ハニカム構造体の封止すべきセル以外のセルの開口端部を覆うように封止部形成用マスクを配設したハニカム構造体の端面を、貯留容器内に貯留したスラリーの押付けて、封止セルの内部にスラリーを導入することが記載されている。この時、貯留する容器の内側面とハニカム構造体の外周面との隙間に、押圧時におけるスラリーの流出を防止するためのシール材を配設してスラリーを導入することで、ハニカム構造体の端面のそれぞれのセルに均等な量のスラリーを充填することができると記載されている。
特開2008−055347号公報 WO2006/062141号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載された方法で封止部を形成しても、一つのセラミックハニカム構造体において、各セルに形成された封止部の長さのばらつきが生じる虞がある。各セルに形成された封止部の長さにばらつきが生じると、排気ガスが濾過される隔壁の表面積にばらつきが生じ、微粒子の捕集性能やフィルタの圧力損失性能が悪化し易くなる。そのため、一つのセラミックハニカム構造体に形成された封止部のうち、一部の封止部が所定の仕様範囲を外れて長いものや、短いものが生じた場合は、不良品として廃却する必要があり、歩留りが悪くなる問題が生じることもある。
したがって、本発明は、封止材スラリーをセラミックハニカム構造体の所定のセル内に押圧して封止部を形成する際に、一つのセラミックハニカム構造体に形成された封止部の長さにばらつきが生じ難いセラミックハニカムフィルタの製造方法を提供することにある。
本発明者は、セラミックハニカム構造体の端面を容器中のスラリーに押圧する際のセラミックハニカム構造体の端面側に着目して検討を重ねた。その結果、セラミックハニカム構造体の端面側の外周面を把持する構造を見直すことで、封止材スラリーをセラミックハニカム構造体の所定のセル内に押圧して封止部を形成した場合でも、一つのセラミックハニカム構造体に形成された封止部の長さにばらつきが生じ難くなることを見い出し本発明に想到した。
具体的に本発明は、隔壁によって仕切られた多数のセルを有するセラミックハニカム構造体の端面を容器中のスラリーに押圧し、所定のセル内にスラリーを導入して封止部を形成するセラミックハニカムフィルタの製造方法であって、
前記スラリーの粘度が0.1〜10Pa・sであり、
前記容器の内形状が円筒状で、かつ平坦な底部を有し、
前記セラミックハニカム構造体の端面側の外周面に円筒状弾性部材を介在させた状態で円筒状治具を嵌着し、
前記円筒状治具の外周面と前記容器の内周面との間に円環状弾性部材を配置した状態で、
前記セラミックハニカム構造体の端面を前記容器中のスラリーに3.0×10-3 〜25.0×10-3 MPaの圧力で押圧し、所定時間保持した後、前記所定のセル内にスラリーを導入して封止部を形成することを特徴とする。
本発明において、前記円環状弾性部材が前記容器の円筒軸方向に2ヶ所以上配置されていることが好ましい。
本発明において、前記容器中のスラリーの体積は、前記セル内に導入されるスラリーの体積の1.5〜8倍であることが好ましい。
本発明において、前記スラリーは、セラミック粒子100質量%に対して、50〜60質量%の水、0.5〜10質量%のバインダーを含み、前記セラミック粒子の粒度分布にピークが2以上存在し、第1のピークは粒径100〜200μmの間、第2のピークは粒径2〜20μmの間であり、第1のピークの高さは第2のピークの高さよりも大きいことが好ましい。
本発明において、前記封止部が形成されたセラミックハニカム構造体を前記容器と相対的に略水平方向に移動して取り出すことが好ましい。
本発明において、前記セラミックハニカム構造体の前記端面を含水した後、前記端面を容器中のスラリーに押圧することが好ましい。
本発明によれば、封止材スラリーをセラミックハニカム構造体の所定のセル内に押圧して封止部を形成した場合でも、一つのセラミックハニカム構造体に形成された封止部の長さにばらつきが生じ難いセラミックハニカムフィルタの製造方法を提供することができる。
本発明に係るセラミックハニカムフィルタを示した模式図である。 本発明に係る封止部を形成する工程を示した模式図である。 本発明に係る円筒状弾性部材を示した模式図である。 本発明に係る円筒状治具を示した模式図である。 本発明に係る封止用容器を示した模式図である。 従来技術に係る封止部を形成する工程を示した模式図である。 封止部形成用スラリーに含まれるセラミック原料粉末の粒度分布を示した図
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
本発明のセラミックハニカムフィルタの製造方法について説明する。
セラミックハニカムフィルタに用いるセラミックハニカム構造体は、少なくともセラミックスからなる原料粉末と有機バインダー、水、必要に応じて造孔材、潤滑剤等を混合した混合物を混練して坏土とし、押出成形用金型を通じて、外径が150mm以上、壁厚が0.1〜0.5mm、セル密度が100〜500セル/平方インチのハニカム形状に押出成形する。次に、押出成形されたセラミックハニカム成形体を熱風炉、もしくは、マイクロ波乾燥装置等で乾燥させ、焼成してセラミックハニカム構造体とする。次に、ダイヤモンドカッタ、もしくは、ダイヤモンドソーで端面12a、12bを加工して、所定の長さを有するセラミックハニカム構造体10とする。ここで、セラミックハニカム構造体の好ましい材質としては、コーディエライト、アルミナ、シリカ、窒化珪素、炭化珪素、チタン酸アルミニウム、LAS等が挙げられ、中でもコーディエライトを主結晶相とするセラミックは、安価で耐熱性に優れ、化学的にも安定なため最も好ましい。
次に、セラミックハニカム構造体10の端面15a、15bに、封止用フィルム6を貼付け、この封止用フィルム6にレーザーで貫通孔6aをセル13にあわせて市松模様に形成する[図2(a)(b)]。この時、端面15aに開口するセル13と端面15bに開口するセル13が形成されるように端面15aと端面15bで貫通孔6a、6bを形成する。ここで、貫通孔6a、6bの形成には、封止用フィルムを開孔することができれば良く、先端の鋭い金属棒でフィルムを穿孔する方法や、加熱された金属棒を押し付ける方法も可能である。
次に、セラミックハニカム構造体10の端面側の外周面に円筒状弾性部材20を介在させた状態で円筒状治具50を嵌着する。[図2(c)]、
ここで、円筒状弾性部材20は、図3に示すような円筒形状であり、セラミックハニカム構造体10の外周面に嵌着可能な形状であるとともに、円筒状治具50で嵌着される構造となっている。また、円筒状治具50は、図4に示すように、2つの分割治具501、502からなる2分割の円筒形状であり、これら2つの分割治具は、互いにボルト55、もしくはねじ、あるいは蝶番によって締結される。これにより、円筒状弾性部材20は、円筒状治具50によりセラミックハニカム構造体と密着する。尚、円筒状治具50はステンレス製であることが好ましい。
そして、円筒状治具50の外周面51と容器40の内周面41との間に円環状弾性部材60を配置した状態で、粘度が0.1〜10Pa・sのスラリー30を貯留させた容器40にセラミックハニカム構造体10の一方の端面15aを、セラミックハニカム構造体10の端面に荷重を負荷して(矢印P)、3.0×10-3〜25.0×10-3 MPaの圧力(荷重/セラミックハニカム構造体の端面面積)で、セラミックハニカム構造体を押圧し、所定時間保持する[図2(d)(e)]。ここで、容器40はその内形状が円筒状である内周面41を有し、かつ平坦な底部42を有している。
これにより、円筒状治具50の外周面51と容器40の内周面41とが密着され易くなるため、スラリー30に均一に圧力が作用し、セラミックハニカム構造体の所定のセル内に、スラリー30が均一に導入され易くなる。これにより、一つのセラミックハニカム構造体に形成された封止部の長さにばらつきが生じ難いセラミックハニカムフィルタを得ることができる。
ここで、スラリーの粘度が0.1Pa・s未満の場合、スラリーの粘度が低すぎてスラリーを導入した後、容器からセラミックハニカム構造体を取出す際に、セルにスラリーが残留せず封止部が形成されない場合がある。一方、10Pa・sを超えるとスラリーの粘度が高すぎてスラリーがセルに導入され難くなり封止部の長さにばらつきが生じる場合がある。好ましくは、0.5〜8Pa・sである。
また、セラミックハニカム構造体の端面を容器中のスラリーに押圧する圧力が3.0×10-3 MPa未満の場合、セルにスラリーが導入され難くなり、封止部の長さにばらつきが生じ易くなる場合がある。一方、25.0×10-3 MPaを超える場合、セル内に導入されるスラリーに過剰に圧力がかかり、隔壁が破損する場合がある。好ましくは、5.5×10-3〜23.0×10-3(MPa)である。
ここで、円筒状弾性部材20は、セラミックハニカム構造体の端面側の外周面に嵌着可能な範囲で、その内形状21がセラミックハニカム構造体10の外周面よりも小さく構成されていると、円筒状弾性部材の弾性力によりセラミックハニカム構造体10の外周面に良好に嵌着されるので好ましい。また。円筒状弾性部材20の外形状22は、円筒状治具50が介在可能な範囲で円筒状治具50の内形状よりも大きく構成されていると、円筒状治具50に密着し易くなるので好ましい。
ここで、円筒状弾性部材20は、アスカーC型硬度(SRIS 0101)が5〜60、引張強さが0.3MPa以上、見掛け密度が0.10〜0.40g/cm3(SRIS 0101)であると、セラミックハニカム構造体の外周面及び容器と密着され、所定のセル内にスラリーが均一に導入され易くなるので好ましい。尚、円筒状弾性部材20は一体であっても良く、板状のものを円筒状に接着したものを用いることもできる。
また、円筒状弾性部材20が、独立気泡を有していると、セラミックハニカム構造体及び容器との密着が良好となり、セラミックハニカム構造体の端面を容器中のスラリーに押圧した場合、所定のセル内にスラリーが均一により導入され易くなるので好ましい。円筒状弾性部材20の材質としては、クロロプレンゴムが好ましい。
また、円環状弾性部材60は、図2(e)のX部を拡大図示した図2(h)に示すように、円環状弾性部材60の内周部61は、弾性力で変形することにより円筒状治具50の外周面51、容器内周面41に密着可能となる寸法を有していることが必要である。
前記円環状部材60の断面形状は、前記円筒状治具の外周面51及び容器40と密着可能であれば、四角形、円形等の形状が採用できるが、図2(h)に示すように円形状であると好ましい。
また、円環状弾性部材60の材質は、円筒状治具50の外周面51と容器40の内周面41とが密着できるのであれば、天然ゴム、合成天然ゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコンゴム等の材質が用いられるが、なかでも、ニトリルゴムが好ましい。具体的には、円環状弾性部材60には、シール用のOリングを用いることができる。
また、セラミックハニカム構造体の端面を容器中のスラリーに押圧した際、所定時間保持するが、1s以上の時間保持させておくことが好ましく、生産効率を考慮して180s以下であることが好ましい。さらに好ましくは3s以上であり、5s以上であることがより好ましい。
そして、セラミックハニカム構造体への押圧を解除し、セラミックハニカム構造体10を上方へ引き上げて取り出す。続いて、セラミックハニカム構造体10のもう一方の端面15bにおいても同様にして、スラリーをセル内に導入する[図2(f)]。そして、セル内に導入されたスラリーを硬化、乾燥、焼成し、端面15a、15bが封止部14a、14bで交互に封止され、一つのセラミックハニカム構造体に形成された封止部の長さにばらつきが生じ難いセラミックハニカムフィルタ1が得られる[図2(g)]。
本発明において、円環状弾性部材60は容器40の円筒軸方向に2ヶ所以上配置していることが好ましい。円筒状治具50の外周面51と容器40の内周面41との間に円環状弾性部材60が円筒軸方向に2ヶ所以上配置していることで、セラミックハニカム構造体10の端面に荷重を負荷してセラミックハニカム構造体を押圧した際に、円筒軸方向に2ヶ所以上配置された円環状弾性部材60がガイドとなって、セラミックハニカム構造体が略鉛直に押圧され、セラミックハニカム構造体の端面が、スラリーの液面に略水平に押圧され易くなり、所定のセル内にスラリーがより均一に導入され易くなるのである。
本発明において、セラミックハニカム構造体の端面を容器中のスラリーに押圧した場合、所定のセル内にスラリーがより均一に導入されるためには、容器40に貯留させるスラリー30の体積は、所定のセル内に導入されるスラリーの体積よりも多いことが好ましく、容器40に貯留させるスラリー30の体積は、所定のセル内に導入されるスラリーの体積の1.5〜8倍とすることが好ましい。これにより、セラミックハニカム構造体の端面を容器中のスラリーに押圧した際、セラミックハニカム構造体の端面は容器の底部42に接触しないので、所定のセル内にスラリーが均一に導入され易くなる。ここで、1.5倍未満の場合、セル内に導入されるスラリー量が不足して、一つのセラミックハニカム構造体に形成された封止部の長さにばらつきが生じる場合があるので好ましくない。一方8倍を超える場合、封止部長さにばらつきが生じ難くなる反面、封止部の形成に寄与しないスラリーが多くなり、それらは廃却することとなるため、スラリーの歩留りが悪くなるので好ましくない。好ましくは、2〜6倍である。
また、本発明において、スラリー30は、少なくともセラミックス原料粉末、水からなり、セラミックス原料粉末として、図7に示すように、その粒度分布にピークが2以上存在し、第1のピークP1が粒径100〜200μmの間、第2のピークP2が粒径2〜20μmの間であり、第1のピークP1が第2のピークP2よりも大きいセラミック粒子を用いることが好ましい。これにより、セラミックハニカム構造体の端面を容器中のスラリーに押圧した場合、所定のセル内にスラリーがより均一に導入され易くなるので好ましい。尚、スラリー30は、必要に応じて有機バインダー等を添加しても良い。
スラリーに使用するセラミックス原料粉末としては、封止部を焼成した後に、セラミックハニカム構造体と同材質となり一体化するものが好ましい。従って、焼成後に前記セラミックハニカム構造体の好ましい具体例である、コーディエライト、アルミナ、シリカ、窒化珪素、炭化珪素、チタン酸アルミニウム、LAS等になるものであれば良い。セラミックス原料粉末は、セラミックハニカム構造体の材質がコーディエライトである場合は、焼成後にコーディエライトとなるよう配合されたコーディエライト配合原料、もしくは、焼成済みのコーディエライト粉末を用いることが好ましい。さらに、セラミックス原料粉末は、コーディエライト配合原料及びコーディエライト粉末で構成されることで、封止部を焼成した際の収縮がより一層緩和され、セラミックハニカムフィルタとして良好に使用することができるので好ましい。
また、本発明において、容器40は、側壁部45と底部42とが一体で構成されていても良いが、セラミックハニカム構造体への押圧を解除し、セラミックハニカム構造体10を容器40から容易に取り出せるよう、図5に示すように側壁部451、452と底部42とが分離可能な構成とすることが好ましい。容器40がこのような構成であると、セラミックハニカム構造体10を取出す場合、まず側壁部451を分離させ、セラミックハニカム構造体10を容器と相対的に略水平方向に移動して取り出すことで、セラミックハニカム構造体10を容易に取り出すことができる。さらに、セル内に導入されたスラリーが、セル外へ流出し難くなり、一つのセラミックハニカム構造体に形成された封止部の長さのばらつきがより生じ難くなるので好ましい。尚、容器の材質はステンレスであることが好ましい。
また、本発明において、セラミックハニカム構造体の端面を含水した後、端面を容器中のスラリーに押圧することで、スラリー中の水分がセラミックハニカム構造体の隔壁に吸収され難くなるため、所定のセル内にスラリーがより均一に導入され易くなるので好ましい。セラミックハニカム構造体の端面への含水量は、0.5〜1.5g/cm2が好ましい。セラミックハニカム構造体の端面の含水量とは、セラミックハニカム構造体の端面に含水させた水の重量を、外径Dのハニカム構造体の端面の面積(πD2/4)で除した値である。
(実施例1〜7、比較例2)
カオリン、タルク、シリカ、アルミナなどの粉末を調整して、質量比で、SiO2:48〜52%、Al2O3:33〜37%、MgO:12〜15%を含むようなコーディエライト生成原料粉末とし、これにメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のバインダー、潤滑剤、造孔材として発泡済み樹脂を添加し、乾式で十分混合した後、規定量の水を添加、十分な混練を行って可塑化したセラミック杯土を作成した。次に、押出し成形用金型を用いて坏土を押出し成形し、切断して、直径270mm×長さ300mmの成形体とした。次に、成形体を、乾燥、焼成させ、セラミックハニカム構造体の外周部を加工除去して、外径が266mm、セル壁が、厚さ0.3mm、気孔率63%、平均細孔径21μm、セルピッチ1.5mmのコーディエライト質セラミックハニカム構造体10を得た。
次に、セラミックハニカム構造体10の端面15a、15bを研削加工し、両端面に封止用フィルムとして、厚さ0.09mmの樹脂製のフィルムを貼付し、封止すべき流路を市松模様にレーザー光で開孔して貫通孔を形成した。
次に、封止材料として、表1に示したセラミックス原料粉末と、セラミックス原料に対して表1に示すイオン交換水、バインダーとしてメチルセルロースと、分散剤3%を配合して、混合、混練を行いスラリー状の封止材を作製した。
尚、セラミックス原料粉末として用いたコーディエライト配合原料は、焼成後にコーディエライト組成となるように、質量%でカオリン6.3%、タルク41.1%、シリカ18.2%、アルミナ23.3%、水酸化アルミ11.1%の粉末を配合したものである。
また、セラミックス原料粉末の粒度分布は、日機装(株)製マイクロトラック粒度分布測定装置(MT3000)を用いて測定し、第1のピークの高さである頻度P1と、第2のピークの高さである頻度P2を測定した。
次に、混合、混練を完了したスラリー30を内形状が円筒状で、平坦な底部を有するステンレス製容器40に貯留させ、図2に示すようにして封止部を形成した。セラミックハニカム構造体10の端面15a側の外周面に、内径264mm、外径274mm、長さ50mmの表1に示す材質の円筒状弾性部材20を介在させた状態で、内径273mm、外径316mm、長さ60mm、ステンレス製の円筒状治具50を嵌着する[図2(c)]。また、容器40は、内径317mmの内周面41に、円環状弾性部材60として、ニトリルゴム製の内径314mm、線径8.4mmのOリングを円筒軸方向に容器底から15mmと40mmの2か所に配置している[図2(d)]。そして、円筒状治具50が嵌着されたセラミックハニカム構造体10の端面15aを、容器40内に表1に示す圧力でセラミックハニカム構造体を押圧して[図2(e)]、所定時間保持し、封止部長さの目標が5mmとなるように作製した。
そして、セラミックハニカム構造体への押圧を解除し、セラミックハニカム構造体10を上方へ引き上げて取り出し、続いて、セラミックハニカム構造体10のもう一方の端面15bにおいても同様にスラリーを導入する。
そして、スラリーを硬化、乾燥し、1400℃で焼成して、実施例1〜7、比較例2のセラミックハニカムフィルタを得た。
(比較例1)
実施例1と同様にしてコーディエライト質セラミックハニカム構造体10を得て、実施例1と同様に、セラミックハニカム構造体10の両端面に封止用フィルムを貼付し、封止すべき流路を市松模様にレーザー光で開孔して貫通孔を形成した。
次に、封止材料として、表1に示したセラミックス原料粉末と、セラミックス原料に対して表1に示すイオン交換水、バインダーとしてメチルセルロースと、分散剤3%を配合して、混合、混練を行いスラリー状の封止材を作製した。
尚、セラミックス原料粉末として用いたコーディエライト配合原料は、焼成後にコーディエライト組成となるように、質量%でカオリン6.3%、タルク41.1%、シリカ18.2%、アルミナ23.3%、水酸化アルミ11.1%の粉末を配合したものである。
次に、従来の方法である図6に示す容器90に混合、混練を完了したスラリー80を貯留させ、セラミックハニカム構造体の一方の端面を、封止部長さの目標である5mm下降させて封止部を形成した。続いて、セラミックハニカム構造体10のもう一方の端面15bにおいても同様にスラリーを導入する。
そして、スラリーを硬化、乾燥し、1400℃で焼成して、比較例1のセラミックハニカムフィルタを得た。
得られた実施例1〜7、比較例1、2のセラミックハニカムフィルタの封止部長さを測定して評価を行った。測定する封止部は、セラミックハニカムフィルタの端面において、任意の30箇所とし、封止部長さは、次のように測定した。直径1.0mmのSUS製棒状部材をセラミックハニカム構造体の端面のセルに挿入し、封止部に接触した位置を棒状部材に印を付ける。そして、棒状部材をセルから引き出して、棒状部材の端部から印までの長さを測り、セラミックハニカム構造体の全長との差で封止部の長さとした。
そして、各実施例で作製したセラミックハニカムフィルタについて、一つのセラミックハニカムフィルタに形成された封止部長さのばらつきの評価を行った。
封止部長さのばらつきは、各実施例での1つのセラミックハニカムフィルタにおいて測定した封止部長さの標準偏差が、
0.5以下であった場合を(◎)、
0.5を超え0.7以下であった場合を(○)
0.7を超え1.0以下であった場合を(△)、
1.0を超えた場合を(×)、
として評価し表1に示した。
Figure 0006418499
表1の評価結果から、本発明の実施例1〜7は、一つのセラミックハニカム構造体に形成された封止部の長さにばらつきが生じ難いセラミックハニカム構造体が得られることがわかる。一方、比較例1、2では、一つのセラミックハニカム構造体に形成された封止部の長さにばらつきが大きいことがわかる。
1:セラミックハニカムフィルタ
10:セラミックハニカム構造体
11:外周壁
12:隔壁
13、13a、13b:セル
14a、14b:封止部
15a、15b:端面
20:円筒状弾性部材
30、80:封止材スラリー
40、90:容器
41:容器の内周面
45、451、452:容器の側壁部
42:容器の底部
50:円筒状治具
51:円筒状治具の外周面
55:ボルト
60:円環状弾性部材
61:円環状弾性部材の内周部
6:フィルム
6a、6b:貫通孔


Claims (6)

  1. 隔壁によって仕切られた多数のセルを有するセラミックハニカム構造体の端面を容器中のスラリーに押圧し、所定のセル内にスラリーを導入して封止部を形成するセラミックハニカムフィルタの製造方法であって、
    前記スラリーの粘度が0.1〜10Pa・sであり、
    前記容器の内形状が円筒状で、かつ平坦な底部を有し、
    前記セラミックハニカム構造体の端面側の外周面に円筒状弾性部材を介在させた状態で円筒状治具を嵌着し、
    前記円筒状治具の外周面と前記容器の内周面との間に円環状弾性部材を配置した状態で

    前記セラミックハニカム構造体の端面を前記容器中のスラリーに3.0×10-3 〜25.0×10-3 MPaの圧力で押圧し、所定時間保持した後、前記所定のセル内にスラリーを導入して封止部を形成することを特徴とするセラミックハニカムフィルタの製造方法。
  2. 前記円環状弾性部材が前記容器の円筒軸方向に2ヶ所以上配置していることを特徴とする請求項1に記載のセラミックハニカムフィルタの製造方法。
  3. 前記容器中のスラリーの体積は、前記セル内に導入されるスラリーの体積の1.5〜8倍であることを特徴とする請求項1に記載のセラミックハニカムフィルタの製造方法。
  4. 前記スラリーは、セラミック粒子100質量%に対して、50〜60質量%の水、0.5〜10質量%のバインダーを含み、前記セラミック粒子の粒度分布にピークが2以上存在し、第1のピークは粒径100〜200μmの間、第2のピークは粒径2〜20μmの間であり、第1のピークの高さは第2のピークの高さよりも大きいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のセラミックハニカムフィルタの製造方法。
  5. 前記封止部が形成されたセラミックハニカム構造体を前記容器と相対的に略水平方向に移動して取り出すことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のセラミックハニカムフィルタの製造方法。
  6. 前記セラミックハニカム構造体の前記端面を含水した後、前記端面を容器中のスラリーに押圧することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のセラミックハニカムフィルタの製造方法。
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