JP6418280B2 - パワートレーン - Google Patents
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Description
本発明は、エンジンケースと変速機ケースとが締結されたパワートレーンに関する。
例えば、特許文献1に記載の技術においては、エンジンおよび変速機を含む車両において、エンジンや変速機の上下周りにカプセル化構造物を配置して、空気の流入および流出を制御することにより、冷却性を担保しつつ、カプセル化による騒音の低減、暖機の促進、および保温の長時間化によって、エンジンルームの熱管理の最適化を図っている。
上述した従来技術においては、エンジンおよび変速機の全体をカプセル化して、エンジンケースや変速機ケースから空気ヘの放熱を小さくしている。しかしながら、エンジンケースと変速機ケースとは、金属によって締結されている部分の面積が大きい。そのため、この大きい面積において固体を通じた熱伝導や空気を介した熱伝導が生じる。このような現象は、駆動方式によらず発生するおそれがあり、特にエンジンと変速機との間に温度差が生じやすいハイブリッド(HV)車両のパワートレーンにおいて顕著である。
車両の走行において、エンジンを作動させた状態で走行し、エンジンケースの温度が変速機ケースよりも高い状態となった後にエンジン及び車両を停止させ、数時間後に再びエンジンを作動させて走行させる場合、エンジン及び車両の停止中にはエンジンケースから変速機ケースへと熱が伝わることで、エンジンの温度が低下する。そのため、数時間後にエンジンを再始動させる際に燃料の燃焼状態が不安定となることから、燃費が向上しにくくなる可能性がある。
また、HV車両の走行において、エンジンを作動させた状態で高負荷走行を行っている場合にも、エンジンの温度が変速機の温度に対して高くなる。そのため、エンジンケースから変速機ケースへの熱伝導によって、変速機ケース内に設けられた電動機(MG)などの冷却したい電気系の冷却効果が小さくなる可能性もある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、エンジンケースから変速機ケースへの熱伝導を抑制することができるパワートレーンを提供することにある。
上述した課題を解決し、上記目的を達成するために、本発明に係るパワートレーンは、内部にウォータジャケットが設けられたエンジンケースを有するエンジンと、変速機ケースを有する変速機とを備え、前記エンジンケースと前記変速機ケースとが締結されたパワートレーンにおいて、前記エンジンケースおよび前記変速機ケースの熱伝導率よりも低い熱伝導率の低熱伝導体が、前記エンジンケースと前記変速機ケースとの間で、鉛直方向に沿って前記ウォータジャケットの下端より下部に設けられることを特徴とする。
本発明の一態様に係るパワートレーンは、上記の発明において、前記低熱伝導体は、複数の膜から構成され、断熱材料からなる膜を少なくとも1層含み前記断熱材料からなる膜以外の膜は非断熱材料からなることを特徴とする。
本発明の一態様に係るパワートレーンは、上記の発明において、前記低熱伝導体は、不飽和ポリエステル、セラミック、または内部に空気層を有する多孔質材料からなることを特徴とする。
本発明の一態様に係るパワートレーンは、上記の発明において、前記低熱伝導体の厚さが3mm以下であることを特徴とする。
本発明の一態様に係るパワートレーンは、上記の発明において、前記変速機におけるオイルの動粘度が、油温が40℃の場合において15mm2/s以下であることを特徴とする。
本発明に係るパワートレーンによれば、エンジンケースと変速機ケースとの間で鉛直方向に沿ってウォータジャケットの下端より下部に、エンジンケースおよび変速機ケースの熱伝導率よりも低い熱伝導率の低熱伝導体を設けることにより、エンジンケースから変速機ケースへの熱伝導を抑制することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。また、本発明は以下に説明する実施形態によって限定されるものではない。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態による車両について説明する。図1は、第1の実施形態による車両の構成を示す概略図である。第1の実施形態による車両Veは、パワートレーンとして、動力源であるエンジン(ENG)10と、変速機(T/M)20と、出力軸30と、デファレンシャル40と、車軸50と、駆動輪60とを備える。また、エンジン10は、エンジン10を始動させる始動装置70を備える。始動装置70はインバータを介してバッテリ(いずれも図示せず)との間で電力の授受が可能に接続されている。始動装置70は、バッテリの電力を消費してエンジン10をクランキングさせるスタータモータを備えた周知の始動装置である。
まず、本発明の第1の実施形態による車両について説明する。図1は、第1の実施形態による車両の構成を示す概略図である。第1の実施形態による車両Veは、パワートレーンとして、動力源であるエンジン(ENG)10と、変速機(T/M)20と、出力軸30と、デファレンシャル40と、車軸50と、駆動輪60とを備える。また、エンジン10は、エンジン10を始動させる始動装置70を備える。始動装置70はインバータを介してバッテリ(いずれも図示せず)との間で電力の授受が可能に接続されている。始動装置70は、バッテリの電力を消費してエンジン10をクランキングさせるスタータモータを備えた周知の始動装置である。
エンジン10は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどである。変速機20は、自動または手動にて変速比を変化でき、かつニュートラル状態に設定できる周知の変速機である。エンジン10のクランクシャフト10aは、流体流によってトルク増幅作用を生じる流体伝動装置(トルクコンバータ)を介して変速機20のインプットシャフト20aと動力伝達可能に接続されている。また、エンジン10と変速機20とは例えばボルト(図示せず)などによって直接締結されている。エンジン10のクランクシャフト10aから出力された動力(エンジントルク)はインプットシャフト20aから変速機20に入力されて、出力軸30に伝達される。これにより、エンジン10から変速機20へのパワートレーンが構成される。出力軸30はデファレンシャル40を介して車軸50に動力伝達可能に連結されている。したがって、エンジン10から変速機20を介して出力軸30へ出力された伝達トルクは、デファレンシャル40および車軸50を介して駆動輪60に伝達される。
図2は、第1の実施形態によるエンジン10のエンジンブロックにおける変速機ハウジングとの締結側を示す斜視図である。図3は、第1の実施形態による変速機20の変速機ハウジングにおけるエンジンブロックとの締結側を示す斜視図である。図2に示すように、エンジン10はエンジンケースとしてのエンジンブロック11を有する。エンジン10の変速機20との締結側には、エンジンブロック11のブロック表面12、および変速機20と直接的に締結される部分である合わせ面13が形成されている。
また、図3に示すように、変速機20は、変速機ケースとしての変速機ハウジング21を有する。変速機20においては、変速機ハウジング21に、エンジンブロック11と直接的に締結する合わせ面23が形成されている。すなわち、エンジンブロック11の合わせ面13と変速機20の合わせ面23とが締結可能に構成される。
エンジンブロック11の合わせ面13と変速機20の合わせ面23とが締結された状態で、エンジンケースの面としてのブロック表面12と、変速機ケースの面としてのハウジング表面24との間によって密封された空間が形成される。密封された空間は、後述するフライホイールおよびダンパが収納される、ダンパ室22を構成する。すなわち、エンジン10のエンジンブロック11と変速機20の変速機ハウジング21とが締結され、エンジントルクがクランクシャフト10aからインプットシャフト20aに伝達されるパワートレーンが構成される。
第1の実施形態においては、エンジンブロック11と変速機ハウジング21との間に、エンジンブロック11および変速機ハウジング21よりも熱伝導率が低い低熱伝導体としての断熱材が設けられる。ここで、エンジンブロック11と変速機ハウジング21との間とは、エンジンブロック11のブロック表面12および合わせ面13と、変速機ハウジング21のハウジング表面24および合わせ面23との間における少なくとも一部を意味する。以下に、第1の実施形態による断熱材の設置の実施例について説明する。
(第1実施例)
図4は、第1実施例によるエンジン10Aと変速機20Aとの締結部分の側部断面を示す概略図である。図4に示すように、エンジン10Aのエンジンブロック11内においては、燃焼室14およびウォータジャケット15が設けられる。また、クランクシャフト10aはフライホイール16に連結されている。フライホイール16は、変速機20Aのインプットシャフト20aに連動するダンパ25と連結されている。フライホイール16およびダンパ25は、クランクシャフト10aおよびインプットシャフト20aの回転軸Oを中心として回転可能である。フライホイール16およびダンパ25は、回転可能な状態で、エンジンブロック11と変速機ハウジング21とが締結されたブロック表面12およびハウジング表面24との間の空間からなるダンパ室22内に設けられる。エンジンブロック11と変速機ハウジング21とは、例えば締結ボルト110によって締結される。
図4は、第1実施例によるエンジン10Aと変速機20Aとの締結部分の側部断面を示す概略図である。図4に示すように、エンジン10Aのエンジンブロック11内においては、燃焼室14およびウォータジャケット15が設けられる。また、クランクシャフト10aはフライホイール16に連結されている。フライホイール16は、変速機20Aのインプットシャフト20aに連動するダンパ25と連結されている。フライホイール16およびダンパ25は、クランクシャフト10aおよびインプットシャフト20aの回転軸Oを中心として回転可能である。フライホイール16およびダンパ25は、回転可能な状態で、エンジンブロック11と変速機ハウジング21とが締結されたブロック表面12およびハウジング表面24との間の空間からなるダンパ室22内に設けられる。エンジンブロック11と変速機ハウジング21とは、例えば締結ボルト110によって締結される。
第1実施例においては、エンジンブロック11の合わせ面13と、変速機ハウジング21の合わせ面23との間の部分に断熱材101が設けられる。また、締結ボルト110の部分においても、合わせ面13と合わせ面23との間に断熱材101が設けられる。
低熱伝導体としての断熱材101は、断熱性能が高い低熱伝導材料から構成される。さらに、エンジンブロック11と変速機ハウジング21との間の締結力(面圧)が印加された状態においても、断熱性能を維持しつつ締結ボルト110の軸力が落ちにくい材料が好ましい。換言すると、断熱材101としては、高面圧環境下において冷却された際に材料が縮む、いわゆるクリープが発生しない材料を用いるのが好ましい。また、断熱材101としては、材厚が例えば3mm以下の薄い材料を用いるのが好ましい。断熱材101の厚みを3mm以下にすることによって、パワートレーンの軸長を延伸させることなく、車両Veの長さを所定の範囲内に収めることが可能になる。
また、エンジンブロック11や変速機ハウジング21は、熱伝導率が例えば100W/mKの金属、具体的にはアルミニウム(Al)のダイカストから構成される。これに対し、断熱材101の材料としては、エンジンブロック11や変速機ハウジング21の熱伝導率未満、好適には100分の1以下である1.0W/mK以下の熱伝導率の材料を用いるのが好ましい。具体的に、断熱材101を構成する材料としては、ガラス繊維によって強化したエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、メラミン樹脂、フェノール樹脂、耐面圧に強いセラミック、または内部に空気層を有する多孔質材料などを挙げることができる。また、断熱材101は、単一の断熱材料の膜から構成されるものや、断熱材料からなる膜が複数層積層されて構成されるものや、断熱材料からなる膜を少なくとも1層含んで他の膜は非断熱材料からなる複数の膜から構成されるものなど、種々の膜構成を採用可能である。さらに、断熱材101の少なくとも一方の面に、接着剤等が塗布されていても良い。
エンジンブロック11の合わせ面13と変速機ハウジング21の合わせ面23との間は、金属が直接的に締結される部分であって、金属から金属に熱伝導(以下、固体熱伝導)しやすい部分である。第1実施例によれば、この固体熱伝導しやすい部分に、エンジンブロック11や変速機ハウジング21よりも熱伝導率が低い断熱材101を介在させることによって、エンジンブロック11から変速機ハウジング21への熱伝導を抑制できる。これにより、エンジン10Aの保温性を向上させることができる。
(第2実施例)
次に、第2実施例について説明する。図5は、第2実施例によるエンジン10Bと変速機20Bとの締結部分の側部断面を示す概略図である。図5に示すように、第2実施例においては、第1実施例と異なり、エンジンブロック11の合わせ面13と変速機ハウジング21の合わせ面23とが例えば締結ボルト110(図5中、図示せず)によって直接的に締結されている。一方、エンジンブロック11のダンパ室22内における変速機ハウジング21に対向する第1対向面としてのブロック表面12に、断熱材102が貼付されている。断熱材102の露出側表面には、シート状のフィルム102aが設けられる。
次に、第2実施例について説明する。図5は、第2実施例によるエンジン10Bと変速機20Bとの締結部分の側部断面を示す概略図である。図5に示すように、第2実施例においては、第1実施例と異なり、エンジンブロック11の合わせ面13と変速機ハウジング21の合わせ面23とが例えば締結ボルト110(図5中、図示せず)によって直接的に締結されている。一方、エンジンブロック11のダンパ室22内における変速機ハウジング21に対向する第1対向面としてのブロック表面12に、断熱材102が貼付されている。断熱材102の露出側表面には、シート状のフィルム102aが設けられる。
断熱材102の材料は、狭い隙間であっても断熱性能を発揮する低熱伝導率の材料が好ましく、エンジンブロック11や変速機ハウジング21の熱伝導率に対して100分の1以下、具体的には1.0W/mK以下の熱伝導率の材料を用いるのが好ましい。断熱材102の材料としては、具体的に、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、または内部に空気層を有する多孔質材料が挙げられる。断熱材102として多孔質材料を用いる場合、多孔質材料のみでは、多孔質材料の表面と空気との間の熱交換面積が増加する。そこで、多孔質材料からなる断熱材102の表面に、例えばAlからなるシート状のフィルム102aを貼付することが好ましい。多孔質材料の露出側表面にシート状のフィルム102aを貼付することによって、露出側表面が平滑化して、空気が多孔質材料の内部に入り込むことがなくなり、断熱材102における断熱効果をより一層向上できる。なお、断熱性能の向上の観点からは、断熱材102が多孔質材料であるか否かにかかわらず、断熱材102の表面にシート状のフィルム102aを設けるのが好ましい。また、断熱材102は、単一の断熱材料の膜から構成されるものや、断熱材料からなる膜が複数層積層されて構成されるものや、断熱材料からなる膜を少なくとも1層含んで他の膜は非断熱材料からなる複数の膜から構成されるものなど、種々の膜構成を採用可能である。さらに、断熱材102の少なくとも一方の面に、接着剤等が塗布されていても良い。その他の構成は第1実施例と同様である。
エンジンブロック11と変速機ハウジング21との間のダンパ室22内には、フライホイール16およびダンパ25を含む、高速回転する回転体が存在している。フライホイール16およびダンパ25が高速回転すると、これらの回転体の回転に従動してダンパ室22内の空気も回転する。この空気の回転によって、エンジンブロック11から空気ヘの対流による放熱が促進される。これに対し、エンジンブロック11のブロック表面12に断熱材102を設けることによって、エンジンブロック11からダンパ室22内の空気ヘの放熱を小さくできる。これにより、エンジン10Bの保温性を向上しつつ、エンジンブロック11から変速機ハウジング21への熱伝導を大きく抑制できる。さらに、断熱材102をブロック表面12に貼付することによって放熱が抑制されることで、断熱材102を含んだエンジン10Bの見かけ上の熱容量が増加するので、エンジン10Bの保温効果を向上できる。
(第3実施例)
次に、第3実施例について説明する。図6は、第3実施例によるエンジン10Cと変速機20Cとの締結部分の側部断面を示す概略図である。図6に示すように、第3実施例においては、第1実施例と異なり、エンジンブロック11の合わせ面13と変速機ハウジング21の合わせ面23とが例えば締結ボルト110(図6中、図示せず)によって直接的に締結されている。また、第2実施例と異なり、変速機ハウジング21のダンパ室22内におけるエンジンブロック11に対向する第2対向面としてのハウジング表面24に、断熱材103が設けられる。断熱材103の露出側表面には、シート状のフィルム103aが設けられる。ここで、断熱材103およびフィルム103aはそれぞれ、第2実施例による断熱材102およびフィルム102aと同様に構成される。その他の構成は、第1および第2実施例と同様である。
次に、第3実施例について説明する。図6は、第3実施例によるエンジン10Cと変速機20Cとの締結部分の側部断面を示す概略図である。図6に示すように、第3実施例においては、第1実施例と異なり、エンジンブロック11の合わせ面13と変速機ハウジング21の合わせ面23とが例えば締結ボルト110(図6中、図示せず)によって直接的に締結されている。また、第2実施例と異なり、変速機ハウジング21のダンパ室22内におけるエンジンブロック11に対向する第2対向面としてのハウジング表面24に、断熱材103が設けられる。断熱材103の露出側表面には、シート状のフィルム103aが設けられる。ここで、断熱材103およびフィルム103aはそれぞれ、第2実施例による断熱材102およびフィルム102aと同様に構成される。その他の構成は、第1および第2実施例と同様である。
また、ダンパ室22内に存在しているフライホイール16およびダンパ25が高速回転すると、この回転に従動してダンパ室22内の空気が回転する。この空気の回転によって、ダンパ室22内の空気から変速機ハウジング21に対流による熱交換が発生する。これに対し、変速機ハウジング21のハウジング表面24に断熱材103を設けることによって、ダンパ室22内の空気から変速機ハウジング21への熱伝導を抑制して、移動する熱量を低減できる。これにより、変速機20Cを低温に維持しやすくなり、結果としてエンジン10Cの保温性を向上できる。
(第4実施例)
次に、第4実施例について説明する。図7は、第4実施例によるエンジン10Dと変速機20Dとの締結部分の側部断面を示す概略図である。図7に示すように、第4実施例においては、第1実施例と同様に、エンジンブロック11の合わせ面13と変速機ハウジング21の合わせ面23との間の部分に、断熱材101が設けられる。なお、図7においては、締結ボルト110などの記載は省略している。さらに、第4実施例においては、第2実施例と同様に、エンジンブロック11のダンパ室22内における変速機ハウジング21側のブロック表面12に、露出側表面にシート状のフィルム102aが設けられた断熱材102が貼付されている。ここで、その他の構成、および断熱材101,102の材料の詳細については、第1および第2実施例と同様であり、フィルム102aの材料は、第2実施例と同様である。
次に、第4実施例について説明する。図7は、第4実施例によるエンジン10Dと変速機20Dとの締結部分の側部断面を示す概略図である。図7に示すように、第4実施例においては、第1実施例と同様に、エンジンブロック11の合わせ面13と変速機ハウジング21の合わせ面23との間の部分に、断熱材101が設けられる。なお、図7においては、締結ボルト110などの記載は省略している。さらに、第4実施例においては、第2実施例と同様に、エンジンブロック11のダンパ室22内における変速機ハウジング21側のブロック表面12に、露出側表面にシート状のフィルム102aが設けられた断熱材102が貼付されている。ここで、その他の構成、および断熱材101,102の材料の詳細については、第1および第2実施例と同様であり、フィルム102aの材料は、第2実施例と同様である。
第4実施例においては、エンジンブロック11の合わせ面13と変速機ハウジング21の合わせ面23との間の部分、およびエンジンブロック11のダンパ室22内における変速機ハウジング21側のブロック表面12にそれぞれ、断熱材101,102を設けている。合わせ面13,23の間に断熱材101を設けることにより、合わせ面13,23を介したエンジンブロック11から変速機ハウジング21への固体熱伝導を抑制できる。一方、固体熱伝導の抑制に伴って、エンジンブロック11のブロック表面12の温度は、合わせ面13,23の間に断熱材101を設けていない場合に比して高くなるため、相対的にエンジンブロック11からダンパ室22内の空気に移動する熱量が大きくなる。これに対して、エンジンブロック11のブロック表面12に断熱材102を貼付することによって、エンジンブロック11からダンパ室22内の空気への放熱を低減できる。これにより、第1および第2実施例に比して、エンジン10Dの保温性を向上しつつ、エンジンブロック11から変速機ハウジング21への熱伝導を大きく抑制できる。
(第5実施例)
次に、第5実施例について説明する。図8は、第5実施例によるエンジン10Eと変速機20Eとの締結部分の側部断面を示す概略図である。図8に示すように、第5実施例においては、第1実施例と同様に、エンジンブロック11の合わせ面13と変速機ハウジング21の合わせ面23との間の部分に、断熱材101が設けられる。なお、図8においては、締結ボルト110などの記載は省略している。さらに、第5実施例においては、第3実施例と同様に、変速機ハウジング21のエンジンブロック11側のハウジング表面24に、露出側表面にシート状のフィルム103aが設けられた断熱材103が貼付されている。その他の構成は、第1〜第3実施例と同様である。
次に、第5実施例について説明する。図8は、第5実施例によるエンジン10Eと変速機20Eとの締結部分の側部断面を示す概略図である。図8に示すように、第5実施例においては、第1実施例と同様に、エンジンブロック11の合わせ面13と変速機ハウジング21の合わせ面23との間の部分に、断熱材101が設けられる。なお、図8においては、締結ボルト110などの記載は省略している。さらに、第5実施例においては、第3実施例と同様に、変速機ハウジング21のエンジンブロック11側のハウジング表面24に、露出側表面にシート状のフィルム103aが設けられた断熱材103が貼付されている。その他の構成は、第1〜第3実施例と同様である。
第5実施例においては、エンジンブロック11の合わせ面13と変速機ハウジング21の合わせ面23との間の部分、および変速機ハウジング21のエンジンブロック11側のハウジング表面24にそれぞれ、断熱材101,103を設けている。合わせ面13,23の間に断熱材101を設けることにより、エンジンブロック11から変速機ハウジング21への固体熱伝導を抑制できる。一方、固体熱伝導の抑制に伴って、合わせ面13,23の間に断熱材101を設けていない場合に比して、相対的にエンジンブロック11からダンパ室22内の空気に伝導する熱量は大きくなる。これに伴って、ダンパ室22内の空気の温度も高くなり、ダンパ室22内の空気を介して変速機ハウジング21に移動する熱量も相対的に大きくなる。さらに、ダンパ室22内に存在しているフライホイール16およびダンパ25が高速回転すると、この回転に従動してダンパ室22内の空気が回転して対流による熱交換が生じる。これらの現象に対して、変速機ハウジング21のハウジング表面24に断熱材103を設けることによって、ダンパ室22内の空気から変速機ハウジング21への熱伝導を抑制して、移動する熱量を低減できる。これにより、第1実施例および第3実施例に比して、変速機20Eを低温に維持しやすくなるとともに、エンジン10Eの保温性を向上できる。
(第6実施例)
次に、第6実施例について説明する。図9は、第6実施例によるエンジン10Fと変速機20Fとの締結部分の側部断面を示す概略図である。図9に示すように、第6実施例においては、第1実施例と同様に、エンジンブロック11の合わせ面13と変速機ハウジング21の合わせ面23との間の部分に、断熱材101が設けられる。なお、図9においては、締結ボルト110などの記載は省略している。また、第6実施例においては、第2実施例と同様に、エンジンブロック11のブロック表面12に、露出側表面にシート状のフィルム102aが設けられた断熱材102が貼付されている。さらに、第6実施例においては、第3実施例と同様に、変速機ハウジング21のハウジング表面24に、露出側表面にシート状のフィルム103aが設けられた断熱材103が貼付されている。その他の構成は、第1〜第3実施例と同様である。
次に、第6実施例について説明する。図9は、第6実施例によるエンジン10Fと変速機20Fとの締結部分の側部断面を示す概略図である。図9に示すように、第6実施例においては、第1実施例と同様に、エンジンブロック11の合わせ面13と変速機ハウジング21の合わせ面23との間の部分に、断熱材101が設けられる。なお、図9においては、締結ボルト110などの記載は省略している。また、第6実施例においては、第2実施例と同様に、エンジンブロック11のブロック表面12に、露出側表面にシート状のフィルム102aが設けられた断熱材102が貼付されている。さらに、第6実施例においては、第3実施例と同様に、変速機ハウジング21のハウジング表面24に、露出側表面にシート状のフィルム103aが設けられた断熱材103が貼付されている。その他の構成は、第1〜第3実施例と同様である。
第6実施例においては、エンジンブロック11の合わせ面13と変速機ハウジング21の合わせ面23との間の部分、エンジンブロック11のブロック表面12、および変速機ハウジング21のハウジング表面24にそれぞれ、断熱材101,102,103を設けている。合わせ面13,23の間に断熱材101を設けることにより、エンジンブロック11から変速機ハウジング21への固体熱伝導を抑制できる。一方、固体熱伝導の抑制に伴って、エンジンブロック11のブロック表面12の温度は、合わせ面13,23の間に断熱材101を設けていない場合よりも高くなる。これに対し、ブロック表面12に断熱材102を設けていることにより、ブロック表面12からダンパ室22内の空気への熱伝導を抑制して、移動する熱量を低減できる。さらに、変速機ハウジング21のハウジング表面24に断熱材103を設けることによって、ダンパ室22内の空気から変速機ハウジング21への熱伝導を抑制して、移動する熱量を低減できる。これらによって、第4実施例および第5実施例に比してさらに、変速機20Fを低温に維持しやすくなるとともに、エンジン10Fの保温性を向上できる。
(第7実施例)
次に、第7実施例について説明する。図10は、第7実施例によるエンジン10Gと変速機20Gとの締結部分の側部断面を示す概略図である。図10に示すように、第7実施例においては、エンジンブロック11の合わせ面13と変速機ハウジング21の合わせ面23との間の部分、およびエンジンブロック11のブロック表面12に、断熱材104が一体で設けられる。なお、図10においては、締結ボルト110などの記載は省略している。また、断熱材104における少なくともダンパ室22内の空気が接触する部分に、シート状のフィルム104aが設けられる。なお、合わせ面13,23の間にも、フィルム104aを設けてもよい。ここで、断熱材104は、断熱材101,102と同様に構成され、材料としては、具体的に、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、メラミン樹脂、フェノール樹脂、または内部に空気層を有する多孔質材料が好ましい。また、フィルム104aは、第4実施例によるフィルム102aと同様に構成され、その他の構成も第4実施例と同様である。
次に、第7実施例について説明する。図10は、第7実施例によるエンジン10Gと変速機20Gとの締結部分の側部断面を示す概略図である。図10に示すように、第7実施例においては、エンジンブロック11の合わせ面13と変速機ハウジング21の合わせ面23との間の部分、およびエンジンブロック11のブロック表面12に、断熱材104が一体で設けられる。なお、図10においては、締結ボルト110などの記載は省略している。また、断熱材104における少なくともダンパ室22内の空気が接触する部分に、シート状のフィルム104aが設けられる。なお、合わせ面13,23の間にも、フィルム104aを設けてもよい。ここで、断熱材104は、断熱材101,102と同様に構成され、材料としては、具体的に、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、メラミン樹脂、フェノール樹脂、または内部に空気層を有する多孔質材料が好ましい。また、フィルム104aは、第4実施例によるフィルム102aと同様に構成され、その他の構成も第4実施例と同様である。
第7実施例による断熱材104においては、第4実施例における断熱材101と断熱材102とが一体に構成されている。これにより、パワートレーンの構成部品の部品点数を削減できるとともに、第4実施例による効果と同様の効果を得ることができる。さらに、エンジン10Gの構成部品と、断熱材104と、変速機20Gの構成部品とを組み付ける際に、エンジンブロック11のブロック表面12に1回の作業で断熱材104を固定できる。また、断熱材104をブロック表面12に固定してから、変速機20Gの構成部品を組み付けることができる。これらによって、第4実施例に比して作業工程を低減でき、あらかじめ断熱材104を固定することから、エンジン10Gと変速機20Gとの締結時に締結ボルト110を貫通させる穴の位置決め精度を向上できる。
(第8実施例)
次に、第8実施例について説明する。図11は、第8実施例によるエンジン10Hと変速機20Hとの締結部分の側部断面を示す概略図である。図11に示すように、第8実施例においては、エンジンブロック11の合わせ面13と変速機ハウジング21の合わせ面23との間の部分、および変速機ハウジング21のハウジング表面24に、断熱材105が一体で設けられる。なお、図11においては、締結ボルト110などの記載は省略している。また、断熱材105における少なくともダンパ室22内の空気が接触する部分に、シート状のフィルム105aが設けられる。なお、合わせ面13,23の間にも、フィルム105aを設けてもよい。ここで、断熱材105は、断熱材101,103と同様に構成され、材料としては、具体的に、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、メラミン樹脂、フェノール樹脂、または内部に空気層を有する多孔質材料が好ましい。また、フィルム105aは、第5実施例によるフィルム103aと同様に構成され、その他の構成も第5実施例と同様である。
次に、第8実施例について説明する。図11は、第8実施例によるエンジン10Hと変速機20Hとの締結部分の側部断面を示す概略図である。図11に示すように、第8実施例においては、エンジンブロック11の合わせ面13と変速機ハウジング21の合わせ面23との間の部分、および変速機ハウジング21のハウジング表面24に、断熱材105が一体で設けられる。なお、図11においては、締結ボルト110などの記載は省略している。また、断熱材105における少なくともダンパ室22内の空気が接触する部分に、シート状のフィルム105aが設けられる。なお、合わせ面13,23の間にも、フィルム105aを設けてもよい。ここで、断熱材105は、断熱材101,103と同様に構成され、材料としては、具体的に、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、メラミン樹脂、フェノール樹脂、または内部に空気層を有する多孔質材料が好ましい。また、フィルム105aは、第5実施例によるフィルム103aと同様に構成され、その他の構成も第5実施例と同様である。
第8実施例による断熱材105においては、第5実施例における断熱材101と断熱材103とが一体に構成されている。これにより、パワートレーンの構成部品の部品点数を削減できるとともに、第5実施例による効果と同様の効果を得ることができる。さらに、エンジン10Hの構成部品と、断熱材105と、変速機20Hの構成部品とを組み付ける際に、変速機20Hのハウジング表面24に1回の作業で断熱材105を固定できる上に、締結ボルト110(図11中、図示せず)によって断熱材105を固定できる。また、断熱材105をハウジング表面24に固定してから、エンジン10Hの構成部品を組み付けることができる。これらによって、第5実施例に比して作業工程を低減でき、断熱材105を締結ボルト110によってハウジング表面24にあらかじめ固定できることから、エンジン10Hと変速機20Hとの締結時に締結ボルト110を貫通させる穴の位置決め精度を向上できる。
(第9実施例)
次に、第9実施例について説明する。図12(A)は、第9実施例によるエンジン10Iと変速機20Iとの締結部分の側部断面を示す概略図であり、図12(B)は、図12(A)における断熱材を紙面右側から見た概略平面図である。なお、図12(A)においては、締結ボルト110などの記載は省略している。また、図12(B)に示す断熱材106は、実際には合わせ面13,23の形状(図2,図3参照)に沿った形状を有しているが、簡略化して記載している。
次に、第9実施例について説明する。図12(A)は、第9実施例によるエンジン10Iと変速機20Iとの締結部分の側部断面を示す概略図であり、図12(B)は、図12(A)における断熱材を紙面右側から見た概略平面図である。なお、図12(A)においては、締結ボルト110などの記載は省略している。また、図12(B)に示す断熱材106は、実際には合わせ面13,23の形状(図2,図3参照)に沿った形状を有しているが、簡略化して記載している。
図12(A),(B)に示すように、第9実施例においては、エンジンブロック11の合わせ面13と変速機ハウジング21の合わせ面23との間で、鉛直方向に沿ってウォータジャケット15の下端より下部に、選択的に断熱材106が設けられる。断熱材106の材料は、第1実施例における断熱材101と同様であり、その他の構成も第1実施例と同様である。
通常、車両Veにおいて、高負荷かつ高車速で走行する高温状態においては、エンジン10Iにおいて、上部と下部との間で温度差が生じる。すなわち、エンジン10Iの上部には、ウォータジャケット15が設けられ、ラジエータ(図示せず)により冷却された冷却水が内部を循環している。そのため、エンジン10Iの上部、特にウォータジャケット15の周辺は、エンジン10Iの下部や変速機20Iに比して低温になる。一方、エンジン10Iの下部は、燃焼室14などで加熱されたエンジンオイルによって変速機20I側よりも高温になる。
第9実施例による断熱材106は、上述した現象を考慮して、鉛直方向に沿ってウォータジャケット15の下端より下部に設けて、エンジン10Iのウォータジャケット15の下端よりも下部のみを断熱する。これによって、エンジン10Iにおけるエンジンブロック11の高温部分から変速機20Iの変速機ハウジング21への熱伝導を抑制できるのみならず、エンジン10Iの上部において、変速機20Iに生じた熱をエンジン10I側に熱伝導できる。そのため、第1実施例に比して、変速機20Iの冷却性をより一層向上でき、変速機20Iが到達する最高温度を低下させることができる。
以上説明した本発明の第1の実施形態によれば、走行後にエンジン10を停止させた際のエンジン10の保温性を向上できるので、次にエンジン10を始動させる際に、水温および油温が高い状態で始動可能になる。そのため、車両Veにおける間欠運転や排気ガス再循環(EGR:Exhaust gas recirculation system)の制御を早期に開始することが可能になる。さらに、エンジン10が比較的高温に維持されるため、エンジン10内における機械的な引き摺りを低減できる。また、エンジン10および変速機20に高負荷がかかる状態で走行する際に、変速機20への熱伝導を抑制できるので、変速機20の冷却性を向上でき、変速機20内に電気系統が設けられる場合に、その電気損失を低減することが可能になる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図13は、第2の実施形態によるHV車両の構成を示す概略図である。図13に示すように、第2の実施形態によるHV車両Ve2は、第1の実施形態と異なり、変速機20内に電動機(MG)28が設けられる一方、始動装置70が設けられていない。なお、HV車両に限定されるものではなく、プラグインハイブリッド(PHV)車両であってもよい。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。また、上述した第1の実施形態における第1〜第9実施例は、第2の実施形態によるHV車両Ve2にも適用可能である。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図13は、第2の実施形態によるHV車両の構成を示す概略図である。図13に示すように、第2の実施形態によるHV車両Ve2は、第1の実施形態と異なり、変速機20内に電動機(MG)28が設けられる一方、始動装置70が設けられていない。なお、HV車両に限定されるものではなく、プラグインハイブリッド(PHV)車両であってもよい。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。また、上述した第1の実施形態における第1〜第9実施例は、第2の実施形態によるHV車両Ve2にも適用可能である。
HV車両Ve2においては、第1の実施形態による車両Veに比して熱源となる部分が少ないことから、車両Veに比してエンジン10の温度を上昇させにくい。そのため、エンジン10の保温性を向上させる効果が顕著に現れる。すなわち、上述した第1〜第9実施例をHV車両Ve2に適用して、エンジン10から変速機20への熱伝導を抑制することによって、エンジン10の保温性を向上できるので、断熱材101〜106を用いない場合に比してエンジン10の温度が所定の適切な温度に到達するまでの時間を短縮できる。また、HV車両Ve2においては、変速機20の内部に電動機MGに代表される各種の電気部品が設けられる。エンジン10から変速機20への熱伝導を抑制することによって、変速機20の冷却性を向上でき、変速機20の内部を低温に維持できるので、電気部品の電気損失を低減できる。これにより、電動機28の電気効率を向上できるので、HV車両やPHV車両において、電動機28を動力源として走行する距離を増加できる。また、変速機20の内部を低温に維持できるため、電動機28に安価なフェナイトなどからなる磁石を用いたとしても、高温環境下で磁力が低下するいわゆる減磁が発生しにくくなるため、電動機28を低コスト化でき、ひいては変速機20を低コスト化できる。
また、HV車両Ve2において、HV走行からレディオフまたはイグニッションオフによってエンジン10を停止した場合においても、エンジン10の油温および水温を従来に比して高い温度に維持できる。そのため、エンジン10を、停止から数時間後に再始動する際に、油温および水温が高い状態でエンジン10を始動可能になる。これにより、エンジンの燃焼を早期に安定させることができるとともに、問欠運転やEGRなどの制御の開始を早期に行うことができる。また、エンジン10のフリクションを低減させることができるので、HV車両Ve2における燃料消費量を削減して燃費を向上できる。
(第10実施例)
次に、第2の実施形態による第10実施例について説明する。第10実施例においては、第2の実施形態によるHV車両Ve2の変速機20にトランスミッションオイルとして、従来に比して低粘度のオイルを用いる。具体的には、例えば従来用いられるトランスミッションオイルは、油温が40℃の場合の動粘度が約23mm2/sである。これに対し、第10実施例においては、トランスミッションオイルとして、従来の動粘度の2/3以下の動粘度、具体的に例えば約15mm2/sの低粘度のオイルを用いる。
次に、第2の実施形態による第10実施例について説明する。第10実施例においては、第2の実施形態によるHV車両Ve2の変速機20にトランスミッションオイルとして、従来に比して低粘度のオイルを用いる。具体的には、例えば従来用いられるトランスミッションオイルは、油温が40℃の場合の動粘度が約23mm2/sである。これに対し、第10実施例においては、トランスミッションオイルとして、従来の動粘度の2/3以下の動粘度、具体的に例えば約15mm2/sの低粘度のオイルを用いる。
上述した第1の実施形態における第1〜第9実施例を第2の実施形態によるHV車両Ve2に適用した場合、エンジン10から変速機20への熱伝導が抑制されることにより、変速機20の冷却性が向上する。そのため、電気部品の電気損失を低減できる一方、トランスミッションオイルの油温が低温に維持されるので、変速機20のメカフリクションが増加する。そこで、上述したように、トランスミッションオイルにおいて、油温が例えば40℃の低温時の粘度を低粘度にすることで、変速機20のフリクションによる損失を低減できる。変速機20における損失を低減できることから、変速機20の油温をさらに低下させることができ、変速機20内に設けられた電動機28に代表される電気部品の電気損失を低減できる。通常、低粘度のオイルにおいては、油温が高くなりすぎると粘度が低下しすぎて、ギヤやベアリングなどにおいて接触点が油切れ状態になりやすくなって金属接触が増え、耐久性が低下するおそれがある。これに対し、断熱材101〜106によって。エンジン10から変速機20への熱伝導を抑制して、変速機20を低温に維持することによって、変速機20の疲労寿命をさらに向上できる。したがって、低温時の変速機20の機械損失および電気損失を低減して、燃料の消費量を削減できるので、低燃費化を実現できるとともに、変速機20の疲労寿命をさらに向上できる。
また、例えばPHV車両等のEV走行モードによる走行を主に行う車両に適用する場合、変速機20の温度は、比較的高温に維持するのが好ましい。そこで、第3、第5、第6、第8実施例を、EV走行モードによる走行を主に行う車両に適用することによって、変速機ハウジング21のハウジング表面24から、エンジンブロック11と変速機ハウジング21との間の空間内の空気ヘの放熱を小さくできる。これにより、変速機20の保温性を向上できるので、変速機20の機械損失を小さくできる。
第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られるとともに、変速機20内を低温に維持できて冷却性を向上できて、電動機28の電気損失を低減できる一方、変速機20の保温性を向上させて機械損失を低減できるので、HV車両やPHV車両において低燃費化を実現できる。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述の実施形態において挙げた数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用いてもよい。
10,10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G,10H,10I エンジン
11 エンジンブロック
13,23 合わせ面
20,20A,20B,20C,20D,20E,20F,20G,20H,20I 変速機
21 変速機ハウジング
22 ダンパ室
101,102,103,104,105,106 断熱材
102a,103a,104a,105a フィルム
11 エンジンブロック
13,23 合わせ面
20,20A,20B,20C,20D,20E,20F,20G,20H,20I 変速機
21 変速機ハウジング
22 ダンパ室
101,102,103,104,105,106 断熱材
102a,103a,104a,105a フィルム
Claims (5)
- 内部にウォータジャケットが設けられたエンジンケースを有するエンジンと、変速機ケースを有する変速機とを備え、前記エンジンケースと前記変速機ケースとが締結されたパワートレーンにおいて、
前記エンジンケースおよび前記変速機ケースの熱伝導率よりも低い熱伝導率の低熱伝導体が、前記エンジンケースと前記変速機ケースとの間で、鉛直方向に沿って前記ウォータジャケットの下端より下部に設けられる
ことを特徴とするパワートレーン。 - 前記低熱伝導体は、複数の膜から構成され、断熱材料からなる膜を少なくとも1層含み前記断熱材料からなる膜以外の膜は非断熱材料からなることを特徴とする請求項1に記載のパワートレーン。
- 前記低熱伝導体は、不飽和ポリエステル、セラミック、または内部に空気層を有する多孔質材料からなることを特徴とする請求項1または2に記載のパワートレーン。
- 前記低熱伝導体の厚さが3mm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のパワートレーン。
- 前記変速機におけるオイルの動粘度が、油温が40℃の場合において15mm2/s以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のパワートレーン。
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