JP6417989B2 - 排気浄化システムの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、排気浄化システムの制御装置に関する。
従来、内燃機関の排気を浄化する後処理として尿素を用いる尿素SCR(Selective Catalytic Reduction)システムが公知である。尿素SCRシステムでは、排気に尿素を添加することにより、排気に含まれる窒素酸化物(NOx)を還元する。尿素水を噴射するインジェクタは、排気通路を流れる排気へ尿素水を噴射する。そのため、インジェクタは、高温の排気に晒され、尿素水を噴射する噴孔には尿素が析出しやすいという問題がある。析出した尿素の結晶は、尿素水の噴射を妨げ、排気の浄化効率が低下する要因となる。そこで、インジェクタから尿素を噴射した後、このインジェクタへ水を供給することが提案されている(特許文献1参照)。これにより、噴孔に析出した尿素を水で溶解しつつ洗浄することができる。
しかしながら、特許文献1の構成の場合、尿素の析出の有無に関わらず、尿素水に引き続いて水が噴射される。すなわち、特許文献1の場合、インジェクタの目詰まりを検出することなく、目詰まりの有無に関わらず尿素水の噴射の後に水を噴射している。そのため、尿素水の目詰まりに関係なく、尿素水とは別に水を供給するための配管などの設備が必要となる。
特開2010−90836号公報
そこで、本発明の目的は、簡単な構成でインジェクタの目詰まりを検出する排気浄化システムの制御装置を提供することにある。
請求項1または2記載の発明では、微分値算出手段は、取得手段で取得したインジェクタの駆動電流値を微分する。そして、判定手段は、この微分値算出手段で算出した駆動電流値の微分値に基づいてインジェクタの目詰まりの有無を判定する。インジェクタの駆動電流値は、噴射を開始する開弁時に大きく変化する。そして、インジェクタに目詰まりが無い場合、インジェクタの駆動電流値は、変化が小さくなる。これは、インジェクタの可動部はコイルによって駆動され、このコイルのインダクタンスの影響により駆動電流の変化が小さくなるからである。一方、インジェクタに目詰まりがある場合、インジェクタの駆動電流値は、変化が大きくなりやすい。そのため、目詰まりの有無によって、インジェクタの駆動電流値の変化には差異が生じる。つまり、駆動電流値を微分した微分値も、インジェクタの目詰まりの有無によって変化に特徴が生じる。そこで、判定手段は、この微分値の特徴から、インジェクタの目詰まりの有無を判定する。したがって、駆動電流値を取得するという簡単な構成でインジェクタの目詰まりを検出することができる。
請求項3または4記載の発明では、判定手段においてインジェクタに目詰まりがあると判定されると、インジェクタに供給する尿素水を増圧したり、インジェクタからの尿素水の噴射量を増加させる。これにより、インジェクタの目詰まりは、増圧または増量された尿素水によって除去される。したがって、インジェクタに生じた目詰まりを簡単な構成で除去することができる。
一実施形態による制御装置の構成を示すブロック図 一実施形態による排気浄化装置の構成を示す模式図 一実施形態による制御装置の電気的な構成を示す概略図 インジェクタに目詰まりが生じていないときの駆動電流値およびその微分値の変化を示す模式図 インジェクタに目詰まりが生じているときの駆動電流値およびその微分値の変化を示す模式図 一実施形態による制御装置の処理の流れを示す概略図 他の実施形態による制御装置の構成を示すブロック図
以下、一実施形態による排気浄化システムの制御装置を図面に基づいて説明する。
図2に示す排気浄化システム10は、例えば車両に搭載されている内燃機関11から排出される排気に尿素水を添加し、排気に含まれるNOxを還元するSCRシステムを構成している。内燃機関11の排気は、排気管部材12が形成する排気通路13を経由して大気へ放出される。内燃機関11は、例えばディーゼルエンジンである。なお、排気浄化システム10は、内燃機関11としてディーゼルエンジンに限らず、ガソリンエンジンやガスタービンエンジンに適用してもよい。また、排気浄化システム10は、車載の内燃機関11に限らず、例えば発電ユニットなどの据置型の内燃機関に適用してもよい。
排気浄化システム10は、尿素水タンク14、尿素水ポンプ15、尿素水通路部16および還元触媒17を備えている。尿素水タンク14は、尿素水である尿素の水溶液を貯えている。尿素水ポンプ15は、尿素水タンク14に収容されている。尿素水ポンプ15は、モータ151によって駆動される。すなわち、尿素水ポンプ15は、モータ151へ電力を供給することにより駆動され、尿素水タンク14から吸入した尿素水を加圧して、尿素水通路部16へ吐出する。尿素水通路部16は、尿素水通路18を形成している。還元触媒17は、排気管部材12が形成する排気通路13に設けられている。なお、尿素水ポンプ15は、尿素水タンク14の外部に設けてもよい。
排気浄化システム10は、上記に加えてインジェクタ19を備えている。尿素水通路18は、尿素水ポンプ15と反対側の端部がインジェクタ19に接続している。尿素水ポンプ15から吐出された尿素水は、尿素水通路18を経由してインジェクタ19に供給される。インジェクタ19は、排気管部材12に設けられている。インジェクタ19は、排気管部材12を貫いて先端が排気通路13に露出している。インジェクタ19へ供給された尿素水は、インジェクタ19の先端に設けられた図示しない噴孔から排気通路13を流れる排気へ噴射される。内燃機関11から排出された排気とインジェクタ19から噴射された尿素水とは、排気通路13において混合され、還元触媒17へ流入する。排気に含まれるNOxは、還元触媒17において尿素水に含まれる尿素と化学反応することにより還元される。
上述の排気浄化システム10は、制御装置20によって制御される。制御装置20は、図1に示すようにマイクロコンピュータ21、取得部22、微分値算出部23、判定部24および増圧制御部25を備えている。マイクロコンピュータ21は、図示しないCPU、ROMおよびRAMにより構成され、ROMに記憶されているコンピュータプログラムを実行することにより、排気浄化システム10を制御する。制御装置20は、それぞれポンプ駆動回路151およびインジェクタ駆動回路191を通して、尿素水ポンプ15およびインジェクタ19と電気的に接続している。これにより、制御装置20は、尿素水ポンプ15およびインジェクタ19へ供給する電力を制御し、これら尿素水ポンプ15およびインジェクタ19の駆動を制御する。
取得部22は、制御装置20からインジェクタ19へ供給される駆動電流を駆動電流値として取得する。制御装置20は、図3に示すように電気的な回路を構成している。図3に示す電気的な回路の一部は、図1に示すインジェクタ駆動回路191を構成している。マイクロコンピュータ21は、ハイサイドスイッチ回路31およびローサイドスイッチ回路32を挟んでインジェクタ19に接続している。インジェクタ19は、図示しない弁部材を駆動するためコイル33を有している。このコイル33は、通電によって弁部材を駆動する電磁力を発生する。マイクロコンピュータ21は、このコイル33への通電をオンまたはオフするとともに、コイル33へ供給する駆動電流を制御することにより、図示しない弁部材を駆動し、噴孔からの尿素水の噴射を断続する。また、ローサイドスイッチ回路32は、電流検出抵抗34に接続している。電流検出抵抗34は、インジェクタ19のコイル33へ供給される駆動電流を駆動電流値として検出するために設けられている。この電流検出抵抗34と並列に微分回路35が設けられている。微分回路35は、微分値算出部23の一部を構成している。
制御装置20は、マイクロコンピュータ21においてコンピュータプログラムを実行することにより、図1に示す微分値算出部23、判定部24および増圧制御部25をソフトウェア的に実現している。これら微分値算出部23、判定部24および増圧制御部25は、ハードウェア的に実現してもよく、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現してもよい。微分値算出部23は、図3に示す微分回路35で取得した値から駆動電流値の微分値を算出する。判定部24は、この微分値算出部23で算出した微分値に基づいて、インジェクタ19の目詰まりの有無を判定する。
インジェクタ19は、噴孔が設けられている先端が高温の排気が流れる排気通路13に露出している。そのため、尿素水の噴射中または噴射後に噴孔のまわりに付着した尿素水に含まれる水分は、高温の排気によって蒸発する。その結果、インジェクタ19の噴孔の周囲には、尿素水に含まれる尿素が結晶として析出しやすい。この析出した尿素の結晶は、噴孔の周囲に付着することにより噴孔を塞ぎ、インジェクタ19の目詰まりの原因となる。そこで、判定部24は、微分値算出部23で算出した微分値を用いて、インジェクタ19における目詰まりの有無を判断する。
増圧制御部25は、判定部24においてインジェクタ19に目詰まりがあると判定されたとき、インジェクタ19へ供給する尿素水の圧力を高める。具体的には、増圧制御部25は、尿素水ポンプ15に供給する電力を増加させる。これにより、尿素水ポンプ15から吐出される尿素水の圧力は高められる。インジェクタ19に圧力が高められた尿素水を供給することにより、インジェクタ19から噴射される尿素水の圧力も上昇する。そのため、インジェクタの噴孔の周囲に析出した尿素は、圧力が高められた尿素水によって除去される。すなわち、噴孔の周囲に析出した尿素の結晶は、尿素水によって洗浄される。これらの結果、インジェクタ19の目詰まりは解消される。
次に、本実施形態の微分値算出部23および判定部24による目詰まりの有無の判定について説明する。
微分値算出部23は、予め設定されたサンプリング期間Adにおいて、微分値dIを算出する。ここで、サンプリング期間Adは、噴射開始時から駆動電流値Itが予め設定された設定電流値に到達するまでに相当する。具体的には、図4および図5に示すように、制御装置20は、尿素水を噴射するとき、インジェクタ19に対して駆動信号を出力する。これにより、インジェクタ19のコイル33には、駆動電流が供給される。この駆動信号がオンになるときが噴射開始時となる。すなわち、噴射開始時は、インジェクタ19に尿素水の噴射が指示されたときである。駆動信号がオンになると、インジェクタ19のコイル33には駆動電流が流れる。この駆動電流は、インジェクタ19の図示しない弁部材の移動に応じて徐々に大きくなる。これは、通電によってコイル33に生じるインダクタンスの影響によるものである。そして、インジェクタ19のコイル33に流れる駆動電流は、予め設定された設定電流値に到達する。このように、噴射開始時から駆動電流が設定電流値に到達するまでの期間がサンプリング期間Adである。なお、図4および図5に示す例では、設定電流値は、変化する駆動電流のピークに一致しているが、このピークに一致しなくてもよい。このサンプリング期間Adは、数ミリ秒程度である。
微分値算出部23は、このサンプリング期間Adにおいて、駆動電流の微分値dIを算出する。上述のようにインジェクタ19のコイル33に流れる駆動電流は、インジェクタ19の図示しない弁部材の移動にともなって変化する。そして、この駆動電流は、時間的な変化率すなわち駆動電流値Itの傾きも変化する。すなわち、駆動電流の傾きに相当する微分値dIは、時間とともに、および弁部材の移動とともに変化する。詳細には、駆動電流の変化が大きなときは微分値dIは大きくなり、駆動電流の変化が小さなときには微分値dIは小さくなる。
インジェクタ19に目詰まりが無い場合、インジェクタ19の図示しない弁部材は速やかにかつ安定して移動する。そのため、駆動電流の波形には、図4に示すように値が一定に近い、すなわち駆動電流値Itの変化が小さな区間が生じる。その結果、インジェクタ19に目詰まりが無い場合、微分値dIがほぼ「0」に近い領域が生じる。これにより、インジェクタ19に目詰まりが無い場合、サンプリング期間における微分値dIの最大値と最小値との差分Δは大きくなる。そこで、判定部24は、サンプリング期間Adにおける微分値dIの最大値dI1と最小値dI2との差分Δが、予め設定した設定値X以上のとき、インジェクタ19に目詰まりが無いと判定する。設定値Xは、インジェクタ19の性能などに応じて任意に設定される。本実施形態の場合、例えば数(A/ミリ秒)程度に設定している。
一方、インジェクタ19に目詰まりがある場合、インジェクタ19の図示しない弁部材は析出した尿素の結晶によって移動が妨げられる。そのため、駆動電流の波形は、図5に示すように駆動電流値Itが安定する期間が少なくなる。その結果、インジェクタ19に目詰まりがある場合、微分値dIがほぼ「0」となる領域が生じない。これにより、インジェクタ19に目詰まりがある場合、サンプリング期間における微分値dIの最大値dI1と最小値dI2との差分Δは小さくなる。そこで、判定部24は、サンプリング期間Adにおける微分値dIの最大値dI1と最小値dI2との差分Δが、予め設定した設定値Xより小さいとき、インジェクタ19に目詰まりがあると判定する。
なお、微分値算出部23は、尿素水がインジェクタ19から噴射されるごとに、そのサンプリング期間Adに微分値dIを算出する。一方、判定部24は、微分値dIを算出するごとに目詰まりの有無を判定してもよく、複数回の微分値dIを算出した後にこれら複数回の微分値dIを考慮して目詰まりの有無を判定してもよい。
次に、上記の構成による制御装置20の作動の流れを図6に基づいて説明する。
制御装置20は、インジェクタ19から尿素水を噴射するごとに目詰まりの判定を行なう。インジェクタ19からの尿素水の噴射が指示されると、取得部22はインジェクタ19のコイル33へ供給される駆動電流を駆動電流値Itとして取得する(S101)。すなわち、取得部22は、制御装置20からインジェクタ19へ出力される駆動信号がオンされると、駆動電流値Itを取得する。微分値算出部23は、取得部22がS101で取得した駆動電流値Itを用いて、この駆動電流値Itの微分値dIを算出する(S102)。微分値算出部23は、サンプリング期間Adが経過するまで微分値dIの算出を継続する。すなわち、微分値算出部23は、サンプリング期間Adが経過したか否かを判断する(S103)。微分値算出部23は、サンプリング期間Adが経過していないと判断すると(S103:No)、S101以降の処理を一定の時間間隔で繰り返す。すなわち、微分値算出部23は、サンプリング期間Adが経過するまで、一定の時間間隔で複数の微分値dIを算出し、算出した微分値dIをマイクロコンピュータ21の図示しないRAMなどに記憶する。
微分値算出部23は、サンプリング期間Adが経過したと判断すると(S103:Yes)、差分Δを算出する(S104)。差分Δは、サンプリング期間Adの間に算出された複数の微分値dIから、最大値dI1と最小値dI2との差として算出される。すなわち、微分値算出部は、差分Δを、Δ=dI1−dI2として算出する。
判定部24は、S104で算出した差分Δが予め設定された設定値Xより小さいか否かを判断する(S105)。判定部24は、この差分Δが設定値Xより小さいと判断したとき(S105:Yes)、インジェクタ19に目詰まりが生じていると判定する(S106)。上述のように、インジェクタ19に目詰まりが生じているとき、インジェクタ19に供給される駆動電流値Itがサンプリング期間Adの一部でほぼ一定となること、つまり微分値dIが「0」に近い値となることはない。そのため、微分値dIのうち最大値dI1と最小値dI2との差分Δは、設定値Xより小さくなる。そこで、判定部24は、差分Δが設定値Xより小さいとき、インジェクタ19に目詰まりが生じていると判定する。一方、判定部24は、差分Δが設定値Xより小さくないと判断したとき(S105:No)、つまり差分Δが設定値X以上であると判断したとき、インジェクタ19に目詰まりが生じていないと判定する(S107)。そして、制御装置20は、S101へリターンし、S101以降の処理を繰り返す。
増圧制御部25は、S106においてインジェクタ19に目詰まりがあると判定されると、この判定された回数が予め設定された設定回数Aに到達したか否かを判断する(S108)。設定回数は、1回以上の任意の回数に設定することができる。増圧制御部25は、設定回数Aに到達したと判断すると(S108:Yes)、尿素水の圧力を高める(S109)。すなわち、増圧制御部25は、尿素水ポンプ15から吐出される尿素水の圧力を上昇させる。これにより、インジェクタ19に目詰まりがあると判定されたとき、目詰まりの原因となる尿素は増圧された尿素水によって除去される。一方、増圧制御部25は、設定回数Aに到達していないと判断すると(S108:No)、S101へリターンする。これにより、制御装置20は、S101以降の処理を繰り返す。
以上説明したように、一実施形態では、微分値算出部23は、取得部22で取得したインジェクタ19の駆動電流値Itを微分して、微分値dIを算出する。判定部24は、微分値算出部23で算出した駆動電流値Itの微分値dIに基づいてインジェクタ19の目詰まりの有無を判定する。インジェクタ19の駆動電流値Itの変化は、インジェクタ19の目詰まりの有無によって差異が生じる。つまり、駆動電流値Itを微分した微分値dIも、インジェクタ19の目詰まりの有無によって変化に特徴が生じる。そこで、判定部24は、この微分値dIから、インジェクタ19の目詰まりの有無を判定する。したがって、駆動電流値Itを取得するという簡単な構成でインジェクタ19の目詰まりを検出することができる。
また、一実施形態では、インジェクタ19の目詰まりの判定に、微分値dIの最大値dI1と最小値dI2との差分Δを用いている。サンプリング期間Adの間に取得した駆動電流値Itの変化によって、微分値dIには最大値dI1と最小値dI2との間に差分Δが生じる。この差分Δは、目詰まりがあるとき小さく、目詰まりがないとき大きくなる。このように、判定部24は、差分Δの特性を用いて、目詰まりの有無を判定する。したがって、簡単な処理でインジェクタ19の目詰まりの有無を精度よく判定することができる。
さらに、一実施形態では、判定部24においてインジェクタ19に目詰まりがあると判定されると、増圧制御部25はインジェクタ19に供給する尿素水を増圧する。これにより、インジェクタ19の目詰まりは、増圧された尿素水によって除去される。したがって、インジェクタ19に生じた目詰まりを簡単な構成で除去することができる。
(その他の実施形態)
以上説明した一実施形態は、次のように変更してもよい。
上述の例では、判定部24は、微分値dIの最大値dI1と最小値dI2との差分Δが設定値Xより小さいとき、インジェクタ19に目詰まりがあると判定している。これに対し、判定部24は、微分値dIの最小値dI2だけを算出し、この最小値dI2が予め設定された設定最小値X1より大きいとき、インジェクタ19に目詰まりがあると判定してもよい。この場合、設定最小値X1は、インジェクタ19をはじめとする排気浄化システム10の特性に応じて任意に設定することができる。
また、上述の例では、インジェクタ19に目詰まりがあると判定されたとき、増圧された尿素水によって目詰まりを除去している。これに対し、図7に示すように噴射増量制御部41を備えていてもよい。噴射増量制御部41は、判定部24においてインジェクタ19に目詰まりがあると判定されたとき、インジェクタ19から噴射する尿素水の量を増加させる。具体的には、噴射増量制御部41は、インジェクタ19からの尿素水の噴射期間を延長したり、尿素水ポンプ15からインジェクタ19へ供給する尿素水の単位時間あたりの供給量を増加させる。これにより、インジェクタ19から噴射される尿素水は増加する。そのため、インジェクタ19の噴孔の周囲に析出した尿素は、増量された尿素水によって除去される。すなわち、噴孔の周囲に析出した尿素の結晶は、尿素水によって洗浄される。これらの結果、インジェクタ19の目詰まりを解消することができる。
以上説明した本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
図面中、10は排気浄化システム、11は内燃機関、13は排気通路、19はインジェクタ、20は制御装置、22は取得部(取得手段)、23は微分値算出部(微分値算出手段)、24は判定部(判定手段)、25は増圧制御部(増圧制御手段)、41は噴射増量部(噴射増量制御手段)を示す。

Claims (4)

  1. 内燃機関(11)の排気が流れる排気通路(13)へ尿素水を噴射するインジェクタ(19)を備える排気浄化システム(10)において、前記排気浄化システム(10)を制御する制御装置(20)であって、
    前記インジェクタ(19)へ供給される駆動電流を駆動電流値として取得する取得手段(22)と、
    前記取得手段(22)で取得した前記駆動電流値を微分して、微分値を算出する微分値算出手段(23)と、
    前記微分値算出手段(23)で算出した前記微分値に基づいて、前記インジェクタ(19)の目詰まりの有無を判定する判定手段(24)と、
    を備え
    前記微分値算出手段(23)は、1回以上の尿素水の噴射期間において、前記インジェクタ(19)へ尿素水の噴射が指示された噴射開始時から、前記駆動電流値が予め設定された設定電流値に到達するまで、前記微分値を算出し、
    前記判定手段(24)は、算出した前記微分値のうち最大となる最大微分値と、算出した前記微分値のうち最小となる最小微分値との差である微分値差が予め設定された設定値より小さいと判断すると、前記インジェクタ(19)に目詰まりがあると判定する排気浄化システムの制御装置。
  2. 内燃機関(11)の排気が流れる排気通路(13)へ尿素水を噴射するインジェクタ(19)を備える排気浄化システム(10)において、前記排気浄化システム(10)を制御する制御装置(20)であって、
    前記インジェクタ(19)へ供給される駆動電流を駆動電流値として取得する取得手段(22)と、
    前記取得手段(22)で取得した前記駆動電流値を微分して、微分値を算出する微分値算出手段(23)と、
    前記微分値算出手段(23)で算出した前記微分値に基づいて、前記インジェクタ(19)の目詰まりの有無を判定する判定手段(24)と、
    を備え、
    前記微分値算出手段(23)は、1回以上の尿素水の噴射期間において、前記インジェクタ(19)へ尿素水の噴射が指示された噴射開始時から、前記駆動電流値が予め設定された設定電流値に到達するまで、前記微分値を算出し、
    前記判定手段(24)は、算出した前記微分値の最小値が予め設定された設定最小値より大きいと判断すると、前記インジェクタ(19)に目詰まりがあると判定する排気浄化システムの制御装置。
  3. 前記判定手段(24)で前記インジェクタ(19)に目詰まりがあると判定されると、前記インジェクタ(19)へ供給する尿素水の圧力を高める増圧制御手段(25)をさらに備える請求項1または2記載の排気浄化システムの制御装置。
  4. 前記判定手段(24)で前記インジェクタ(19)に目詰まりがあると判定されると、前記インジェクタ(19)から噴射する尿素水を増加させる噴射増量制御手段(41)をさらに備える請求項1または2記載の排気浄化システムの制御装置。
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