JP6417795B2 - 光源装置及び該光源装置を備えたプロジェクタ - Google Patents
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特許文献2に示された光源装置では、光源の冷却手段に加えて、蛍光体ホイール専用の送風機を要し、更に蛍光対ホイール及び送風機を収容するケースを要するので、光源装置の小型化が困難になり、部品点数増加により製造コストも増大する。
少なくとも1つの半導体レーザと、
複数のフィンが備えられた前記半導体レーザの冷却装置と、
前記半導体レーザからの光が入射する蛍光体ホイールと、
を備え、
前記蛍光体ホイールの一部が、前記半導体レーザの冷却装置の前記フィンとフィンの間に配置されている。
画像データに基づいて、前記光源装置から出射された複数の波長帯域の光を順次変調して画像を形成する光変調手段と、
前記画像を拡大して投射する投射手段と、
を備えている。
本実施態様によれば、第2の複数のフィンが駆動モータを取り囲むように配置されているので、フィンの冷却面の面積を増大させて、駆動モータ及び回転軸を介して連結された蛍光体ホイールをより効率的に冷却することができる。
次に、本発明の実施態様の光源装置及びこの光源装置を備えたプロジェクタについて、以下に図面を用いながら詳細に説明する。
まず、図1及び2を参照しながら、本発明に係る光源装置の一実施形態について、その概要を説明する。なお、図1は、本発明の光源装置の1つの実施形態を示す斜視図である。図2(a)は、図1に示す光源装置から冷却装置のファンを除いて示した平面図であり、図2(b)は、図2(a)の矢印A−Aから見た光源装置の側面図である。
図1に示すように、本実施形態の光源装置2は、複数の半導体レーザ12を備えた光源部10、集光レンズ20、蛍光板ホイール30、蛍光板ホイールを回転させる駆動モータ40、冷却装置50及び受光レンズ70を備える。
なお、半導体レーザ12で青色光を出射する場合には、その波長は、370〜500nm内の光を発することが望ましく、420〜500nm内の光を発することが更に望ましい。
また、本実施形態では、緑・赤・青の3領域としているが、4つ以上の領域としてもよい。青色と黄色による白色光領域や、緑・赤・青の領域を増やしてそれぞれ2つずつとしてもよい。
なお、蛍光体ホイール30の出射側に更に1枚の基板を加え、そこにバンドパスフィルターを設けてもよい(図示せず)。こうすることにより、より純粋な緑や赤色を得ることができる。
駆動モータ40は、ブラシレス直流駆動モータであり、その回転軸40aと集光レンズ20の光軸とが平行になるように配置されている。また、回転軸40aに対して蛍光体ホイール30の面が垂直となるように固定されている。駆動モータ40の回転速度は、再生する動画のフレームレート(1秒当たりのフレーム数。単位は[fps])に基づく回転速度となる。例えば、60[fps]の動画を再生可能とする場合、駆動モータ40(つまり蛍光体ホイール30)の回転速度は、毎秒60回転の整数倍に定めるとよい。
次に、冷却装置50について、図1及び2を用いて説明する。半導体レーザ12の発熱に起因して光源部10が高温になるため、光源装置2には、半導体レーザ12を冷却するための冷却装置50が備えられている。この冷却装置50は、光源部10のベースプレート12と接続されたヒートパイプ(パイプ状のヒートシンク)56と、ヒートパイプ56を冷却するための複数のフィン52とが備えられている。このヒートパイプ56は、光源部10のベースプレート12と接触して、半導体レーザ12を冷却する冷却領域と、複数のフィン52の間に挿入されて冷却される被冷却部とを有する。ヒートパイプ56の中に封入された冷却媒体は、冷却領域で半導体レーザ12から熱を奪って気化し、被冷却領域でフィン52による冷却で凝縮し、このサイクルを繰り返すことによって、半導体レーザ12を連続的に冷却することができる。
蛍光体ホイールを有する光源装置において、近年、高出力を得るため、半導体レーザから蛍光体に照射する光の出力を高める傾向にあり、これに従い、半導体レーザだけでなく、蛍光体の発熱量が増大して蛍光体がより高温になる傾向にある。このため、蛍光体の変換効率が低下する問題が生じるようになっている。これに対処するため、蛍光体ホイールを冷却することが考えられるが、元々高温となる半導体レーザの冷却装置に加えて、蛍光体ホイールを冷却するための冷却装置を備えることになると、部品点数が増加するので製造コストが増大し、更に、光源装置を小型化することも困難になる。
蛍光体ホイール30と隣接するフィン52との間の間隔は、蛍光体ホイール30の回転中に、多少振れが生じてもフィン52と接触することがないだけのクリアランスを有する必要があるが、その範囲内において狭い方が、ファン54の吸引による冷却媒体の流速を高めることができる。よって、蛍光体ホイール30の冷却効率を高めることができる。
フィン52とフィン52の間に配置されている蛍光体ホイール30の一部としては、蛍光体32G、32Rが塗布された領域(図8(b)参照)を例示することができるが、これに限られるものではない。フィン52、駆動モータ40、駆動モータ40の支持部材42等の寸法に応じて、任意に定めることができる。
蛍光体ホイール30の一部が、半導体レーザ12の冷却装置50のフィン52とフィン52の間に配置されている構造について、更に詳細説明を行う。まず、本発明の光源装置の蛍光体ホイールの冷却機構に関する第2の実施形態を、図1〜図3を用いて説明する。図3は、本発明の光源装置の蛍光体ホイールの冷却機構に関する第2の実施形態を模式的に示す平面図である。図3(a)は、蛍光体ホイール30とフィン52との位置関係を明確に示すための模式的な平面図であり、フィン52の上下端を塞ぐ板状部材58は描かれていない。図3(b)は、板状部材58が描かれた光源装置2を上から見た平面図である。図1及び図3、特に図3から明らかなように、本実施形態では、蛍光体ホイール30が配置される領域の一部のフィン52が切り欠かれている。切り欠くフィン52の枚数は、複数のフィン52が配置されるピッチと、蛍光体ホイール30の厚みに応じて適宜定められる。蛍光体ホイール30と隣接する半導体レーザ12との間の間隔は、蛍光体ホイール30の回転中に、多少振れが生じてもフィン52と接触することがないだけのクリアランスを有する必要があるが、その範囲内において狭い方が、ファン54の吸引による冷却媒体の流速を高めることができる。よって、蛍光体ホイール30の冷却効率を高めることができる。
次に、本発明の光源装置の蛍光体ホイールの冷却機構に関する第3の実施形態をとして、図4を用いて説明する。図4は、本発明の光源装置の蛍光体ホイールの冷却機構に関する第3の実施形態を模式的に示す平面図である。図4(a)は、第3の実施形態の蛍光体ホイール30とフィン52との位置関係を明確に示すための模式的な平面図であり、図3(a)と同様に、フィン52の上下端を塞ぐ板状部材58は描かれていない。図4(b)及び(c)は、板状部材58が描かれた光源装置2を上から見た平面図である。
回転軸40a(つまり回転中心)側に伸びて形成されているフィン52の枚数は、図4では、蛍光体ホイール30の両側に1枚ずつであるが、蛍光体ホイール30の両側に複数枚数伸ばして形成することもできる。
蛍光体ホイール30と隣接する半導体レーザ12との間の間隔は、蛍光体ホイール30の回転中に、多少振れが生じてもフィン52と接触することがないだけのクリアランスを有する必要があるが、その範囲内において狭い方が、ファン54の吸引による冷却媒体の流速を高めることができる。よって、蛍光体ホイール30の冷却効率を高めることができる。
なお、ファン54の吸引による冷却媒体の流れによって、回転軸40a(つまり回転中心)側に伸びて形成されているフィン52がばたつくことがないように、これらのフィン52の厚みを他のフィン52の厚みよりも厚くして、強度を向上させることも考えられる。この場合、メンテナンス中の損傷防止等にも有利である。
次に、本発明の光源装置の蛍光体ホイールの冷却機構に関する第4の実施形態を、図5を用いて説明する。図5(a)は、第4の実施形態の特徴部分である駆動モータ40の周りに設けられた第2のフィン62の概要を示すための模式的な平面図であり、図5(b)は、図5(a)の矢印B−Bから見た側面図であり、図5(c)は、図5(a)の矢印C−Cから見た断面図である。
蛍光体ホイール30を駆動する駆動モータ40も発熱するため、回転軸40aを介して連結された蛍光体ホイール30の温度を上昇される要因の1つとなる。そこで、この第4の実施形態によれば、蛍光体ホイール30を駆動する駆動モータ40の支持部材42に第2の複数のフィン62が備えられている。この第2の複数のフィン62により構成された冷却手段を、第2の冷却装置60と称する。
上述の蛍光体ホイールの冷却機構に関する第4の実施形態では、半導体レーザ12を冷却する冷却装置50の複数の冷却フィン52と、駆動モータ40の支持部材42に設けられた第2の複数のフィン62とが、別々に形成されているが、これに限られるものではない。例えば、蛍光体ホイール30、駆動モータ40及びフィン52/62の位置関係を明確に示すための模式的な平面図である図6に示すように、冷却フィン52と第2の複数のフィン62とを一体的に形成することもできる。この場合、上述のような支持棒64等を用いることなく、駆動モータ40の周囲のフィンを配置することができる。また、ファン54によって、蛍光体ホイール30及び駆動モータ40を効率的に冷却することができる。
上述の実施形態では、半導体レーザ12を冷却する冷却装置50として、ヒートパイプ56を介して半導体レーザ12を冷却しているが、これに限られるものではない、例えば、光源装置2の平面図である図7に示すように、ヒートパイプ56を介さずに、複数の冷却フィン52で半導体レーザ12を冷却することもできる。これを実現するため、例えば、半導体レーザ12が取り付けられた光源部10のベースプレート14を光源部10の横側(図7であれば右側)に伸ばして、伸ばされたベースプレート14に、複数の冷却フィン52から構成される冷却装置50を取り付ける構成が考えられる。この場合においても、半導体レーザ12を冷却する複数の冷却フィン52の間に、蛍光体ホイール30を配置することにより、蛍光体ホイール30を効率的に冷却することができる。
次に、図9を用いて、上述の実施形態で示した光源装置2を、いわゆる1チップ方式のDLPプロジェクタにおける光源装置として用いる場合を説明する。なお、図9は、上述の実施形態で示した光源装置2を備えたプロジェクタ100の構成を示す模式図である。
図9において、光源装置2から出射された光は、光空間変調器であるDMD(Digital Micromirror Device)素子110で反射され、投射手段である投射レンズ120によって集光されて、スクリーンSCに投影される。DMD素子は、スクリーンに投影された画像の各画素に相当する微細なミラーをマトリックス状に配列したものであり、各ミラーの角度を変化させてスクリーンへ出射する光を、マイクロ秒単位でオン/オフすることができる。
また、各ミラーをオンにしている時間とオフにしている時間の比率によって、投射レンズへ入射する光の階調を変化させることにより、投影する画像の画像データに基づいた階調表示が可能になる。
本実施形態によれば、蛍光体ホイール30の効率的な冷却が可能であるとともに、小型化が可能で部品点数増加による製造コストの増大を抑制可能な光源装置2を備えるので、小型化が可能で製造コストの増大を抑制可能なプロジェクタを提供することができる。
10 光源部
12 半導体レーザ
14 ベースプレート
20 集光レンズ
30 蛍光体ホイール
31G、R、B 誘電体膜領域
32G、R 蛍光体領域
32B 青色透過領域
40 駆動モータ
42 支持部材
50 冷却装置
52 フィン
54 ファン
56 ヒートパイプ
58 板状部材
60 第2の冷却装置
62 第2のフィン
64 支持棒
70 受光レンズ
100 プロジェクタ
110 DMD素子
120 投射レンズ
SC スクリーン
Claims (6)
- 少なくとも1つの半導体レーザと、
複数のフィンが備えられた前記半導体レーザの冷却装置と、
前記半導体レーザからの光が入射する蛍光体ホイールと、
を備え、
前記蛍光体ホイールの一部が、前記半導体レーザの冷却装置の前記フィンとフィンの間に配置され、
前記蛍光体ホイールが配置される領域の一部のフィンが切り欠かれており、
前記複数のフィンの両端を塞ぐ板状部材を有し、前記板状部材が、前記フィンが切り欠かれているところを塞いでいることを特徴とする光源装置
- 前記半導体レーザからの光の光路以外の領域に、前記半導体レーザの冷却装置の前記フィンが備えられていることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
- 前記冷却装置が、前記フィンに沿った冷却媒体の流れを作るためのファンを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の光源装置。
- 前記蛍光体ホイールを駆動する駆動モータの支持部材に、第2の複数のフィンが備えられていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の光源装置。
- 前記第2の複数のフィンが前記駆動モータを取り囲むように配置されていることを特徴とする請求項4に記載の光源装置。
- 請求項1から5の何れか1項に記載の光源装置と、
画像データに基づいて、前記光源装置から出射された複数の波長帯域の光を順次変調して画像を形成する光変調手段と、
前記画像を拡大して投射する投射手段と、
を備えたプロジェクタ。
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