JP6417346B2 - 半導体マッハツェンダ光変調器 - Google Patents

半導体マッハツェンダ光変調器 Download PDF

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Description

本発明は、光通信などに用いる光変調器であるInP系半導体マッハツェンダ光変調器に関する。
増大する通信トラフィック需要に対応するために、光信号の多重度を上げる研究が盛んに行われている。光信号の多重度を上げる具体的な方式として、1シンボルに2値(多重度2)を割り当てることにより伝送容量を2倍にする4値位相変調方式(QPSK)、1シンボルに4値(多重度4)を割り当てることにより伝送容量を4倍にする16値直交振幅変調方式(16QAM)等の多値光変調方式が知られている。また、光偏波多重により伝送容量を2倍にする方法も知られている。
これらの多値光変調を実行する場合には、光変調器としてI/Q変調器が用いられる。I/Q変調器は、別名直交変調器とも呼ばれ、直交する光電界成分(Iチャンネル、Qチャンネル)を独立して生成可能な変調器であり、マッハツェンダ(Mach Zehnder)変調器を並列接続した特殊な構成を有している。
近年、光送信器モジュールの小型化、低消費電力化を実現すべく、ニオブ酸リチウム(LN:LiNbO3)を材料とするマッハツェンダ光変調器から、InPをはじめとする半導体マッハツェンダ光変調器の研究開発が注目を集めている。
半導体マッハツェンダ光変調器は、従来のLN変調器に比べ、小型であり、低駆動電圧という特徴があるものの、光送信器モジュールのトレンドに従い、より一層の小型化、広帯域化、低消費電力化の実現が求められている。小型化、広帯域化および低消費電力化を行うためには、電極構造および長さを工夫することが有効な手法として知られている(例えば、非特許文献1および2参照)。
図1に、従来の半導体マッハツェンダ光変調器の第1の例を示す。図1(a)に示すように、半導体マッハツェンダ光変調器は、入力用導波路101に接続された光分波器102と、出力用導波路105に接続された光合波器104と、光分波器102および光合波器104の間を接続する2本のアーム導波路103a,103bとからなるマッハツェンダ干渉計を有している。図1(b)に示すように、アーム導波路103a,103bの上部には進行波電極111a,111bが形成され、グランド電極112a〜112cとともにコプレナ線路を形成している。図1(c)に示すように、進行波電極111a,111bのそれぞれに、変調用の信号源121a,121bと終端抵抗122a,122bとを接続し、駆動電圧として高周波信号を印加することにより、入力された光信号を変調することができる。
各々の光導波路は、光が伝搬するコア層として、多重量子井戸層を用いる。量子多重井戸層は、無歪の井戸層と、無歪の障壁層からなる。例えば、非特許文献1の素子サイズは、7.5mm×1.3mmというサイズで、駆動電圧3Vにおいて80Gb/sという広帯域を実現しているものの、より小型で、より低電圧駆動(例えば2V以下)が求められている。
例えば、小型化と広帯域化は、位相変調部の電極長を短くすることで実現することが可能であるが、電極長を短くするということは、位相変調に寄与する領域が短くなることを意味し、駆動電圧が高くなってしまう。逆に、低駆動電圧化は、位相変調部の電極長を長くすることで実現可能であるが、電極の配線損失が増加するため、帯域が劣化してしまい、かつ素子サイズが大きくなってしまう。
図2に、従来の半導体マッハツェンダ光変調器の第2の例を示す。広帯域化の手法として、電極損失を低くすることができる容量装荷型構造が知られている(例えば、非特許文献3参照)。半導体マッハツェンダ光変調器は、入力用導波路201に接続されたY分岐器202と、出力用導波路205a,205bに接続されたMMI(Multi-Mode Interferometer)204と、Y分岐器202およびMMI204の間を接続する2本のアーム導波路203a,203bとからなるマッハツェンダ干渉計を有している。アーム導波路203a,203bに沿って進行波電極211a,211bが形成され、進行波電極から分岐された複数の小電極がアーム導波路上に設けられている。進行波電極211a,211bのそれぞれに、変調用の信号源221と終端抵抗222とを接続することにより、容量装荷型の半導体マッハツェンダ光変調器として動作する。
第2の例では、アーム導波路上に位相変調領域に寄与しない部分が生じるため、第1の例の構造と比べて、電極長が長くなり、素子サイズが大きくなってしまうというデメリットが生じる。
特開平8−064904号公報
N. Kikuchi et al., "80 Gb/s low driving-voltage InP DQPSK modulator with an n-p-i-n structure," IEEE Photonics Tecl1nol.Lett., vol. 21, no. 12, pp. 787-789, 2009 Naoya Kono et al., "Compact and Low Power DP-QPSK Modulator Module with InP-Based Modulator and Driver ICs," OFC2013, OW1G.2 H.N.Klein et al., "1.55μm Mach-Zehnder Modulators on InP for optical 40/80 Gbit/s transmission networks,"OFC2006, pp. 171-173
上述したように、広帯域化、小型化および低消費電力化は、それぞれトレードオフの関係にあるため、電極構造の電気的な工夫のみでは、小型化、広帯域化、低消費電力化の全てを同時に実現することは不可能であった。
本発明の目的は、半導体マッハツェンダ光変調器のコアを形成する多重量子井戸(MQW:Multi-Quantum Well)構造を最適化し、量子閉じ込めシュタルク効果(QCSE)による屈折率変化量が大きくなるような構造を実現することにより、変調効率を向上させることにより、小型化、広帯域化、低駆動電圧化を同時に実現する半導体マッハツェンダ光変調器を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、一実施態様は、入力用導波路に接続された光分波器と、出力用導波路に接続された光合波器と、前記光分波器および前記光合波器の間を接続する2本のアーム導波路とからなるマッハツェンダ干渉計を有し、前記アーム導波路上に形成された電極に駆動電圧を印加することにより、入力された光信号を変調する半導体マッハツェンダ光変調器であって、前記アーム導波路のコア層は、InとGaとAlとAsとからなり、引張歪を有する井戸層(343)と、InとAlとAsとからなる障壁層(344)とを含む多重量子井戸構造を有することを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、変調効率を向上させることにより、半導体マッハツェンダ光変調器の小型化、広帯域化、低駆動電圧化を同時に実現することができる。
従来の半導体マッハツェンダ光変調器の第1の例を示す図である。 従来の半導体マッハツェンダ光変調器の第2の例を示す図である。 基板上の多重量子井戸構造の格子整合を説明するための図である。 歪み材料におけるバンド構造を示す図である。 本発明の第1の実施形態にかかる半導体マッハツェンダ光変調器の断面図である。 第1の実施形態にかかる半導体マッハツェンダ光変調器の製造方法を示す図である。 第1の実施形態にかかる半導体マッハツェンダ光変調器の多重量子井戸構造を示す図である。 歪みによる光吸収の変化を説明するための図である。 印加電圧に対する吸収損失変化(V−Δα)特性と印加電圧に対する位相変化(V−Δφ)特性を示す図である。 引張歪量に対するΔφ/Δαを示す図である。 本発明の第2の実施形態にかかる半導体マッハツェンダ光変調器の断面図である。 第2の実施形態にかかる半導体マッハツェンダ光変調器の多重量子井戸構造を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。本実施形態の半導体マッハツェンダ光変調器においては、多重量子井戸(MQW)構造の井戸層(ウェル)における引張歪(伸張歪)(特許文献1)を利用する。
半導体マッハツェンダ光変調器といった半導体素子は、例えば、InPなどの半導体基板上に形成される。半導体基板の格子定数をasubとし、歪み材料(ここでは井戸層)の格子定数をastrainとした場合、歪量εは次式(1)で与えられる。
ε=(astrain − asub)/asub (1)
図3を参照して、基板上の多重量子井戸構造の格子整合を説明する。紙面水平右方向が面内方向の格子整合の歪量、紙面上方向が膜厚方向の格子整合の歪量とした場合、図3(b)のように格子整合が合っている場合(格子整合系)、緊張(strain)はなく、歪量εは零(ε=0)となる。また、図3(a)のように伸張歪系の場合には、基板と歪材料との間において、面内方向に伸張する分、膜厚方向に圧縮し歪量εは零より小さく(ε<0)なる。さらに、図3(c)のように、圧縮歪系の場合には、基板と歪材料との間において、面内方向に圧縮する分、膜厚方向に伸張する結果、歪量εは零より大きく(ε>0)なる。
図4に、歪み材料におけるバンド構造を示す。上部が伝導帯、下部が価電子帯であり、Ehhがヘビーホール(重い正孔帯)、Elhがライトホール(軽い正孔帯)、Esoがスピン軌道を示す。KXYはウェルの面内方向の価電子帯、KZはウェルの膜厚方向の価電子帯を示す。
伸張歪、圧縮歪は半導体レーザまたは半導体レーザ型光増幅素子に用いられる。図4に示すように、圧縮歪を有する第1活性層では面内方向、膜厚方向共にヘビーホールのエネルギーEhhがライトホールのエネルギーElhよりも上部の伝導帯側にあるために、格子整合系に比べてよりTE偏波入力光に対するゲインが大きくなる。逆に、伸張歪みを有する第2活性層では面内方向、膜厚方向共にヘビーホールのエネルギーEhhがライトホールのエネルギーElhよりも下部の価電子帯側にあるために、格子整合系に比べてよりTM偏波入力光に対するゲインが大きくなる。
(第1の実施形態)
図5は、本発明の第1の実施形態にかかる半導体マッハツェンダ光変調器の断面図である。第1の実施形態の半導体マッハツェンダ光変調器の構成は、図1に示した構成と同じであり、図5は、図1のV−V’における1つのアーム導波路の断面を示している。アーム導波路の半導体層は、半絶縁性InP基板301上に、n型コンタクト層302、n型クラッド層303(第1の導電性半導体クラッド層)、ノンドープクラッド・コア層304、p型クラッド層305(第2の導電性半導体クラッド層)、p型コンタクト層306の順に積層されたハイメサ型の導波路構造を有している。この導波路構造の両側面には、誘電体113a,113bが形成されており、n型コンタクト層302上に形成されたグランド電極112a,112bと、p型コンタクト層306の上に形成された進行波電極111とにより、高周波電極を形成する。
n型コンタクト層302は、キャリア濃度が5x1018cm-3のInGaAsPとし、n型クラッド層303は、キャリア濃度が1x1018cm-3のInPとする。p型クラッド層305のキャリア濃度は、光吸収係数および電気抵抗率から鑑みて、5x1017cm-3〜1x1018cm-3のInPとする。p型コンタクト層306は、コンタクト抵抗を低減すべく、キャリア濃度が5x1018cm-3以上のInGaAsを用いる。
図6に、第1の実施形態にかかる半導体マッハツェンダ光変調器の製造方法を示す。半絶縁性InP基板301上に、半導体層として、n型コンタクト層302、n型クラッド層303、ノンドープクラッド・コア層304、p型クラッド層305、およびp型コンタクト層306を順に結晶成長させる(図6(a))。次に、半導体加工技術により、n型クラッド層303の一部を残した深さまで加工して、ハイメサ構造の光導波路を形成する(図6(b))。
n型クラッド層303の一部を除去して、グランド電極112a,112bを蒸着する(図6(c))。その後、誘電体113a,113bを塗布して、加工形成し(図6(d))、進行波電極111とグランド電極112a,112bとを、メッキまたは蒸着により形成する(図6(e))。なお、ハイメサ構造の高さと誘電体113a,113bの高さとは、図5に示したように、等しいことが望ましい。
図7に、第1の実施形態にかかる半導体マッハツェンダ光変調器の多重量子井戸構造を示す。ノンドープクラッド・コア層304は、InPからなる同じ厚さのノンドープクラッド層341,342(第1および第2のノンドープ半導体クラッド層)の間にノンドープコア層(ノンドープ半導体コア層)を有する。ノンドープコア層は、引張歪InGaAlAs井戸層343と無歪InAlAs障壁層344とを、交互に複数重ねた多重量子井戸構造とする。
ノンドープコア層のバンドギャップ波長は、動作光波長で吸収が少なく、高効率にQCSE(量子閉じ込めシュタルク効果=Quantum Confined Stark Effect)を有効に作用させるため、入力光の波長が1.55μm帯の場合には、コア層のバンドギャップ波長を1.35〜1.45μmとする。入力波長とコア層のバンドギャップ波長との差をデチューニング量といい、マッハツェンダ光変調器の場合には100〜200nmになる。
InP系半導体マッハツェンダ光変調器の多重量子井戸は、マッハツェンダ干渉計における位相変化は大きくするのが理想であるから、吸収はなるべく少なく、かつQCSEによる屈折率変化が大きい方がよい。一方、多重量子井戸構造を有する電界吸収型(EA:electroabsorption)変調器においては、吸収を大きくし、チャープパラメータを重要視する(デチューニング量50nm以下)ことから、多重量子井戸の設計手法は異なる。すなわち、InP系半導体マッハツェンダ光変調器の設計においては、V−Δα(印加電圧に対する吸収損失変化)特性においてバイアスによる損失の増大が少なく、V−Δφ(印加電圧に対する位相変化)特性において、バイアスによる位相変調量が大きい方が良い。
InP系半導体マッハツェンダ光変調器の多重量子井戸構造には、P系半導体材料(InGaAsP系材料)とAl系半導体材料(InGaAlAs系材料)とを用いることができる。Al系半導体材料は、P系半導体材料に比べて、量子井戸を作製した際に、伝導帯オフセット値(ΔEc)が大きく、吸収スペクトルが急峻であり、変調効率がより優れている。そのため、高効率な半導体マッハツェンダ光変調器を実現するには、Al系半導体材料を用いる必要がある。
図8を参照して、歪みによる光吸収の変化を説明する。図8(b)に示すように、InGaAlAs井戸層に最適な引張歪を加えると、ライトホール(LH)とヘビーホール(HH)の分離が小さくなり、吸収スペクトルをより急峻にすることができる。これによりQCSEによる屈折率変化を大きくすることができる。最適な歪量より小さい場合(図8(a))、最適な歪量より大きい場合(図8(c))には、ライトホールとヘビーホールの分離が大きく、QCSEによる屈折率変化は、最適な引張歪の歪量の場合に比べて小さくなる。
図9に、印加電圧に対する吸収損失変化(V−Δα)特性と印加電圧に対する位相変化(V−Δφ)特性を示す。図9(a)に示したV−Δαより、引張歪を加えると、同一バイアス電圧時の吸収損は小さくなる。図9(b)に示したV−Δφより、引張歪を加える事で、同一バイアス時の位相変化量は所望の引張歪を加えた時に最大となる。一方、引張歪量を加えすぎたりすると、位相変化量は大幅に小さくなる。図9(c)に示したように、吸収損失変化に対する位相変化(Δα−Δφ)を求めると、所望の範囲の引張歪を加えることにより、同一損失時の位相変化量が大きく、高効率化していることがわかる。
図10に、引張歪量に対するΔφ/Δαを示し、Δφ/Δαが大きいほど効率が高いことを示している。ここで、許容される効率を、最大値の0.5×(1/e)とすると、必要な引張歪の歪量は0.1%〜0.5%となる。InGaAlAs井戸層の一層辺りの厚みは、吸収スペクトルを急峻にするために、5.0nm〜15.0nm程度であることが望ましく、図10より、0.1%〜0.5%程度の引張歪の歪量、組成においては、In1-x-yGaxAlyAs(0.35≦x≦0.53,0.01≦y≦0.12)であることが望ましい。井戸層が厚ければ厚いほど、最適な引張歪量は大きくなり、薄い場合には必要な引張歪量は小さくなる。また、引張歪量が最適値より大きすぎたり、小さすぎる場合には、変調効率が劣化してしまう。
また、InAlAs障壁層の一層辺りの厚みは、5.0nm〜10.0nm程度であることが望ましく、上記InGaAlAs井戸層とInAlAs障壁層からなる多重量子井戸構造の膜厚は、マッハツェンダ干渉計を構成するハイメサ導波路は、0.4μm〜0.75μm程度であることが望ましい。
先に述べたように、ΔEcが大きいほど高効率な半導体マッハツェンダ光変調器を実現できるため、InAlAs障壁層は無歪であることが望ましい。これは、歪補償多重量子井戸構造とするために、InAlAs障壁層にInGaAlAs井戸層とは逆の圧縮歪を加えた場合には、ΔEcが小さくなってしまうためである。
上記のように、理想的にはInAlAs障壁層が無歪であることにより、最も高効率な半導体マッハツェンダ光変調器を実現することができる。一方、変調効率を落とすことになるが、エピタキシャル成長における信頼性および品質を上げるために、InAlAs障壁層に圧縮歪を加えることも可能である。この場合には、完全に歪補償を実現する圧縮歪を加えても良いが、ΔEcの変化量が小さく、ある程度歪を補償できる程度の圧縮歪である方が望ましい。
ΔEcは、井戸層および障壁層がともに無歪の場合に約400meVであり、変調効率を考えるとマッハツェンダ光変調器では、この半分程度の200meVは最低限必要である。そのため、InAlAs障壁層は圧縮歪の歪量0%〜1.0%程度、組成でIn1-xAlxAs層(0.32≦x≦0.48)であることが望ましい。
本実施形態によれば、従来の半導体マッハツェンダ光変調器に比べ、変調効率を高効率化することができる。例えば、1.5倍の高効率化が実現できたとすると、同一電極長であれば、従来と比較して駆動電圧を2/3とすることができる。同一駆動電圧であれば、従来と比較して電極長を2/3にすることができ、小型化および広帯域化を実現することができる。また、1.5倍の高効率化の効果を、電極長の設計により、低駆動電圧化と小型化、広帯域化のそれぞれに効果的に割り振ることにより、広帯域化、低駆動電圧化を同時に実現することができる。
なお、上部クラッド層、下部クラッド層は、どちらか一方がn型半導体であり、もう一方がp型半導体であって構わない。一方、上部クラッド層、下部クラッド層の両方がn型半導体で、上部クラッド層とコア層との間、または下部クラッド層とコア層との間に、第3のp型クラッド層を挿入した構造とすることもできる。
また、第1の実施形態においては,一例として図1の半導体マッハツェンダ光変調器の構成と同等としたが、図2に示した容量装荷型の構成、それ以外の構成の半導体マッハツェンダ光変調器であってもよい。
(第2の実施形態)
図11は、本発明の第2の実施形態にかかる半導体マッハツェンダ光変調器の断面図である。第2の実施形態の半導体マッハツェンダ光変調器の構成は、図1に示した構成と同じであり、図11は、図1のV−V’における1つのアーム導波路の断面を示している。アーム導波路の半導体層は、半絶縁性InP基板401上に、n型コンタクト層402、n型クラッド層403、ノンドープクラッド・コア層404、p型キャリアブロック層405(第3の導電性半導体クラッド層)、n型クラッド層406、n型コンタクト層407の順に積層されたハイメサ型の導波路構造を有している。この導波路構造の両側面には、誘電体113a,113bが形成されており、n型コンタクト層402上に形成されたグランド電極112a,112bと、型コンタクト層407の上に形成された進行波電極111とにより、高周波電極を形成する。
n型コンタクト層402は、キャリア濃度が5x1018cm-3のInGaAsPとし、n型クラッド層403は、キャリア濃度が1x1018cm-3のInPとする。p型キャリアストップ層405は、電子に対して十分な障壁となるようにバンドギャップの大きなInAlAsに1x1018cm-3のホールキャリアをドーピングさせる。n型クラッド層406は、キャリア濃度が1x1018cm-3のInPとし、n型コンタクト層407は、キャリア濃度が5x1018cm-3のInGaAsとした。
図12に、第2の実施形態にかかる半導体マッハツェンダ光変調器の多重量子井戸構造を示す。ノンドープクラッド・コア層404は、InPからなる同じ厚さのノンドープクラッド層441,442の間にノンドープコア層を有する。ノンドープコア層は、引張歪InGaAlAs井戸層443と無歪InAlAs障壁層444とを、交互に複数重ねた多重量子井戸構造とする。
ノンドープコア層のバンドギャップ波長は、動作光波長で高効率にQCSEを有効に作用させるため、入力波長1.55μm帯の場合には、コア層のバンドギャップ波長を1.35〜1.45μmとする。多重量子井戸構造の構成については、上述した第1の実施形態と同じである。
また、第2の実施形態においては,一例として図1の半導体マッハツェンダ光変調器の構成と同等としたが、図2に示した容量装荷型の構成、それ以外の構成の半導体マッハツェンダ光変調器であってもよい。
101,201 入力用導波路
102 光分波器
103,203 アーム導波路
104 光合波器
105,205 出力用導波路
111,211 進行波電極
112,212 グランド電極
121,221 信号源
122,222 終端抵抗
202 Y分岐器
204 MMI

Claims (10)

  1. 入力用導波路に接続された光分波器と、出力用導波路に接続された光合波器と、前記光分波器および前記光合波器の間を接続する2本のアーム導波路とからなるマッハツェンダ干渉計を有し、前記アーム導波路上に形成された電極に駆動電圧を印加することにより、入力された光信号を変調する半導体マッハツェンダ光変調器であって、
    前記アーム導波路のコア層は、
    InとGaとAlとAsとからなり、引張歪を有する井戸層と、
    InとAlとAsとからなる障壁層と
    を含む多重量子井戸構造を有することを特徴とする半導体マッハツェンダ光変調器。
  2. 前記引張歪の歪量は、0.1%以上0.5%以下であることを特徴とする請求項1に記載の半導体マッハツェンダ光変調器。
  3. 前記井戸層は、In1−x−yGaxAlyAs(0.35≦x≦0.53,0.01≦y≦0.12)であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体マッハツェンダ光変調器。
  4. 前記障壁層は、In1−xAlxAs層(0.32≦x≦0.48)であることを特徴とする請求項1、2または3に記載の半導体マッハツェンダ光変調器。
  5. 前記井戸層の厚さは、5.0nm以上15.0nm以下であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の半導体マッハツェンダ光変調器。
  6. 前記障壁層の厚さは、5.0nm以上10.0nm以下であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の半導体マッハツェンダ光変調器。
  7. 前記多重量子井戸構造の厚さは、0.4μm以上0.75μm以下であり、バンドギャップ波長が1.35μm以上1.45μm以下であること特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の半導体マッハツェンダ光変調器。
  8. 前記アーム導波路は、半導体基板上に、
    第1の導電性半導体クラッド層と、
    第1のノンドープ半導体クラッド層と、
    ノンドープ半導体コア層と、
    前記第1のノンドープ半導体クラッド層と同じ材料で、かつ同じ厚さの第2のノンドープ半導体クラッド層と、
    第2の導電性半導体クラッド層とが順次積層して形成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の半導体マッハツェンダ光変調器。
  9. 前記第1の導電性半導体クラッド層と前記第2の導電性半導体クラッド層のうち、どちらか一方がn型半導体であり、もう一方がp型半導体であることを特徴とする請求項8に記載の半導体マッハツェンダ光変調器。
  10. 前記第1の導電性半導体クラッド層と前記第2の導電性半導体クラッド層の両方がn型半導体であり、前記ノンドープ半導体コア層と、前記第1の導電性半導体クラッド層または前記第2の導電性半導体クラッド層の少なくともどちらか一方との間に、p型の第3の導電性半導体クラッド層が挿入されていることを特徴とする請求項8に記載の半導体マッハツェンダ光変調器。
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