JP6417113B2 - インボルクリン発現抑制剤 - Google Patents

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本発明は、インボルクリンの発現を抑制するインボルクリン発現抑制剤に関する。
インボルクリンは、表皮角化細胞の分化にしたがって有棘細胞で産生されるタンパク質で、角質細胞の細胞膜を裏打ちする強靭な不溶性膜であるコーニファイドエンベロープ(角質肥厚膜、cornified envelope:以下CEとも略記する)の主構成要素の1つである(非特許文献1)。CEは、インボルクリンをはじめとする複数のCE前駆体タンパク質が、酵素トランスグルタミナーゼにより架橋され不溶化して形成される。さらに、CEを構成するインボルクリンは、その一部にセラミド等の脂質が共有結合し、疎水的な構造をとることで細胞間脂質ラメラ構造の形成にも寄与している(非特許文献2)。こうしたCEの形成・成熟化によって、細胞間脂質のラメラ構造が安定化して角質層のバリア機能が正常に働き、皮膚の水分保持機能や外部からの刺激に対する抵抗性を高めることができる。
このように、CEは皮膚のバリア機能や皮膚の水分保持機能に重要な役割を果たしており、従来から、CEの形成・成熟異常と種々の皮膚疾患との関連性が指摘されている。
また最近、本出願人は、毛髪形状と毛髪毛根部における各種遺伝子の遺伝子発現との関係を探索したところ、非くせ毛者の毛根部に比して、くせ毛者の毛根部において、インボルクリン(IVL)遺伝子の発現量が有意に増加しており、インボルクリンの発現を制御することにより、くせ毛を抑制したり、促進できることを報告している(特許文献1)。
一方、ヒルムシロ科ヒルムシロ属の浮葉性多年草であるオヒルムシロ(Potamogeton natans L.)は、解毒、利尿作用を有することが知られており、近年では、線維芽細胞をコラーゲンゲル中に埋包したコラーゲンゲルを収縮する作用を有し、皮膚の弾力性の低下やタルミの改善に有用であることが報告されている(特許文献2)。
しかしながら、斯かるオヒルムシロにインボルクリン発現抑制作用があること、或いはくせ毛や軟毛化に対して効果があることは知られていない。
国際公開第2011/043330号 特開2012−153615号公報
Steinert, PM. Et al., J. Biol. Chem., 270(30), p17702-17711 (1995) Nemes, Z., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 96(15), p8402-8407 (1999)
本発明は、インボルクリンの発現を抑制する、インボルクリン発現抑制剤、くせ毛改善剤及び軟毛化剤を提供することに関する。
本発明者らは、インボルクリンの発現抑制について検討したところ、オヒルムシロに優れたインボルクリン発現抑制作用があり、くせ毛改善や軟毛化のために有用であることを見出した。
すなわち、本発明は、下記の1)〜3)に係るものである。
1)オヒルムシロ又はその抽出物を有効成分とするインボルクリン発現抑制剤。
2)オヒルムシロ又はその抽出物を有効成分とするくせ毛改善剤。
3)オヒルムシロ又はその抽出物を有効成分とする軟毛化剤。
本発明によれば、インボルクリンの発現抑制作用を有し、くせ毛改善や軟毛化のための化粧品、医薬品、医薬部外品、或いはこれらに使用される原料又は素材を提供できる。したがって、本発明によればくせ毛の改善や軟毛化が可能となる。
本発明において、「インボルクリン発現抑制」とは、インボルクリンの遺伝子レベルでの発現抑制及びタンパク質レベルでの発現抑制の何れをも包含する意味である。前記遺伝子レベルでの発現抑制はmRNAへの転写抑制を含み、前記タンパク質レベルでの発現抑制とは、例えば、翻訳における抑制を含み、翻訳後に修飾される場合は、当該修飾の抑制も含むものである。
本発明において、「オヒルムシロ」とは、ヒルムシロ科ヒルムシロ属のオヒルムシロ(Potamogeton natans L.)を指す。
本発明において、オヒルムシロは、全草、葉、茎、芽、花、蕾、根、根茎、種子、若しくは果実等、又はこれらを組み合わせて使用することが可能であるが、全草を用いるのが好ましい。斯かるオヒルムシロは、そのまま若しくはそれを圧搾することにより得られる搾汁、植物体自身を乾燥した乾燥物若しくはその粉砕物、あるいはこれらから抽出した抽出物として用いることができるが、抽出物として用いるのが好ましい。
斯かるオヒルムシロの抽出物としては、公知の抽出方法により抽出して得られる各種溶剤抽出液、その希釈液、その濃縮液又はその乾燥末が挙げられる。公知の抽出方法としては、例えば、浸漬、煎出、浸出、固液抽出、還流抽出、超臨界抽出、超音波抽出及びマイクロ波抽出等が挙げられる。例えば、浸漬は、0℃〜溶媒沸点(好ましくは15〜40℃)で1時間〜4週間、浸漬・浸出することが挙げられ、固液抽出は、0℃〜溶媒沸点(好ましくは15〜40℃)下、30〜1000rpmで30分〜2週間の攪拌することが挙げられる。また、抽出物の酸化を防止するため、煮沸脱気や窒素ガス等の不活性ガスを通気して溶存酸素を除去しつつ、いわゆる非酸化的雰囲気下で抽出する手段を併用してもよい。また、還流抽出の場合には、ソックスレー抽出器等の抽出器具を用いて行うことができる。
抽出のための溶剤には、極性溶剤、非極性溶剤のいずれをも使用することができる。溶剤の具体例としては、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の鎖状及び環状エーテル類;ポリエチレングリコール等のポリエーテル類;スクワラン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の炭化水素類;トルエン等の芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;及び超臨界二酸化炭素;ピリジン類;油脂、ワックス等その他オイル類等の有機溶剤;ならびにこれらの混合物が挙げられる。好適には、水、アルコール類及び水−アルコール系混合溶剤が挙げられ、アルコール類としてはエタノールが好ましい。このうち、水、及びエタノール水溶液が好適である。また、エタノール水溶液としては、エタノール濃度が、好ましくは10 %(v/v)以上、より好ましくは20%(v/v)以上、より好ましくは50%(v/v)以上、より好ましくは90%(v/v)以上、且つ好ましくは95%(v/v)以下、より好ましくは90%(v/v)以下であり、また好ましくは10〜95%(v/v)、より好ましくは20〜95%(v/v)、より好ましくは50〜95%(v/v)であるものが挙げられる。
本発明のオヒルムシロ抽出物は、例えば、植物体1質量部に対して1質量部以上50質量部以下の抽出溶剤を用い、4℃以上100℃以下にて0.5時間〜30日間で、抽出することにより行うことができる。より具体的には、抽出溶剤としてエタノール水溶液を用いる場合には、植物体1質量部に対して5質量部以上30質量部以下、室温で1時間〜10日間が好ましい。また、これらの作業を繰り返し行っても良い。
本発明において、上記の抽出物はそのまま用いることもできるが、当該抽出物を希釈、濃縮若しくは凍結乾燥した後、粉末又はペースト状に調製して用いることもできる。また、凍結乾燥し、用時に、通常抽出に用いられる溶剤、例えば水、エタノール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、水・エタノール混液、水・プロピレングリコール混液、水・ブチレングリコール混液等の溶剤で希釈して用いることもできる。また、リポソーム等のベシクルやマイクロカプセル等に内包させて用いることもできる。
本発明のオヒルムシロ抽出物は、例えば化粧品や医薬品上許容し得る規格に適合し、本発明の効果を発揮するものであれば粗精製物であってもよい。また、必要に応じて、液々分配、固液分配、濾過膜、活性炭、吸着樹脂、イオン交換樹脂等の公知の手段を用いて、不活性な夾雑物の除去、脱臭、脱色等の処理を施すことができ、さらに公知の分離精製方法を適宜組み合わせてこれらの純度を高めてもよい。精製手段としては、有機溶剤沈殿、遠心分離、限界濾過膜、高速液体クロマトグラフやカラムクロマトグラフ等が挙げられる。
後記実施例に示すように、オヒルムシロのアルコール抽出物を活性炭処理した抽出物は、より優れたインボルクリン発現抑制作用を有する。
後記実施例で示すとおり、オヒルムシロ抽出物は、遺伝子レベル及びタンパク質レベルで、インボルクリンの発現を抑制する。前述したように、くせ毛者の毛根部においては、非くせ毛者の毛根部に比してインボルクリン(IVL)遺伝子の発現量が有意に増加しており、インボルクリンの発現を抑制することにより、くせ毛を改善することができると考えられている(前記特許文献1参照)。
インボルクリンは、メデュラ、内毛根鞘の角質細胞で発現することが示されており、これら組織にて、トリコヒアリン等の角化関連蛋白質とイソペプチド結合で架橋され、機械的、化学的な刺激に耐えうる組織の強度形成に関与すると考えられている(Lorenzo A., Ann. Anatomy (2011) doi:10.1016/j.aanat.2011.10.012)。つまり、表皮と同様に、毛髪においてもメデュラ、内毛根鞘においてコーニファイドエンベロープ形成に関与し、組織の強度、すなわち毛髪のハリ・コシといった髪質に深く関わっているものと考えられる。したがって、インボルクリンの発現を抑制することは、毛髪の軟毛化に繋がると云える。
よって、本発明のオヒルムシロ又はその抽出物は、インボルクリン発現抑制剤、くせ毛改善剤或いは軟毛化剤(以下、「インボルクリン発現抑制剤等)と称する)となり得、また、インボルクリン発現抑制剤等を製造するために使用することができる。また、ヒトに使用して、インボルクリンの発現抑制、くせ毛の改善又は軟毛化を図ることができる。ここで、ヒトに対する使用は、治療的使用であっても非治療的使用であってもよい。「非治療的」とは、医療行為を含まない概念、すなわち人間を手術、治療又は診断する方法を含まない概念、より具体的には医師又は医師の指示を受けた者が人間に対して手術、治療又は診断を実施する方法を含まない概念である。
ここで、「くせ毛」とは、直毛と対比する場合に直毛以外の形状を総括的に指し、「くせ毛を改善する」とは、くせ毛のカール半径や曲率を低減し、形質を直毛に近づけることをいう。また、「軟毛化」とは、毛髪の強度、すなわちハリ・コシを低減し、毛髪を柔らかく、弱くすることをいう。
当該インボルクリン発現抑制剤等、又はこれらを含む組成物は、インボルクリン発現抑制、くせ毛改善及び軟毛化のための化粧品、医薬品、医薬部外品であり得、また、インボルクリン発現抑制剤等は、斯かる化粧品、医薬品、医薬部外品を製造するための原料又は素材であり得る。
上記製剤組成物は、それぞれ一般的な製造法により、オヒルムシロ又はその抽出物、又は製剤上許容し得る担体、例えば、各種油剤、界面活性剤、ゲル化剤、防腐剤、酸化防止剤、溶剤、アルコール、水、キレート剤、増粘剤、紫外線吸収剤、乳化安定剤、pH調整剤、色素、香料等とともに混合、分散した後、所望の形態に加工することによって得ることができる。また、これらの製剤組成物には、オヒルムシロ又はその抽出物の他、夫々化粧品、医薬部外品、医薬品等の製剤の種類に応じて、適宜、植物抽出物、殺菌剤、保湿剤、抗炎症剤、抗菌剤、清涼剤、抗脂漏剤等の薬効成分を本発明の効果を妨害しない範囲で適宜配合することができる。
当該製剤組成物中のオヒルムシロ又はその抽出物の含有量は、当該抽出物の乾燥重量に換算して、一般的に好ましくは0.0005質量%以上、より好ましくは0.001質量%以上、且つ好ましくは50質量%以下、より好ましく20質量%以下であり、また好ましくは0.0005〜50質量%、より好ましくは0.001〜20質量%である。
上記医薬品、医薬部外品の投与量は、本発明の効果が得られる量であれば特に限定されず、対象者の状態、体重、性別、年齢又はその他の要因に従って変動し得るが、成人(60kg)1人当たり1日、オヒルムシロ又はその抽出物(乾燥物換算)として、例えば好ましくは0.01mg以上、より好ましくは0.03mg以上であり、且つ好ましくは600mg以下、より好ましくは1500mgである。また、好ましくは0.01〜1500mg、より好ましくは0.03〜600mgである。また、当該製剤は、任意の摂取・投与計画に従って摂取・投与され得るが、1日1回〜数回に分け、数週間〜数カ月間継続して投与することが好ましい。
また、上記化粧品、医薬品又は医薬部外品の適用対象者としては、それを必要としていれば特に限定されないが、インボルクリンの発現抑制、くせ毛改善或いは軟毛化を目的とするヒトが好ましい。
上述した実施形態に関し、本発明においてはさらに以下の態様が開示される。
<1>オヒルムシロ又はその抽出物を有効成分とするインボルクリン発現抑制剤。
<2>オヒルムシロ又はその抽出物を有効成分とするくせ毛改善剤。
<3>オヒルムシロ又はその抽出物を有効成分とする軟毛化剤。
<4>インボルクリン発現抑制剤を製造するための、オヒルムシロ又はその抽出物の使用。
<5>くせ毛改善剤を製造するための、オヒルムシロ又はその抽出物の使用。
<6>軟毛化剤を製造するための、オヒルムシロ又はその抽出物の使用。
<7>インボルクリン発現抑制に使用するための、オヒルムシロ又はその抽出物。
<8>くせ毛改善に使用するための、オヒルムシロ又はその抽出物。
<9>軟毛化に使用するための、オヒルムシロ又はその抽出物。
<10>オヒルムシロ又はその抽出物を用いるインボルクリン発現抑制方法。
<11>オヒルムシロ又はその抽出物を用いるくせ毛改善方法。
<12>オヒルムシロ又はその抽出物を用いる軟毛化方法。
<13><7>〜<9>において、使用は非治療的使用である。
<14><10>〜<12>において、方法は非治療的方法である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
製造例1 オヒルムシロ抽出物の調製(1)
ヒルムシロ科ヒルムシロ属のオヒルムシロ(Potamogeton narans;北海道十勝産)の全草細断物20gに95vol% EtOHを1000mL加え、室温で1週間抽出し、ろ過した。残渣に95vol% EtOH 1000mLを加え、再び室温下で1週間抽出し、ろ過した。2回分のろ液を合わせて濃縮、固形物6.4gを得た。抽出された固形物を1w/v%となるように95vol% EtOHに溶解し、95%エタノール抽出物(オヒルムシロ抽出物1)とした。
製造例2 オヒルムシロ抽出物の調製(2)
ヒルムシロ科ヒルムシロ属のオヒルムシロPotamogeton narans(北海道十勝産)の全草細断物20gに95vol% EtOHを1000mL加え、室温で1週間抽出し、ろ過した。残渣に95vol% EtOH 1000mLを加え、再び室温下で1週間抽出し、ろ過した。2回分のろ液を合わせて濃縮、固形物6.4gを得た。抽出された固形物のうち3.2gをとり、95vol% EtOHを320mL加えて溶解した。その際、若干の澱が析出したため、ろ過してこれを除去した。得られた溶液のうち100mLをとり、活性炭(白鷺P)1.0gを加えて室温で1週間撹拌処理を行い、ろ過した。ろ液を濃縮し、得られた固形物を濃度1w/v%の95vol%EtOH溶液(38mL)とし、活性炭処理95%エタノール抽出物(オヒルムシロ抽出物2)とした。
実施例1 インボルクリン(IVL)発現抑制作用
(1)細胞培養
ヒト表皮角化細胞株HaCaTはドイツ癌研究所(DKFZ)より入手し、DMEM(Invitrogen)に非働化した10%ウシ胎児血清(Invitrogen)、1%ペニシリン−ストレプトマイシン(Invitrogen)を添加した培地で37℃、5%CO2条件下で培養した。
(2)定量的RT−PCRによる遺伝子発現解析
6穴プレートに2×105個/wellとなるようにHaCaT細胞を播種し、24時間後に製造例1及び2で調製したオヒルムシロ抽出物1〜2(0.5%v/v)を添加した。更に24時間後に培地を吸引、PBSで2回洗浄後、RNeasy Mini Kit(QIAGEN)を用いてメーカーの使用説明書に従ってtotal RNAを抽出した。抽出したtotal RNAの濃度を測定し、1μgを用いてQuantitect RT(QIAGEN)による逆転写反応を実施し、cDNAを得た。このcDNAを4ng/μLに希釈し、評価サンプルとした。調製したcDNA 8ngにTaqman Universal Master mix(Applied Biosystems)を10μL、Taqmanプローブ(Applied Biosystems)を1μL、滅菌水を7μL添加し、7500 リアルタイムPCRシステム(Applied Biosystems)を用いてPCR反応を実施した。内部標準にはRPLP0遺伝子を用いた。TaqmanプローブはIVL:Hs00846307_s1、RPLP0:Hs9999902_m1を使用した。結果を表1に示す。
(3)ウエスタンブロッティングによる蛋白質発現解析
6穴プレートに1×105個/ウェルとなるようにHaCaT細胞を播種し、24時間後に製造例1で調製したオヒルムシロ抽出物1(0.5%v/v)を添加した。48時間後に培地を吸引、PBSで2回洗浄後、Halt Protease and Phosphatase Inhibitor Cocktail(Thermo Scientific)を含むRIPA Buffer(Sigma)150μLにて細胞を溶解した。その後、セルスクレーパーにより、細胞を剥離・回収し、遠心して回収した上清を細胞抽出液としてとして評価に用いた。
細胞抽出液の総タンパク質濃度はBCA Protein Assay Kit(Thermo Scientific)を用いて定量した。細胞抽出液の蛋白質量として5μgを0.35M DTT(sigma)を含むLaemmli Sample Buffer(Bio-Rad)と1:1で混合し、95℃で5分間インキュベートした。SDS−PAGEは7.5% TGXゲル(Bio-Rad)を用いて定法に従い実施した。ゲルを転写するメンブレンにはメタノールにより親水化したPVDFメンブレン(Bio-Rad)、ブロッティングバッファーにはTris/Glycine/メタノール転写バッファー(Bio-Rad)を用いた。
4℃で一晩転写後、メンブレンを5%スキムミルク溶液/PBS−Tで室温、2時間ブロッキングした後、抗IVL抗体(BTI、BT-651)、抗Actin抗体(SantaCruz)を0.3%スキムミルク/PBS−Tで1000倍希釈して室温、2時間反応させた。メンブレンをPBS−Tで洗浄した後、抗IVL抗体に対して、抗ウサギ−HRP抗体(NA934VS、GE)、抗Actin抗体に対して、抗ヤギ−HRP抗体(岩井化学)を0.3%スキムミルク/PBS−T で2000倍希釈して室温、1時間反応させた。反応終了後、PBS−Tで洗浄し、ECL Prime Western Blotting Detection System(GE)を用いて発光を検出した。各バンドの積算値の算出はMulti Gauge V3.2(FUJIFILM)ソフトウェアを用いた。結果を表2に示す。
(4)統計解析
得られた遺伝子及び蛋白質発現量は、平均値±標準偏差で表記し、unpaired t-testにより有意差検定を行った。
(5)結果
Figure 0006417113
Figure 0006417113
表1及び2から明らかなように、オヒルムシロ抽出物1〜2には遺伝子レベルで優れたインボリクリン発現抑制作用が認められ、また、オヒルムシロ抽出物1にはタンパク質レベルで優れたインボリクリン発現抑制作用が認められた。

Claims (3)

  1. オヒルムシロ又はその抽出物を有効成分とするインボルクリン発現抑制剤(但し、皮膚の弾力、ハリもしくはタルミ改善剤又は皮膚の老化予防もしくは改善剤としての使用を除く)
  2. オヒルムシロ又はその抽出物を有効成分とするくせ毛改善剤。
  3. オヒルムシロ又はその抽出物を有効成分とする軟毛化剤。
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