JP6416139B2 - 場所打ち杭およびその構築方法 - Google Patents

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本発明は、場所打ち杭およびその構築方法に関し、特に、鋼管の内部に掘削土を埋め戻し可能な場所打ち杭およびその構築方法に関するものである。
従来、高層構造物の基礎として場所打ちコンクリート杭(以下、場所打ち杭という。)が多く用いられている。場所打ち杭は、専用掘削機により地盤に円筒状の杭孔を掘削した後、この杭孔内に同じく円筒状に組んだ鉄筋かごを建込み、コンクリートを打設することによって築造される円柱状の杭体である。また、場所打ち杭の外殻に鋼管を用いてコンクリートと一体化させることにより、水平抵抗力を増した場所打ち鋼管コンクリート杭が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
図5に示すように、特許文献1の場所打ち杭は、掘削した杭孔1に鉄筋かご2を建込んでその上に外面に突起を有する鋼管3を挿入配置した後、鋼管3および鉄筋かご2の内部にコンクリート4を打設し、杭頭部の鋼管3と孔壁との間にセメントミルクからなる固化材5を圧入して構築されるものである。杭頭部を鋼管3で補強することで必要な耐力を得るとともに、杭頭部の鋼管3と孔壁との間に圧入された固化材5により、鋼管3と地盤間の周面摩擦力を高めることができる。
上述したいずれの場所打ち杭の築造にも、杭体と同体積の掘削土が排出されるが、近年の環境意識の高まりや残土処分費の削減の観点から、この排出土量を低減することが要請されている。このような問題に対処した従来技術として、例えば特許文献2〜4に示すような場所打ち杭が提案されている。
特許文献2の場所打ち杭は、図6に示すように、掘削した杭孔1に円筒形状の鉄筋かご2を挿入し、内側に設けた保持部6に掘削土を詰めた複数の袋体7を投入した後、この鉄筋かご2の周囲にコンクリート4を打設することで構築されるものである。
特許文献3の場所打ち杭は、図7に示すように、掘削した杭孔1に鉄筋かご2を取り付けた鋼管3を建込んで、鋼管3の内部下側と、鋼管3と孔壁との間にコンクリート4を打設するとともに、鋼管3の内部上側に掘削土8を埋め戻すことで構築されるものである。
特許文献4の場所打ち杭は、図8に示すように、掘削した杭孔1に外面に突起を有する鋼管3を建込み、鋼管3と孔壁との間にコンクリート4を打設し、鋼管3の内部に掘削土8を投入して構築されるものである。
上記の特許文献2〜4の場所打ち杭によれば、現場から排出される掘削土量を低減することができるため、掘削残土処分に係る費用を削減することが可能である。また、鋼管に埋め戻した掘削土量と同体積のコンクリート使用量を減らすことができるため、場所打ち杭全体の施工費用を低減することが可能である。
特開2002−332634号公報 特許第5503823号公報 特開2004−092025号公報 特開平11−107273号公報
ところで、上記の特許文献3、4の場所打ち杭が地震等による水平力を受けると、この水平力は鋼管と、鋼管の外側に打設されるコンクリート等の固化材と、鋼管の内部に埋め戻される掘削土とに作用する。しかしながら、鋼管の外側の固化材は、杭の周面摩擦力を確保するために設けたものであるから曲げ耐力に寄与しない。また、鋼管の内部に埋め戻される掘削土も、曲げモーメントに対する抵抗力に乏しく曲げ耐力に寄与しない。したがって、固化材と掘削土は水平抵抗力を発揮する構造体としては期待できず、曲げモーメントに対する抵抗力が比較的大きい鋼管部分が、水平抵抗力の大部分を負担する構造体として機能することになる。
こうした場所打ち杭の杭頭部の曲げ耐力を増強する方法としては、鋼管材質の向上や鋼管の板厚、径の増大等が考えられる。しかしながら、鋼管材質を向上させたり、板厚、径を増大したりすると、材料費が増し経済的に不利になるため好ましくない。このため、鋼管の内部に掘削土を埋め戻し可能な場所打ち杭において、鋼管の板厚等を増大することなく、杭頭部の曲げ耐力を低コストかつ効果的に高めることのできる構造が求められていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、鋼管の内部に掘削土を埋め戻し可能な場所打ち杭において、杭頭部の曲げ耐力を低コストかつ効果的に高めることのできる場所打ち杭およびその構築方法を提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る場所打ち杭は、地盤に設けられた杭孔と、前記杭孔に配置された中空の鋼管と、前記鋼管の外周面と前記杭孔の孔壁との間の空隙に前記鋼管を囲繞する態様で配置された鉄筋と、前記鉄筋を埋設する態様で前記空隙に配置された固化材とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る他の場所打ち杭は、上述した発明において、前記鋼管の内部に掘削土、固化体、地熱利用のための配管設備のうち少なくとも一つをさらに備えることを特徴とする。
また、本発明に係る他の場所打ち杭は、上述した発明において、前記鋼管は前記杭孔の上側に配置され、前記杭孔の下側には固化材が配置され、この固化材と、前記鋼管の外周面と前記杭孔の孔壁との間の前記空隙に配置される固化材とは縁切りして配置されることを特徴とする。
また、本発明に係る場所打ち杭の構築方法は、地盤に杭孔を掘削する工程と、掘削した前記杭孔に中空の鋼管を挿入配置する工程と、前記鋼管と一体または別体で、前記鋼管の外周面と前記杭孔の孔壁との間の空隙に、前記鋼管を囲繞する態様で鉄筋を挿入配置する工程と、前記鉄筋を埋設する態様で前記空隙に固化材を充填する工程とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る他の場所打ち杭の構築方法は、上述した発明において、前記杭孔の掘削により発生した掘削土、固化体、地熱利用のための配管設備のうち少なくとも一つを前記鋼管の内部に投入する工程をさらに備えることを特徴とする。
また、本発明に係る他の場所打ち杭の構築方法は、上述した発明において、前記鋼管を前記杭孔の上側に挿入配置する一方、前記杭孔の下側に固化材を充填する工程を備え、前記杭孔の下側に充填される固化材と、前記鋼管の外周面と前記杭孔の孔壁との間の前記空隙に充填される固化材とを分離独立して充填することを特徴とする。
本発明に係る場所打ち杭によれば、地盤に設けられた杭孔と、前記杭孔に配置された中空の鋼管と、前記鋼管の外周面と前記杭孔の孔壁との間の空隙に前記鋼管を囲繞する態様で配置された鉄筋と、前記鉄筋を埋設する態様で前記空隙に配置された固化材とを備えるので、鋼管の内部を掘削土等用の収容空間として利用可能である。また、鉄筋が埋設された固化材および鋼管を一体的に複合した合成構造として取り扱えることから、この合成構造を杭頭部に配置することで、鋼管の板厚等を増大することなく、杭頭部の曲げ耐力を低コストかつ効果的に高めることができるという効果を奏する。
また、本発明に係る場所打ち杭の構築方法によれば、地盤に杭孔を掘削する工程と、掘削した前記杭孔に中空の鋼管を挿入配置する工程と、前記鋼管と一体または別体で、前記鋼管の外周面と前記杭孔の孔壁との間の空隙に、前記鋼管を囲繞する態様で鉄筋を挿入配置する工程と、前記鉄筋を埋設する態様で前記空隙に固化材を充填する工程とを備えるので、鋼管の内部を掘削土等用の収容空間として利用可能である。また、施工上、前記鋼管内部と外周部の空間は分離独立した構造とすることができるため、異なる強度の固化材を打ち分けることができ、外力条件に合わせた合理的で経済的な杭設計が可能となる。
図1は、本発明に係る場所打ち杭の模式的な縦断面図である。 図2は、本発明に係る場所打ち杭の構築方法の実施の形態を示す施工手順図(その1)である。 図3は、本発明に係る場所打ち杭の構築方法の実施の形態を示す施工手順図(その2)である。 図4は、図3(4)の横断面図であり、(1)はA−A断面図、(2)はB−B断面図、(3)はC−C断面図、(4)はD−D断面図、(5)はE−E断面図である。 図5は、従来の場所打ち杭の一例を示す縦断面図である。 図6は、従来の場所打ち杭の他の一例を示す縦断面図である。 図7は、従来の場所打ち杭の他の一例を示す縦断面図である。 図8は、従来の場所打ち杭の他の一例を示す縦断面図である。
以下に、本発明に係る場所打ち杭およびその構築方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
[場所打ち杭]
まず、本発明に係る場所打ち杭の実施の形態について説明する。図1に示すように、本実施の形態に係る場所打ち杭10は、地盤Gに設けられた杭孔12と、杭孔12に配置された中空の鋼管14と、鉄筋かご16(鉄筋)と、コンクリート18(固化材)とを備える。
鉄筋かご16は、鋼管14の外周面14aと杭孔12の孔壁12aとの間の空隙に鋼管14を囲繞する態様で配置されたかご状のものである。コンクリート18は、鉄筋かご16を埋設する態様で空隙に配置される。つまり、鋼管14の外周には鉄筋かご16とコンクリート18からなる環状の鉄筋コンクリートが充填配置される。以後、この鉄筋コンクリートを外周充填コンクリート20という。このように本発明では、鋼管14の外周に鉄筋かご16とコンクリート18からなる外周充填コンクリート20を配置することによって一体的な構造体として成り立たせている。
鋼管14は、内外面の一部または全体に設置された突起(不図示)を有する鋼管であり、杭頭部22を含む杭孔12の上側部分に配置されている。鋼管14の内部には、杭孔12の掘削により発生した掘削土24が埋め戻されている。
杭孔12の下側部分は、鉄筋コンクリートからなり、上側部分よりも断面が縮径した縮径部26と、下方に行くに従い拡径した拡底部28とで構成されている。縮径部26および拡底部28には円柱状の鉄筋かご30が配置されている。鉄筋かご30の上方は鋼管14の下端に内挿され、鋼管14と杭孔12の下側部分とを繋ぐ継手部32となっている。この鉄筋かご30を埋設するようにコンクリート34(固化材)が充填配置されている。このコンクリート34と、上記の外周充填コンクリート20とは縁切りして充填配置してもよいし、一体物として充填配置してもよい。
ここでは、拡底部は、下方に行くに従い拡径する構造を元に説明したが、拡底部形状は、円筒状でも構わない。
一方、鋼管14の上端の外周面14aには、上方に向けて突出する複数の鉄筋36が溶接されており、この鉄筋36と鉄筋かご16の上部は、鋼管14の上端面を被覆する大径のコンクリートからなるパイルキャップ38に定着されている。なお、地震時には、このパイルキャップ38に図示しない上部構造からの水平力、軸方向力が入力し、場所打ち杭10に曲げモーメント等の外力が作用することになる。この外力は一般に杭頭部22で最大となり下方に向けて漸減する。本実施の形態では、このような外力に対抗させるために、少なくとも杭頭部22に鋼管14と外周充填コンクリート20を一体的に複合した合成構造を設けて、曲げ耐力の増強を図っている。
本実施の形態の場所打ち杭10によれば、鋼管14の内部を掘削土24等用の収容空間として利用可能である。収容した掘削土24の量の分だけ、現場から排出される掘削土の量を低減でき、掘削土の処理費を低減できる。したがって、場所打ち杭の構築にかかる施工コストを大幅に低減できる。
また、杭頭部22を、鋼管14および外周充填コンクリート20を一体的に複合した合成構造として取り扱えることから、外周充填コンクリート20が曲げ耐力に寄与することとなる。したがって、鋼管14の板厚等を増大することなく、杭頭部22の曲げ耐力を低コストかつ効果的に高めることができる。
上記の実施の形態において、鋼管14の内部に、杭孔12の掘削により発生した掘削土24を埋め戻した構成について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、例えば地熱利用のための配管設備などを鋼管14の内部に収容配置するようにしてもよい。このようにすれば、鋼管14の内部を地熱用設備などとして有効利用することができる。
また、上記の実施の形態において、鋼管14の外周側に充填配置される固化材としてコンクリート18の場合を例にとり説明したが、本発明はこれに限るものではなく、コンクリート18の代わりに例えばセメントミルク等のグラウト材料を充填配置してもよい。
なお、上記の実施の形態において、鋼管14のφ1、外周充填コンクリート20の外径φ2としては、例えば、φ1=800〜2700mm、φ2=1000〜3200mm程度のものを用いて構成することができる。
[場所打ち杭の構築方法]
次に、本発明に係る場所打ち杭の構築方法の実施の形態について説明する。
図2および図3は、本実施の形態に係る場所打ち杭の構築方法の施工手順を示したものである。まず、図2(1)に示すように、アースドリル拡底工法によりベントナイト等の安定液(不図示)で孔壁を安定させながら地盤Gを掘削し、下端が所定の形状に拡底した杭孔12を造成する。この杭孔12の上部にスタンドパイプ40を圧入する。
次に、図2(2)に示すように、杭孔12に鉄筋かご30を吊り下ろしていく。続いて、図2(3)に示すように、予め中空の鋼管14の外周面に鉄筋かご16を取り付けておき、この鋼管14の下端に吊り下ろした鉄筋かご30の上端を内挿固定した後、鋼管14を下側の鉄筋かご30および外周側の鉄筋かご16と一体的に杭孔12に吊り下ろしていく。図2(4)に示すように、杭孔12の深さに応じて適宜、別の鋼管14および鉄筋かご16を溶接等により順次継ぎ足しながら連続的に吊り下ろす。
次に、図3(1)に示すように、鉄筋かご30を杭孔12の下側に、鋼管14と鉄筋かご16を、杭頭部22を含む杭孔12の上側に設置し終えたら、図3(2)に示すように、鋼管14の内部中央に図示しないトレミー管を挿通配置する。そして、このトレミー管を介して鋼管14の下側の拡底部28、縮径部26、継手部32にコンクリート34を打設する。これにより、杭孔12の下側に鉄筋コンクリートからなる拡底部28、縮径部26、継手部32が完成する。なお、継手部32は、縮径部26と鋼管14とを接合する部分であり、鋼管14の下端に上端が内挿した鉄筋かご30を埋設する態様で鋼管14の下側の内部および外部に充填されるコンクリート34により形成される。
そして所定の養生期間の後、図3(3)に示すように、鋼管14と孔壁の間の空隙に図示しないトレミー管(またはグラウト管)を挿通配置し、コンクリート18を打設する。これにより、鋼管14の外側の外周充填コンクリート20が完成する。この後、中空の鋼管14の内部には、杭孔12の掘削により発生した掘削土などを埋め戻すことが可能である。埋め戻し後、鋼管14の上端に図示しないパイルキャップ等を被覆設置する。このような施工手順により、図3(4)に示すような本発明の場所打ち杭10を構築することができる。
このように本発明では、主に図4(1)のA−A断面、(2)のB−B断面に示すような外周充填コンクリート20と鋼管14の合成構造によって地震等による水平力に抵抗することができる。
また、2段階で内側のコンクリート34と外側のコンクリート18を打設することにより、鋼管14の内部に掘削土などを収容するための空間を確保できる。特に、固化材としてのコンクリートの打設または充填箇所が鋼管14の外周側と下部側とに分離した構造であることから、コンクリートの打ち分けが可能である。外周側と下部側のコンクリートを分離施工することで、レイタンスを抑制しながら各コンクリートを健全に施工できる。また、各コンクリート強度を異なるものに設定することで合理的で経済的な杭設計が可能となる。
上記の実施の形態において、鋼管14の下側のコンクリート34と鋼管14の外周のコンクリート18を分離独立して打設する場合について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、コンクリート34とコンクリート18を同一配合のものとし、同時に打設するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態において、鋼管14とその外周の鉄筋かご16を一体に吊り下ろす場合について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、鋼管14と鉄筋かご16を別に吊り下ろしてもよい。例えば鉄筋かご16を先行して杭孔12に建込み配置した後、鋼管14を鉄筋かご16に内挿配置してもよいし、これとは反対に、鋼管14を先行して杭孔12に建込み配置した後、鉄筋かご16を鋼管14に外嵌配置してもよい。このようにしても、上記と同様な作用効果を奏することができる。
また、上記の実施の形態において、鋼管14の下部の鉄筋かご30と鋼管14の外周の鉄筋かご16を別に吊り下ろす場合について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、鉄筋かご30と鉄筋かご16を一体に吊り下ろしてもよい。このようにしても、上記と同様な作用効果を奏することができる。
本発明では、一般化累加強度式を適用することで従来技術と比較して鋼材重量を40%程度に低減させることができる。このため、本発明の場所打ち杭を用いれば、従来技術による設計方法と比べて鋼管14の径や板厚をより小さく設定することが可能である。例えば、曲げモーメントMと軸方向力Nの荷重条件(M,N)=(7200kN・m,10000kN)のとき、鋼管杭のみで耐力評価を行うと鋼管径2000mm、板厚16mm程度になるのに対し、本発明では鋼管径を1200mm、板厚を10mm、外周コンクリート径1700mmと、より経済的な設計が可能となる。
以上説明したように、本発明に係る場所打ち杭によれば、地盤に設けられた杭孔と、前記杭孔に配置された中空の鋼管と、前記鋼管の外周面と前記杭孔の孔壁との間の空隙に前記鋼管を囲繞する態様で配置された鉄筋と、前記鉄筋を埋設する態様で前記空隙に配置された固化材とを備えるので、鋼管の内部を掘削土等用の収容空間として利用可能である。また、鉄筋が埋設された固化材および鋼管を一体的に複合した合成構造として取り扱えることから、この合成構造を杭頭部に配置することで、鋼管の板厚等を増大することなく、杭頭部の曲げ耐力を低コストかつ効果的に高めることができる。
また、本発明に係る場所打ち杭の構築方法によれば、地盤に杭孔を掘削する工程と、掘削した前記杭孔に中空の鋼管を挿入配置する工程と、前記鋼管と一体または別体で、前記鋼管の外周面と前記杭孔の孔壁との間の空隙に、前記鋼管を囲繞する態様で鉄筋を挿入配置する工程と、前記鉄筋を埋設する態様で前記空隙に固化材を充填する工程とを備えるので、鋼管の内部を掘削土等用の収容空間として利用可能である。また、施工上、前記鋼管内部と外周部の空間は分離独立した構造とすることができるため、異なる強度の固化材を打ち分けることができ、外力条件に合わせた合理的で経済的な杭設計が可能となる。
以上のように、本発明に係る場所打ち杭およびその構築方法は、鋼管の内部に掘削土を埋め戻し可能な場所打ち杭に有用であり、特に、杭頭部の曲げ耐力を低コストかつ効果的に高めるのに適している。
10 場所打ち杭
12 杭孔
12a 孔壁
14 鋼管
14a 外周面
16 鉄筋かご(鉄筋)
18 コンクリート(固化材)
20 外周充填コンクリート
22 杭頭部
24 掘削土
26 縮径部
28 拡底部
30 鉄筋かご
32 継手部
34 コンクリート(固化材)
36 鉄筋
38 パイルキャップ
40 スタンドパイプ
G 地盤

Claims (2)

  1. 地盤に設けられた杭孔と、前記杭孔に配置された中空の鋼管と、前記鋼管の外周面と前記杭孔の孔壁との間の空隙に前記鋼管を囲繞する態様で配置された鉄筋と、前記鉄筋を埋設する態様で前記空隙に配置された固化材と、前記鋼管の内部に配置された掘削土、固化体、地熱利用のための配管設備のうち少なくとも一つとを備え
    前記鋼管は前記杭孔の上側部分に配置され、前記杭孔の下側部分には鉄筋かごが配置されるとともに、前記鉄筋かごを埋設する態様で固化材が配置され、前記鉄筋かごの上方は前記鋼管の下端に内挿されて前記鋼管と前記杭孔の下側部分とを繋ぐ継手部となっており、前記鋼管の下側の内部には、前記鉄筋かごの上方を埋設する態様で固化材が配置されていることを特徴とする場所打ち杭。
  2. 地盤に杭孔を掘削する工程と、
    掘削した前記杭孔に中空の鋼管を挿入配置する工程と、
    前記鋼管と一体または別体で、前記鋼管の外周面と前記杭孔の孔壁との間の空隙に、前記鋼管を囲繞する態様で鉄筋を挿入配置する工程と、
    前記鉄筋を埋設する態様で前記空隙に固化材を充填する工程と
    前記杭孔の掘削により発生した掘削土、固化体、地熱利用のための配管設備のうち少なくとも一つを前記鋼管の内部に投入する工程と、
    前記鋼管を前記杭孔の上側部分に挿入配置する一方、前記杭孔の下側部分に鉄筋かごを挿入配置して前記鉄筋かごを埋設する態様で固化材を充填する工程と、
    前記鋼管の下端に内挿された前記鉄筋かごの上方を埋設する態様で、前記鋼管の下側の内部に固化材を充填する工程とを備えることを特徴とする場所打ち杭の構築方法。
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