JP6415955B2 - 電線中継コネクタ - Google Patents
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Description
通信用ケーブル用で微細な弱電線どうしを接続するためのコネクタでは、ケーブルの被覆を剥離することなく所定幅に形成した圧接溝に被覆電線を圧入して通電する圧接通電方式を採用したものが知られている。
また、接続する一対のコネクタ形状を統一するために、2つのコネクタの左右と上下を互いに逆向きとして嵌合接続することができるように形成した雌雄同体構造のコネクタも知られている。
すなわち、当該文献に記載の電線中継コネクタは、雌雄同体となるハウジング本体、ハウジング蓋体、コンタクト本体で構成される。コンタクト本体は、一枚の金属板によって成形加工され、後側に電線との電気的接続を行うための圧接溝が配置され、前側に他方のコネクタと脱着するコンタクト部が配置されている。さらに、これらの中間部には、ハウジング本体に設けた係合段部に係合させてコンタクト本体がハウジングから抜けないようにするための抜け止め突起が形成されている。
ハウジング本体やハウジング蓋体を小型化すると、電線を圧接溝に載せながら、指先でハウジング蓋体をハウジング本体に係止させる作業を行うことになるが、これはハウジングが小さくなるほど細かな作業となる。また、ハウジング蓋体とハウジング本体とを別体として形成すると、電線を載せた状態で両者を位置合わせする作業が必要となるため、配線接続作業が難しく、手間を要することになる。
次に、圧接溝に被覆電線を載せ、薄肉部を支点にして第二筒部蓋体を旋回させていくと、やがて第二筒部蓋体によって被覆電線が押圧されて圧接溝に押し込まれ、電線がコンタクト本体と電気的に接続される。そして係止突起と係止穴とによって第二筒部本体と第二筒部蓋体とが固定されることにより、コンタクト本体がハウジング内に収納される。
また、第二筒部蓋体は第一筒部と一体的に形成されているため位置決めが不要であって、単に薄肉部を支点として旋回させるだけで係止突起および係止孔によって第二筒部本体と係止させることができるので、片方の指で電線を支持し、他方の指で第二筒部蓋体と第二筒部本体とを圧接する作業が簡単に実施できる。
当該構成により、上述した第一刃先部と厚肉部とによる固定だけでなく、コンタクト本体下部の切欠きと第二筒部本体の係合突起との係合により、ハウジング内におけるコンタクト本体の前後方向への移動を確実に防止することができる。
また、コンタクト本体のコンタクト部側を先に第一筒部に挿入し、旋回することによって係合させることができるので、第一筒部へのコンタクト本体の挿入時に係合突起の存在が邪魔になることがない。よって、挿入時に係合突起との接触を回避する機構を設けることなく、単にコンタクト本体に切欠きを設けるだけの簡単な構造で係合突起と切欠きとを係合させることができる。
第二筒部蓋体とコンタクト本体との間にも第二刃先部と厚肉部とを設けることにより、第二刃先部が第二筒部蓋体の(絶縁樹脂の)厚肉部に食い込み、第二刃先部が絶縁樹脂内に刺さった状態になって第二刃先部は厚肉部から抵抗を受け、元の旋回前の状態に戻れなくなるため、コンタクト本体と第二筒部蓋体とはしっかりと固定される。さらに、係止突起と係止穴とによる第二筒部本体と第二筒部蓋体との固定とともに協働して固定することができるようになり、強い圧接状態を維持することが可能になる。
さらに、ハウジングが一体形成されているため、第二筒部蓋体で被覆電線を圧接する際には第二筒部蓋体の部分を旋回させるだけでよいので、位置決めが不要となって指先での圧接作業を簡単に実施することができる。
図1(a)はコンタクト本体1の正面図、(b)は平面図、(c)は底面図、(d)は背面図、(e)は左側面図である。
コンタクト本体1は、長手方向後側(図1(a)左側)の圧接溝側Lと、長手方向前側(図1(a)右側)のコンタクト部側Mとからなる。
この突出片15、16の間隔および形状は、他方のコンタクト本体1にある同形の突出片15、16と弾性的に接触して電気的接続が確実に維持されるように定められている。
図2(a)はハウジング2の正面図、(b)は平面図、(c)は底面図、(d)は左側面図である。
図3はハウジング2にコンタクト本体1を挿入した状態を示す斜視図であって、(a)は後側から見た図、(b)は前側から見た図である。
ハウジング2は、大きく分けて第一筒部21と、(第二筒部蓋体22aと第二筒部本体22bに分割された)第二筒部22とからなる。第一筒部21と第二筒部蓋体22aおよび第二筒部本体22bとは、薄肉部23を介して一体構造となるように連結されており、全体がT字形をなすように成型加工されている。
図4は電線中継コネクタAを出荷したときの状態(すなわち被覆電線を圧接して電気的に接続する前の状態)を示す斜視図であり、(a)は後側から見た斜視図、(b)は前側から見た斜視図である。
コンタクト本体1のコンタクト部側Mはハウジング2の第一筒部21内に挿入され、圧接溝側Lの第一刃先部12が旋回した第二筒部本体22bの厚肉部27に食い込んでいる。このとき第二筒部本体22bには、薄肉部23によって旋回前の元の状態(図3参照)に戻ろうとする復元力が働いているが、第一刃先部12の厚肉部27への食い込みによって発生した抵抗力が勝り、そのまま固定される。したがって、第二筒部蓋体22aが開いたT字状の形態で出荷される。
具体的には、まず、被覆電線を片手側の指で支持する。続いて他方側の手の親指で第二筒部本体22bを支持しながら、人差し指で第二筒部蓋体22aを旋回していく。その後、突部31が被覆電線に当接すると抵抗を受けることになるがさらに旋回を続けていく。やがて第二刃先部13が厚肉部29に食い込むと同時に係止突起25が係止孔26に入り込んでいき、第二筒部蓋体22aと第二筒部本体22bとが当接すると係止突起25と係止孔26とによって固定される。このとき第二刃先部13が厚肉部29に食い込んで抵抗力が発生しているので、第二筒部蓋体22aについても薄肉部13による復元力が勝り、そのまま固定される。
この状態では、コネクタ内部において係止突起25と係止孔26とによる固定とともに、第一刃先部12と第二刃先部13の食い込みによる抵抗力が働いており、コンタクト本体1とハウジング2(第一筒部21、第二筒部22)とがしっかり固定されている。
例えば、上記実施形態では雌雄同体のコネクタとしたが、金型を別に形成する場合はコンタクト部が雌雄同体でなくてもよい。また、他方側コネクタとの電気的接続を行う突出片の形状についても特には限定されない。
また、上記実施形態ではコンタクト本体1に2つの刃先部12、13を形成したが、少なくともコンタクト本体1に1つの刃先部を設けて第二筒部本体22bと固定されるようにすれば、出荷時にコンタクト本体1とハウジング2とを固定しておくことができるので本発明の効果を得ることができる。
1 コンタクト本体
2 ハウジング
10a 平行壁
10b 底壁
10c 中壁
11 圧接溝
12 第一刃先部
13 第二刃先部
14 切欠き
15 突出片
16 突出片
21 第一筒部
22 第二筒部
22a 第二筒部蓋体
22b 第二筒部本体
23 薄肉部
24 段部
25 係止突起
26 係止孔
27 厚肉部
28 突起
29 厚肉部
30 ガイド溝
31 突部
Claims (3)
- 良導体金属製のコンタクト本体と、前記コンタクト本体を収納する絶縁樹脂製のハウジングとからなり、他方側コネクタと電気的に接続するための電線中継コネクタであって、
前記コンタクト本体は、前側に他方側コネクタと着脱するためのコンタクト部が形成され、後側に被覆電線を圧接する圧接溝が形成され、
前記ハウジングは、前記コンタクト部を覆う第一筒部と前記圧接溝を覆う第二筒部とが薄肉部を介して一体に形成され、前記第二筒部は、前記圧接溝の上方を覆う第二筒部蓋体と、前記圧接溝の側面および底面を覆う第二筒部本体とに二分割され、各々が前記薄肉部を支点として旋回可能に構成されるとともに、前記第二筒部蓋体と前記第二筒部本体とを係止する係止突起および係止孔が第二筒部の先端側に設けられ、
さらに、前記圧接溝側のコンタクト本体には第一刃先部が形成されるとともに、前記第二筒部本体には当該第一刃先部を食い込ませるための厚肉部が形成されることを特徴とする電線中継コネクタ。 - 前記圧接溝側のコンタクト本体の下部には切欠きが形成され、前記第二筒部本体を旋回させたときに当該切欠きと係合する係合突起が前記第二筒部本体に形成される請求項1に記載の電線中継コネクタ。
- 前記圧接溝側のコンタクト本体の上部には、前記第二筒部蓋体に食い込む第二刃先部が形成されるとともに、前記第二筒部蓋体には当該第二刃先部を食い込ませるための厚肉部が形成されることを特徴とする請求項1に記載の電線中継コネクタ。
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