JP6415536B2 - ブデソニドおよびフォルモテロールを含む医薬組成物 - Google Patents
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Description
・ ネブライザー(その中で薬剤は溶解されているか、または懸濁液の形態で分散されて、細かい霧状にされた液滴の形態で肺の内部に運ばれる)
・ 粉末での使用のための吸入デバイス(微粉化された乾燥粒子の形態で吸入器中に含まれる薬剤を放出することができる)
・ 加圧吸入器(その場合、薬剤が−溶液または懸濁液の液滴の形態で再度−加圧ボトルから放出される空気中に急速に膨張する不活性ガスにより肺深部の内部に運ばれる)
を用いて、薬剤を放出することによって肺深部へ投与される。
技術的な立場から、一般に、上記の吸入デバイスは患者の異なるタイプおよび異なる薬剤投与状況に適しているので、理想的な吸入製品は、種々の投与様式を用いる患者にその投与を可能にするべきである。
吸入用に製剤化された薬剤の安定性は、その物理的特徴を維持しながら、肺胞(肺深部)を含む肺の全面に渡って分配可能でなければならないという事実に関連して特に重要である。吸入投与のために現在承認されている、それゆえ肺組織に対して毒性を有さない賦形剤の数は非常に限定されているという事実もある。
それゆえ、吸入投与用の多孔質粒子作るためにリン脂質を用いることは、製品の長期安定性に関する合理的な科学的考察によって支持されていないようである。
ρ = 重量/体積 (g/cc)
による粉末および粒子を含む固体物質の密度と同一と見なされるので、粒子の絶対密度を意味するのではなく、むしろその全体の体積を考慮した粒子の見かけ密度(他の人によるいくつかの文献において「エンベロープ密度」と記載されている)を意味するために用いられる。
この製剤の方法は、製剤中に高いパーセント賦形剤の使用を必要とし、そのことは、その製剤中で用いられる活性成分の量をより少なくする。そのことが、そのような製剤が空気動力学的性能の課題を解決する理由であるが、未解決の化学的安定性の重大な問題が残っている。
− 用いられる活性成分の安定性;
− 適切なエアゾール性能、すなわち十分な量の活性成分の肺の中への沈着
を保証しなければならない。
エアゾール性能の観点から、粉末は、吸入投与のため適切な粒径および吸入時に粒子の解離を容易にすることができる組成物によって特徴付けられなければならない。同時に、粉末の組成の物理的特徴の組合せは、(個々の用量の吸入可能な粉末の形態での製品のための)単回用量吸入デバイスおよびデバイスに含まれるタンクから少な過ぎない用量を繰り返し取り出すことができるマルチ用量吸入器の両方による均等分配の実現可能性と一致しなければならない。
世界中で、喘息による死亡は、1年当たり250,000と推計されており、死亡率は、疾患の有病率と比例的に相関するように思われない。喘息を制御する費用は、患者および社会全体にとって高いように思われるけれど、非治療に関連する費用はさらに高い。
治療のゴールは、肺機能を最適化し、症状、悪化ならびに緊急の医療的ケアおよび最小限まで入院期間を減ずるために、喘息症状を制御下に保つことである。喘息の症状が制御されるとき、再発および重篤なリアクチゼーション(reacutization)は、ただまれにしか報告されない。
COPDの場合、現在の国際的ガイドラインは、既存の薬剤がどれも、この疾患の顕著な兆候である肺機能における長期の劣化を修正する能力を明らかにしていないことを示している。それゆえ、COPDに対する薬理療法は、症状または合併症を抑えるために用いられる。
気管支拡張剤は、COPDにおける症状管理に必須であり、症状およびリアクチゼーションを防止または減じるために、必要に応じてまたは一定間隔で用いられる。常用のICS治療を気管支拡張剤の使用に加えることは、予測FEV1<50%(ステージIII、重篤な COPD;およびステージIV、非常に重篤なCOPD)および再発性増悪を有する、症候性COPDを有する患者に適している。
ICSの全体の治療効果は気道へのそれらの沈着に依存するが、(用いられる吸入器および吸入技術に依存する)放出される用量のほとんどは、上気道(口、喉頭および咽頭)に沈着し、胃腸管に入る。両方の吸収経路(胃腸および肺)は、全身性副作用に関与する可能性のある、薬剤の全身生物学的利用能に寄与する。下気道に沈着した用量は体循環に直接吸収され、胃腸管で吸収された部分は肝臓を通って初回通過で代謝される。
放出される用量のかなりの割合(90%まで)は、口および咽頭に沈着し得る。このことは、口腔カンジダ症および食道カンジダ症、発声困難、ならびに咳を含む局所副作用のリスクを伴う。ICSの局所副作用を制限するため、中咽頭に沈着する量を減じることが有益であろう。
長期の外因性グルココルチコイドへの全身曝露は、内因性グルココルチコイド産生を抑制し、それゆえ、外因性の作用物質を突然に断つことは、急性の副腎不全および副腎クリーゼを引き起こし得る。
ICSの使用は、皮膚の減少したコラーゲン合成に関連する。高用量ICS療法は、皮膚の菲薄化および斑状出血を引き起こし、切り傷およびその他の皮膚の損傷に対して遅い皮膚治癒も引き起こす。
ICSの影響は議論の余地はあるけれど、コルチコステロイドは骨塩密度、特に脊椎の骨塩密度に影響を与える傾向があることがよく知られている。
ICSの使用に関するその他の非常に重要な問題は、その他の活性成分との潜在的な薬理学的相互作用に関する。現在利用可能なICSの全ては、主としてCYP3A4ファミリーの酵素の効果により、肝臓で広範な代謝的変換を受ける。このことが、臨床実務において、CYP3A4阻害剤と併用投与され、低用量のICSが用いられる理由である。
最近、米国食品医薬品局(FDA)は、喘息の治療でLABAの使用を制限する勧告を発した。したがって、ICSおよびLABA両方の全身負担を制限する新しい製剤の開発は、正当化され、治療的必要性をカバーすることに焦点を合わせていると思われる。
実際、活性成分が微粉末化され、固体状態で噴射剤中に懸濁されるとき、それらは、肺の最下部に効果的に達することができない。保管中に、その製品は圧縮され、肺への投与に不適当なサイズの粒子の塊を形成する傾向がある。それが、作用部位に沈着する薬剤の不足(不適当なサイズの状態の粒子の塊のため)を補うために、二つの活性成分がこのタイプの製剤中により多くの量で含まれる理由である。このことは、結果として起こるコルチコステロイドおよびβ2-作動薬の典型的な副作用の潜在的増加を伴う、肺の外側に沈着する活性成分の量が増加することを意味する。さらに、これらの製剤において、吸入器によって放出される粉末および活性成分の用量は、成長する粒子の塊が、薬剤の投与の間に粉末の放出を妨げるので、時にほとんど再現不可能となる。
− 製剤が一般的な粉末吸入器を用いて投与されたとき、ICSおよびLABAの両方の再現可能な用量が得られることを可能にし;
− 吸入筋力低下のため吸入困難性を有するもの(そのような患者は、高抵抗粉末ディスペンサーを用いることができず、その結果、薬剤の効力が損なわれる)を含む、全ての患者にとって吸入することが容易である、
喘息およびCOPDの治療のための吸入可能な粉末を手にすることもまた有益であろう。
a) 第一の粉末の5重量%より大きい量のブデソニドまたはその医薬的に許容される塩、第一の粉末の5〜70重量%の量のロイシン、第一の粉末の20〜90重量%の量の乳糖を含む第一の粉末;
b) 第二の粉末の1重量%より大きい量のフォルモテロールまたはその医薬的に許容される塩、第二の粉末の5〜70重量%の量のロイシン、第二の粉末の20〜90重量%の量の乳糖を含む第二の粉末;
c) 第三の粉末の5〜70重量%の量のロイシンおよび第三の粉末の20〜90重量%の量の乳糖を含む第三の粉末
を含む、吸入用医薬組成物の製造に関し、ここで、該組成物は、60%より大きい微粒子フラクション(FPF)および80%より大きい放出フラクション(DF)を有する。
特に、本発明による組成物中の第一粉末中のブデソニドは、それが含まれる粉末の7% w/wより大きな量を占める。
本発明による組成物中の第二粉末中のフォルモテロールは、それが含まれる粉末の2% w/wより大きい量を占める。
量に関して組成物を分析すると、上記の製剤に含まれるフデソニドは、30〜180μgの範囲の量であり、一方、フォルモテロール含量は、吸入単位用量当り1.5〜5.5μgの範囲の量である。「吸入単位用量」の用語は、各一回の吸入で吸入器のマウスピースから放出される用量を意味するのに用いられる。
第二の好ましい実施態様は、ブデソニド含量が、吸入単位用量当り75〜85μgの範囲の量であり、フォルモテロール含量が、吸入単位用量当り1.5〜3μgの範囲の量である。
第三の好ましい実施態様は、ブデソニド含量が、吸入単位用量当り155〜165μgの範囲の量であり、フォルモテロール含量が、吸入単位用量当り4〜5μgの範囲の量である。
本発明の目的物を形成する医薬組成物中に含まれる粉末は、各粉末の20〜90% w/w、好ましくは40〜80% w/wの範囲の量で乳糖、二糖類も含む。
本発明による医薬組成物中の界面活性剤は、種々のクラスの製薬用途のための界面活性剤から選択される。本発明で用いるのに適した界面活性剤は、一般的に有機溶媒に容易に溶解するが、水には弱溶解性かまたは全く不溶性である疎水性部分、および有機溶媒に弱溶解性かまたは全く不溶性であるが、水には容易に溶解する親水性(または極性)部分を含む、中または低分子量で特徴付けられるそれらの物質全てである。
陰イオン性界面活性剤の例は、(石鹸としてよく知られている)脂肪酸の塩、硫酸塩、硫酸エステルおよびリン酸エステルを含む。陽イオン性界面活性剤は、しばしばアミノ基を含む極性基に基づく。最も一般的な非イオン性界面活性剤は、オリゴ-(エチレン-オキサイド)基を含む極性基に基づく。両性イオン性界面活性剤は、一般に第4級アミンと硫酸基またはカルボキシ基とで構成される極性基によって特徴付けられる。
界面活性剤、好ましくはツイーン80の存在は、それのない製剤で検出される静電荷を減じるため、粉末の流動性および初期の結晶化なしに均質な固体状態の維持を確保するために必要である。
粉末のこの性質を評価するために行われる特徴付け試験は、ヨーロッパ薬局方の現行版に記載されているDUSAである。この試験を行うための条件は、その系において4 KPaの圧力降下を生じるような吸入器により粉末を吸入することからなる。
該粉末の好ましい粒径に関して、繰り返して言うが、カバーされる表面積を増加し、それによって肺深部の薬剤の沈着を最適化するために、粒度分布の少なくとも50%(X50)が5μm未満、好ましくは3μm未満、さらに良いのは2.0μm未満であるべきである。
製剤中に含まれる水分の量は、
− 粉末の製造の間およびそれに続く操作の間の両方で、その特徴的な疎水性が水分含量を限定するので、ロイシンの存在;
− 時間とともに次第に硬くなる構造中の水を捕捉し、その水が活性成分を加水分解するのに利用可能となるのを防ぐことによる糖の存在
によって制御される。
a) 第一の粉末の1% w/wより大きい量で活性成分、第一の粉末の5〜70% w/wの間に含まれる量のロイシン、および第一の粉末の20〜90% w/wの間に含まれる量の、粉末が噴霧乾燥によって得られた後で実質的に非晶質である乳糖を含む、少なくとも一つの第一の粉末を噴霧乾燥によって得ること;
b) 第二の粉末の5〜70% w/wの間に含まれる量のロイシン、および第二の粉末の20〜90% w/wの間に含まれる量の、粉末が噴霧乾燥によって得られた後で実質的に非晶質である乳糖を含む、第二の粉末を噴霧乾燥によって得ること;および
c) それらの二つの粉末をブレンドすること。
段階a)について、これらの段階は:
− 活性成分が適当な液体媒体中に含まれる第一の相(A)を調製すること;
− ロイシン、乳糖および界面活性剤が水性媒体中に溶解しているか、または分散している第二の相(B)を調製すること;
− 液体媒体が均質である第三の相(C)を得るために前記の相(A)と(B)を混合すること;
− 中位径が10.0μmより小さい粒度分布を有する乾燥粉末を得るために、制御された条件で前記の相(C)を乾燥すること;
− 前記の乾燥粉末を回収すること
を含む。
一方、相(A)が疎水性の活性成分の水性媒体中の懸濁液であるとき、そのとき相(C)も水性媒体中の懸濁液であり、この懸濁液は賦形剤および界面活性剤を含む、そこに溶解する可溶性成分を含むであろう。
− ロイシン、乳糖および界面活性剤が水性媒体中に溶解または分散している、第一の相(A)を調製すること;
− 中位径が10.0μmより小さいような粒度分布を有する乾燥粉末を得るために制御された条件下に上記の相(A)を乾燥すること;
− 上記の乾燥粉末を回収すること
を含む。
これらのミキサーのほかに、ウルトラ ターラックス(Ultraturrax)またはシルバーソン(Silverson)のような、液体を混合するのに通常用いられるデバイスを用いて、または流動床造粒装置内でも、粉末をブレンドすることも可能である。
主に粉末の形態およびそれらの製造に用いられる方法のおかげで、(肺の)意図した作用部位で大部分の粉末が沈着するのを可能にする、本発明による吸入可能な医薬組成物の空気動力学的性能が与えられ、より少量の活性成分の投与で治療される疾患に対する有効的な治療効果が達成される。
特に、本発明による吸入可能な医薬組成物により、ある疾患の治療のために現在投与されている活性成分の用量と比較して、投与に必要な活性成分の用量が半分になり得る。その結果、活性成分の含量を減じることは、コルチコステロイドおよびβ2-作動薬を含む薬剤の典型的な副作用を減じる。
活性成分およびそれを希釈するために用いられる粉末(以下「増量剤」と称する)を含む粉末は、非晶質の粒子が適当な溶媒または混合溶媒中で調製された活性成分および賦形剤の溶液から、均質の粒度分布で得られることを可能にする乾燥方法である噴霧乾燥によって得られた。
本明細書に記載の製剤に対して、用いられる溶媒は70/30の固定比率での水とエチルアルコールである。溶解固形物の濃度は、活性成分を含む製剤に対して1重量/体積(w/v)%であり、増量剤に対して2% w/vであった。
活性成分としてブデソニドを含む製剤において、この活性成分をアルコール部分に独立して溶解し、次いで、それに賦形剤を含む水溶液を加えて、水-アルコール溶液を得た。
- ノズル直径:0.7 mm
- 噴霧ガス:窒素
- 噴霧圧力:4バール
- 乾燥ガス:空気
- 100% 吸引(35 m3/時間)
- 入口温度 170℃
- 供給速度 8% (2.4 ml/分)
- 粉末回収システム:粉末回収のためのガラス容器を有するサイクロン分離器 (外径: 8.5 cm. 高さ: 30.5 cm)
- 出口フィルター: ナイロン・スリーブ。
粉末は、製造後すぐにホウケイ酸ガラス・アンプル中に充填し、不完全真空下(30%)、熱溶着によりシールされた2重アルミホイル封筒中に置かれた。
活性成分+増量剤を含む粉末をブレンドすることによって、実施例に記載の製剤を得た。
最初の粉末間の量比に関係なく、層状ブレンド技術を用いて、混合容器内で増量剤の2つの層の間に活性成分を含む粉末を配置した。ウルトラ ターラックスT10ミキサーを用いて、製造されたバッチのそれぞれに含まれる粉末3.5 gに十分と考えられる5分間それらを混合して、粉末をブレンドした。バルクの異なる箇所から採取した10の試料について内容物の均一性を力価分析によりチェックした。
ボトル中の粉末のブレンドおよび分配は、制御された湿度および温度条件下:最高温度20℃および環境相対湿度<35%のグローブ・ボックス中で行った。
上記のように充填された粉末を、加速安定性研究の間、温度40℃、相対湿度13%でオーブン中に保存した。
試験のために設定されたそれぞれの時点で、安定性ポイントに対応する資料を採取し、室温に達するまで放置して冷却し、次いで、グローブ・ボックス中で制御された条件(温度<20℃、RH<35%)下に開封し、プロトコールで設定されたようにして分析した。
得られた粉末を、RODOS分散機を備え、(Fraunhofer理論によって粒径を分析する)Sympatec Helos光散乱装置を用い、乾燥条件で、粒度分布について特徴付けた。計器は、標準物質で適当に校正され、計器の取扱説明書の指示に従って調整された。
分析の前に適当にクリーニングした後、各製造バッチからの粉末の所定量を、試料の予備調製なしで分析した。用いられた分散ガスは、あらゆる粒子状物質を除くために適当にフィルターにかけられた圧縮空気であった。したがって、設定された分析方法は、試料、粉末分散機および光散乱分析機に関しての次の事前注意を講ずることを含んだ。
試料
− 量:約100 mg
− 供給手段:スパチュラで
− 試料の前処理:なし
− RODOS分散機
− モデル M ID-NR 230 V/Hz 24Va
− 分散圧力:3バール
− モデル:Helos
− 分析方法: Fraunhofer
− ソフトウエア バージョン:Windox 4.0
− レンズ:R1 (0.1-35 μm)
− 最小光学濃度:1%
− 分析活性化閾値:試料の少なくとも100msの曝露で最大30秒間の検出可能な最小光学濃 度1%
分析は全て制御された温度および湿度条件下:温度<25℃および相対湿度<50% RHで行われた。寸法分析は、粉末の試料における粒子の母集団の体積平均径(VMD)を示す値を生じた。
粉末中の残留水分含量を、Karl Fischer法、電量システム法を用いて測定した。このことは、試薬としてHYDRANAL(登録商標)-Coulomat AGを用いるC20 Compact Karl Fischer Coulometer (Mettler Toledo)を用いて行われた。
試料粉末を、約15〜20 mgの量で正確に秤量し、その量を試料のパラメータに記録した。試料を試薬溶媒浴に入れた後すぐに滴定を始めた。装置は、分析後に試料中に含まれる水のパーセントを直接示す。
活性成分およびそれらの相互関連物質の含量を確かめるために、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)を用いた。分析方法は次のパラメータによって特徴付けられた:
溶媒:50/50 メタノール/リン酸緩衝液 pH 2.7 25mM
移動相:アセトニトリル/リン酸緩衝液 pH 2.9 2.82 mM
分析カラム:Agilent Poroshell 120 EC-C18, 100 mm×3.0 mm, 2.7 μm
カラム温度:30℃
波長:220 nm (フマル酸フォルモテロール)および240 nm (ブデソニド)
保持時間:2.4分 (フマル酸フォルモテロール)および8.0分 (ブデソニド)
面積を既知の濃度の標準溶液と相関させることによって、活性成分の含量を測定した。分解生成物に対応する全分析ピークの面積の合計と、標準活性成分との間の比として、生成物の分解を計算した。分解生成物の合計は、クロマトグラムで活性成分の面積の0.1%より大きい面積を有する全ての分析ピークを含めた。
示差走査熱量測定(DSC)は、試料における吸熱または発熱効果を有する相の変化、水分の損失、化学反応のような化学的-物理的現象を特定するために用いられる熱分析技術である。DSCのために、試料は一定の加熱速度で加熱され、その温度を上げるのに必要な熱量はその熱容量に依存する。吸熱または発熱現象のそれぞれが、その物質の熱容量を可逆的または不可逆的に変更し、サーモグラムのベースラインの変化として特定される。
非晶質乳糖を含む製剤は、加熱の間に結晶化を急速に引き起こす非晶質の固体状態から準安定状態への乳糖のガラス-ゴム転移に対応する発熱ピークによって特徴付けられる、熱容量における典型的な低下を示す。これらの現象に対応する温度は、試料の組成および試料の保存および調製の環境条件に依存して変化する。
Multi Stage Liquid Impinger(MSLI)は、インビトロで吸入製剤の肺沈着をシミュレートするための装置である。適当な吸入器によって放出され、吸引によって装置中に運ばれる吸入可能な製剤は、粒径、密度、形のような粉末の空気動力学的特徴に応じて、インピンジャーの種々の段階に連続して沈着する。MSLIの各段階は、そこの内部に沈着した粉末の空気動力学的粒径の幅に対応する。粉末の空気動力学的粒度分布を特定するために、各段階での活性成分の量のHPLC分析が用いられ、それは、空気動力学的中央粒子径(MMAD)ならびにヨーロッパ薬局方による空気動力学的直径<5.0μmを有するフラクションである吸入可能なフラクション(微粒子フラクション、FPFとしても知られている)を計算することを可能にする。
− 段階1:>13μm
− 段階2:13μm〜6.8μm
− 段階3:6.8μm〜3.1μm
− 段階4:3.1μm〜1.7μm
− 段階5(フィルター):<1.7μm
吸入可能なフラクション(または微粒子フラクション)は、5μmより小さい空気動力学的直径を有する粒子を含み、特定のソフトウエア (CITDAS Copley)を用いて計算された。
− 放出フラクション(DF):すなわち吸入器のマウスピースから出る活性成分の量のパーセント;
− 微粒子量(FPD):直径<5.0μmを有する活性成分の吸入可能な用量;
− 微粒子フラクション(FPF):放出される量の割合として表される活性成分の吸入可能なフラクション(空気動力学的直径<5.0μm)
− 空気動力学的中央粒子径(MMAD):放出される粒子の中位空気動力学的直径。
各段階での活性成分は、含量および分解生成物による分析方法を用いて、HPLCによって定量化された。
製剤中の遊離水の存在に影響を受ける活性成分であるフマル酸フォルモテロールを含む粉末を製造し、実施例1を行った。フォルモテロール粉末と一緒に、ロイシンと乳糖またはマンニトールの異なる量を含む粉末を製造した。その例は、フォルモテロールに対する乳糖の保護効果を明示した;この保護効果は、乳糖が製剤中に含まれる遊離水に対する「捕捉」効果を有することができるという事実によって説明される。
・フォルモテロールとロイシンだけを含む粉末、
・フォルモテロールとロイシンと一緒に乳糖の異なる量を有する2つの粉末、および
・乳糖が異なる糖、すなわちマンニトールによって置き換えられた2つの粉末
を製造した。
2つの異なる量での乳糖とロイシンを用いて、活性成分としてブデソニドを含む粉末(表中でHLSA Budと表示)を製造し、実施例2を行った。増量剤として、ロイシンの3つの異なる量および乳糖を用いて、乳糖とロイシンを含む他の製剤(表中でBAと表示)、すなわちロイシンと乳糖を含むが活性成分は含まない粉末を、ブデソニドを含む製剤とともに製造した。放出フラクションおよび微粒子フラクションのようなパラメータに正の効果を有する、その製剤の解離性を試験するために、3つの異なる量、0%、50%および91.5%でのロイシンの含有物を用いた。
・分解生成物が、時間T0で全活性成分の1%より低い(T0の分解生成物<1% tot);
・放出フラクション、すなわち吸入器のマウスピースから放出される活性成分の量のパーセントが、時間T3で80%より大きい(T3でのDF>80%);
・微粒子フラクション、すなわち大きさが5μより小さい活性成分の微粒子の量が、時間T0および時間T3で60%より大きい(T0およびT3でのFPT>60%)
場合に、本粉末は受容される、すなわちそれは吸入投与のための最適パラメータを満たしている。
2つの異なる量での乳糖およびロイシンと一緒に、活性成分としてフマル酸フォルモテロールを含む粉末(表中でHLSA FFと表示)を製造して、この実施例を行った。増量剤として、3つの異なる量のロイシンと乳糖を用いて、乳糖とロイシンを含むその他の粉末(表中でBAと表示)、すなわちロイシンと乳糖を含むが活性成分は含まない粉末を、フマル酸フォルモテロールを含む製剤とともに製造した。放出フラクションおよび微粒子フラクションのようなパラメータに正の効果を有する、その製剤の解離性を試験するために、3つの異なる量、0%、50%および91.5%でのロイシンの含有物を用いた。
・分解生成物が、時間T0で全活性成分の1%より低い(T0の分解生成物<1% tot);
・放出フラクション、すなわち吸入器のマウスピースから放出される活性成分の量のパーセントが、時間T3で80%より大きい(T3でのDF>80%);
・微粒子フラクション、すなわち大きさが5μより小さい活性成分の微粒子の量が、時間T0および時間T3で60%より大きい(T0およびT3でのFPT>60%)
場合に、本粉末は受容される、すなわちそれは吸入投与のための最適パラメータを満たしている。
現在市場で入手可能な異なる製剤の製品を、ブデソニドとフォルモテロールの可変量を含む本発明による医薬組成物を含む混合物と比較して、本実施例を行った。
比較のために用いた市販の製品は、320/9、160/4.5および80/4.5のμgで表されるフマル酸フォルモテロールに対するブデソニドの比を有する、3つの異なる製剤で入手可能な、アストラゼネカにより製造されたシンビコート(Symbicort)(登録商標)であった。
− マウスピースからの薬剤放出の高用量および作用部位に沈着される薬剤の量が薬理学的に有効であり得ることを保証するのに十分な微粒子のパーセントを維持しながら;
− 同時に、投与される薬剤の副作用特性を減少して
達成される。
Claims (19)
- a) 第一の粉末の5重量%より多い量のブデソニドまたはその医薬的に許容される塩、第一の粉末の5〜70重量%の量のロイシン、第一の粉末の20〜90重量%の量の乳糖を含む第一の粉末;
b) 第二の粉末の1重量%より多い量のフォルモテロールまたはその医薬的に許容される塩、第二の粉末の5〜70重量%の量のロイシン、第二の粉末の20〜90重量%の量の乳糖を含む第二の粉末;
c) 第三の粉末の5〜70重量%の量のロイシンおよび第三の粉末の20〜90重量%の量の乳糖を含む第三の粉末
を含むことを特徴とし、60%より大きい微粒子フラクション(FPF)および90%より大きい放出フラクション(DF)を有する、吸入用の医薬組成物。 - 重量で表される組成物中の糖の量に対する、組成物を形成する非晶質の形態にある粉末の重量で表される量の割合が、0.8〜1.5であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
- 第一および第二の粉末が、各粉末の0.2〜2重量%の量で界面活性剤を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。
- ブデソニドの含量が第一の粉末の7重量%より多い量であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の組成物。
- フォルモテロールの含量が第二の粉末の2重量%より多い量であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つに記載の組成物。
- ロイシンの含量が18〜55重量%の量であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一つに記載の組成物。
- 乳糖の含量が40〜80重量%の量であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つに記載の組成物。
- 界面活性剤が、塩化ベンザルコニウム、セトリミド、ドキュセートナトリウム、モノオレイン酸グリセリル、ソルビタンエステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート類、リン脂質類、胆汁塩類、ポリソルベート類、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンのブロックコポリマー類からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一つに記載の組成物。
- 界面活性剤の含量が、0.4〜0.8重量%の量であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一つに記載の組成物。
- 第一、第二および第三の粉末が、5μmより小さいX50を有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一つに記載の組成物。
- 第一、第二および第三の粉末が、3μmより小さいX50を有することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一つに記載の組成物。
- ブデソニドとフォルモテロールのモル比が15:1〜40:1であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一つに記載の組成物。
- 吸入後に吸入器のマウスピースから出る吸入用量である吸入単位用量当り、ブデソニドが30〜180μgの量にあり、フォルモテロールが1.5〜5.5μgの量にあることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一つに記載の組成物。
- 吸入単位用量当り、ブデソニドが35〜45μgの量にあり、フォルモテロールが1.5〜3μgの量にあることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一つに記載の組成物。
- 吸入単位用量当り、ブデソニドが75〜85μgの量にあり、フォルモテロールが1.5〜3μgの量にあることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一つに記載の組成物。
- 吸入単位用量当り、ブデソニドが155〜165μgの量にあり、フォルモテロールが4〜5μgの量にあることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一つに記載の組成物。
- 喘息の治療の維持療法および必要療法の両方で使用するための、請求項1〜16のいずれか一つに記載の組成物。
- 慢性閉塞性肺疾患の治療で使用するための、請求項1〜17のいずれか一つに記載の組成物。
- 請求項1〜18のいずれか一つに記載の組成物の所定量と、吸入用デバイスとを含む、吸入用粉末としての薬剤を投与するためのキット。
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