JP6415474B2 - 誘電体磁器組成物及びそれを有する誘電体素子 - Google Patents

誘電体磁器組成物及びそれを有する誘電体素子 Download PDF

Info

Publication number
JP6415474B2
JP6415474B2 JP2016082482A JP2016082482A JP6415474B2 JP 6415474 B2 JP6415474 B2 JP 6415474B2 JP 2016082482 A JP2016082482 A JP 2016082482A JP 2016082482 A JP2016082482 A JP 2016082482A JP 6415474 B2 JP6415474 B2 JP 6415474B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dielectric
capacitance
ceramic composition
production example
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016082482A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017014095A (ja
Inventor
寛之 清水
寛之 清水
土信田 豊
豊 土信田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyo Yuden Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Yuden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiyo Yuden Co Ltd filed Critical Taiyo Yuden Co Ltd
Priority to US15/195,979 priority Critical patent/US9637414B2/en
Publication of JP2017014095A publication Critical patent/JP2017014095A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6415474B2 publication Critical patent/JP6415474B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
  • Inorganic Insulating Materials (AREA)

Description

本発明は誘電体磁器組成物及びそれを有する誘電体素子に関する。
近年、電子部品は様々な分野で用いられており、過酷な環境下で使用されるケースもある。たとえば、車載向けデバイスとして期待されるSiCやGaNをベースにしたパワーデバイスの作動、あるいは自動車のエンジンルーム内のノイズ除去などに用いられる電子部品は、たとえば200〜350℃という高温においても、比誘電率の温度特性が良好であることが要求される。しかしながら、コンデンサを構成する誘電体磁器組成物として多く用いられているチタン酸バリウムは、キュリー温度が130℃付近にあるため、150℃以上の温度領域では比誘電率が大きく低下してしまい、上記の要求を満足させることができないという問題があった。
従来、このような高温用途には、Pbを含む材料が用いられてきた。例えばPbTiO−BaZrOで示されるような2成分系の誘電体磁器成分は、PbTiOのキュリー点が490℃前後であることを利用して、300℃程度まで比誘電率の温度依存性を比較的少なくできる。また、Laを添加したPb(Zr0.95Ti0.05)O(PLZT)では、上記のチタン酸バリウムとは異なる反強誘電性の性質から、比誘電率の高温におけるバイアス依存性を良好にできる。これらはチタン酸バリウムの問題に鑑みて発明されたものであるが、そのような組成に含まれるPbは環境負荷物質であるため、使用は好ましくない。そのため、Pbを含むことなく、高温領域においても、特性が良好な材料が求められている。
鉛を含有しないビスマスニオブ酸系の圧電磁器組成物が周知である(例えば、特許文献1〜3)。しかし、これら特許文献には、誘電体磁器組成物について広い温度域における比誘電率の温度依存性を低減することについては開示されていない。更に言えば、特許文献2,3などの発明では、セラミックスの焼成温度が1050℃以上と高い。
鉛を含まずキュリー点の高い温度特性の良好なビスマスニオブ酸系組成物を積層型コンデンサの誘電体層の材料として考えた場合、内部電極に銀パラジウム合金を用いることが望ましい。Ni電極と異なり大気雰囲気での焼成が可能で、プロセスが簡便である。また、焼成温度が低いためコスト面でメリットがある。銀パラジウム合金(Ag−Pd)電極は、銀(Ag)とパラジウム(Pd)の比率(Ag/Pd)によりコストや焼成温度が異なるが、コストを鑑みるとAg比率は7/10以上が望まれる。
ビスマスニオブ酸系のBNT-BT-KNN(Bi1/2Na1/2TiO3-BaTiO3-K0.5Na0.5NbO3)はPd電極との同時焼成について報告がある。Ag系電極では、Nagataらの研究によると(非特許文献1)、1050℃でBKT(Bi0.50.5TiO)を焼成すると、BiとAgの反応が起きることが分かっている。このように、コストメリットのあるAg−Pd電極では、BiとAgの反応が危惧されるため、1050℃未満の温度での焼成が望まれる。そうすることでAg/Pd=7/3、8/2、9/1などの電極も可能となる。焼結温度を低下させるため、何らかの焼結助剤が必要である。非特許文献2では、BNT−BT−KNNのKNN比率の増加に伴い、誘電率がブロードになることが報告されている。これは、温度変化に対する静電容量の変化率が小さいことを意味する。しかしながら、KNN比率の増加に伴い焼結温度は高くなり、焼結体の相対密度は低くなるという課題がある。
特開2002−220280号公報 特開2011−230962号公報 特許第5586621号公報
Nagata et al.,Japanese Journal of Applied Physics,52 09KD05(2013) Dittmer et. al.,Journal of Applied Physics,109,034107, 2011 Journal of European Ceramics Society,31 (2011)2107−2117
KNN比率が増加すると比誘電率の温度特性がよくなるが、その一方でセラミックスが焼け難くなり、焼結密度が低くなるという課題がある。また、Pd電極が実現可能な組成物であるが、Pdはコストが高いことからAg−Pd電極が望ましく、Ag含有量が多いものほど安価であり望ましい(例えば、Ag/Pd=70/30)。しかし、Ag比率が高くなると(Ag/Pd=90/10)、焼成温度を低減させる必要があるため、技術難易度が高くなる。さらに、非特許文献1によると、AgはBiと反応しやすいことから、1050℃未満で焼成することが好適である。以上を鑑みて、本発明は、Pbを含まず、低温焼成が可能な誘電体磁器組成物およびそれを有する誘電体素子の提供を目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、本発明を完成した。
本発明の誘電体磁器組成物は下記一般式(1)で表される。
100[1−x(0.94Bi1/2Na1/2TiO3-0.06BaTiO3)-xK0.5Na0.5NbO3]+αCuO+βLiF・・・(1)
ここで、xは0.14〜0.28である。α、βについては以下の(I)又は(II)の条件を満たす。(I)αが0.4〜1.5でありβが0〜2.4である。(II)αが0〜1.5でありβが0.2〜2.4である。本発明の誘電体磁器組成物は焼結密度が93%以上である。
本発明の別の形態では、上記の誘電体磁器組成物からなる誘電体層と、銀パラジウム合金からなる内部電極層との積層体を有する積層型の誘電体素子が提供される。ここで、銀パラジウム合金は銀が65〜90wt%、残部がパラジウムの組成である。
前記積層体は好ましくは1050℃未満で焼成される。前記誘電体素子における、静電容量の温度変化率ΔC400℃/C25℃は30%以下であり、ΔCpeak/C25℃が50%以下である。ΔC400℃/C25℃及びΔCpeak/C25℃の定義については後述する。また、前記誘電体素子における、時定数(RC定数)は好ましくは200〜350secである。RC定数の定義についても後述する。
本発明によれば、環境負荷物質のPbやSbなどの重金属元素を使用することなく、1050℃未満の低温焼結が可能でAg/Pd=7/3電極などとの同時焼成が可能な誘電体磁器組成物が提供される。そのような誘電体磁器組成物を誘電体層として有する誘電体素子は、広範囲な温度領域(例えば、−55〜400℃)における比誘電率の変化率が小さい、良好な温度特性を示す。したがって、本発明の誘電体磁器組成物を有する誘電体素子は、高温領域での使用が求められる車載用途や、さらにより高温領域まで求められている、SiCやGaN系のワイドバンドギャップ半導体材料を用いたパワーデバイス用の平滑用のコンデンサとして最適である。
本発明の誘電体磁器組成物は上記一般式(1)で表される組成をもつ。
xはBNT−BTとKNNとの比率を反映する数値であり、本発明では0.14〜0.28である。
α、βはCuO及びLiFの添加量をそれぞれ反映する数値である。CuO及びLiFについては少なくとも一方が含まれていればよく、CuOが含まれない場合にはαはゼロであり、LiFが含まれない場合にはβはゼロである。
LiFが含まれない場合(即ちβ=0)、αの最小値は0.4以上である。LiFの有無にかかわらずαの最大値は1.5である。CuOが含まれない場合(即ちα=0)、βの最小値は0.2以上である。CuOの有無にかかわらずβの最大値は2.4である。以上をまとめると、αとβについて以下の条件(I)又は(II)が導出される。
条件(I)αが0.4〜1.5でありβが0〜2.4である。
条件(II)αが0〜1.5でありβが0.2〜2.4である。
α、βが上記範囲であるようにCuO及び/又はLiFを共存させることにより、焼結密度が向上する。
本発明の誘電体磁器組成物は、焼結密度が93%以上である。焼結密度の測定方法は実施例の欄にて記載する。焼結密度の向上には通常は焼結温度を高くすることが挙げられるところ、本発明の誘電体磁器組成物では、例えば1050℃未満の焼結温度による焼結によって上述の焼結密度を達し得る点に大きな利点がある。
以下、製造方法を説明しつつ、本発明の誘電体磁器組成物の実施態様を挙げる。以下の製造方法はあくまで例示であり、本発明の誘電体磁器組成物の製造方法を限定する趣旨ではない。
まず、誘電体磁器組成物を作製するための出発原料として、各金属元素を含む原料粉を準備する。原料粉としては各金属元素の酸化物や炭酸塩などの粉末が挙げられ、具体的には、酸化ビスマス(Bi)、炭酸ナトリウム(NaCO)、炭酸カリウム(KCO)、炭酸バリウム(BaCO)、酸化チタン(TiO)、酸化二オブ(Nb)、酸化銅(CuO)及びフッ化リチウム(LiF)の粉末などが挙げられる。
これら原料粉を、最終的に目標とすべき誘電体磁器組成物(焼結体)の組成と合致するように、上記粉末原料を秤量する。次に、秤量した各原料粉末を、ボールミル等により湿式混合する。そして、湿式混合により得られた混合物を仮焼することにより仮焼物を得る。ここで、仮焼は、通常空気中で施される。また、仮焼温度は850〜900℃であることが好ましく、仮焼時間は1〜8時間が好ましい。
得られた仮焼物を、ボールミル等で湿式粉砕した後、これを乾燥させることにより、仮焼物粉体を得る。次いで、得られた仮焼物粉体に少量のバインダ(アクリモノマー添加し、プレス成形することにより、成形体を得る。ここで、成形圧力は、粉体状態にも依るが、4〜6t/cm程度であることが好ましい。成形体の形状に特に制限はなく、例えば、平面寸法φ12mm、厚さ1mm程度の円板状成形体とすることができる。
そして、得られた成形体を焼成することにより誘電体磁器組成物試料を得る。ここで、焼成は、通常空気中で施される。また、焼成温度は1050℃未満であり、好ましくは960〜1040℃であり、焼成時間は2〜10時間であることが好ましい。このとき、焼結密度は93%以上のものが得られる必要がある。
得られた誘電体磁器組成物試料の両面に、銀等の金属電極を形成してもよい。電極形成の方法は特に限定は無く、蒸着、焼付け、無電解めっき等が挙げられる。
本発明の誘電体磁器組成物は、誘電体層として誘電体素子が有していてもよく、そのような誘電体素子もまた本発明の一実施態様である。本発明の誘電体素子の一例として、積層型の誘電体素子について、その製法とともに説明する。この誘電体素子は、直方体状の積層体と、この積層体の対向する端面にそれぞれ形成された一対の端子電極とを備えている。
積層体は、誘電体層と内部電極層(電極層)とが交互に積層してなる素体、ならびに、この素体をその積層方向の両端面側(上下方向)から挟み込むように設けられた一対の保護層などから構成される。
誘電体層は、上述の誘電体磁器組成物からなる層である。誘電体層の1層当たりの厚さは、任意であり、例えば0.1〜100μmが挙げられる。
内部電極層はそれぞれ平行となるように設けられている。素体においては、内部電極層は、一方の端部が積層体における一方の端部に露出するように形成されたものと、一方の端部が積層体における他方の端部に露出するように形成されたものを、交互にそれぞれ平行に設ける。
内部電極層の材質としては銀パラジウム合金を用いる。本発明において、銀パラジウム合金は銀が65〜90wt%、残部がパラジウムである。銀の含有率が高いことによりコスト面で有利である。
積層体の片方の端面及び他方の端面にそれぞれ露出している内部電極層の端部と、端子電極とがそれぞれ接している。これにより、端子電極は内部電極層とそれぞれ電気的に接続される。この端子電極の材質は特に限定は無く、Ag、Au、Cu等を主成分とする導電材料から構成することができる。端子電極の厚さは、用途や積層型誘電素子のサイズ等によって適宜設定され、例えば10〜50μmであってもよい。
好ましくは、誘電体素子における、高温における容量の温度変化率ΔC400℃/C25℃は30%以下であり、また、ΔCpeak/C25℃が50%以下である。
温度変化率ΔC400℃/C25℃は、400℃における静電容量と25℃の静電容量との差を25℃における静電容量で除した値である。温度変化率ΔCpeak/C25℃は、−55〜400℃における静電容量の最大値と25℃の静電容量との差を25℃における静電容量で除した値である。具体的には、400℃における静電容量をC400℃、25℃(室温)における静電容量をC25℃、−55〜400の測定範囲における静電容量の最大値をCpeakとするとき、これら静電容量の測定値から、各温度変化率は以下のように算出される。
ΔC400℃/C25℃=(C400℃−C25℃)/C25℃
ΔCpeak/C25℃=(Cpeak−C25℃)/C25℃
これらの静電容量は、上記のとおり電極を形成した誘電体素子について、LCRメーター(Hewlett Packard, 4192AあるいはE4980A, Agilent)を用いて測定する。測定周波数は1kHz、測定温度範囲は−55〜400℃とする。
好ましくは、誘電体素子における、高温(例えば、150℃)における時定数RCは200〜350secである。時定数は150℃にて評価した。印加電圧は、電界強度が5kV/mmになるように印加した。静電容量は1Vで測定した。
以上、本実施形態の誘電体磁器組成物および誘電体素子について説明したが、当該誘電体磁器組成物は、高電界を印加した時のDCバイアス特性が良好であるため、例えば、比較的に定格電圧が高い中高圧コンデンサに好適に用いることができる。また、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の誘電体素子は、上述した誘電体磁器組成物からなる誘電体層と上述した組成の銀パラジウムからなる内部電極層との積層構造を有していればよく、具体的な形状、製造方法等は、従来技術を適宜参照することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に記載された態様に限定されるわけではない。
誘電体磁器組成物を作製するため、出発原料として、酸化ビスマス(Bi)、炭酸ナトリウム(NaCO)、炭酸カリウム(KCO)、炭酸バリウム(BaCO)、酸化チタン(TiO)、酸化二オブ(Nb)、酸化銅(CuO)及びフッ化リチウム(LiF)の粉末を準備した。
そして、本焼成後の誘電体磁器組成物(焼結体)が、上記一般式(1)を満たすものとなるように、上記粉末原料を秤量した。
次に、秤量した各原料粉末を、ボールミルにより湿式混合した。そして、湿式混合により得られた混合物を900℃で3時間仮焼することにより仮焼物を得た。
得られた仮焼物を、ボールミルで湿式粉砕した後、これを乾燥させることにより、仮焼物粉体を得た。次いで、得られた仮焼物粉体に少量のバインダを添加し、プレス成形することにより、φ12mm、厚さ1mmの円板状成形体を得た(製造例1〜13)。
そして、得られた成形体を、空気中、下記の焼成温度で、3時間焼成することにより誘電体磁器組成物試料を得た。得られた誘電体磁器組成物試料の焼結密度を測定した。焼結密度はJIS R 1634:1998に従って測定した。
各試料の組成、焼結温度、焼結密度は以下のとおりであった。1050℃未満の焼結温度にて93%以上の焼結密度のものが得られることが求められる。なお、製造例番号に*を付したものは、本発明における比較例を意味する。

x α β 焼結温度 焼結密度%
*製造例1 0.10 0 0 1100℃ 94.3
*製造例2 0.12 0 0 1100℃ 94.1
*製造例3 0.14 0 0 1100℃ 94.5
*製造例4 0.18 0 0 1100℃ 94.9
*製造例5 0.24 0 0 1130℃ 93.0
*製造例6 0.12 1 0 1000℃ 97.2
製造例7 0.14 1 0 1000℃ 96.3
製造例8 0.18 1 0 1000℃ 95.5
製造例9 0.24 1 0 1000℃ 97.3
*製造例10 0.12 0 1 1040℃ 93.0
製造例11 0.14 0 1 1040℃ 93.3
製造例12 0.18 0 1 1040℃ 93.2
製造例13 0.24 0 1 1040℃ 93.1
次に、本発明の誘電体磁器組成物を有する積層型の誘電体素子を製造した(製造例14〜34)。誘電体素子は、直方体状の積層体と、この積層体の対向する端面にそれぞれ形成された一対の端子電極とを備える。
積層体は、誘電体層を介して内部電極層(電極層)を交互に積層してなる素体と、この素体をその積層方向の両端面側(上下方向)から挟み込むように設けられた一対の保護層とから構成した。素体においては、誘電体層と内部電極層とを交互に積層した。ここで、誘電体層として、上記一般式(1)をみたす誘電体磁器組成物を用いた。
1層の誘電体層の厚さは8μmにし、この製造例では10層積層した。内部電極層は、一方の端部が積層体における一方の端部に露出するように形成されたものと、一方の端部が積層体における他方の端部に露出するように形成されたものを、交互にそれぞれ平行に設けた。この製造例では、内部電極層の材質として、銀パラジウム合金(銀が70wt%、残部がパラジウム)を用いた。
積層体の両端は、上述の露出している内部電極層の端部とそれぞれ接するように端子電極を形成した。これにより、端子電極と内部電極層とが電気的に接続された。この製造例では、端子電極の材質として、銀を用いた。端子電極の厚さは100μmにした。
上述の設計となるように、積層型の誘電体素子を製造した。製造に際しては、上記仮焼物粉体を含むスラリーを調製して、そのスラリーを用いてグリーンシートを調製し、内部電極原料を含むペーストを別途調製し、そのペーストを上記グリーンシートに印刷した。印刷済みのグリーンシートを積層・圧着・カットし、所定の焼結温度にて2時間、空気中で焼成した。その後、銀ペーストを焼付けし、端子電極を形成した。このようにして誘電体素子を得た。
焼成温度は、以下のとおりであった。
α=β=0である製造例14〜20は1100℃。α=1、β=0である製造例21〜27は1000℃。α=0、β=1である製造例28〜34は1040℃。これらの温度で焼成することにより、製造例20以外については、誘電体層、即ち誘電体磁器組成物は93%以上の焼結密度を呈した。製造例20については以降の電気特性を測定するに値する高い焼結密度には至らなかった。
得られた誘電体素子について、静電容量の温度変化率および時定数を測定した。
各製造例の組成、静電容量の温度変化率は以下のとおりであった。静電容量の温度変化率として、ΔC400℃/C25℃及びΔCpeak/C25℃を測定した。焼結温度が1050℃未満、温度変化率ΔC400℃/C25℃(下記ではT1と表す)が30%以下、ΔCpeak/C25℃(下記ではT2と表す)が50%以下という結果が求められる。さらに、各製造例の時定数(RC定数、単位sec)を測定して以下の結果を得た。R定数については200〜350secが望まれる。
x α β T1(%) T2(%) RC
*製造例14 0.10 0 0 0.1 47.6 245
*製造例15 0.12 0 0 −3.2 40.0 220
*製造例16 0.14 0 0 −6.5 35.1 198
*製造例17 0.18 0 0 −9.2 31.3 181
*製造例18 0.24 0 0 −48.4 20.0 63
*製造例19 0.28 0 0 −20.1 17.3 52
*製造例20 0.30 0 0 低密度のため測定不可 45
*製造例21 0.10 1 0 8.2 123.0 340
*製造例22 0.12 1 0 5.7 109.7 387
製造例23 0.14 1 0 −10.2 49.2 349
製造例24 0.18 1 0 −25.0 45.8 331
製造例25 0.24 1 0 −27.5 44.9 280
製造例26 0.28 1 0 −1.8 35.2 244
*製造例27 0.30 1 0 2次相生成のため測定不可 226
*製造例28 0.10 0 1 9.5 119.3 390
*製造例29 0.12 0 1 6.2 111.9 340
製造例30 0.14 0 1 −15.6 10.9 304
製造例31 0.18 0 1 −25.2 25.2 289
製造例32 0.24 0 1 −28.5 42.6 243
製造例33 0.28 0 1 −2.3 33.9 210
*製造例34 0.30 0 1 2次相生成のため測定不可 180

Claims (4)

  1. 下記組成式
    100[1−x(0.94Bi1/2Na1/2TiO3-0.06BaTiO3)-xK0.5Na0.5NbO3]+αCuO+βLiF
    (但し、xは0.14〜0.28であり、α、βについて、(I)αが0.4〜1.5でありβが0〜2.4であるか、あるいは、(II)αが0〜1.5でありβが0.2〜2.4である。)
    で表され、焼結密度が93%以上である、誘電体磁器組成物。
  2. 請求項1記載の誘電体磁器組成物からなる誘電体層と、銀パラジウム合金からなる内部電極層との積層体を有し、銀パラジウム合金は銀が65〜90wt%、残部がパラジウムの組成である、積層型の誘電体素子。
  3. 400℃における静電容量と25℃の静電容量との差を25℃における静電容量で除した値ΔC400℃/C25℃、−55〜400℃における静電容量の最大値と25℃の静電容量との差を25℃における静電容量で除した値ΔCpeak/C25℃について、ΔC400℃/C25℃が30%以下且つΔCpeak/C25℃が50%以下である、請求項2記載の誘電体素子。
  4. 150℃、5kV/mmの電界強度、1Vの静電容量にて測定される時定数RCについて、200〜350secである請求項3記載の誘電体素子。
JP2016082482A 2015-06-29 2016-04-15 誘電体磁器組成物及びそれを有する誘電体素子 Active JP6415474B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US15/195,979 US9637414B2 (en) 2015-06-29 2016-06-28 Dielectric porcelain composition and dielectric element having the same

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015130140 2015-06-29
JP2015130140 2015-06-29

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017014095A JP2017014095A (ja) 2017-01-19
JP6415474B2 true JP6415474B2 (ja) 2018-10-31

Family

ID=57829809

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016082482A Active JP6415474B2 (ja) 2015-06-29 2016-04-15 誘電体磁器組成物及びそれを有する誘電体素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6415474B2 (ja)

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3482394B2 (ja) * 2000-11-20 2003-12-22 松下電器産業株式会社 圧電磁器組成物
JP5192737B2 (ja) * 2007-06-26 2013-05-08 太平洋セメント株式会社 非鉛系圧電セラミックス用焼結助剤、非鉛系圧電セラミックスおよび非鉛系圧電セラミックスの製造方法
DE102008021827B9 (de) * 2008-04-30 2022-04-07 Tdk Electronics Ag Keramischer Werkstoff, Verfahren zur Herstellung des keramischen Werkstoffs, Bauelement mit dem keramischen Werkstoff und seine Verwendung
DE102008057721A1 (de) * 2008-11-17 2010-05-20 Epcos Ag Keramischer Werkstoff, Verfahren zur Herstellung des keramischen Werkstoffs und Bauelement mit dem keramischen Werkstoff
US20130188292A1 (en) * 2011-07-29 2013-07-25 Keisuke Kobayashi Ceramic composition and a laminated ceramic electronic component including the same thereof
KR101728255B1 (ko) * 2012-08-27 2017-04-18 캐논 가부시끼가이샤 압전 재료, 그것을 사용한 압전 소자 및 그 압전 소자를 사용한 전자 기기
CN103159474A (zh) * 2013-02-25 2013-06-19 中国科学院上海硅酸盐研究所 反铁电储能陶瓷材料及陶瓷元件和制备方法
CN103956266A (zh) * 2014-04-14 2014-07-30 桂林电子科技大学 一种无铅Bi0.5Na0.5TiO3基高储能密度薄膜电容器及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017014095A (ja) 2017-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7060213B2 (ja) 誘電体磁器組成物及びこれを含む積層セラミックキャパシタ
JP6257802B2 (ja) 誘電体組成物、誘電体素子、電子部品および積層電子部品
JP6316985B2 (ja) 誘電体組成物、誘電体素子、電子部品および積層電子部品
US20010039239A1 (en) Non-reducing dielectric ceramic, monolithic ceramic capacitor using the same, and method for making non-reducing dielectric ceramic
JP6535733B2 (ja) 誘電体組成物、誘電体素子、電子部品および積層電子部品
US9627134B2 (en) Ceramic dielectric composition and multilayer ceramic capacitor containing the same
JPH11292625A (ja) 圧電セラミック素子の製造方法
JPWO2006027892A1 (ja) 圧電磁器及び圧電セラミック素子
JP6467648B2 (ja) 誘電体組成物、誘電体素子、電子部品および積層電子部品
KR101570205B1 (ko) 적층 세라믹 콘덴서 및 적층 세라믹 콘덴서의 제조방법
JP4432969B2 (ja) 圧電磁器組成物、及び圧電素子
JP6870803B2 (ja) 誘電体磁器組成物及びこれを含む積層セラミックキャパシタ
JP6402652B2 (ja) 誘電体組成物および電子部品
KR20150042075A (ko) 저온 소결용 압전재료
US9637414B2 (en) Dielectric porcelain composition and dielectric element having the same
JP6102405B2 (ja) 誘電体磁器組成物、および誘電体素子
JP6415474B2 (ja) 誘電体磁器組成物及びそれを有する誘電体素子
WO2005075377A1 (ja) 誘電体磁器組成物及びそれを用いた電子部品
JP5158516B2 (ja) 圧電磁器組成物及び圧電素子
JP7419703B2 (ja) 誘電体組成物および電子部品
JP2001278659A (ja) 誘電体磁器組成物とそれを用いた磁器コンデンサ及びその製造方法
KR101532137B1 (ko) 저온 소성용 유전체 조성물, 이를 포함하는 적층 세라믹 전자 부품 및 적층 세라믹 전자 부품의 제조 방법
JP5206673B2 (ja) 圧電磁器組成物、及び圧電部品
JP2001080954A (ja) 積層セラミックコンポジットコンデンサおよびその製法
WO2012002118A1 (ja) 誘電体セラミックおよびそれを用いた積層セラミックコンデンサ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180907

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180920

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181002

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6415474

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250