JP6413218B2 - ロケット用燃焼器の燃焼試験方法 - Google Patents

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本発明は、ロケット用燃焼器の燃焼試験方法に関する。
ロケット用エンジンでは、その燃焼器の性能を調べるため、予め燃焼試験を行うことでその作動範囲特性の評価を行っている。通常、この作動範囲特性の評価は、酸化剤と燃料とからなる推進薬の混合比(酸化剤と燃料との混合比を)と、燃焼圧力とをそれぞれの作動範囲内で変えて複数の条件を設定し、これら各条件でそれぞれ燃焼試験を行い、試験結果を取得することで行う。
例えば、作動範囲の中間値となる燃焼圧力、混合比を設定し、さらに作動範囲での燃焼圧力の最大値、最小値を設定するとともに、作動範囲での混合比の最大値、最小値を設定する。そして、前記中間値となる条件、及び前記の各最大値、最小値を組み合わせた条件をそれぞれ定点条件とし、これら各定点条件にてそれぞれ燃焼試験を行い、それぞれの試験結果を取得する。
すなわち、従来では中間値となる条件、燃焼圧力の最小値と混合比の最小値となる条件、燃焼圧力の最小値と混合比の最大値となる条件、燃焼圧力の最大値と混合比の最小値となる条件、燃焼圧力の最大値と混合比の最大値となる条件の、合計5つの定点条件で燃焼試験を行い、それぞれの試験結果を取得することにより、作動範囲特性の評価を行っている。
なお、特許文献1には、試験装置に供給する貯蔵液体(試験用推薬)の圧力及び流量を制御できるようにした極低温液体タンクが開示されている。このような極低温液体タンクを用いることにより、燃焼圧力や混合比を作動範囲の各設定値に変えることが可能になっている。
特開2003−214598号公報
ところで、近年ではロケット用エンジンの性能向上の観点から、作動範囲特性の評価をより高精度にしたいとの要求があり、さらには、作動範囲特性の評価に伴う燃焼試験のコストの低減化も要求されている。
ところが、このような評価の高精度化と燃焼試験のコストの低減化とはトレードオフの関係にあり、これらを共に満足させるのは非常に困難である。評価を高精度化するには、定点条件を増やして燃焼試験の回数を増やす必要があるが、ロケット用エンジンの燃焼器の燃焼試験には1回の燃焼試験毎に多くの準備時間が必要となり、また消耗品も多いため、燃焼試験の回数を増やすと評価にかかる時間や費用も増え、結果としてコストアップを招いてしまうからである。
また、燃焼試験では、特に燃焼圧力を高く設定した場合に、着火時において急激な燃焼が起きるなどのハードスタートのリスクがある。したがって、充分な対策を行う必要上、その費用がかさむことから、コストの低減化が困難になっている。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、作動範囲特性の評価を高精度で行うことができ、しかもコストを低減化できるようにしたロケット用燃焼器の燃焼試験方法を提供することにある。
本発明のロケット用燃焼器の燃焼試験方法は、酸化剤と燃料とを含む推進薬をロケット用燃焼器に供給して燃焼試験を行う燃焼試験方法であって、
前記推進薬を前記ロケット用燃焼器で燃焼させる際の燃焼圧力と、燃焼に供する推進薬中の酸化剤と燃料との混合比と、についての条件を予め設定された複数の定点条件で燃焼試験を行い、燃焼試験結果を取得するに際して、
一回の単位燃焼試験で前記燃焼圧力と前記混合比との少なくとも一方を連続的に変化させ、前記複数の定点条件のうちの2以上の定点条件で燃焼試験結果を取得する連続燃焼試験を有することを特徴とする。
また、前記ロケット用燃焼器の燃焼試験方法においては、一回の単位燃焼試験で前記燃焼圧力と前記混合比との両方を連続的に変化させ、前記複数の定点条件のうちの2以上の定点条件で燃焼試験結果を取得する連続燃焼試験を有することが好ましい。
また、前記ロケット用燃焼器の燃焼試験方法において、前記連続燃焼試験では、前記燃焼圧力を低圧から高圧に連続的に変化させ、または前記混合比を低い側から高い側に連続的に変化させることが好ましい。
また、前記ロケット用燃焼器の燃焼試験方法において、前記連続燃焼試験には、前記燃焼圧力を低圧から高圧に連続的に変化させ、かつ前記混合比を高い側から低い側に連続的に変化させる単位燃焼試験が含まれることが好ましい。
また、前記ロケット用燃焼器の燃焼試験方法において、予め設定された複数の定点条件のうち、前記燃焼圧力が最も低圧であり、かつ前記混合比が最も低い定点条件から、前記燃焼圧力が最も高圧であり、かつ前記混合比が最も高い定点条件に向けて連続的に変化させる連続燃焼試験を、第1回目の単位燃焼試験とすることが好ましい。
また、前記ロケット用燃焼器の燃焼試験方法において、前記連続燃焼試験には、前記燃焼圧力と前記混合比との少なくとも一方を連続的に変化させることにより、前記複数の定点条件のうちの2以上の定点条件で燃焼試験結果を取得するとともに、前記定点条件以外の条件での燃焼試験結果も取得する単位燃焼試験が含まれることが好ましい。
本発明のロケット用燃焼器の燃焼試験方法によれば、一回の単位燃焼試験で燃焼圧力と混合比との少なくとも一方を連続的に変化させ、複数の定点条件のうちの2以上の定点条件で燃焼試験結果を取得する連続燃焼試験を有するので、この連続燃焼試験を行うことによって一回の単位燃焼試験で2以上の定点条件での燃焼試験結果を取得することができる。したがって、従来に比べて燃焼試験の回数を少なくしつつより多くの定点条件での燃焼試験結果を取得することができ、これにより、作動範囲特性の評価を高精度で行うことができるとともに、コストを低減化することができる。
本発明に係るロケット用燃焼器の燃焼試験装置の一例の概略構成図である。 燃料供給圧調整部を説明するための模式図である。 (a)、(b)は燃焼器の作動範囲と定点条件の説明図である。 (a)〜(d)はロケット用燃焼器の燃焼試験方法の手順を説明するための図である。
以下、本発明のロケット用燃焼器の燃焼試験方法を詳しく説明する。
まず、本発明に係るロケット用燃焼器の燃焼試験装置の概略構成を説明する。図1は、ロケット用燃焼器の燃焼試験装置の一例の概略構成図であり、図1中符号1はロケット用燃焼器の燃焼試験装置(以下、燃焼試験装置と記す)、2はこの燃焼試験装置1による燃焼試験に供されるロケット用エンジンの燃焼器、すなわちロケット用燃焼器(以下、燃焼器と記す)である。
燃焼試験装置1は、燃焼器2に推進薬を供給して燃焼させ、その燃焼状態を各種の測定装置(図示せず)によって観察または測定し、種々のデータ(燃焼試験結果)を取得できるように構成されたものである。この燃焼試験装置1は、燃料供給系3と酸化剤供給系4とを備え、さらにこれら各供給系3、4を制御する制御装置(図示せず)を備えている。
燃料供給系3は、液化メタン等の燃料を貯留するボンベ等からなる燃料供給源5と、この燃料供給源5から導出され、燃焼器2に供給する燃料の供給圧を調整する燃料供給圧調整部6とを備えて構成されている。燃料供給圧調整部6は、例えば図2に示すように、ドーム型調圧弁(ダイヤフラム弁)7、このドーム型調圧弁7のドーム部を加圧する圧力供給系8、徐々に圧力を上げるためのバッファタンク9を備えて構成されている。
前記圧力供給系8は、ドーム部調圧弁10、遮断弁11、オリフィス12を備えている。このような構成によって燃料供給圧調整部6は、燃料供給源5から導出された燃料の燃焼器2への供給圧を、前記制御装置による制御によって所望の圧に調整できるとともに、所望の圧からこれと異なる圧に連続的に変化させることができるようになっている。
図1に示すように酸化剤供給系4は、ヘリウム等の加圧ガスを貯留する加圧ガス源13と、この加圧ガス源13から導出される加圧ガスの供給圧を調整する加圧ガス圧調整部14と、液化酸素等の酸化剤を貯留する酸化剤タンク15とを備えて構成されている。加圧ガス圧調整部14は、前記燃料供給圧調整部6と同様の構成からなり、これによって加圧ガス源13から導出された加圧ガスの酸化剤タンク15への供給圧を、前記制御装置による制御によって所望の圧に調整できるとともに、所望の圧からこれと異なる圧に連続的に変化させることができるようになっている。
酸化剤タンク15は、加圧ガスが供給されることにより、供給された圧と同じ圧で酸化剤を導出し、燃焼器2に供給するようになっている。したがって、燃焼器2への酸化剤の供給圧も、前記した燃焼器2への燃料の供給圧と同様に、前記制御装置による制御によって所望の圧に調整できるとともに、所望の圧からこれと異なる圧に連続的に変化させることができるようになっている。
なお、燃焼試験装置1としては、前記構成のものに限定されることなく、種々の構成のものを採用することができる。例えば、燃料供給系3については、燃料供給源5から直接燃料を導出・供給する機構に代えて、酸化剤供給系4と同様に燃料を貯留する燃料タンクを設け、この燃料タンクに加圧ガスを供給することにより、供給された加圧ガスの圧と同じ圧で燃料を導出し、燃焼器2に供給するようにしてもよい。
次に、このような構成の燃焼試験装置1による、燃焼器2の燃焼試験方法について説明する。
まず、燃焼器2の作動範囲、すなわち推進薬の燃焼圧及び混合比について、それぞれの中間値を設定し、燃焼圧の中間値であり、かつ混合比の中間値となる点を、図3(a)に示すように作動範囲の中間値MMとして設定する。ここで、推進薬の混合比は、本発明では酸化剤と燃料との混合比(容量比)であり、(混合比=酸化剤/燃料)によって定義される。したがって、混合比が低くなるほど燃料の量が相対的に増え、燃焼温度が低下して燃焼器2への負荷も小さくなる。逆に、混合比が高くなるほど酸化剤の量が相対的に増え、燃焼温度が高くなって燃焼器2への負荷が大きくなる。燃焼圧力が高くなると、特に着火時において急激な燃焼が起き易くなる。
また、従来では主に定点条件を5つにして燃焼試験を行っていたのに対し、本実施形態では図3(a)に示すように定点条件を9つにしている。すなわち、図3(a)に示すように作動範囲の中間値MM(定点条件MM)を設定し、これ以外の定点条件として、燃焼圧力が作動範囲の最小値であり、混合比も作動範囲の最小値である定点条件LLを設定する。同様に、燃焼圧力が中間値、混合比が最小値である定点条件ML、燃焼圧力が最大値、混合比が最小値である定点条件HL、燃焼圧力が最小値、混合比が中間値である定点条件LM、燃焼圧力が最大値、混合比が中間値である定点条件HM、燃焼圧力が最小値、混合比が最大値である定点条件LH、燃焼圧力が中間値、混合比が最大値である定点条件MH、燃焼圧力が最大値、混合比が最大値である定点条件HHをそれぞれ設定する。
このように定点条件を9つに設定してそれぞれの定点条件で燃焼試験結果を取得することにより、従来のように5つの定点条件、すなわち図3(a)中の定点条件LL、定点条件HL、定点条件LH、定点条件HH、及び定点条件MM(中間値MM)でそれぞれ燃焼試験結果を取得した場合に比べ、作動範囲特性の評価を高精度化することができる。
また、本実施形態では、このようにして設定した9つの定点条件についてそれぞれに燃焼試験結果を取得するべく、各定点条件で燃焼試験を行うが、その際、一回の燃焼試験となる単位燃焼試験において、連続燃焼試験を採用する。一回の燃焼試験、すなわち単位燃焼試験とは、試験前準備から本試験を経て試験終了に至る一連の処理である。このような単位燃焼試験において、特にその本試験中に前記燃焼圧力と前記混合比との両方を連続的に変化させ、複数の定点条件のうちの2以上の定点条件で燃焼試験結果を取得する試験を、連続燃焼試験とする。なお、この単位燃焼試験は、通常は試験前準備や後かたづけなどに時間がかかるため、ほぼ一日がかりの試験となる。
本実施形態では、第1回目の単位燃焼試験として、図4(a)に示すように定点条件LLから定点条件MMを通って定点条件HHに向けて連続的に各条件を変化させる、連続燃焼試験(1)を行う。すなわち、燃焼圧力が最も低圧であり、かつ混合比が最も低い定点条件LLから、燃焼圧力が最も高圧であり、かつ混合比が最も高い定点条件HHに向けて燃焼圧力、混合比をそれぞれ連続的に変化させ、定点条件LL、MM、HHでそれぞれ燃焼試験結果を取得する。燃焼圧力、混合比の調整については、前述した燃焼試験装置1における、燃料供給圧調整部6、加圧ガス圧調整部14を制御装置によって制御することにより、それぞれ調整する。
また、この連続燃焼試験(1)では、前記したように定点条件LL、MM、HHでそれぞれ燃焼試験結果を取得するとともに、前記定点条件以外の条件での燃焼試験結果も取得する。すなわち、連続燃焼試験(1)では、燃焼圧力、混合比を連続的に変化させているため、例えば定点条件LLと定点条件MMとの間、また定点条件MMと定点条件HHとの間でも連続的に燃焼器2に燃焼を行わせている。したがって、例えば図4(a)中にP1で示す条件やP2で示す条件でも燃焼試験結果も取得可能となっており、したがって本実施形態ではこれらP1で示す条件やP2で示す条件でも燃焼試験結果を取得する。なお、条件P1は、燃焼圧力、混合比ともに、定点条件LLと定点条件MMとの中間となる条件とする。同様に、条件P2は、燃焼圧力、混合比ともに、定点条件MMと定点条件HHとの中間となる条件とする。
このようにして燃焼圧力、混合比を連続的に変化させ、定点条件LLから定点条件HHまで全ての燃焼試験結果を取得できれば、この連続燃焼試験(1)、すなわち単位燃焼試験の本試験を終了とし、後かたづけなどを経て単位燃焼試験終了とする。なお、例えば最もきびしい条件である定点条件HHの燃焼試験結果が取得できないような場合には、先に設定した作動範囲を見直して中間値MMを除く他の定点条件を設定し直し、改めて第1回目の連続燃焼試験を行ってもよい。また、前記の連続燃焼試験において最後に取得できた燃焼試験結果、例えば条件P2での燃焼試験結果を、参考データとして定点条件HHでの燃焼試験結果の代用とし、燃焼試験を続行してもよい。
次に、第2回目の単位燃焼試験として、図4(b)に示すように定点条件LLよりさらに混合比が低い条件から、定点条件MLを通って定点条件HMに向けて連続的に各条件を変化させる、連続燃焼試験(2)を行う。この場合にも、燃焼圧力、混合比の調整については、第1回目と同様に、燃焼試験装置1の燃料供給圧調整部6、加圧ガス圧調整部14を制御装置によって制御することによって行う。
また、この連続燃焼試験(2)でも、第1回目と同様、定点条件ML、HMでそれぞれ燃焼試験結果を取得するとともに、前記定点条件以外の条件での燃焼試験結果も取得する。例えば、図4(b)中にP3で示す条件やP4で示す条件、P5で示す条件でも燃焼試験結果を取得する。条件P4は、燃焼圧力、混合比ともに、定点条件MLと定点条件HMとの中間となる条件とする。また、条件P3は燃焼圧力を前記P1と同じにしており、条件P5は混合比を前記P2と同じにしている。
また、この第2回目の連続燃焼試験(2)では、特に第1回目で定点条件HHの燃焼試験結果が取得できず、そのまま燃焼試験を続行した場合、定点条件HMを超えての燃焼試験結果の取得については、第1回目で燃焼試験結果の取得が困難になった条件を参考にして、この条件より混合比が低い範囲内で燃焼試験結果を取得し、燃焼試験を終了する。
次に、第3回目の単位燃焼試験として、図4(c)に示すように定点条件LLよりさらに燃焼圧力が低い条件から、定点条件LMを通って定点条件MHに向けて連続的に各条件を変化させる、連続燃焼試験(3)を行う。この場合にも、燃焼圧力、混合比の調整については、第1回目と同様に、燃焼試験装置1の燃料供給圧調整部6、加圧ガス圧調整部14を制御装置によって制御することによって行う。
また、この連続燃焼試験(3)でも、第1回目、第2回目と同様、定点条件LM、MHでそれぞれ燃焼試験結果を取得するとともに、前記定点条件以外の条件での燃焼試験結果も取得する。例えば、図4(c)中にP6で示す条件やP7で示す条件、P8で示す条件でも燃焼試験結果を取得する。条件P7は、燃焼圧力、混合比ともに、定点条件LMと定点条件MHとの中間となる条件とする。また、条件P6は混合比を前記P1と同じにしており、条件P8は燃焼圧力を前記P2と同じにしている。
また、この第3回目の連続燃焼試験(3)では、特に第1回目で定点条件HHの燃焼試験結果が取得できず、そのまま燃焼試験を続行した場合、定点条件MHを超えての燃焼試験結果の取得については、第1回目で燃焼試験結果の取得が困難になった条件を参考にして、この条件より燃焼圧力が低い範囲内で燃焼試験結果を取得し、燃焼試験を終了する。
次に、第4回目の単位燃焼試験を行う。この単位燃焼試験では、図4(d)に示すように燃焼圧力を低圧から高圧に連続的に変化させ、かつ混合比を高い側から低い側に連続的に変化させる連続燃焼試験(4)を行う。すなわち、図4(d)に示すように定点条件LHから定点条件MMを通って定点条件HLに向けて連続的に各条件を変化させ、定点条件LH、MM、HLでそれぞれ燃焼試験結果を取得する。この場合にも、燃焼圧力、混合比の調整については、第1回目〜第3回目と同様に、燃焼試験装置1の燃料供給圧調整部6、加圧ガス圧調整部14を制御装置によって制御することによって行う。
なお、この連続燃焼試験(4)でも、第1回目〜第3回目と同様に定点条件LH、MM、HL以外の条件で燃焼試験結果を取得することが可能であるが、定点条件LHと定点条件MMとの間の条件となる条件P7については第3回目の連続燃焼試験(3)でその燃焼試験結果を取得しており、定点条件MMと定点条件HLとの間の条件となる条件P4については第2回目の連続燃焼試験(2)でその燃焼試験結果を取得してため、定点条件LH、MM、HL以外の条件で燃焼試験結果を取得することは省略してもよい。ただし、定点条件LHより燃焼圧力が低い条件P9や定点条件HLより混合比が低い条件P10での燃焼試験結果については、これらを取得するようにしてもよい。
本実施形態のロケット用燃焼器の燃焼試験方法にあっては、中間値MM(定点条件MM)を含む9つの定点条件での燃焼試験結果を、図3(b)中に矢印で示すように4回の連続燃焼試験(1)〜(4)、すなわち4回の単位燃焼試験で全て取得できるため、例えば従来では5つの定点条件での燃焼試験結果を取得するのに5回の単位燃焼試験を必要としていたのに対し、単位燃焼試験の回数を減らすことができる。ここで、燃焼試験は単位燃焼試験毎に多くの準備時間を必要とし、また消耗品も多いため、燃焼試験全体に要するコストは単位燃焼試験の回数にほぼ比例する。したがって、本実施形態によれば、従来に比べて単位燃焼試験の回数を減らすことができるため、燃焼試験全体に要するコストを充分に低減化することができる。
また、本実施形態では、中間値MM(定点条件MM)を含む9つの定点条件での燃焼試験結果を取得でき、しかも定点条件以外の条件(例えばP1〜P10)での燃焼試験結果を取得できるため、5つの定点条件での燃焼試験結果しか取得していなかった従来に比べ、作動範囲特性の評価を高精度で行うことができる。すなわち、従来では5つの定点条件での燃焼試験結果しか取得していないため、定点条件以外の条件での特性については取得した燃焼試験結果から内挿法などによって推定していたが、本実施形態では、実際に測定した結果に基づいているため、作動範囲特性をより高精度に評価することができる。
また、第1回目〜第3回目の連続燃焼試験(1)〜(3)では、燃焼圧力を低圧から高圧に連続的に変化させ、かつ、混合比を低い側から高い側に連続的に変化させているので、相対的に熱負荷が少ない条件から熱負荷が多い条件に連続的に変化させることができ、したがって燃焼器2に対する負荷を軽減することができる。すなわち、熱負荷が少ない条件から徐々に熱負荷を上げていくことにより、燃焼器2の熱応力が急激に変化するのを抑えることができ、これによって燃焼器2の負荷を軽減することができる。
また、前記各連続燃焼試験(1)〜(4)では、燃焼圧力を低圧から高圧に連続的に変化させているので、例えば燃焼圧力が高く設定された定点条件HHでいきなり単位燃焼試験を行う場合に、着火時において急激な燃焼が起きるなどのハードスタートのリスクがあったのに対して、このようなリスクを回避することができる。したがって、ハードスタートリスクへの対策を最小限に抑えることができ、これに伴ってその費用も抑えることができるため、コストを低減化することができる。
また、第4回目の単位燃焼試験では、燃焼圧力を低圧から高圧に連続的に変化させ、かつ混合比を高い側から低い側に連続的に変化させるべく、定点条件LHから定点条件MMを通って定点条件HLに向けて連続的に各条件を変化させ、連続燃焼試験(4)を行っているので、中間値MMである定点条件MMの燃焼試験結果を、第1回目とは異なる方向に条件を変化させて取得することができる。したがって、この中間値MM(定点条件MM)の燃焼試験結果の精度をより高めることができる。
また、第1回目の単位燃焼試験として、予め設定された複数の定点条件のうち、燃焼圧力が最も低圧であり、かつ混合比が最も低い定点条件LLから、燃焼圧力が最も高圧であり、かつ混合比が最も高い定点条件HHに向けて連続的に変化させる連続燃焼試験を行うので、例えば最もきびしい条件である定点条件HHの燃焼試験結果が取得できないような場合には、先に設定した作動範囲を見直して中間値MMを除く他の定点条件を設定し直し、改めて第1回目の連続燃焼試験を行うことができる。その際、試験のロスを最小限に抑えることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、本発明の連続燃焼試験としては、燃焼圧力と混合比との両方を連続的に変化させることなく、いずれか一方のみを連続的に変化させ、複数の定点条件のうちの2以上の定点条件で燃焼試験結果を取得するようにしてもよい。その場合、燃焼圧力のみを連続的に変化させる際には、燃焼圧力を低圧から高圧に連続的に変化させ、2以上の定点条件で燃焼試験結果を取得するのが好ましい。また、混合比のみを連続的に変化させる際には、混合比を低い側から高い側に連続的に変化させ、2以上の定点条件で燃焼試験結果を取得するのが好ましい。このようにすることにより、相対的に熱負荷が少ない条件から熱負荷が多い条件に連続的に変化させることができ、したがって燃焼器2に対する負荷を軽減することができる。
また、前記実施形態では、第1回目の連続燃焼試験(1)に続く第2回目の連続燃焼試験として、第1回目に比べて混合比を低くした条件から始める連続燃焼試験(2)を行ったが、燃焼器2の種類や燃焼試験の目的などによっては、第1回目に比べて燃焼圧力を低くした条件から始める連続燃焼試験(3)を第2回目に行い、前記連続燃焼試験(2)を第3回目に行ってもよい。
1…ロケット用燃焼器の燃焼試験装置、2…ロケット用燃焼器、3…燃料供給系、4…酸化剤供給系、5…燃料供給源、6…燃料供給圧調整部、14…加圧ガス圧調整部、15…酸化剤タンク、LL、ML、HL、LM、MM、HM、LH、MH、HH…定点条件

Claims (3)

  1. 酸化剤と燃料とを含む推進薬をロケット用燃焼器に供給して燃焼試験を行う燃焼試験方法であって、
    前記推進薬を前記ロケット用燃焼器で燃焼させる際の燃焼圧力と、燃焼に供する推進薬中の酸化剤と燃料との混合比と、についての条件を予め設定された複数の定点条件で燃焼試験を行い、燃焼試験結果を取得するに際して、
    一回の単位燃焼試験で前記燃焼圧力と前記混合比との両方を連続的に変化させ、前記複数の定点条件のうちの2以上の定点条件で燃焼試験結果を取得する連続燃焼試験を有することを特徴とするロケット用燃焼器の燃焼試験方法。
  2. 前記連続燃焼試験では、前記燃焼圧力を低圧から高圧に連続的に変化させ、または前記混合比を低い側から高い側に連続的に変化させることを特徴とする請求項1に記載のロケット用燃焼器の燃焼試験方法。
  3. 前記連続燃焼試験には、前記燃焼圧力を低圧から高圧に連続的に変化させ、かつ前記混合比を高い側から低い側に連続的に変化させる単位燃焼試験が含まれることを特徴とする請求項2記載のロケット用燃焼器の燃焼試験方法。
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