以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
[ゲーム機の全体構成]
まず、本実施の形態に係る物理抽選ゲーム機の全体構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る物理抽選ゲーム機10(以下、適宜「ゲーム機10」と略す。)の全体構成を示すブロック図である。
図1に示すように、ゲーム機10は、物理抽選部12、映写部13、制御部14、および複数のサテライト部15を備えており、これらがバス11を介して互いに通信可能に接続されている。
物理抽選部12は、回収ポケット20a(入賞判定部20)、押出ポケット20b(入賞判定部20)、ゲームフィールド部21、周回ポケット部22、ボール投入部23、隠蔽部24、および隠蔽ポケット部25を備えている。
回収ポケット20a、押出ポケット20b、周回ポケット部22、および隠蔽部24は、それぞれバス11を介して通信可能に構成されている。ゲームフィールド部21は、入賞判定部20(回収ポケット20aおよび押出ポケット20b)、周回ポケット部22、隠蔽部24および隠蔽ポケット部25のほか、転動面21aを備える。
映写部13は、プロジェクタであり、所定の画像を映写するよう制御部14によって制御される。また、映写部13は、ゲームフィールド部21を含む面に対して所定の画像を映写する。そして、ゲームフィールド部21は、映写部13のスクリーンとして用いられる。
ボール投入部23は、制御部14によって、ゲームフィールド部21にボール30(図2参照)を所定のタイミングで投入するよう制御される。
隠蔽部24は、隠蔽ポケット部25および押出ポケット20bにより構成される。
周回ポケット部22(第一ポケット部)は、回収ポケット20a(第一ポケット)を備える。
また、隠蔽ポケット部25(第二ポケット部)は、押出ポケット20b(第二ポケット)を備える。
そして、周回ポケット部22および隠蔽ポケット部25により「ポケット部」が構成される。
図2は、ゲーム機10の外観構成を示す概略斜視図である。物理抽選部12は、ボール30を用いた物理抽選(アナログ抽選)を実行する。また、後述するように、物理抽選部12は、複数の抽選役(入賞役)に含まれる終了抽選役が入賞するまで、連続して物理抽選を実行する。つまり、物理抽選部12は、終了抽選役が入賞するまで物理抽選を継続する。
本実施の形態に係る物理抽選ゲームは、物理抽選部12によって実行される物理抽選の結果に基づいて進行するゲームであり、物理抽選の結果に基づいて進行するミニゲームやジャックポット条件を満たした場合に行われるジャックポット抽選を含むものである。詳細については、後述する。
図2に示すとおり、ゲームフィールド部21は円形である。ゲームフィールド21において、最も内側に隠蔽部24(隠蔽ポケット部25(押出ポケット20b))を備え、最も外側に転動面21aが備えられる。また、隠蔽部24(隠蔽ポケット部25(押出ポケット20b))と転動面21aとの間に、周回ポケット部22(回収ポケット20a))が備えられる。
また、ゲームフィールド部21は、中心に向かって(内側が)低くなるように形成されている(いわゆる漏斗形状)。すなわち、ゲームフィールド部21(転動面21a)に投入されたボール30は、ゲームフィールド部21の上方且つ外側に位置する転動面21aを周回しながら、下方かつ内側にある周回ポケット部22および隠蔽部24に向うように転動する。
回収ポケット20aは、予め設定される複数の抽選役のそれぞれに対応して設けられる。また、回収ポケット20aは、底部が開口しており、この開口の直下には、ボール回収部31(遊戯媒体回収部)が位置している(後述)。すなわち、回収ポケット20aに入ったボール30は底部の開口を通過し、ボール回収部31により回収される。押出ポケット20bは、ゲーム中のイベントまたは当該イベントの選択肢等に関連付けて設けられる。
また、押出ポケット20bは、押出ポケット20bに入ったボール30を保持(把持)するよう構成されており、保持したボール30を外に押し出すように構成される。そして、押出ポケット20bの外に押し出されたボール30は、前述の回収ポケット20aに入ることにより、ボール回収部31(遊戯媒体回収部)により回収される。
図2に示すように、複数の回収ポケット20aが周回ポケット部22上に環状に配置される。
周回ポケット部22は、ゲーム機10(物理抽選部12)の高さ方向(垂直方向)を軸として自転可能に構成されている。周回ポケット部22が自転することにより、複数の回収ポケット20aはルーレット状に回転する。つまり、周回ポケット部22は、物理抽選部12において回転部を構成する。
上述したように、ゲームフィールド部21における周回ポケット部22の内側には、隠蔽部24が設けられている。隠蔽部24は、ゲームフィールド部21の中央に設けられる隠蔽ポケット部25(複数の押出ポケット20b、図2には図示せず)を隠蔽したり露出させたりする。詳細については、後述する。
また、周回ポケット部22およびその外側の転動面21aにより第一ゲームフィールド部が構成される。
そして、周回ポケット部22の内側の隠蔽部24(および隠蔽ポケット部25)により第二ゲームフィールド部が構成される。
なお、本実施の形態では、入賞判定部20は、ボール30等の遊戯媒体が入る開口を有するポケットとして構成されるが、入賞判定部20の具体的な構成はポケットに限定されない。投入されたボール30を検出したときに、対応する抽選役を入賞と判定する構成であれば種々のものを用いることができる。
また、本実施の形態のボール30が開口に入ったことを検出する方法は特に限定されない。たとえば、ボール30の接触検出、ボール30の光学的または電気的検出、ボール30の重量検出等が挙げられ、当業者により適宜選択される。
また、映写部13は、2本の柱により支持されており、そのうちの一方の柱の内側面には、物理抽選部12にボール30を投入するボール投入口34が設けられている。なお、映写部13(プロジェクタ)については、公知技術であるため詳細な説明を省略する。
サテライト部15は、物理抽選の結果に基づいて進行するミニゲームをユーザがプレイできる構成となっており、本実施の形態では、図2に示すように、物理抽選部12の周囲に6個のサテライト部15(ステーション部)が設けられている。
サテライト部15では、本実施の形態では、遊戯価値としてメダルを用いてユーザがミニゲームをプレイできる。このミニゲームは、後述するように、映写部13で映写される抽選役画像に関連付けられている。
また、サテライト部15において、ユーザは、初回の物理抽選の前にメダル等の遊戯価値をベット操作できるとともに、物理抽選の結果に応じてユーザに対して、予め設定される倍率で遊戯価値が付与される。
サテライト部15は、図2に示すように、表示部16を備えている。表示部16は、例えばタッチパネル付きの液晶ディスプレイで構成されており、ユーザによる操作を受け付けるデバイス(操作具)であるとともに、様々な情報をユーザに対して表示するデバイスでもある。なお、表示部16とは別に操作具を備えてもよい。
なお、制御部14およびサテライト部15の具体的なハードウェア構成は特に限定されず、CPU、GPU等の演算器、ROM、RAM、VRAM等の記憶器、ビデオインタフェース、入力インタフェース、出力インタフェース等の各種インタフェースを備える公知の構成であればよい。
図3は、ゲーム機10の内部に設けられるボール投入部23を示す側面図である。ボール投入部23は、ボール回収部31、ボール収納部32、ボール供給部33、およびボール投入口34を備えている。
ボール回収部31は、周回ポケット部22(および隠蔽部24)の直下からゲーム機10の外側に渡って設けられ、回収ポケット20aを介してボール30を回収する。回収されたボール30は、ゲーム機10の外側に位置するボール収納部32の下方に収納される。
ボール収納部32は、ゲーム機10の下から上に向かって縦型に構成され、下からボール30を収納し、上側にボール30を移動させる。ボール供給部33は、ボール収納部32の上端に設けられ、制御部14の制御により所定のタイミングでボール投入口34にボール30を供給し、ボール投入口34から物理抽選部12にボール30が投入される。
なお、本実施の形態では、物理抽選ではボール30を用いているが、ボール30に限らずゲームフィールド部21上を移動する種々の遊戯媒体(たとえば、多角形または円柱の媒体)が用いられてもよい。
また、ゲームフィールド部21に遊戯媒体を投入する遊戯媒体投入部は、図3に例示するようなボール投入部23のみに限定されず、公知の構成を採用できる。同様に、ゲームフィールド部21から遊戯媒体を回収する遊戯媒体回収部は、図3に例示するようなボール回収部31のみに限定されず、公知の構成を採用できる。
制御部14は、物理抽選部12を制御して物理抽選を実行させ、当該物理抽選の実行に連係して映写部13を制御する。また、制御部14は、当該物理抽選の結果に連係してサテライト部15におけるミニゲームの進行を制御する。
また、制御部14は、物理抽選の実行に際して、隠蔽部24による隠蔽ポケット部25(押出ポケット20b)の隠蔽状態および露出状態の切り替えを制御する。
隠蔽ポケット部25(押出ポケット20b)の隠蔽状態とは、押出ポケット20bにボール30が入ることがない状態(無効状態)をいう。隠蔽状態において、押出ポケット20bがユーザによって視認できるか否かは問わない。
また、隠蔽ポケット部25(押出ポケット20b)の露出状態とは、押出ポケット20bにボール30が入る可能性がある状態(有効状態)をいう。制御部14による、具体的な制御に関しては後述する。
[物理抽選部の構成]
次に、物理抽選部12のより具体的な構成について説明する。図4(A)・(B)および図5(A)・(B)は、いずれも物理抽選部12の詳細構成を示す部分拡大斜視図である。
図4(A)・(B)は、物理抽選部12において、隠蔽部24が隠蔽ポケット部25(押出ポケット20b)を隠蔽している状態を示す。
図5(A)・(B)は、隠蔽部24が隠蔽ポケット部25(押出ポケット20b)を露出している状態を示す。
ゲームフィールド部21に対しては、図4(A)・(B)に示すように、映写部13により、抽選役画像41、背景画像42、中央画像43等のゲーム画像が表示される。抽選役画像41(入賞役画像)は、回収ポケット20aに設定された複数の抽選役(入賞役)のそれぞれに対応した画像であり、対応する回収ポケット20aの近接位置(例えば、回収ポケット20aの外側)に隣接して環状に映写される。なお、回収ポケット20aの近接位置とは、回収ポケット20aの内側も含まれる。
また、環状の抽選役画像41は、周回ポケット部22の自転(回収ポケット20aの回転)にあわせて、回収ポケット20aに追従するように映写される。背景画像42(斜線部)は抽選役画像41の外周に映写される。
入賞抽選役画像41aは、所定の回収ポケット20aにボール30が入った場合に、当選した入賞役を報知する画像である。
中央画像43(斜線部)は、たとえば、ミニゲームに関連する画像または入賞役にあわせた画像であって、隠蔽部24に映写される画像である。
図4(A)に示すように、ボール投入口34から投入されたボール30は、ゲームフィールド部21の転動面21aを周回して、周回ポケット部22上および隠蔽部24上を転動する。
そして、図4(B)に示すように、ボール30は複数の回収ポケット20aのいずれかの中に入る。所定の回収ポケット20aにボール30が入った場合、制御部14は、所定の回収ポケット20aに対応する抽選役が入賞したこと(入賞役)を判定する。
また、これに応じて、制御部14は、図4(B)に示すように、映写部13に入賞した抽選役を報知する報知画像としての入賞抽選役画像41aをゲームフィールド部21に映写させる。
なお、前述したように回収ポケット20aに入ったボール30は、当該回収ポケット20aの底部からゲームフィールド部21の下側に落下し、ボール回収部31により回収される。回収されたボール30は、ボール収納部32に収納されて上側に移動し、上端のボール供給部33からボール投入口34を介して、再びゲームフィールド部21に投入される。
隠蔽部24は、図5(A)・(B)に示すように、物理抽選の実行に際して、隠蔽ポケット部25(押出ポケット20b)を、露出状態から隠蔽状態に切り替え可能とする。
本実施の形態では、隠蔽ポケット部25は、押出ポケット20bを3個備えている。また、これら押出ポケット20bは、周回ポケット部22(環状に配置された回収ポケット20a)の内側に位置している。ゲームフィールド部21全体として見れば、押出ポケット20bおよび隠蔽部24は当該ゲームフィールド部21の中央部に位置する。
隠蔽部24の具体的な構成は特に限定されないが、本実施の形態では、ゲームフィールド部21の中央部の一部を構成する板状に構成されている。また、隠蔽部24は、不透明な板状部材であってもよいし、透明(半透明)の透過性のある板状部材であってもよい。透過性のある板状部材であれば、隠蔽状態においてもユーザは押出ポケット20bを視認することができる。
隠蔽部24は、その下面がゲームフィールド部21の中心に位置する軸に支持されているので、軸の上下に伴って押出ポケット20b(隠蔽ポケット部25)を露出状態および隠蔽状態に切り替えることができる。この構成であれば、押出ポケット20bを簡素な構成で容易に隠蔽したり露出させたりすることができる。
なお、押出ポケット20b(隠蔽ポケット部25)が露出状態にある場合、隠蔽部24の上面はゲームフィールド部21の一部を構成せず、これにかわって、押出ポケット20b(隠蔽ポケット部25)がゲームフィールド部21の一部を構成する。
また、押出ポケット20b(隠蔽ポケット部25)を露出状態および隠蔽状態に関わらず、映写部13によるゲーム画像の映写面の一部を構成し、中央画像43が映写される。
前述したように、押出ポケット20bは、回収ポケット20aとは異なり、入ったボール30を下方に落下させて回収するよう構成されていない。これに代わって、押出ポケット20bは、ボール30を上方に押し出すボール押出部35(遊戯媒体排出部)を備える。
ここで図5(A)に示すように、隠蔽部24が動作して押出ポケット20bが露出状態にあるときに、ボール投入口34からボール30が投入され、押出ポケット20bのいずれかに入ったときの制御部14による物理抽選部12を説明する。
このとき、ボール30が入った押出ポケット20bは入賞を判定し、制御部14はこれに応じて、映写部13により報知画像に対応するゲーム画像をゲームフィールド部21に映写させる。
入賞の判定後、押出ポケット20bのボール押出部35は、図5(B)に示すように、入ったボール30をゲームフィールド部21に押し出す。押し出されたボール30は、外周に位置する複数の回収ポケット20aのいずれかに入り、回収ポケット20aによりボール回収部31(ボール投入部23)に回収される。
ボール押出部35の具体的な機構の説明は省略するが、押出ポケット20b等のポケットから遊戯媒体を排出する遊戯媒体排出部はボール押出部35に限定されない。ボール押出部35は、ボール30を回収ポケット20aに入るように押し出すように構成されていれば種々の公知の構成を採用できる。
たとえば、モータを駆動させて押出ポケット20bの底部を上昇させることによりボール30を押し出してもよい。もしくは、ソレノイドによってボール30を押し出しても良いし、空気圧でボール30を押し出しても良い。
[物理抽選およびミニゲームの連係]
次に、制御部14による物理抽選の実行およびミニゲームの進行の制御について、具体的に説明する。図6(A)・(B)〜図9(A)・(B)は、いずれも、ゲームフィールド部21に映写されるゲーム画像およびサテライト部15の表示部16で表示されるゲーム画面の一例を示す模式図である。
各ユーザは、サテライト部15の表示部16によりミニゲームのゲーム画面を目視し、表示部16のタッチパネル機能(もしくは、別に設けられる操作部)を操作することによりミニゲームをプレイする。
まず、図6(A)に示すように、ユーザは、初回の物理抽選の前に、サテライト部15において、ミニゲーム中で保有するメダル(遊戯価値)をベットする。このとき、物理抽選部12のゲームフィールド部21には、映写部13により複数の抽選役画像41、背景画像42、および中央画像43が表示される。なお、背景画像42においては、例えば「BETタイム」と表示することにより、各サテライト部15でベット操作可能な期間(たとえば、20秒)であることを報知する。
次に、ベット操作可能な期間が終了すれば、制御部14の制御により、ボール投入部23からゲームフィールド部21にボール30が投入され、物理抽選部12において1回の物理抽選が実行される。
図6(B)に示すように、回収ポケット20aのいずれかにボール30が入れば、当該回収ポケット20aに対応する抽選役が入賞したと判定される。このとき、映写部13は、例えば図6(B)に示すように、入賞した抽選役の報知画像として、他の抽選役画像41よりも強調された入賞抽選役画像41aを映写する。また、ゲームフィールド部21の中央部(隠蔽部24の上面)では、後述するように、入賞した抽選役に対応する抽選役画像41が中央画像43として拡大して映写される。
本実施の形態におけるミニゲームは、抽選役画像41に関連付けられている。例えば、図6(A)・(B)に示すように、抽選役画像41として、抽選役A〜Dの4種類のキャラクタが設定されている。ミニゲームでは、これら4種類のキャラクタが物理抽選の結果に応じて、表示部16上でアクションするよう構成される。
ミニゲームは、例えば、釣りゲーム、パズルゲーム、およびジャンプゲーム等である。釣りゲームは、物理抽選の結果、入賞した抽選役に対応するキャラクタが魚を釣り上げるゲームである。そして、物理抽選の結果、釣り上げた魚の数が所定数に達する毎に付与条件が満たされたとして、サテライト部15はユーザにメダルが付与される。
パズルゲームは、4種類のキャラクタ画像のいずれかが描かれたブロックと複数種のブロックの組み合わせで構成された所与のパズルが、入賞した抽選役に対応するキャラクタのブロックが消えることによりパズルが解かれるゲームである。そして、パズルが解かれる毎に付与条件が満たされたとして、サテライト部15はユーザにメダルが付与される。
ジャンプゲームは、入賞した抽選役に対応するキャラクタがジャンプしてゲームアイテムを取得するゲームである。そして、ジャンプしたキャラクタが取得したゲームアイテムによって付与条件が満たされたとして、サテライト部15はユーザにメダルが付与される。
ユーザが任意にプレイしたい(ベットしたい)1又は複数のミニゲームを表示部16上で選択できる。そして、物理抽選の結果に応じて当該ミニゲーム中での付与条件が満たされたきには、サテライト部15は、予め設定される倍率でユーザに対してメダルを付与する。
なお、ミニゲームで用いられる遊戯価値は、本実施の形態ではメダルであるが、メダル以外の遊戯価値を用いることもできる。また、メダル以外にミニゲーム中で使用可能なゲームアイテムも遊戯価値として付与できる。
図6(B)に示すように、表示部16では、入賞した抽選役画像41と、獲得した遊戯価値(メダルおよび/またはゲームアイテム)を表示することにより、ユーザに入賞および遊戯価値の付与を報知する。また、物理抽選が連続して実行されている間、ユーザは、複数のミニゲームを適宜切り替えてミニゲームの進行を確認することができる。
その後、物理抽選部12は、終了抽選役が入賞するまで(終了条件を満たすまで)制御部14の制御により、物理抽選を所定回数繰り返す。1回の物理抽選において、どの程度の回数繰り返されるかはランダムである。
また、制御部14は、所定回数の物理抽選のうち、予め定められた規定回数(例えば、1回)を設定する。そして、制御部14は、規定回数の物理抽選を終えた後、図7(A)に示すように、入賞した抽選役(第一入賞役)を終了抽選役(第二入賞役)に切り替える。すなわち、制御部14は、規定回数に達するまでは、物理抽選を終えることがない。
この終了抽選役は、物理抽選の連続実行を終了させる抽選役である。物理抽選は、終了抽選役が設定された回収ポケット20aにボール30が入るまで継続する。制御部14は、終了抽選役が入賞したときに所定の終了条件を満たしたと判定して、物理抽選ゲームを終了させる。以上より、所定回数の物理抽選>規定回数の関係となる。
このように、物理抽選の実行回数が予め設定される規定回数に達するまで、終了抽選役を含まないように複数の抽選役を設定するとともに、物理抽選の実行回数が規定回数に達してから入賞した抽選役を終了抽選役に再設定する(変更条件を満たす)ことで、物理抽選の開始から規定回数まで(たとえば初回のみ)の物理抽選でゲームが終わらないようにできる。
その結果、ユーザにとっての娯楽性を向上できる。なお、規定回数は特に限定されず、1回でも複数回でもよい。さらに、制御部14は、規定回数を所定数のゲーム(ミニゲーム)が終了する毎に変更してもよい。
また、変更条件は規定回数などに限らず、時間の経過であってもよいし、予め抽選などで決定された抽選役に入ったことを変更条件としてもよい。
さらに、変更条件を満たしたか否かの判定方法は、物理抽選が規定回数に達した否かをカウントすることに限らない。例えば、ミニゲーム開始からの時間をカウントしてもよいし、ボール30が回収ポケット20aに入った回数をカウントしてもよい。これらの判定方法は、当業者において適宜選択されるものである。
また、映写部13は、制御部14の制御により、任意の抽選役が終了抽選役に切り替わる(再設定される)に伴い、当該抽選役に対応する抽選役画像41(第一入賞役画像)を終了抽選役画像44(第二入賞役画像)に切り替えて映写する。終了抽選役画像44は、終了抽選役専用に設定される画像であり、図7(A)に示すように、例えば、他の抽選役画像41とは明らかに異なる警告的な画像として設定されている。
例えば、図6(B)または図7(A)に示すように、物理抽選の実行回数が規定回数に達した後に、任意の回収ポケット20a(第一入賞役ポケット)にボール30が入ることで、対応する抽選役(第一入賞役)が入賞すれば、図7(A)または図7(B)に示すように、当該抽選役が終了抽選役(第二入賞役)に切り替わるので、抽選役画像41も終了抽選役画像44(第二入賞役画像)に切り替わって映写される。
その後、図7(B)に示すように、抽選役が終了抽選役(第二入賞役)に切り替わったあとに投入された物理抽選において、終了抽選役に対応する回収ポケット20a(第二入賞役ポケット)にボール30が入って入賞が判定されれば、物理抽選の連続実行が終了する(物理抽選ゲームの終了)。
これに伴い、ゲームフィールド部21の中央部では、終了抽選役画像44が中央画像43として拡大して映写されるとともに、サテライト部15の表示部16では、物理抽選の連続実行が終了したことが表示される。
物理抽選の連続実行が終了すれば、ゲーム機10における1回のゲームが終了するとともに、各サテライト部15でプレイされる1回のミニゲームも終了する。終了抽選役が入賞した後には、制御部14により、物理抽選部12およびサテライト部15を、図6(A)に示すようなメダルをベット操作可能な状態に戻す。
また、制御部14は、予め設定される所定条件(切り替え条件)を満たしたときには、隠蔽状態にある押出ポケット20bを露出状態に切り替えるように、隠蔽部24を制御する。切り替え条件の具体的な内容は特に限定されず、ゲームの種類または進行内容等に応じて適宜設定できる。
物理抽選部12による物理抽選の連続実行が継続し、切り替え条件が満たされれば、図8(A)に示すように、映写部13は、制御部14の制御によりゲームフィールド部21に押出ポケット20bが露出状態に切り替わることを告知する告知画像45aを映写する。
本実施の形態では、例えば、押出ポケット20b(隠蔽ポケット部25)に「センターポケット」という名称が付与されており、図8(A)に示すように、ゲームフィールド部21全体に「センターポケット発生」というメッセージが表示される。
その後、制御部14の制御により隠蔽部24が上昇し(図5(A)・(B)参照)、図8(B)に示すように、隠蔽状態にあった押出ポケット20bが露出状態に切り替わる。なお、図8(B)では、説明の便宜上、上昇した隠蔽部24の図示を省略している。
そして、露出状態にある押出ポケット20bのいずれかにボール30が入れば、制御部14は、物理抽選の条件を変更したり、予め設定される特定のイベントを発生させたりする。例えば、物理抽選の条件の変更としては、押出ポケット20bにボール30が入ったときには、制御部14は、終了抽選役の全てを元の抽選役に再設定する。
図8(B)に示すように、複数の抽選役のうち4つの抽選役が終了抽選役に切り替わっている場合について説明する。このとき、3個の押出ポケット20bのいずれかにボール30が入れば、制御部14は、リセット条件が満たされたと判定する。
そして、図9(A)に示すように、4つの終了抽選役の全てを消滅させ、通常の抽選役に切り替える(再設定する)。これに伴って、映写部13は、ゲームフィールド部21に終了抽選役が全て消滅したことを告知する告知画像45bを映写し、その後に、4つの終了抽選役画像44を通常の抽選役画像41に切り替えて映写する。
また、特定のイベントの発生は、本実施形態に限らず、通常の物理抽選とは異なるジャックポット抽選(特別抽選)を実行してもよい。たとえば、通常の物理抽選では、予め設定される第一倍率でユーザに遊戯価値を付与するが、ジャックポット抽選では、第一倍率を超える第二倍率で遊戯価値を付与する。
これにより、ジャックポット抽選により付与条件が満たされれば、ユーザに対しては、通常の物理抽選よりも多量のメダルが付与されたり、ミニゲーム中でレアなゲームアイテムが付与されたりするので、ユーザにとっての娯楽性をより一層向上できる。
本実施の形態では、図8(B)に示すように、隠蔽ポケット部25(3個の押出ポケット20bのいずれか)にボール30が入れば、制御部14は、ジャックポット条件を満たしたと判定し、物理抽選部12にジャックポット抽選を実行させるように制御する。
次に、図9(B)に示すように、ジャックポット画像46(ジャックポット抽選のために設定される専用のゲーム画像)をゲームフィールド部21に映写するように映写部13を制御する。これに伴い、各サテライト部15の表示部16にもジャックポット画像46に対応するゲーム画面が表示される。
なお、図9(A)に示すように、全ての終了抽選役が通常の抽選役に切り替わったり、図9(B)に示すようにジャックポット抽選が実行されたりした後には、制御部14は、隠蔽ポケット部25(押出ポケット20b)を再び隠蔽するよう隠蔽部24を制御する。
[ゲーム進行のバリエーション]
前述した説明では、押出ポケット20bの入賞を、終了抽選役のリセット、あるいは、ジャックポット抽選の実行のトリガーとしていたが、ゲーム機10におけるゲーム進行はこれに限定されない。リセット条件またはジャックポット条件は、押出ポケット20bの入賞とは別の条件として設定できる。
例えば、リセット条件に関しては、物理抽選が所定回数継続し、かつ、複数の抽選役のうち特定の抽選役が入賞したときにリセット条件を満たしたと設定ができる。例えば、物理抽選が3回目以降に終了抽選役が発生する条件で、物理抽選が6〜8回以上継続したときには、終了抽選役は4〜6個発生していることになる。そこで、例えば、リセット条件を満たす回数を7回に設定し、8回目の物理抽選の結果、特定の抽選役が入賞したときには、6個発生している終了抽選役をリセットして通常の抽選役に切り替えればよい。
あるいは、本実施の形態のように、抽選役がA〜Dの4種類のキャラクタなど複数のグループに区分されていれば、少なくともいずれかのグループの抽選役が全て終了抽選役に切り替われば、これら終了抽選役のうち最初に入賞したものを通常の抽選役に切り替えることもできる。したがって、リセット条件が満たされたときには、終了抽選役の全てが通常の抽選役に切り替わる場合に限定されず、少なくともいずれから通常の抽選役に切り替わる場合も含まれる。
例えば、図6(A)・(B)〜図9(A)・(B)に示すように、複数の抽選役は、抽選役A〜Dの4種類のキャラクタに区分されている。これらのうち、例えば、抽選役Aのキャラクタが全て終了抽選役に切り替わった後には、いずれかの終了抽選役が入賞すれば、リセット条件が満たされたとして、当該終了抽選役を元の抽選役Aのキャラクタに戻すことができる。
なお、終了抽選役を通常の抽選役に切り替える場合、元の抽選役に戻す必要性はない。例えば、抽選役Aが終了抽選役に切り替わり、リセット条件が満たされて通常の抽選役に切り替えるときに、抽選役Aではなく抽選役B〜Dのいずれかに切り替えてもよい。
また、ジャックポット条件に関しては、ミニゲームに含まれるゲームアイテムを利用したイベントで所定条件を満たしたときに、ジャックポット条件を満たしたと設定できる。例えば、サテライト部15において、ミニゲームと並行してすごろくゲーム(または、ミニゲーム中のすごろくイベント)がプレイ可能であり、ミニゲーム中で前述した付与条件が満たされれば、ゲームアイテムとしてサイコロが付与される。ユーザは、サテライト部15を操作して、付与されたサイコロを振ってすごろくゲームを進める。すごろくゲームがゴールに達したときに、ジャックポット条件が満たされたとして、ジャックポット抽選が開始される。
なお、すごろくゲームでは、途中で所定のマスに入ったとき、もしくは、ゴールに達したときには、所定量のメダルが付与されてもよい。これによりユーザはボーナスイベントとしてすごろくゲームを楽しむことができる。
また、ゴールに達した後には特別なイベントが発生し、このイベントが終了することでジャックポット条件が満たされたと設定してもよい。例えば、ゴールに達した後には、特別な敵キャラクタとのバトルイベントが発生し、バトルイベントが終了すれば、ジャックポット抽選に移行してもよい。
また、ミニゲームと並行してプレイ可能なゲームまたはイベントは、すごろくに限定されず、他のゲームまたはイベントであってもよい。さらに、ジャックポット条件は、ゲームまたはイベントではなく、数値的な蓄積が所定量に達したことであってもよい。例えば、メダル等の遊戯価値の付与量等である。
また、通常の物理抽選では、各サテライト部15では、それぞれのユーザが物理抽選の結果に基づいてミニゲームをプレイしているが、互いのサテライト部15同士での連携は特になされる必要はない。したがって、特定のサテライト部15で特定のイベントが発生しても、他のサテライト部15では通常のミニゲームがプレイされる。これに対して、ジャックポット抽選では、ジャックポット条件が満たされたサテライト部15と他のサテライト部15とが連携できる。
例えば、あるサテライト部15でジャックポット条件が満たされジャックポット抽選に移行すると、図9(B)に示すようなゲームフィールド部21全体にジャックポット画像46が映写されるとともに、当該サテライト部15の表示部16でもジャックポット抽選に対応するゲーム画像が表示される。さらに、他のサテライト部15においては、ジャックポット抽選の結果に対してベット操作することが可能となる。例えば、他のサテライト部15では、各ユーザがジャックポット抽選での勝敗にベット操作できる。
また、前述したように、終了抽選役が入賞した場合には物理抽選の連続実行が終了するが、サテライト部15では、ユーザが終了抽選役にベット操作できるように構成されてもよい。この場合、制御部14は、物理抽選の結果、ベットされた終了抽選役が入賞したときには、ベット操作されたサテライト部15のユーザに対してメダルを付与するように、サテライト部15を制御する。
このように、制御部14は、任意の回収ポケット20a(第一入賞役ポケット)にボール30が入ることに基づいて所定の第一特典を付与する第一ゲーム、および、終了抽選役に対応する回収ポケット20a(第二入賞役ポケット)にボール30が入ることに基づいて所定の第二特典を付与する第二ゲームのうち、少なくともいずれか一方のゲームに対して、ユーザによるベット操作を受け付けるよう構成されればよい。
なお、制御部14は、継続中の物理抽選ゲームにおいて、ボール30が第一入賞役ポケットに対応する回収ポケット20aに所定回数以上(例えば、3回)連続して入ったときには、第二ゲームに基づく第二特典を付与しないように構成されてもよい。また、第二特典は、メダルの付与(倍率)であることに限定されず、第一特典より有利な特典であればよい。
さらに、本実施の形態では、押出ポケット20bは、隠蔽状態では入賞判定部20として無効状態にあり、露出状態では有効状態にあるが、これに限定されない。制御部14は、所定条件を満たす場合、第二ポケット部において、ポケットの開口に遊戯媒体が入らない状態から当該開口に遊戯媒体が入る状態に切り替えるように制御すればよい。例えば、周回ポケット部22(第一ポケット部)の一部が第二ポケット部となり、この第二ポケット部となる回収ポケット20aが有効状態および無効状態を切り替え可能に構成されてもよい。
あるいは、入賞判定部20として、回収ポケット20aおよび押出ポケット20b以外のポケット、もしくは、ポケット以外の構成の入賞判定部20を備えてもよく、これらも有効状態および無効状態に切り替え可能に構成されていればよい。有効状態および無効状態の切り替えは、前述した切り替え条件を満たしたときに実行されればよい。
[映写部によるゲーム画像の映写]
映写部13は、前述したように、物理抽選部12の上面を構成するゲームフィールド部21にゲーム画像を映写する。このゲーム画像には、静止画も動画も含まれる。本実施の形態では、ゲームフィールド部21において、回収ポケット20aが環状に配置して周回ポケット部22を構成しており、その内側に押出ポケット20bが隠蔽部24により隠蔽される。
また、ポケット部22の外側は、ボール30等の遊戯媒体の転動面21aとなっている。映写部13は、周回ポケット部22(回収ポケット20aの環状配置)の外周に、対応する抽選役画像41を環状に配置して映写するとともに、環状配置の内部の隠蔽部24に、抽選役画像41の拡大図を中央画像43として映写する。
このように、映写部13は、ゲームフィールド部21において多様なゲーム画像を映写可能であるが、この映写部13は、複数の映写光学系を備えている必要がなく、単一の映写光学系を備えていればよい。映写部13はゲームフィールド部21(物理抽選部12)の上方(図2参照)に位置しているので、映写光学系が単一であったとしても、複数種類のゲーム画像を上方から下方に映写することになる。それゆえ、異なる領域に異なるゲーム画像を同時並行的に映写できる。
ここで、前述したように、物理抽選の結果、特定の抽選役が入賞すれば、図6(A)、図7(A)・(B)に示すように、映写部13は、入賞した回収ポケット20aに対応する抽選役画像41を入賞抽選役画像41aとして強調表示するとともに、当該抽選役画像41と同じものを、環状配置の内部に拡大して中央画像43として映写する。これにより、ユーザは、どの抽選役が入賞したか容易に確認できる。
このとき、映写部13は、環状配置の内部に拡大された中央画像43の上下方向を、入賞した抽選役に対応する抽選役画像41の上下方向とは異ならせて映写することが好ましい。図6(A)、図7(A)・(B)に示す例では、中央画像43の上下方向は、入賞抽選役画像41aの上下方向に対して反転している。
入賞抽選役画像41aに近接するサテライト部15から見れば、入賞抽選役画像41aの上下方向はユーザにとって順方向であるので、ユーザは、入賞抽選役画像41aを目視するだけでも、容易に入賞した抽選役を把握できる。しかしながら、例えば、入賞した抽選役とは反対側に位置するサテライト部15から見れば、入賞抽選役画像41aの上下方向はユーザにとって逆方向になる。そのため、中央画像43の上下方向が順方向であれば、反対側に位置するユーザにとっては入賞した抽選役を把握しにくい。そこで、中央画像43の上下方向を反転させる等、上下方向を異ならせて映写することが望ましい。
また、映写部13は、環状に配置した入賞抽選役画像41aの外側に背景画像42を表示できるだけでなく、特定のイベントに対応するイベント画像を表示することもできる。例えば、前述したすごろくイベントがゴールに達した後に、特別な敵キャラクタとのバトルイベントが発生したときには、イベント画像として、バトル画像を映写できる。このバトル画像としては、例えば、物理抽選の結果、特定の抽選役(例えば抽選役A)が入賞したときには、抽選役Aのキャラクタが、敵キャラクタに攻撃を与える動画が挙げられる。
さらに、映写部134によりゲームフィールド部21に対して映写されるゲーム画像のうち、回転した状態で映写される背景画像42については、周回ポケット部22の自転速度よりも遅く映写される。図10は、物理抽選部12における回転部(周回ポケット部22)とゲーム画像に含まれる背景画像42との関係を示す模式図である。
前記の通り、回収ポケット20aは、ゲームフィールド部21において環状に配置されて周回ポケット部22を構成している。この周回ポケット部22は、図10では、例えば、上から見て反時計回り(左回り)方向に周回速度(角速度)V1で自転する。また、周回ポケット部22の外周には、環状の背景画像42が映写可能であり、この背景画像42も、周回ポケット部22と同様に反時計回り方向に回転速度(角速度)V2で回転して映写される。
ここで、周回ポケット部22の自転速度と背景画像42の回転速度が同程度であると、ゲームフィールド部21を目視するユーザに酔いが発生する。そこで、背景画像42の回転速度V2(以下、適宜「回転速度V2」と略す)を、周回ポケット部22の自転速度V1(以下、適宜「自転速度V1」と略す)よりも遅く映写されるように、制御部14により映写部13を制御する。これにより、ユーザの酔いを緩和することができる。なお、図10では、ブロック矢印V1およびV2の長さは互いに異なっているが、これは、速度の違いを模式的に示しているためである。
背景画像42の具体的な構成は特に限定されず、ゲームの具体的な種類に応じて好適な構成のゲーム画像が選択される。上下方向が分かりやすい画像(例えば、天地が設定された二次元空間を表した背景画像等)であればユーザに酔いが発生する。それゆえ、特に上下方向を有する背景画像42を映写する場合には、回転速度V2を自転速度V1よりも遅く映写することが好ましい。
また、自転速度V1および回転速度V2の具体的な大きさ並びに速度差についても特に限定されず、ゲームの種類または構成等の条件に応じて適宜設定することができる。なお、背景画像42で表される二次元空間に、背景画像42とは独立して移動可能なキャラクタを登場させてもよい。この場合も、回転速度V2<自転速度V1の関係を維持していれば、キャラクタの移動速度が自転速度V1以上となっても前述した効果を発揮できる。
また、図10では、図9(A)と同様に、ゲームフィールド部21全体に背景画像42が映写されている場合を例示しているが、物理抽選を実行する際には、図6(A)・(B)〜図9(A)に示すように、周回ポケット部22の外周に隣接して、抽選役画像41が環状に配置されている。この場合、映写部13は、抽選役画像41の環状配置については、周回ポケット部22(回収ポケット20aの環状配置)の自転速度と同一の回転速度で映写する。しかしながら、抽選役画像41の環状配置の外側に隣接する背景画像42については、前記の通り、周回ポケット部22の自転速度V1よりも遅い回転速度V2で回転させればよい。したがって、抽選役画像41の環状配置の回転速度を「回転速度V3」とすれば、V1=V3>V2の関係となる。
抽選役画像41の環状配置または背景画像42のように、回転して映写されるゲーム画像は、予め所定速度で回転する動画として製作された上で、映写部13によりゲームフィールド部21に映写される。このとき抽選役画像41の環状配置は、その回転速度V3が周回ポケット部22の自転速度V1と同一速度になるように製作されればよく、背景画像42は、その回転速度V2が周回ポケット部22の自転速度V1より遅くなるように製作されればよい。
なお、このように、予め回転する動画としてゲーム画像を製作することにより、機械的な制御により回転部とゲーム画像とを同期させる場合よりも、簡素な構成で円滑なゲーム画像を映写することができる。例えば、特許文献1のように、プロジェクタ部により映写されるゲーム画像の回転を回転部の回転角を検出して同期させる構成であれば、そもそも同期用に回転角を検出するセンサが必要であり、また、回転を同期させるために頻繁に補正が入るため、ゲーム画像の回転がぎこちなくなる。
このように、ゲーム機10においては、映写部13は物理抽選部12のゲームフィールド部21に対して少なくとも抽選役画像41を映写できるとともに、物理抽選の結果に応じた入賞の報知画像も映写できる。ユーザは、サテライト部15でミニゲームをプレイしながら、物理抽選とともに映写部13で映写される様々なゲーム画像も目視できる。特に、ゲームフィールド部21という同一の場所で通常の物理抽選およびジャックポット抽選の両方を実行できる。
したがって、抽選の種類が変更されるたびにユーザの視線方向を変えさせる必要がなく、ゲーム進行が把握しやすくなり、ユーザフレンドリー性を向上できる。また、通常の物理抽選とジャックポット抽選とで、ゲームフィールド部21へ映写するゲーム画像を異なるものにできる。そのため、抽選場所が同じであっても、通常の物理抽選とジャックポット抽選との違いをゲーム画像で表現でき、各抽選に応じた好適なゲーム演出を実現できる。
また、ユーザは、個々のサテライト部15だけでなくゲーム機10の中央におけるゲームフィールド部21という大きな画面においてゲーム画像を目視できる。それゆえ、特に、物理抽選部12でジャックポット抽選が実行される際には、ユーザは専用のゲーム画像を容易に目視できる。それゆえ、ユーザは臨場感を持ってジャックポット抽選を把握できるので、ジャックポット抽選の注目度および期待感を高めることが可能となる。その結果、ゲーム機10全体としての娯楽性をより一層向上できる。
また、物理抽選部12が入賞判定部20の一部を隠蔽可能とする隠蔽部24を備えていれば、ミニゲームの進行に応じて隠蔽部24を制御することによって、入賞判定部20を露出させたり隠蔽させたりすることができる。それゆえ、繰り返し実行される物理抽選において、多様な変化を実現できる。その結果、ゲーム機10全体としての娯楽性をより一層向上できる。しかも、隠蔽部24は物理抽選部12における一部の入賞判定部20を隠蔽するだけでよいので、同様の構成を有する物理抽選部12を複数設ける必要がなく、構成の複雑化を回避できる。
なお、本発明は前記実施の形態の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲内で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態や複数の変形例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。