以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。本発明は、 伝送路特性がさほど変化しない固定受信用のサービスと、伝送路特性が時々刻々と変化する移動受信用のサービスとを階層伝送により実現するシステムにおいて、固定受信用セグメントのパイロット信号と移動受信用セグメントのパイロット信号とを、GI長以上の遅延波にも対応できるように(GI長以上の遅延波が存在する場合であっても、当該遅延波の影響を受けることなく、伝送路特性を推定することができるように)、異なる周波数間隔にて配置することを特徴とする。
固定受信用セグメントにおける伝送路特性は、さほど変化しないことから、前後のシンボルのパイロット信号を溜め込む手法を用いることができる。この溜め込む手法を用いることにより、パイロット信号の周波数配置の間隔をある程度広く設定しても、GI長以上の遅延時間の遅延波に対応することができる。
これに対し、移動受信用セグメントにおける伝送路特性は、伝送路特性が時々刻々と変化することから、溜め込む手法を用いることができず、1シンボルのみのパイロット信号を用いることになる。このため、GI長以上の遅延時間の遅延波に対応できるように、パイロット信号の周波数配置の間隔を所定値以下(GI比の逆数以下)に狭く設定する。例えば、現在運用されているMode3、GI比1/8、有効シンボル長1008μs、GI長126μsにおいては、パイロット信号を、周波数方向の2〜8キャリア毎に配置する。2以上としたのは、データの配置を考慮したからであり、8以下としたのは、有効シンボル長/GI長=1008μs/126μs=8だからである。
つまり、移動受信用セグメントにおける等間隔の所定キャリア位置の伝送路特性を推定する際の、所定キャリアの周波数配置の間隔を、2〜nまでの値とする。nは、GI比の逆数(シンボル長/GI長)であり、正の整数である。尚、所定キャリアの周波数配置の間隔は、パイロット信号の周波数配置の間隔(パイロット信号が配置されたキャリア位置の間隔)であってもよいし、パイロット信号から推定したパイロット位置の伝送路特性を内挿及び外挿することで得られた伝送路特性のキャリア位置における周波数配置の間隔であってもよい。
これにより、固定受信用及び移動受信用のサービスを1つのシステムで階層伝送する際の移動受信において、速度に対する耐性を劣化させることなく、GI長以上の遅延波にも対応することができる。以下、SISO伝送方式を用いた例(実施例1)、及びMIMO伝送方式を用いた例(実施例2)を挙げて説明する。
〔実施例1〕
まず、SISO伝送方式を用いた実施例1について説明する。実施例1は、各1本の送受信アンテナを用いたSISO伝送を実現する例である。
〔OFDM送信装置/実施例1〕
まず、本発明の第1の実施形態(実施例1)によるOFDM送信装置について説明する。図1は、実施例1によるOFDM送信装置の構成を示すブロック図である。このOFDM送信装置1−1は、誤り訂正符号化回路11−1,11−2、マッピング回路12−1,12−2、フレーム構成回路13、IFFT回路14、GI付加回路15、周波数変換回路16及び1本の送信アンテナ17を備えている。フレーム構成回路13から送信アンテナ17までの送信系統Tx1は1系統である。
誤り訂正符号化回路11−1は、OFDM送信装置1−1により送信される固定受信用のデータ(固定受信用データ)を入力し、エネルギー拡散、誤り訂正符号の符号化及びインターリーブ等の処理を行い、処理後の固定受信用のデータをマッピング回路12−1に出力する。例えば、符号化処理として、RS符号、畳み込み符号、ターボ符号、LDPC符号等のFECによる処理が行われる。
マッピング回路12−1は、誤り訂正符号化回路11−1から誤り訂正符号化された固定受信用のデータを入力し、所定の変調方式によりマッピングしてデータキャリア化し、マッピングした固定受信用のデータをフレーム構成回路13に出力する。例えば、変調方式として、BPSK,QPSK、16QAM、64QAM等が用いられる。
誤り訂正符号化回路11−2は、OFDM送信装置1−1により送信される移動受信用のデータ(移動受信用データ)を入力し、所定の符号化処理を行い、誤り訂正符号化した移動受信用のデータをマッピング回路12−2に出力する。
マッピング回路12−2は、誤り訂正符号化回路11−2から誤り訂正符号化された移動受信用のデータを入力し、所定の変調方式によりマッピングしてデータキャリア化し、マッピングした移動受信用のデータをフレーム構成回路13に出力する。
フレーム構成回路13は、マッピング回路12−1からマッピングされた固定受信用のデータを入力すると共に、マッピング回路12−2からマッピングされた移動受信用のデータを入力する。そして、フレーム構成回路13は、固定受信用のデータ、移動受信用のデータ、パイロット信号等の配置が予め設定されたパターンに従って、固定受信用セグメントについて、固定受信用のデータ及びパイロット信号等を所定位置に配置し、移動受信用セグメントについて、移動受信用のデータ及びパイロット信号等を所定位置に配置する。
ここで、予め設定されたパターンには、伝送フレームに配置される固定受信用セグメント及び移動受信用セグメントの位置を示すセグメント位置情報、固定受信用セグメントに配置される固定受信用のデータ、パイロット信号等の位置、及び移動受信用セグメントに配置される移動受信用のデータ、パイロット信号等の位置を示すデータ位置情報及びパイロット位置情報等が定義されている。特に、パイロット信号については、固定受信用セグメント及び移動受信用セグメントのそれぞれに対し、GI長以上の遅延時間の遅延波に対応するために、固定受信用セグメントのパイロット信号と移動受信用セグメントのパイロット信号とが異なるキャリア数の間隔に配置されるように定義されている。
フレーム構成回路13は、固定受信用セグメント及び移動受信用セグメントを結合してOFDMの伝送フレームを生成し、生成した伝送フレームのOFDM信号をIFFT回路14に出力する。フレーム構成回路13の詳細については後述する。
IFFT回路14は、フレーム構成回路13からフレームのOFDM信号を入力し、周波数領域のOFDM信号を逆高速フーリエ変換し、時間領域のOFDM信号を生成してGI付加回路15に出力する。GI付加回路15は、IFFT回路14から時間領域のOFDM信号を入力し、所定長のGIを付加し、GIを付加したOFDM信号を周波数変換回路16に出力する。周波数変換回路16は、GI付加回路15からGIが付加されたOFDM信号を入力し、ベースバンド信号の周波数を所定周波数帯のRF(Radio Frequency)に変換する。周波数変換回路16により周波数変換されたOFDM信号は、送信アンテナ17を介してOFDM信号の放送波として送信される。
(フレーム構成回路13)
次に、図1に示したフレーム構成回路13について説明する。図2は、フレーム構成回路13の構成を示すブロック図である。このフレーム構成回路13は、固定受信用セグメント構成部41、移動受信用セグメント構成部42、パイロット信号生成部43、パターンメモリ44及び結合部45を備えている。
パイロット信号生成部43は、送信側及び受信側で既知となるパイロット信号を生成し、固定受信用セグメント構成部41及び移動受信用セグメント構成部42に出力する。例えば、BPSKの変調方式の場合、パイロット信号がI軸上において1または−1に配置されるように、パイロット信号(データ値としては1または−1)が生成される。
尚、後述する実施例2のパイロット信号生成部43は、後述する図11の場合、パイロット信号及び直交化パイロット信号を生成し、後述する図12の場合、パイロット信号及びヌルパイロット信号を生成する。また、パイロット信号生成部43は、後述する図13の場合、パイロット信号、直交化パイロット信号及びクラスターパイロット信号を生成し、後述する図14の場合、パイロット信号、ヌルパイロット信号及びクラスターパイロット信号を生成する。
パターンメモリ44には、前述のとおり、伝送フレームに配置される固定受信用セグメント及び移動受信用セグメントの位置を示すセグメント位置情報、固定受信用セグメントに配置される固定受信用のデータ、パイロット信号等の位置、及び移動受信用セグメントに配置される移動受信用のデータ、パイロット信号等の位置を示すデータ位置情報及びパイロット位置情報等が定義されたパターンが格納されている。このパターンは、予め設定される。
固定受信用セグメント構成部41は、マッピング回路12−1から固定受信用のデータを入力すると共に、パイロット信号生成部43からパイロット信号を、パターンメモリ44からパターンを入力する。そして、固定受信用セグメント構成部41は、パターンに定義されたデータ位置情報及びパイロット位置情報等から、固定受信用のデータ及びパイロット信号等の位置を特定する。固定受信用セグメント構成部41は、固定受信用セグメントにおいて、特定した固定受信用のデータの位置及びパイロット信号等の位置に、入力した固定受信用のデータ及びパイロット信号等をそれぞれ設定することで、固定受信用セグメントを生成し、固定受信用セグメントを結合部45に出力する。
図3(1)は、SISO伝送方式における固定受信用セグメントのパイロットパターンの例(パイロットパターン1)を示すパイロット信号配置図である。図3(1)において、横軸は周波数方向のキャリア番号を示し、縦軸は時間軸方向のシンボル番号を示し、「1」はパイロット信号の位置、スペースはデータの位置を示す。後述する図3(2)(3)も同様である。尚、キャリア番号及びシンボル番号は、説明を考慮した便宜上の範囲で示してある。
図3(1)に示す固定受信用セグメントのパイロットパターンは、図16に示した現在使用されているパイロットパターンと同じであり、パイロット信号は、周波数方向の12キャリア毎、かつ時間方向の4シンボル毎を1周期として配置されている。
図3(1)に示す固定受信用セグメントのパイロットパターンは、後述する図3(2)及び(3)に示す移動受信用セグメントのパイロットパターンと異なっている。固定受信用セグメント及び移動受信用セグメントにおいて、パイロット信号は、異なる周波数間隔で配置されている。
パターンメモリ44には、図3(1)に示す固定受信用セグメントのパイロットパターンのパイロット位置情報を含むパターンが格納されており、固定受信用セグメント構成部41は、当該パターンに基づいて、パイロット信号を、シンボル番号0のシンボルに対しキャリア番号0,12等の位置に設定し、シンボル番号1のシンボルに対しキャリア番号3等の位置に設定する。
この場合、後述するOFDM受信装置2は、図3(1)に示した固定受信用セグメントのパイロットパターンを用いることにより、前後3シンボルのパイロット信号を溜め込む処理を行って伝送路特性を内挿し、3キャリア毎の伝送路特性を推定することができる。このため、GI長126μs以上の1008/3=336μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができる。
図2に戻って、移動受信用セグメント構成部42は、マッピング回路12−2から移動受信用のデータを入力すると共に、パイロット信号生成部43からパイロット信号を、パターンメモリ44からパターンを入力する。そして、移動受信用セグメント構成部42は、パターンに定義されたデータ位置情報及びパイロット位置情報等から、移動受信用のデータ及びパイロット信号等の位置を特定する。移動受信用セグメント構成部42は、移動受信用セグメントにおいて、特定した移動受信用のデータの位置及びパイロット信号等の位置に、入力した移動受信用のデータ及びパイロット信号等をそれぞれ設定することで、移動受信用セグメントを生成し、移動受信用セグメントを結合部45に出力する。
図3(2)は、SISO伝送方式における移動受信用セグメントのパイロットパターンの例(パイロットパターン1)を示すパイロット信号配置図である。図3(2)に示す移動受信用セグメントのパイロットパターンは、図3(1)に示したパイロットパターンと異なり、パイロット信号は、周波数方向の3キャリア毎、かつ時間方向の1シンボル毎を1周期として配置されている。
パターンメモリ44には、図3(2)に示す移動受信用セグメントのパイロットパターンのパイロット位置情報を含むパターンが格納されており、移動受信用セグメント構成部42は、当該パターンに基づいて、パイロット信号を、シンボル番号0のシンボルに対しキャリア番号0,3,6,9,12等の位置に設定し、シンボル番号1のシンボルに対しキャリア番号0,3,6,9,12等の位置に設定する。
この場合、後述するOFDM受信装置2は、図3(2)に示した移動受信用セグメントのパイロットパターンを用いることにより、前後のシンボルを補間することなく、1シンボルのみのパイロット信号を用いて、3キャリア毎の伝送路特性を推定することができる。このため、GI長126μs以上の1008/3=336μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができる。
図3(3)は、SISO伝送方式における移動受信用セグメントのパイロットパターンの他の例(パイロットパターン1)を示すパイロット信号配置図である。図3(3)に示す移動受信用セグメントのパイロットパターンは、図3(1)に示したパイロットパターンと異なり、パイロット信号は、周波数方向の6キャリア毎、かつ時間方向の1シンボル毎を1周期として配置されている。
パターンメモリ44には、図3(3)に示す移動受信用セグメントのパイロットパターンのパイロット位置情報を含むパターンが格納されており、移動受信用セグメント構成部42は、当該パターンに基づいて、パイロット信号を、シンボル番号0のシンボルに対しキャリア番号0,6,12等の位置に設定し、シンボル番号1のシンボルに対しキャリア番号0,6,12等の位置に設定する。
この場合、後述するOFDM受信装置2は、図3(3)に示した移動受信用セグメントのパイロットパターンを用いることにより、前後のシンボルを補間することなく、1シンボルのみのパイロット信号を用いて、6キャリア毎の伝送路特性を推定することができる。このため、GI長126μs以上の1008/6=168μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができる。また、後述するOFDM受信装置2は、1シンボルのみのパイロット信号を用いて、6キャリア毎の伝送路特性を推定した後、2つのパイロット信号間の中央位置の伝送路特性を内挿することで(例えば、平均値を算出することで)、3キャリア毎の伝送路特性を推定することができる。このため、GI長126μs以上の1008/3=336μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができる。
尚、図3(1)〜(3)に示したパイロットパターンは一例であり、本発明は、これらのパイロットパターンに限定されるものではない。固定受信用セグメントのパイロットパターンは、後述するOFDM受信装置2において前後のシンボルのパイロット信号を溜め込む処理を行うことで、GI長以上の遅延時間の遅延波に対応することができればよい。また、移動受信用セグメントのパイロットパターンは、周波数方向の2〜8キャリア毎、かつ時間方向の1シンボル毎を1周期としてパイロット信号が配置されていればよい。このパイロットパターン配置により、GI長126μsよりも長い1008/2〜8=504〜126μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができるからである。周波数方向が2以上のキャリア毎としたのは、データが設定される位置を確保するためである。
図2に戻って、結合部45は、固定受信用セグメント構成部41から固定受信用セグメントを入力すると共に、移動受信用セグメント構成部42から移動受信用セグメントを入力し、さらに、パターンメモリ44からパターンを入力する。そして、結合部45は、パターンに定義されたセグメント位置情報から、伝送フレーム内の固定受信用セグメントの位置及び移動受信用セグメントの位置をそれぞれ特定し、特定した位置に、入力した固定受信用セグメント及び移動受信用セグメントを設定することで、固定受信用セグメント及び移動受信用セグメントを結合した伝送フレームを生成し、伝送フレームをIFFT回路14に出力する。
以上のように、実施例1のOFDM送信装置1−1によれば、フレーム構成回路13の固定受信用セグメント構成部41は、固定受信用セグメントについて、予め設定されたパターンに定義されたデータ位置情報、及び、例えばパイロット信号が周波数方向の12キャリア毎、かつ時間方向の4シンボル毎を1周期として配置されたパイロット位置情報(図3(1))等から、固定受信用のデータ及びパイロット信号等の位置を特定し、これらの位置に、固定受信用のデータ及びパイロット信号等をそれぞれ設定することで、固定受信用セグメントを生成するようにした。
また、移動受信用セグメント構成部42は、移動受信用セグメントについて、予め設定されたパターンに定義されたデータ位置情報、及び、例えばパイロット信号が周波数方向の3キャリア毎、かつ時間方向の1シンボル毎を1周期として配置されたパイロット位置情報(図3(2))等から、移動受信用のデータ及びパイロット信号等の位置を特定し、これらの位置に、移動受信用のデータ及びパイロット信号等をそれぞれ設定することで、移動受信用セグメントを生成するようにした。具体的には、移動受信用セグメント構成部42は、移動受信用セグメントにおける等間隔の所定キャリア位置の伝送路特性を推定する際に、パイロット信号が、GI比の逆数の値nから2までのうちのいずれかを間隔数として、周波数方向に等間隔に配置されるように、当該パイロット信号を、移動受信用セグメントの所定位置に設定し、移動受信用セグメントを生成するようにした。
そして、結合部45は、予め設定されたパターンに定義されたセグメント位置情報から、固定受信用セグメント構成部41により生成された固定受信用セグメントの位置、及び移動受信用セグメント構成部42により生成された移動受信用セグメントの位置をそれぞれ特定し、これらの位置に両セグメントを設定することで、固定受信用セグメント及び移動受信用セグメントを結合した伝送フレームを生成するようにした。
このようにして生成された伝送フレームのOFDM信号は、送信アンテナ17から後述するOFDM受信装置2へ送信される。これにより、後述するOFDM受信装置2は、OFDM送信装置1−1にて使用した同じパターンを用いることで、固定受信用セグメントについて、例えば前後3シンボルのパイロット信号を溜め込む処理を行って伝送路特性を内挿し、3キャリア毎の伝送路特性を推定することができる。これにより、GI長126μs以上の1008/3=336μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができる。
また、後述するOFDM受信装置2は、OFDM送信装置1−1にて使用した同じパターンを用いることで、移動受信用セグメントについて、前後のシンボルを補間することなく、1シンボルのみのパイロット信号を用いて、例えば3キャリア毎の伝送路特性を推定することができる。これにより、GI長126μs以上の1008/3=336μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができる。
したがって、固定受信用及び移動受信用のサービスを1つのシステムで階層伝送する際の移動受信において、速度に対する耐性を劣化させることなく、GI長以上の遅延波にも対応することができる。
〔OFDM受信装置/実施例1〕
次に、本発明の第1の実施形態(実施例1)によるOFDM受信装置について説明する。図4は、実施例1によるOFDM受信装置の構成を示すブロック図である。このOFDM受信装置2は、1本の受信アンテナ21、周波数変換回路22、GI除去回路23、FFT回路24、遅延回路25、パイロット抽出回路26、伝送路推定回路27、復号回路28、デマッピング回路29及び誤り訂正復号回路30を備えている。OFDM受信装置2の受信系統Rx1は1系統である。
OFDM受信装置2の受信アンテナ21が、図1のOFDM送信装置1−1により送信されたOFDM信号の放送波を受信すると、周波数変換回路22は、受信アンテナ21を介してOFDM信号を入力し、所定周波数帯のRFをベースバンド信号の周波数に変換し、GI除去回路23に出力する。
GI除去回路23は、周波数変換回路22から周波数変換されたOFDM信号を入力し、OFDM信号内のGIを除去し、FFT回路24に出力する。FFT回路24は、GI除去回路23からGIが除去されたOFDM信号を入力し、時間領域のOFDM信号を高速フーリエ変換し、周波数領域のOFDM信号を生成して遅延回路25及びパイロット抽出回路26に出力する。
遅延回路25は、FFT回路24から周波数領域のOFDM信号を入力し、バッファに一時的に格納する。そして、遅延回路25は、パイロット抽出回路26及び伝送路推定回路27における複数シンボルに跨る伝送路推定の遅延を補正するために、その遅延時間経過後バッファからOFDM信号を読み出し、復号回路28に出力する。
パイロット抽出回路26は、FFT回路24から周波数領域のOFDM信号を入力し、図2のパターンメモリ44に格納されたパターンと同じパターンを用いて、パターンに定義されたパイロット位置情報に基づいて、パイロット信号を抽出し、受信パイロット信号として伝送路推定回路27に出力する。
ここで、OFDM受信装置2が固定受信用の装置の場合、パイロット抽出回路26は、パターンに定義されたパイロット位置情報に基づいて、固定受信用セグメントからパイロット信号を抽出する。また、伝送路特性を精度高く推定する場合、パイロット抽出回路26は、パイロット位置情報に基づいて、固定受信用セグメントからパイロット信号を抽出すると共に、固定受信用セグメントに隣接する移動受信用セグメントのパイロット信号も抽出する。
OFDM受信装置2が移動受信用の装置の場合、パイロット抽出回路26は、パターンに定義されたパイロット位置情報に基づいて、移動受信用セグメントからパイロット信号を抽出する。また、伝送路特性を精度高く推定する場合、パイロット抽出回路26は、パイロット位置情報に基づいて、移動受信用セグメントからパイロット信号を抽出すると共に、移動受信用セグメントに隣接する固定受信用セグメントのパイロット信号のうち、移動受信用セグメントに近い所定帯域のパイロット信号も抽出する。
伝送路推定回路27は、パイロット抽出回路26から受信パイロット信号を入力し、受信パイロット信号、及び図2のパイロット信号生成部43により生成されたパイロット信号と同じパイロット信号(送信パイロット信号)を用いて、パイロット位置の伝送路特性を推定する。そして、伝送路推定回路27は、複数のパイロット位置の伝送路特性を用いた内挿処理または外挿処理等により、パイロット位置でない非パイロット位置の伝送路特性を推定する。これにより、パイロット位置及び非パイロット位置である所定位置の伝送路特性が推定される。そして、伝送路推定回路27は、所定キャリア位置の伝送路特性に基づいて、全キャリア位置の伝送路特性を推定する。伝送路推定回路27の詳細については後述する。
ここで、OFDM受信装置2が固定受信用の装置の場合、伝送路推定回路27は、所定の固定受信用セグメントについて、全キャリア位置の伝送路特性を推定する。また、OFDM受信装置2が移動受信用の装置の場合、伝送路推定回路27は、所定の移動受信用セグメントについて、全キャリア位置の伝送路特性を推定する。
復号回路28は、遅延回路25からOFDM信号を入力すると共に、伝送路推定回路27から伝送路特性を入力し、OFDM信号のうちのデータを、伝送路特性を用いて復号し、復号後のデータをデマッピング回路29に出力する。
デマッピング回路29は、復号回路28からデータを入力し、所定の変調方式によりデマッピングし、誤り訂正復号回路30に出力する。例えば、変調方式として、図1のマッピング回路12−1,12−2が用いる変調方式と同じBPSK,QPSK、16QAM、64QAM等が用いられる。
誤り訂正復号回路30は、デマッピング回路29からデマッピングされたデータを入力し、図1の誤り訂正符号化回路11−1,11−2に対応したデインターリーブ、誤り訂正符号の復号、エネルギー逆拡散等の処理を行い、復号処理した元のデータ(固定受信用のデータまたは移動受信用のデータ)を出力する。
(伝送路推定回路27)
次に、図4に示した伝送路推定回路27について説明する。図5は、伝送路推定回路27の構成を示すブロック図である。この伝送路推定回路27は、所定キャリア位置伝送路推定部51及び全キャリア位置伝送路推定部52を備えている。
図8(1)は、SISO伝送方式における固定受信用伝送路推定手法を説明するパイロット信号配置図であり、図8(2)は、SISO伝送方式における移動受信用伝送路推定手法を説明するパイロット信号配置図である。また、図9(1)は、SISO伝送方式における他の固定受信用伝送路推定手法を説明するパイロット信号配置図であり、図9(2)は、SISO伝送方式における他の移動受信用伝送路推定手法を説明するパイロット信号配置図である。
図8(1)(2)及び図9(1)(2)において、横軸は周波数方向のキャリア番号、縦軸は時間軸方向のシンボル番号を示し、「1」は受信パイロット信号の位置、スペースはデータの位置を示す。また、横軸のキャリア番号0から11までを固定受信用セグメントの周波数帯とし、キャリア番号12から23までを移動受信用セグメントの周波数帯とし、キャリア番号24から35までを固定受信用セグメントの周波数帯とし、移動受信用セグメントが固定受信用セグメントに挟まれている場合を示している。尚、キャリア番号及びシンボル番号は、説明を考慮した便宜上の範囲で示してある。枠で囲ったシンボルは、復調するシンボルを示している。
図8(1)(2)は、固定受信用セグメントの受信パイロット信号が周波数方向の12キャリア毎、かつ時間方向の4シンボル毎に配置され、移動受信用セグメントの受信パイロット信号が周波数方向の3キャリア毎、かつ時間方向の1シンボル毎を1周期として配置された場合の例であり、固定受信用セグメントの受信パイロット信号は図3(1)に対応し、移動受信用セグメントの受信パイロット信号は図3(2)に対応している。
図9(1)(2)は、固定受信用セグメントの受信パイロット信号が周波数方向の12キャリア毎、かつ時間方向の2シンボル毎に配置され、移動受信用セグメントの受信パイロット信号が周波数方向の6キャリア毎、かつ時間方向の1シンボル毎を1周期として配置された場合の例であり、移動受信用セグメントの受信パイロット信号は、図3(3)に対応している。
(固定受信用伝送路推定手法)
図6は、固定受信用の所定キャリア位置伝送路推定部51の処理を示すフローチャートであり、OFDM受信装置2が固定受信用の装置である場合の処理を示している。
所定キャリア位置伝送路推定部51は、パイロット抽出回路26から固定受信用セグメントの受信パイロット信号を入力し(ステップS601)、受信パイロット信号及び送信パイロット信号を用いて、当該パイロット位置(当該パイロット信号のキャリア位置)の伝送路特性を推定する(ステップS602)。
所定キャリア位置伝送路推定部51は、前後のシンボルのパイロット信号に基づいて、内挿処理により、パイロット位置でない所定の非パイロット位置(パイロット信号のキャリア位置でない所定の非パイロット信号のキャリア位置)の伝送路特性を推定する(ステップS603)。
図8(1)の例では、シンボル番号3の各キャリアの伝送路特性を推定する際に、シンボル番号3及びキャリア番号9におけるパイロット位置の伝送路特性は、ステップS602にて、受信パイロット信号を用いて推定される。また、シンボル番号3及びキャリア番号0における非パイロット位置の伝送路特性は、ステップS603にて、シンボル番号0及びキャリア番号0における受信パイロット信号、及びシンボル番号4及びキャリア番号0における受信パイロット信号を用いて推定される。
このように、ステップS602及びステップS603にて、前後3シンボルの受信パイロット信号を用いた溜め込み処理により、1シンボルにつき、周波数方向の3キャリア毎に伝送路特性が生成される。
また、図9(1)の例では、シンボル番号1の各キャリアの伝送路特性を推定する際に、シンボル番号1及びキャリア番号6におけるパイロット位置の伝送路特性は、ステップS602にて、受信パイロット信号を用いて推定される。また、シンボル番号1及びキャリア番号0における非パイロット位置の伝送路特性は、ステップS603にて、シンボル番号0及びキャリア番号0における受信パイロット信号、及びシンボル番号2及びキャリア番号0における受信パイロット信号を用いて推定される。
このように、ステップS602及びステップS603にて、前後1シンボルの受信パイロット信号を用いた溜め込み処理により、1シンボルにつき、周波数方向の6キャリア毎に伝送路特性が生成される。
図6に戻って、所定キャリア位置伝送路推定部51は、1シンボルにつき、固定受信用セグメントについて、周波数方向の所定間隔の伝送路特性(図8(1)の例では、周波数方向の3キャリア毎の伝送路特性、図9(1)の例では、周波数方向の6キャリア毎の伝送路特性)を全キャリア位置伝送路推定部52に出力する(ステップS604)。全キャリア位置伝送路推定部52は、所定キャリア位置伝送路推定部51から周波数方向の所定間隔の伝送路特性(周波数方向に所定間隔で配置されたキャリア位置の伝送路特性)を入力し、逆高速フーリエ変換及び高速フーリエ変換等の処理により、固定受信用セグメントにおける全てのキャリア位置の伝送路特性を推定する。全キャリア位置伝送路推定部52の処理は既知であるから、詳細については省略する。
これにより、固定受信用セグメントについて、図8(1)の例では、GI長126μs以上の1008/3=336μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができ、図9(1)では、GI長126μs以上の1008/6=168μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができる。
尚、固定受信用の所定キャリア位置伝送路推定部51は、1シンボルにつき、固定受信用セグメントに加え、これに近隣する所定帯域についても、周波数方向の3または6キャリア毎の伝送路特性を全キャリア位置伝送路推定部52に出力するようにしてもよい。この場合、固定受信用の所定キャリア位置伝送路推定部51は、固定受信用セグメントに近隣する所定帯域について、後述する移動受信用の所定キャリア位置伝送路推定部51と同様に、周波数方向の3または6キャリア毎の伝送路特性を推定する。
また、所定キャリア位置伝送路推定部51は、図9(1)の例において、周波数方向の6キャリア毎に伝送路特性を推定した後、周波数方向及び時間方向の2つの受信パイロット信号を用いた内挿処理により、周波数方向の3キャリア毎に伝送路特性を推定するようにしてもよい。図9(1)において、例えば、シンボル番号1及びキャリア番号9の伝送路特性は、シンボル番号1及びキャリア番号6における受信パイロット信号、及びシンボル番号1及びキャリア番号12における移動受信用セグメントの受信パイロット信号を用いて推定される。これにより、固定受信用セグメントについて、図9(1)の例では、GI長126μs以上の1008/3=336μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができる。
(移動受信用伝送路推定手法)
図7は、移動受信用の所定キャリア位置伝送路推定部51の処理を示すフローチャートであり、OFDM受信装置2が移動受信用の装置である場合の処理を示している。所定キャリア位置伝送路推定部51は、パイロット抽出回路26から移動受信用セグメントの受信パイロット信号を入力し(ステップS701)、受信パイロット信号及び送信パイロット信号を用いて、当該パイロット位置(当該パイロット信号のキャリア位置)の伝送路特性を推定する(ステップS702)。
所定キャリア位置伝送路推定部51は、移動受信用セグメントに近隣する所定帯域について(移動受信用セグメントに隣接する固定受信用セグメントにおいて当該移動受信用セグメントに近い所定帯域について)、外挿処理及び内挿処理により、パイロット位置でない所定の非パイロット位置(パイロット信号のキャリア位置でない所定の非パイロット信号のキャリア位置)の伝送路特性を推定する(ステップS703)。
図8(2)の例では、シンボル番号2の各キャリアの伝送路特性を推定する際に、シンボル番号2及びキャリア番号12,15,18,21におけるパイロット位置の伝送路特性は、ステップS702にて、受信パイロット信号を用いてそれぞれ推定される。また、シンボル番号2及びキャリア番号9における非パイロット位置の伝送路特性は、ステップS703にて、シンボル番号2及びキャリア番号12における受信パイロット信号、及びシンボル番号2及びキャリア番号6における固定受信用セグメントの受信パイロット信号を用いて、内挿処理にて推定される。尚、シンボル番号2及びキャリア番号6におけるパイロット位置の伝送路特性は、図6に示したステップS602にて推定される。
シンボル番号2及びキャリア番号24における非パイロット位置の伝送路特性は、ステップS703にて、シンボル番号2及びキャリア番号18,21における受信パイロット信号を用いて、外挿処理にて推定される。また、シンボル番号2及びキャリア番号27における非パイロット位置の伝送路特性は、ステップS703にて、シンボル番号2及びキャリア番号21における受信パイロット信号、及びシンボル番号2及びキャリア番号30における固定受信用セグメントの受信パイロット信号を用いて、内挿処理にて推定される。
同様に、シンボル番号7の各キャリアの伝送路特性を推定する際に、シンボル番号7及びキャリア番号24における非パイロット位置の伝送路特性は、ステップS703にて、シンボル番号7及びキャリア番号18,21における受信パイロット信号を用いて、外挿処理にて推定される。また、シンボル番号7及びキャリア番号27における非パイロット位置の伝送路特性は、ステップS703にて、シンボル番号7及びキャリア番号21における受信パイロット信号、及びシンボル番号7及びキャリア番号24における信号(シンボル番号7及びキャリア番号18,21におけるパイロット信号から推定した信号)を用いて、外挿処理にて推定される。
このように、ステップS702及びステップS703にて、1シンボルのみの受信パイロット信号により、及び、当該パイロット信号を用いた内挿処理及び外挿処理により、1シンボルにつき、移動受信用セグメント及びこれに近隣する所定帯域について、周波数方向の3キャリア毎に伝送路特性が生成される。
また、図9(2)の例では、シンボル番号1の各キャリアの伝送路特性を推定する際に、シンボル番号1及びキャリア番号12,18におけるパイロット位置の伝送路特性は、ステップS702にて、受信パイロット信号及び送信パイロット信号を用いてそれぞれ推定される。また、シンボル番号1及びキャリア番号24における非パイロット位置の伝送路特性は、ステップS703にて、シンボル番号1及びキャリア番号18における受信パイロット信号、及びシンボル番号1及びキャリア番号30における固定受信用セグメントの受信パイロット信号を用いて、内挿処理にて推定される。
同様に、シンボル番号6の各キャリアの伝送路特性を推定する際に、シンボル番号6及びキャリア番号6における非パイロット位置の伝送路特性は、ステップS703にて、シンボル番号6及びキャリア番号15における信号(シンボル番号6及びキャリア番号12,18における受信パイロット信号から推定した信号、例えば平均値の信号)、及びシンボル番号6及びキャリア番号12における受信パイロット信号を用いて、外挿処理にて推定される。
このように、ステップS702及びステップS703にて、1シンボルのみの受信パイロット信号により、及び、当該パイロット信号を用いた内挿処理及び外挿処理により、1シンボルにつき、移動受信用セグメント及びこれに近隣する所定帯域について、周波数方向の6キャリア毎に伝送路特性が生成される。
図7に戻って、所定キャリア位置伝送路推定部51は、1シンボルにつき、移動受信用セグメント及びこれに近隣する所定帯域について、周波数方向の所定間隔毎の伝送路特性(図8(2)の場合、3キャリア毎の伝送路特性、図9(2)の場合、6キャリア毎の伝送路特性)を全キャリア位置伝送路推定部52に出力する(ステップS704)。全キャリア位置伝送路推定部52は、所定キャリア位置伝送路推定部51から周波数方向の所定間隔の伝送路特性(周波数方向に所定間隔で配置されたキャリア位置の伝送路特性)を入力し、既知の手法により、移動受信用セグメントにおける全てのキャリア位置の伝送路特性を推定する。
これにより、移動受信用セグメントについて、図8(2)の例では、GI長126μs以上の1008/3=336μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができ、図9(2)では、GI長126μs以上の1008/6=168μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができる。
尚、所定キャリア位置伝送路推定部51は、図9(2)の例において、周波数方向の6キャリア毎に伝送路特性を推定した後、周波数方向の内挿処理及び外挿処理により、周波数方向の3キャリア毎に伝送路特性を推定するようにしてもよい。図9(2)において、例えば、シンボル番号1及びキャリア番号15の伝送路特性は、シンボル番号1及びキャリア番号12,18における受信パイロット信号を用いて推定される。これにより、移動受信用セグメントについて、図9(2)の例では、GI長126μs以上の1008/3=336μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができる。
以上のように、実施例1のOFDM受信装置2によれば、伝送路推定回路27における固定受信用の所定キャリア位置伝送路推定部51は、固定受信用セグメントの受信パイロット信号及び送信パイロット信号を用いて、固定受信用セグメントのパイロット位置の伝送路特性を推定し、前後のシンボルの受信パイロット信号に基づいて、パイロット位置でない所定の非パイロット位置の伝送路特性を推定するようにした。これにより、例えば前後3シンボルの受信パイロット信号を用いた溜め込み処理により、1シンボルにつき、周波数方向の3キャリア毎に伝送路特性が推定される。
また、伝送路推定回路27における移動受信用の所定キャリア位置伝送路推定部51は、移動受信用セグメントの受信パイロット信号及び送信パイロット信号を用いて、移動受信用セグメントのパイロット位置の伝送路特性を推定し、移動受信用セグメントに近隣する所定帯域について、周波数方向の外挿処理及び内挿処理により、パイロット位置でない所定の非パイロット位置の伝送路特性を推定するようにした。これにより、例えば1シンボルのみの受信パイロット信号により、及び、当該パイロット信号を用いた内挿処理及び外挿処理により、1シンボルにつき、移動受信用セグメント及びこれに近隣する所定帯域について、周波数方向の3キャリア毎に伝送路特性が生成される。
そして、全キャリア位置伝送路推定部52は、周波数方向の所定間隔の伝送路特性を用いて、既知の手法により、全キャリア位置の伝送路特性を推定するようにした。
これにより、固定受信用セグメントについて、例えば前後3シンボルの受信パイロット信号を溜め込む処理を行って伝送路特性を内挿し、3キャリア毎の伝送路特性を推定することで、GI長126μs以上の1008/3=336μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができる。また、移動受信用セグメントについて、前後のシンボルを補間することなく、1シンボルのみのパイロット信号を用いて、例えば3キャリア毎の伝送路特性を推定することで、GI長126μs以上の1008/3=336μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができる。
したがって、固定受信用及び移動受信用のサービスを1つのシステムで階層伝送する際の移動受信において、速度に対する耐性を劣化させることなく、GI長以上の遅延波にも対応することができる。
〔実施例2〕
次に、MIMO伝送方式を用いた実施例2について説明する。実施例2は、各2本の送受信アンテナを用いた2×2MIMO伝送を実現する例である。
〔OFDM送信装置/実施例2〕
まず、本発明の第2の実施形態(実施例2)によるOFDM送信装置について説明する。図10は、実施例2によるOFDM送信装置の構成を示すブロック図である。このOFDM送信装置1−2は、誤り訂正符号化回路11−1,11−2、マッピング回路12−1,12−2、時空間符号化回路18−1,18−2、フレーム構成回路13−1,13−2、IFFT回路14−1,14−2、GI付加回路15−1,15−2、周波数変換回路16−1,16−2及び2本の送信アンテナ17−1,17−2を備えている。フレーム構成回路13−1,13−2から送信アンテナ17−1,17−2までの送信系統Tx1,Tx2は2系統である。
誤り訂正符号化回路11−1,11−2及びマッピング回路12−1,12−2は、図1に示したものと同様である。時空間符号化回路18−1は、マッピング回路12−1からマッピングされた固定受信用のデータを入力し、時空間符号化処理を行い、時空間符号化したデータを2系統に分け、それぞれの送信系統Tx1,Tx2のフレーム構成回路13−1,13−2に出力する。例えば、時空間符号化処理として、STBC(Space−Time Block Coding)、STTC(Space−Time Trellis Coding)等による処理が行われる。尚、OFDM送信装置1−2は、時空間符号化回路18−1,18−2の代わりに2つの分配部を備え、それぞれの分配部が、時空間符号化処理ではなくデータキャリアを2分配する処理を行うようにしてもよい。
時空間符号化回路18−2は、マッピング回路12−2からマッピングされた移動受信用のデータを入力し、時空間符号化回路18−1と同様の処理を行い、時空間符号化したデータを2系統に分け、フレーム構成回路13−1,13−2に出力する。
フレーム構成回路13−1は、時空間符号化回路18−1から時空間符号化された固定受信用のデータを入力すると共に、時空間符号化回路18−2から時空間符号化された移動受信用のデータを入力する。そして、フレーム構成回路13−1は、図1に示したフレーム構成回路13と同様に、固定受信用のデータ、移動受信用のデータ、パイロット信号等の配置が予め設定されたパターンに従って、固定受信用セグメントについて、固定受信用のデータ及びパイロット信号等を所定位置に配置し、移動受信用セグメントについて、移動受信用のデータ及びパイロット信号等を所定位置に配置する。
フレーム構成回路13−1は、図1に示したフレーム構成回路13と同様に、固定受信用セグメント及び移動受信用セグメントを結合してOFDMの伝送フレームを生成し、生成した伝送フレームのOFDM信号をIFFT回路14−1に出力する。
フレーム構成回路13−2は、フレーム構成回路13−1と同様の処理を行い、生成した伝送フレームのOFDM信号をIFFT回路14−2に出力する。
IFFT回路14−1,14−2は、フレーム構成回路13−1,13−2からフレームのOFDM信号をそれぞれ入力し、図1に示したIFFT回路14と同様の処理を行う。GI付加回路15−1,15−2は、IFFT回路14−1,14−2から時間領域のOFDM信号をそれぞれ入力し、図1に示したGI付加回路15と同様の処理を行う。周波数変換回路16−1,16−2は、GI付加回路15−1,15−2からGIが付加されたOFDM信号をそれぞれ入力し、図1に示した周波数変換回路16と同様の処理を行う。周波数変換回路16−1,16−2により周波数変換されたOFDM信号は、送信系統Tx1,Tx2毎に送信アンテナ17−1,17−2を介してOFDM信号の放送波としてそれぞれ送信される。
(フレーム構成回路13−1,13−2)
次に、図10に示したフレーム構成回路13−1,13−2について説明する。このフレーム構成回路13−1,13−2は、図2に示したフレーム構成回路13と同様に、固定受信用セグメント構成部41、移動受信用セグメント構成部42、パイロット信号生成部43、パターンメモリ44及び結合部45を備えている。
フレーム構成回路13−1,13−2のパイロット信号生成部43は、送信側及び受信側で既知となるパイロット信号等を生成し、固定受信用セグメント構成部41及び移動受信用セグメント構成部42に出力する。
後述する図11の例では、フレーム構成回路13−1のパイロット信号生成部43は、パイロット信号を生成し、生成したパイロット信号を、フレーム構成回路13−1の固定受信用セグメント構成部41及び移動受信用セグメント構成部42に出力する。また、フレーム構成回路13−2のパイロット信号生成部43は、パイロット信号に加え、フレーム構成回路13−1のパイロット信号生成部43において同じキャリアシンボル位置のパイロット信号に直交する直交化パイロット信号を生成し、パイロット信号及び直交化パイロット信号を、フレーム構成回路13−2の固定受信用セグメント構成部41及び移動受信用セグメント構成部42に出力する。
後述する図12の例では、フレーム構成回路13−1のパイロット信号生成部43は、パイロット信号を生成すると共に、ヌルの信号をパイロット信号としたヌルパイロット信号を生成し、パイロット信号及びヌルパイロット信号を、フレーム構成回路13−1の固定受信用セグメント構成部41及び移動受信用セグメント構成部42に出力する。また、フレーム構成回路13−2のパイロット信号生成部43も同様に、パイロット信号及びヌルパイロット信号を生成し、生成したパイロット信号及びヌルパイロット信号を、フレーム構成回路13−2の固定受信用セグメント構成部41及び移動受信用セグメント構成部42に出力する。
後述する図13の例では、フレーム構成回路13−1のパイロット信号生成部43は、パイロット信号を生成すると共に、ヌルの信号をクラスターパイロット信号として生成し、パイロット信号及びクラスターパイロット信号を、フレーム構成回路13−1の固定受信用セグメント構成部41及び移動受信用セグメント構成部42に出力する。また、フレーム構成回路13−2のパイロット信号生成部43は、パイロット信号に加え、フレーム構成回路13−1のパイロット信号生成部43において同じキャリアシンボル位置のパイロット信号に直交する直交化パイロット信号を生成し、さらに、ヌルの信号をクラスターパイロット信号として生成し、パイロット信号、直交化パイロット信号及びクラスターパイロット信号を、フレーム構成回路13−2の固定受信用セグメント構成部41及び移動受信用セグメント構成部42に出力する。
後述する図14の例では、フレーム構成回路13−1のパイロット信号生成部43は、パイロット信号を生成すると共に、ヌルの信号をパイロット信号としたヌルパイロット信号を生成し、さらに、ヌルの信号をクラスターパイロット信号として生成し、パイロット信号、ヌルパイロット信号及びクラスターパイロット信号を、フレーム構成回路13−1の固定受信用セグメント構成部41及び移動受信用セグメント構成部42に出力する。また、フレーム構成回路13−2のパイロット信号生成部43も同様に、パイロット信号、ヌルパイロット信号及びクラスターパイロット信号を生成し、パイロット信号、ヌルパイロット信号及びクラスターパイロット信号を、フレーム構成回路13−2の固定受信用セグメント構成部41及び移動受信用セグメント構成部42に出力する。
後述する図13及び図14に示すように、クラスターパイロット信号は、周波数方向にパイロット信号等の両隣に配置される。OFDM受信装置2の移動速度が高くなり、ドップラー効果が生じる環境では、OFDM受信装置2において、パイロット信号等は両隣の信号の影響を受けてしまう可能性がある。そこで、パイロット信号等の両隣にヌルのクラスターパイロット信号を配置することにより、パイロット信号等は両隣の信号の影響をさほど受けることなく、伝送路特性を精度高く推定することができる。
フレーム構成回路13−1,13−2のパターンメモリ44には、図2に示したパターンメモリ44と同様に、伝送フレームに配置される固定受信用セグメント及び移動受信用セグメントの位置を示すセグメント位置情報、固定受信用セグメントに配置される固定受信用のデータ、パイロット信号等の位置、及び移動受信用セグメントに配置される移動受信用のデータ、パイロット信号等の位置を示すデータ位置情報及びパイロット位置情報等が定義されたパターンが格納されている。フレーム構成回路13−1のパターンメモリ44には、送信系統Tx1のパターンが格納されており、フレーム構成回路13−2のパターンメモリ44には、送信系統Tx2のパターンが格納されている。
フレーム構成回路13−1,13−2の固定受信用セグメント構成部41は、時空間符号化回路18−1から固定受信用のデータをそれぞれ入力すると共に、パイロット信号生成部43からパイロット信号等を、パターンメモリ44からパターンを入力する。そして、固定受信用セグメント構成部41は、図2に示した固定受信用セグメント構成部41と同様に、パターンに定義されたデータ位置情報及びパイロット位置情報等から、固定受信用のデータ及びパイロット信号等の位置を特定し、固定受信用セグメントにおいて、特定した固定受信用のデータの位置及びパイロット信号等の位置に、入力した固定受信用のデータ及びパイロット信号等をそれぞれ設定することで、固定受信用セグメントを生成し、固定受信用セグメントを結合部45に出力する。
図11(1)は、MIMO伝送方式における固定受信用セグメントのパイロットパターンの例(パイロットパターン2)を示すパイロット信号配置図である。図11(1)において、横軸は周波数方向のキャリア番号、縦軸は時間軸方向のシンボル番号を示し、「1」はパイロット信号の位置、スペースはデータの位置、「(1)」は直交化パイロット信号の位置を示し、上段は送信系統Tx1のパイロット信号配置、下段は送信系統Tx2のパイロット信号配置を示す。後述する図11(2)(3)も同様である。尚、キャリア番号及びシンボル番号は、説明を考慮した便宜上の範囲で示してある。
図11(1)に示す送信系統Tx1のパイロット信号は、周波数方向の12キャリア毎、かつ時間方向の4シンボル毎を1周期として配置されており、送信系統Tx2のパイロット信号及び直交化パイロット信号は、周波数方向の12キャリア毎、かつ時間方向の4シンボル毎を1周期として配置されている。送信系統Tx2のパイロット信号及び直交化パイロット信号は、周波数方向及び時間方向に交互に配置されており、直交化パイロット信号は、送信系統Tx1の所定のパイロット信号に対応する位置に配置されている。つまり、送信系統Tx1,Tx2のパイロットパターンは、周波数方向の12キャリア毎、かつ時間方向の8シンボル毎を1周期として配置されている。
図11(1)に示す送信系統Tx1,Tx2の固定受信用セグメントのパイロットパターンは、後述する図11(2)及び(3)に示す送信系統Tx1,Tx2の移動受信用セグメントのパイロットパターンと異なっている。固定受信用セグメント及び移動受信用セグメントにおいて、パイロット信号及び直交化パイロット信号は、異なる周波数間隔で配置されている。
フレーム構成回路13−1のパターンメモリ44には、図11(1)の上段に示す送信系統Tx1の固定受信用セグメントのパイロットパターンにおけるパイロット位置情報を含むパターンが格納されている。フレーム構成回路13−1の固定受信用セグメント構成部41は、当該パターンに基づいて、パイロット信号を、シンボル番号0のシンボルに対しキャリア番号0,12等の位置に設定し、シンボル番号1のシンボルに対しキャリア番号3等の位置に設定する。
フレーム構成回路13−2のパターンメモリ44には、図11(1)の下段に示す送信系統Tx2の固定受信用セグメントのパイロットパターンにおけるパイロット位置情報を含むパターンが格納されている。フレーム構成回路13−2の固定受信用セグメント構成部41は、当該パターンに基づいて、パイロット信号を、シンボル番号0のシンボルに対しキャリア番号0,24等の位置に設定すると共に、直交化パイロット信号を、シンボル番号0のシンボルに対しキャリア番号12等の位置に設定する。また、固定受信用セグメント構成部41は、パイロット信号を、シンボル番号1のシンボルに対しキャリア番号15等の位置に設定すると共に、直交化パイロット信号を、シンボル番号1のシンボルに対しキャリア番号3等の位置に設定する。
この場合、後述するOFDM受信装置2は、受信パイロット信号が、図11(1)に示した送信系統Tx1,Tx2の固定受信用セグメントの2つのパイロットパターンを合成した信号になることから、時間方向の複数のシンボルにおけるパイロット位置の受信パイロット信号を用いて、パイロット位置の伝送路特性を推定して内挿することで、3キャリア毎の伝送路特性を推定することができる。このため、GI長126μs以上の1008/3=336μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができる。
フレーム構成回路13−1,13−2の移動受信用セグメント構成部42は、時空間符号化回路18−2から移動受信用のデータをそれぞれ入力すると共に、パイロット信号生成部43からパイロット信号等を、パターンメモリ44からパターンを入力する。そして、移動受信用セグメント構成部42は、図2に示した移動受信用セグメント構成部42と同様に、パターンに定義されたデータ位置情報及びパイロット位置情報等から、移動受信用のデータ及びパイロット信号等の位置を特定し、移動受信用セグメントにおいて、特定した移動受信用のデータの位置及びパイロット信号等の位置に、入力した移動受信用のデータ及びパイロット信号等をそれぞれ設定することで、移動受信用セグメントを生成し、移動受信用セグメントを結合部45に出力する。
図11(2)は、MIMO伝送方式における移動受信用セグメントのパイロットパターンの例(パイロットパターン2)を示すパイロット信号配置図である。図11(2)に示す移動受信用セグメントのパイロットパターンは、図11(1)に示したパイロットパターンと異なり、上段の送信系統Tx1のパイロット信号は、周波数方向の3キャリア毎、かつ時間方向の1シンボル毎を1周期として配置されている。また、下段の送信系統Tx2のパイロット信号及び直交化パイロット信号は、周波数方向に交互に配置され、周波数方向の3キャリア毎、かつ時間方向の1シンボル毎を1周期として配置されている。つまり、送信系統Tx1,Tx2のパイロットパターンは、周波数方向の3キャリア毎、かつ時間方向の1シンボル毎を1周期として配置されている。
フレーム構成回路13−1のパターンメモリ44には、図11(2)の上段に示す送信系統Tx1の移動受信用セグメントのパイロットパターンにおけるパイロット位置情報を含むパターンが格納されている。フレーム構成回路13−1の移動受信用セグメント構成部42は、当該パターンに基づいて、パイロット信号を、シンボル番号0のシンボルに対しキャリア番号0,3,6,9,12等の位置に設定し、シンボル番号1のシンボルに対しキャリア番号0,3,6,9,12等の位置に設定する。
フレーム構成回路13−2のパターンメモリ44には、図11(2)の下段に示す送信系統Tx2の移動受信用セグメントのパイロットパターンにおけるパイロット位置情報を含むパターンが格納されている。フレーム構成回路13−2の移動受信用セグメント構成部42は、当該パターンに基づいて、パイロット信号を、シンボル番号0のシンボルに対しキャリア番号0,6,12等の位置に設定し、直交化パイロット信号を、シンボル番号0のシンボルに対しキャリア番号3,9等の位置に設定する。
この場合、後述するOFDM受信装置2は、受信パイロット信号が図11(2)に示した送信系統Tx1,Tx2の移動受信用セグメントの2つのパイロットパターンを合成した信号になることから、周波数方向の複数のキャリアにおけるパイロット位置の受信パイロット信号を用いて、1シンボル単位に、パイロット位置の伝送路特性を推定することで、3キャリア毎の伝送路特性を推定することができる。このため、GI長126μs以上の1008/3=336μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができる。
図11(3)は、MIMO伝送方式における移動受信用セグメントのパイロットパターンの他の例(パイロットパターン2)を示すパイロット信号配置図である。図11(3)に示す移動受信用セグメントのパイロットパターンは、図11(1)に示したパイロットパターンと異なり、上段の送信系統Tx1のパイロット信号は、周波数方向の6キャリア毎、かつ時間方向の1シンボル毎を1周期として配置されている。また、下段の送信系統Tx2のパイロット信号及び直交化パイロット信号は、周波数方向及び時間方向に交互に配置され、周波数方向の6キャリア毎、かつ時間方向の2シンボル毎を1周期として配置されている。つまり、送信系統Tx1,Tx2のパイロットパターンは、周波数方向の6キャリア毎、かつ時間方向の2シンボル毎を1周期として配置されている。
フレーム構成回路13−1のパターンメモリ44には、図11(3)の上段に示す送信系統Tx1の移動受信用セグメントのパイロットパターンにおけるパイロット位置情報を含むパターンが格納されている。フレーム構成回路13−1の移動受信用セグメント構成部42は、当該パターンに基づいて、パイロット信号を、シンボル番号0のシンボルに対しキャリア番号0,6,12等の位置に設定し、シンボル番号1のシンボルに対しキャリア番号0,6,12等の位置に設定する。
フレーム構成回路13−2のパターンメモリ44には、図11(3)の下段に示す送信系統Tx2の移動受信用セグメントのパイロットパターンにおけるパイロット位置情報を含むパターンが格納されている。フレーム構成回路13−2の移動受信用セグメント構成部42は、当該パターンに基づいて、パイロット信号を、シンボル番号0のシンボルに対しキャリア番号0,12等の位置に設定すると共に、直交化パイロット信号を、シンボル番号0のシンボルに対しキャリア番号6等の位置に設定し、パイロット信号を、シンボル番号1のシンボルに対しキャリア番号6等の位置に設定すると共に、直交化パイロット信号を、シンボル番号1のシンボルに対しキャリア番号0,12等の位置に設定する。
この場合、後述するOFDM受信装置2は、受信パイロット信号が図11(3)に示した送信系統Tx1,Tx2の移動受信用セグメントの2つのパイロットパターンを合成した信号になることから、周波数方向の複数のキャリアにおけるパイロット位置の信号を用いて、1シンボル単位に、パイロット位置の伝送路特性を推定することで、6キャリア毎の伝送路特性を推定することができる。このため、GI長126μs以上の1008/6=168μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができる。また、後述するOFDM受信装置2は、1シンボル単位に、6キャリア毎の伝送路特性を推定した後、2つのパイロット位置に対して中央位置の伝送路特性を内挿(例えば、平均値を算出する)または外挿することで、3キャリア毎の伝送路特性を推定することができる。このため、GI長126μs以上の1008/3=336μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができる。
尚、図11(1)〜(3)に示したパイロットパターンは一例であり、本発明は、これらのパイロットパターンに限定されるものではない。固定受信用セグメントのパイロットパターンは、GI長以上の遅延時間の遅延波に対応することができればよい。また、移動受信用セグメントのパイロットパターンは、Mode3の場合、周波数方向の2〜8キャリア毎、かつ時間方向の1シンボル毎を1周期としてパイロット信号及び直交化パイロット信号が配置されていればよい。このパイロットパターン配置により、GI長126μsよりも長い1008/2〜8=504〜126μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができるからである。周波数方向が2以上のキャリア毎としたのは、データが設定される位置を確保するためである。後述する図12(1)〜(3)及び図13(1)〜(3)についても同様である。
フレーム構成回路13−1,13−2の結合部45は、図2に示した結合部45と同様の処理を行い、固定受信用セグメント及び移動受信用セグメントを結合した伝送フレームを生成し、伝送フレームをIFFT回路14−1,14−2にそれぞれ出力する。
図12(1)は、MIMO伝送方式における固定受信用セグメントのパイロットパターンの例(パイロットパターン3)を示すパイロット信号配置図である。図12(1)において、横軸は周波数方向のキャリア番号、縦軸は時間軸方向のシンボル番号を示し、「1」はパイロット信号の位置、スペースはデータの位置、「0」はヌルパイロット信号の位置を示し、上段は送信系統Tx1のパイロット信号配置、下段は送信系統Tx2のパイロット信号配置を示す。後述する図12(2)(3)も同様である。尚、キャリア番号及びシンボル番号は、説明を考慮した便宜上の範囲で示してある。
図12(1)に示す送信系統Tx1のパイロット信号及びヌルパイロット信号は、周波数方向の12キャリア毎、かつ時間方向の4シンボル毎を1周期として配置されており、送信系統Tx2のパイロット信号及びヌルパイロット信号も、周波数方向の12キャリア毎、かつ時間方向の4シンボル毎を1周期として配置されている。パイロット信号及びヌルパイロット信号は、周波数方向及び時間方向に交互に配置されており、ヌルパイロット信号は、送信系統Tx1のパイロット信号に対応する位置に配置されている。つまり、送信系統Tx1,Tx2のパイロットパターンは、周波数方向の24キャリア毎、かつ時間方向の8シンボル毎を1周期として配置されている。
図12(1)に示す送信系統Tx1,Tx2の固定受信用セグメントのパイロットパターンは、後述する図12(2)及び(3)に示す送信系統Tx1,Tx2の移動受信用セグメントのパイロットパターンと異なっている。固定受信用セグメント及び移動受信用セグメントにおいて、パイロット信号及びヌルパイロット信号は、異なる周波数間隔で配置されている。
フレーム構成回路13−1のパターンメモリ44には、図12(1)の上段に示す送信系統Tx1の固定受信用セグメントのパイロットパターンにおけるパイロット位置情報を含むパターンが格納されている。フレーム構成回路13−1の固定受信用セグメント構成部41は、当該パターンに基づいて、パイロット信号等を所定位置に設定する。後述する図12(2)(3)、図13(1)(2)及び図14(1)(2)についても同様である。
フレーム構成回路13−2のパターンメモリ44には、図12(1)の下段に示す送信系統Tx2の固定受信用セグメントのパイロットパターンにおけるパイロット位置情報を含むパターンが格納されている。フレーム構成回路13−2の固定受信用セグメント構成部41は、当該パターンに基づいて、パイロット信号等を所定位置に設定する。後述する図12(2)(3)、図13(1)(2)及び図14(1)(2)についても同様である。
この場合、後述するOFDM受信装置2は、受信パイロット信号が、図12(1)に示した送信系統Tx1,Tx2の固定受信用セグメントの2つのパイロットパターンを合成した信号になることから、時間方向の複数のシンボルのキャリアにおけるパイロット位置の受信パイロット信号を用いて、パイロット位置の伝送路特性を推定して内挿することで、3キャリア毎の伝送路特性を推定することができる。このため、GI長126μs以上の1008/3=336μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができる。
図12(2)は、MIMO伝送方式における移動受信用セグメントのパイロットパターンの例(パイロットパターン3)を示すパイロット信号配置図である。図12(2)に示す移動受信用セグメントのパイロットパターンは、図12(1)に示したパイロットパターンと異なり、送信系統Tx1,Tx2のパイロット信号及びヌルパイロット信号は、周波数方向に交互に配置され、周波数方向の6キャリア毎、かつ時間方向の1シンボル毎を1周期として配置されている。送信系統Tx1のパイロットパターンは、送信系統Tx2のパイロットパターンを周波数方向に3キャリア分ずらしたものと同じである。
この場合、後述するOFDM受信装置2は、受信パイロット信号が図12(2)に示した送信系統Tx1,Tx2の移動受信用セグメントの2つのパイロットパターンを合成した信号になることから、周波数方向の複数のキャリアにおけるパイロット位置の受信パイロット信号を用いて、1シンボル単位に、パイロット位置の伝送路特性を推定することで、6キャリア毎の伝送路特性を推定することができる。このため、GI長126μs以上の1008/6=168μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができる。また、後述するOFDM受信装置2は、1シンボル単位に、6キャリア毎の伝送路特性を推定した後、2つのパイロット位置に対して中央位置の伝送路特性を内挿または外挿することで、3キャリア毎の伝送路特性を推定することができる。このため、GI長126μs以上の1008/3=336μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができる。
図12(3)は、MIMO伝送方式における移動受信用セグメントのパイロットパターンの他の例(パイロットパターン3)を示すパイロット信号配置図である。図12(3)に示す移動受信用セグメントのパイロットパターンは、図12(1)に示したパイロットパターンと異なり、送信系統Tx1,Tx2のパイロット信号は、周波数方向及び時間方向に交互に配置され、周波数方向の12キャリア毎、かつ時間方向の2シンボル毎を1周期として配置されている。送信系統Tx1のパイロットパターンは、送信系統Tx2のパイロットパターンを時間方向に1シンボル分ずらしたものと同じである。
この場合、後述するOFDM受信装置2は、受信パイロット信号が図12(3)に示した送信系統Tx1,Tx2の移動受信用セグメントの2つのパイロットパターンを合成した信号になることから、周波数方向の複数のキャリアにおけるパイロット位置の受信パイロット信号を用いて、1シンボル単位に、パイロット位置の伝送路特性を推定することで、12キャリア毎の伝送路特性を推定し、その後、2つのパイロット位置に対して中央位置の伝送路特性を内挿または外挿することで、6キャリア毎の伝送路特性を推定することができる。このため、GI長126μs以上の1008/6=168μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができる。さらに、伝送路特性を内挿または外挿することで、GI長126μs以上の1008/3=336μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができる。
図13(1)は、MIMO伝送方式における送信系統Tx1の固定受信用セグメントにおけるパイロットパターンの例(パイロットパターン4)を示すパイロット信号配置図であり、図11(1)に示した送信系統Tx1のパイロットパターンにおいて、パイロット信号の両隣にヌルのクラスターパイロット信号を配置したものである。図13(1)において、横軸は周波数方向のキャリア番号、縦軸は時間軸方向のシンボル番号、「1」はパイロット信号の位置、スペースはデータの位置、「0’」はクラスターパイロット信号の位置を示す。後述する図13(2)も同様である。尚、キャリア番号及びシンボル番号は、説明を考慮した便宜上の範囲で示してある。また、後述するOFDM受信装置2において、クラスターパイロット信号の位置の伝送路特性は推定されない。
図13(1)に示す送信系統Tx1のパイロット信号の配置については、図11(1)と同様である。また、図13(1)に対応する送信系統Tx2の固定受信用セグメントにおけるパイロットパターン4は、図示していないが、図11(1)に示した送信系統Tx2のパイロットパターンにおいて、パイロット信号及び直交化パイロット信号の両隣にヌルのクラスターパイロット信号を配置したものである。
この場合、後述するOFDM受信装置2は、受信パイロット信号が、図13(1)に示した送信系統Tx1の固定受信用セグメントのパイロットパターンと、図示しない送信系統Tx2の固定受信用セグメントのパイロットパターンとを合成した信号になることから、図11(1)と同様に、GI長126μs以上の1008/3=336μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができる。
図13(2)は、MIMO伝送方式における送信系統Tx1の移動受信用セグメントにおけるパイロットパターンの例(パイロットパターン4)を示すパイロット信号配置図であり、図11(3)に示した送信系統Tx1のパイロットパターンにおいて、パイロット信号の両隣にヌルのクラスターパイロット信号を配置したものである。
図13(2)に示す送信系統Tx1のパイロット信号の配置については、図11(3)と同様である。また、図13(2)に対応する送信系統Tx2の移動受信用セグメントにおけるパイロットパターンは、図示していないが、図11(3)に示した送信系統Tx2のパイロットパターンにおいて、パイロット信号及び直交化パイロット信号の両隣にヌルのクラスターパイロット信号を配置したものである。
この場合、後述するOFDM受信装置2は、受信パイロット信号が、図13(2)に示した送信系統Tx1の移動受信用セグメントのパイロットパターンと、図示しない送信系統Tx2の移動受信用セグメントのパイロットパターンとを合成した信号になることから、図11(3)と同様に、GI長126μs以上の1008/6=168μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができ、また、伝送路特性を内挿または外挿することで、GI長126μs以上の1008/3=336μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができる。
図14(1)は、MIMO伝送方式における送信系統Tx1の固定受信用セグメントにおけるパイロットパターンの例(パイロットパターン5)を示すパイロット信号配置図であり、図12(1)に示した送信系統Tx1のパイロットパターン3おいて、パイロット信号及びヌルパイロット信号の両隣にヌルのクラスターパイロット信号を配置したものである。図14(1)において、横軸は周波数方向のキャリア番号、縦軸は時間軸方向のシンボル番号を示し、「1」はパイロット信号の位置、スペースはデータの位置、「0」はヌルパイロット信号の位置、「0’」はクラスターパイロット信号の位置を示す。後述する図14(2)も同様である。尚、キャリア番号及びシンボル番号は、説明を考慮した便宜上の範囲で示してある。また、後述するOFDM受信装置2において、クラスターパイロット信号の位置の伝送路特性は推定されない。
図14(1)に示す送信系統Tx1のパイロット信号の配置については、図12(1)と同様である。また、図14(1)に対応する送信系統Tx2の固定受信用セグメントにおけるパイロットパターンは、図示していないが、図12(1)に示した送信系統Tx2のパイロットパターンにおいて、パイロット信号及びヌルパイロット信号の両隣にヌルのクラスターパイロット信号を配置したものである。
この場合、後述するOFDM受信装置2は、受信パイロット信号が、図14(1)に示した送信系統Tx1の固定受信用セグメントのパイロットパターンと、図示しない送信系統Tx2の固定受信用セグメントのパイロットパターンとを合成した信号になることから、図12(1)と同様に、GI長126μs以上の1008/3=336μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができる。
図14(2)は、MIMO伝送方式における送信系統Tx1の移動受信用セグメントにおけるパイロットパターンの例(パイロットパターン5)を示すパイロット信号配置図であり、図12(3)に示した送信系統Tx1のパイロットパターンにおいて、パイロット信号及びヌルパイロット信号の両隣にヌルのクラスターパイロット信号を配置したものである。
図14(2)に示す送信系統Tx1のパイロット信号の配置については、図12(3)と同様である。また、図14(2)に対応する送信系統Tx2の移動受信用セグメントにおけるパイロットパターンは、図示していないが、図12(3)に示した送信系統Tx2のパイロットパターンにおいて、パイロット信号及びヌルパイロット信号の両隣にヌルのクラスターパイロット信号を配置したものである。
この場合、後述するOFDM受信装置2は、受信パイロット信号が、図14(2)に示した送信系統Tx1の移動受信用セグメントのパイロットパターンと、図示しない送信系統Tx2の移動受信用セグメントのパイロットパターンとを合成した信号になることから、図12(3)と同様に、GI長126μs以上の1008/6=168μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができ、また、伝送路特性を内挿または外挿することで、GI長126μs以上の1008/3=336μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができる。
以上のように、実施例2のOFDM送信装置1−2によれば、フレーム構成回路13−1,13−2の固定受信用セグメント構成部41は、実施例1におけるフレーム構成回路13の固定受信用セグメント構成部41と同様に、固定受信用セグメントについて、予め設定されたパターンに定義されたデータ位置情報及びパイロット位置情報(例えば図11(1))等に基づいて、固定受信用のデータ及びパイロット信号等の位置に、固定受信用のデータ及びパイロット信号等をそれぞれ設定することで、固定受信用セグメントを生成するようにした。
また、フレーム構成回路13−1,13−2の移動受信用セグメント構成部42は、実施例1におけるフレーム構成回路13の移動受信用セグメント構成部42と同様に、移動受信用セグメントについて、予め設定されたパターンに定義されたデータ位置情報及びパイロット位置情報(例えば図11(2))等に基づいて、移動受信用のデータ及びパイロット信号等の位置に、移動受信用のデータ及びパイロット信号等をそれぞれ設定することで、移動受信用セグメントを生成するようにした。具体的には、移動受信用セグメント構成部42は、移動受信用セグメントにおける等間隔の所定キャリア位置の伝送路特性を推定する際に、パイロット信号等が、伝送フレームのシンボル長をGI長で除算した結果の値nから2までのうちのいずれかを間隔数として、周波数方向に等間隔に配置されるように、当該パイロット信号等を、移動受信用セグメントの所定位置に設定し、移動受信用セグメントを生成するようにした。
そして、フレーム構成回路13−1,13−2の結合部45は、固定受信用セグメント及び移動受信用セグメントを結合した伝送フレームを生成するようにした。
このようにして生成された伝送フレームのOFDM信号は、送信アンテナ17−1,17−2から後述するOFDM受信装置2へ送信される。これにより、後述するOFDM受信装置2は、受信パイロット信号が、送信系統Tx1のパイロットパターンと、送信系統Tx2のパイロットパターンとを合成した信号になることから、受信パイロット信号のパイロット位置の伝送路特性を推定し、また、伝送路特性を外挿または内挿することで、例えば3キャリア毎の伝送路特性を推定した場合、GI長126μs以上の1008/3=336μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができる。
したがって、固定受信用及び移動受信用のサービスを1つのシステムで階層伝送する際の移動受信において、速度に対する耐性を劣化させることなく、GI長以上の遅延波にも対応することができる。
〔OFDM受信装置/実施例2〕
次に、本発明の第2の実施形態(実施例2)によるOFDM受信装置について説明する。実施例2のOFDM受信装置2は、図4に示した実施例1のOFDM受信装置2と同じ構成をしており、1本の受信アンテナ21、周波数変換回路22、GI除去回路23、FFT回路24、遅延回路25、パイロット抽出回路26、伝送路推定回路27、復号回路28、デマッピング回路29及び誤り訂正復号回路30を備えている。OFDM受信装置2の受信系統Rx1は1系統である。
実施例1のOFDM受信装置2と実施例2のOFDM受信装置2とを比較すると、実施例2の伝送路推定回路27は、実施例1の伝送路推定回路27と異なる処理を行う点で相違する。実施例2のOFDM受信装置2において、伝送路推定回路27以外の構成部については、実施例1と同様である。
(伝送路推定回路27)
実施例2の伝送路推定回路27は、図5に示した実施例1の伝送路推定回路27と同様に、所定キャリア位置伝送路推定部51及び全キャリア位置伝送路推定部52を備えている。
(固定受信用伝送路推定手法)
伝送路推定回路27における固定受信用の所定キャリア位置伝送路推定部51は、固定受信用セグメントの所定キャリア位置の伝送路特性を推定する際に、まず、図6に示したフローチャートにおいて、ステップS601の処理の後、ステップS602にて、送信系統Tx1,Tx2のパイロット信号が合成された受信パイロット信号のパイロット位置の伝送路特性を推定する。
具体的には、所定キャリア位置伝送路推定部51は、同じキャリア番号における時間方向の伝送路特性は同じであるとし、また、両隣のパイロット位置の周波数が十分に近い場合、両隣のパイロット位置の伝送路特性は同一であるとみなし、送信系統Tx1または送信系統Tx2のパイロット信号(送信パイロット信号)、及びパイロット位置の受信パイロット信号に基づいて、パイロット位置の伝送路特性を推定する。
尚、MIMO伝送方式のおけるパイロット位置の伝送路特性を推定する手法は既知であり、詳細については、特許文献1及び非特許文献2を参照されたい。図11(1)、図12(1)、図13(1)及び図14(1)の例についても、同様である。
所定キャリア位置伝送路推定部51は、ステップS603において、前後のシンボルのパイロット位置の受信パイロット信号を用いて、内挿処理により、パイロット位置でない所定の非パイロット位置の伝送路特性を推定する。
図11(1)の例では、シンボル番号3の各キャリアの伝送路特性を推定する際に、シンボル番号3及びキャリア番号9におけるパイロット位置の伝送路特性は、ステップS602にて推定され、シンボル番号3及びキャリア番号0における非パイロット位置の伝送路特性は、ステップS603にて推定される。
このように、ステップS602及びステップS603にて、1シンボルにつき、周波数方向の3キャリア毎に伝送路特性が生成される。
所定キャリア位置伝送路推定部51は、ステップS604において、1シンボルにつき、固定受信用セグメントについて、周波数方向の所定間隔の伝送路特性を全キャリア位置伝送路推定部52に出力する。全キャリア位置伝送路推定部52は、所定キャリア位置伝送路推定部51から周波数方向の所定間隔の伝送路特性を入力し、既知の手法により、全キャリア位置の伝送路特性を推定する。
これにより、固定受信用セグメントについて、図11(1)及び図13(1)の例では、GI長126μs以上の1008/3=336μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができ、図12(1)及び図14(1)では、GI長126μs以上の1008/6=168μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができる。
尚、固定受信用の所定キャリア位置伝送路推定部51は、1シンボルにつき、固定受信用セグメント及びこれに近隣する所定帯域について、周波数方向の所定間隔の伝送路特性を全キャリア位置伝送路推定部52に出力するようにしてもよい。この場合、固定受信用の所定キャリア位置伝送路推定部51は、固定受信用セグメントに近隣する所定帯域について、後述する移動受信用の所定キャリア位置伝送路推定部51と同様に、周波数方向の所定間隔の伝送路特性を推定する。
(移動受信用伝送路推定手法)
伝送路推定回路27における移動受信用の所定キャリア位置伝送路推定部51は、移動受信用セグメントの所定キャリア位置の伝送路特性を推定する際に、まず、図7に示したフローチャートにおいて、ステップS701の処理の後、ステップS702にて、送信系統Tx1,Tx2のパイロット信号が合成された受信パイロット信号のパイロット位置の伝送路特性を推定する。
具体的には、所定キャリア位置伝送路推定部51は、同じシンボル番号における周波数方向の伝送路特性は同じであるとし、また、両隣のパイロット位置の時間が十分に短い場合、両隣のパイロット位置の伝送路特性は同一であるとみなし、送信系統Tx1または送信系統Tx2のパイロット信号(送信パイロット信号)、及びパイロット位置の受信パイロット信号に基づいて、パイロット位置の伝送路特性を推定する。
尚、MIMO伝送方式におけるパイロット位置の伝送路特性を推定する手法は既知であり、詳細については、特許文献1及び非特許文献2を参照されたい。図11(2)(3)、図12(2)(3)、図13(2)及び図14(2)の例についても、同様である。
所定キャリア位置伝送路推定部51は、ステップS703において、移動受信用セグメントに近隣する所定帯域について(移動受信用セグメントに隣接する固定受信用セグメントにおいて当該移動受信用セグメントに近い所定帯域について)、外挿処理及び内挿処理により、パイロット位置でない所定の非パイロット位置の伝送路特性を推定する。
このように、ステップS702及びステップS703にて、1シンボルにつき、周波数方向の所定間隔の伝送路特性が生成される。
所定キャリア位置伝送路推定部51は、ステップS704において、1シンボルにつき、移動受信用セグメント及びこれに近隣する所定帯域について、周波数方向の所定間隔の伝送路特性を全キャリア位置伝送路推定部52に出力する。全キャリア位置伝送路推定部52は、所定キャリア位置伝送路推定部51から周波数方向の所定間隔の伝送路特性を入力し、既知の手法により、全キャリア位置の伝送路特性を推定する。
これにより、移動受信用セグメントについて、図11(2)の例では、GI長126μs以上の1008/3=336μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができ、図11(3)、図12(2)及び図13(2)では、GI長126μs以上の1008/6=168μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができ、また、伝送路特性を内挿することで、GI長126μs以上の1008/3=336μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができる。また、図12(3)及び図14(2)の例では、推定した伝送路特性を内挿することで、GI長126μs以上の1008/6=168μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができ、また、伝送路特性を内挿することで、GI長126μs以上の1008/3=336μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができる。
以上のように、実施例2のOFDM受信装置2によれば、伝送路推定回路27における固定受信用の所定キャリア位置伝送路推定部51は、固定受信用セグメントの受信パイロット信号及び送信パイロット信号を用いて、固定受信用セグメントのパイロット位置の伝送路特性を推定し、前後のシンボルの受信パイロット信号に基づいて、パイロット位置でない所定の非パイロット位置の伝送路特性を推定するようにした。これにより、例えば1シンボルにつき、周波数方向の3キャリア毎に伝送路特性が生成される。
また、伝送路推定回路27における移動受信用の所定キャリア位置伝送路推定部51は、移動受信用セグメントの受信パイロット信号及び送信パイロット信号を用いて、移動受信用セグメントのパイロット位置の伝送路特性を推定し、移動受信用セグメントに近隣する所定帯域について、外挿処理及び内挿処理により、パイロット位置でない所定の非パイロット位置の伝送路特性を推定するようにした。これにより、例えば1シンボルのみの受信パイロット信号により、及び、当該受信パイロット信号を用いた内挿処理及び外挿処理により、1シンボルにつき、移動受信用セグメント及びこれに近隣する所定帯域について、周波数方向の3キャリア毎に伝送路特性が生成される。
そして、全キャリア位置伝送路推定部52は、周波数方向の所定間隔の伝送路特性を用いて、既知の逆高速フーリエ変換及び高速フーリエ変換等の処理により、全キャリア位置の伝送路特性を推定するようにした。
これにより、固定受信用セグメントについて、例えば3キャリア毎の伝送路特性を推定することで、GI長126μs以上の1008/3=336μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができる。また、移動受信用セグメントについて、1シンボルのみの受信パイロット信号を用いて、例えば3キャリア毎の伝送路特性を推定することで、GI長126μs以上の1008/3=336μsまでの遅延時間の遅延波に対応することができる。
したがって、固定受信用及び移動受信用のサービスを1つのシステムで階層伝送する際の移動受信において、速度に対する耐性を劣化させることなく、GI長以上の遅延波に対応することができる。
以上、実施例1,2を挙げて本発明を説明したが、本発明は前記実施例1,2に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、本発明は、地上デジタル放送のテレビジョン放送システム、音声放送システム等に適用があり、また、V−LOW等のマルチメディア放送のみならず、放送システム以外の無線通信システムにも適用がある。