[1.情報処理システムの概要]
以下、図面を参照して、本実施形態に係る周辺装置を含む情報処理システムについて説明する。図1は、本実施形態における情報処理システムの一例を示す図である。図1に示すように、情報処理システムは、携帯装置1と、周辺装置2とを含んでいる。周辺装置2は、携帯装置1に着脱可能に装着される。
携帯装置1は、携帯型の情報処理装置であればどのような種類のものであってもよい。本実施形態においては、携帯装置1は、ゲーム処理を実行することが可能なゲーム装置である。他の実施形態においては、携帯装置1は、例えば携帯電話やスマートフォンや携帯情報端末等であってもよい。また、携帯装置1は、赤外線通信機能を有している。なお、本実施形態においては、携帯装置1は折り畳み型の装置であるが、他の実施形態においては折り畳み型でなくてもよい。
周辺装置2は、携帯装置1に所定の機能を付加(追加)するための装置である。この所定の機能はどのような機能であってもよいが、本実施形態においては操作機能である。すなわち、周辺装置2は、スライドパッド57aおよび操作ボタン57b等の操作部を備え、操作部に対する操作を表す操作データを携帯装置1へ送信する。なお、周辺装置2は赤外線通信機能を有しており、周辺装置2と携帯装置1との間の通信は赤外線通信によって行われる。なお、他の実施形態においては、周辺装置2は、加速度センサやジャイロセンサやGPSセンサ等、所定の情報を検知するセンサ機能を付加するものであってもよいし、所定の信号(例えばテレビ放送の信号)を受信する受信機能を付加するものであってもよいし、表示機能を付加するものであってもよい。
上記のように、本実施形態における周辺装置2は、携帯装置1に操作部を追加するものである。ユーザは、携帯装置1に周辺装置2を装着することで、より多様で複雑なゲーム操作を行うことが可能となる。具体的には、携帯装置1に周辺装置2が装着された状態では、図1に示されるように、2つのスライドパッド15および57aが左右に配置されるので、ユーザは、両手でスライドパッドをそれぞれ操作することができる。つまり、本実施形態における周辺装置2は、携帯装置1において2つの方向入力デバイスを用いたゲーム操作を可能とするために用いることができる。ここで、例えば据置型のゲーム装置のように、ゲーム専用のコントローラを用いるゲームシステムにおいては、上記のような2つの方向入力デバイス(アナログ方向指示部)を用いることは一般的である。例えば一方の方向入力デバイスでプレイヤキャラクタを移動する操作を行い、もう一方の方向入力デバイスで銃等の狙いを動かす操作を行うようなゲームも多く提供されている。本実施形態における周辺装置2は、上記のような2つの方向入力デバイスを用いるゲーム操作を前提とするゲーム(ゲームアプリケーション)を、操作性を損なうことなく携帯型のゲーム装置に対して適用する用途で利用することができる。なお、携帯装置1において実行されるゲームアプリケーションは、周辺装置2を携帯装置1に装着した場合にのみゲーム操作が可能となるようなゲームを実行するものであってもよいし、携帯装置1単体で(周辺装置2を携帯装置1に装着しなくても)ゲーム操作が可能となるようなゲームを実行するものであってもよい。
[2.携帯装置の構成]
以下、図2〜図7を参照して、携帯装置1の構成について説明する。図2〜図6は、携帯装置1の外観を示す図である。携帯装置1は携帯型のゲーム装置であり、折り畳み可能に構成されている。図2〜図6は、開いた状態(開状態)における携帯装置1を示している。図2は携帯装置1の正面図である。図3は携帯装置1の右側面図であり、図4は携帯装置1の左側面図である。図5は携帯装置1の上側面図であり、図6は携帯装置1の下側面図である。携帯装置1は、所定のゲームプログラムを実行可能であり、仮想空間に設定された仮想カメラで撮像した画像を画面に表示することができる。また、携帯装置1は、カメラによって画像を撮像し、撮像した画像を画面に表示したり、撮像した画像のデータを保存したりすることが可能である。
まず、図2〜図6を参照して、携帯装置1の外観構成について説明する。図2〜図6に示されるように、携帯装置1は、下側ハウジング11および上側ハウジング21を有する。下側ハウジング11と上側ハウジング21とは、開閉可能(折り畳み可能)に接続されている。本実施形態では、各ハウジング11および21はともに横長の長方形の板状形状であり、互いの長辺部分で回転可能に接続されている。
図2〜図4に示されるように、下側ハウジング11の上側長辺部分には、下側ハウジング11の内側面(主面)11Bに対して垂直な方向に突起する突起部11Aが設けられる。また、上側ハウジング21の下側長辺部分には、上側ハウジング21の下側面から当該下側面に垂直な方向に突起する突起部21Aが設けられる。下側ハウジング11の突起部11Aと上側ハウジング21の突起部21Aとが連結されることにより、下側ハウジング11と上側ハウジング21とが、折り畳み可能に接続される。
(下側ハウジングの説明)
まず、下側ハウジング11の構成について説明する。図2〜図6に示すように、下側ハウジング11には、下側LCD(Liquid Crystal Display:液晶表示装置)12、タッチパネル13、各操作ボタン14A〜14L、スライドパッド15、LED16A〜16B、および挿入口17が設けられる。以下、これらの詳細について説明する。
図2に示すように、下側LCD12は下側ハウジング11に収納される。下側LCD12は横長形状であり、長辺方向が下側ハウジング11の長辺方向に一致するように配置される。下側LCD12は左右方向(図2に示すx軸方向)に関して下側ハウジング11の中央に配置される。下側LCD12は、下側ハウジング11の内側面(主面)に設けられ、下側ハウジング11に設けられた開口部から当該下側LCD12の画面が露出される。携帯装置1を使用しない場合には閉状態としておくことによって、下側LCD12の画面が汚れたり傷ついたりすることを防止することができる。下側LCD12の画素数は、例えば、256dot×192dot(横×縦)であってもよい。下側LCD12は、後述する上側LCD22とは異なり、画像を(立体視可能ではなく)平面的に表示する表示装置である。なお、本実施形態では表示装置としてLCDを用いているが、例えばEL(Electro Luminescence:電界発光)を利用した表示装置など、他の任意の表示装置を利用してもよい。また、下側LCD12として、任意の解像度の表示装置を利用することができる。
図2に示されるように、携帯装置1は、入力装置として、タッチパネル13を備えている。タッチパネル13は、下側LCD12の画面上に装着されている。なお、本実施形態では、タッチパネル13は抵抗膜方式のタッチパネルである。ただし、タッチパネルは抵抗膜方式に限らず、例えば静電容量方式等、任意の方式のタッチパネルを用いることができる。本実施形態では、タッチパネル13として、下側LCD12の解像度と同解像度(検出精度)のものを利用する。ただし、必ずしもタッチパネル13の解像度と下側LCD12の解像度が一致している必要はない。また、下側ハウジング11の上側面には挿入口17(図2に示す点線)が設けられている。挿入口17は、タッチパネル13に対する操作を行うために用いられるタッチペン28を収納することができる。なお、タッチパネル13に対する入力は通常タッチペン28を用いて行われるが、タッチペン28に限らずユーザの指でタッチパネル13に対する入力をすることも可能である。
各操作ボタン14A〜14Lは、所定の入力を行うための入力装置である。図1に示されるように、下側ハウジング11の内側面(主面)には、各操作ボタン14A〜14Lのうち、十字ボタン(方向入力ボタン)14A、ボタン14B、ボタン14C、ボタン14D、ボタン14E、電源ボタン14F、セレクトボタン14J、HOMEボタン14K、およびスタートボタン14Lが設けられる。十字ボタン14Aは、十字の形状を有しており、上下左右の方向を指示するボタンを有している。ボタン14A〜14E、セレクトボタン14J、HOMEボタン14K、およびスタートボタン14Lには、携帯装置1が実行するプログラムに応じた機能が適宜割り当てられる。例えば、十字ボタン14Aは選択操作等に用いられ、各操作ボタン14B〜14Eは決定操作やキャンセル操作等に用いられる。また、電源ボタン14Fは、携帯装置1の電源をオン/オフするために用いられる。
スライドパッド15は、方向および大きさを指示する方向入力デバイスであり、下側ハウジング11の内側面に設けられる。図1に示すように、スライドパッド15は、十字ボタン14Aの上方に設けられる。スライドパッド15は、指で操作されるスティック部が下側ハウジング11の内側面に対して任意の方向(上下左右および斜め方向の任意の角度)にスライドするように構成されている。スライドパッド15は、携帯装置1が実行するプログラムに応じて機能する。例えば、3次元仮想空間に所定のオブジェクトが登場するゲームが携帯装置1によって実行される場合、スライドパッド15は、当該所定のオブジェクトを3次元仮想空間内で移動させるための入力装置として機能する。この場合において、所定のオブジェクトはスライドパッド15の可動部材(スティック部)がスライドした方向に移動される。なお、他の実施形態においては、可動部材が上下左右および斜め方向の任意の方向に任意の量だけ傾倒することでアナログ入力を可能とした方向入力デバイスを用いても良い。
また、下側ハウジング11の内側面には、マイクロフォン用孔11Eが設けられる。本実施形態においては、マイクロフォン用孔11Eは下側LCD12の下側(右下側)に設けられる。マイクロフォン用孔11Eの内側には後述する音声入力装置としてのマイク(図7参照)が設けられ、当該マイクが携帯装置1の外部の音を検出する。
図3〜図5に示されるように、下側ハウジング11の上側面には、Lボタン14GおよびRボタン14Hが設けられている。Lボタン14Gは、下側ハウジング11の上面の左側(ここでは左端)に設けられ、Rボタン14Hは、下側ハウジング11の上面の右側(ここでは右端)に設けられる。Lボタン14GおよびRボタン14Hは、例えば、カメラのシャッターボタン(撮影指示ボタン)として機能することができる。また、図4に示されるように、下側ハウジング11の左側面には、音量調整スイッチ14Iが設けられる。音量調整スイッチ14Iは、携帯装置1が備えるスピーカの音量を調整するために用いられる。
また、下側ハウジング11の上側面には、赤外線通信モジュール37の受発光部27が設けられる。上述のように、携帯装置1は赤外線通信機能を有する。具体的には、携帯装置1は赤外線通信モジュール37を備えており、携帯装置1のハウジング11または21の表面には受発光部27が設けられる。受発光部27は、例えば所定の周波数帯を透過する赤外線フィルタと、赤外線フィルタの内側に赤外線を受信および送信するモジュールとを有する。本実施形態においては、下側ハウジング11を把持した場合にユーザの前方へ赤外線信号が発射されるように、受発光部27は下側ハウジング11の上側の側面に設けられる(図5参照)。ただし、他の実施形態においては、受発光部27は、例えば下側ハウジング11の他の側面あるいは外側面(下側LCD21が設けられた内側主面と反対側の背面)等、どの位置に設けられてもよい。
図4に示されるように、下側ハウジング11の左側面には開閉可能なカバー部11Cが設けられる。このカバー部11Cの内側には、携帯装置1とデータ保存用外部メモリ45とを電気的に接続するためのコネクタ(図示せず)が設けられる。データ保存用外部メモリ45は、コネクタに着脱自在に装着される。データ保存用外部メモリ45は、例えば、携帯装置1によって撮像された画像のデータを記憶(保存)するために用いられる。なお、上記コネクタおよびそのカバー部11Cは、下側ハウジング11の右側面に設けられてもよい。
また、図5に示されるように、下側ハウジング11の上側面には開閉可能なカバー部11Dが設けられる。このカバー部11Dの内側には、携帯装置1とゲームプログラムを記録した外部メモリ44とを電気的に着脱自在に接続するためのコネクタ(図示せず)が設けられる。当該外部メモリ44が携帯装置1に接続されることにより、所定のゲームプログラムが実行される。なお、上記コネクタおよびそのカバー部11Dは、下側ハウジング11の他の側面(例えば、右側面等)に設けられてもよい。
また、下側ハウジング11の下側面には携帯装置1の電源のON/OFF状況をユーザに通知する第1LED16A、下側ハウジング11の右側面には携帯装置1の無線通信の確立状況をユーザに通知する第2LED16Bが設けられる。携帯装置1は他の機器との間で無線通信を行うことが可能であり、第2LED16Bは、無線通信が確立している場合に点灯する。携帯装置1は、例えば、IEEE802.11.b/gの規格に準拠した方式により、無線LANに接続する機能を有する。下側ハウジング11の右側面には、この無線通信の機能を有効/無効にする無線スイッチ19が設けられる(図3参照)。
また、携帯装置1は、イヤホン等の音声出力部を接続するための音声出力端子29を備える。音声出力端子29の位置はどこであってもよいが、本実施形態では、音声出力端子29は下側ハウジング11の下側の側面に設けられる(図6参照)。他の実施形態においては、音声出力端子29は下側ハウジング11の左右の側面や上側の側面に設けられてもよい。
また、携帯装置には、携帯装置1に対してストラップを取り付けるためのストラップ穴11Fが設けられる。図6に示されるように、本実施形態においては、ストラップ穴11Fは、下側ハウジング11の下側の側面に設けられる。ここでは、2つのストラップ穴11Fが下側側面の左右両側に設けられるが、ストラップ穴11Fの数はいくつであってもよい。また、ストラップ穴11Fの位置はどこであってもよく、下側ハウジング11の他の側面や外側面であってもよい。
なお、図示は省略するが、下側ハウジング11には、携帯装置1の電源となる充電式電池が収納され、下側ハウジング11の側面(例えば、上側面)に設けられた端子を介して当該電池を充電することができる。
(上側ハウジングの説明)
次に、上側ハウジング21の構成について説明する。図2および図3に示すように、上側ハウジング21には、上側LCD(Liquid Crystal Display:液晶表示装置)22、外側カメラ23(左目用カメラ23aおよび右目用カメラ23b)、内側カメラ24、3D調整スイッチ25、および、3Dインジケータ26が設けられる。以下、これらの詳細について説明する。
図2に示すように、上側LCD22は上側ハウジング21に収納される。上側LCD22は、横長形状であり、長辺方向が上側ハウジング21の長辺方向に一致するように配置される。上側LCD22は左右方向(図2に示すx軸方向)に関して上側ハウジング21の中央に配置される。上側LCD22の画面の面積は、下側LCD12の画面の面積よりも大きく設定される。具体的には、上側LCD22の画面は、下側LCD12の画面よりも横長に設定される。すなわち、上側LCD22の画面のアスペクト比における横幅の割合は、下側LCD12の画面のアスペクト比における横幅の割合よりも大きく設定される。
上側LCD22の画面は、上側ハウジング21の内側面(主面)21Bに設けられ、上側ハウジング21に設けられた開口部から当該上側LCD22の画面が露出される。また、図2に示すように、上側ハウジング21の内側面は、透明なスクリーンカバーによって覆われている。当該スクリーンカバーは、上側LCD22の画面を保護するとともに、上側LCD22と上側ハウジング21の内側面とを一体的にさせ、これにより統一感を持たせている。上側LCD22の画素数は、例えば、640dot×200dot(横×縦)であってもよい。なお、本実施形態では上側LCD22は液晶表示装置であるとしたが、例えばEL(Electro Luminescence:電界発光)を利用した表示装置などが利用されてもよい。また、上側LCD22として、任意の解像度の表示装置を利用することができる。
上側LCD22は、立体視可能な画像を表示することが可能な表示装置である。また、本実施形態では、実質的に同一の表示領域を用いて左目用画像と右目用画像が表示される。具体的には、上側LCD22は、左目用画像と右目用画像が所定単位で(例えば、1列ずつ)横方向に交互に表示される方式の表示装置である。または、上側LCD22は、左目用画像と右目用画像とが時分割で交互に表示される方式の表示装置であってもよい。また、本実施形態では、上側LCD22は裸眼立体視可能な表示装置である。そして、横方向に交互に表示される左目用画像と右目用画像とを左目および右目のそれぞれに分解して見えるように、レンチキュラー方式やパララックスバリア方式(視差バリア方式)の表示装置が用いられる。本実施形態では、上側LCD22はパララックスバリア方式のものとする。上側LCD22は、右目用画像と左目用画像とを用いて、裸眼で立体視可能な画像(立体画像)を表示する。すなわち、上側LCD22は、視差バリアを用いてユーザの左目に左目用画像を、ユーザの右目に右目用画像をそれぞれ視認させることにより、ユーザにとって立体感のある立体画像(立体視可能な画像)を表示することができる。また、上側LCD22は、上記視差バリアを無効にすることが可能であり、視差バリアを無効にした場合は、画像を平面的に表示することができる(上述した立体視とは反対の意味で平面視の画像を表示することができる)。このように、上側LCD22は、立体視可能な画像を表示する立体表示モードと、画像を平面的に表示する(平面視画像を表示する)平面表示モードとを切り替えることが可能な表示装置である。この表示モードの切り替えは、後述する3D調整スイッチ25によって行われる。
外側カメラ23は、上側ハウジング21の外側面(上側LCD22が設けられた主面と反対側の背面)21Dに設けられ、当該外側面21Dの法線方向を撮像方向とするステレオカメラである。外側カメラ23は、左目用カメラ23aおよび右目用カメラ23bの2つのカメラで構成される。左目用カメラ23aおよび右目用カメラ23bは、それぞれの撮像方向が平行となるように配置される。左目用カメラ23aおよび右目用カメラ23bは、それぞれ所定の解像度を有する撮像素子(例えば、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等)と、レンズとを含む。
図2の破線で示されるように、外側カメラ23を構成する左目用カメラ23aおよび右目用カメラ23bは、上側LCD22の画面の横方向と平行に並べられて配置される。すなわち、2つのカメラを結んだ直線が上側LCD22の画面の横方向と平行になるように、左目用カメラ23aおよび右目用カメラ23bが配置される。図2において左目用カメラ23aおよび右目用カメラ23bを表す破線は、上側ハウジング21の内側面とは反対側の外側面に左目用カメラ23aおよび右目用カメラ23bが存在することを意味している。図2に示すように、ユーザが上側LCD22の画面を正面から視認した場合に、左目用カメラ23aは左側に、右目用カメラ23bは右側に、それぞれ位置している。左目用カメラ23aおよび右目用カメラ23bの間隔は、人間の両目の間隔程度に設定され、例えば、30mm〜70mmの範囲で設定されてもよい。なお、左目用カメラ23aおよび右目用カメラ23bの間隔は、この範囲に限らない。また、他の実施形態においては、上記2つのカメラ23aおよび23bの間隔は可変であってもよい。
また、左目用カメラ23aおよび右目用カメラ23bは、上側LCD22(上側ハウジング21)の左右方向に関して中央から対称となる位置にそれぞれ配置される。すなわち、左目用カメラ23aおよび右目用カメラ23bは、上側LCD22を左右に2等分する線に対して対称の位置にそれぞれ配置される。また、左目用カメラ23aおよび右目用カメラ23bは、上側ハウジング21を開いた状態において、上側ハウジング21の上部であって、上側LCD22の画面の上端よりも上方の位置の裏側に配置される。すなわち、左目用カメラ23aおよび右目用カメラ23bは、上側ハウジング21の外側面であって、上側LCD22を外側面に投影した場合、投影した上側LCD22の上端よりも上方に配置される。
このように、外側カメラ23の2つのカメラが、上側LCD22の左右方向に関して中央から対称の位置に配置されることにより、ユーザが上側LCD22を正視した場合に、外側カメラ23の撮像方向をユーザの視線方向と一致させることができる。また、外側カメラ23は、上側LCD22の画面の上端より上方の裏側の位置に配置されるため、外側カメラ23と上側LCD22とが上側ハウジング21の内部で干渉することがない。従って、外側カメラ23を上側LCD22の画面の裏側に配置する場合と比べて、上側ハウジング21を薄く構成することが可能となる。
内側カメラ24は、上側ハウジング21の内側面(主面)21Bに設けられ、当該内側面の法線方向を撮像方向とするカメラである。内側カメラ24は、所定の解像度を有する撮像素子(例えば、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等)と、レンズとを含む。
図2に示すように、内側カメラ24は、上側ハウジング21を開いた状態において、上側ハウジング21の上部であって、上側LCD22の画面の上端よりも上方に配置され、上側ハウジング21の左右方向に関して中央の位置に配置される。具体的には、図2に示されるように、内側カメラ24は、上側ハウジング21の内側面であって、外側カメラ23の左右のカメラ(左目用カメラ23aおよび右目用カメラ23b)の中間の裏側の位置に配置される。すなわち、上側ハウジング21の外側面に設けられた左右のカメラを上側ハウジング21の内側面に投影した場合、当該投影した左右のカメラの中間に、内側カメラ24が設けられる。
このように、内側カメラ24は、外側カメラ23とは反対方向を撮像する。内側カメラ24は、上側ハウジング21の内側面であって、外側カメラ23の左右のカメラの中間位置の裏側に設けられる。これにより、ユーザが上側LCD22を正視した際、内側カメラ24でユーザの顔を正面から撮像することができる。また、外側カメラ23の左右のカメラと内側カメラ24とが上側ハウジング21の内部で干渉することがないため、上側ハウジング21を薄く構成することが可能となる。
3D調整スイッチ25は、スライドスイッチであり、上述のように上側LCD22の表示モードを切り替えるために用いられるスイッチである。3D調整スイッチ25は、上側LCD22に表示された立体視可能な画像(立体画像)の立体感を調整するために用いられる。図2および図3に示されるように、3D調整スイッチ25は、上側ハウジング21の内側面および右側面の端部に設けられ、ユーザが上側LCD22を正視した場合に、当該3D調整スイッチ25を視認できる位置に設けられる。
上側ハウジング21の内側面の右端部には、凹部が形成され、当該凹部に3D調整スイッチ25が設けられる。3D調整スイッチ25は、上側ハウジング21の正面および右側面から視認可能に配置される。3D調整スイッチ25のスライダは、所定方向(上下方向)の任意の位置にスライド可能であり、当該スライダの位置に応じて上側LCD22の表示モードが設定される。
3Dインジケータ26は、上側LCD22が立体表示モードか否かを示す。3Dインジケータ26は、LEDであり、上側LCD22の立体表示モードが有効の場合に点灯する。図2に示されるように、3Dインジケータ26は、上側ハウジング21の内側面に設けられ、上側LCD22の画面近傍に設けられる。このため、ユーザが上側LCD22の画面を正視した場合、ユーザは3Dインジケータ26を視認しやすい。従って、ユーザは上側LCD22の画面を視認している状態で、上側LCD22の表示モードを容易に認識することができる。
また、上側ハウジング21の内側面には、スピーカ孔21Eが設けられる。後述するスピーカ43からの音声はこのスピーカ孔21Eから出力される。
(携帯装置1の内部構成の説明)
次に、図7を参照して、携帯装置1の内部の電気的構成について説明する。図7は、携帯装置1の内部構成を示すブロック図である。図7に示すように、携帯装置1は、上述した各部に加えて、情報処理部31、メインメモリ32、外部メモリインターフェイス(外部メモリI/F)33、データ保存用外部メモリI/F34、データ保存用内部メモリ35、無線通信モジュール36、赤外線通信モジュール37、リアルタイムクロック(RTC)38、加速度センサ39、電源回路40、およびインターフェイス回路(I/F回路)41等の電子部品を備えている。これらの電子部品は、電子回路基板上に実装されて下側ハウジング11(または上側ハウジング21でもよい)内に収納される。
情報処理部31は、所定のプログラムを実行するためのCPU(Central Processing Unit)311、画像処理を行うGPU(Graphics Processing Unit)312等を含む情報処理手段である。本実施形態では、所定の処理を実行するためのプログラムが携帯装置1内のメモリ(例えば外部メモリI/F33に接続された外部メモリ44やデータ保存用内部メモリ35)に記憶されている。情報処理部31のCPU311は、当該プログラムを実行することによって、当該プログラムに応じた処理(例えば、撮影処理や、後述する画像表示処理など)を実行する。なお、情報処理部31のCPU311によって実行されるプログラムは、他の機器との通信によって他の機器から取得されてもよい。また、情報処理部31は、VRAM(Video RAM)313を含む。情報処理部31のGPU312は、情報処理部31のCPU311からの命令に応じて画像を生成し、VRAM313に描画する。そして、情報処理部31のGPU312は、VRAM313に描画された画像を上側LCD22及び/又は下側LCD12に出力し、上側LCD22及び/又は下側LCD12に当該画像が表示される。
情報処理部31には、メインメモリ32、外部メモリI/F33、データ保存用外部メモリI/F34、および、データ保存用内部メモリ35が接続される。外部メモリI/F33は、外部メモリ44を着脱自在に接続するためのインターフェイスである。また、データ保存用外部メモリI/F34は、データ保存用外部メモリ45を着脱自在に接続するためのインターフェイスである。
メインメモリ32は、情報処理部31(のCPU311)のワーク領域やバッファ領域として用いられる揮発性の記憶手段である。すなわち、メインメモリ32は、上記プログラムに基づく処理に用いられる各種データを一時的に記憶したり、外部(外部メモリ44や他の機器等)から取得されるプログラムを一時的に記憶したりする。本実施形態では、メインメモリ32として例えばPSRAM(Pseudo−SRAM)を用いる。
外部メモリ44は、情報処理部31によって実行されるプログラムを記憶するための不揮発性の記憶手段である。外部メモリ44は、例えば読み取り専用の半導体メモリで構成される。外部メモリ44が外部メモリI/F33に接続されると、情報処理部31は外部メモリ44に記憶されたプログラムを読み込むことができる。情報処理部31が読み込んだプログラムを実行することにより、所定の処理が行われる。データ保存用外部メモリ45は、不揮発性の読み書き可能なメモリ(例えばNAND型フラッシュメモリ)で構成され、所定のデータを格納するために用いられる。例えば、データ保存用外部メモリ45には、外側カメラ23で撮像された画像や他の機器で撮像された画像が記憶される。データ保存用外部メモリ45がデータ保存用外部メモリI/F34に接続されると、情報処理部31はデータ保存用外部メモリ45に記憶された画像を読み込み、上側LCD22及び/又は下側LCD12に当該画像を表示することができる。
データ保存用内部メモリ35は、読み書き可能な不揮発性メモリ(例えばNAND型フラッシュメモリ)で構成され、所定のデータを格納するために用いられる。例えば、データ保存用内部メモリ35には、無線通信モジュール36を介した無線通信によってダウンロードされたデータやプログラムが格納される。
無線通信モジュール36は、例えばIEEE802.11.b/gの規格に準拠した方式により、無線LANに接続する機能を有する。また、赤外線通信モジュール37は、他の装置(例えば周辺装置2や同種のゲーム装置)との間で赤外線通信を行う機能を有する。無線通信モジュール36および赤外線通信モジュール37は情報処理部31に接続される。情報処理部31は、無線通信モジュール36を用いてインターネットを介して他の機器との間でデータを送受信したり、赤外線通信モジュール37を用いて他の装置との間でデータを送受信したりすることができる。
また、情報処理部31には、加速度センサ39が接続される。加速度センサ39は、3軸(xyz軸)方向に沿った直線方向の加速度(直線加速度)の大きさを検出する。加速度センサ39は、下側ハウジング11の内部に設けられる。加速度センサ39は、図1に示すように、下側ハウジング11の長辺方向をx軸、下側ハウジング11の短辺方向をy軸、下側ハウジング11の内側面(主面)に対して垂直な方向をz軸として、各軸の直線加速度の大きさを検出する。例えば、加速度センサ39は、アナログ・デバイセズ株式会社(Analog Devices, Inc.)又はSTマイクロエレクトロニクス社(STMicroelectronics N.V.)から入手可能である種類のものでもよい。なお、加速度センサ39は、例えば静電容量式の加速度センサであるとするが、他の方式の加速度センサを用いるようにしてもよい。また、加速度センサ39は1軸または2軸方向を検出する加速度センサであってもよい。情報処理部31は、加速度センサ39が検出した加速度を示すデータ(加速度データ)を用いて、携帯装置1の姿勢や動きを算出することができる。
また、携帯装置1は、加速度センサ39に代えて、あるいは加速度センサ39とともに、ジャイロセンサを備えていてもよい。ジャイロセンサは、所定の軸(例えば上記xyz軸)回りの角速度を検出する。ジャイロセンサで検出された角速度を表すデータは、情報処理部31へ出力される。情報処理部31は、ジャイロセンサが検出した角速度を示すデータ(角速度データ)を用いて、携帯装置1の姿勢や動きを算出することができる。
また、情報処理部31には、RTC38および電源回路40が接続される。RTC38は、時間をカウントして情報処理部31に出力する。情報処理部31は、RTC38によって計時された時間に基づき現在時刻(日付)を計算する。電源回路40は、携帯装置1が有する電源(下側ハウジング11に収納される上記充電式電池)からの電力を制御し、携帯装置1の各部品に電力を供給する。
また、情報処理部31には、I/F回路41が接続される。I/F回路41には、マイク42およびスピーカ43が接続される。具体的には、I/F回路41には、図示しないアンプを介してスピーカ43が接続される。マイク42は、ユーザの音声を検知して音声信号をI/F回路41に出力する。アンプは、I/F回路41からの音声信号を増幅し、音声をスピーカ43から出力させる。また、タッチパネル13はI/F回路41に接続される。I/F回路41は、マイク42およびスピーカ43(アンプ)の制御を行う音声制御回路と、タッチパネルの制御を行うタッチパネル制御回路とを含む。音声制御回路は、音声信号に対するA/D変換およびD/A変換を行ったり、音声信号を所定の形式の音声データに変換したりする。タッチパネル制御回路は、タッチパネル13からの信号に基づいて所定の形式のタッチ位置データを生成して情報処理部31に出力する。タッチ位置データは、タッチパネル13の入力面において入力が行われた位置の座標を示す。なお、タッチパネル制御回路は、タッチパネル13からの信号の読み込み、および、タッチ位置データの生成を所定時間に1回の割合で行う。情報処理部31は、タッチ位置データを取得することにより、タッチパネル13に対して入力が行われた位置を知ることができる。
操作部14は、上記各操作ボタン14A〜14Lを含み、情報処理部31に接続される。操作部14から情報処理部31へは、各操作ボタン14A〜14Iに対する入力状況(押下されたか否か)を示す操作データが出力される。情報処理部31は、操作部14から操作データを取得することによって、各操作ボタン14A〜14Iに対する入力に従った処理を実行する。
下側LCD12および上側LCD22は情報処理部31に接続される。下側LCD12および上側LCD22は、情報処理部31(のGPU312)の指示に従って画像を表示する。本実施形態では、情報処理部31は、上側LCD22に右目用画像と左目用画像とを用いた立体画像(立体視可能な画像)を表示させる。
具体的には、情報処理部31は、上側LCD22のLCDコントローラ(図示せず)と接続され、当該LCDコントローラに対して視差バリアのオン/オフを制御する。上側LCD22の視差バリアがオンになっている場合、情報処理部31のVRAM313に格納された右目用画像と左目用画像とが、上側LCD22に出力される。より具体的には、LCDコントローラは、右目用画像について縦方向に1ライン分の画素データを読み出す処理と、左目用画像について縦方向に1ライン分の画素データを読み出す処理とを交互に繰り返すことによって、VRAM313から右目用画像と左目用画像とを読み出す。これにより、右目用画像および左目用画像が、画素を縦に1ライン毎に並んだ短冊状画像に分割され、分割された右目用画像の短冊状画像と左目用画像の短冊状画像とが交互に配置された画像が、上側LCD22の画面に表示される。そして、上側LCD22の視差バリアを介して当該画像がユーザに視認されることによって、ユーザの右目に右目用画像が、ユーザの左目に左目用画像が視認される。以上により、上側LCD22の画面には立体視可能な画像が表示される。
外側カメラ23および内側カメラ24は、情報処理部31に接続される。外側カメラ23および内側カメラ24は、情報処理部31の指示に従って画像を撮像し、撮像した画像データを情報処理部31に出力する。
3D調整スイッチ25は、情報処理部31に接続される。3D調整スイッチ25は、スライダの位置に応じた電気信号を情報処理部31に送信する。
また、3Dインジケータ26は、情報処理部31に接続される。情報処理部31は、3Dインジケータ26の点灯を制御する。例えば、情報処理部31は、上側LCD22が立体表示モードである場合、3Dインジケータ26を点灯させる。以上が携帯装置1の内部構成の説明である。
[3.周辺装置の構成]
以下、周辺装置2の構成について説明する。まず、周辺装置2の概要について説明する。本実施形態において、周辺装置2は、付加機能部と、赤外線通信部と、支持部とを備える。すなわち、周辺装置2は、支持部によって携帯装置1を支持し、支持された携帯装置1との間で赤外線通信部によって通信を行い、付加機能部による所定の機能を携帯装置1に付加するものである。
上記付加機能部は、携帯装置1に付加すべき所定の機能を有する部材である。付加機能部が有する所定の機能はどのような機能であってもよい。本実施形態においては、周辺装置2は、所定の機能として操作機能を付加する。具体的には、付加機能部は、図1に示すスライドパッド57aおよび操作ボタン57b等の操作部57を含む。なお、他の実施形態においては、付加機能部は、加速度センサやジャイロセンサやGPSセンサ等、所定の情報を検知するセンサ部を含んでいてもよい。また例えば、付加機能部は、所定の信号を受信する受信部(例えばテレビ放送を受信するアンテナ)を含んでいてもよい。また例えば、付加機能部は表示部を含んでいてもよい。
上記赤外線通信部(図11に示す赤外線通信部62)は、携帯装置1との間で赤外線通信を行うことが可能な部材である。周辺装置2が携帯装置1に装着された状態(「装着状態」と呼ぶ)では、赤外線通信部62は、携帯装置1と周辺装置2との間において赤外線通信によってデータ(情報)の送受信を行う。すなわち、赤外線通信部62は、上記所定の機能によって得られたデータ(例えば、操作部57に対する操作を表す操作データや、センサ部によって検知されたデータや、受信部によって受信されたデータ等)を赤外線通信によって携帯装置1へ送信する。あるいは、赤外線通信部62は、上記所定の機能を実行するためのデータ(例えば表示部に表示すべき画像データ)を赤外線通信によって携帯装置1から受信する。なお、他の実施形態においては、携帯装置1および周辺装置2のいずれか一方が送信機能のみを有し、他方が受信機能のみを有するものであってもよい。つまり、赤外線通信部62は、送信機能あるいは受信機能のいずれか一方のみを有していてもよい。
上記支持部は、携帯装置1を着脱可能に支持する部材である。支持部は、携帯装置1を固定的に(携帯装置1と周辺装置2との位置関係が一定となるように)支持する。携帯装置1を支持するための支持部の具体的な構成はどのような構成であってもよい。詳細は後述するが、支持部は、携帯装置1における赤外線の受発光部27が周辺装置2の上記赤外線通信部62との間で赤外線を送受信可能な位置に位置決めされるように、携帯装置1を支持する。したがって、本実施形態によれば、携帯装置1に周辺装置2を装着することによって、携帯装置1と周辺装置2との間で赤外線通信が可能となる。その結果、周辺装置2における付加機能部の機能を携帯装置1に付加することができる。つまり、本実施形態によれば、コネクタを用いることなく簡易な構成で携帯装置1に周辺装置2を接続することができる。
以下、図8〜図12を参照して、周辺装置2の詳細な構成について説明する。図8〜図10は、周辺装置2の外観を示す図である。図8は周辺装置2の平面図であり、図9は周辺装置2を右下前方から見た斜視図であり、図10は周辺装置2を左上後方から見た斜視図である。
(支持部の説明)
周辺装置2は、携帯装置1を支持するための支持部を備える。本実施形態において、支持部は、壁部51と底面部52とを有する。図8〜図10に示されるように、底面部52は、略平面状に形成される部材である。壁部51は、底面部52の周囲の縁に設けられる。具体的には、壁部51は、第1壁部51a、第2壁部51b、および第3壁部51cとを含む。第1壁部51aは、底面部52の上辺(図9に示すy軸正方向側の辺)に設けられる。第2壁部51bは、底面部52の下辺の右側(図9に示すx軸正方向側)および右辺に設けられる。第3壁部51cは、底面部52の下辺の左側および左辺に設けられる。以下、支持部の詳細について説明する。
支持部は携帯装置1のどの位置を支持するものであってもよいが、本実施形態においては、支持部は携帯装置1の下側ハウジング11を支持する(図1等参照)。つまり、支持部は下側ハウジング11を支持可能に構成される。具体的には、上記底面部52は、板状の下側ハウジング11と同程度のサイズに形成される。また、壁部51は枠状に形成され、枠状の部分によって囲まれる空間(下側ハウジング11が挿入される空間)が下側ハウジング11に応じた大きさとなるように構成される。すなわち、壁部51は、上記空間が下側ハウジング11と同じかまたは若干大きくなるように構成される。
このように、本実施形態においては、支持部は、折り畳み型の携帯装置1において操作部(操作ボタン14あるいはスライドパッド15)が設けられるハウジング(下側ハウジング11)を支持する。なお、本実施形態においては、携帯装置1に周辺装置2が装着されている場合、ユーザは周辺装置2を把持し、携帯装置1に周辺装置2が装着されていない場合、ユーザは携帯装置1の下側ハウジング11を把持する。したがって、本実施形態によれば、周辺装置2が装着されていない場合であっても装着されている場合であっても、ユーザは、携帯装置1の下側を把持することになる。そのため、ユーザは、周辺装置2が装着されている場合であっても装着されていない場合と同様の持ち方で携帯装置1を使用することができるので、周辺装置2をより使いやすくなる。なお、他の実施形態においては、支持部は携帯装置1の上側ハウジング21を支持してもよいし、下側ハウジング11および上側ハウジング21の両方を支持してもよい。
また、支持部は、下側ハウジング11のどの位置を支持してもよいが、本実施形態においては、下側ハウジング11の側面を支持する。具体的には、図8に示されるように、壁部51は枠状に構成され、下側ハウジング11の側面を囲むように支持する。これによって、壁部51は、携帯装置1をしっかりと支持することができ、装着状態において携帯装置1の位置決めを行うことができる。本実施形態において、壁部51は、携帯装置1が周辺装置2に対して固定されるように携帯装置1を保持する。なお、周辺装置2に対して携帯装置1を固定する方法として、本実施形態においては、支持部が携帯装置1の側面を囲む方法が採られたが、他の実施形態においては、支持部は任意の方法で携帯装置1を固定してもよい。例えば他の実施形態においては、支持部は、上側面と下側面から携帯装置1を挟むことによって携帯装置1を固定してもよい。
上記壁部51は、下側ハウジング11の4つの側面のうちの2つ以上の側面を支持してもよいが、本実施形態においては、壁部51は下側ハウジング11の4つの側面を支持する(図12参照)。具体的には、第1壁部51aは、下側ハウジング11の上側側面を支持する。第2壁部51bは、下側ハウジング11の左側側面と下側側面とを支持する。第3壁部51cは、下側ハウジング11の右側側面と下側側面とを支持する。このように、本実施形態においては、各壁部51a〜51cが下側ハウジング11の4つの側面を支持するので、周辺装置2は携帯装置1をよりしっかりと支持することができ、携帯装置1の位置決めをより正確に行うことができる。
また、本実施形態においては、壁部51は、下側ハウジング11の側面全体のうちの一部にのみ対向するように形成される(図8参照)。つまり、壁部51は、その一部が開口して形成される。本実施形態においては、壁部51は、携帯装置1の側面に設けられる所定の部材に対応する位置が開口して形成される。なお、「所定の部材に対応する位置」とは、装着状態において所定の部材に対向する位置である。具体的には、本実施形態における壁部51は、以下の位置が開口している。すなわち、壁部51は、携帯装置1のLボタン14Gに対応する位置である、下側ハウジング11における上側側面の左端部が開口している。また、壁部51は、携帯装置1の音量調整スイッチ14Iに対応する位置である、下側ハウジング11における左側側面の上部が開口している。また、壁部51は、携帯装置1のRボタン14Hに対応する位置である、下側ハウジング11における上側側面の右端部が開口している。また、壁部51は、携帯装置1の音声出力端子29に対応する位置である、下側ハウジング11における下側側面の中央部が開口している。したがって、本実施形態によれば、ユーザは、装着状態であっても携帯装置1の上記所定の部材を使用することができる。すなわち、本実施形態においては、ユーザは、装着状態であってもLボタン14G、Rボタン14H、および音量調整スイッチ14Iを押下することができ、音声出力端子29にイヤホン等を抜き差しすることができる。
なお、他の実施形態においては壁部51は他の位置が開口して形成されてもよい。例えば、壁部51は、外部メモリ44のカバー部11Dに対応する位置である、下側ハウジング11における上側側面の中央部が開口していてもよい。また例えば、壁部51は、データ保存用外部メモリ45のカバー部11Cに対応する位置である、下側ハウジング11における左側側面の下側部が開口していてもよい。さらに、他の実施形態においては、壁部51は開口部が形成されない形状であってもよい。つまり、壁部51は、下側ハウジング11の側面の全周に対向するように(すなわち、環状に)形成されてもよい。
なお、壁部51の高さ(z軸方向に関する長さ)は、どの程度の長さでもよいが、本実施形態においては、下側ハウジング11の厚さと(ほぼ)同じに設定される。壁部51の高さは、例えば5[mm]以上で15[mm]以下に設定されてもよい。また、壁部51の幅は、どの程度の長さであってもよいが、装着状態において情報処理システム(携帯装置1および周辺装置2)全体の大きさが大きくなりすぎないように設定されてもよい。また、壁部51において下側ハウジング11の左側を支持する部分(第3壁部51c)の幅d(図8参照)は、周辺装置2を把持した手で携帯装置1の操作部(スライドパッド15または十字ボタン14A)を操作可能な長さに設定されてもよい。また、壁部51の幅は、落下等の衝撃によって破損しない程度に十分な強度を維持できる長さに設定されてもよい。例えば、本実施形態において、壁部51の幅は、操作部(スライドパッド57a)が設けられる右側(x軸正方向側)の部分を除き、5[mm]以上で20[mm]以下の長さに設定される。
本実施形態においては、支持部は、折り畳み可能な2つのハウジングを備える携帯装置1の一方のハウジングを、折り畳み時に内側となる面を露出させた状態で支持する。具体的には、支持部は、携帯装置1の下側ハウジング11の側面を支持し、下側ハウジング11および上側ハウジング21の各内側面を露出させる。したがって、本実施形態によれば、携帯装置1に周辺装置2を装着した装着状態において折り畳み型の携帯装置1を開閉することができる。ユーザは、携帯装置1から周辺装置2を外さずに携帯装置1を開閉することができるので、便利である。なお、他の実施形態においては、支持部は上記所定面を支持してもよい。例えば、支持部は、下側ハウジング11の内側面に掛止することによって携帯装置1を支持する爪部を有していてもよい。
支持部が携帯装置1を支持するための機構はどのようなものであってもよい。本実施形態においては、支持部は、携帯装置1の側面を弾性体によって押圧することによって携帯装置1を支持する。すなわち、壁部51の壁面(装着状態において携帯装置1の側面に対向する面)には、弾性体で構成される押圧部材が設けられる。具体的には、図8に示されるように、壁部51は、複数(ここでは6つ)の押圧部材54a〜54fを有する。各押圧部材54a〜54fは、ゴム等の弾性体で構成される。また、複数の押圧部材はどのように配置されてもよいが、本実施形態においては、各押圧部材54a〜54fは、四方から携帯装置1を押圧する位置に設けられる。具体的には、第1押圧部材54aおよび第2押圧部材54bは、第1壁部51aの壁面に設けられる。第3押圧部材54cは、第2壁部51bの右側の壁面に設けられる。第4押圧部材54dは、第2壁部51bの下側の壁面に設けられる。第5押圧部材54eは、第3壁部51cの下側の壁面に設けられる。第6押圧部材54fは、第3壁部51cの左側の壁面に設けられる。このように、本実施形態においては、各押圧部材54a〜54fが四方から携帯装置1を押圧することで携帯装置1が支持される。これによって、周辺装置2は携帯装置1をバランス良くしっかりと支持することができる。なお、他の実施形態においては、複数の押圧部材は、2方向または3方向から携帯装置1を押圧する位置に設けられてもよい。
本実施形態によれば、携帯装置1に接触する周辺装置2の部分は弾性体であるので、携帯装置1および周辺装置2の互いの接触部分が衝撃によって破損する可能性を低減することができる。つまり、仮に情報処理システム(周辺装置2が装着された携帯装置1)に対して落下等によって衝撃が加えられた場合でも、2つの装置が破損する可能性を低減することができ、壊れにくい装置を提供することができる。
さらに、本実施形態においては、携帯装置1と周辺装置2との間の通信は赤外線通信によって行われるので、通信のための構成に関して言えば両者は非接触である。そのため、本実施形態においては、携帯装置1を支持するための支持機構によってのみ両者は接続されることになる。一方、コネクタ等で両者が物理的に接続される場合には、上記支持機構に加えて、通信のための構成によっても両者は接続される。したがって、本実施形態においては、仮に情報処理システムに対して衝撃が加えられると、コネクタ等で両者が物理的に接続される場合に比べると上記支持機構にはより大きな衝撃が加えられる。以上より、本実施形態においては、大きな衝撃が加えられても破損しにくい支持機構である、上記押圧部材を用いた支持機構を採用することが特に有効である。
なお、他の実施形態においては、携帯装置1を支持するための機構として、支持部は、携帯装置1の凹部に掛止可能な爪部を有していてもよい。例えば、携帯装置1に凹部が設けられる場合、当該凹部に爪部を掛止させることによって支持部は携帯装置1を支持してもよい。
なお、本実施形態においては、壁部51(第2壁部51b)には、携帯装置1の側面に設けられるストラップ穴11Fに対応する位置に、スリット58が設けられる。したがって、ストラップ穴11Fにストラップが取り付けられる場合には、装着状態においては当該ストラップをスリット58に通すことができる。これによって、携帯装置1の側面にストラップが取り付けられる場合でも、ユーザは、枠状の壁部51によって形成される空間に携帯装置1を挿入することができ、携帯装置1に周辺装置2を容易に装着することができる。また、ストラップをスリット58に通すことによって、周辺装置2が装着された携帯装置1を落とした場合に携帯装置1と周辺装置2とが外れにくくなる。さらに、本実施形態においては、図8に示されるように、スリット58は、スリット58が設けられる壁部51の側面に垂直な方向から見て鈎状に形成されている。これによって、ストラップがスリット58から外れにくくなり、その結果、携帯装置1と周辺装置2とが外れにくくすることができる。
支持部における底面部52は、携帯装置1(下側ハウジング11)の外側面を支持する。底面部52は、支持する面(ここでは下側ハウジング11の外側面)の全部または一部を覆うように形成されてもよい。本実施形態においては、底面部52は、上記外側面の一部を露出させるように形成される。これによれば、ユーザは、下側ハウジング11を外側面から押すことで携帯装置1から周辺装置2を外すことができるので、例えば上側ハウジング21を持つことなく、周辺装置2を容易に外すことができる。また、本実施形態においては、支持部は、上記外側面のうちの下側(y軸負方向側)の部分を露出させて携帯装置1を支持する。これによれば、ユーザは、左右いずれかの親指を外側面に当てて下側ハウジング11を外側面から押すことで、周辺装置2をより容易に外すことができる。また、本実施形態のように、壁部51における開口部が、外側面における露出部分と側面における露出部分とが連続するように形成される場合には、周辺装置2をより容易に外すことができる。さらに、本実施形態のように、携帯装置1が開閉可能(折り畳み可能)な2つのハウジングを備える装置である場合には、支持部によって支持されるハウジング(ここでは下側ハウジング11)の外側面における露出部分が、2つのハウジングが接続される辺(ここでは上側の辺)とは異なる辺(ここでは下側の辺)に接するようにしてもよい。これによれば、2つのハウジングを開いた状態においても、露出部分を押すことで周辺装置2を容易に外すことができる。
なお、本実施形態において、周辺装置2には、周辺装置2に対して着脱可能な電池蓋59が設けられる。周辺装置2の電源である電池は電池蓋59の内側に配置され、ユーザは電池蓋59を外した状態にすることで電池を交換することができる。電池蓋59の位置はどこであってもよいが、本実施形態においては、電池蓋59は、底面部52に設けられる。したがって、装着状態においては電池蓋59が携帯装置1によって覆われるので、電池蓋59が外れて電池が外れることを防止することができる。
(赤外線通信部の説明)
上述の赤外線通信部62は、赤外光を受信および送信する受発光部55を有する。受発光部55は周辺装置2のどこに設けられてもよいが、本実施形態においては、受発光部55は壁部51に設けられる。受発光部55は、例えば所定の周波数帯を透過する赤外線フィルタと、赤外線フィルタの内側に赤外線を受信および送信するモジュールとを有する。受発光部55の構成は上述の携帯装置1における受発光部27と同様であってもよい。受発光部55は、携帯装置1の受発光部27に対応する位置に、換言すれば、携帯装置1の受発光部27に対向する位置の壁部51に設けられる。具体的には、図8および図9に示されるように、受発光部55は、下側ハウジング11の上側側面を支持する第1壁部51aに設けられる。詳細は後述するが、これによって、装着状態において携帯装置1と周辺装置2との間で赤外線通信が可能となる。
(把持部)
また、周辺装置2は、ユーザが把持可能な把持部を備えていてもよい。携帯装置1に周辺装置2を装着する場合には、装置全体(携帯装置1および周辺装置2)のサイズが大きくなるが、周辺装置2に把持部を設けることで、装置全体を持ちやすくすることができる。本実施形態においては、図10に示すように、周辺装置2は把持部53aおよび53bを備える。把持部の位置は任意であるが、本実施形態においては、各把持部53aおよび53bは、携帯装置1の操作面の裏側に配置される。なお、携帯装置1の操作面とは、装着状態において露出される面であり、使用時においてユーザが見る対象となる面である。ここでは、操作面は下側ハウジング11の内側面(主面)である。具体的には、各把持部53aおよび53bは、底面部52の裏側に配置される。これによって、ユーザは各把持部53aおよび53bを把持することで、携帯装置1の上記操作面を見ることができる。つまり、ユーザは、装着状態において周辺装置2を把持して携帯装置1を使用することができる。さらに、本実施形態において、各把持部53aおよび53bは、凸型に形成される。これによれば、ユーザは、凸型の部分に指(薬指や小指)を当てて周辺装置2を把持することで、周辺装置2がより持ちやすくなる。
(操作部)
本実施形態においては、周辺装置2は上記付加機能部として操作部57を備えている。操作部57に含まれる操作部材の種類、位置、数等は任意である。本実施形態においては、操作部57は、スライドパッド57a、追加Rボタン57b、ZLボタン57c、およびZRボタン57dを含む。本実施形態においては、操作部57は、操作ボタンおよび方向入力デバイス(スライドパッド)を含んでいるが、他の実施形態においては、操作部57は、トラックボールあるいはキーボード等を含んでいてもよい。
スライドパッド57aは、方向および大きさを指示可能な方向入力デバイスの一例である。スライドパッド57aはどこに配置されてもよいが、本実施形態においては、下側ハウジング11の内側面を支持する壁部51(第2壁部51b)における表面に設けられる(図8参照)。つまり、スライドパッド57aは、装着状態において下側ハウジング11の操作面の側方(ここでは、右側)に配置される。スライドパッド57aは、装着状態において周辺装置2の左右両側を把持した場合に、親指で操作可能な位置に配置される。なお、他の実施形態においては、スライドパッド57aは、例えば装着状態において下側ハウジング11の操作面の裏側に配置されてもよいし、操作面の下方に配置されてもよい。
また、操作部57は追加Rボタン57bを含む。追加Rボタン57bは、周辺装置2のどこに配置されてもよい。本実施形態においては、追加Rボタン57bは、第2壁部51bにおける右側面を支持する部分の上側(y軸正方向側)の側面に設けられる(図8参照)。つまり、追加Rボタン57bは、装着状態において携帯装置1のRボタン14Hの外側(左右方向に関して携帯装置1の中央から見て外側)に配置される。追加Rボタン57bは、装着状態において周辺装置2の左右両側を把持した場合に、人差し指(あるいは中指)で操作可能な位置に配置される。
ここで、本実施形態においては、装着状態において携帯装置1の右側にはスライドパッド57aが配置されるので、携帯装置1のRボタン14Hはユーザにとって押しにくくなる。そこで、本実施形態においては、携帯装置1に対してスライドパッド57aと同じ側に配置される追加Rボタン57bを設ける構成としている。これによれば、例えば、携帯装置1において実行されるゲームアプリケーションにおいてRボタン14Hと同じ機能が追加Rボタン57bに割り当てられる場合には、ユーザは、Rボタン14Hに代えて追加Rボタン57bを使用することができる。このように、追加Rボタン57bによって、装着状態においてもRボタン14Hを用いた操作を容易に行うことができ、周辺装置2によって携帯装置1の操作性が低下することを防止することができる。さらに、本実施形態においては、追加Rボタン57bは、携帯装置1に周辺装置2が装着されない場合においてRボタン14Hを操作可能な指(右手の人差し指あるいは中指)で、操作可能な位置に配置される。したがって、ユーザはRボタン14Hと同じ操作感覚で追加Rボタン57bを使用することができ、周辺装置2の操作性をより向上することができる。
また、追加Rボタン57bの押下方向(押下可能な方向)はどの方向であってもよいが、本実施形態においては、追加Rボタン57bの押下方向は、携帯装置1のRボタン14Hの押下方向と同じ方向(すなわち、下方向)である。したがって、ユーザは、携帯装置1のRボタン14Hと同様の操作感覚で追加Rボタン57bを操作することができ、操作性をより向上することができる。
また、操作部57は、ZLボタン57cおよびZRボタン57dを含む。ZLボタン57cおよびZRボタン57dは周辺装置2のどこに配置されてもよい。本実施形態においては、図8および図10に示されるように、ZLボタン57cは周辺装置2における左上部分に設けられ、ZRボタン57dは周辺装置2における右上部分に設けられる。つまり、装着状態においては、ZLボタン57cは携帯装置1の操作面に対して左上に配置され、ZRボタン57dは携帯装置1の操作面に対して右上に配置される。また、ZLボタン57cは、装着状態において携帯装置1のLボタン14Gの後方(z軸負方向)に配置される。ZRボタン57dは、追加Rボタン57bの後方に配置される。このように、ZLボタン57cおよびZRボタン57dは、装着状態において周辺装置2の左右両側を把持した場合に、中指(あるいは人差し指)で操作可能な位置に配置される。また、ZLボタン57cおよびZRボタン57dの押下方向は、どの方向であってもよいが、本実施形態においては、下向きでかつやや前方(z軸正方向側)を向くように設定される。
(周辺装置2の内部構成)
図11は、周辺装置2の内部構成を示すブロック図である。図11に示されるように、周辺装置2は、操作部57と、制御部61と、赤外線通信部62とを備える。操作部57は制御部61に接続され、制御部61は赤外線通信部62に接続される。
操作部57は、操作部57に含まれる操作デバイス(スライドパッド57aおよび各ボタン57b〜57d)に対する操作を表す操作データを制御部61へ出力する。制御部61は、周辺装置2における各種の情報処理を行う。例えば、制御部61は、操作部57から操作データを受け取り、操作データを携帯装置1へ送信するべく赤外線通信部62へ出力する。また例えば、制御部61は、周辺装置2における電源制御を行ってもよい。例えば、制御部61は、上記各ボタン57b〜57dに対して所定時間操作が行われない場合、周辺装置2における各部をオフ(スリープ状態)に制御する。そして、上記各ボタン57b〜57dに対して操作が行われた場合、周辺装置2における各部をオンに制御する。赤外線通信部62は、携帯装置1との間で赤外線通信を行う。具体的には、制御部61から操作データが出力されると、当該操作データを赤外線信号に変換して赤外線を出射する。また、赤外線通信部62は、携帯装置1からの赤外線信号を受信すると、受信したデータを制御部61へ出力する。なお、本実施形態においては、携帯装置1は、周辺装置2を制御するための制御指令を表す赤外線信号を周辺装置2へ送信してもよい。
(携帯装置1に周辺装置2を装着した情報処理システムの説明)
本実施形態において、周辺装置2を携帯装置1に装着する場合、ユーザは、枠状の壁部51によって囲まれる空間に携帯装置1の下側ハウジング11を挿入する。これによって、下側ハウジング11の側面が壁部51の各押圧部材54a〜54fによって押圧されることで、下側ハウジング11が支持部によって支持される。
図12は、装着前後における携帯装置1および周辺装置2を示す図である。上述のように、携帯装置1の受発光部27は、本実施形態においては下側ハウジング11の上側側面に設けられ、赤外線通信部62の受発光部55は、携帯装置1の受発光部27に対応する位置に設けられる。したがって、図12に示されるように、装着状態においては、携帯装置1の受発光部27と周辺装置2の受発光部55とが互いに対向するように配置される。換言すれば、支持部(壁部51)は、携帯装置1における赤外線の受発光部27が周辺装置2の上記赤外線通信部62との間で赤外線を送受信可能な位置に位置決めされるように、携帯装置1を支持する。
このように、支持部は、携帯装置1の赤外線通信部と周辺装置2の赤外線通信部とが通信可能となるように、携帯装置1を支持する。したがって、本実施形態によれば、携帯装置1に周辺装置2を装着することによって、携帯装置1と周辺装置2との間で通信が可能となる。その結果、周辺装置2の機能を携帯装置1に付加することができる。つまり、本実施形態によれば、コネクタを用いることなく簡易な構成で携帯装置1に周辺装置2を接続することができる。
なお、コネクタ等によって2つの装置における各通信部を接触させる接続方法では、接続時にユーザが装置を誤って落としてしまった場合に、2つの装置の接続部分(コネクタ部分)が破壊されてしまうおそれがある。これに対して、本実施形態においては、2つの装置の装着時において各通信部は非接触の状態である。そのため、仮にユーザが装置を落としてしまった場合でも、各通信部が破壊されるおそれは少なく、より安全な情報処理システムを提供することができる。なお、本実施形態のように、携帯装置1が、子供も使用することが想定されるゲーム装置である場合や、携帯装置1が自身の動きを検知するセンサ(ここでは加速度センサ)を備え、ユーザが携帯装置1を動かして使用することが想定される場合には、ユーザが装置を落としてしまった場合でも装置が壊れにくい本接続方法が特に有効である。
なお、本実施形態によれば、携帯装置1が備える通信機能(赤外線通信機能)を用いて周辺装置2との通信が行われるので、携帯装置1に通信部を追加することなく、携帯装置1と周辺装置2との間の通信を可能とすることができる。携帯装置1と周辺装置2との間の通信方法としては、例えば外部メモリ44を接続するためのコネクタに、周辺装置2との通信が可能な通信部を有するカートリッジを挿入することによって、当該カートリッジを介して携帯装置1と周辺装置2との間で通信を行う方法も考えられる。本実施形態によれば、上記の方法に比べてより汎用性の高い周辺装置2を提供することができる。
また、本実施形態においては、受発光部27は携帯装置1の側面に設けられ、壁部51は装着状態において携帯装置1の側面を囲み、赤外線通信部62(受発光部55)は、受発光部27に対向する位置の壁部51(第1壁部51a)に設けられる。したがって、壁部51は、操作面を露出させた状態で携帯装置1を支持することができるとともに、受発光部27が適切な位置となるように携帯装置1の位置決めを行うことができる。さらに、壁部51は受発光部27に対向するので、壁部51によって外部光(受発光部55以外からの光)が受発光部27に入射されることを防止することができる。以上のように、本実施形態においては、壁部51は、受発光部27が適切な位置となるように位置決めを行う機能とともに、外部光を遮蔽する機能を有することとなる。これによって、周辺装置2は赤外線通信を精度良く行うことができる。
上記のように、壁部51は、装着状態において受発光部27を覆うように形成される。具体的には、本実施形態においては、図8に示されるように、受発光部55の周囲には壁部(第1壁部51a)が形成される。なお、他の実施形態においては、受発光部55の周囲に弾性体の押圧部材が設けられ、装着状態においては当該押圧部材によって受発光部27の周囲が押圧されてもよい。これによっても、外部からの光が受発光部27に入射されることを防止することができる。また、本実施形態においては、2つの受発光部27および55は、互いの間に隙間がほとんど無い状態となるように配置される(図12参照)が、他の実施形態においては、2つの受発光部27および55の間に若干の隙間が生じてもよい。隙間が小さいほど壁部51による遮蔽効果は高まるが、若干の隙間が生じる場合であっても、周辺装置2は壁部51によって外部光をある程度遮蔽することができる。
なお、他の実施形態においては、受発光部27は、携帯装置1(下側ハウジング11)の外側面に設けられてもよい。すなわち、受発光部27は携帯装置1の所定面(外側面)に設けられ、支持部は、装着状態において携帯装置1の当該所定面に対向する部分を有し、赤外線通信部は支持部における当該部分に設けられてもよい。これによっても、支持部の上記部分によって受発光部27への外部光を遮蔽することができる。なお、受発光部27が下側ハウジング11の外側面に設けられる場合、底面部52が支持部における上記部分として機能する。
装着状態において、ユーザは、周辺装置2を把持して情報処理システム(携帯装置1および周辺装置2)を使用することができる。本実施形態においては、周辺装置2の左右両側に各把持部53aおよび53bが設けられるので、ユーザは、情報処理システムの左右両側を両手で把持することができる。具体的には、ユーザの左手に関して、親指が携帯装置1のスライドパッド15または十字ボタン14Aに位置し、人差し指が携帯装置1のLボタン14Gに位置し、中指が周辺装置2のZLボタン57cに位置し、薬指および小指が把持部53aに位置するようにして、ユーザは情報処理システムを把持することができる。また、ユーザの右手に関して、親指が周辺装置2のスライドパッド57aに位置し、人差し指が周辺装置2の追加Rボタン57bに位置し、中指が周辺装置2のZRボタン57dに位置し、薬指および小指が把持部53bに位置するようにして、ユーザは情報処理システムを把持することができる。これによれば、ユーザは、2つのスライドパッド15および57aと、少なくとも4つのボタン14G,57b〜57dを用いて操作を行うことができ、携帯装置1を単体で使用する場合よりも複雑な操作を行うことができる。
ここで、本実施形態においては、携帯装置1の操作面の右側には周辺装置2によって操作部(スライドパッド57a)が追加される一方、携帯装置1の操作面の左側には周辺装置2によって操作部が追加されない。つまり、携帯装置1は、操作面において左右方向に関して一方側(左側)に設けられる所定の操作部材(スライドパッド15)を有し、周辺装置2の操作部は、装着状態において、操作面の外側であって、当該一方側の反対側に配置される操作部材(スライドパッド57a)を含む。これによれば、ユーザは、右手で周辺装置2を把持するとともに、左手の親指で携帯装置1を押さえて情報処理システムを把持することができる。つまり、ユーザが情報処理システムを把持すると携帯装置1を押さえることになるので、周辺装置2が携帯装置1から外れることがユーザ自身の手によって防止されることとなる。
なお、本実施形態においては、携帯装置1は、左右の肩部にそれぞれ操作ボタンを有する。つまり、携帯装置1は、所定の側面において一方側に設けられる第1操作ボタン(Lボタン14G)と、当該所定の側面において他方側に設けられる第2操作ボタン(Rボタン14H)とを有する。ここで、左肩の操作ボタンに関して言えば、壁部51は、上記Lボタン14Gに対向する部分が少なくとも開口しているので、装着状態においてユーザは左肩の操作ボタンとしてLボタン14Gを容易に操作することができる。一方、右肩の操作ボタンに関して言えば、携帯装置1の操作面の右側に追加されるスライドパッド57aによってRボタン14Hが押しにくくなるが、当該Rボタン14Hの右側に追加Rボタン57bが設けられる。つまり、操作部57は、装着状態においてRボタン14Hよりも上記他方側の位置に配置される操作ボタン(追加Rボタン57b)を含んでいる。そのため、装着状態においてユーザは右肩の操作ボタンとして追加Rボタン57bを容易に操作することができる。したがって、本実施形態においては、装着状態においても携帯装置1を単体で操作する場合と同様、ユーザは、情報処理システムの左右の肩部に配置される操作ボタンを操作することができる。装着状態においてもユーザは左右の人差し指または中指でボタン操作を行うことができるので、より複雑な操作を行うことができる。
さらに、本実施形態においては、操作部57は、装着状態においてLボタン14Gの後方に配置される操作部材(ZLボタン57c)と、追加Rボタン57bの後方に配置される操作部材(ZRボタン57d)とを含む。したがって、本実施形態においては、情報処理システムの左右の肩部にそれぞれ2つずつ、合計4つのボタンが設けられる。これによれば、ユーザは、周辺装置2を把持した場合に人差し指および中指(あるいは、中指および薬指)でボタン操作を行うことができるので、より複雑な操作を行うことができる。
また、本実施形態においては、左右の肩部の手前側に配置される操作ボタン(Lボタン14Gおよび追加Rボタン57b)の押下方向が下方向であり、奥側に配置される操作ボタン(ZLボタン57cおよびZRボタン57d)の押下方向が下方向よりも手前側を向くように設定される。したがって、上記手前側に配置される操作ボタンを人差し指で操作し、上記奥側に配置される操作ボタンを中指で操作することによって、ユーザはこれらの操作ボタンを押しやすく操作することができる。
[4.変形例]
周辺装置2の支持部は、携帯装置1を着脱可能に支持するものであればよく、上記実施形態に示す壁部51および底面部52を有するものに限らない。例えば、支持部は、環状の形状を有し、携帯装置1の側面を支持するものであってもよい。このとき、支持部は底面部を有していてもよいし、有していなくてもよい。また、支持部が伸縮性(弾性)を有する材質で構成されてもよい。これによれば、携帯装置1に対して支持部(周辺装置2)を装着しやすくなるとともに、サイズの異なる複数種類の携帯装置に対して周辺装置2を装着することが可能となる。また、本変形例において周辺装置2が付加機能部として操作部を備える場合には、上記実施形態におけるスライドパッド57aと同様、携帯装置1の操作面と略同一の平面上に操作部が配置されてもよい。これによれば、ユーザは、操作面を見ながら操作部を容易に操作することができる。
また、携帯装置1と周辺装置2との間の通信は、赤外線通信に代えて、例えばBluetooth(登録商標)等による無線通信であってもよい。すなわち、携帯装置1は無線通信機能を有し、周辺装置2は、携帯装置1と無線通信可能な通信部を備えていてもよい。なお、このとき、支持部は、携帯装置1を着脱可能に支持することができればよく、携帯装置1の通信部が周辺装置2の通信部に応じた位置となるように位置決めを行わなくてもよい。携帯装置1と周辺装置2との間の通信が無線通信である場合においても上記実施形態と同様、携帯装置1の通信部と周辺装置2の通信部とが互いに接触しない状態で通信を行う。これによれば、通信のための構成に関して2つの装置を非接触にすることができ、各通信部が破壊されるおそれが少ない、より安全な情報処理システムを提供することができる。