JP6412393B2 - 液化ガス消費設備での燃料ガス配送警告方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液化ガス消費設備での燃料ガス管理システムでのガス補給タイミングを報知する警告方法に関し、特に、LPガスを燃料としている防災用発電機での燃料ガス供給タイミングを報知する燃料ガス配送警告方法に関する。
LPガス等の液化ガスを消費している一般家庭や工場等においては、複数本、例えば2本のガス容器を備えたガス供給源が利用されている。このガス供給源では、2本のガス貯蔵容器からのガスの供給が自動切換え装置を介して行われており、一方のガス貯蔵容器が空になると自動切換え装置によって他方のガス貯蔵容器からガス貯蔵容器からの供給に自動的に切替えられてガスが供給されるようになっている。
このように一方のガス貯蔵容器が空になると、他方のガス貯蔵容器に自動的に切替えるシステムでは、一方のガス貯蔵容器が空になる度にそのガス貯蔵容器を交換する片側交換方式によって、ガス貯蔵容器補充作業が行われる。このガス貯蔵容器の補充作業は、一般にLPガス供給業者は効率良く配送するため地域毎にまとめて行っており、ガス消費状況から、次回のガス需要家個々のLPガス配送時期を推測して地域毎計画的にLPガス容器の交換を行うようにしている。
近年、災害発生などの非常時でも、情報機器や防災に用いる電力使用機器の使用に支障をきたさないように、LPガスを燃料とする防災用発電機が装備されるようになってきている。防災用発電機が稼動すると、ガスの消費量が急激に増大することから、先に述べた計画配送では、各種ガス消費機器へのガス供給が間に合わない恐れがある。
そこで、LPガス供給配管系に検針情報を監視センターに送信するための伝送装置を備えたガスメーターや、ガス供給系を自動切換する切換器が作動して一方のガス容器から他方のガス容器に切替わった際に容器交換通報を発する機構、ガス貯蔵容器が交換された際に配送業者等により操作されるリセットスイッチを装備して、実消費量を基にガス容器の配送を行うようにしたものも提案されている。(特許文献1)
また、本出願人の一人は先に、複数本のガスボンベを切換え器で接続し、ガス貯蔵容器を交換したことを入力する交換操作手段と、ガス貯蔵容器からのガス消費量を積算して計測する流量計測手段と、流量計測手段での積算値が警告量に到達したこと及び交換操作手段からの入力を受けたことを管理センターに通報する通報手段と、ガス貯蔵容器の交換容量を設定するガス貯蔵容量設定手段とを備えたガス残量管理装置を提案している。(特許文献2)
特許第4704549号公報 特開2009−30671号公報
前記特許文献1で開示の技術は、ガス容器切換え信号が発せられてから、実際に新たなガス容器が配送されて設置されるまでの間に、切換わった後のガス容器からガスが消費始まっていることから、ガス供給源全体の満杯ガス量から予め定められているガス残量補正値を減算して、交換後の残量設定値を算出し、交換後のガス残量を交換後ガス残量設定値にリセットするようにしている。しかし、防災用発電機が設置されガスの消費量が安定的でない環境下では、補正値と実際のガス消費量に誤差が生じ、これでは、急激な消費量の増大が見込まれる災害時には、十分対応しきれず、ガス切れを起こす懸念がある。
また、前記特許文献2に開示の技術では、自動切換器から二股の分岐管を設けるとともに、分岐管の一方に供給側のガス貯蔵容器(ガスボンベ)を接続するとともに、他方に予備側のガス貯蔵容器(ガスボンベ)を接続し、自動切換器とガス設備との間にボンベからのガスの消費量を積算して計測する流量計測手段と、流量計測手段での積算値が警告値に到達したこと及びガスボンベを交換した際に操作する交換操作手段への入力を外部の監視センターに通報する通報手段を備え、個々のガス貯蔵容器での貯蔵量を基準に設定した警告値で通報し、ガス容器を交換するようにしている。このため、このものにあっても、急激な消費量の増大が見込まれる災害時には、設置してある全ガス容器の残量を考慮して平常時の計画的な配送よりも早いタイミングで緊急配送を行う必要があり、ガス切れを起こす懸念がある。
本発明はこのような点に鑑み提案されたもので、液化ガス消費設備のガス供給源に燃料ガスを適切なタイミングで配送するとともに、配送後の燃料ガス量をその時点で残っている燃料ガス量に新たに配送された燃料ガス量を加算してガス供給源の総燃料ガス量として認識するようにして、適切なガス配送が行えるようにする方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、請求項1に記載した本願発明では、自動切換器から導出した2系統の分岐管の一方に供給側のガス貯蔵容器を接続するとともに、他方に予備側のガス貯蔵容器を接続し、自動切換器とガス消費設備との間のガス供給路にガス貯蔵容器からのガスの消費量を計測する流量計測手段と、流量計測手段での検出値が警告値に到達したこと及びガス貯蔵容器を交換した際に操作する交換操作手段への入力を外部の監視センターに通報する通報手段を備えてなる液化燃料ガス配送システムでの液化燃料ガスの配送時期を警告する方法であって、
自動切換器とガス消費設備との間のガス供給路に配置した前記流量計測手段で検出した流量を貯留ガス量から減算してガス残量を算出し、使用するガス貯蔵容器を切換えることで使用済みとなったガス貯蔵容器を配送されてきた満充填のガス貯蔵容器に取り替えた際、前記ガス残量と新たに設置したガス貯蔵容器に充填されているガス貯蔵量との値を流量計測手段の残量カウンターに加算し新たなガス貯蔵量とし、この新たなガス貯蔵量を基準に配送警報を発令するようにしたことを特徴としている。
請求項2に記載した本発明では、請求項1に記載の構成に加えて、自動切換器とガス消費設備との間のガス供給路から防災用発電機を駆動するガスエンジンへのガス供給路を分岐導出したことを特徴としている。
さらに、請求項3に記載した本発明では、請求項1又は2に記載の構成に加えて、配送警報の基準値を少なくとも2つ設定し、第1基準値で配送準備警告、第2基準値で配送警告を発令することを特徴としている。
本発明では、ガス供給路が分岐する前の個所に配置した流量計測手段で検知したガス消費量とガス貯蔵容器での充填残量とから防災用発電機の稼動可能残り時間を算出し、その残り時間を表示するようにしていることから、ガス消費設備や非常用発電機の稼動可能な継続時間を容易に知ることができる。これにより、ガス消費者は日常的にガス残量を確認することができ、例えば急激なガス消費によりガス残量が不足する場合には、ガス供給の監視センターに連絡することができる。また、このガス残量から、非常時に使用するガス器具や使用する時間を状況による優先順位から選択し、非常時に最良の対応をすることが可能となる。
これは、特に震災時など次の配送が何時行われるかわからない状況ではライフライン確保に有効な手段となる。
ガス消費設備−非常用発電機併給形式のLPガス供給システムを示す概略構成図である。 残量管理用流量装置のブロック図である。 残量カウンターと配送管理カウンターの動作イメージを示す図である。 残り時間の算出イメージを示す図である。
LPガス供給システムは、ガス貯蔵室(1)に収容されている少なくとも2本のLPガス蔵容器(2)と、各LPガス蔵容器(2)のガス取出口(3)にガス取出配管(4)で接続される自動切換器(5)と、自動切換器(5)から連出されガス器具等のガス消費設備(6)及び防災用・非常用ガス発電機(7)に接続されるガス供給路(8)に配置される残量管理用流量装置(9)と残量管理用流量装置(9)の下流側でのガス供給路(8)に配置されるガスメーター(10)とで構成されている。但し、ガスの販売形態によってはガスメーター(10)が設置されない場合もある。
自動切換器(5)は、使用中のLPガス貯蔵容器(2)でのガス残量が予め設定されているガス量を下回ると、使用するLPガス貯蔵容器を切換えて、ガス消費設備にガスを継続的に供給できるようにするもので、圧力調整機能も有している。
ガスメーター(10)は、ガス供給路(8)を流通するガス量を積算表示するものであり、残量管理用流量装置(9)の下流側でのガス供給路(8)から分岐導出されているガス消費設備(6)へのガス供給路(8a)と防災用・非常用ガス発電機(7)へのガス供給路(8b)とにそれぞれ装着されている。
残量管理用流量装置(9)は、瞬時に流量計測が行える超音波式のガス流量計(11)と、ガス流量計(11)から送られる通過流量データから通過体積を減算する残量カウンター(17)及びガス流量計(11)から送られる通過流量データを積算する配送管理カウンター(18)と、ガス流量計(11)から得られる情報を管理センターに電話回線等を介して送信するNCU(ネットワークコントロールユニット)である通信制御部(16)とを有している。
より詳しく言えば、残量管理用流量装置(9)は、ガス貯蔵容器(2)の交換を促す情報等の各種情報を表示する液晶等の表示器(12)、ガスの流量を検知する流量センサー(13)と流量計測部、体積換算部から構成されるガス流量計(11)、ガス貯蔵容器(2)を交換した際に操作する交換操作スイッチ(14)、交換後のガス貯蔵容器に貯蔵されているLPガス貯蔵量を設定するキーボード等の設定器(15)、前記通信制御部(16)、流量計測・演算・記憶・通信などの制御を行うCPU制御部、及び情報を送受するインターフェースとで構成してある。
また、この残量管理用流量装置(9)には、ガス貯蔵容器(2)の交換操作時に操作されるマグネットスイッチ(20)が内蔵してあり、ガス貯蔵容器(2)を交換した際に配送業者が操作用マグネットを接近させることで、スイッチが作動してガス容器交換信号を監視センターに送信できるようになっている。このガス容器交換信号が届くことで監視センターはガス貯蔵容器の配送あるいはガス貯蔵容器へのガス補給が完了したことを知ることができる。
このようなガス残量管理用流量装置(9)を用いてのガス残量管理方法は次の手順からなっている。
まず、満充填されている複数のガス貯蔵容器(2)をガス貯蔵室(1)にセットし、転倒防止手段でガス貯蔵容器(2)を所定姿勢に保持する。そして、各ガス貯蔵容器(2)のガス取出口(3)を自動切換器(5)にガス取出配管(4)で接続して、自動切換器(5)で選択されてガス供給路(8)に連通接続する使用ガス貯蔵容器(2a)と、その時点ではガス供給路(8)に連通接続していない待機ガス貯蔵容器(2b)となって、使用準備が整う。
ガス消費設備でのガス消費が始まると、使用ガス貯蔵容器(2a)からのガスがガス供給配管を介してガス消費設備に供給される。
ガス消費に伴い、ガス貯蔵容器内に充填されているガス貯蔵量が減少するが、このガス消費量の管理は図3bに示すように、ガス供給路(8)を流れるガス流量をガス流量計(11)の流量センサで検出し、このガス流量計(11)から伝達される通過流量データからその通過体積を配送管理カウンタ−(18)に積算し、その積算流量が予め設定した第1配送警告値に達すると、通信制御部(16)を介して配送準備警告を監視センターに通報する。
さらに、ガスの消費が進み積算流量が第2配送警告値に達すると、通信制御部(16)を介して配送指令警告を監視センターに通報する。
監視センターからの配送指令に応じて、配送業者がガス貯蔵容器(2)を交換し、交換操作時に操作されるマグネットスイッチ(20)を配送業者が操作すると、ガス貯蔵容器(2)を交換した信号が監視センターに送信される。また、交換操作時に操作されるマグネットスイッチ(20)の操作によって、配送管理カウンターでの積算値をクリアして、新たな消費量の積算を開始する。なお、配送業者が新しいガス貯蔵容器(2)を設置するまでに、使用中のガス貯蔵容器(2a)の貯蔵ガスが消費され尽すと、自動切換器(5)が作動して、それまでの待機ガス貯蔵容器(2b)をガス供給路(8)に連通接続させて、ガス供給が継続されている。
一方、ガス流量から消費体積を演算し、その消費体積をガス貯蔵容器に貯蔵されている満充填量から減算処理して、ガス貯蔵容器に残っているガス量を算出し残量カウンター(17)に記憶し、カウンター表示部(12)に表示する。また、そのガス残量と、ガス消費時での平均流量から、ガス貯蔵容器内に残存しているガス量で残り何時間ガス消費を継続できるかを算出して、カウンター表示部(12)に表示する。そして、前述のガス貯蔵容器交換に伴うマグネットスイッチ(20)の操作によって、ガス貯蔵容器に残っている実ガス残量に新たに配送されたガス量を加算して、貯蔵ガス量をリセットする。またこの時、交換を行う使用ガス貯蔵容器(2a)にガスが残っていた場合でも加算後の残量カウンター値は満充填量を超えないようにする。これにより、ガス貯蔵容器内のガス貯蔵量で、ガス機器の残り稼働時間を知ることができる。さらに、ガス残量が予め設定した限界値に達すると。残量警告を報知するLED警告灯が点滅するとともに、残量が限界値に達していることを管理センターに通報するようになっている。
また、本実施形態のように、ガス供給路(8)に防災用・非常用LPガス燃料駆動発電機(7)が接続されている場合、防災用・非常用ガス駆動発電機(7)の稼動により、図4に示すように、ガス流量計(11)で測定されるガス流量が急激に増大することになる。この急激に増大する流量の瞬時流量と、その時点でのガス貯蔵容器に残っているガス量とから、ガス貯蔵容器内に残存しているガス量で残り何時間ガス消費を継続できるかを算出してカウンター表示部(12)へ表示することによって、ガス消費者が自らガス消費機器の使用を制限するなどして、防災用・非常用ガス発電機(7)の稼働時間延長をする操作を採ることができる。
上記の実施形態では、ガス貯蔵容器として、搬送可能なガスボンベを念頭に説明したが、据え置き型ガスタンクにLPガスを補給する形式のガス貯蔵容器にも利用することができる。
本発明は、通常LPガス供給設備に適用することができるが、非常用・防災用LPガス燃料発電機を併設しているLPガス供給設備では、特に有効である。

Claims (3)

  1. 自動切換器から導出した2系統の分岐管の一方に供給側のガス貯蔵容器を接続するとともに、他方に予備側のガス貯蔵容器を接続してガス供給系を構成し、自動切換器とガス消費設備との間のガス供給路にボンベからのガスの消費量を計測する流量計測手段と、流量計測手段での検出値が警告値に到達したこと及びガス貯蔵容器を交換した際に操作する交換操作手段への入力を外部の監視センターに通報する通報手段を備えてなる液化燃料ガス配送システムでの燃料ガスの配送時期を警告する方法であって、
    自動切換器とガス消費設備との間のガス供給路に配置した前記流量計測手段で検出した流量を貯留ガス量から減算してガス供給系でのガス残量を算出し、使用するガス貯蔵容器を切換えることで使用済みとなったガス貯蔵容器を配送されてきた満充填のガス貯蔵容器に取り替えた際、前記ガス残量と新たに交換設置したガス貯蔵容器に充填されているガス貯蔵量との値を流量計測手段の残量カウンターに加算し新たなガス貯蔵量とし、この新たなガス貯蔵量を基準に配送警報を発令するようにしたことを特徴とする液化ガス消費設備での燃料ガス配送警告方法。
  2. 自動切換器とガス消費設備との間のガス供給路から防災用発電機を稼動するガスエンジンへのガス供給路を分岐導出した請求項1に記載した液化ガス消費設備での燃料ガス配送警告方法。
  3. 配送警報の基準値を少なくとも2つ設定し、第1基準値で配送準備警告、第2基準値で配送警告を発令するようにした請求項1に記載した液化ガス消費設備での燃料ガス配送警告方法。
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