JP6411966B2 - 受信装置及び干渉推定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、受信装置及び干渉推定方法に関する。
近年、各種無線通信システムの普及により周波数資源の枯渇が問題となっており、複数の無線信号による周波数共用化を図ることで周波数利用効率を向上する重畳伝送技術の検討が進められている。例えば、図11は、周波数帯域を共用する無線通信システムの組合せの一例として、周波数チャンネルが異なる2つの無線LAN(Local Area Network)システム全体を示す概念図である。同図において、無線通信システムは、無線LAN基地局10a及び無線LAN基地局10bと、パソコン等で構成する受信装置20aとを備えている。無線LAN基地局10aは、中心周波数faであるチャネルCH1の周波数帯域を用いて通信する。一方、無線LAN基地局10bは、中心周波数fb(fa<fb)であるチャネルCH5の周波数帯域を用いて通信する。
受信装置20aは、無線LAN基地局10aと無線LAN基地局10bとの双方の無線信号が到達する位置に配置される。受信装置20aは、希望信号Dである中心周波数faの無線信号と、干渉信号Uである中心周波数fbの無線信号との2つの無線信号が部分的に互いに干渉した信号を受信する。なお、周波数帯域を共用する他の例として、無線LANシステムと、Bluetooth(登録商標)と、WiMAX(登録商標)との組合せなどがあり、異なる通信方式のシステム同士が周波数共用する場合も考えられる。
図11では、希望信号Dの上端周波数と干渉信号Uの下端周波数の連続した周波数スペクトラムが重畳するような事例を示したが、干渉信号が相対的に狭帯域信号である場合も想定される。また、図12に示すように、希望信号Dに対する干渉信号Uが、周波数ホッピング等の伝送方式により複数の狭帯域信号で構成される場合がある。またあるいは、図13に示すように、複数の干渉源から異なる通信方式の干渉信号U1、U2が到来する場合なども想定される。
一般にこのような干渉波が存在する場合、通信特性が著しく劣化する。そこで、所望波の伝送方式がマルチキャリアであり、かつ、誤り訂正符号化されていることを前提に、干渉の影響を抑圧しながら受信信号をFEC(forward error correction:前方誤り訂正)復号し、正確な伝送を実現する技術がある(例えば、非特許文献1参照)。具体的には、所望波の復調前に、受信信号に対して干渉波の影響を抑圧する。干渉波の影響を抑圧するためには、受信信号のうち干渉波の存在する周波数成分をRF(Radio Frequency:無線周波数)段やIF(Intermediate Frequency:中間周波数)段においてフィルタリング処理する。あるいは、干渉波の影響を抑圧するために、ベースバンド領域において該当周波数成分に対する尤度の重み付け処理を施す。このように干渉波の影響を抑圧した後、受信信号を復調及び復号する。
非特許文献1のような受信処理を実施するためには、干渉波が存在する周波数帯域(各サブキャリアの干渉確率)や所望波対干渉波電力比を検出する必要があるが、これらが不要な受信方法も提案されている(例えば、特許文献1参照)。この受信方法では、受信信号の仮復調復号の結果、CRC(Cyclic Redundancy Check:巡回冗長検査)検出等の手段において誤りが生じなかったパケットに対して所望信号の受信レプリカ信号を生成する。そして、受信信号からその受信レプリカ信号を差し引いた結果である残留信号電力が閾値を越えたサブキャリアを干渉帯域として同定し、その干渉帯域の残留信号電力を干渉電力として推定する。
しかしながら、CRC検出において誤りの無いパケットを十分数得るまでには、非常に多数のパケットの伝送を要することから、干渉検出までの遅延時間が大きな問題となる。等電力変調方式であれば必ずしもCRCチェックを通過していなくても干渉検出は可能であるが、それでも複数パケットを要する問題がある。
これに対し、雑音信号及び干渉信号の振幅分布はガウス分布に従うという統計的性質を利用して、EM(Expectation Maximization)アルゴリズム(例えば、非特許文献2参照)を適用して干渉検出に要する時間を短縮化する技術がある(例えば、非特許文献3参照)。この技術では、前記の残留信号を「所望信号から所望波の硬判定レプリカを差し引く」ことで算出する。そして、kシンボル平均化した残留信号を、観測データのサブキャリア数と同数のL個準備した後、EMアルゴリズムを繰り返し適用する。EMアルゴリズムでは、「Eステップ:観測データに対する対数尤度の条件付き期待値(Q関数)を導出」し、「Mステップ:Q関数を最大化する干渉パラメータを導出」する。EMアルゴリズムを繰り返し適用することにより、最終的な干渉パラメータを導出する。なお、干渉パラメータとは干渉確率、及び雑音・干渉電力である。
非特許文献3の技術を概説する。時刻tにおける干渉帯域に属するサブキャリア番号の集合Sif(t)が既知である時、時刻t、サブキャリア番号lにおける送信信号のm番目のビットc(t,l,m)に対する対数尤度比LLRPerf[c(t,l,m)]は、雑音電力σ と干渉電力σif を用いて次式(A)により表される。
Figure 0006411966
ただし、d(t,l)=|y(t,l)−x(t,l)・h(t,l)|であり、y(t,l)、h(t,l)、x(t,l)はそれぞれ、時刻t、サブキャリア番号lにおける受信信号、伝送路応答、送信信号である。また、X(m),X(m)はそれぞれ、PSK(Phase Shift Keying:位相偏移変調)やQAM(Quadrature Amplitude Modulation:直交位相振幅変調)等の変調マッピングにおけるm番目のビットが1及び0である信号点の集合である。
ただし、前述の通り、干渉帯域に属するサブキャリア番号の集合Sif(t)を推定する必要がある。そこで、サブキャリアlが干渉を受ける確率であるpif(l)を導出し、式(B)のように、前述の対数尤度比LLRPerfの干渉及び非干渉時の各々のLLRの混合比として混合対数尤度比LLRWeighを求めるというのが基本的な考え方である。LLRWeigh[c(t,l,m)]は、時刻t、サブキャリア番号lにおける送信信号のm番目のビットc(t,l,m)に対する混合対数尤度比である。
Figure 0006411966
特許第5662955号公報
増野 淳,外1名,"マルチキャリア重畳伝送による周波数利用効率向上効果",信学技報,社団法人 電子情報通信学会、2008年,RCS2008-67、vol. 108、no. 188、p.85-90 Moon, T.K,"The Expectation-Maximization Algorithm",IEEE,Signal Processing Magazine,1996年,Vol. 13,Issue 6,p.47-60 依田 尚賢,外3名,"OFDM伝送におけるEMアルゴリズムによる干渉抑圧",信学技法,社団法人 電子情報通信学会,2014年,vol. 113,no.456,p.443-447
非特許文献3では干渉波の数が1であることを前提としているが、現実には前述したように、複数の干渉波が到来することが考えられる。無線伝送路が遅延波の影響で周波数選択性フェージングの特性を有する場合、単一の干渉源であったとしても、周波数帯域によって到来干渉波電力が大きく異なり、振幅分布がガウス分布とは異なる振る舞いを示すことが想定される。
複数の干渉波や周波数選択性フェージングを受けた干渉波に対応するためには、非特許文献3の技術を所望波のサブキャリア単位に実施することが考えられる。しかし、非特許文献3は、干渉確率や干渉電力が全サブキャリアで同一であることを前提に、観測データをサブキャリア方向にサブキャリア数と同数分準備することを特徴としている。そのため、単純にサブキャリア単位で実施した場合、EMアルゴリズムの繰り返しによる干渉パラメータの更新が機能しない問題がある。
また、非特許文献3によって求まる干渉パラメータは干渉確率と干渉電力であり、対数尤度比の計算に必要となる雑音電力は既知である必要があり、その測定方法には言及されていなかった。
上記事情に鑑み、本発明は、所望波に重畳された干渉波を、干渉波の帯域や数に関わらず検出することができる受信装置及び干渉推定方法を提供することを目的としている。
本発明の一態様は、マルチキャリア重畳伝送方式を用いて送信された所望波と、前記所望波に干渉を与える1以上の干渉波とが重畳された信号を受信する受信装置であって、受信信号から推定した送信信号を用いて前記所望波の受信信号のレプリカ信号を生成するレプリカ信号生成部と、前記受信信号から前記レプリカ信号を減算して不要波の電力をサブキャリアごとに算出する不要信号電力算出部と、前記サブキャリアが属するサブチャネルを決定するサブチャネル化部と、前記サブチャネルそれぞれの前記不要波の電力に対する尤度の期待値が最大となるように、前記所望波において干渉波が存在する確率である干渉確率及び前記干渉波の干渉電力を前記サブキャリアごとに推定する推定部と、を備える受信装置である。
本発明の一態様は、上述する受信装置であって、前記推定部は、前記サブチャネルに属する前記サブキャリアについて推定した前記干渉確率及び前記干渉電力を平均化して前記サブチャネルごとの干渉確率及び干渉電力を推定する。
本発明の一態様は、上述する受信装置であって、前記受信信号に含まれる既知信号に基づいて全サブキャリアに共通の雑音電力を算出し、前記サブチャネルごとに前記干渉確率が得られた後は、平均の前記干渉確率が所定の閾値を下回る前記サブチャネルに属する前記サブキャリアの雑音電力に基づいて全サブキャリアに共通の雑音電力を更新する雑音電力推定部をさらに備える。
本発明の一態様は、上述する受信装置であって、前記サブチャネル化部は、前記サブキャリアが属するサブチャネルを、前記不要波における前記サブキャリアの前記電力の大きさに応じて決定する。
本発明の一態様は、上述する受信装置であって、前記推定部が推定した前記干渉確率及び前記干渉電力を用いて、前記受信信号から混合対数尤度比を算出する混合対数尤度比算出部をさらに備える。
本発明の一態様は、上述する受信装置であって、前記レプリカ信号生成部が、前記推定部により推定された前記干渉確率及び前記干渉電力により前記混合対数尤度比を更新して誤り訂正復号を行った結果から新たな前記レプリカ信号を生成する処理と、前記不要信号電力算出部が、前記受信信号から新たな前記レプリカ信号を減算して前記不要波の電力を更新する処理と、前記サブチャネル化部が、前記不要波における前記サブキャリアが属するサブチャネルを決定する処理と、前記推定部が、更新された前記不要波の電力に基づいて前記干渉確率及び前記干渉電力を推定する処理とを繰り返し行う。
本発明の一態様は、上述する受信装置であって、前記レプリカ信号は、前記受信信号の受信信号点に最も近接する送信信号点の候補に硬判定して得られた信号であり、新たな前記レプリカ信号は、更新された前記混合対数尤度比に誤り訂正復号を行った結果を誤り訂正符号化して得た信号である、又は、前記レプリカ信号は、サブキャリアごとの初期値の干渉確率及び干渉電力を用いて前記受信信号から算出した混合対数尤度比に基づく軟判定レプリカ信号であり、新たな前記レプリカ信号は、更新された前記混合対数尤度比に軟判定を行って得た結果から生成した信号である。
本発明の一態様は、マルチキャリア重畳伝送方式を用いて送信された所望波と、前記所望波に干渉を与える1以上の干渉波とが重畳された信号を受信する受信装置が実行する受信方法であって、受信信号から推定した送信信号を用いて前記所望波の受信信号のレプリカ信号を生成するレプリカ信号生成ステップと、前記受信信号から前記レプリカ信号を減算して不要波の電力をサブキャリアごとに算出する不要信号電力算出ステップと、前記サブキャリアが属するサブチャネルを決定するサブチャネル化ステップと、前記サブチャネルそれぞれの前記不要波の電力に対する尤度の期待値が最大となるように、前記所望波において干渉波が存在する確率である干渉確率及び前記干渉波の干渉電力を前記サブキャリアごとに推定する推定ステップと、を有する干渉推定方法である。
本発明により、所望波に重畳された干渉波を、干渉波の帯域や数に関わらず検出することができる。
本発明の第1の実施形態による無線通信システムの構成図である。 同実施形態による送信機の構成を示す機能ブロック図である。 同実施形態による受信機の構成を示す機能ブロック図である。 同実施形態による受信機の受信動作を示すフロー図である。 同実施形態によるサブチャネル化の例を示す図である。 同実施形態による受信処理部のサブチャネルごとのInner loop処理を示すフロー図である。 同実施形態による受信機の他の構成を示す機能ブロック図である。 従来技術を適用した受信機の構成を示す機能ブロック図である。 第2の実施形態による受信機の構成を示す機能ブロック図である。 第1の実施形態の受信機と、従来技術を適用した受信機の検出成功確率をシミュレーションした実験結果を示す図である。 周波数帯域を共用する無線通信システムの組合せの一例として、周波数チャンネルが異なる2つの無線LANシステム全体を示す概念図である。 干渉信号が複数の狭帯域信号で構成される例を示す図である。 複数の干渉源から異なる型式の干渉信号が到来する例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態による無線通信システム1の構成図である。同図に示すように、無線通信システム1は、無線により通信する送信機100(送信装置)と受信機200(受信装置)とを備えて構成される。無線通信システム1は、マルチキャリア重畳伝送方式により無線通信する。
図2は、送信機100の構成を示す機能ブロック図であり、本実施形態と関係する機能ブロックのみを抽出して示してある。送信機100は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)送信をベースとしている。同図に示すように、送信機100は、誤り訂正符号化回路110、マッピング回路120、S/P(シリアルパラレル)変換回路130、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform:高速逆フーリエ変換)回路140、サイクリックプレフィックス付加回路150、周波数変換器160、及び、アンテナ170を備えて構成される。
誤り訂正符号化回路110は、送信ビット系列に対して誤り訂正符号化を行う。マッピング回路120は、誤り訂正符号化された送信ビット系列からPSK(Phase Shift Keying:位相偏移変調)やQAM(Quadrature Amplitude Modulation:直交位相振幅変調)等によりIQ平面上の送信シンボル列を生成する。S/P変換回路130は、マッピング回路120が生成したシリアル信号の送信シンボル列をパラレル信号に変換する。IFFT回路140は、パラレル信号に変換された送信シンボル列に対してIFFTを行い、時間領域の信号に変換する。サイクリックプレフィックス付加回路150は、時間領域に変換された信号のブロックの末尾を先頭にコピーし、遅延波によるOFDMブロック間干渉を抑止する送信信号を形成する。周波数変換器160は、サイクリックプレフィックス付加回路150により生成された送信信号を、無線の周波数にアップコンバートする。アンテナ170は、アップコンバートされた送信信号を無線により送信する。
なお、マッピング回路120の前段又は後段にインタリーバを設けてもよい。誤り訂正符号化されたビットが広帯域に配置されることで、周波数ダイバーシチ効果を高め、干渉あるいは周波数選択性フェージングへの耐力を高めることができる。その場合、受信機200の対応する位置にデインタリーバを具備する。
図3は、受信機200の構成を示す機能ブロック図であり、本実施形態と関係する機能ブロックのみを抽出して示してある。同図において、受信機200は、アンテナ210、周波数変換器220、サイクリックプレフィックス除去回路230、FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)回路240、P/S(パラレルシリアル)変換回路250、及び、復号処理部260を備えて構成される。
アンテナ210は、無線信号を受信する。周波数変換器220は、アンテナ210が受信した無線信号をダウンコンバートし、受信信号に変換する。サイクリックプレフィックス除去回路230は、ダウンコンバートされた受信信号からサイクリックプレフィックスを除去する。FFT回路240は、サイクリックプレフィックスが除去された受信信号を周波数領域の信号に変換し、サブキャリアごとの検波信号を得る。P/S変換回路250は、FFT回路240により得られたサブキャリアごとの検波信号を時間方向に並び替え、パラレル信号からシリアル信号に変換する。
復号処理部260は、受信信号バッファ261、伝送路推定回路262、等化回路263、硬判定回路264、切替回路265、マッピング回路266、伝送路重み回路267、不要信号電力算出回路268、サブチャネル化回路269、対数尤度期待値算出回路270、最大化回路271、平均化回路272、雑音電力推定回路273、抽出・平均化回路274、混合対数尤度比算出回路275、復号回路276、及び、誤り訂正符号化回路277を備えて構成される。
受信信号バッファ261は、P/S変換回路250が出力した受信信号を記憶する。受信信号バッファ261は、等化回路263が処理を行ってから伝送路重み回路267を経由して不要信号電力算出回路268が処理を開始するまでの処理遅延を吸収するために設けられる。
伝送路推定回路262は、P/S変換回路250が出力した受信信号からプリアンブルシンボルやパイロットサブキャリアなどの既知信号を抽出する。伝送路推定回路262は、抽出した既知信号から無線伝送等により生じたチャネル応答をサブキャリアごとに推定し、推定したサブキャリアごとのチャネル応答から算出した伝送路推定値を等化回路263及び伝送路重み回路267に出力する。
等化回路263は、伝送路推定値に基づき、サブキャリアごとに受信信号を周波数領域等化し、硬判定回路264及び混合対数尤度比算出回路275に出力する。
硬判定回路264は、等化回路263により等化処理されたIQ平面上の受信信号点から最も近接する送信信号点候補に硬判定を行い、サブキャリアごとに、伝送されたビット系列を推定する。硬判定回路264は、推定したビット系列を切替回路265に出力する。
切替回路265は、マッピング回路266に出力するビット系列を切換える。切替回路265は、初回は、硬判定回路264による硬判定の結果得られたビット系列をマッピング回路266に出力する。2回目以降は、切替回路265は、誤り訂正符号化回路277により誤り訂正符号化されたビット系列をマッピング回路266に出力する。
マッピング回路266は、入力したビット系列を、送信機100と同一のパラメータを用いた変調方式(例えば、PSKやQAM)により変調し、送信信号のレプリカである送信レプリカ信号を生成する。マッピング回路266は、生成した送信レプリカ信号を伝送路重み回路267に出力する。
伝送路重み回路267は、マッピング回路266が生成した送信レプリカ信号に、伝送路推定回路262から入力した伝送路推定値を用いて伝送路重みを乗じ、サブキャリアごとの所望波のレプリカの受信信号である受信レプリカ信号を得る。伝送路重み回路267は、得られた受信レプリカ信号を不要信号電力算出回路268に出力する。
不要信号電力算出回路268は、受信信号バッファ261からP/S変換回路250の出力である受信信号を読み出す。不要信号電力算出回路268は、読み出した受信信号から、伝送路重み回路267が生成した受信レプリカ信号を減算し、不要波のシンボルごとの電力(以下、「不要信号電力」と記載する。)を算出する。さらに、不要信号電力算出回路268は、算出したシンボルごとの不要信号電力の二乗値を算出し、サブチャネル化回路269に出力する。
サブチャネル化回路269は、各サブキャリアが属するサブチャネルを決定するサブキャリア化を行う。例えば、サブチャネル化回路269は、各サブキャリアの不要信号電力の大きさに基づいてサブチャネル化を行う。1つのサブチャネルには、1以上のサブキャリアが含まれる。なお、1つのサブチャネルに含まれるサブキャリア番号は、必ずしも隣接関係にある必要はない。
ここで、時間t、サブキャリア番号lにおける受信信号のシンボルy(t,l)は、次式(1)で表される。
y(t,l)=h(t,l)s(t,l)+i(t,l)+n(t,l) …(1)
式(1)において、h(t,l)、s(t,l)、i(t,l)、n(t,l)はそれぞれ、時間t、サブキャリア番号lにおける伝搬路特性、所望波送信信号、干渉信号(所望波に干渉を与える信号)、雑音信号である。不要信号電力は、干渉信号と雑音信号との和である。よって、時間t、サブキャリア番号lの不要信号電力(残留電力)の二乗値I(t,l)は、次式(2)となる。
I(t,l)=|y(t,l)−h(t,l)s(t,l)| …(2)
時刻t=t’からkシンボル分のサブキャリア番号lの平均不要信号電力wは、次式(3)と表される。ただし、Xは送信信号候補xの集合である。
Figure 0006411966
雑音信号及び干渉信号は複素ガウス分布に従う。雑音信号の電力の分散をσ とし、干渉信号の電力の分散をσif とする。kシンボル期間干渉信号が不変であるという仮定のもと、I(t,l)を時刻t=t’からkシンボル平均化する。I(t,l)をkシンボル平均化すると、雑音信号及び干渉信号はそれぞれ、正規分布に従う独立な確率変数であるため、統計的性質より、I(t,l)の平均値wは、次式(4)の混合ガンマ分布に従う。αは、干渉サブキャリア数Lifと全サブキャリア数Lの比Lif/Lである。雑音信号には、干渉波がないサブキャリアは雑音信号n(t,l)が含まれ、干渉波があるサブキャリアは雑音信号n(t,l)と干渉信号i(t,l)が含まれる。
Figure 0006411966
ただし、fは、w>0で定義されるガンマ分布の確率密度関数であり、形状母数a、尺度母数bを用いて次式(5)により表される。Γ(a)は、ガンマ関数である。なお、a=kとなる。
Figure 0006411966
以降では、上記のwを、EMアルゴリズムにおける「観測データ」として使用する。
復号処理部260は、対数尤度比の条件付き期待値を表すQ関数の計算及びそのQ関数の最大化を行うことにより干渉パラメータを推定する。干渉パラメータは、所望波に対して干渉波が含まれる確率である干渉確率と、干渉波の干渉電力である。復号処理部260は、推定された干渉パラメータを用いて計算されたLLRを入力とし、受信信号を復号する。復号処理部260は、復号により得られた送信信号の推定値から送信レプリカ信号を作成し、さらに、送信レプリカ信号から受信レプリカ信号を作成する。復号処理部260は、作成した受信レプリカ信号によりwを更新し、再び干渉パラメータの推定を行う。干渉パラメータが収束するまで推定及び復号を繰り返すことが望ましい。以下(・)(κ)は、κ番目の繰り返しにて得られたパラメータを示すものとする。
対数尤度期待値算出回路270は、次式(6)の対数尤度期待値(Q関数)を、サブキャリアlごとに算出する。なお、干渉パラメータθ(l)=(β(l),σif (l))である。β(l)は、サブキャリアlの推定の干渉確率であり、σif 2(κ)(l)は、サブキャリアlにおける干渉電力である。
Figure 0006411966
ただし、干渉確率pifは、観測データwが、干渉波に対するガンマ分布に属する確率であり、次式(7)を満たす。
Figure 0006411966
最大化回路271は、対数尤度期待値算出回路270が算出したQ関数を最大化する干渉パラメータθ(l)を求める。Q関数を干渉パラメータθ(l)(κ)=(β(l)(κ),σif 2(κ)(l))により微分して零となる条件により、次式(8)が得られる。
Figure 0006411966
最大化回路271は、式(8)により、サブキャリアlについて、干渉確率β(l)(κ)及び干渉電力σif 2(κ)(l)を算出する。なおσ の導出は別途説明する。
このときサブチャネルごとに、特定強度の干渉波の最大数が1となっていればEMアルゴリズムの繰り返しにより、高い精度で干渉パラメータθを推測することができる。したがって、サブチャネル化回路269のサブチャネル化処理において、不要信号電力の大きさによって適切にサブチャネル化することは動作の目的からして望ましい。
なお、本実施形態で説明したようにEMアルゴリズムでは確率モデルのパラメータを点推定するが、それを確率変数とみて、その事後確率分布を学習する変分ベイズ法や、確率分布のサンプリングを行うモンテカルロサンプリングなどの推定手法で代用してもよい。
最大化回路271は、前述のようにEMアルゴリズム繰り返し処理を実施して干渉パラメータθ(l)(κ)を算出する。最大化回路271は、変化が収束したときの干渉パラメータθ(l)(κ)を、干渉パラメータθ(l)として平均化回路272に逐次出力する。
平均化回路272は、最大化回路271から干渉パラメータθ(l)=(β(l),σif (l))を入力する。平均化回路272は、サブチャネルごとに、そのチャネルに属するサブキャリアの干渉確率β(l)及び干渉電力σif (l)それぞれの平均値を算出し、干渉確率α(c)及び干渉電力γ(c)を算出する。平均化回路272は、各サブチャネルの干渉確率α(c)を抽出・平均化回路274に出力し、各サブチャネルの干渉確率α(c)及び干渉電力γ(c)を混合対数尤度比算出回路275に通知する。
雑音電力推定回路273は、P/S変換回路250が出力した受信信号を入力する。雑音電力推定回路273は、任意の手段によって受信信号に含まれる雑音電力を推定する。よく知られた雑音電力の推定方法としては、無線フレームの先頭に配置された2以上の連続するプリアンブルシンボルの分散値を雑音電力として同定するものが挙げられるが、この限りでは無い。雑音電力推定回路273は、サブキャリアごとに雑音電力の推定を行うが、時間方向に平均化してもよい。
抽出・平均化回路274は、平均化回路272からサブキャリアごとの干渉確率α(c)の情報を入力する。ただし、初回はその情報が無いため、抽出・平均化回路274は、雑音電力推定回路273が推定した全サブキャリアの雑音電力推定値を周波数方向に平均化し、全サブキャリアに共通の雑音電力σ として推定する。ただし、平均化回路272から干渉確率α(c)が得られた時点で、抽出・平均化回路274は、干渉確率α(c)が所定の閾値を下回るサブチャネル、すなわち干渉が存在しないと判断されたサブチャネルがあるかどうかを判定する。抽出・平均化回路274は、干渉が存在しないと判断されたサブチャネルがあった場合は、そのサブチャネルに属するサブキャリアの雑音電力推定値のみを抽出し、抽出した雑音電力推定値をそれらのサブキャリア間で周波数方向に平均化して、全サブキャリアに共通の雑音電力σ の推定値を更新する。
混合対数尤度比算出回路275は、抽出・平均化回路274から雑音電力推定値σ を入力し、最大化回路271から各サブチャネルの干渉確率α(c)及び干渉電力γ(c)の情報を入力する。混合対数尤度比算出回路275は、次式(9)に示すように、各サブキャリアlの干渉確率β(l)及び干渉電力σif (l)を、そのサブキャリアが属するサブチャネルcの干渉確率α(c)及び干渉電力γ(c)とする。
Figure 0006411966
混合対数尤度比算出回路275は、等化回路263から出力された等化後の受信信号点を基に、以下の式(10)により、時刻t,サブキャリア番号lにおける送信信号のPSK又はQAMにおけるm番目のビットc(t,l,m)に対する混合対数尤度比LLRWeighc(t,l,m)を算出する。
Figure 0006411966
なお、X(m),X(m)はそれぞれ、PSKやQAM等の変調マッピングにおけるm番目のビットが1及び0である信号点の集合である。混合対数尤度比算出回路275は、全サブキャリアについて算出した混合対数尤度比LLRWeighc(t,l,m)からなる混合対数尤度比LLRWeighを復号回路276に出力する。
復号回路276は、入力した混合対数尤度比LLRWeighに対して、誤り訂正復号処理を行う。復号回路276は、誤り訂正復号処理により得られた受信ビット系列を誤り訂正符号化回路277に出力する。復号回路276からの受信ビット系列の出力以降は、Outer loopの繰り返し処理となる。
誤り訂正符号化回路277は、復号回路276から入力した受信ビット系列に対し、送信機100と同様の誤り訂正符号化を行って得た送信ビット系列を切替回路265に出力する。切替回路265は、誤り訂正符号化回路277が出力した送信ビット系列をマッピング回路266に出力する。
次に、受信機200の動作について説明する。
図4は、受信機200の受信動作を示すフロー図である。
受信機200のアンテナ210が無線信号を受信すると、周波数変換器220は、アンテナ210が受信した無線信号の周波数を変換し、受信信号を得る。サイクリックプレフィックス除去回路230は、周波数変換された受信信号からサイクリックプレフィックスを除去する(ステップS105)。FFT回路240は、サイクリックプレフィックスが除去された受信信号にFFTを行って周波数領域の信号に変換し、サブキャリアごとの検波信号を得る(ステップS110)。P/S変換回路250は、サブキャリアごとの検波信号を時間方向に並び替え、パラレル信号からシリアル信号に変換し、復号処理部260に出力する。
復号処理部260がP/S変換回路250から入力した受信信号は、受信信号バッファ261、伝送路推定回路262、等化回路263、及び、雑音電力推定回路273に分岐して出力される。受信信号バッファ261は、受信信号を記憶する。
伝送路推定回路262は、P/S変換回路250が出力した受信信号から既知信号を抽出してチャネル応答をサブキャリアごとに推定し、推定したサブキャリアごとのチャネル応答から伝送路推定値を得る(ステップS115)。等化回路263は、ステップS115において得られた伝送路推定値に基づき、サブキャリアごとに受信信号を周波数領域等化する(ステップS120)。
一方、雑音電力推定回路273は、P/S変換回路250が出力した受信信号に含まれる雑音電力をサブキャリアごとに推定する(ステップS125)。抽出・平均化回路274は、干渉パラメータがまだ推定されていないと判断し(ステップS130:NO)、ステップS125において推定された全サブキャリアの雑音電力推定値を周波数方向に平均化し、雑音電力σ とする(ステップS135)。
硬判定回路264は、ステップS120において等化処理されたIQ平面上の受信信号点から最も近接する送信信号点候補に硬判定を行い、伝送されたビット系列をサブキャリアごとに推定する(ステップS140)。硬判定回路264は、推定したサブキャリアごとのビット系列を切替回路265に出力する。切替回路265は、ステップS140において硬判定回路264により推定されたビット系列を、マッピング回路266に出力する。
マッピング回路266は、入力したビット系列を、PSK/QAMなど送信機100と同一の変調方式により変調し、送信レプリカ信号を生成する(ステップS145)。伝送路重み回路267は、ステップS115において得られた伝送路推定値を用いて、ステップS145において生成された送信レプリカ信号に伝送路重みを乗じて、サブキャリアごとの受信レプリカ信号を生成する(ステップS150)。不要信号電力算出回路268は、受信信号バッファ261から受信信号を読み出し、読み出した受信信号からステップS150において生成された受信レプリカ信号を減算し、シンボルごとの不要信号電力を得る。不要信号電力算出回路268は、シンボルごとの不要信号電力の二乗値を算出する(ステップS155)。
サブチャネル化回路269は、ステップS155において算出された不要信号電力の二乗値と閾値との比較により、各サブキャリアが属するサブチャネルを決定する(ステップS160)。サブチャネルの決定後、復号処理部260は、サブチャネルごとにInner loop処理を行う(ステップS165)。
図5は、ステップS160におけるサブチャネル化の例を示す図である。同図では、サブチャネル化回路269は、サブチャネル化に閾値E1>閾値E2の2つの閾値を用いる。サブチャネル化回路269は、各サブキャリアを、不要信号電力の二乗値が閾値E1以上であればサブチャネルc1、閾値E2以上閾値E1未満であればサブチャネルc2、閾値E2未満であればサブチャネルc3に分類する。また、このような不要信号電力と閾値との比較に基づく判定ではなく予め、サブキャリア番号を複数のサブチャネルに分割しておいてもよい。その場合は、想定し得る干渉波のうち最も狭帯域な干渉波と同等の帯域幅となるようサブチャネルの帯域幅を設計しておくことが望ましい。
図6は、復号処理部260のサブチャネルごとのInner loop処理を示すフロー図であり、図4のステップS165の詳細な処理を示す。
対数尤度期待値算出回路270及び最大化回路271は、サブチャネルを1つ選択し(ステップS205)、選択したサブチャネルについて、以下のステップS210〜ステップS225の処理を行う。
最大化回路271は、干渉パラメータが収束したか否かを判断する(ステップS210)。選択したサブチャネルについての最初のループの場合、最大化回路271は、干渉パラメータは収束していないと判断し(ステップS210:NO)、ステップS215の処理を行う。
対数尤度期待値算出回路270は、選択したサブチャネルに属するサブキャリアそれぞれについて、干渉信号の二乗値式(6)及び式(7)により対数尤度期待値(Q関数)を算出する(ステップS215)。観測データwには、ステップS155において不要信号電力算出回路268が算出した不要信号電力の二乗値を用いる。また、最初のループでは、κ=0を初期値として代入し、予め定められた初期値θ(0)(l)を用いる。
最大化回路271は、選択したサブチャネルに属する各サブキャリアについて、式(8)により、ステップS215において算出されたQ関数を最大化する干渉パラメータθ(κ+1)(l)を構成する干渉確率β(κ+1)(l)及び干渉電力σif 2(κ+1)(l)を算出する(ステップS220)。
最大化回路271は、選択されたサブチャネルに属するサブキャリアの干渉パラメータθ(κ+1)(l)と干渉パラメータθ(κ)(l)との差が所定以内か否かを判定する(ステップS210)。干渉パラメータθ(κ+1)(l)と干渉パラメータθ(κ)(l)との差として、干渉確率β(κ+1)(l)と干渉確率β(κ)(l)との差を用いてもよい。最大化回路271は、差が所定以内でなければ、干渉パラメータが収束していないと判断し(ステップS210:NO)、κの値に1を加算してステップS215からの処理を繰り返すよう対数尤度期待値算出回路270に指示する。そして、最大化回路271は、干渉パラメータθ(κ+1)(l)と干渉パラメータθ(κ)(l)との差が所定以内である場合に、干渉パラメータが収束したと判定し(ステップS210:YES)、ステップS225の処理を行う。
干渉パラメータが収束したと判定した場合、最大化回路271は、選択されたサブチャネルに属する各サブキャリアの干渉確率β(κ+1)(l)及び干渉電力σif 2(κ+1)(l)を、干渉パラメータθ=(干渉確率β(l),干渉電力σif (l))として出力する。平均化回路272は、選択されたサブチャネルに属するサブキャリアの干渉確率β(l)及び干渉電力σif (l)それぞれの平均値を算出し、そのサブチャネルの干渉確率α(c)及び干渉電力γ(c)を算出する(ステップS225)。平均化回路272は、選択されたサブチャネルの干渉確率α(c)を抽出・平均化回路274に出力し、選択されたサブチャネルの干渉確率α(c)及び干渉電力γ(c)を混合対数尤度比算出回路275に通知する。
対数尤度期待値算出回路270は、サブチャネルを全て選択したか否かを判断する(ステップS230)。対数尤度期待値算出回路270は、未選択のサブチャネルがある場合(ステップS230:NO)、ステップS205からの処理を繰り返す。そして、対数尤度期待値算出回路270は、サブチャネルを全て選択した場合(ステップS230:YES)、Inner loop処理を終了する。
復号処理部260は、図4のステップS130からの処理を繰り返す。
図4において、抽出・平均化回路274は、干渉パラメータθが推定済みであると判断し(ステップS130:YES)、ステップS170の処理を行う。すなわち、抽出・平均化回路274は、干渉確率α(c)が所定の閾値を下回るサブチャネルが属するサブキャリアの雑音電力推定値のみを抽出し、抽出したそれらのサブキャリア間で周波数方向に平均化して、雑音電力σ の推定値を更新する(ステップS170)。例えば、図5に示すサブチャネルの例ではサブチャネルc3のみが抽出されるような動作が望ましい。本処理によって、雑音電力密度と干渉電力密度に差がある場合、干渉電力によって雑音電力推定値がバイアスされることを防ぎ、その推定精度を向上することが可能となる。
混合対数尤度比算出回路275は、ステップS170で更新された雑音電力推定値σ を入力し、平均化回路272から各サブチャネルの干渉確率α(c)及び干渉電力γ(c)の情報を入力する。混合対数尤度比算出回路275は、式(9)により、サブキャリアlの干渉確率β(l)及び干渉電力σif (l)を、そのサブキャリアが属するサブチャネルcの干渉確率α(c)及び干渉電力γ(c)とする。混合対数尤度比算出回路275は、等化回路263から出力された等化後の受信信号点を基に、式(10)により、混合対数尤度比LLRWeighを算出する(ステップS175)。
復号回路276は、ステップS175において算出された混合対数尤度比LLRWeighに対して、誤り訂正復号処理を行って硬判定ビット系列を得る(ステップS180)。復号回路276は、誤り訂正復号処理を所定回数行ったか否かを判断する(ステップS185)。復号回路276は、誤り訂正復号処理を所定回数行っていないと判断した場合(ステップS185:NO)、硬判定ビット系列を誤り訂正符号化回路277に出力する。誤り訂正符号化回路277は、ステップS180で得られた硬判定ビット系列に対し、送信機100と同様の誤り訂正符号化を行い、送信ビット系列を得る(ステップS190)。切替回路265は、ステップS190において得られた送信ビット系列をマッピング回路266に出力する。復号処理部260は、ステップS145からの処理を繰り返す。
すなわち、マッピング回路266は、ステップS190において誤り訂正符号化回路277が得たビット系列を送信機100と同一の変調方式により変調し、新たな送信レプリカ信号を生成する(ステップS145)。伝送路重み回路267は、伝送路推定値を用いて新たな送信レプリカ信号に伝送路重みを乗じ、新たな受信レプリカ信号を生成する(ステップS150)。不要信号電力算出回路268は、受信信号から新たな受信レプリカ信号を減算して不要信号電力を更新すると、シンボルごとの更新後の不要信号電力の二乗値を算出する(ステップS155)。サブチャネル化回路269は、更新後の不要信号電力の二乗値と閾値との比較により、各サブキャリアが属するサブチャネルを決定する(ステップS160)。復号処理部260は、更新後の不要信号電力により観測データwを更新し、図6に示すサブチャネルごとのInner loop処理を行う(ステップS165)。これにより、復号処理部260は、各サブキャリアの干渉確率β(l)及び干渉電力σif (l)を更新する。平均化回路272は、各サブチャネルに属するサブキャリアの干渉確率β(l)及び干渉電力σif (l)それぞれの平均値を算出し、そのサブチャネルの干渉確率α(c)及び干渉電力γ(c)を更新する。
抽出・平均化回路274は、干渉パラメータθが推定済みであると判断し(ステップS130:YES)、更新された干渉確率α(c)が所定の閾値を下回るサブチャネルが属するサブキャリアの雑音電力推定値を平均化し、雑音電力σ の推定値を更新する(ステップS170)。混合対数尤度比算出回路275は、式(9)により、サブキャリアlの干渉確率β(l)及び干渉電力σif (l)を、そのサブキャリアが属するサブチャネルcの更新された干渉確率α(c)及び干渉電力γ(c)とする。混合対数尤度比算出回路275は、等化回路263から出力された等化後の受信信号点を基に、式(10)により、新たな混合対数尤度比LLRWeighを算出する(ステップS175)。復号回路276は、新たな混合対数尤度比LLRWeighに対して、誤り訂正復号処理を行って新たな硬判定ビット系列を得る(ステップS180)。復号回路276は、誤り訂正復号処理を所定回数行ったか否かを判断する(ステップS185)。復号回路276は、誤り訂正復号処理を所定回数行っていないと判断した場合(ステップS185:NO)、新たな硬判定ビット系列を誤り訂正符号化回路277に出力する。誤り訂正符号化回路277は、新たな硬判定ビット系列に対し、送信機100と同様の誤り訂正符号化を行い、送信ビット系列を得る(ステップS190)。切替回路265は、ステップS190において得られた新たな送信ビット系列をマッピング回路266に出力する。復号処理部260は、ステップS145からの処理を繰り返す。
そして、復号回路276は、誤り訂正復号処理を所定回数行ったと判断した場合(ステップS185:YES)、ステップS180において得られた硬判定ビット系列を受信ビット系列として出力する。
上記のように、Outer loop処理の2回目以降は、ステップS180の誤り訂正復号処理によって推測された受信ビット系列を元に、誤り訂正符号化回路277が、送信機100と同様に符号化された信号を生成する。切替回路265は、Outer loop処理の1回目では硬判定回路264の出力を選択したが、2回目以降は、誤り訂正符号化回路277からの出力を選択する。切替回路265が送信ビット系列を出力した以降の動作は前述と同様であるが、Outer loop処理によって受信レプリカ信号の精度が高まるため、不要信号電力算出回路268が算出する不要信号電力の精度が向上する。そして、サブチャネル化回路269において適切なサブチャネリング、あるいはInner loop処理におけるEMアルゴリズムの入力値である観測データの精度向上も実現され、干渉パラメータの推定精度が向上することが期待される。特に、サブチャネル数が大きい場合、サブチャネルあたりのサブキャリア数が小さくなりEMアルゴリズムの観測データの母数が減少してしまうことにより、Inner loopでの繰り返し処理による推定精度の更新は小さくなるが、Outer loopによって観測データの精度を向上することにより、繰り返し処理の利得を期待することができる。そして、所定の回数Outer loop処理を行った後、復号回路276の出力を受信ビット系列として得る。
図7は、本実施形態の受信機の他の構成例を示す図である。同図において、図3に示す受信機200と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。受信機200aが図3に示す受信機200と異なる点は、復号処理部260に代えて復号処理部260aを備える点である。復号処理部260aが復号処理部260と異なる点は、平均化回路272及び混合対数尤度比算出回路275に代えて、平均化回路272a及び混合対数尤度比算出回路275aを備える点である。平均化回路272aは、最大化回路271から干渉パラメータθ(l)=(干渉確率β(l),干渉電力σif (l))を入力する。平均化回路272は、サブチャネルごとに、そのチャネルに属するサブキャリアの干渉確率β(l)の平均値を算出し、干渉確率α(c)を算出する。平均化回路272は、各サブチャネルの干渉確率α(c)を抽出・平均化回路274に出力し、各サブチャネルの干渉確率α(c)及び各サブキャリアの干渉電力σif (l)を混合対数尤度比算出回路275aに通知する。混合対数尤度比算出回路275aは、各サブキャリアの干渉パラメータθ(l)の値をそのまま用いて、上述した式(10)により混合対数尤度比LLRWeighc(t,l,m)を算出する。
図8は、非特許文献3に示す従来技術を適用した受信機900の構成を示す機能ブロック図である。受信機900は、受信機200と同様の回路を使用して同図に示すように構成できる。
受信機900の復号処理部960は、受信機200と同様の処理により、P/S変換回路250から受信信号を入力し、受信信号バッファ261、伝送路推定回路262、及び、等化回路263に分岐して出力される。受信信号バッファ261は、受信信号を記憶する。伝送路推定回路262は受信信号から伝送路推定値を得る。等化回路263は、得られた伝送路推定値に基づき、サブキャリアごとに受信信号を周波数領域等化する。硬判定回路264は、等化処理されたIQ平面上の受信信号点から最も近接する送信信号点候補に硬判定を行い、伝送されたビット系列をサブキャリアごとに推定する。マッピング回路266は、推定されたビット系列を変調し、送信レプリカ信号を生成する。伝送路重み回路267は、伝送路推定値を用いて送信レプリカ信号に伝送路重みを乗じて、サブキャリアごとの受信レプリカ信号を生成する。不要信号電力算出回路268は、受信信号バッファ261から受信信号を読み出し、読み出した受信信号から受信レプリカ信号を減算し、シンボルごとの不要信号電力を得ると、その二乗値を算出する。そして、対数尤度期待値算出回路970が、観測データ(不要信号電力の二乗値)に対する対数尤度の条件付き期待値(Q関数)を導出し、最大化回路971は、Q関数を最大化する干渉パラメータを導出する処理を、干渉パラメータが収束するまで行う。混合対数尤度比算出回路975は、干渉パラメータと、等化後の受信信号点とを基に、式(B)により混合対数尤度比LLRWeighを算出する。硬判定回路976は、混合対数尤度比LLRWeighに対して硬判定を行った結果得られたビット系列を出力する。
このように、受信機900は、サブチャネル化処理はなく、全サブキャリアで同一の干渉パラメータ(干渉確率α、干渉電力σif )を推定することしかできない。また、Outer loopは存在せず、雑音電力推定機構もない。
本実施形態によれば、受信機200、200aは、受信信号から所望波のレプリカの受信信号である受信レプリカ信号を生成し、受信信号から所望波の受信レプリカ信号を減算して不要信号の電力をサブキャリアごとに算出する。受信機200、200aは、不要信号のサブキャリアをサブチャネルに分類する。サブチャネルは、1以上のサブキャリアからなり、特に、電力による区分けが有効である。受信機200、200aは、サブチャネルごとに、不要信号の電力を観測データとして用いてEMアルゴリズムを動作させるInner loop処理を行う。受信機200、200aは、Inner loop処理において、対数尤度期待値が最大となる干渉確率及び干渉電力を繰り返し算出する。なお、従来技術では、サブチャネル化を行っていない。
また、上述した受信機200、200aは、EMアルゴリズムによるInner loop処理とは別に、誤り訂正復号を含むOuter loop処理を設ける。受信機200、200aは、不要信号電力を算出する際に受信レプリカ信号を使用する。受信機200、200aは、受信レプリカ信号として、初回のOuter loop処理では、受信信号に等化を行った後の受信信号点に最も近接する送信候補点に硬判定を行い、硬判定により得たビット系列のレプリカ信号に伝送路推定値を乗算したものを使用する。2回目以降のOuter loop処理では、受信機200、200aは、受信レプリカ信号として、前回のOuter loop処理の復号結果を再符号化して得たレプリカ信号に、伝送路推定値を乗算したものを使用する。なお、従来技術では、Outer loop処理を行っていない。
そして、受信機200、200aは、連続送信されるプリアンブルシンボルの分散値の計算等によってサブキャリアごとに雑音電力を推定する。受信機200、200aは、Outer loop処理とInner loop処理のいずれも初回の場合は、雑音電力の推定値を全サブキャリアで平均した値を、全サブキャリアの雑音電力σ として使用し、それ以外の場合は干渉確率が特定閾値を下回るサブチャネルに属するサブキャリアから雑音電力の推定値を抽出し、これらの推定値を平均化した値を全サブキャリアの雑音電力として使用する。従来は、雑音電力が既知(別手段によって情報を入手)であることを前提としていた。
本実施形態によれば、各サブチャネルに同等電力を有する干渉波の数が1以下となるようにすることで、複数干渉波や周波数特性を有する伝送路を経由した干渉波への対応が可能となる。複数の干渉波が同一サブキャリアに到来した場合も、厳密にはその分離検出はできないが、多くの場合は特定の干渉波が支配的となるため、干渉検出精度に大きな影響を及ぼさない。
また、サブチャネル化により観測データが減少するためEMアルゴリズム繰り返し単独では干渉パラメータの推定精度が低くなることが想定されるが、EMアルゴリズムとは別のOuter loop処理で誤り訂正処理を行い、観測データの確度を順次高めることで、干渉パラメータ推定精度を向上することができる。
また、干渉波が存在しないと推定されるサブキャリアのみで雑音電力推定を実施することで、干渉波電力により雑音電力にバイアスが掛かるのを抑止するとともに、Inner loop及びOuter loopの各繰り返しタイミングで逐次的に雑音電力を更新されるため、Inner loopにおける対数尤度期待値、Outer loopにおける対数尤度比の推定精度の改善が見込める。
(第2の実施形態)
図9は、第2の実施形態による受信機200bの構成を示す機能ブロック図であり、本実施形態と関係する機能ブロックのみを抽出して示してある。同図において、図3に示す第1の実施形態の受信機200と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。受信機200bと、第1の実施形態の受信機200との違いは、復号処理部260に代えて復号処理部260bを備える点である。復号処理部260bが復号処理部260と異なる点は、切替回路265に代えて切替回路265bを備える点、マッピング回路266に代えて軟判定レプリカ生成回路280を備える点、混合対数尤度比算出回路275に代えて混合対数尤度比算出回路275bを備える点、及び、復号回路276に代えて復号回路276bを備える点である。
混合対数尤度比算出回路275bは、Outer loopの初回は、平均化回路272からサブチャネル毎の干渉確率α(c)及び干渉電力γ(c)を入力していないため、所定の初期値の干渉確率β(l)及び干渉電力σif (l)を用いて式(10)により混合対数尤度比を算出する。混合対数尤度比算出回路275bは、2回目以降のOuter loopでは、第1の実施形態の混合対数尤度比算出回路275と同様に動作する。
復号回路276bは、混合対数尤度比算出回路275bが算出した混合対数尤度比に対して軟判定を行う。切替回路265bは、Outer loop初回は混合対数尤度比算出回路275bから出力された混合対数尤度比を選択し、2回目以降は復号回路276bが軟判定を行って得た結果の出力を選択する。軟判定レプリカ生成回路280は、任意の手段によって、入力した尤度から送信レプリカ信号を生成する。例えばQPSK信号であれば、伝送する2ビットの尤度λ、λを使用して、次式(11)により軟判定レプリカ信号を生成することが可能である。
Figure 0006411966
(実験結果)
図10は、第1の実施形態の受信機200と、従来技術を適用した受信機900の検出成功確率をシミュレーションした実験結果を示す図である。所望波に対し干渉波が2波であり、これらの干渉波が異なる干渉強度で到来するケースにより評価を行った。1つ目の干渉波の干渉強度はD/U=3dB(デシベル)、2番目の干渉波の干渉強度はD/U=−3dBである。また、いずれの干渉波も所望波との重畳率は6/64であり、これらの干渉波同士の重畳は無い。所望波は、ターボ符号化QPSK−OFDM伝送である。
同図では、受信機200と受信機900の検出成功確率と、E/Nとの関係をグラフで表している。E/Nは、1ビット当たりの信号電力と雑音密度の比である。ここで検出成功確率とは、干渉波が重畳する所望波サブキャリアの位置を完全に推定できた時の確率を指す。受信機900では、全帯域で干渉電力は一定としているため、検出成功確率は50%を下回る。一方で、受信機200では、強度の異なる複数の干渉波が混在した場合でも、それらを残留電力に基づきクラスタリングし個別にEMアルゴリズム及び繰り返し復号により干渉検出するため、E/Nが高くなるほど1.0に近い検出成功確率を示している。
以上説明した実施形態によれば、受信機は、不要信号電力をサブチャネル化し、サブチャネル毎に、EMアルゴリズムを動作させるInner loop処理により、対数尤度期待値が最大となる干渉確率、干渉電力を繰返し算出する。従って、受信機は、所望波に対する干渉波の数や、干渉波の帯域幅によらず、干渉パラメータの算出が可能となる。
さらに、受信機は、Outer loop処理により、Inner loop処理によって得られた干渉確率、干渉電力を用いて受信信号を復号し、復号結果を再符号化して得られた送信レプリカ信号に伝送路推定値を乗算した受信レプリカ信号を用いて再びInner loop処理を行う。また、受信機は、干渉確率が閾値を下回るサブチャネルに含まれるサブキャリアの雑音電力の平均値を、全サブキャリアの雑音電力として、受信信号の復号処理、受信レプリカ信号の生成処理、及び、Inner loop処理において使用する。これにより、受信機は、EMアルゴリズムを繰り返すことによる利得の低下を抑え、干渉波電力により雑音電力にバイアスが掛かるのを抑止することができる。加えて、Inner loop処理における干渉確率、干渉電力の算出の精度の向上や、Outer loop処理における混合対数尤度比の推定精度の改善することが可能となる。
上述した実施形態における送信機100、及び、受信機200、200a、200bの一部の機能をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、送信機100、及び、受信機200、200a、200bの一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
マルチキャリア伝送された信号を受信する装置に利用可能である。
1 無線通信システム
100 送信機(送信装置)
110 誤り訂正符号化回路
120 マッピング回路
130 S/P変換回路
140 IFFT回路
150 サイクリックプレフィックス付加回路
160 周波数変換器
170 アンテナ
200、200a、200b 受信機(受信装置)
210 アンテナ
220 周波数変換器
230 サイクリックプレフィックス除去回路
240 FFT回路
250 P/S変換回路
260、260a、260b 復号処理部
261 受信信号バッファ
262 伝送路推定回路
263 等化回路(レプリカ信号生成部)
264 硬判定回路(レプリカ信号生成部)
265、265a、265b 切替回路
266 マッピング回路(レプリカ信号生成部)
267 伝送路重み回路(レプリカ信号生成部)
268 不要信号電力算出回路(不要信号電力算出部)
269 サブチャネル化回路(サブチャネル化部)
270 対数尤度期待値算出回路(推定部)
271 最大化回路(推定部)
272、272a 平均化回路(推定部)
273 雑音電力推定回路
274 抽出・平均化回路
275、275a、275b 混合対数尤度比算出回路(混合対数尤度比算出部)
276、276b 復号回路
277 誤り訂正符号化回路
280 軟判定レプリカ生成回路

Claims (6)

  1. マルチキャリア重畳伝送方式を用いて送信された所望波と、前記所望波に干渉を与える1以上の干渉波とが重畳された信号を受信する受信装置であって、
    受信信号から推定した送信信号を用いて前記所望波の受信信号のレプリカ信号を生成するレプリカ信号生成部と、
    前記受信信号から前記レプリカ信号を減算して不要波の電力をサブキャリアごとに算出する不要信号電力算出部と、
    前記サブキャリアが属するサブチャネルを決定するサブチャネル化部と、
    前記サブチャネルそれぞれの前記不要波の電力に対する尤度の期待値が最大となるように、前記所望波において干渉波が存在する確率である干渉確率及び前記干渉波の干渉電力を前記サブキャリアごとに推定する推定部と、
    前記推定部が推定した前記干渉確率及び前記干渉電力を用いて、前記受信信号から混合対数尤度比を算出する混合対数尤度比算出部と、を備え、
    前記レプリカ信号生成部が、前記推定部により推定された前記干渉確率及び前記干渉電力により前記混合対数尤度比を更新して誤り訂正復号を行った結果から新たな前記レプリカ信号を生成する処理と、
    前記不要信号電力算出部が、前記受信信号から新たな前記レプリカ信号を減算して前記不要波の電力を更新する処理と、
    前記サブチャネル化部が、前記不要波における前記サブキャリアが属するサブチャネルを決定する処理と、
    前記推定部が、更新された前記不要波の電力に基づいて前記干渉確率及び前記干渉電力を推定する処理とを繰り返し行うことを特徴とする受信装置。
  2. 前記推定部は、前記サブチャネルに属する前記サブキャリアについて推定した前記干渉確率及び前記干渉電力を平均化して前記サブチャネルごとの干渉確率及び干渉電力を推定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
  3. 前記受信信号に含まれる既知信号に基づいて全サブキャリアに共通の雑音電力を算出し、前記サブチャネルごとに前記干渉確率が得られた後は、平均の前記干渉確率が所定の閾値を下回る前記サブチャネルに属する前記サブキャリアの雑音電力に基づいて全サブキャリアに共通の雑音電力を更新する雑音電力推定部をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項2に記載の受信装置。
  4. 前記サブチャネル化部は、前記サブキャリアが属するサブチャネルを、前記不要波における前記サブキャリアの前記電力の大きさに応じて決定する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の受信装置。
  5. 前記レプリカ信号は、前記受信信号の受信信号点に最も近接する送信信号点の候補に硬判定して得られた信号であり、新たな前記レプリカ信号は、更新された前記混合対数尤度比に誤り訂正復号を行った結果を誤り訂正符号化して得た信号である、又は、前記レプリカ信号は、サブキャリアごとの初期値の干渉確率及び干渉電力を用いて前記受信信号から算出した混合対数尤度比に基づく軟判定レプリカ信号であり、新たな前記レプリカ信号は、更新された前記混合対数尤度比に軟判定を行って得た結果から生成した信号である、
    ことを特徴とする請求項に記載の受信装置。
  6. マルチキャリア重畳伝送方式を用いて送信された所望波と、前記所望波に干渉を与える1以上の干渉波とが重畳された信号を受信する受信装置が実行する受信方法であって、
    受信信号から推定した送信信号を用いて前記所望波の受信信号のレプリカ信号を生成するレプリカ信号生成ステップと、
    前記受信信号から前記レプリカ信号を減算して不要波の電力をサブキャリアごとに算出する不要信号電力算出ステップと、
    前記サブキャリアが属するサブチャネルを決定するサブチャネル化ステップと、
    前記サブチャネルそれぞれの前記不要波の電力に対する尤度の期待値が最大となるように、前記所望波において干渉波が存在する確率である干渉確率及び前記干渉波の干渉電力を前記サブキャリアごとに推定する推定ステップと、
    前記推定ステップにおいて推定した前記干渉確率及び前記干渉電力を用いて、前記受信信号から混合対数尤度比を算出する混合対数尤度比算出ステップと、を有し、
    前記レプリカ信号生成ステップにおいて、前記推定ステップで推定された前記干渉確率及び前記干渉電力により前記混合対数尤度比を更新して誤り訂正復号を行った結果から新たな前記レプリカ信号を生成する処理と、
    前記不要信号電力算出ステップにおいて、前記受信信号から新たな前記レプリカ信号を減算して前記不要波の電力を更新する処理と、
    前記サブチャネル化ステップにおいて、前記不要波における前記サブキャリアが属するサブチャネルを決定する処理と、
    前記推定ステップにおいて、更新された前記不要波の電力に基づいて前記干渉確率及び前記干渉電力を推定する処理とを繰り返し行うことを特徴とする干渉推定方法。
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