JP6411931B2 - 複合中空粒子 - Google Patents

複合中空粒子 Download PDF

Info

Publication number
JP6411931B2
JP6411931B2 JP2015063635A JP2015063635A JP6411931B2 JP 6411931 B2 JP6411931 B2 JP 6411931B2 JP 2015063635 A JP2015063635 A JP 2015063635A JP 2015063635 A JP2015063635 A JP 2015063635A JP 6411931 B2 JP6411931 B2 JP 6411931B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hollow
particles
thermal
zirconia particles
thermal barrier
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015063635A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016183065A (ja
Inventor
石井 守
守 石井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiheiyo Cement Corp
Original Assignee
Taiheiyo Cement Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiheiyo Cement Corp filed Critical Taiheiyo Cement Corp
Priority to JP2015063635A priority Critical patent/JP6411931B2/ja
Publication of JP2016183065A publication Critical patent/JP2016183065A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6411931B2 publication Critical patent/JP6411931B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、遮熱被膜形成用の中空粒子に関する。
材料の軽量化及び遮熱性を向上させる目的で種々のセラミックス中空粒子を用いて金属等の母材に遮熱被膜を形成する技術が広く採用されている。そのような中空粒子として、低い熱伝導性と高い熱安定性を有することから中空ジルコニア粒子が使用されている(特許文献1〜3)。
特開2002−37665号公報 特開2005−263600号公報 特表2005−535782号公報
しかしながら、フレーム溶射あるいはプラズマ溶射により中空ジルコニア粒子を用いて遮熱被膜を形成した場合、フレームやプラズマにより溶融した中空ジルコニア粒子が、基材に衝突した際、中空ジルコニア粒子が潰れたり、変形したりして、本来中空粒子が有している遮熱性能が低下してしまう問題があった。
従って、本発明の課題は、溶射による遮熱被膜の形成時に変形せずに、遮熱被膜が形成できる中空粒子を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意研究した結果、中空ジルコニア粒子の外表面にシリカ被覆層を形成することにより、溶射により遮熱被膜を形成する際、中空ジルコニア粒子が基材に衝突し、潰れることなく、簡便かつ効率よく遮熱被膜が形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔6〕を提供するものである。
〔1〕中空ジルコニア粒子の外表面にシリカ被覆層を有する複合中空粒子。
〔2〕前記シリカ被覆層の厚さが、中空ジルコニア粒子の膜の厚さの1/20以上1/2以下である〔1〕記載の複合中空粒子。
〔3〕溶射用複合中空粒子である〔1〕又は〔2〕記載の複合中空粒子。
〔4〕溶射により形成された遮熱被膜の熱伝導率が0.3W/Km以下である〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の複合中空粒子。
〔5〕〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の複合中空粒子を有する遮熱被膜。
〔6〕溶射により形成されたものである〔5〕記載の遮熱被膜。
本発明によれば、溶射により簡便かつ効率的に、優れた遮熱性を有する遮熱被膜を得ることができる。
本発明の複合中空粒子は、中空ジルコニア粒子の外表面にシリカ被覆層を有する。
中空ジルコニア粒子は、殻(膜)部分がジルコニアで形成された中空粒子である。当該中空ジルコニア中空粒子の平均粒子径は、遮熱性、溶射性の点から、1〜200μmが好ましく、1〜150μmがより好ましく、1〜100μmがさらに好ましい。また、中空ジルコニア粒子の膜の厚さは、遮熱性、耐久性、形状維持性の点から、0.1〜20μmが好ましく、0.1〜15μmがより好ましく、0.1〜10μmがさらに好ましい。また、中空ジルコニア粒子の形状は、特に限定されず、球状、楕円球状、矩形状等であってよい。なお、平均粒子径は、走査型電子顕微鏡により測定でき、その平均は画像解析法より計算されたものである。膜の厚さは、粒子断面の走査型電子顕微鏡により測定できる。
これらの中空ジルコニア粒子は、樹脂粉末を鋳形として用いる方法、ジルコニアゾル水溶液を噴霧加熱する方法等により製造できる(特許文献1〜3)。より詳細には、(1)球状樹脂粉末と、球状樹脂粉末よりも小径のジルコニア粉末とを圧接させながら混合し、ジルコニア粉末が球状樹脂粉末の表面を被覆してなる前駆体を形成し、次いで前駆体を焼成して樹脂粉末を焼失させるとともに、ジルコニア粉末同士を焼結させる方法;(2)ジルコニアゾル水溶液に超音波を作用させてジルコニアゾル水溶液の微小液滴を霧状に発生させ、この微小液滴を焼成炉に導いて焼成する方法により製造できる。このうち、特に溶射に適した粒子径1〜200μmの中空ジルコニア粒子を得るには方法(2)が望ましい。
中空ジルコニア粒子の外表面には、シリカ被覆層を有する。シリカ被覆層の厚さは、中空ジルコニア粒子の厚さの1/20以上1/2以下であることが望ましい。シリカ被覆層が薄すぎる場合、溶射時に溶融するシリカ被覆層が薄いため、基材に中空ジルコニア粒子が付着しなくなる。また、シリカ被覆層が厚すぎる場合は、溶射時にシリカ被覆層とジルコニア粒子が反応してジルコン等の低融点物質が生成するため、基材に中空ジルコニア粒子が衝突した時に、中空粒子形状を維持できず、中空粒子が潰れ、変形して、遮熱性が低下してしまう。より好ましいシリカ被覆層の厚さは1/15以上1/2以下であり、さらに好ましくは1/10以上1/2以下である。シリカ被覆層の厚さは粒子断面の走査型電子顕微鏡により測定することができる。
次に、本発明の中空ジルコニア粒子にシリカを被覆する方法としては、(1)中空ジルコニア粒子にシリカを溶射する方法(プラズマ火炎方法);(2)中空ジルコニア粒子にシリカを化学蒸着する方法;(3)中空ジルコニア粒子に微粉シリカを噴霧接着する方法;(4)中空ジルコニア粒子に微粉シリカをまぶし焼成する方法;(5)中空ジルコニア粒子表面にゾルゲル法を用いてシリカを被覆する方法が挙げられる。このうち、特に方法(5)は、厚さを制御したシリカ被覆層を形成するのに望ましい。
本発明の複合中空粒子は、外表面にシリカ被覆層を有する中空ジルコニア粒子であるため、内部中空粒子と外部被覆層の間には大きな溶融温度の差がある。シリカ被覆層の溶融温度は1600〜1700℃であり、内部ジルコニア中空粒子の溶融温度は2600〜2700℃である。従って、これらの溶融温度の間の温度で溶射を行えば、溶射時に、融点の低いシリカ被覆部分は溶融して、融点の高い中空ジルコニア粒子部分は溶融しないため、中空ジルコニア粒子が基材に衝突しても潰れることなく、中空ジルコニア粒子表面のシリカ被覆層が溶融していることから、剥離せず基材上に遮熱被膜を形成できる。また、潰れていない中空ジルコニア粒子により遮熱被膜を形成できることにより、高い遮熱性を発現させることができる。
遮熱被膜の形成は、基材上に、シリカ被覆した中空ジルコニア粒子を、低圧プラズマ溶射法(LPPS)、大気プラズマ溶射法(APS)、高速フレーム溶射(HVOF)などの溶射法によって成膜すればよい。
本発明の複合粒子の溶射により形成された遮熱被膜の熱伝導率は、0.3W/Km以下となり、優れた遮熱性が得られる。より好ましい熱伝導率は0.1W/Km以下であり、さらに好ましい熱伝導率は0.05W/Km以下である。
以下に実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
(実施例1)
(1)中空ジルコニア粒子の作製
メカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン製 AF−15)に、高架橋ポリメチルメタクリレート(PMMA,MR−10HG,綜研化学(株)製,平均粒径10μm)を7.5g、イットリア安定化ジルコニア粉末(TZ−8Y,東ソー、平均粒径0.2μm)を11.25gを投入し、チャンバを1000RPMで30分間回転させ、前駆体を得た。尚、インナーとチャンバとの隙間を1mmとした。
得られた前駆体を、先ず700℃に加熱された電気炉に入れてポリメチルメタクリレードをガス化させた後、1600℃にて3時間保持して焼成した。
得られた中空ジルコニア粒子の平均粒径は30μmであり、中空粒子の断面観察から、中空粒子の厚さは、約2μm程度であった。
(2)シリカ被覆層の形成
中空ジルコニア粒子表面へのシリカ被覆層の形成はゾルゲル法を用いた。アルコールにメチルシリケートを溶解した溶液に中空ジルコニア粒子を浸漬した後、溶液が付着した中空ジルコニア粒子を取り出し、乾燥させ、400℃で熱処理を行った。
また、シリカ被覆層の厚さは、アルコールに対するメチルシリケート濃度を変えることにより制御した。
(3)遮熱被膜の形成
遮熱被膜は、表1に示す中空ジルコニア粒子を基材上に溶射することにより作製した。溶射には、スルザーメテコ社製溶射ガンを使用した。また、基材としては、厚さ10mmのアルミニウム板を用いた。中空ジルコニア粒子の溶射条件を以下に示す。
プラズマ電流 600〜800A
Ar/H流量 35/7.4L/min
粉末供給量 10g/min
溶射距離 180mm
(4)遮熱被膜の評価
遮熱被膜の評価は、被膜強度はテープ試験により、熱伝導率はレーザーフラッシュ法により評価した。
被膜強度のテープ試験は、セロハン粘着テープを遮熱被膜の上から貼り、ついでこれを引き剥がして遮熱被膜がテープに移行するかを評価した。遮熱被膜がテープに移行しないものを○、遮熱被膜がテープに移行したものを×とした。
Figure 0006411931
表1より、中空ジルコニア粒子に、中空ジルコニア粒子の膜の厚さの1/20以上1/2以下のシリカ被覆を形成することにより、溶射により遮熱被膜を形成する時、中空粒子が潰れずに遮熱被膜が形成でき、高い遮熱性を得ることができた。

Claims (5)

  1. 中空ジルコニア粒子の外表面にシリカ被覆層を有し、前記シリカ被覆層の厚さが、中空ジルコニア粒子の膜の厚さの1/20以上1/2以下である複合中空粒子。
  2. 溶射用複合中空粒子である請求項1記載の複合中空粒子。
  3. 溶射により形成された遮熱被膜の熱伝導率が0.3W/Km以下である請求項1又は2記載の複合中空粒子。
  4. 請求項1〜のいずれか1項記載の複合中空粒子を有する遮熱被膜。
  5. 溶射により形成されたものである請求項記載の遮熱被膜。
JP2015063635A 2015-03-26 2015-03-26 複合中空粒子 Active JP6411931B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015063635A JP6411931B2 (ja) 2015-03-26 2015-03-26 複合中空粒子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015063635A JP6411931B2 (ja) 2015-03-26 2015-03-26 複合中空粒子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016183065A JP2016183065A (ja) 2016-10-20
JP6411931B2 true JP6411931B2 (ja) 2018-10-24

Family

ID=57241538

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015063635A Active JP6411931B2 (ja) 2015-03-26 2015-03-26 複合中空粒子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6411931B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108947569A (zh) * 2018-08-30 2018-12-07 盛世瑶兰(深圳)科技有限公司 一种高强度空心隔热建筑材料及其应用

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04147957A (ja) * 1990-10-09 1992-05-21 Toyota Motor Corp 断熱アルミニウム系部材
US6893994B2 (en) * 2002-08-13 2005-05-17 Saint-Gobain Ceramics & Plastics, Inc. Plasma spheroidized ceramic powder
US7955708B2 (en) * 2005-10-07 2011-06-07 Sulzer Metco (Us), Inc. Optimized high temperature thermal barrier
JP6065388B2 (ja) * 2012-03-07 2017-01-25 マツダ株式会社 断熱皮膜構造及びその製造方法
JP6407887B2 (ja) * 2013-11-26 2018-10-17 日本碍子株式会社 多孔質材料及び断熱膜

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108947569A (zh) * 2018-08-30 2018-12-07 盛世瑶兰(深圳)科技有限公司 一种高强度空心隔热建筑材料及其应用
CN108947569B (zh) * 2018-08-30 2021-10-01 盛世瑶兰(深圳)科技有限公司 一种高强度空心隔热建筑材料及其应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016183065A (ja) 2016-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5506200B2 (ja) 排気管用塗料の使用方法
US8292999B2 (en) Exhaust pipe paint, method for producing exhaust pipe, and exhaust pipe
JP5698123B2 (ja) 特性を低下させる添加物なしの高いコランダム含有量を有する熱溶射されたAl2O3層及びその製造方法
US20140311616A1 (en) Structure and method of manufacturing structure
JP6182146B2 (ja) 排気系部品用塗料及び排気系部品
JP2017218635A5 (ja)
CN106435432B (zh) 一种孔隙率及孔隙形貌可控的热障涂层及其制备方法
US20170009328A1 (en) Coating process and coated component
KR20120025592A (ko) 차열 코팅의 제조 방법, 상기 차열 코팅을 구비하는 터빈 부재 및 가스 터빈
JP2010047825A (ja) 金属皮膜の形成方法及び航空宇宙構造部材
CN110144541A (zh) 一种高温钛合金热障涂层材料及其制备方法
JP2008514816A (ja) 溶射法を用いた気密結晶性ムライト層の製造法
JP6609124B2 (ja) エンジンバルブ及びその製造方法
JP2015175315A (ja) 遮熱コーティング材、これを有するタービン部材及び遮熱コーティング方法
JP6411931B2 (ja) 複合中空粒子
JP2009228018A (ja) 遮熱コーティング材、これを備えたタービン部材及びガスタービン、並びに遮熱コーティング材の製造方法
TW202003881A (zh) 用於製造具有垂直裂縫的熱絕緣層之方法
JP6285684B2 (ja) 構造体及び表面被覆層形成用塗料
CN105331922A (zh) 一种低导热抗烧结热障涂层及其制备工艺
JP7015199B2 (ja) 溶射材並びにコーティング皮膜の製造方法
JP6177086B2 (ja) 構造体及び塗料セット
JP2015075061A (ja) 構造体及び表面被覆層形成用塗料
JP6581592B2 (ja) コート金属基材の製造方法
CN104354339A (zh) 一种复合陶瓷棉纤维隔热涂层
JP6581593B2 (ja) コート金属基材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170828

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180522

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180612

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180713

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180904

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180927

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6411931

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250