JP6410387B1 - 回転型内燃機関 - Google Patents

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Abstract

回転型内燃機関は、出力軸と、ロータと、ハウジングと、ハウジング又はハウジングとロータ内に形成された環状作動室と、ロータに設けられて環状作動室内を回転するピストン部と、環状作動室を仕切る複数の可動仕切部材と、環状作動室内に形成される吸入作動室と圧力作動室と燃焼作動室と排気作動室と、ピストン部に形成した副燃焼室であってピストン部の頂部に開口する開口部を有する副燃焼室と、ハウジングに設けられて圧縮作動室の圧縮混合気を副燃焼室に導入する圧縮ガス導入機構と、ハウジングに設けられて副燃焼室の燃焼ガスを燃焼作動室に噴出させる燃焼ガス噴出機構とを備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、回転型内燃機関(回転ピストン型内燃機関)に関し、特にロータのピストン部に形成した副燃焼室と、この副燃焼室に圧縮混合気又は圧縮空気を導入する圧縮ガス導入機構と、副燃焼室内の高圧燃焼ガスを燃焼作動室に噴出する燃焼ガス噴出機構を有し、制御技術を介して圧縮比を変更可能とし且つ圧縮上死点状態を保持する期間を変更可能にした回転型内燃機関に関する。
回転型内燃機関の場合、回転するピストン部の受圧面積をA、燃焼ガス圧をP、ピストン部の出力軸軸心からの半径をRとすると、出力トルクTは、T=A×P×Rとなる。
往復動内燃機関の場合、ピストン受圧面積をAo、燃焼ガス圧をPo、クランク半径をRo 、クランクアームのピストン軸心に対するクランク角をθとすると、出力トルクToは、To≒Ao×Po×Ro×Sinθとなる。
往復動内燃機関の場合、上記のようにSinθを掛ける分だけ出力トルクが小さくなり、出力特性を高めるには限界がある。しかも、吸入、圧縮、燃焼(爆発)、排気の1サイクルを行うのにクランク軸が2回転する必要がある。
回転型内燃機関では、出力トルクに上記のSinθを掛ける必要がなく、回転ピストンの半径Rも適切な大きさに設定できるため、出力トルクTを高めることができる。しかも、吸入、圧縮、燃焼、排気の1サイクルを出力軸の1回転で行うことができるため、内燃機関を小型化可能であり、回転数を低く設定可能であり、燃焼行程の長さを出力軸半回転以上の長さに設定可能であり、燃焼性能を確保できるものと推定される。
しかも、運転回転数を低めに設定する場合には吸入行程と排気行程の時間も長く設定でき、吸気損失や排気損失を低減することができる。クランク機構を省略でき且つ動弁機構も省略化又は簡単化できるため摩擦損失も改善できる余地がある。
回転型内燃機関は、上記のような可能性(ポテンシャル)を有するため、従来から多数の技術者により種々の回転型内燃機関が提案されてきた。
この種の内燃機関は、ハウジングと、ロータと、ロータに形成されたピストン部であって燃焼ガス圧を受圧する受圧面を有するピストン部と、このピストン部が回転移動する環状作動室と、ハウジングに可動に装着された複数の可動仕切部材であってピストン部と協働して環状作動室内に吸入作動室と、圧縮作動室と、燃焼作動室と排気作動室とを形成する複数の可動仕切部材と、吸気ポート及び排気ポート等を有する。
前記のピストン部の受圧面は、必ずしも、ピストン部の回転方向と直交する面である必要はなく、回転方向に対して鋭角的に交差する傾斜面であっても、トルク発生に影響を及ぼさない。しかし、一部の内燃機関では、ピストン部の受圧面をピストン部の回転方向と実質的に直交する面に形成している(特許文献1,2)。この構成では、ピストン部が可動仕切部材を通過した際に、可動仕切部材が受圧面に追従できず、ジャンピングが生じ、仕切り機能が損なわれる。
一部の内燃機関では、圧縮作動室で圧縮した圧縮空気を配管により外部のタンクに貯留しておき、圧縮空気をそのタンクから配管により燃焼作動室に供給する(特許文献1)。
この構成では、圧縮空気の熱エネルギ損失と圧力損失が多くなるため、出力性能を高める上で不利である。また、2つの気筒を設け、隣の気筒で発生させた圧縮空気を導入通路を介して燃焼作動室に導入する例もあるが、この構成では、内燃機関の構造が複雑化し、圧縮空気の圧力損失も多くなるため好ましくない。
一部の内燃機関では、環状作動室の付近のハウジング内に副燃焼室を形成し、圧縮空気を導入通路により副燃焼室に導入し、燃焼ガスを副燃焼室から噴出通路により燃焼作動室へ噴出させる(特許文献3,4)。この構成では、圧縮空気及び燃焼ガスの導入通路や噴出通路や弁機構内での圧力損失が多くなるうえ、複雑な弁機構及び動弁機構が必要となる場合がある(特許文献4)。
米国特許第2,409,141号公報 米国特許第2,744,505号公報 特開平3−286145号公報 米国特許第7,793,635号公報
回転型内燃機関において、圧縮作動室で圧縮した圧縮混合気又は圧縮空気を副燃焼室に一旦収容して点火後に燃焼ガスを燃焼作動室に噴出せる構成が公知である。ピストン部は圧縮作動室と燃焼作動室の両方に近い位置にあることから、ピストン部に副燃焼室を形成することを着想した場合、その副燃焼室には圧縮混合気を導入する導入通路と弁機構と、燃焼ガスを副燃焼室から燃焼作動室に噴出させる噴出通路と弁機構とを設ける必要がある。
しかし、ピストン部に上記の導入通路と弁機構と噴出通路と弁機構とを設けるスペースを確保することも容易ではなく、常時回転するピストン部に2組の弁機構とそれらを駆動する動弁機構を組み込むことは到底不可能である。それ故、ピストン部に副燃焼室を形成することは提案されていない。
このように、回転型内燃機関の場合、圧縮作動室で圧縮された圧縮混合気又は圧縮空気を導入する副燃焼室の構造、この副燃焼室に圧縮混合気又は圧縮空気を導入する導入通路とその弁機構、副燃焼室内の高圧燃焼ガスを燃焼作動室へ噴出させる噴出通路とその弁機構の構造等は、技術的に非常に難しい課題であるため、今日まで実用に耐えるようなものは提案されていない。
本発明の目的は、ピストン部に副燃焼室とピストン部の頂部に開口する副燃焼室の開口部を形成し、ハウジング側に圧縮ガス導入機構と燃焼ガス噴出機構を設けた回転型内燃機関、圧縮比を変更可能な回転型内燃機関、圧縮上死点状態を保持する期間を変更可能な回転型内燃機関を提供することである。
請求項1の回転型内燃機関は、出力軸と、この出力軸に固定されたロータと、このロータを回転可能に支持するハウジングと、このハウジング又はハウジングとロータ内に形成された環状作動室と、この環状作動室を横断的にガス密に仕切るように前記ハウジングの複数部位に可動に設けられた複数の可動仕切部材と、前記ロータに設けられ前記環状作動室を横断的にガス密に仕切るピストン部とを備え、前記環状作動室内を回転する前記ピストン部と前記複数の可動仕切部材により前記環状作動室内に吸入作動室と圧縮作動室と燃焼作動室と排気作動室とを形成可能にした回転型内燃機関において、
前記圧縮作動室から圧縮混合気又は圧縮空気を導入して点火する為の副燃焼室であって前記ピストン部のうちの前記環状作動室の内壁面に常時面接触している頂部に開口する開口部を有する副燃焼室が前記ピストン部の内部に形成され、
第1の可動仕切部材に対してロータ回転方向トレーリング側に前記圧縮作動室が形成されると共にリーディング側に前記燃焼作動室が形成され、
前記圧縮作動室又は燃焼作動室が特定作動室である場合に、前記環状作動室の内壁面を形成する内壁面形成壁部のうちの前記特定作動室の少なくとも一部の内壁面形成壁部部分に前記副燃焼室の前記開口部の移動軌跡に対向するように形成された円弧溝と、前記円弧溝に沿って移動可動に前記円弧溝に装着されたシャッター部材とを有し、且つ出力軸の回転位相に関連付けた設定期間に前記円弧溝を介して前記副燃焼室を前記特定作動室に連通させる連通機構が設けられたことを特徴としている。
上記の構成によれば、円弧溝は前記特定作動室の一部の内壁面部分に前記副燃焼室の前記開口部の移動軌跡に対向するように形成され、シャッター部材は前記円弧溝に沿って移動可動に前記円弧溝に装着されている。出力軸の回転位相に関連付けた設定期間に前記円弧溝を介して前記副燃焼室を前記特定作動室に連通させる連通機構が設けられているため、前記副燃焼室を前記特定作動室に連通させる通路の長さを非常に短くすることができる。それ故、圧縮混合気を副燃焼室に導入したり、高圧燃焼ガスを燃焼作動室に噴出させる際の圧力損失を僅少にし、圧縮混合気や高圧燃焼ガスの通路内への残留量を僅少にすることができる。
請求項2の形態では、請求項1において、前記吸入作動室に連通する吸入ポートと、前記排気作動室に連通する排気ポートと、燃焼用空気に燃料を供給する燃料供給手段とが設けられ、前記副燃焼室内の圧縮混合気に点火プラグ又は圧縮点火により点火する点火手段が設けられた。燃焼用空気が吸入ポートから吸入作動室に吸入され、排気作動室内の燃焼後の排気が排気ポートから排出される。
請求項3の形態では、請求項2において、前記圧縮作動室が前記特定作動室である場合、前記円弧溝が第1円弧溝であり、前記シャッター部材が第1シャッター部材であり、前記設定期間が圧縮行程の第1所定期間であり、前記連通機構が前記圧縮作動室の圧縮混合気又は圧縮空気を前記開口部から前記副燃焼室に導入させる圧縮ガス導入機構である。前記圧縮ガス導入機構により、圧縮作動室の圧縮混合気を副燃焼室の開口部から前記副燃焼室に導入させる。
請求項4の形態では、請求項2において、前記燃焼作動室が前記特定作動室である場合、前記円弧溝が第2円弧溝であり、前記シャッター部材が第2シャッター部材であり、前記設定期間が燃焼行程の第2所定期間であり、前記連通機構が前記副燃焼室内の高圧燃焼ガスを前記開口部から前記燃焼作動室に噴出させる燃焼ガス噴出機構である。前記燃焼ガス噴出機構により副燃焼室内の高圧燃焼ガスを開口部から前記燃焼作動室に噴出させることができる。
請求項5の形態では、請求項3において、前記第1所定期間の終了タイミングは、前記ピストン部の頂部が前記第1の可動仕切部材に対向するタイミングである。
請求項6の形態では、請求項4において、前記第2所定期間の開始タイミングは、前記ピストン部の頂部が前記第1の可動仕切部材に対向してから前記出力軸が所定角度回転したタイミングであり、前記出力軸が前記所定角度回転する間は前記副燃焼室の開口部が閉塞されて圧縮上死点状態が保持される。
上記のように、出力軸が所定角度回転する間は副燃焼室の開口部が閉塞されて圧縮上死点状態が保持されるため、副燃焼室内での燃焼を促進し、その後の燃焼作動室内での燃焼性能を高めることができる。例えば、寒冷地や寒冷時には前記所定角度を大きくしてもよく、空燃比の大きなリーン混合気を採用する場合には、前記所定角度を大きくしてもよい。
請求項7の形態では、請求項3において、前記圧縮ガス導入機構は、前記第1円弧溝と、前記第2シャッター部材と、前記第1シャッター部材の外周部に形成された複数の第1ラック歯と、前記第1ラック歯に噛合された第1ピニオンと、この第1ピニオンを回転駆動する第1電動モータと、前記出力軸の回転位相信号に基づいて第1電動モータを制御する第1制御手段とを備えている。
第1制御手段により第1電動モータと第1ピニオンを介して、出力軸の回転位相に関連付けて第1シャッター部材を往方向と復方向へ移動駆動することができる。
請求項8の形態では、請求項4において、前記燃焼ガス噴出機構は、前記第2円弧溝と、前記第2シャッター部材と、前記第2シャッター部材の外周部に形成された複数の第2ラック歯と、前記第2ラック歯に噛合された第2ピニオンと、この第2ピニオンを回転駆動する第2電動モータと、前記出力軸の回転位相信号に基づいて第2電動モータを制御する第2制御手段とを備えている。
第2制御手段により第2サーボモータと第2ピニオンを介して、出力軸の回転位相に関連付けて第2シャッター部材を往方向と復方向へ移動駆動することができる。
請求項9の形態では、請求項7において、前記第1制御手段は、圧縮行程の第1所定期間に、前記副燃焼室が前記第1円弧溝と前記第1シャッター部材を介して前記圧縮作動室に連通し且つ前記吸入作動室に連通しないように前記第1電動モータを介して前記第1シャッター部材の移動位置を制御する。
上記の構成により、圧縮作動室内に圧縮された圧縮混合気又は圧縮空気のほぼ全量を副燃焼室に導入させることができる。
請求項10の形態では、請求項9において、前記第1制御手段は、前記第1所定期間中又は第1所定期間の前に、前記第1円弧溝と前記第1シャッター部材を介して、前記吸入作動室と前記圧縮作動室を連通させて圧縮混合気又は圧縮空気の一部を吸入作動室へリークさせるリーク量を制御することにより、圧縮比を所定の最大圧縮比以下の範囲で変更可能に構成された。
上記の構成により、圧縮作動室と副燃焼室の容積は所定の最大圧縮比を実現可能に設定しておき、必要に応じて所定の最大圧縮比以下の範囲で圧縮比を変更可能である。例えば、内燃機関がオーバーヒートした時は圧縮比を小さく変更してノッキングの防止を図ることができる。外気温度や空燃比に応じて圧縮比を適宜変更することもできる。
請求項11の形態では、請求項8において、前記第2制御手段は、燃焼行程の前記第2所定期間に、前記副燃焼室が前記第2円弧溝と前記第2シャッター部材を介して前記燃焼作動室に連通し且つ前記排気作動室に連通しないように、前記第2電動モータを介して前記第2シャッター部材の移動位置を制御する。
上記の構成により、副燃焼室内の高圧燃焼ガスのほぼ全量を燃焼作動室へ噴出させることができる。
請求項12の形態では、請求項1において、前記環状作動室の断面形状は、円形又は前記出力軸の軸心方向と平行な長軸を有する長円形である。
請求項13の形態では、請求項3において、前記圧縮ガス導入機構は、前記第1シャッター部材を前記第1円弧溝に沿って移動駆動可能な第1のリニアモータ機構を有する。
リニアモータ機構はコンパクトに構成でき、応答性に優れる。
請求項14の形態では、請求項4において、前記燃焼ガス噴出機構は、前記第2シャッター部材を前記第2円弧溝に沿って移動駆動可能な第2のリニアモータ機構を有する。
リニアモータ機構はコンパクトに構成でき、応答性に優れる。
本発明は、上記のような種々の作用、効果を奏する。
本発明の実施形態に係る回転型内燃機関の縦断面図である。 上記内燃機関の縦断面図である。 出力軸の軸心を含む鉛直面で切った上記内燃機関の縦断面図である。 図1の要部拡大図である。 図1のV−V線断面図である。 図1のVI−VI線断面図である。 図4のVII−VII線断面図である。 図4のVIII−VIII線断面図である。 第1可動仕切部材の縦断面図である。 副燃焼室の位置とシャッター部材の位置との関係を示す説明図である。 変更例1のリニアモータ機構の構成図である。 変更例2の副燃焼室の断面形状を示す部分縦断面図である。 変更例2の副燃焼室の断面形状を示す部分縦断面図である。 変更例2の副燃焼室の断面形状を示す部分縦断面図である。 変更例6の回転型内燃機関の要部縦断面図である。 変更例7の回転型内燃機関の要部縦断面図である。
本発明を実施するための形態について図面に基づいて説明する。
本発明の回転型内燃機関(回転ピストン型内燃機関)を以下の説明では、単に「エンジン」という。
図1〜図3に示すように、このエンジンEは、出力軸1と、この出力軸1に固定されたロータ2と、このロータ2を収容するハウジング3と、ハウジング3内に形成された環状作動室4と、この環状作動室4を横断的にガス密に仕切るようにハウジング3の複数部位に可動に設けられた複数の可動仕切部材(第1,第2の仕切部材5,6)と、ロータ2に設けられ且つ環状作動室4を横断的にガス密に仕切るピストン部7とを備え、環状作動室4内を回転するピストン部7と複数の可動仕切部材5,6により環状作動室4内に吸入作動室4aと圧縮作動室4bと燃焼作動室4cと排気作動室4dを形成可能に構成されている。
ハウジング3には、吸入作動室4aに空気を吸入する吸気ポート8と、排気作動室4dから排気を排出する排気ポート9が形成されている。吸入作動室4a内の吸入空気又は圧縮作動室4b内の圧縮空気に燃料を噴射するインジェクタ10がハウジング3に装着されている。但し、吸気ポート8から吸入する前に吸気系内の空気に燃料を噴射してもよい。また、必要に応じて燃焼作動室4c内の燃焼中の燃焼ガスに燃料を噴射するインジェクタ12を追加的に設けてもよい。
尚、上記のインジェクタ10の代わりに、副燃焼室20に燃料を噴射するインジェクタを設ける場合もある。それ故、以下、圧縮混合気又は圧縮空気と記載する。
図1において、ロータ2が矢印Aの方へ回転しているとき、吸気ポート8に連なる吸入作動室4aは燃焼用空気を吸入中であり、吸入作動室4a内の空気に燃料が噴射されて混合気となる。圧縮作動室4bは混合気を圧縮中であり、排気作動室4dは排気中である。尚、圧縮作動室4b内に圧縮された圧縮混合気又は圧縮空気は後述する副燃焼室20に充填され、ピストン部7の頂部7bが第1の可動仕切部材5に達すると圧縮上死点状態となり、副燃焼室20内の圧縮混合気に点火プラグ14から点火される。
図2において、吸入作動室4aは吸入完了状態であり、燃焼作動室4cでは燃焼ガスが爆発的に膨張中であり、排気作動室4dから排気ポート9及び排気管13へ排気中である。尚、吸気ポート8に連なる吸気管11にはスロットル弁(図示略)が装着されている。エンジンEはスタータ(図示略)を有すると共にハウジング3の下端部を支持する支持脚15を有する。
鋼製の出力軸1の軸心Xとロータ2の軸心と環状作動室4の軸心は同軸であり、ハウジング3は、軸心Xと直交する分割面3aで2分割され、分割面に薄いガスケットを挟着した状態で、複数のボルト16により締め付けられている。
ハウジング3は例えばアルミニウム合金製の円形の厚板状の部材であり、ハウジング3の内部には、軸心Xから半径R0の位置に断面円形のドーナツ形の環状作動室4が形成されている。尚、上記の半径R0と、環状作動室4の直径dは、エンジンEの排気量に応じて適宜設定されている。但し、ハウジング3のうちの環状作動室4の内壁面4fを形成する内壁面形成壁部4wは、例えば鋳鉄製のシリンダライナ17で構成されている。但し、シリンダライナ17は図3にだけ図示し、その他は図示省略する。ハウジング3内には、冷却水を流通させるウォータジャケット18が形成されている。
ロータ2は、出力軸1に固着された軸心Xと直交状のディスク部2aと、このディスク部2aの外周端の一部に固着されたピストン部7であってロータ2が回転するとき環状作動室4内をガス密に仕切りながら回転するピストン部7とを有する。ディスク部2aは鋼、鋳鉄、アルミニウム合金等の材料で製作してもよく、ピストン部7は鋼やダクタイル鋳鉄等で製作してもよい。以下の説明において、ロータ回転方向(矢印A)を基準として「リーディング側」と「トレーリング側」を定義する。
ディスク部2aは、所定の板厚を有する円板状部材であり、ピストン部7はディスク部2aと一体形成してもよく、別体に形成してディスク部2aに結合してもよい。
ピストン部7は環状作動室4を横断的ガス密に仕切る仕切壁部7aであって円形断面の仕切壁部7aを有する。ピストン部7の仕切壁部7aは、環状作動室4の内壁面4fに常時面接触している頂部7bを有する。
ピストン部7のリーディング側の傾斜面21は、リーディング側へ移行する程軸心X側へ移行するように緩傾斜している。この傾斜面21は軸心Xと平行に形成され、この傾斜面21に第1,第2の可動仕切部材5,6の先端が当接した場合には傾斜面21との間をガス密に仕切る。
ピストン部7のトレーリング側の傾斜面22は、トレーリング側へ移行する程軸心X側へ移行するように傾斜している。この傾斜面22は軸心Xと平行に形成され、この傾斜面22に第1,第2の可動仕切部材5,6の先端が当接した場合には傾斜面22との間をガス密に仕切る。傾斜面21の傾斜角は傾斜面22の傾斜角よりも小さく形成されている。
ピストン部7の内部には、圧縮作動室4bから圧縮混合気又は圧縮空気を導入して点火する為のほぼ卵形の副燃焼室20が形成され、副燃焼室20の長軸の方向は軸心Xに対して半径方向に向けられ、この副燃焼室20はピストン部7の頂部7b(仕切壁部7aの頂部)に開口する開口部20aを有する。尚、副燃焼室20の軸心Xに対する内径側部分はほぼ半球形であり、外径側に向って徐々に小径になる形状である。副燃焼室20の容積は、吸入作動室4aに吸入した混合気を所定の最大圧縮比(例えば、16)に圧縮可能な容積に設定されている。副燃焼室20の長軸の方向は、開口部20aに対して半球部がリーディング側に位置するように傾けてもよい。また、副燃焼室20の形状はほぼ卵形の形状に限るものではない。また、開口部20aは図示のものより大きく形成してもよい。尚、副燃焼室20を1次燃焼室とすると、燃焼作動室4cが2次燃焼室に相当する。
図1〜図4に示すように、この開口部20aのリーディング側近傍とトレーリング側近傍において、仕切壁部7aには略環状のリング溝23とそのリング溝23に装着されたピストンリング24が設けられている。ピストン部7の内部には、副燃焼室20内の圧縮混合気に点火する点火プラグ14が装着されている。ピストン部7の内部には副燃焼室20の周辺部を冷却する為のウォータジャケット25が形成され、このウォータジャケット25はハウジング3内のウォータジャケット18に接続されている。
図3に示すように、出力軸1はハウジング3を貫通しており、出力軸1とロータ2をハウジング3に回転可能に支持するため、ハウジング3と出力軸1の間にはニードルベアリング26及びボールベアリング27が装着され、ハウジング3とロータ2のディスク部2aの間にもニードルベアリング28とシール部材29が装着されている。
環状作動室4内のガス圧によりハウジング3の分割面3aが軸心X方向へ開くのを防止するため、ハウジング3の外周近傍部は軸心Xと平行な複数のボルト16により締め付けられ、ハウジング3の両側において出力軸1にナット部材30とロックナット31が螺合されている。ハウジング3とナット部材30の間にはニードルベアリング32が装着されている。
次に、ベアリング26〜28やピストンリング24にオイル(潤滑油)を供給するオイル供給系の1例について説明する。出力軸1にロータリージョイント33が装着され、このロータリージョイント33から延びるオイル通路34が出力軸1とロータ2内に形成され、ベアリング26〜28と、ピストン部7のリング溝23にオイルを供給可能に形成されている。尚、ロータリージョイント33はオイル供給源に接続されている。
尚、前記ロータリージョイント33を省略し、ハウジング3に形成したオイル導入口に連なるオイル導入通路をハウジング3内に形成し、そのオイル導入通路からベアリング26〜28やリング溝23にオイルを供給するように構成してもよい。
前記ピストン部7の内部に装着した点火プラグ14に点火用駆動パルスを供給するため、出力軸1にはロータリーコネクタ35が装着され、そのロータリーコネクタ35から延びる通電用ハーネス36が出力軸1とロータ2内に導設されて点火プラグ14に接続されている。前記ロータリーコネクタ35はエンジンEの制御ユニット40に接続されている。
次に、第1仕切機構41について説明する。
図1、図2に示すように、ハウジング3の頂部には、第1の可動仕切部材5を含む第1仕切機構41であって環状作動室4を横断的にガス密に仕切る第1仕切機構41が設けられている。第1の可動仕切部材5は所定の板厚を有する板状部材で、この第1の可動仕切部材5はハウジング3に半径方向向きに形成された摺動孔42にガス密に摺動自在に装着されている。図8に示すように、摺動孔42の幅は環状作動室4の幅よりも少し大きく、摺動孔42の下端は、第1の可動仕切部材5がロータ2のディスク部2aの外周面に当接可能に形成されている(図3参照)。
第1の可動仕切部材5は、図9に示すように、強度確保の為の鋼製の箱状のコア部材 43と、このコア部材43の外表面を覆う焼結金属製の表層部材44とで構成してもよい。上記の焼結金属は低摩擦且つ多孔質のものでオイルを浸透可能なものである。第1の可動仕切部材5の先端部に湾曲状の摺動部5aが形成され、内部に凹部5bが形成され、コア部材43には凹部5b内のオイルを表層部材44に浸透させる為の複数の小孔45が形成されている。第1の可動仕切部材5の途中部にはシール部材46が装着されている。尚、第1の可動仕切部材5の上記の構造は一例であり、この構造に限るものではない。
第1の可動仕切部材5の外側においてハウジング3に箱部材47が固着され、この箱部材47の内部にはエア室48が形成され、箱部材47の近くには加圧エアが充填されたアキュムレータ49が設けられ、このアキュムレータ49はエア室48に接続され、エア室48には第1の可動仕切部材5に圧縮混合気の圧力や燃焼ガス圧が作用しても摺動部5aがロータ2から離隔しないように付勢する加圧エアが導入されている。第1の可動仕切部材5は加圧エアを受圧してロータ2の方へ弾性的に付勢され、摺動部5aがロータ2のピストン部7又はディスク部2aに常時当接している。
箱部材47にはオイル供給管41aが接続され、オイル供給管41aからオイルがエア室48内に供給され、そのオイルが凹部5bに流入して表層部材44に浸透して第1の可動仕切部材5の摺動面を潤滑する。尚、前記加圧エアの代わりに又は加圧エアと共に圧縮スプリングにより第1の可動仕切部材5を付勢することもできる。
次に、第2仕切機構50について説明する。
図1、図2に示すように、ハウジング3の下部の左側部には、第2の可動仕切部材6を含む第2仕切機構50であって環状作動室4を横断的にガス密に仕切る第2仕切機構50が設けられている。第2仕切機構50は、第1仕切機構41に対して例えば角度αだけトレーリング側に配置されており、図示の角度αは例えば135°である。角度αは上記の角度に限定されず、例えば、90〜180°の範囲の何れかの角度に設定可能である。
第2の可動仕切部材6は第1の可動仕切部材5と同様の部材であり、この第2の可動仕切部材6はハウジング3に半径方向向きに形成された摺動孔51にガス密に摺動自在に装着されている。第2の可動仕切部材6の先端部に湾曲状の摺動部6aが形成されると共に内部に凹部6bが形成され、凹部6bの下端部は閉塞部材52で閉塞されている。第2の可動仕切部材6の途中部にはシール部材53が装着されている。
第2の可動仕切部材6の外側においてハウジング3に箱部材54が固着され、この箱部材54の内部にはエア室55が形成され、箱部材54の近くには加圧エアが充填されたアキュムレータ56が設けられ、このアキュムレータ56はエア室55に接続され、エア室5に加圧エアが導入されている。第2の可動仕切部材6は加圧エアを受圧してロータ2の方へ弾性的に付勢されている。
箱部材54にはオイル供給管50aが接続され、オイル供給管50aから凹部6bにオイルを供給するオイル通路57が形成され、オイル供給管50aから凹部6bにオイルが供給され、そのオイルが表層部材に浸透して第2の可動仕切部材6の摺動面を潤滑するように構成されている。尚、前記加圧エアの代わりに又は加圧エアと共に圧縮スプリングにより第2の可動仕切部材6を付勢することもできる。
図1、図2、図4に示すように、このエンジンEには、圧縮作動室4b又は燃焼作動室4cが特定作動室100である場合に、環状作動室4の内壁面4fを形成する内壁面形成壁部4wのうちの特定作動室100の少なくとも一部の内壁面形成壁部部分に、副燃焼室20の開口部20aの移動軌跡に対向するように形成された円弧溝101と、円弧溝101に沿って移動可動に円弧溝101に装着された円弧状のシャッター部材102とを有し、且つ出力軸1の回転位相に関連付けた設定期間に円弧溝101を介して副燃焼室20を特定作動室100に連通させる連通機構103が設けられている。
図1、図2、図4に示すように、圧縮作動室4bが特定作動室100である場合、円弧溝101が第1円弧溝60であり、シャッター部材102が第1シャッター部材61であり、設定期間が圧縮行程の後期の第1所定期間(図10の期間P2参照)であり、連通機構103が圧縮作動室4b内の圧縮混合気又は圧縮空気を第1円弧溝60を介して副燃焼室20の開口部20aから副燃焼室20に導入させる圧縮ガス導入機構62である。第1所定期間P2の終了タイミングは、ピストン部7の頂部7bが第1の可動仕切部材5に対向するタイミングである。
第1円弧溝60は、第1の可動仕切部材5の側面からトレーリング側へ開角β(例えば、約90°)の範囲に軸心Xを中心とする円弧状に形成され、第1シャッター部材61は開角γ(例えば、約50°)の長さを有するものである。但し、上記の開角β,γの値は一例であり、これらの値に限定されるものではない。
圧縮ガス導入機構62は、第1円弧溝60と、第1シャッター部材61と、第1シャッター部材61の外周部に形成された複数の第1ラック歯63と、第1ラック歯63に噛合された第1ピニオン64と、この第1ピニオン64をカップリング65aを介して回転駆動する第1電動モータ65と、出力軸1の回転位相信号に基づいて第1電動モータ65を制御する第1制御手段66とを備えている。尚、第1電動モータ65としてサーボモータやステッピングモータを採用することができる。尚、第1制御手段66は、エンジンEを制御する制御ユニット40で構成されている。前記第1円弧溝60にオイルを供給するオイル供給管38がハウジング3に接続されている。
図5、図6に示すように、第1円弧溝60と第1シャッター部材61は、十文字形の断面を有する。第1円弧溝60は、副燃焼室20の開口部20aよりも僅かに広幅の開口溝60aと、この開口溝60aに連なる横溝60bと、横溝60bに連なるラック通過溝60cを有する。第1シャッター部材61は、開口溝60aに可動に装着されて開口溝60aを塞ぐ閉塞部61aと、横溝60bに装着された横板部61bと、この横板部61bから外側へ突出するラック形成部61cを一体的に形成したものである。閉塞部61aの先端面は環状作動室4の内壁面4fに連続する曲面に形成され、横板部61bは閉塞部61aの先端部が環状作動室4内へ突出しないように規制している。
第1シャッター部材61は、横溝60bと横板部61bで案内されて周方向に移動可能に第1円弧溝60に装着されている。尚、横板部61bの内周側部分にはシール部材61sが装着され、横板部61bの外周側部分61dは低摩擦材料で構成されている。但し、低摩擦材料に代えてニードルベアリングを装着してもよい。また、第1シャッター部材61は耐熱性に優れる合金鋼で構成することが望ましい。図7に示すように、第1円弧溝60 のリーディング側端部には、横板部61bの先端部を係止するストッパ部67が内壁面形成壁部4wに形成されている。
第1制御手段66は、出力軸1に装着されたロータリエンコーダから回転位相信号を受信し、この回転位相信号に基づいて第1電動モータ65を制御し、圧縮行程の後期の第1所定期間に、副燃焼室20が第1円弧溝60と第1シャッター部材61を介して圧縮作動室4bに連通し且つ吸入作動室4aに連通しないように第1電動モータ65を介して第1シャッター部材61の移動位置を制御する。
次に、圧縮ガス導入機構62により圧縮混合気又は圧縮空気を副燃焼室20に充填する制御について説明する。図10において、領域P1〜P5は、回転するピストン部7及び副燃焼室20にとっては期間に相当するものであるので、以下、期間P1〜P5として説明する。
副燃焼室20が期間P1にあるときは、第1シャッター部材61は原点位置を保持し、副燃焼室20の開口部20aが第1シャッター部材61で閉塞されている。
期間P2は圧縮行程の後期における第1所定期間に相当し、期間P2の開角θ1は例えば50°である。但し、50°に限定されるものではない。副燃焼室20が期間P2にあるときは、第1シャッター部材61のリーディング側端部が副燃焼室20の開口部20aより僅かにトレーリング側に位置するように、第1シャッター部材61はピストン部7と同期してリーディング側へ移動するように制御される。この期間P2においては副燃焼室20の開口部20aが開放されて副燃焼室20が圧縮作動室4bに連通され且つ副燃焼室20は吸入作動室4aには連通されない。期間P2の終了時点には第1シャッター部材61が最大限リーディング側へ移行する(図7参照)。
こうして、期間P2において、圧縮作動室4b内の圧縮混合気又は圧縮空気の略全量が第1円弧溝60から副燃焼室20内へ導入される。尚、前記の期間P2を経て、ピストン部7が第2仕切機構50に到達する頃までに第1シャッター部材61を原点位置へ復帰させる。
以上説明したように、圧縮作動室4bに連通した第1円弧溝60から副燃焼室20へ圧縮混合気又は圧縮空気を導入するため、副燃焼室20を圧縮作動室4bに連通させる通路の長さを非常に短くし、通路面積も確保できるため、圧縮混合気又は圧縮空気を副燃焼室20に導入する際の圧力損失を僅少にし、エンジンEの出力性能を確保することができる。しかも、上記の通路内には圧縮混合気又は圧縮空気が殆ど残留しないので有利である。
次に、前記圧縮ガス導入機構62により圧縮比を変更する制御について説明する。
第1制御手段66は、期間P2の間又は期間P2の前に、第1円弧溝60と第1シャッター部材61を介して、吸入作動室4aと圧縮作動室4bを連通させて圧縮混合気又は圧縮空気の一部を吸入作動室4aへリークさせるリーク量を制御することにより、圧縮比を所定の最大圧縮比(例えば、16)以下の範囲(例えば、圧縮比13〜16)で変更可能に構成されている。
圧縮混合気又は圧縮空気の一部を吸入作動室4aへリークさせる場合、第1シャッター部材61のリーディング側端部をピストン部7の頂部7bよりも小距離だけトレーリング側に位置させることによりリークさせることができ、リークさせるタイミング(このタイミングに応じて圧縮混合気のガス圧が決まる)とリークさせる期間(時間)の長さと、リーク通路の通路断面積に応じてリーク量が決まるため、リーク量を制御することができる。
以上説明したように、圧縮比を変更することができるので、例えば、エンジンEの暖機前や寒冷時や空燃比が大きい場合には圧縮比を大きくしたり、エンジンEがオーバーヒートした時は圧縮比を小さくしてノッキングを防止したりすることができる。このように外気温度やエンジンEの温度や空燃比等のエンジンEの運転状態に応じて圧縮比を適宜変更することができる。
図1、図2に示すように、前記燃焼作動室4cが特定作動室100である場合、円弧溝101が第2円弧溝70であり、シャッター部材102が第2シャッター部材71であり、設定期間が燃焼行程の前期の第2所定期間(図10の期間P4)であり、連通機構103が副燃焼室20内の高圧燃焼ガスを開口部20aから燃焼作動室4cに噴出させる燃焼ガス噴出機構72である。図2に示すように、第2円弧溝70は、第1の可動仕切部材5の側面からリーディング側へ開角δ(例えば、187°)の範囲に軸心Xを中心とする円弧状に形成され、第2シャッター部材71は開角ε(例えば、98°)の長さを有するものである。但し、上記δ、εの値は一例であり、これらの値に限定されるものではない。
図10に示すように、前記第2所定期間(図10の期間P4)の開始タイミングは、ピストン部7の頂部7bが第1の可動仕切部材5に対向してから出力軸1が所定角度θ2回転したタイミングであり、出力軸1が前記所定角度θ2回転する間は副燃焼室20の開口部20aが第2シャッター部材71により閉塞されて圧縮上死点状態(最大圧縮状態)が保持される。但し、上記の所定角度θ2は一定とは限らず、エンジンEの運転状態に応じて変更することができる。
燃焼ガス噴出機構72は、第2円弧溝70と、第2シャッター部材71と、第2シャッター部材71の外周部に形成された複数の第2ラック歯73と、第2ラック歯73に噛合された第2ピニオン74と、この第2ピニオン74を回転駆動する第2電動モータ75と、出力軸1の回転位相信号に基づいて第2電動モータ75を制御する第2制御手段76とを備えている。尚、第2電動モータ75として、サーボモータやステッピングモータを採用することができる。尚、第1,第2円弧溝60,70は同様の構造であり、第1,第2シャッター部材61,71は同様の構造である。
尚、第2制御手段76はエンジンを制御する制御ユニット40で構成されている。前記第2円弧溝70にオイルを供給するオイル供給管39もハウジング3に接続されている。第2シャッター部材71と第2ピニオン74と第2電動モータ75の関係は図5と同様であり、第2円弧溝70の断面形状は、第1円弧溝60の断面形状と同様であり、第2シャッター部材71の断面形状は第1シャッター部材61の断面形状と同様であるので、これらについての説明は省略する。
前記第2制御手段76は、第1制御手段66と同様に、出力軸1に装着されたロータリエンコーダからの回転位相信号を受信し、この回転位相信号に基づいて第2電動モータ75を制御し、燃焼行程の前期の第2所定期間(図10の期間P4)に、副燃焼室20が第2円弧溝70と第2シャッター部材71を介して燃焼作動室4cに連通し且つ排気作動室4dに連通しないように、第2電動モータ75を介して第2シャッター部材71の移動位置を制御する。
次に、燃焼ガス噴出機構72を介して、高圧燃焼ガスを副燃焼室20に閉じ込めて圧縮上死点状態を保持する制御について説明する。ピストン部7の頂部7bが第1の可動仕切部材5に到達する前の第2シャッター部材71の原点位置は、図1に実線で図示する位置である。
図10に示すように、副燃焼室20が期間P3に移行する直前に点火プラグ14により点火される。副燃焼室20が期間P3(開角θ2は例えば30°である)にあるとき、第2シャッター部材71により副燃焼室20の開口部20aは閉塞状態に保持される。但し、このとき、第2シャッター部材71のトレーリング側端部を開口部20aよりもトレーリング側近傍に位置させた状態で、第2シャッター部材71をピストン部7と同期してリーディング側へ移動させることが望ましい。期間P3の終了時の第2シャッター部材71の位置切換えの応答性を高める為である。
以上説明したように、期間P3において副燃焼室20の開口部20aを閉塞状態に保持し、副燃焼室20内を圧縮上死点状態に保持することで火炎の伝播を促進し、燃焼性能を高めることができる。上記の期間P3の長さは、第2電動モータ75の制御を介して変更可能である。エンジンEの暖機前や寒冷時、空燃比が大きい場合等には、期間P3の長さを大きくし、エンジンEがオーバーヒート状態のときには、期間P3の長さを短くすることもできる。こうして、エンジンEの出力性能と汎用性を高めることができる。
次に、燃焼ガス噴出機構72により高圧燃焼ガスを副燃焼室20から燃焼作動室4cに噴出させる制御について説明する。
図10に示すように、期間P4は、燃焼行程の前期の第2所定期間に相当し、この期間P4の開角θ3は例えば65°である。但し、65°に限定されるものではない。期間P4においては、第2シャッター部材71のトレーリング側端部を副燃焼室20の開口部20aより僅かにリーディング側に位置させて副燃焼室20を燃焼作動室4cに連通させ且つ副燃焼室20が排気作動室4dに連通しないように保持した状態で、第2シャッター部材71をピストン部7と同期してリーディング側へ移動させる。
こうして、副燃焼室20内の高圧燃焼ガスの略全量を燃焼作動室4cへ噴出させ、燃焼作動室4c内の燃焼ガスのガス圧をピストン部7のトレーリング側に受圧させ、回転トルクを発生させる。尚、このとき、燃焼ガス圧をPとし、ピストン部7の断面積をSとすると、ピストン部7から出力軸1に作用するトルクTはT=P×S×R0となる。尚、R0は環状作動室4の軸心Xからの半径であり(図1参照)、ピストン部7のトレーリング側傾斜面22の傾斜角はトルクTに影響を及ぼさない。
以上説明したように、燃焼作動室4cに連通する第2円弧溝70を介して副燃焼室20内の高圧燃焼ガスのほぼ全量を燃焼作動室4cへ噴出させるので、副燃焼室20を燃焼作動室4cに連通させる通路の長さを非常に短くし、通路面積も確保できるので、副燃焼室20内の高圧燃焼ガスを燃焼作動室4cへ噴出させる際の圧力損失を僅少にし、エンジンEの出力性能を確保することができる。しかも、期間P4の長さを十分大きくしてあるため、上記の通路内には高圧燃焼ガスが殆ど残留しないので有利である。
期間P4が経過すると、第2シャッター部材71のリーディング側端部が第2円弧溝70のリーディング側端部に達し、期間P5においては副燃焼室20の開口部20aが第2シャッター部材71で閉塞された状態になり、その期間P5の経過後は開口部20aは燃焼行程が終了するまで、環状作動室4の内壁面4fで閉塞される。
尚、期間P4の終了までに副燃焼室20内の燃焼ガスのほぼ全量が燃焼作動室4cに噴出するため、この期間P4の終了後に副燃焼室20内に残る残留ガスの量は僅少であると推定される。
次に、前記実施形態を変更する例について説明する。
1)変更例1
前記圧縮ガス導入機構62において、第1シャッター部材61を第1円弧溝60に沿って移動駆動する機構に第1のリニアモータ機構を採用することができる。
図11に示すように、この第1のリニアモータ機構80は、鋼製のシャッター部材81とリニアモータ82とを有する。円弧状のシャッター部材81(第1シャッター部材61)は、前記第1シャッター部材61において複数のラック歯63の代わりに、矩形パルス状の複数の歯81aを形成したものである。
リニアモータ82は、磁性体製の固定子部材83に形成した3つの第1〜第3固定子鉄心84a〜84cと、これら第1〜第3固定子鉄心84a〜84cに巻き付けたコイルC1,C2,C3と、これらコイルC1,C2,C3に駆動パルスを供給する駆動部85とを備えている。固定子部材83と駆動部85は前記ハウジング3に固定されている。第1〜第3固定子鉄心84a〜84cは同形状のものであり、第1〜第3固定子鉄心84a〜84cは夫々シャッター部材81の複数の歯81aに接近させた3つの固定歯86であって、3つの歯81aに対向可能な3つの固定歯86を有する。
シャッター部材81の複数の歯81aのピッチをピッチpとした場合に、第1〜第3固定子鉄心84a〜84cにおける3つの固定歯86のピッチはピッチpに等しい。しかし、第1固定子鉄心84aの3の固定歯86を図示のようにシャッター部材81の3つの歯81aに対向させた状態において、第2固定子鉄心84bの3つの固定歯86は、シャッター部材81の歯81aに対してズレ量a(但し、a=p/3)だけトレーリング側(図1における左方)へずらした位置にあり、第3固定子鉄心84cの3つの固定歯86は、シャッター部材81の歯81aに対してズレ量b(但し、b=2p/3)だけトレーリング側へずらした位置にある。
図示の状態において、駆動部85からコイルC1,C2,C3の各々にコイルC1,C2,C3の順に駆動パルスを供給するのを繰り返すと、シャッター部材81はトレーリング側へ移動駆動される。上記とは逆に、コイルC3,C2,C1の順に駆動パルスを供給するのを繰り返すと、シャッター部材81はリーディング側へ移動駆動される。尚、シャッター部材81の1ステップの移動量はp/3である。
こうして、シャッター部材81を高速でトレーリング側とリーディング側へ移動駆動することができる。上記の駆動部85はエンジンEの制御ユニット40によって出力軸1の回転位相信号に基づいて制御される。
以上の第1のリニアモータ機構80を変更する例として、第1円弧溝60の長さを前記図10の期間P1の終期と期間P2に対応する長さに設定し、シャッター部材81の長さを例えば約10cmの長さに設定し、上記の第1円弧溝60の全長に亙るリニアモータを設ける場合には、シャッター部材81の位置を自由に制御することができるため、前記実施形態の圧縮ガス導入機構62と同様に作動させることができる。
尚、前記の第1のリニアモータ機構は一例に過ぎず、種々のリニアモータ機構を採用することができる。また、リニアモータ機構以外のアクチュエータでシャッター部材を移動駆動することも可能である。
上記の例は、圧縮ガス導入機構62に第1のリニアモータ機構80を採用した例であるが、燃焼ガス噴出機構72にも上記の第1のリニアモータ機構80と同様の第2のリニアモータ機構80A(図示略)を採用することができる。
上記の第2のリニアモータ機構80を変更する例として、第2円弧溝70の長さを図10の期間P3と期間P4に対応する長さに設定し、シャッター部材81の長さを副燃焼室20の開口部20aを閉塞できる長さ(例えば、約10cm)に設定し、上記の第2円弧溝70の全長に亙るリニアモータを設ける場合には、シャッター部材81の位置を自由に制御することができるため、前記実施形態の燃焼ガス噴出機構72と同様に作動させることができる。 尚、この場合、第2円弧溝70の長さを拡大することで期間P4の長さを拡大可能である。リニアモータ機構は小型の構造であるうえ、摩耗する部品もないから耐久性に優れる。
2)変更例2
前記実施形態における環状作動室4の断面形状は円形であるが、種々の断面形状を採用することができる。図12に示すように、軸心Xの方向に長軸を有する長円形の断面形状の環状作動室4Aをハウジング3に形成し、その環状作動室4Aの内壁面形成壁部4wに断面十文字状の円弧溝90を形成し、ロータ2のディスク部2aの外周面が環状作動室4Aの内周面に一致するように形成する。
図13に示すような断面形状の環状作動室4Bも採用可能である。尚、ハウジング3、ロータ2のディスク部2a、断面十文字状の円弧溝91も図示してある。このように環状作動室4Bの外周面側を幅方向の中央部に向って外側へ膨らませるのは、圧縮作動室4bの圧縮混合気又は圧縮空気を副燃焼室20に導入し易くする為である。
図14に示すように、断面ほぼ矩形状の環状作動室4Cも採用可能である。尚、ハウジング3、ロータ2のディスク部2a、断面十文字状の円弧溝92も図示してある。このように環状作動室4Cの外周面側を幅方向の中央部に向って外側へ膨らませるのは、圧縮作動室4bの圧縮混合気又は圧縮空気を副燃焼室20に導入し易くする為である。
3)変更例3
前記実施形態ではロータ2のピストン部7のリーディング側傾斜面21とトレーリング側傾斜面22と頂部7bをピストン部7の外周側に形成した。この構造に代えて、ロータ2のピストン部7のリーディング側傾斜面とトレーリング側傾斜面と頂部をピストン部7の側面部に形成してもよい。上記の側面部とは軸心Xと直交する面とほぼ平行な面である。
但し、このピストン部7に対応するように圧縮ガス導入機構62や燃焼ガス噴出機構72を形成するものとする。
4)変更例4
前記実施形態のエンジンEでは点火プラグ14で点火するように構成したが、点火プラグ14を省略し、圧縮点火により点火するエンジンにも本発明を適用することができる。
ディーゼルエンジンの場合には、前記インジェクタ10の代わりに、副燃焼室20に燃料を噴射するインジェクタを設け、必要に応じてグロープラグも副燃焼室20に設けるものとする。また、ガソリンエンジンの場合でも、前記インジェクタ10の代わりに、副燃焼室20に燃料を噴射するインジェクタを設けてもよい。
尚、圧縮比を変更可能であるので、点火プラグ14による点火式エンジンと圧縮点火式エンジンの両方の機能を有するエンジンとすることもできる。
5)変更例5
環状作動室4の半径R0が大きい中型又は大型のエンジンでは、1つのロータ2に複数のピストン部7を設けることも可能である。尚、舶用エンジン等の大型のエンジンでは、1つの気筒に2組よりも多い仕切機構と、複数のピストン部7と、複数の吸気ポート8及び複数の排気ポート9を設けることも可能である。
6)変更例6
図15に示すエンジンEAにおいては、断面円形の環状作動室110がハウジング111とロータ112内に形成される。環状作動室110の内周側半分(内径側半分)はロータ112内に形成され、環状作動室110の外周側半分(外径側半分)はハウジング111内に形成される。ロータ112は、出力軸116に外嵌された筒部113とディスク部114と環状部115とを一体形成したものであり、筒部113は出力軸116に固定されている。環状部115は、軸心X方向の厚さが大きく形成され、環状部115の外周側部分に環状作動室110の内周側半分が形成されている。
このロータ112には環状作動室110を横断状にガス密に仕切るピストン部117が形成され、このピストン部117には副燃焼室118が形成され、副燃焼室118の開口部118aは、ピストン部117の頂部に開口されている。
ハウジング111は、出力軸116の軸心Xと直交する分割面111aで2分割され、複数のボルト119により締めつけて連結されている。ハウジング111には環状部115を嵌合させる嵌合凹部120が形成され、この嵌合凹部120から外周側に張り出すように環状作動室110の外周側半分が形成されている。
ハウジング111の内周側部分にはロータ112の環状部115を低摩擦で支持するニードルベアリング121が装着され、このニードルベアリング121の内周側にはシール部材122が装着され、環状部115の外周面を低摩擦で支持するボールベアリング123及び/又はシール部材がハウジング111に装着されている。
環状作動室110を横断状にガス密に仕切る為の仕切機構であって、前記第1,第2仕切機構41,50と同様の仕切機構が設けられているが、可動仕切部材124の形状は、図示のように第1,第2の可動仕切部材5,6 と異なっている。
可動仕切部材124の下端側部分は環状作動室110の内周側半分と同形状の半円形部分に形成され、この半円形部分よりも上側に形成された1対の被ガイド部124aは、ハウジング111の1対のガイド溝(図示略)でガイドされる。
ピストン部117のリーディング側傾斜面とトレーリング側傾斜面には、可動仕切部材124の半円部が部分的に係合して当接する断面が部分円形の係合溝であってピストン部117の頂部から徐々に深さが大きくなる係合溝(図示略)が形成されている。ロータ112及びハウジング111にはウォータジャケット(図示略)が形成され、そこに冷却水が供給される。このエンジンEAにおいても、前記圧縮ガス導入機構62及び燃焼ガス噴出機構72と同様のものが設けられるが、ここでは図示省略している。
このエンジンEAにおいては、環状作動室110の内周側半分に作用するガス圧は厚肉の環状部115で支持され、環状作動室110の外周側半分に作用するガス圧は複数のボルト119により支持される。このエンジンEAにおいては、ハウジング111の構造を簡単化し、小型化することができ、エンジンEAの信頼性を高めることができる。
7)変更例7
図16に示すエンジンEBにおいては、環状作動室130はハウジング131とロータ 132内に形成される。この環状作動室130の断面形状は正方形状であるが、環状作動室130と可動仕切部材133とピストン部134以外の構造は、図16のエンジンと同様であるので、同様の部材に同一符号を付して説明を省略する。環状作動室130を横断状にガス密に仕切るピストン部134には、副燃焼室118が形成されている。ピストン部134のリーディング側傾斜面とトレーリング側傾斜面は、軸心Xと平行な傾斜面であり、可動仕切部材133は長方形の板状の部材である。
環状作動室130を横断状にガス密に仕切る為の仕切機構であって、前記第1,第2仕切機構41,50と同様の仕切機構が設けられているが、可動仕切部材133のみ図示してある。可動仕切部材133の下端部分には環状作動室130の内周側半分と同形状の長方形部分が形成され、この長方形部分よりも上側に形成された1対の被ガイド部113aがハウジングのガイド溝(図示略)でガイドされる。このエンジンEBにおいては、環状作動室130の内周側半分に作用するガス圧は厚肉の環状部135で支持され、環状作動室130の外周側半分に作用するガス圧は複数のボルト119により支持される。このエンジンEBにおいては、ハウジング131の構造を簡単化し、小型化することができ、エンジンEBの信頼性を高めることができる。
8)変更例8
前記円弧溝101とシャッター部材102の断面形状及びサイズは一例に過ぎず、種々の断面形状及びサイズのものを採用することができる。また、シャッター部材として、リジットなチェーン構造で屈曲可能なシャッター部材を採用することもできる。
9)前記実施形態は一例に過ぎず、当業者であれば本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施形態に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態をも包含するものである。
E 回転型内燃機関(エンジン)
1 出力軸
2 ロータ
3 ハウジング
4 環状作動室
4a 吸入作動室
4b 圧縮作動室
4c 燃焼作動室
4d 排気作動室
4f 内壁面
4w 内壁面形成壁部
5,6 第1,第2の可動仕切部材
7 ピストン部
7a 仕切壁部
7b 頂部
8 吸入ポート
9 排気ポート
10 インジェクタ
14 点火プラグ
20 副燃焼室
20a 開口部
40 制御ユニット
60 第1円弧溝
61 第1シャッター部材
62 圧縮ガス導入機構
P2 第1所定期間
63 第1ラック歯
64 第1ピニオン
65 第1電動モータ
66 第1制御手段
70 第2円弧溝
71 第2シャッター部材
72 燃焼ガス噴出機構
P4 第2所定期間
73 第2ラック歯
74 第2ピニオン
75 第2電動モータ
76 第2制御手段
80 リニアモータ機構
100 特定作動室
101 円弧溝
102 シャッター部材
103 連通機構

Claims (14)

  1. 出力軸と、この出力軸に固定されたロータと、このロータを回転可能に支持するハウジングと、このハウジング又はハウジングとロータ内に形成された環状作動室と、この環状作動室を横断的にガス密に仕切るように前記ハウジングの複数部位に可動に設けられた複数の可動仕切部材と、前記ロータに設けられ前記環状作動室を横断的にガス密に仕切るピストン部とを備え、前記環状作動室内を回転する前記ピストン部と前記複数の可動仕切部材により前記環状作動室内に吸入作動室と圧縮作動室と燃焼作動室と排気作動室とを形成可能にした回転型内燃機関において、
    前記圧縮作動室から圧縮混合気又は圧縮空気を導入して点火する為の副燃焼室であって前記ピストン部のうちの前記環状作動室の内壁面に常時面接触している頂部に開口する開口部を有する副燃焼室が前記ピストン部の内部に形成され、
    第1の可動仕切部材に対してロータ回転方向トレーリング側に前記圧縮作動室が形成されると共にリーディング側に前記燃焼作動室が形成され、
    前記圧縮作動室又は燃焼作動室が特定作動室である場合に、前記環状作動室の前記内壁面を形成する内壁面形成壁部のうちの前記特定作動室の少なくとも一部の内壁面形成壁部部分に前記副燃焼室の前記開口部の移動軌跡に対向するように形成された円弧溝と、前記円弧溝に沿って移動可動に前記円弧溝に装着されたシャッター部材とを有し、且つ出力軸の回転位相に関連付けた設定期間に前記円弧溝を介して前記副燃焼室を前記特定作動室に連通させる連通機構が設けられたことを特徴とする回転型内燃機関。
  2. 前記吸入作動室に連通する吸入ポートと、前記排気作動室に連通する排気ポートと、燃焼用空気に燃料を供給する燃料供給手段とが設けられ、
    前記副燃焼室内の圧縮混合気に点火プラグ又は圧縮点火により点火する点火手段が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の回転型内燃機関。
  3. 前記圧縮作動室が前記特定作動室である場合、前記円弧溝が第1円弧溝であり、前記シャッター部材が第1シャッター部材であり、前記設定期間が圧縮行程の第1所定期間であり、前記連通機構が前記圧縮作動室の圧縮混合気又は圧縮空気を前記開口部から前記副燃焼室に導入させる圧縮ガス導入機構であることを特徴とする請求項2に記載の回転型内燃機関。
  4. 前記燃焼作動室が前記特定作動室である場合、前記円弧溝が第2円弧溝であり、前記シャッター部材が第2シャッター部材であり、前記設定期間が燃焼行程の第2所定期間であり、前記連通機構が前記副燃焼室内の高圧燃焼ガスを前記開口部から前記燃焼作動室に噴出させる燃焼ガス噴出機構であることを特徴とする請求項2に記載の回転型内燃機関。
  5. 前記第1所定期間の終了タイミングは、前記ピストン部の頂部が前記第1の可動仕切部材に対向するタイミングであることを特徴とする請求項3に記載の回転型内燃機関。
  6. 前記第2所定期間の開始タイミングは、前記ピストン部の頂部が前記第1の可動仕切部材に対向してから前記出力軸が所定角度回転したタイミングであり、
    前記出力軸が前記所定角度回転する間は前記副燃焼室の開口部が閉塞されて圧縮上死点状態が保持されることを特徴とする請求項4に記載の回転型内燃機関。
  7. 前記圧縮ガス導入機構は、前記第1円弧溝と、前記第1シャッター部材と、前記第1シャッター部材の外周部に形成された複数の第1ラック歯と、前記第1ラック歯に噛合された第1ピニオンと、この第1ピニオンを回転駆動する第1電動モータと、前記出力軸の回転位相信号に基づいて第1電動モータを制御する第1制御手段とを備えていることを特徴とする請求項3に記載の回転型内燃機関。
  8. 前記燃焼ガス噴出機構は、前記第2円弧溝と、前記第2シャッター部材と、前記第2シャッター部材の外周部に形成された複数の第2ラック歯と、前記第2ラック歯に噛合された第2ピニオンと、この第2ピニオンを回転駆動する第2電動モータと、前記出力軸の回転位相信号に基づいて第2電動モータを制御する第2制御手段とを備えていることを特徴とする請求項4に記載の回転型内燃機関。
  9. 前記第1制御手段は、圧縮行程の前記第1所定期間に、前記副燃焼室が前記第1円弧溝と前記第1シャッター部材を介して前記圧縮作動室に連通し且つ前記吸入作動室に連通しないように前記第1電動モータを介して前記第1シャッター部材の移動位置を制御することを特徴とする請求項7に記載の回転型内燃機関。
  10. 前記第1制御手段は、前記第1所定期間中又は第1所定期間の前に、前記第1円弧溝と前記第1シャッター部材を介して、前記吸入作動室と前記圧縮作動室を連通させて圧縮混合気又は圧縮空気の一部を吸入作動室へリークさせるリーク量を制御することにより、圧縮比を所定の最大圧縮比以下の範囲で変更可能に構成されたことを特徴とする請求項9に記載の回転型内燃機関。
  11. 前記第2制御手段は、燃焼行程の前記第2所定期間に、前記副燃焼室が前記第2円弧溝と前記第2シャッター部材を介して前記燃焼作動室に連通し且つ前記排気作動室に連通しないように、前記第2電動モータを介して前記第2シャッター部材の移動位置を制御することを特徴とする請求項8に記載の回転型内燃機関。
  12. 前記環状作動室の断面形状は、円形又は前記出力軸の軸心方向と平行な長軸を有する長円形であることを特徴とする請求項1に記載の回転型内燃機関。
  13. 前記圧縮ガス導入機構は、前記第1シャッター部材を前記第1円弧溝に沿って移動駆動可能な第1のリニアモータ機構を有することを特徴とする請求項3に記載の回転型内燃機関。
  14. 前記燃焼ガス噴出機構は、前記第2シャッター部材を前記第2円弧溝に沿って移動駆動可能な第2のリニアモータ機構を有することを特徴とする請求項4に記載の回転型内燃機関。
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