JP6410241B2 - 切断用ブレード - Google Patents

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Description

本発明は、例えばガラス、セラミックス等の脆性材料の切断加工に使用される切断用ブレードに関するものである。
従来、半導体製品などに用いられるガラスやセラミックス等の脆性材料(硬脆材料)からなる被切断材に、溝加工を施したり、切断することによって個片化したりする加工(本明細書では、これらの加工を総じて切断加工又は単に切断という)には、高精度が要求されており、このような切断加工には、例えば下記特許文献1に示される切断用ブレード(薄刃砥石)が使用されている。
この切断用ブレードは、円形板状をなすブレード本体と、前記ブレード本体の外周縁部に形成された切れ刃と、を備えており、前記ブレード本体は、Cu−Snから構成されるボンド相(軟質金属層)と、ダイヤモンド又はcBN(立方晶窒化ホウ素)からなりボンド相に分散される砥粒(超砥粒)と、同じくボンド相に分散される硬質粒子及び軟質粒子と、を有している。
ボンド相に保持された砥粒は、切断加工時にブレード本体の切れ刃に作用する切断抵抗や摩耗等により該切れ刃から脱落し、これにより切れ刃が自生発刃することで、切断用ブレードの切れ味が維持されるようになっている。
特開2003−94341号公報
しかしながら、上記従来の切断用ブレードにおいては、切断加工の精度(加工品位)をより高めることに改善の余地があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、切断加工の精度を高めることができる切断用ブレードを提供することを目的としている。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本発明は、円形板状をなすブレード本体を備える切断用ブレードであって、前記ブレード本体は、Cu−Snを主成分とするボンド相と、前記ボンド相に分散された砥粒及びフィラーと、を有し、前記フィラーは、酸化鉄からなり、その粒子の形状が球状をなし、前記ブレード本体全体の体積に対する前記フィラーの体積の割合が、5〜40%であることを特徴とする。
本発明の切断用ブレードによれば、ブレード本体のボンド相に、例えばダイヤモンドやcBN等の硬質材料からなる砥粒、及び、酸化鉄からなるフィラーが分散されているので、下記の作用効果が得られる。
すなわち、ボンド相に分散された酸化鉄からなるフィラーは、粒子形状が球形に近く、また軟質であることから、砥粒の自生発刃作用を適度に促すことができる。具体的に、酸化鉄からなるフィラーはボンド相との結合力が強固ではなく、このようなフィラーがボンド相に含まれることで、該フィラーとともに砥粒が適度に脱落しやすくなっている。従って、例えば本発明とは異なり、摩耗等によって切れ味が悪くなった砥粒が切れ刃から脱落することなくボンド相に保持され続けることで切れ味が低下するような事態を、本発明の構成によれば回避することができる。
つまり本発明では、切れ刃の鋭い切れ味が良好に維持されるように適度に砥粒が脱落し、切れ刃が安定して自生発刃するので、切断の加工品位が安定的に高められる。
さらに、このような酸化鉄からなるフィラーがブレード本体の切れ刃に露出していることによって、該フィラーがあたかも潤滑剤のごとく作用して、被切断材を切断して生じた切り粉(切屑)が該ブレード本体の側面(特に切れ刃の側面部分)等に付着しにくくされているとともに、良好に排出されやすくなり、これにより、被切断材を切断する際の切断抵抗が低減されて、被切断材の角欠けやチッピング等が抑制され、高品位な切断加工が安定して維持される。
従って本発明によれば、例えばガラスやセラミックス、石英等の脆性材料(硬脆材料)に対する切断加工であっても、長寿命で高品位な加工を行うことができ、かつ高速で加工処理することが可能である。
具体的に本発明では、ブレード本体全体の体積に対するフィラーの体積の割合(フィラーの含有率(体積比率))が5〜40%であるので、上述した効果が格別顕著に得られることになる。
すなわち、フィラーの含有率が5%未満の場合には、酸化鉄からなるフィラーがボンド相に含有されたことによる、上述した切れ刃を自生発刃させる作用が得られにくくなる。また、フィラーの含有率が40%を超える場合には、ブレード本体の耐摩耗性が損なわれやすくなり、また剛性も確保しにくくなって、ブレードが刃痩せしたり切断時に蛇行したりすることで、加工精度が確保されにくくなる。尚、フィラーの含有率が50%を超えると、ボンド相の摩耗が極端に大きくなり、砥粒の脱落が著しくなって、加工性能が損なわれる。
また本発明によれば、切断用ブレードの製造時において、ブレード本体(ブレード本体素材)が例えば600℃程度に加熱される工程(焼結工程)が含まれる場合であっても、酸化鉄からなるフィラーはこの加熱によって変質したり、ボンド相に拡散(結合)したりすることが抑制されるため、上述した作用効果が安定的に、かつ確実に得られることになる。
尚、本発明では、ブレード本体が例えばボンド相に予め酸化鉄フィラーを分散した状態で焼結し製造されることで、上述した切れ刃の自生発刃の作用効果が得られるようになっており、従って、ブレード本体の表面にFe成分が露出し外気に晒されることで自然発生する赤錆(製造後のブレード本体の表面に自然発生する酸化鉄)では、上述した作用効果は得られ難い。具体的に、本発明とは異なり、例えばボンド相内に単純にFe成分(酸化鉄でないもの)が分散されている構成においては、ブレード本体を焼結する際に該Fe成分がボンド相内で合金化し強固にボンド相に結合して、上述した本発明の作用効果は得られない。
以上より、本発明の切断用ブレードによれば、切断加工の精度(加工品位)を安定して高めることができるのである。
また、本発明の切断用ブレードにおいて、前記フィラーの平均粒径が、0.2〜2μmであることとしてもよい。
この場合、フィラーの平均粒径が2μm以下とされており、粒径が小さくなっているので、例えば本発明とは異なり、ボンド相に平均粒径が2μmを超える大きなフィラーが含まれる場合において、該フィラーがボンド相から一度に広範囲に脱落することで、切れ刃が偏摩耗したり強度が部分的に低下したりするような事態が、本発明では防止される。尚、フィラーの平均粒径が0.2μm未満のものは、流通上から鑑みて実際的ではないことから、好ましくない。
また、本発明の切断用ブレードにおいて、前記酸化鉄は、FeOであることとしてもよい。
本発明の切断用ブレードによれば、切断加工の精度を高めることができる。
本発明の一実施形態に係る切断用ブレードを示す側面図である。 図1のA−A断面を示す図である。 図2のB部の拡大図である。
以下、本発明の一実施形態に係る切断用ブレード10について、図面を参照して説明する。
本実施形態の切断用ブレード10は、半導体デバイス(電子材料部品)に用いられる例えばガラス、セラミックス、石英等の脆性材料(硬脆材料)を被切断材とした精密切断加工に使用される。
図1及び図2に示されるように、切断用ブレード10は、円形板状をなすブレード本体1と、ブレード本体1の外周縁部に形成された切れ刃1Aと、を備えている。特に図示しないが、切断用ブレード10は、そのブレード本体1がフランジを介して切断装置の主軸に取り付けられ、該ブレード本体1の中心軸O回りに回転されつつ該中心軸Oに垂直な方向に送り出されることにより、このブレード本体1においてフランジより径方向外側に突出された外周縁部(切れ刃1A)で被切断材を切断する。
ここで、本明細書においては、ブレード本体1の中心軸O方向に沿う方向を幅方向といい、中心軸Oに直交する方向を径方向といい、中心軸O回りに周回する方向を周方向ということがある。
ブレード本体1の厚さ(幅方向の長さ)は、例えば0.03〜0.5mmであり、従ってブレード本体1は円形薄板状をなしている。尚、図2においては説明のため、ブレード本体1の厚さが実際より厚く示されている。また、ブレード本体1の径方向の中央部(中心軸O上)には、中心軸Oを中心とした円形孔状をなし、該ブレード本体1を幅方向に貫通する取付孔4が形成されており、このためブレード本体1は具体的には円環板状をなしている。すなわち、本明細書でいう「円形板状をなすブレード本体1」には、円環板状をなすブレード本体1が含まれる。
図3に示されるように、ブレード本体1の切れ刃1Aは、該ブレード本体1の厚さと等しい極小さな幅とされたブレード本体1の外周面と、該ブレード本体1の幅方向を向く両側面1Bの外周縁部と、これら側面1Bの外周縁部と前記外周面との交差稜線をなすエッジ部と、によって形成されている。
ブレード本体1は、Cu−Snを主成分とするボンド相2と、ボンド相2に分散され、ボンド相2よりも硬質の材料からなる砥粒3と、ボンド相2に分散され、該ボンド相2及び砥粒3よりも軟質の材料からなる粒子状のフィラー5と、を有している。
ボンド相2は、Cu−Sn組成の銅合金(青銅)であり、ブロンズ系メタルボンドのマトリックス材となっている。また、ボンド相2には、上記Cu、Sn以外の成分として、Co及びNiのいずれかが含まれている。
砥粒3は、ダイヤモンド及びcBNのいずれかからなる。ただし、砥粒3として、上記ダイヤモンド、cBN以外の硬質材料(ただしボンド相2よりも硬質の材料)を用いてもよい。また、砥粒3の平均粒径は、例えば0.5〜100μmとされている。また、ブレード本体1全体の体積に対する砥粒3の体積の割合(砥粒3の含有率)は、例えば、2.5〜35%である。尚、特に図示しないが、砥粒3の外面(表面)には、例えばTi等の金属材料が被覆されていてもよい。
そして、本実施形態のフィラー5は、粒体又は粉体等の粒子状の酸化鉄からなる。具体的に、この酸化鉄は、FeO(ウスタイト等の酸化鉄(II))及びFe(磁鉄鉱(マグネタイト)等の酸化鉄(II,III))のいずれかであり、本実施形態ではFeである。そしてこの酸化鉄は、例えば、Fe成分が自然酸化することで生じる所謂赤錆等のFe(酸化鉄(III))とは異なる。ただし、フィラー5は粒子状の酸化鉄であればよく、上述したFeに限定されるわけではない。また、酸化鉄からなるフィラー5は、その粒子の形状が、外面(表面)に凹凸の少ない球状をなしている。
また、ブレード本体1全体の体積に対するフィラー5の体積の割合(フィラー5の含有率)は、5〜40%であり、かつ、フィラー5の平均粒径は、0.2〜2μmである。
より好ましくは、ブレード本体1全体の体積に対するフィラー5の体積の割合は、10〜30%であり、またフィラー5の平均粒径は、0.2〜1μmである。
以上説明した本実施形態の切断用ブレード10によれば、ブレード本体1のボンド相2に、例えばダイヤモンドやcBN等の硬質材料からなる砥粒3、及び、酸化鉄からなるフィラー5が分散されているので、下記の作用効果が得られる。
すなわち、ボンド相2に分散された酸化鉄からなるフィラー5は、粒子形状が球形に近く、また軟質であることから、砥粒3の自生発刃作用を適度に促すことができる。具体的に、酸化鉄からなるフィラー5はボンド相2との結合力が強固ではなく、このようなフィラー5がボンド相2に含まれることで、該フィラー5とともに砥粒3が適度に脱落しやすくなっている。従って、例えば本実施形態とは異なり、摩耗等によって切れ味が悪くなった砥粒が切れ刃から脱落することなくボンド相に保持され続けることで切れ味が低下するような事態を、本実施形態の構成によれば回避することができる。
つまり本実施形態では、切れ刃1Aの鋭い切れ味が良好に維持されるように適度に砥粒3が脱落し、切れ刃1Aが安定して自生発刃するので、切断の加工品位が安定的に高められる。
さらに、このような酸化鉄からなるフィラー5がブレード本体1の切れ刃1Aに露出していることによって、該フィラー5があたかも潤滑剤のごとく作用して、被切断材を切断して生じた切り粉(切屑)が該ブレード本体1の側面1B(特に切れ刃1Aの側面1B部分)等に付着しにくくされているとともに、良好に排出されやすくなり、これにより、被切断材を切断する際の切断抵抗が低減されて、被切断材の角欠けやチッピング等が抑制され、高品位な切断加工が安定して維持される。
従って本実施形態によれば、例えばガラスやセラミックス、石英等の脆性材料(硬脆材料)に対する切断加工であっても、長寿命で高品位な加工を行うことができ、かつ高速で加工処理することが可能である。
具体的に本実施形態では、ブレード本体1全体の体積に対するフィラー5の体積の割合(フィラー5の含有率(体積比率))が5〜40%であり、かつ、フィラー5の平均粒径が0.2〜2μmであるので、上述した効果が格別顕著に得られることになる。
すなわち、フィラー5の含有率が5%未満の場合には、酸化鉄からなるフィラー5がボンド相2に含有されたことによる、上述した切れ刃1Aを自生発刃させる作用が得られにくくなる。また、フィラー5の含有率が40%を超える場合には、ブレード本体1の耐摩耗性が損なわれやすくなり、また剛性も確保しにくくなって、ブレードが刃痩せしたり切断時に蛇行したりすることで、加工精度が確保されにくくなる。尚、フィラー5の含有率が50%を超えると、ボンド相2の摩耗が極端に大きくなり、砥粒3の脱落が著しくなって、加工性能が損なわれる。
また、フィラー5の平均粒径が2μm以下とされており、粒径が小さくなっているので、例えば本実施形態とは異なり、ボンド相に平均粒径が2μmを超える大きなフィラーが含まれる場合において、該フィラーがボンド相から一度に広範囲に脱落することで、切れ刃が偏摩耗したり強度が部分的に低下したりするような事態が、本実施形態では防止される。尚、フィラー5の平均粒径が0.2μm未満のものは、流通上から鑑みて実際的ではないことから、好ましくない。
また本実施形態によれば、切断用ブレード10の製造時において、ブレード本体1(ブレード本体素材)が例えば600℃程度に加熱される工程(焼結工程)が含まれる場合であっても、酸化鉄からなるフィラー5はこの加熱によって変質したり、ボンド相2に拡散(結合)したりすることが抑制されるため、上述した作用効果が安定的に、かつ確実に得られることになる。
尚、本実施形態では、ブレード本体1がボンド相2に予め酸化鉄フィラー5を分散した状態で焼結し製造されることで、上述した切れ刃1Aの自生発刃の作用効果が得られるようになっており、従って、ブレード本体1の表面にFe成分が露出し外気に晒されることで自然発生する赤錆(製造後のブレード本体1の表面に自然発生する酸化鉄)では、上述した作用効果は得られ難い。具体的に、本実施形態とは異なり、例えばボンド相内に単純にFe成分(酸化鉄でないもの)が分散されている構成においては、ブレード本体を焼結する際に該Fe成分がボンド相内で合金化し強固にボンド相に結合して、上述した本実施形態の作用効果は得られない。
以上より、本実施形態の切断用ブレード10によれば、切断加工の精度(加工品位)を安定して高めることができるのである。
また本実施形態において、ブレード本体1全体の体積に対するフィラー5の体積の割合が、10〜30%である場合には、フィラー5の含有率がより好ましい範囲となり、上述した作用効果がさらに格別顕著に得られることになる。
また本実施形態において、フィラー5の平均粒径が、0.2〜1μmである場合には、フィラー5の平均粒径がより好ましい範囲となり、上述した作用効果がさらに格別顕著に得られることになる。
また本実施形態では、フィラー5として用いられる酸化鉄が、Feであるので、下記の効果を奏する。
すなわち、上記構成のように、Feである酸化鉄からなるフィラー5をボンド相2に分散させることにより、本実施形態の上述した作用効果がより安定的に得られやすくなる。
尚、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前述の実施形態では、ボンド相2に酸化鉄からなるフィラー5が分散されているとしたが、ボンド相2には、酸化鉄からなるフィラー5以外の他のフィラー(例えばSiCからなるフィラーなど)が、該フィラー5とともに分散されていても構わない。すなわち、ボンド相2に分散される複数種類のフィラーの中に、少なくとも酸化鉄からなるフィラー5が含まれていればよい。
また、前述の実施形態では、Cu−Sn合金からなるボンド相2に、Co及びNiのいずれかが含まれていると説明したが、ボンド相2には、Co及びNiのうち少なくともいずれかが含まれていればよく、よってCo及びNiが両方含まれていてもよい。或いは、ボンド相2には、Co及びNiが両方含まれていなくても構わない。
さらに、ボンド相2には、Ag及び赤リンの少なくともいずれかが含まれていてもよい。この場合、ボンド相2の脆性を低減できるとともに靱性を向上させることができ、例えば被切断材との接触によって砥粒3が衝撃を受けた際に、このボンド相2が衝撃を緩和するように作用して、ブレード本体1の破損等を抑制できるという効果が得られる。
また、前述の実施形態では、ダイヤモンド及びcBNのいずれかからなる砥粒3がボンド相2に分散されているとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、砥粒3として、ダイヤモンド及びcBN以外の硬質材料が砥粒3としてボンド相2に分散されていてもよい。
また、前述の実施形態では、切断用ブレード10が、被切断材として例えばガラス、セラミックス、石英等の硬脆材料の切断に使用されると説明したが、それ以外の電子部品材料からなる被切断材を切断することとしてもよい。
その他、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態、変形例及び尚書き等で説明した各構成(構成要素)を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし本発明はこの実施例に限定されるものではない。
[酸化鉄フィラーの平均粒径に関する切断試験]
この実施例では、ボンド相2に分散される酸化鉄からなるフィラー5の平均粒径と、切断品位(角欠け、最大チッピング量、主軸電流値(つまり切断抵抗の大きさ))との関係について、確認を行った。
具体的には、粒度#1000のダイヤモンドからなる砥粒3がボンド相2に分散された、外径:53mm、内径(取付孔4の直径):40mm、厚さ:0.08mmのブレード本体1を有する切断用ブレードを複数製造した。そして、これら切断用ブレードのうち、酸化鉄からなるフィラー5がボンド相2に分散され、かつフィラー5の平均粒径が0.2〜2μmの範囲内とされたものを、本発明の実施例1〜3とした。一方、上記切断用ブレードのうち、酸化鉄からなるフィラー5がボンド相2に含有されていないもの、及びフィラー5の平均粒径が2μmを超えるものを、比較例1〜3とした。尚、実施例1〜3及び比較例2、3の切断用ブレードにおいて、ブレード本体1全体の体積に対する酸化鉄フィラー5の体積の割合(フィラー5の含有率)は、すべて20%とした。
また切断条件については、ワーク(被切断材):石英(100mm×100mm×t0.5mm)、フランジ:φ49.6mm、主軸回転数:20000min−1、送り速度:5mm/secとした。そして、ワークを切断して得られたチップにおける角欠けの有無、最大チッピング量、及び主軸電流値について確認した。尚、ここでいう「角欠けの有無」とは、矩形状に切り出されたチップにおける四隅のいずれか1つ以上に、折損(欠け)が有るか否かを表しており、「最大チッピング量」とは、切断加工によって、チップ内へ向けて意図せずカーフ端面から切り欠かれたチッピングのうち、最も大きいものの切り欠き量(深さ)を表している。結果を表1に示す。
Figure 0006410241
[評価]
表1に示されるように、実施例1〜3では、比較例1〜3とは異なり角欠けが見受けられなかった。また、実施例1〜3は比較例1〜3に比べて、最大チッピング量が小さく抑えられ、加工品位が高められていた。また、実施例1〜3は比較例1〜3に比べて、主軸電流値が小さく抑えられ、切断抵抗が低減されていた。
また実施例1〜3の中でも特に、フィラー5の平均粒径が0.2〜1μmの範囲内である実施例1、2については、最大チッピング量が7μmにまで抑えられて、格別顕著な効果を奏することが確認された。
[酸化鉄フィラーの含有率に関する切断試験]
この実施例では、ブレード本体1全体の体積に対する、酸化鉄からなるフィラー5の体積の割合(フィラー5の含有率(体積比率))と、切断品位(チップの裏面角欠け、チップ表面・裏面における各最大チッピング量、主軸電流値)との関係について、確認を行った。
具体的には、粒度#800のダイヤモンドからなる砥粒3及び酸化鉄からなるフィラー5がボンド相2に分散された、外径:58mm、内径:40mm、厚さ:0.1mmのブレード本体1を有する切断用ブレードを複数製造した。そして、これら切断用ブレードのうち、ブレード本体1全体の体積に対するフィラー5の体積の割合(フィラー5の含有率)が、5〜40%の範囲内とされたものを、本発明の実施例4〜8とした。一方、上記切断用ブレードのうち、酸化鉄からなるフィラー5がボンド相2に含有されていないもの、フィラー5の含有率が5%未満のもの、及びフィラー5の含有率が40%を超えるものを、比較例4〜7とした。尚、実施例4〜8及び比較例4〜7の切断用ブレードにおいて、ボンド相2に分散されるフィラー5の平均粒径は、すべて1.0μmとした。また、ブレード本体1全体の体積に対する砥粒3の体積の割合(砥粒3の含有率)は、すべて6.25%とした。
また切断条件については、ワーク(被切断材):アルカリガラス(100mm×100mm×t0.5mm)、フランジ:φ52mm、主軸回転数:15000min−1、送り速度:10mm/secとした。そして、ワークを切断して得られたチップにおける裏面角欠けの有無、チップ表面・裏面の各最大チッピング量、及び主軸電流値について確認した。結果を表2に示す。
Figure 0006410241
[評価]
表2に示されるように、実施例4〜8では、比較例4〜7とは異なり裏面角欠けが見受けられなかった。また、実施例4〜8は比較例4〜7に比べて、チップ表面・裏面の各最大チッピング量が小さく抑えられ、加工品位が高められていた。また、実施例4〜8は比較例4〜7に比べて、主軸電流値が小さく抑えられ、切断抵抗が低減されていた。
また実施例4〜8の中でも特に、フィラー5の含有率が10〜30%の範囲内である実施例5〜7については、チップ裏面の最大チッピング量が27μm以下、主軸電流値が2.4Aにまで抑えられて、格別顕著な効果を奏することが確認された。
1 ブレード本体
1A 切れ刃
2 ボンド相
3 砥粒
5 フィラー
10 切断用ブレード

Claims (3)

  1. 円形板状をなすブレード本体を備える切断用ブレードであって、
    前記ブレード本体は、
    Cu−Snを主成分とするボンド相と、
    前記ボンド相に分散された砥粒及びフィラーと、を有し、
    前記フィラーは、酸化鉄からなり、その粒子の形状が球状をなし、
    前記ブレード本体全体の体積に対する前記フィラーの体積の割合が、5〜40%であることを特徴とする切断用ブレード。
  2. 請求項1に記載の切断用ブレードであって、
    前記フィラーの平均粒径が、0.2〜2μmであることを特徴とする切断用ブレード。
  3. 請求項1又は2に記載の切断用ブレードであって、
    前記酸化鉄は、FeOであることを特徴とする切断用ブレード。
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