JP6410241B2 - 切断用ブレード - Google Patents
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Description
ボンド相に保持された砥粒は、切断加工時にブレード本体の切れ刃に作用する切断抵抗や摩耗等により該切れ刃から脱落し、これにより切れ刃が自生発刃することで、切断用ブレードの切れ味が維持されるようになっている。
すなわち、本発明は、円形板状をなすブレード本体を備える切断用ブレードであって、前記ブレード本体は、Cu−Snを主成分とするボンド相と、前記ボンド相に分散された砥粒及びフィラーと、を有し、前記フィラーは、酸化鉄からなり、その粒子の形状が球状をなし、前記ブレード本体全体の体積に対する前記フィラーの体積の割合が、5〜40%であることを特徴とする。
すなわち、ボンド相に分散された酸化鉄からなるフィラーは、粒子形状が球形に近く、また軟質であることから、砥粒の自生発刃作用を適度に促すことができる。具体的に、酸化鉄からなるフィラーはボンド相との結合力が強固ではなく、このようなフィラーがボンド相に含まれることで、該フィラーとともに砥粒が適度に脱落しやすくなっている。従って、例えば本発明とは異なり、摩耗等によって切れ味が悪くなった砥粒が切れ刃から脱落することなくボンド相に保持され続けることで切れ味が低下するような事態を、本発明の構成によれば回避することができる。
つまり本発明では、切れ刃の鋭い切れ味が良好に維持されるように適度に砥粒が脱落し、切れ刃が安定して自生発刃するので、切断の加工品位が安定的に高められる。
従って本発明によれば、例えばガラスやセラミックス、石英等の脆性材料(硬脆材料)に対する切断加工であっても、長寿命で高品位な加工を行うことができ、かつ高速で加工処理することが可能である。
すなわち、フィラーの含有率が5%未満の場合には、酸化鉄からなるフィラーがボンド相に含有されたことによる、上述した切れ刃を自生発刃させる作用が得られにくくなる。また、フィラーの含有率が40%を超える場合には、ブレード本体の耐摩耗性が損なわれやすくなり、また剛性も確保しにくくなって、ブレードが刃痩せしたり切断時に蛇行したりすることで、加工精度が確保されにくくなる。尚、フィラーの含有率が50%を超えると、ボンド相の摩耗が極端に大きくなり、砥粒の脱落が著しくなって、加工性能が損なわれる。
本実施形態の切断用ブレード10は、半導体デバイス(電子材料部品)に用いられる例えばガラス、セラミックス、石英等の脆性材料(硬脆材料)を被切断材とした精密切断加工に使用される。
ここで、本明細書においては、ブレード本体1の中心軸O方向に沿う方向を幅方向といい、中心軸Oに直交する方向を径方向といい、中心軸O回りに周回する方向を周方向ということがある。
ボンド相2は、Cu−Sn組成の銅合金(青銅)であり、ブロンズ系メタルボンドのマトリックス材となっている。また、ボンド相2には、上記Cu、Sn以外の成分として、Co及びNiのいずれかが含まれている。
より好ましくは、ブレード本体1全体の体積に対するフィラー5の体積の割合は、10〜30%であり、またフィラー5の平均粒径は、0.2〜1μmである。
すなわち、ボンド相2に分散された酸化鉄からなるフィラー5は、粒子形状が球形に近く、また軟質であることから、砥粒3の自生発刃作用を適度に促すことができる。具体的に、酸化鉄からなるフィラー5はボンド相2との結合力が強固ではなく、このようなフィラー5がボンド相2に含まれることで、該フィラー5とともに砥粒3が適度に脱落しやすくなっている。従って、例えば本実施形態とは異なり、摩耗等によって切れ味が悪くなった砥粒が切れ刃から脱落することなくボンド相に保持され続けることで切れ味が低下するような事態を、本実施形態の構成によれば回避することができる。
つまり本実施形態では、切れ刃1Aの鋭い切れ味が良好に維持されるように適度に砥粒3が脱落し、切れ刃1Aが安定して自生発刃するので、切断の加工品位が安定的に高められる。
従って本実施形態によれば、例えばガラスやセラミックス、石英等の脆性材料(硬脆材料)に対する切断加工であっても、長寿命で高品位な加工を行うことができ、かつ高速で加工処理することが可能である。
すなわち、フィラー5の含有率が5%未満の場合には、酸化鉄からなるフィラー5がボンド相2に含有されたことによる、上述した切れ刃1Aを自生発刃させる作用が得られにくくなる。また、フィラー5の含有率が40%を超える場合には、ブレード本体1の耐摩耗性が損なわれやすくなり、また剛性も確保しにくくなって、ブレードが刃痩せしたり切断時に蛇行したりすることで、加工精度が確保されにくくなる。尚、フィラー5の含有率が50%を超えると、ボンド相2の摩耗が極端に大きくなり、砥粒3の脱落が著しくなって、加工性能が損なわれる。
すなわち、上記構成のように、Fe3O4である酸化鉄からなるフィラー5をボンド相2に分散させることにより、本実施形態の上述した作用効果がより安定的に得られやすくなる。
さらに、ボンド相2には、Ag及び赤リンの少なくともいずれかが含まれていてもよい。この場合、ボンド相2の脆性を低減できるとともに靱性を向上させることができ、例えば被切断材との接触によって砥粒3が衝撃を受けた際に、このボンド相2が衝撃を緩和するように作用して、ブレード本体1の破損等を抑制できるという効果が得られる。
この実施例では、ボンド相2に分散される酸化鉄からなるフィラー5の平均粒径と、切断品位(角欠け、最大チッピング量、主軸電流値(つまり切断抵抗の大きさ))との関係について、確認を行った。
表1に示されるように、実施例1〜3では、比較例1〜3とは異なり角欠けが見受けられなかった。また、実施例1〜3は比較例1〜3に比べて、最大チッピング量が小さく抑えられ、加工品位が高められていた。また、実施例1〜3は比較例1〜3に比べて、主軸電流値が小さく抑えられ、切断抵抗が低減されていた。
また実施例1〜3の中でも特に、フィラー5の平均粒径が0.2〜1μmの範囲内である実施例1、2については、最大チッピング量が7μmにまで抑えられて、格別顕著な効果を奏することが確認された。
この実施例では、ブレード本体1全体の体積に対する、酸化鉄からなるフィラー5の体積の割合(フィラー5の含有率(体積比率))と、切断品位(チップの裏面角欠け、チップ表面・裏面における各最大チッピング量、主軸電流値)との関係について、確認を行った。
表2に示されるように、実施例4〜8では、比較例4〜7とは異なり裏面角欠けが見受けられなかった。また、実施例4〜8は比較例4〜7に比べて、チップ表面・裏面の各最大チッピング量が小さく抑えられ、加工品位が高められていた。また、実施例4〜8は比較例4〜7に比べて、主軸電流値が小さく抑えられ、切断抵抗が低減されていた。
また実施例4〜8の中でも特に、フィラー5の含有率が10〜30%の範囲内である実施例5〜7については、チップ裏面の最大チッピング量が27μm以下、主軸電流値が2.4Aにまで抑えられて、格別顕著な効果を奏することが確認された。
1A 切れ刃
2 ボンド相
3 砥粒
5 フィラー
10 切断用ブレード
Claims (3)
- 円形板状をなすブレード本体を備える切断用ブレードであって、
前記ブレード本体は、
Cu−Snを主成分とするボンド相と、
前記ボンド相に分散された砥粒及びフィラーと、を有し、
前記フィラーは、酸化鉄からなり、その粒子の形状が球状をなし、
前記ブレード本体全体の体積に対する前記フィラーの体積の割合が、5〜40%であることを特徴とする切断用ブレード。 - 請求項1に記載の切断用ブレードであって、
前記フィラーの平均粒径が、0.2〜2μmであることを特徴とする切断用ブレード。 - 請求項1又は2に記載の切断用ブレードであって、
前記酸化鉄は、FeOであることを特徴とする切断用ブレード。
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