JP6407949B2 - 単相リアクトルの構造 - Google Patents

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Description

本発明は、単相リアクトルの構造に関する。
従来、特許文献1および特許文献2に開示されるような単相リアクトルにおいては、磁束がギャップ近傍から漏洩して巻線を貫通し、巻線内に渦電流を発生させ、その結果、巻線の温度が上昇するという問題があった。このため、従来においては、巻線をギャップ近傍に配置しないようにしたり、巻線をギャップ近傍から遠ざけることが行われている。
図14Aは従来技術における単相リアクトルの断面図である。図14Aに示されるように、単相リアクトル100は二つの第一外側脚部151、152およびこれら第一外側脚部151、152の間に配置された第一中央脚部153を含む略E字形状の第一鉄心150と、二つの第二外側脚部161、162およびこれら第二外側脚部161、162の間に配置された第二中央脚部163を含む略E字形状の第二鉄心160とを含んでいる。
さらに、コイル171、172が第一中央脚部153および第二中央脚部163にそれぞれ巻回されている。図示されるように、第一鉄心150の二つの第一外側脚部151、152と第二鉄心160の二つの第二外側脚部161、162とは互いに接続されている。そして、第一中央脚部153と第二中央脚部163とは互いに対面し、これらの間にギャップGが形成されている。
特開2000−77242号公報 特開2008−210998号公報
図14Bは図14Aに示される単相リアクトルの部分拡大図である。図14Bに矢印A1で示される磁束はギャップG近傍において第二中央脚部163から漏洩して第一中央脚部153に到達している。これに対し、矢印A2〜A4で示される磁束は第二中央脚部163から第一中央脚部153に到達せず、第二中央脚部163から第二外側脚部162に到達する。このような磁束A2〜A4がコイル172を通過するので、コイルにおいて渦電流損が発生する。
図14Cは図14Aに示される単相リアクトルの磁束をシミュレーションにより示す図である。第一外側脚部151、152と第二外側脚部161、162との間の接続部分はギャップGの位置に対応している。
さらに、第一外側脚部151、152と第一中央脚部153とは互いに平行であり、第二外側脚部161、162と第二中央脚部163とも互いに平行である。このため、図14Cに示されるように、ギャップG近傍からの漏れ磁束は第一外側脚部151、152と第二外側脚部161、162との間の接続部分に放射されやすい。
図14Dは図14Aに示される単相リアクトルの磁束を示す他の図である。図14Dに示されるように、ギャップG近傍から漏れた磁束はコイル171、172を貫通し、隣接する外側脚部に流入しやすい。それゆえ、コイル171、172をギャップG近傍から遠ざけたとしても、コイル内の渦電流損を低減する効果は限定的であった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、ギャップまたはギャップ近傍からの漏れ磁束によるコイルの渦電流損を減少させられる単相リアクトルを提供することを目的とする。
前述した目的を達成するために1番目の発明によれば、外周部鉄心と、前記外周部鉄心の内面に接するか、または、該内面に結合された少なくとも四つの鉄心コイルと、を具備し、前記少なくとも四つの鉄心コイルのそれぞれは、鉄心と該鉄心に巻回されたコイルとを含んでおり、前記少なくとも四つの鉄心コイルのうちの互いに隣接する二つの鉄心コイルの間には磁気的に連結可能なギャップが形成されている、単相リアクトルが提供される。
2番目の発明によれば、1番目の発明において、前記少なくとも四つの鉄心コイルの数は6以上の偶数である。
3番目の発明によれば、1番目または2番目の発明において、前記単相リアクトルの前記ギャップの少なくとも一つには、非磁性材料であるギャップ材または絶縁紙または樹脂が挿入されているか、または充填されている。
4番目の発明によれば、1番目から3番目のいずれかの発明において、前記少なくとも四つの鉄心コイルの前記鉄心と前記外周部鉄心との間には磁気的に連結可能な外周部鉄心ギャップが形成されている。
5番目の発明によれば、4番目の発明において、前記単相リアクトルの前記外周部鉄心ギャップの少なくとも一つには、非磁性材料であるギャップ材または絶縁紙または樹脂が挿入されているか、または充填されている。
6番目の発明によれば、1番目から5番目のいずれかの発明において、前記鉄心は複数の鉄心部分から構成されている。
7番目の発明によれば、6番目の発明において、前記複数の鉄心部分の間には磁気的に連結可能な鉄心部分ギャップが形成されている。
8番目の発明によれば、7番目の発明において、前記単相リアクトルの前記鉄心部分ギャップのうちの少なくとも一つには、非磁性材料であるギャップ材または絶縁紙または樹脂が挿入されているか、または充填されている。
9番目の発明によれば、1番目から8番目のいずれかの発明において、前記外周部鉄心は複数の外周部鉄心部分から構成されている。
10番目の発明によれば、9番目の発明において、前記複数の外周部鉄心部分のうちの互いに隣接する外周部鉄心部分の間には外周部鉄心部分ギャップが形成されている。
11番目の発明によれば、10番目の発明において、前記単相リアクトルの前記外周部鉄心部分ギャップのうちの少なくとも一つには、非磁性材料であるギャップ材または絶縁紙または樹脂が挿入されているか、または充填されている。
12番目の発明によれば、1番目から11番目のいずれかの発明において、前記単相リアクトルが、少なくとも2つの鉄心コイルからなる第1組と他の少なくとも2つの鉄心コイルからなる第2組とを含んでいる。
13番目の発明によれば、12番目の発明において、前記単相リアクトルは、少なくとも2つの鉄心コイルからなる組を3組以上有する。
14番目の発明によれば、1番目から13番目のいずれかの発明において、前記単相リアクトルの前記外周部鉄心の内側には、非磁性材料であるギャップ材または絶縁材または樹脂が充填されている。
15番目の発明によれば、1番目から14番目のいずれかの単相リアクトルを具備したモータ駆動装置が提供される。
16番目の発明によれば、1番目から14番目のいずれかの単相リアクトルを具備した機械が提供される。
17番目の発明によれば、1番目から14番目のいずれかの単相リアクトルを具備した整流装置が提供される。
18番目の発明によれば、17番目の整流装置を具備した充電装置が提供される。
1番目の発明においては、磁気的に連結可能なギャップは単相リアクトルの中心付近に配置されることになる。そして、ギャップを挟んで隣接する鉄心のなす角が180度より小さくなる。このため、鉄心からの漏れ磁束が隣接する直近の他の鉄心に入り易くなり、従来技術の場合よりも、コイルを貫通する漏れ磁束を減らすことが出来る。さらにギャップ近傍からコイルを遠方に配置できるので、ギャップ近傍からの漏れ磁束が、巻線を貫通する割合を少なくできる。その結果、コイル内部の渦電流損を減少させられる。
2番目の発明においては、鉄心コイルの数を6以上の偶数にしているので、1相に対して複数の鉄心コイルが存在することになる。そして、複数の鉄心コイルを互いに並列接続することにより、鉄心コイルのそれぞれのコイルの断面積を低減できる。また、複数の鉄心コイルを互いに直列接続または並列接続することにより、インダクタンスを調整できる。
3番目の発明においては、ギャップに接する鉄心の振動を抑制すると共に鉄心から発生する騒音を低減することができる。
4番目の発明においては、外周部鉄心と鉄心コイルとの間に外周部鉄心ギャップが形成されているので、鉄心コイルから発生する熱が外周部鉄心に伝達し難くなる。
5番目の発明においては、外周部鉄心ギャップに接する鉄心の振動を抑制すると共に鉄心から発生する騒音を低減することができる。
6番目の発明においては、鉄心が複数の鉄心部分から構成されているので、リアクトルの組立を容易にできる。
7番目の発明においては、鉄心コイルの間のギャップと複数の鉄心部分の間の鉄心部分ギャップとの両方が形成されているので、1箇所あたりのギャップの寸法を小さくできる。そうすることで、ギャップから漏洩する磁束を少なくできるので、漏洩磁束によるコイル内の渦電流損を低減することができる。
8番目の発明においては、ギャップに接する鉄心の振動を抑制すると共に鉄心から発生する騒音を低減することができる。
9番目の発明においては、外周部鉄心を複数に分割しているので、外周部鉄心が大型である場合であっても、外周部鉄心を容易に製造できる。
10番目の発明においては、外周部鉄心部分ギャップを調整することにより、インダクタンスのアンバランスを容易に調整することができる。
11番目の発明においては、ギャップに接する鉄心の振動を抑制すると共に鉄心から発生する騒音を低減することができる。
12番目の発明においては、一つの単相リアクトル内に、二つの単相リアクトルを含ませられるため、二つの単相リアクトルが必要な場合は設置スペースを少なくできる。また、これら単相リアクトルを互いに並列または直列に接続することにより、インダクタンス値を調整できる。
13番目の発明においては、一つの単相リアクトル内に三つ以上の単相リアクトルを含ませられるため、三つ以上の単相リアクトルが必要な場合は設置スペースを少なくできる。また、三つ以上の単相リアクトルを互いに並列または直列に接続することにより、インダクタンス値を調整できる。
14番目の発明においては、鉄心コイルと外周部鉄心との間の温度平衡を促進すると共に、鉄心コイルや外周部鉄心から発生する騒音を低減することができる。
15番目および16番目の発明においては、単相リアクトルを含むモータ駆動装置および単相リアクトルを含む機械を容易に提供できる。
17番目および18番目の発明においては、単相リアクトルが整流装置の交流側の交流リアクトル、直流側の平滑リアクトル、またはLCフィルタを構成するリアクトルのうちの少なくとも一つとして設けられることを特徴とする整流装置、および前記整流装置を含む充電装置を容易に提供できる。
添付図面に示される本発明の典型的な実施形態の詳細な説明から、本発明のこれら目的、特徴および利点ならびに他の目的、特徴および利点がさらに明解になるであろう。
本発明の第一の実施形態に基づく単相リアクトルの断面図である。 図1Aに示される単相リアクトルの部分拡大図である。 図1Aに示される単相リアクトルの磁束を示す図である。 図1Aに示される単相リアクトルの磁束を示す他の図である。 電流と時間との関係を示す図である。 本発明の第二の実施形態に基づく単相リアクトルの断面図である。 本発明の第三の実施形態に基づく単相リアクトルの断面図である。 本発明の第四の実施形態に基づく単相リアクトルの断面図である。 本発明の第四の実施形態に基づく他の単相リアクトルの断面図である。 本発明の第五の実施形態に基づく他の単相リアクトルの断面図である。 本発明の第六の実施形態に基づく単相リアクトルの断面図である。 本発明の第七の実施形態に基づく単相リアクトルの断面図である。 本発明の第八の実施形態に基づく単相リアクトルの断面図である。 本発明の第九の実施形態に基づく単相リアクトルの断面図である。 本発明の第十の実施形態に基づく単相リアクトルの断面図である。 本発明の第十一の実施形態に基づく単相リアクトルの断面図である。 本発明の単相リアクトルを含む機械または装置を示す図である。 従来技術における単相リアクトルの断面図である。 図14Aに示される単相リアクトルの部分拡大図である。 図14Aに示される単相リアクトルの磁束を示す図である。 図14Aに示される単相リアクトルの磁束を示す他の図である。 本発明の第十二の実施形態に基づく単相リアクトルの断面図である。 本発明の第十二の実施形態に基づく他の単相リアクトルの断面図である。 本発明の第十三の実施形態に基づく単相リアクトルの断面図である。 本発明の第十三の実施形態に基づく他の単相リアクトルの断面図である。 本発明の第十四の実施形態に基づく単相リアクトルの断面図である。 本発明の第十五の実施形態に基づく単相リアクトルの断面図である。 本発明の第十五の実施形態に基づく他の単相リアクトルの断面図である。 本発明のさらに他の単相リアクトルの断面図である。 本発明のさらに他の単相リアクトルの断面図である。 本発明のさらに他の単相リアクトルの断面図である。 本発明のさらに他の単相リアクトルの断面図である。 本発明のさらに他の単相リアクトルの断面図である。 本発明のさらに他の単相リアクトルの断面図である。 本発明のさらに他の単相リアクトルの断面図である。 本発明のさらに他の単相リアクトルの断面図である。 本発明のさらに他の単相リアクトルの断面図である。 本発明のさらに他の単相リアクトルの断面図である。 本発明のさらに他の単相リアクトルの断面図である。 本発明のさらに他の単相リアクトルの断面図である。 本発明のさらに他の単相リアクトルの断面図である。 本発明のさらに他の単相リアクトルの断面図である。 従来技術における単相リアクトルを示す略図である。 図1Aに示されるような単相リアクトルを示す略図である。 本発明のさらに他の実施形態に基づく単相リアクトルの断面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の図面において同様の部材には同様の参照符号が付けられている。理解を容易にするために、これら図面は縮尺を適宜変更している。
図1Aは本発明の第一の実施形態に基づく単相リアクトルの断面図である。さらに、図1Bは図1Aに示される単相リアクトルの部分拡大図である。図1Cおよび図1Dは図1Aに示される単相リアクトルの磁束を示す図である。
図1Aに示されるように、単相リアクトル5は、外周部鉄心20と、外周部鉄心20に磁気的に互いに連結する四つの鉄心コイル31〜34とを含んでいる。図1Aにおいては、八角形状の外周部鉄心20の内側に鉄心コイル31〜34が配置されている。なお、外周部鉄心20は円形あるいは他の多角形形状であってもよい。これら鉄心コイル31〜34は単相リアクトル5の周方向に等間隔で配置されている。なお、鉄心コイルは周方向に配置されていればよく必ずしも等間隔である必要はない。
図面から分かるように、それぞれの鉄心コイル31〜34は、半径方向に延びる鉄心41〜44と該鉄心に巻回されたコイル51〜54とを含んでいる。鉄心41〜44のそれぞれの半径方向外側端部は、外周部鉄心20に接するか、もしくは外周部鉄心20と一体的に形成されている。
さらに、鉄心41〜44のそれぞれの半径方向内側端部は外周部鉄心20の中心近傍に位置している。図1A等においては鉄心41〜44のそれぞれの半径方向内側端部は外周部鉄心20の中心に向かって収斂しており、その先端角度は約90度である。なお、それぞれの先端角度が90度から大きくなるかまたは小さくなるほど、ギャップの面積は拡大するが、より少ない電流で磁束飽和し易くなる。そして、鉄心41〜44の半径方向内側端部は、磁気的に連結可能なギャップ101〜104を介して互いに離間している。
言い換えれば、第一の実施形態においては鉄心41の半径方向内側端部は、隣接する二つの鉄心42、44のそれぞれの半径方向内側端部とギャップ101、104を介して互いに離間している。他の鉄心42〜44についても同様である。なお、ギャップ101〜104の寸法は互いに等しいことが理想的であるが、等しくなくても良い。また、後述する実施形態においては、ギャップ101〜104の表記および鉄心コイル31〜34等の表記を省略する場合がある。
従って、図1Aに示されるように、ギャップ101〜104からなる単一の略X字形状のギャップが単相リアクトル5の中心に形成されることになる。これらギャップ101〜104も単相リアクトル5の周方向に等間隔で配置されている。
このように、本発明では、単相リアクトル5の中心部に位置する中心部鉄心が不要であるので、単相リアクトル5を軽量かつ簡易に構成することができる。さらに、四つの鉄心コイル31〜34が外周部鉄心20により囲まれているので、コイル51〜54から発生した磁界が外周部鉄心20の外部に漏洩することもない。また、ギャップ101〜104を任意の厚さで低コストで設けることができるので、従来構造のリアクトルと比べて設計上有利である。
ところで、図1Bに矢印B1、B2で示される磁束はギャップ103近傍において鉄心43から漏洩して他の鉄心44に到達する。これに対し、矢印B3で示される磁束は鉄心43からコイル53、54を通過するので、コイル53、54において渦電流損が発生する。
本発明においては、四つの鉄心コイル41〜44を周方向に等間隔で配置している。このため、ギャップ101〜104をそれぞれを挟んで隣接する二つの鉄心の中心線のなす角が90度になる。
これに対し、従来技術においては、図14A等に示されるように、二つの鉄心の角度は180度である。つまり、本発明において、隣接する二つの鉄心の中心線のなす角は180度よりも小さい。このため、本発明において漏洩した磁束は、従来技術の場合よりも、ギャップ近傍から拡散し難く、且つ、隣接する直近の鉄心に入りやすくなる。
なお、図1Cは図1Aに示される単相リアクトルの磁束をシミュレーションにより示す図である。図1Cにおいては、ギャップ101〜104より遠ざかるほど、漏れ磁束密度は低くなる。また、図1Cにおいては、図1Aのように磁束を流しているため、中央部では磁束が反発し合い、中央部の磁束密度は最小となる。
そして、図1Cの空白部分はギャップ101〜104より漏れた磁束が0.03T以上である。このことは、図14Cも同様である。図1Cと図14Cとを比較して分かるように、本発明図1Cのコイルの空白部分は図14Cに示されるコイルの空白部分よりも小さい。言い換えれば、本発明ではコイルを貫通する磁束密度が低い箇所の割合が多いので、コイルを貫通する漏れ磁束を従来技術の場合よりも減らすことができる。
さらに、図1Aおよび図1Dから分かるように、コイル51〜54は外周部鉄心20の内面近傍に配置されている。つまり、本発明におけるコイル51〜54はギャップ101〜104より遠方に位置している。従って、図1Dから分かるようにギャップ101〜104近傍からの漏れ磁束が、コイル51〜54を貫通する割合が小さくなる。その結果、コイル内部の渦電流損を減少させられるのが分かるであろう。
さらに、本発明においては、鉄心41〜44の断面積を大きくすることにより、ギャップ101〜104の厚みを小さくするのが好ましい。これにより、ギャップ近傍からの漏れ磁束が減り、コイル51〜54の巻数をも減らすことができるので、コイル51〜54内を貫通する磁束をさらに減らすことができる。
また、図1Aにおいては、対向して配置された鉄心コイル31、33の組からの磁束が単相リアクトル5の中心に向かって流れると共に、対向して配置された他の鉄心コイル32、34の組からの磁束は中心から半径方向外側に流れるように、コイル51〜54が巻回されている。しかしながら、全ての鉄心コイル31〜34より発生する磁束が単相リアクトル5の中心に向かうようにコイル51〜54を巻回してもよい。この場合には磁束を打ち消し合うことができる。
ところで、図2は電流と時間との関係を示す図である。図2の横軸は時間を示しており、縦軸は三相交流電流をダイオードにより全波整流した電流を単相リアクトル5のコイルに通電したときの電流を示している。そのような電流は図2に示されるような挙動を示す。各シミュレーションは図2の電流を入力した際の結果を示している。
図3は本発明の第二の実施形態に基づく単相リアクトルの断面図である。図3においては鉄心41〜44のそれぞれが時計回り方向に延びる略扇形の突起41p〜44pを半径方向内側端部の近傍に備えている。これら突起41p〜44pは図1において互いに隣接するコイルの端面の間の領域に延びている。これら突起41p〜44pが対面する他の鉄心41〜44の先端面の形状も、突起41p〜44pに対応して構成されている。
これら突起41p〜44pと隣接する鉄心41〜44との間の距離は図1の場合と同様である。また、図3においても鉄心41〜44の形状は互いに等しい。なお、突起41p〜44pが反時計回りの方向に延びていてもよい。
このような場合には、ギャップ101〜104の幅(半径方向距離)が図1の場合よりも大きくなる。このため、インダクタンスを高められるのが分かるであろう。なお、図3に示される実施形態においては鉄心41〜44の形状は互いに等しいが、これらが互いに異なっていても良い。さらに、ギャップ101〜104が直線状でなく、曲線状であってもよい。このような場合であっても、本発明の範囲に含まれる。なお、後述する他の実施形態においても同様である。
図4は本発明の第三の実施形態に基づく単相リアクトルの断面図である。図4に示される単相リアクトル5は外周部鉄心20と、外周部鉄心20に磁気的に互いに連結する、前述したのと同様な鉄心コイル31〜36とを含んでいる。鉄心コイル31〜36のそれぞれは、半径方向に延びる鉄心41〜46と該鉄心に巻回されたコイル51〜56とを含んでいる。
図4に示される単相リアクトル5の鉄心41〜46のそれぞれの半径方向内側端部の先端角度は約60度である。そして、鉄心41〜46の半径方向内側端部は、磁気的に連結可能なギャップ101〜106を介して互いに離間している。このように単相リアクトル5は、6以上の偶数の数の鉄心コイル31〜36を含んでいてもよい。
第三の実施形態においても、前述したのと概ね同様な効果が得られるのは明らかであろう。さらに、第三の実施形態においては、鉄心コイル31〜36の数を6以上の偶数にしているので、1相に対して複数の鉄心コイルが存在することになる。そして、複数の鉄心コイルを互いに並列接続することにより、鉄心コイルのそれぞれのコイルの断面積を低減することができる。また、複数の鉄心コイルを互いに直列接続することにより、インダクタンスを増やすことができる。
図5Aは本発明の第四の実施形態に基づく単相リアクトルの断面図である。図5Aに示される単相リアクトル5における鉄心コイル31〜34の半径方向に延びる鉄心41〜44は、半径方向内側に位置する第一鉄心部分41a〜44aと半径方向外側に位置する第三鉄心部分41c〜44cと、第一鉄心部分41a〜44aと第三鉄心部分41c〜44cとの間に位置する第二鉄心部分41b〜44bとをそれぞれ含んでいる。
これら第一鉄心部分41a〜44aと第二鉄心部分41b〜44bとの間には磁気的に連結可能な第一鉄心部分ギャップ111a〜114aが形成されている。同様に、第二鉄心部分41b〜44bと第三鉄心部分41c〜44cとの間には磁気的に連結可能な第二鉄心部分ギャップ111b〜114bが形成されている。さらに、単相リアクトル5は、第二鉄心部分41b〜43bおよび第三鉄心部分41c〜44cに巻回された共通のコイル51〜54を含んでいる。なお、コイル51〜54が第一鉄心部分41a〜44aにも巻回されていてもよい。
このような場合には、一つの鉄心、例えば鉄心41に対して、元々はギャップ101のみだったギャップが、ギャップ101、第一鉄心部分ギャップ111aおよび第二鉄心部分ギャップ111bに分割されるので、ギャップ一つ当たりの厚みは小さくなる。この場合のギャップの厚みとは、ギャップを分割後のギャップ101、第一鉄心部分41aおよび第二鉄心部分41bの間の距離、ならびに第二鉄心部分41bおよび第三鉄心部分41cの間の距離である。
第四の実施形態においては1箇所あたりのギャップの厚みが小さくなるので、ギャップからの漏れ磁束も少なくなる。また、鉄心41〜44が第一鉄心部分41a〜44aと、第二鉄心部分41b〜44bと、第三鉄心部分41c〜44cとから構成されているので、単相リアクトル5を容易に組み立てることができる。従って、図5Aに示される実施形態においては外周部鉄心20を分割する必要はない。なお、当然のことながら、鉄心41〜44のそれぞれが、一列に配置された二つ以上の鉄心部分から構成されていてもよい。
さらに、図5Bは本発明の第四の実施形態に基づく他の単相リアクトルの断面図である。図5Bにおいては、図1Aのギャップ101〜104の領域に追加鉄心41d〜44dが配置されている。追加鉄心41d〜44dの断面は扇形である。なお、追加鉄心41d〜44dの断面が二等辺三角形であってもよい。
鉄心41〜44の半径方向内側端部は二つの先端面から構成されている。図5Bに示されるように、追加鉄心41d〜44dの二つの平坦面のそれぞれと、隣接する鉄心の先端面とは互いに平行である。そして、追加鉄心41d〜44dの平坦面と鉄心41〜44の先端面との間には磁気的に連結可能なギャップ101a〜104a、101b〜104bが形成されている。なお、図5Bにおいて鉄心41〜44の二つの先端面がなす角度は60度よりも小さいのは明らかであろう。
図5Bにおけるギャップの数は八つであり、図1Aに示される場合ギャップの数の2倍である。従って、1箇所あたりのギャップの厚み、つまり追加鉄心41d〜44dの平坦面と鉄心41〜44の先端面との間の距離を半分にできるので、漏れ磁束を減少させられる。
図6は本発明の第五の実施形態に基づく単相リアクトルの断面図である。図6に示される単相リアクトル5の鉄心コイル31〜34は、半径方向に延びる鉄心41〜44と、該鉄心に巻回されたコイル51〜54とを含んでいる。鉄心41〜44のそれぞれの半径方向内側端部は前述した実施形態と同様に、ギャップ101〜104を介して互いに隣接している。
第五の実施形態においては、鉄心41〜44の半径方向外側端部と外周部鉄心20との間には磁気的に連結可能な外周部鉄心ギャップ111c〜114cがそれぞれ形成されている。単相リアクトル5の動作時には、鉄心コイル31〜34において熱が発生する。第五の実施形態においては、外周部鉄心ギャップ111c〜114cが形成されているので、鉄心コイル31〜34から発生する熱が外周部鉄心20に伝達し難くなるという効果がある。
図7は本発明の第六の実施形態に基づく単相リアクトルの断面図である。図7に示される単相リアクトル5の鉄心コイル31〜34は図1を参照して説明したのと概ね同様である。第六の実施形態においては、外周部鉄心20が、複数、例えば四つの外周部鉄心部分21〜24より構成されている。図7においては、外周部鉄心部分21が鉄心41に接するかまたは一体的に構成されている。同様に、外周部鉄心部分22〜24は、それぞれ鉄心42〜44に接するかまたは一体的に構成されている。図7に示される実施形態においては、外周部鉄心20が大型である場合であっても、そのような外周部鉄心20を容易に製造できる。
図8は本発明の第七の実施形態に基づく単相リアクトルの断面図である。第七の実施形態においては、外周部鉄心部分21と外周部鉄心部分22との間には、磁気的に連結可能な外周部鉄心部分ギャップ61が形成されている。同様に、外周部鉄心部分22と外周部鉄心部分23との間、外周部鉄心部分23と外周部鉄心部分24との間、および外周部鉄心部分24と外周部鉄心部分21との間には、磁気的に連結可能な外周部鉄心部分ギャップ62〜64がそれぞれ形成されている。
言い換えれば、外周部鉄心部分21〜24それぞれは互いに外周部鉄心部分ギャップ61〜64を介して配置されている。このような場合には、外周部鉄心部分21〜24の長さを調整することにより、外周部鉄心部分ギャップ61〜64を調整できる。その結果、単相リアクトル5のインダクタンスのアンバランスを調整できるのが分かるであろう。
図8に示される単相リアクトル5は、外周部鉄心部分ギャップ61〜64を有するという点でのみ、図7に示される単相リアクトル5とは異なる。言い換えれば、第六の実施形態においては、隣接する外周部鉄心部分21〜24の間に外周部鉄心部分ギャップ61〜64は形成されていない。図7および図8に示される実施形態においては、外周部鉄心20が大型である場合であっても、そのような外周部鉄心20を容易に製造できる。
図9は本発明の第八の実施形態に基づく単相リアクトルの断面図である。図9に示される単相リアクトル5は図1Aに示される単相リアクトル5と概ね同様であるので、詳細な説明を省略する。しかしながら、図9においては、鉄心コイル31、34のコイル51、54の断面積は、鉄心コイル32、33のコイル52、53の断面積よりも大きい。さらに、鉄心コイル31、34の鉄心41、44は、鉄心コイル32、33の鉄心42、43よりも幅狭である。なお、ギャップ101〜104の寸法は互いに等しい。
言い換えれば、図9において二点鎖線で示されるように、単相リアクトル5は、二つの鉄心コイル31、34からなる第一組と他の二つの鉄心コイル32、33からなる第二組とを含んでいる。第一組および第二組のそれぞれは、四つの鉄心コイル31〜34のうちの互いに隣接する二つの鉄心コイルを含んでいる。図9に示される単相リアクトル5においては、第一組と第二組との間で、鉄心の寸法ならびにコイルの断面積および巻数が互いに異なるようにしている。なお、単相リアクトル5の第一組におけるギャップの寸法が第二組におけるギャップの寸法とは異なるようにしてもよい。
このため、図9に示される実施形態においては、一つの単相リアクトル5内に、特性の異なる二つのリアクトルを実質的に含ませられる。従って、特性の異なる二つのリアクトルのための設置スペースを少なくできる。また、二つのリアクトルを互いに直列または並列で接続することにより、インダクタンス値を調整できるのが分かるであろう。
さらに、図10は本発明の第九の実施形態に基づく単相リアクトルの断面図である。図10に示される単相リアクトル5は図4に示される単相リアクトル5と概ね同様である。しかしながら、図10に示される単相リアクトル5の鉄心41、42は他の鉄心45、46よりも幅広であり、鉄心45、46は他の鉄心43、44よりも幅広である。さらに、鉄心41、42に巻回されるコイル51、52の断面積は他の鉄心45、46に巻回されるコイル55、56の断面積よりも小さく、コイル55、56の断面積は他の鉄心43、44に巻回されるコイル53、54の断面積よりも小さい。
従って、図10において二点鎖線で示されるように、単相リアクトル5は、二つの鉄心コイル31、32からなる第一組と、他の二つの鉄心コイル33、34からなる第二組と、さらに他の鉄心コイル35、36からなる第三組とを含んでいる。第一組〜第三組のそれぞれは、六つの鉄心コイル31〜36のうち、互いに隣接する二つの鉄心コイルを含んでいる。
図10に示される単相リアクトル5においては、第一組〜第三組との間で、鉄心の寸法ならびにコイルの断面積および巻数が互いに異なるようにしている。なお、単相リアクトル5の第一組におけるギャップの寸法が他の組におけるギャップの寸法とは異なるようにしてもよい。このような構成であるので、図9に示される場合と同様な効果が得られるのが分かるであろう。また、一つの単相リアクトル5内に、特性の異なるまたは特性の等しい四つ以上のリアクトル、つまり四つ以上の前述した組を含ませるようにしてもよい。この場合にも、同様な効果が得られるのは明らかであろう。
図11は本発明の第十の実施形態に基づく単相リアクトルの断面図である。図11に示される単相リアクトル5は図1Aを参照して説明した単相リアクトル5と概ね同様であるので、再度の説明を省略する。図11に示されるように、単相リアクトル5のギャップ101〜104には、樹脂製のギャップ材71が充填されている。
この場合には、樹脂をギャップ101〜104に単に充填して硬化させることによりギャップ材71を作成できる。このため、ギャップ材71を容易に作成することができる。なお、図11に示されるのと同様な略X字形状またはL字形状または板状のギャップ材71を予め作成し、樹脂を充填する代わりに、このギャップ材71をギャップ101〜104に挿入してもよい。このような場合においては、ギャップ材71がギャップ101〜104に接する鉄心の振動を抑制するため、鉄心から発生する騒音を低減できる。図5Aに示される鉄心部分ギャップと図8で示される外周部鉄心ギャップについても同様に、樹脂を充填することで容易にギャップ材を作成することができ、同様の効果を得ることができることは明らかであろう。
さらに、図12は本発明の第十一の実施形態に基づく単相リアクトルの断面図である。図12に示される単相リアクトル5は図1Aを参照して説明した単相リアクトル5と概ね同様であるので、再度の説明を省略する。図12に示されるように、単相リアクトル5の外周部鉄心20の内部は樹脂製の絶縁材72によって充填されている。
この場合にも、樹脂を外周部鉄心20の内部に単に充填して硬化させることにより絶縁材72を容易に作成することができる。このような場合においては、絶縁材72が鉄心コイル31〜34や外周部鉄心20の振動を抑制することで、発生する騒音を低減できる。さらに、図12に示される実施形態においては、鉄心コイル31〜34と外周部鉄心20との間の温度平衡を促進することもできる。
ところで、図15および図16は本発明の第十二の実施形態に基づく単相リアクトルの断面図である。これら図面においては、略正方形の単相リアクトル5が示されている。図示されるように、互いに対向する鉄心42、44は、前述したのと同様な形状である。
これに対し、互いに対向する他の鉄心41、43の先端には、鉄心41、43の主要部分よりも幅広な幅広部41e、43eが設けられている。これら幅広部41e、43eの形状は菱形の一部分に相当する。ただし、幅広部41e、43eが他の形状であってもよい。
図示されるように、鉄心41、43の幅広部41e、43eと鉄心42、44との間には磁気的に連結可能なギャップ101〜104が形成されている。そして、図15に示されるギャップ101〜104の総長は、幅広部を有さない同形状の他のリアクトルのギャップの総長よりも長い。従って、ギャップの総長を長くした場合には、インダクタンスを高めることが可能となる。
また、図16に示される単相リアクトル5においては、互いに対向する鉄心41、43は、互いに対向する他の鉄心42、44よりも全体にわたって幅広である。このため、図16においては、互いに対向する鉄心41、43の先端は平坦になっており、鉄心41、43の間には追加のギャップ105が形成されている。
このため、図16に示されるリアクトル5のギャップ101〜104および追加ギャップ105の総長は、鉄心41、43の幅が鉄心42、44の幅と同様である場合のリアクトル5のギャップの総長よりも長い。同様にこの場合には、インダクタンスを高めることが可能となる。
さらに、図17Aおよび図17Bは本発明の第十三の実施形態に基づく単相リアクトルの断面図である。図17Aおよび図17Bに示されるリアクトル5は図15に示されるリアクトル5と概ね同様である。
ただし、図17Aにおいては、幅広部41e、43eが鉄心41、43の主要部分からそれぞれ分離できるようになっている。なお、幅広部41e、43eと鉄心41、43の主要部分とは互いに当接しており、これらの間にはギャップは形成されていない。
このような場合には、幅広部41e、43eが取外された状態で、鉄心41、43の主要部分にコイル51、53を巻回できる。さらに、鉄心42、44には通常通りコイル52、54を巻回する。その後、幅広部41e、43eを上方から挿入し、それにより、図15に示されるようなリアクトル5を作成できる。
幅広部41e、43eが取外されていない状態で鉄心41、43にコイルを巻回するのは困難である。このため、図17Aに示される構成においてはリアクトル5の組立を容易に行えるのが分かるであろう。
同様に、図17Bにおいては、鉄心41、43自体が外周部鉄心20から分離できるようになっている。鉄心41、43と外周部鉄心20とは互いに当接しており、これらの間にはギャップは形成されていない。
この場合には、鉄心41、43をリアクトル5から取外して、鉄心41、43の基端部分にコイル51、53を巻回する。さらに、鉄心42、44には通常通りコイル52、54を巻回する。その後、コイル51、53付きの鉄心41、43を上方から挿入し、それにより、図15に示されるようなリアクトル5を作成できる。この場合にも、同様にリアクトル5を容易に組立てられるのは明らかであろう。
さらに、図18は本発明の第十四の実施形態に基づく単相リアクトルの断面図である。図18は図1と同様な図面である。しかしながら、図18においては、図1に示されるコイル52、54が排除されている。従って、図18においては、コイル51、53付きの鉄心41、43と、コイル無しの鉄心42、44とが交互に配置されている。
同様に、前述した他のリアクトル5においても一部の鉄心からコイルを排除するようにしてもよい。ただし、その場合コイル付きの鉄心と、コイル無しの鉄心とは必ずしも交互に配置される必要はない。このような構成であっても本発明の範囲に含まれ、前述したのと概ね同様な効果が得られるのは明らかであろう。
さらに、図19および図20は本発明の第十五の実施形態に基づく単相リアクトルの断面図である。図19に示されるリアクトル5においては、菱形の一部分からなる幅広部41e、43e付きの鉄心41、43が互いに対向している。これら鉄心41、43にはコイル51、53がそれぞれ巻回されている。そして、鉄心41、43は分割されておらず単一部材である。
他の鉄心42、44のそれぞれは、U字形状部分42h、44hと、U字形状部分42h、44hに受容される受容部分42h、44hとから構成されている。なお、鉄心42、44と鉄心41、43の幅広部41e、43eの辺との間には磁気的に連結可能なギャップが形成されている。図19においては、幅広部41e、43e付きの鉄心41、43と、他の鉄心42、44とが互い違いに配置されている。
図20に示されるリアクトル5は図19に示されるのと概ね同様である。しかしながら、図20に示される鉄心42、44の形状が図19に示される鉄心42、44の形状とは異なる。図20に示される鉄心42、44は中央部分42i、44iと中央部分の両側面に結合される側方部分42j、42k、44j、44kとから構成されている。
図19および図20に示されるようにリアクトル5が線対称であり、幅広部41e、43e付きの鉄心41、43と、他の形状の鉄心42、44とが互い違いに配置されていてもよい。さらに、コイルが鉄心42、44にも巻回されていてもよい。あるいは、コイルが鉄心42、44にのみ巻回され、コイル51、53を排除してもよい。さらに、前述したように一部の鉄心42、44が複数の部材に分割可能であってもよい。そのような場合であっても、本発明の範囲に含まれる。
ところで、図21は、本発明の他の単相リアクトルの断面図である。図21に示されるように、単相リアクトル5は、外周部鉄心20と、外周部鉄心20に磁気的に互いに連結する四つの鉄心コイル31〜34とを含んでいる。さらに単相リアクトル5の中心には、正方形の中心部鉄心80が配置されている。なお、中心部鉄心80は正方形である必要はなく、線対称または回転対称であるのが好ましい。また、鉄心コイルは周方向に配置されていればよく必ずしも等間隔である必要はない。
図面から分かるように、それぞれの鉄心コイル31〜34は、半径方向に延びる鉄心41〜44と該鉄心に巻回されたコイル51〜54とを含んでいる。鉄心41〜44のそれぞれの半径方向外側端部は、外周部鉄心20に接するか、もしくは外周部鉄心20と一体的に形成されている。
さらに、鉄心41〜44のそれぞれの半径方向内側端部は外周部鉄心20の中心近傍に位置している。図21においては鉄心41〜44のそれぞれの半径方向内側端部は平坦である。そして、鉄心41〜44の半径方向内側端部は、磁気的に連結可能なギャップ101〜104を介して中心部鉄心80に隣接している。なお、ギャップ101〜104の寸法は互いに等しいものとする。
この場合には、四つの鉄心コイル31〜34が外周部鉄心20により囲まれているので、コイル51〜54から発生した磁界が外周部鉄心20の外部に漏洩することはない。また、中心部鉄心80を含む後述するリアクトルは、中心部鉄心80を有さない前述したリアクトルと概ね同様な効果を有するものとする。
さらに、図21に示されるリアクトルおよび後述する他の実施例のリアクトルは中心部鉄心80の寸法を変更することにより、インダクタンスを調整できるという効果を有する。つまり、ギャップ101〜104を任意の厚さで低コストで設けることができるので、従来構造のリアクトルと比べて設計上有利である。
さらに、図22は本発明のさらに他の単相リアクトルの断面図である。以下の実施例においても、図21に示されるリアクトル5と概ね同様な効果が得られるものとする。図22に示される単相リアクトル5の鉄心41〜44の半径方向内側端部は外周部鉄心20の中心に向かって収斂しており、その先端角度は約90度である。
また、単相リアクトル5の中心には、中心部鉄心80が配置されている。図示されるように、中心部鉄心80は四つの延長部81〜84を備えた略X字形状である。さらに、鉄心41〜44のそれぞれが時計回り方向に延びる略扇形の突起41p〜44pを半径方向内側端部の近傍に備えている。これら突起41p〜44pは図1において互いに隣接するコイルの端面の間の領域に延びている。これら突起41p〜44pが対面する他の鉄心41〜44の先端面の形状も、突起41p〜44pに対応して構成されている。なお、突起41p〜44pが反時計回りの方向に延びていてもよい。
そして、延長部81〜84のそれぞれの両側面は、鉄心41〜44の半径方向内側端部に隣接している。そして、中心部鉄心80の延長部81〜84の両側面と鉄心41〜44との間には磁気的に連結可能なギャップが形成されている。従って、ギャップの総長が長くなり、その結果、インダクタンスを高めることが可能となる。
図23は本発明のさらに他の単相リアクトルの断面図である。鉄心41〜44の半径方向内側端部は外周部鉄心20の中心に向かって収斂しており、その先端角度は約90度である。ただし、図示されるように、鉄心41、43は、他の鉄心42、44よりも幅広である。
さらに、図23に示されるリアクトル5は、四つの延長部81〜84を備えた略X字形状の中心部鉄心80を備えている。鉄心41〜44の半径方向内側端部が隣接する二つの延長部81〜84の間に受容されるように、中心部鉄心80は形成されている。そして、中心部鉄心80の延長部81〜84の両側面と鉄心41〜44との間には磁気的に連結可能なギャップが形成されている。このため、前述したのと同様な効果が得られるのが分かるであろう。
さらに、図24は本発明のさらに他の単相リアクトルの断面図である。図24に示される単相リアクトル5は、外周部鉄心20と、略六角形状の中心部鉄心80と、前述したのと同様な鉄心コイル31〜36とを含んでいる。鉄心コイル31〜36のそれぞれは、半径方向に延びる鉄心41〜46と該鉄心に巻回されたコイル51〜56とを含んでいる。
図24に示される単相リアクトル5の鉄心41〜46のそれぞれの半径方向内側端部は平坦である。そして、鉄心41〜46の半径方向内側端部は、磁気的に連結可能なギャップ101〜106を介して中心部鉄心80に隣接している。このように単相リアクトル5は、6以上の偶数の数の鉄心コイル31〜36を含んでいてもよい。
図25は本発明のさらに他の単相リアクトルの断面図である。図25に示される単相リアクトル5における鉄心コイル31〜34の半径方向に延びる鉄心41〜44は、半径方向内側に位置する第一鉄心部分41a〜44aと半径方向外側に位置する第三鉄心部分41c〜44cとをそれぞれ含んでいる。
中心部鉄心80と第一鉄心部分41a〜44aとの間には磁気的に連結可能な鉄心部分ギャップ111a〜114aが形成されている。さらに、第一鉄心部分41a〜44aと第三鉄心部分41c〜44cの間には磁気的に連結可能な鉄心部分ギャップ111b〜114bが形成されている。
このような場合には、一つの鉄心、例えば鉄心41に対して、第一鉄心部分ギャップ111aおよび第二鉄心部分ギャップ111bが形成されるので、ギャップ一つ当たりの厚みは小さくなる。ギャップの厚みが小さくなるので、ギャップからの漏れ磁束も少なくなる。また、鉄心41〜44が複数の鉄心部分から構成されているので、単相リアクトル5を容易に組み立てることができる。なお、当然のことながら、鉄心41〜44のそれぞれが、一列に配置された三つ以上の鉄心部分から構成されていてもよい。
図26は本発明のさらに他の単相リアクトルの断面図である。図26においては、互いに隣接する二つの鉄心41〜43の間に追加鉄心41d〜44dが配置されている。追加鉄心41d〜44dの断面は扇形の一部分である。なお、追加鉄心41d〜44dの断面が二等辺三角形であってもよい。
鉄心41〜44の半径方向内側端部は二つの先端面と、二つの先端面の間の平坦面とを含んでいる。図26に示されるように、追加鉄心41d〜44dの二つの平坦面のそれぞれと、隣接する鉄心の先端面とは互いに平行である。追加鉄心41d〜44dの平坦面と鉄心41〜44の先端面との間には磁気的に連結可能なギャップ101a〜104a、101b〜104bが形成されている。さらに、鉄心41〜44の平坦面と中心部鉄心80との間にも磁気的に連結可能なギャップ101〜104が形成されている。さらに、追加鉄心41d〜44dの先端と中心部鉄心80との間にも磁気的に連結可能なギャップ(表記しない)が形成されている。
図26においてはギャップ総長が増えるので、インダクタンスを大きくすることができる。さらに、この場合には、1箇所あたりのギャップの厚みを小さくできるので、漏れ磁束をさらに減少させられる。
さらに、図27は本発明のさらに他の単相リアクトルの断面図である。図27に示される単相リアクトル5においては、鉄心41〜44の半径方向外側端部と外周部鉄心20との間には磁気的に連結可能な外周部鉄心ギャップ111c〜114cがそれぞれ形成されている。単相リアクトル5の動作時には、鉄心コイル31〜34において熱が発生する。本実施形態においては、外周部鉄心ギャップ111c〜114cが形成されているので、鉄心コイル31〜34から発生する熱が外周部鉄心20に伝達し難くなるという効果がある。
図28は本発明の第六の実施形態に基づく単相リアクトルの断面図である。図28に示される単相リアクトル5においては、外周部鉄心20が、複数、例えば四つの外周部鉄心部分21〜24より構成されている。図28においては、外周部鉄心部分21が鉄心41に接するかまたは一体的に構成されている。同様に、外周部鉄心部分22〜24は、それぞれ鉄心42〜44に接するかまたは一体的に構成されている。図28に示される実施形態においては、外周部鉄心20が大型である場合であっても、そのような外周部鉄心20を容易に製造できる。
図29は本発明の他の単相リアクトルの断面図である。図29に示されるリアクトル5において、外周部鉄心部分21〜24のそれぞれは外周部鉄心部分ギャップ61〜64を介して配置されている。このような場合には、外周部鉄心部分21〜24の長さを調整することにより、外周部鉄心部分ギャップ61〜64を調整できる。その結果、単相リアクトル5のインダクタンスのアンバランスを調整できるのが分かるであろう。
図29に示される単相リアクトル5は、外周部鉄心部分ギャップ61〜64を有するという点でのみ、図28に示される単相リアクトル5とは異なる。図28および図29に示される実施形態においては、外周部鉄心20が大型である場合であっても、そのような外周部鉄心20を容易に製造できる。
図30は本発明のさらに他の単相リアクトルの断面図である。図30に示される単相リアクトル5においては、鉄心コイル31、34のコイル51、54の断面積は、鉄心コイル32、33のコイル52、53の断面積よりも大きい。さらに、鉄心コイル31、34の鉄心41、44は、鉄心コイル32、33の鉄心42、43よりも幅狭である。なお、ギャップ101〜104の寸法は互いに等しい。
言い換えれば、図30において二点鎖線で示されるように、単相リアクトル5は、二つの鉄心コイル31、34からなる第一組と他の二つの鉄心コイル32、33からなる第二組とを含んでいる。第一組および第二組のそれぞれは、四つの鉄心コイル31〜34のうちの互いに隣接する二つの鉄心コイルを含んでいる。図30に示される単相リアクトル5においては、第一組と第二組との間で、鉄心の寸法ならびにコイルの断面積および巻数が互いに異なるようにしている。なお、単相リアクトル5の第一組におけるギャップの寸法が第二組におけるギャップの寸法とは異なるようにしてもよい。
従って、一つの単相リアクトル5内に、特性の異なる二つのリアクトルを実質的に含ませられる。従って、特性の異なる二つのリアクトルのための設置スペースを少なくできる。また、二つのリアクトルを互いに直列または並列で接続することにより、インダクタンス値を調整できるのが分かるであろう。
さらに、図31は本発明のさらに他の単相リアクトルの断面図である。図31に示される単相リアクトル5の鉄心41、42は他の鉄心45、46よりも幅広であり、鉄心45、46は他の鉄心43、44よりも幅広である。さらに、鉄心41、42に巻回されるコイル51、52の断面積は他の鉄心45、46に巻回されるコイル55、56の断面積よりも小く、コイル55、56の断面積は他の鉄心43、44に巻回されるコイル53、54の断面積よりも小さい。
従って、図31において二点鎖線で示されるように、単相リアクトル5は、二つの鉄心コイル31、32からなる第一組と、他の二つの鉄心コイル33、34からなる第二組と、さらに他の鉄心コイル35、36からなる第三組とを含んでいる。第一組〜第三組のそれぞれは、六つの鉄心コイル31〜36のうち、互いに隣接する二つの鉄心コイルを含んでいる。
図31に示される単相リアクトル5においては、第一組〜第三組との間で、鉄心の寸法ならびにコイルの断面積および巻数が互いに異なるようにしている。なお、単相リアクトル5の第一組におけるギャップの寸法が他の組におけるギャップの寸法とは異なるようにしてもよい。このような構成であるので、図30に示される場合と同様な効果が得られるのが分かるであろう。また、一つの単相リアクトル5内に、特性の異なるまたは特性の等しい四つ以上のリアクトル、つまり四つ以上の前述した組を含ませるようにしてもよい。この場合にも、同様な効果が得られるのは明らかであろう。
ところで、図32および図33は本発明のさらに他の単相リアクトルの断面図である。これら図面においては、略正方形の単相リアクトル5が示されている。図示されるように、互いに対向する鉄心42、44は、前述したのと同様な形状である。
これに対し、互いに対向する他の鉄心41、43の先端には、鉄心41、43の主要部分よりも幅広な幅広部41e、43eが設けられている。これら幅広部41e、43eの形状は菱形の一部分に相当する。ただし、幅広部41e、43eが他の形状であってもよい。
鉄心41、43の幅広部41e、43eと鉄心42、44との間には磁気的に連結可能なギャップ101〜104が形成されている。さらに、鉄心41、43の幅広部41e、43eと中心部鉄心80との間、ならびに鉄心42、44と中心部鉄心80との間にも磁気的に連結可能なギャップ121a〜124aが形成されている。図32に示されるギャップ101〜104およびギャップ121a〜124aの総長は、幅広部を有さない同形状の他のリアクトルのギャップの総長よりも大きい。
また、図33に示される単相リアクトル5においては、互いに対向する鉄心41、43は、互いに対向する他の鉄心42、44よりも全体にわたって幅広である。そして、図33におけるリアクトル5の互いに対向する鉄心41、43の平坦面には凹部が形成されおり、これら凹部に中心部鉄心80が配置されている。このため、中心部鉄心80と鉄心41、43の間には矩形の追加のギャップ105が形成されている。
このため、図33に示されるリアクトル5のギャップ101〜104および追加ギャップ105の総長は、鉄心41、43の幅が鉄心42、44の幅と同様である場合のリアクトル5のギャップの総長よりも長い。図32および図34に示されるように、ギャップの総長を大きくした場合には、インダクタンスを高めることが可能となる。
なお、中心部鉄心80を備えたリアクトル5に、図11および図12を参照して説明したギャップ材71、72を配置するようにしてもよい。
さらに、図34は本発明のさらに他の単相リアクトルの断面図である。図34は図21と同様な図面である。しかしながら、図34においては、図21に示されるコイル52、54が排除されている。従って、図34においては、コイル51、53付きの鉄心41、43と、コイル無しの鉄心42、44とが交互に配置されている。
同様に、前述した他のリアクトル5においても一部の鉄心からコイルを排除するようにしてもよい。ただし、その場合、コイル付きの鉄心と、コイル無しの鉄心とは必ずしも交互に配置される必要はない。このような構成であっても本発明の範囲に含まれ、前述したのと概ね同様な効果が得られるのは明らかであろう。
ところで、図35は従来技術における単相リアクトルを示す略図である。図35に示される単相リアクトル100においては略C字形状の二つの鉄心150、160の間にコイル171、172が配置されている。このため、コイル171、172は互いに平行に配置されている。
図35においては、幅広矢印で示されるように隣接する二つのコイルに磁束が流れると、コイルの外側における磁束は幅狭矢印で示されるように互いに打ち消し合うように作用する。これにより、磁気抵抗が増えるので、図35に示される単相リアクトル100のインダクタンス値は理論値よりも大きい傾向にある。
図36は図1Aに示されるような単相リアクトルを示す略図である。この場合には、隣接する二つのコイル、例えばコイル52、53は互いに平行でなく、約90°の角度をなしている。このため、幅広矢印で示されるように隣接する二つのコイルに磁束が流れたとしても、コイルの外側における磁束は幅狭矢印で示されるように互いに打ち消し合わない。従って、本発明の単相リアクトル5においては磁気抵抗は増えない。このため、本発明における単相リアクトル5のインダクタンス値は理論値と概ね同様である。隣接する二つのコイルのなす角が大きいほど、このようなインダクタンス値が理論値に近づくのは明らかであろう。
隣接する二つのコイルの間に鉄心を配置すると、インダクタンス値は理論値にさらに近づく。このため、図36に示される領域A等に追加の鉄心を配置するのが好ましい。ここで、図37は本発明のさらに他の実施形態に基づく単相リアクトルの断面図である。図37においては、図36の領域Aに対応した場所に、断面が二等辺三角形の追加鉄心45が配置されている。図示されるように、追加鉄心45の断面の頂角を含む辺は、コイル51、54の厚みに概ね等しい。言い換えると、図36の鉄心コイルの配置においては、隣接する鉄心コイルの外側の直近に鉄心を配置することで、隣接する鉄心コイルの外側を流れる磁束がお互いに阻害しなくなり、隣接する2つの鉄心コイルがあたかも1つの鉄心コイルであるかのような磁束の増減が行われる。このとき、電流波形1周期における各相のインダクタンスの変動は図35の鉄心コイルの配置と比べて緩やかになるため、鉄心材料のヒステリシス損を低減することができる。
図37においては、コイル51、54は外周部鉄心20の内面に接触している。このため、コイル51、54は、鉄心41、44と外周部鉄心20と追加鉄心45とにより取り囲まれている。言い換えれば、コイル51、54の断面のうちの三辺は鉄心41、44、外周部鉄心20および追加鉄心45に接触している。このような場合には、前述した効果が高いのが分かるであろう。なお、図37に示される単相リアクトル5おいて、コイル51〜54の間の少なくとも二つの領域に追加鉄心45が配置されていてもよい。追加鉄心45は外周部鉄心20と一体であってもよい。
図13は本発明の単相リアクトルを含む機械または装置を示す図である。図13においては、単相リアクトル5はモータ駆動装置において使用されている。そして、機械または装置がそのようなモータ駆動装置を含んでいる。
また、図13から分かるように、単相リアクトル5は、太陽光発電などで直流から交流に変換するための整流装置に含まれていてもよい。そして、そのような整流装置が充電装置、例えば自動車用の充電装置に備えられていてもよい。このような場合には、単相リアクトル5を含むモータ駆動装置、整流装置、機械、充電装置などを容易に提供できるのが分かるであろう。また、前述した実施形態のいくつかを適宜組み合わせることは本発明の範囲に含まれる。
典型的な実施形態を用いて本発明を説明したが、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなしに、前述した変更および種々の他の変更、省略、追加を行うことができるのを理解できるであろう。
5 三相リアクトル
20 外周部鉄心
21〜24 外周部鉄心部分
31〜36 鉄心コイル
41〜46 鉄心
41a〜44a 第一鉄心部分
41b〜44b 第二鉄心部分
41c〜44c 第三鉄心部分
41d〜44d 追加鉄心
41e、43e 幅広部
41p〜44p 突起
51〜56 コイル
61〜63 外周部鉄心部分ギャップ
71、72 非磁性体であるギャップ材または絶縁紙または絶縁材または樹脂
80 中心部鉄心
81〜84 延長部
101〜104 ギャップ
111a〜114a 第一鉄心部分ギャップ
111b〜114b 第二鉄心部分ギャップ
111c〜114c 外周部鉄心ギャップ

Claims (18)

  1. 外周部鉄心(20)と、
    前記外周部鉄心の内面に接するか、または、該内面に結合された少なくとも四つの鉄心(41〜44)と、
    前記少なくとも四つの鉄心のうちの少なくとも二つの鉄心に巻回されたコイル(51、53)とを含んでおり、
    前記少なくとも四つの鉄心のうちの互いに隣接する二つの鉄心の間もしくは前記少なくとも四つの鉄心と前記外周部鉄心の中心に位置する中心部鉄心との間には磁気的に連結可能なギャップ(101〜104)が形成されている、単相リアクトル。
  2. 前記少なくとも四つの鉄心の数は6以上の偶数である請求項1に記載の単相リアクトル。
  3. 前記単相リアクトルの前記ギャップの少なくとも一つには、非磁性材料であるギャップ材(71)または絶縁紙または樹脂が挿入されているか、または充填されている請求項1または2に記載の単相リアクトル。
  4. 前記鉄心と前記外周部鉄心との間には磁気的に連結可能な外周部鉄心ギャップ(111c〜114c)が形成されている請求項1から3のうちのいずれか1項に記載の単相リアクトル。
  5. 前記単相リアクトルの前記外周部鉄心ギャップの少なくとも一つには、非磁性材料であるギャップ材(71)または絶縁紙または樹脂が挿入されているか、または充填されている請求項4に記載の単相リアクトル。
  6. 前記鉄心は複数の鉄心部分(41a〜44a、41b〜44b、41c〜44c)から構成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の単相リアクトル
  7. 前記複数の鉄心部分の間には磁気的に連結可能な鉄心部分ギャップ(111a〜114a、111b〜114b)が形成されている請求項6に記載の単相リアクトル。
  8. 前記単相リアクトルの前記鉄心部分ギャップのうちの少なくとも一つには、非磁性材料であるギャップ材(71)または絶縁紙または樹脂が挿入されているか、または充填されている請求項7に記載の単相リアクトル。
  9. 前記外周部鉄心は複数の外周部鉄心部分(21〜24)から構成されている、請求項1から8のうちのいずれか1項に記載の単相リアクトル。
  10. 前記複数の外周部鉄心部分のうちの互いに隣接する外周部鉄心部分の間には外周部鉄心部分ギャップ(61〜64)が形成されている請求項9に記載の単相リアクトル。
  11. 前記単相リアクトルの前記外周部鉄心部分ギャップのうちの少なくとも一つには、非磁性材料であるギャップ材(71)または絶縁紙または樹脂が挿入されているか、または充填されている請求項10に記載の単相リアクトル。
  12. 前記単相リアクトルが、前記コイルが巻回される前記少なくとも二つの鉄心からなる第1組と前記コイルが巻回される他の少なくとも二つの鉄心からなる第2組とを含んでいる請求項1から11のうちのいずれか1項に記載の単相リアクトル。
  13. 前記単相リアクトルは、前記コイルが巻回される前記少なくとも二つの鉄心からなる組を3組以上有する、請求項12に記載の単相リアクトル。
  14. 前記単相リアクトルの前記外周部鉄心の内側には、非磁性材料であるギャップ材(72)または絶縁材または樹脂が充填されている請求項1から13のうちのいずれか1項に記載の単相リアクトル。
  15. 請求項1から14のうちのいずれか1項に記載の単相リアクトルを具備したモータ駆動装置。
  16. 請求項1から14のうちのいずれか1項に記載の単相リアクトルを具備した機械。
  17. 請求項1から14のうちのいずれか1項に記載の単相リアクトルを備える整流装置。
  18. 請求項17に記載の整流装置を備える充電装置。
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