JP6406950B2 - ヒンジキャップ及びその製造方法 - Google Patents

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本発明はキャップ本体と上蓋をヒンジによって連結してあるヒンジキャップ及びその製造方法に関する。
従来のヒンジキャップの一例としては、容器本体に装着するキャップ本体と、キャップ本体を開閉する上蓋と、キャップ本体に上蓋を連結するヒンジとを備え、キャップ本体には複数の開口を備え、上蓋の内面には開口に嵌合する突起を備えたものが存在する(特許文献1)。
この特許文献1の図2には内容物を排出する3つの開口が示されており、そのうち1つの開口は、その上部を下側へ向かって先細りとなるテーパー面とし、その下部を円筒面としている。一方、この1つの開口に対応する突起は、開口の径よりも少し大きな外径の円筒状をしている。ヒンジキャップを開いた状態から閉じるために上蓋を押すと、ヒンジを中心にして上蓋は回転し、テーパー面に突起が衝突して、上蓋は閉まることなく半開きの状態になる。そして半開きの状態の上蓋を再度押し込むと、開口のテーパー面上を突起が移動し、最終的には上蓋が閉まり、開口の円筒面に突起が弾性変形して嵌合することになる。
特開平8−169460号公報
しかしながらこの1つの開口と突起との嵌合は、突起の弾性変形を利用していることからきつい状態(隙間のない窮屈な状態)である。というのも、元々円筒状である突起の外径は開口の内径よりも少し大きく形成されているので、開口に対してそれよりも大きな外径の突起が嵌合すると、突起の外周面は開口の内面形状である円筒面に押されて、突起はその外径が縮小する方向に弾性変形することになる。そして弾性変形していることから、嵌合状態において開口と突起との間には互いの半径方向に大きな密接力が発生している。したがって上蓋を開閉している間つまり突起が開口から出入りする間に、突起と開口の間に大きな摩擦抵抗が発生し、開閉を繰り返すうちに密閉性が低下していくことになる。
また設計上は、開口の形状及び位置と、突起の形状及び位置を完全に同じにすることによって、上蓋の閉状態において開口と突起を全周に亘って密接させることはできる。
しかし現実には成型上の誤差が製品毎に発生するので、開口と突起の形状及び位置を完全に同じにすることはできない。そこで設計では、開口の内径に対して突起の外径を少し大きくし、形状に関する成形誤差を吸収させ、開口をテーパー状にして開口に対して突起が案内されるようにして、位置に関する成形誤差を吸収させている。
また上蓋を閉じる際には、上蓋を押し、テーパー面に突起が衝突して半開きになった後、再度、上蓋を押すという、2度の上蓋を押す操作が必要であり、できることなら一度の操作で上蓋を閉められることが望ましい。
本発明は上記実情を考慮して創作されたもので、その目的は、上蓋を開閉するときの摩擦抵抗をできるだけ小さくし、上蓋の開閉による密閉性の低下をできるだけ防ぐことのできるヒンジキャップ及びその製造方法を提供することである。
本発明のヒンジキャップは、排出孔が形成されたキャップ本体と、キャップ本体の排出孔を開閉可能な上蓋と、キャップ本体に上蓋を連結するヒンジとを備える。キャップ本体は、容器本体に装着する筒状の側壁、側壁の一方の開口端部を塞ぐと共に排出孔が形成された天板、及び天板よりも厚みが薄く且つ排出孔の一部から口径を狭める状態に突出する膜を含む。上蓋は、天板を覆う上板、及び上板から突出する突起であって膜を貫通するまで排出孔に入る突起を含む。そして天板のうち少なくとも排出孔の外周部分及び膜を合成樹脂製とする。また上蓋の開状態の場合と閉状態の場合とにおいて膜は、排出孔からその口径を狭めつつ側壁の他方の開口端側へ延長する筒状であり、その貫通方向の全長のうち天板側の部分とその貫通方向の全長のうち天板から離れた部分とを備えるものとする。そして当該天板側の部分の形状は、膜自身の形状である筒状の中心線に向かって断面円弧状に凹む湾曲形状にする。また当該天板から離れた部分の内周形状は、排出孔に突起が入る方向から視て、上蓋の閉状態では突起の外周形状と同一の密接形状にし、上蓋の開状態では密接形状と同一又は縮小した相似形状にしてある
また当該天板から離れた部分は、その形状を筒状とすると共に、当該筒状の内周面を上蓋の閉状態において突起の筒状の外周面に密接させるものであることが望ましい。
また上蓋の閉状態において、突起と排出孔との間には隙間が形成されているか否かは問わないが、上蓋を開閉するときの摩擦抵抗をできるだけ小さくするには次のようにすることが望ましい。
すなわち、上蓋がヒンジを中心にして回転したときに突起を排出孔に対して非接触とするために、排出孔は容器本体側へ向かうにつれて口径が小さくなるテーパー状にしてあり、上蓋の閉状態において、排出孔と突起との間にはその周方向全周に亘って隙間が形成されていることである。
膜の具体的な形状の一例としては、次のものがある。
すなわち、膜は、その貫通方向の全長のうち天板側の部分の形状を、天板の厚み方向に基づく排出孔の内面に沿う方向の延長線よりも、内側に突出する形状にしてあるものである。
さらに膜のより具体的な形状は、次のものとなる。
すなわち、膜の内周形状の中心の位置は、上蓋の開状態の場合と閉状態の場合とで一致するものである。
さらに本発明のヒンジキャップの製造方法は、上蓋を開いた状態の半製品のヒンジキャップを射出成型により形成した後に、上蓋を閉じるものである。より詳しくは、射出成型では半製品のヒンジキャップとして、容器本体に装着する筒状の側壁、側壁の一方の開口端部を塞ぐと共に排出孔が形成された天板、及び天板よりも厚みが薄い膜であって排出孔一部の口径を狭める環状の膜を含むキャップ本体であって天板のうち排出孔の外周部分及び膜を少なくとも合成樹脂製とするキャップ本体と、天板を覆う上板、及び上板から突出する突起であって膜を貫通するまで排出孔に入れるための突起を含む開状態の上蓋と、キャップ本体に上蓋を連結するヒンジとを備えるものを形成する。この半製品のヒンジキャップを、射出成型により形成した後に、上蓋を閉じることにより、突起が膜を押し、それによって膜の内周形状が、突起に密接する形状に塑性変形させられるものである。
本発明のヒンジキャップによれば、天板に比べて厚みが薄い膜であって合成樹脂による弾力性を有する膜を天板の排出孔の一部に備え、上蓋の閉状態では膜の形状のうち内周形状を突起の外周形状と同一の密接形状としているので、密閉性が得られる。しかも膜は、薄くて弾性変形可能であるうえに、上蓋の開状態では密接形状と同一又は縮小した相似形状であるので、上蓋を開閉するときの膜と突起との摩擦抵抗を、できるだけ小さくすることができ、上蓋の開閉による密閉性の低下をできるだけ防ぐことができる。
また上蓋の閉状態において、突起と排出孔との間にはその周方向全周に亘って隙間が形成されているヒンジキャップであれば、上蓋を開閉するときに排出孔に突起が触れなくなり、上蓋開閉時の摩擦抵抗を、小さくすることができる。
また本発明のヒンジキャップの製造方法によれば、上蓋を閉じることによって、突起が膜を押し、それによって膜の内周形状が、突起に密接する形状に塑性変形させられるので、突起と膜とが接する面の形状は一致することになり、排出孔と突起に生じる製品毎の寸法のばらつきを吸収することができる。
(a)(b)(c)図は、閉状態のヒンジキャップを示す左側面図、下面図、正面図である。 図1のII−II線断面図で、要部拡大図を併用してある。 開状態のヒンジキャップの平面図である。 図3のIV−IV線断面図で、要部拡大図を併用してある。 成形直後の型開き状態でのヒンジキャップの平面図で、要部拡大図を併用してある。
本発明の第1実施形態のヒンジキャップ1は合成樹脂製の一体成型品であって、図1〜図4に示すように、容器本体(図示略)に装着するキャップ本体2と、キャップ本体2を開閉する上蓋3と、キャップ本体2に対して上蓋3を開閉可能に連結するヒンジ4と、上蓋3に開放力及び閉鎖力を付与する弾性体5とを備えるものである。なお容器本体は、一例として有底筒状で、その口部は筒状となっている。以下では、上蓋3の閉状態を基本的形態として、各構成を詳細に説明する。
キャップ本体2は、容器本体の口部に装着する筒状の側壁21と、側壁21の貫通方向のうち一方向の開口端部である上端部の内周側を塞ぐ天板22と、天板22に形成される排出孔22aの一部からその口径を狭める状態に突出する膜23と、側壁21の内周側において天板22の下面から下方へ延長する内周壁24とを備える。
側壁21は、円筒状の側壁本体21aと、側壁本体21aを容器本体の口部に連結する連結部21bとしての雌ネジ部を備えている。雌ネジ部21bは、側壁本体21aの内周面からその全周に亘って螺旋状に突出している。また側壁本体21aの上部の外周面にはその周方向の一部において、口径方向内側へ向かって窪む窪み部21dを備えている。
天板22は、円盤状であって、円盤の外周部が側壁本体21aの上端部の全周に亘って連続している。また天板22は、円盤の厚み方向である上下方向に貫通する排出孔22aが複数形成されている。なお天板22の上面の外周縁部は、それよりも内側に比べて段差状に低くなっており、この低い面が上蓋3の外周部との接触面となる。
排出孔22aは、平面視して円形であって、容器本体側である下方へ向かうにつれて口径(内径)が小さくなるテーパー形状になっている。そして排出孔22aの下端部に膜23が形成されている。なお排出孔22aとは、膜23を含まない部分である。上蓋3の閉状態において、排出孔22aの内径は、上蓋3の後述する突起32の外径(排出孔22aの内側に位置する部分における突起32の外径)よりも大きいものとし、排出孔22aの内周全面と突起32の外周全面との間には、円周方向全周に亘って連続する隙間Gが形成される。また排出孔22aは、天板22を貫通する空間及びその空間を形成する筒状の面である。したがって排出孔22aの外周部分とは、筒状の面の外側を構成する部分、つまり排出孔22aの外側を構成する部分である。
膜23は、その厚みを天板22の厚みよりも薄くしてある。より詳しくは、膜23の厚みは、天板22の厚みに対して半分以下、望ましくは1/5以下としてある。また膜23は、排出孔22aの下端部の内周からその口径を狭める方向と側壁21の他方の開口端側の方向へ延長する筒状である。より詳しくは、膜23は、その貫通方向の全長のうち天板22側の部分23aと、天板22から離れた部分23bとを備えている。
天板22側の部分23aの形状は、膜23自身の形状である筒状の中心線Cに向かって断面円弧状に凹む湾曲形状になっており、排出孔22aの内面に対して中心線Cへ向かって(内側へ向かって)且つ段状に突出している。図示の例では、排出孔22aの内面は、テーパー状になっていることから、前記した筒状の中心線Cに対して所定角度で傾斜している。そしてこの傾斜方向の延長線Dよりも、口径方向内側に突出する状態で、天板22側の部分23aは形成されている。またこの傾斜方向は、言い換えれば、天板22の厚み方向に基づく排出孔22aの内面に沿う方向であり、この方向の延長線Dに対して、天板22側の部分23aは中心線Cへ向かって突出する。
一方、天板22から離れた部分23bの形状は円筒状であり、この円筒状は、上蓋3の閉状態において、上蓋3の突起32の外周面に対して同一の密接形状または僅かに縮小した相似形状である。また排出孔22aに突起32が入る方向から視て、天板22から離れた部分23bの形状のうち内周形状は、上蓋3の閉状態では突起32の外周形状と同一の密接形状であり、上蓋3の開状態では密接形状と同一または僅かに縮小した相似形状である。従って上蓋3の開状態の場合と閉状態の場合とで膜23の内周形状の中心の位置は、膜23に突起32が入る方向から視て、中心線Cの位置に一致している。
内周壁24は、側壁21に対してその内周側に間隔をあけて、側壁21の中心と同心状に形成されている。また内周壁24の下端は、雌ネジ部21bよりも上側の位置となっている。
上蓋3は、天板22を覆う上板31と、上板31からその厚み方向のうちキャップ本体2側へ突出すると共に排出孔22a及び膜23の内側に出入りする突起32と、上板31の外周縁の全周からキャップ本体2側へ向かって突出する上枠33と、上枠33の全周の一部から口径方向外側へ突出する鍔34とを備える。
突起32は、上板31からその厚み方向のうちキャップ本体2側へ突出し、その突出長さは上枠33よりも長いものとしてある。そして上蓋3の閉状態において、突起32は、天板22の排出孔22a及び膜23の内側を貫通している。また突起32は、その外周面を円筒面とする円筒形状となっており、この円筒形状は、上蓋3の開状態及び閉状態において同一である。つまり突起32は、円筒形状であるが、その外径が膜23によって変化しないものである。ちなみに上蓋3の閉状態において突起32の中心線は、膜の中心線Cの位置と一致する。なお排出孔22a及びその排出孔22aの内周に連続する膜23と、これら排出孔22a及び膜23に出入りする突起32との組み合わせは、複数組となっている。
上板31は、天板22と同じ形状の円盤状である。そして上板31の外周全周に沿う円環状に、上枠33は形成されている。この円環状の端面が、キャップ本体2の天板22の外周縁部への接触面となる。また上枠33は、側壁21の窪み部21dに対応する位置から、その口径方向の外側へ向かって鍔34を突出してある。
これら上板31と上枠33には、その周方向のうち鍔34とは反対側に、ヒンジ4と弾性体5が配置されている。そして弾性体5を配置するために、上板31と上枠33は、鍔34とは反対側において、上板31の外周部から上枠33の端面に達するまで恰も切り欠いたような切欠部31aが形成されており、この切欠部31aの内側の空間に弾性体5の一部を配置する。
弾性体5は、板状であって、より詳しくはL字状に屈曲する形で延長する板状である。弾性体5は、その延長方向の全長のうち両端部の厚みを両端部以外の部分の厚みよりも薄くしてある。そして弾性体5の延長方向の一端部は、切欠部31aの奥部において上板31に接合され、弾性体5の延長方向の他端部は、キャップ本体2の側壁21の外周面に接合されている。
ヒンジ4は、キャップ本体2の側壁21の外周面と上蓋3の上枠33の外周面とを接合するもので、その長さ方向の中間部の厚みがそれ以外の部分に比べて薄くなっており、その長さ方向の中間部で屈折可能となっている。言い換えれば、ヒンジ4は、長さ方向の全長のうち両側部を側壁21と上枠33とに別々に接合した形となっており、その長さ方向の全長のうち中間部を中心にして上蓋3を開閉可能に回転させるものである。
上記したヒンジキャップ1の製造方法は、以下の1)〜5)の通りである。
1)型開き状態にある固定金型と可動金型を型締めして、図5に示す半製品のヒンジキャップ1Aと同じ形のキャビティ(空間部)を形成する。より詳しく言えば、半製品のヒンジキャップ1Aは、図1に示すヒンジキャップ1が、ヒンジ4を中心にして上蓋3を180度回転させた形にほぼ一致している。そして半製品のヒンジキャップ1Aが図1に示すヒンジキャップ1と構造において異なっているのは、膜の形状である。半製品のヒンジキャップ1Aの膜23Aは、環状(より詳しくは円環状)の平板形状であり、排出孔22aの口径を狭めるように口径方向内側に突出している。この円環状の平板形状に該当する空間部分を含む形のキャビティが、型締めにより形成される。このように膜の形状において半製品のヒンジキャップ1Aのキャップ本体2Aは、図1に示すヒンジキャップ1のキャップ本体2と相違する。
2)キャビティに溶融樹脂を射出する。
3)溶融樹脂が十分に冷却された後に、可動金型を固定金型から遠ざける方向に移動させ、型開きをする。そうすると、図5に示す半製品のヒンジキャップ1Aが可動金型に嵌合する状態で作製されている。先ほど述べたようにこの状態では膜23Aは、円環状の平板形状となっている。
4)キャップ本体2及び上蓋3を突出しピンで固定金型側に押し出すと、半製品のヒンジキャップ1Aが固定金型から離型する。ヒンジキャップ1Aは、合成樹脂製の一体成型品なので、排出孔22aの外周部分(排出孔22aの外側を構成する部分)及び膜23Aは、合成樹脂製である。
5)最後に半製品のヒンジキャップ1Aの上蓋3を閉じる。この閉じる作業は自動機械又は手作業で行う。上蓋3を閉じると、上蓋3の上枠33の端面とキャップ本体2の天板22の上面の外周縁部とが接触し、上蓋3の上板31が天板22を覆った形態となり、膜23Aを突起32が貫通する。また上蓋3を閉じている最中は、上蓋3がヒンジ4を中心にして回転しており、このときに、突起32が平板状の膜23Aを押し込み、膜23Aを貫通するまで排出孔22aに突起32が入り、それによって膜23Aを下方へ向かうにつれて徐々に口径が小さくなる筒状に塑性変形させる。突起32が膜23Aを押し込むことによって、膜23Aの口径を広げるので、塑性変形前の円環状のときの膜23Aの内径は、突起32の外形よりも小さなものとなっている。このようにしてヒンジキャップ1が製品になる。膜23の筒状は、突起32によって形成されるので、突起32と膜23とが接触する部分において、突起32の外周面と膜23の内周面とは一致し、上蓋3の閉状態において突起32と膜23とはその周方向全周に亘って密接する。
本発明のヒンジキャップ1は、上述の製造方法により製造されるので、ヒンジキャップ1の上蓋3を開くと、既に塑性変形された膜23は、先ほどの筒状形状を維持する。ただし膜23の筒状の口径は、上蓋3の閉状態及び開状態のときで全く変わらない場合(同一の場合)と、上蓋3の閉状態のときに比べて開状態のときは小さくなる場合がある。それは、膜23の厚み、原料となる合成樹脂、上蓋3を閉鎖するときの半製品のヒンジキャップ1Aの温度、上蓋3を開くまでの時間等の条件によって定まる。ちなみに上蓋3を閉鎖するときの半製品のヒンジキャップ1A(膜23A)の温度は、常温よりも高い方が、膜23Aが塑性変形し易い。そしてこれら条件によって口径が定まる膜23は、突起32に密接する部分において、突起32の外周面と同一の密接形状、又は突起32の外周面をすこし縮小した相似形状となる。しかも上蓋3の閉状態において、膜23の位置と突起32の位置とは完全に一致している。言い換えれば、膜23は、中心線Cの位置が上蓋3の開状態の場合と閉状態の場合とで一致している。このように射出成型において避けられない製品毎の寸法のばらつきが、膜23と突起32に関しては、位置及び形状ともに、上蓋3を閉じることによって吸収される。
また膜23が塑性変形するのは、天板22に比べて厚みを薄くしてあるからであり、それゆえ膜23が合成樹脂の弾力性によって突起32の形状に一致するように塑性変形する。従ってヒンジキャップ1は、突起32と膜23とが互いの周方向全周に亘って密接することになり、密閉性の得られるものである。ちなみに膜23は、天板22から離れた部分23bが円筒面となっており、この円筒面が突起32の外周面の周方向全周に亘って密接する部分となる。しかも膜23が薄くて弾性変形可能なので、上蓋3を開閉するときの膜23と突起32との摩擦抵抗を、できるだけ小さくすることができる。また上蓋3の閉状態において、突起32と排出孔22aとの間にはその周方向全周に亘って隙間Gが形成されているので、上蓋3を開閉するときに排出孔22aに突起32が触れなくなり、上蓋3の開閉時の摩擦抵抗を、できる限り小さくすることができる。さらに排出孔22a及び膜23と、その排出孔22a及び膜23に出入りする突起32との組み合わせを複数組備えるものなので、容器本体の内容物を広範囲に排出しながらも、上蓋3の開閉するときの摩擦抵抗をできるだけ小さくすることができる。なおヒンジキャップ1は、排出孔22aに突起32が触れることなく上蓋3を閉じることができ、しかも突起32は薄い膜23に貫通する際に膜23自身の弾性変形を利用するだけなので、上蓋3を1回の操作で閉めることができる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。例えば、突起32の形状は、円筒状に限らず、角筒状その他の形状であっても良く、突起32の形状に合わせて膜23の形状は変更する。排出孔22aの形状は、円形に限らず、多角形その他の形状であっても良い。さらにキャップ本体2は、円筒状に限らず、角筒状その他の形状であっても良い。また上蓋3も天板22の上面全面を覆うものに限らず、天板22の上面の一部を覆うものであっても良い。さらに上枠33や鍔34の無いものであっても良い。
なおヒンジキャップ1は上記実施形態では全ての部分が合成樹脂製であったが、これに限らず、少なくとも排出孔22aの周りを取り囲んでいる部分、すなわち排出孔22aの外周部分と膜23とが合成樹脂製であればよく、それ以外の部分は金属製などの他の材料であっても良い。
1 ヒンジキャップ
1A 半製品のヒンジキャップ
2 キャップ本体
2A キャップ本体(半製品)
21 側壁
21a 側壁本体
21b 連結部(雌ネジ部)
21d 窪み部
22 天板
22a 排出孔
23 膜
23A 膜(半製品)
23a 天板側の部分
23b 天板から離れた部分
C 中心線
D 延長線
G 隙間
24 内周壁
3 上蓋
31 上板
31a 切欠部
32 突起
33 上枠
34 鍔
4 ヒンジ
5 弾性体

Claims (6)

  1. 容器本体に装着する筒状の側壁、側壁の一方の開口端部を塞ぐと共に排出孔が形成された天板、及び天板よりも厚みが薄く且つ排出孔の一部から口径を狭める状態に突出する膜を含むキャップ本体と、
    天板を覆う上板、及び上板から突出する突起であって膜を貫通するまで排出孔に入る突起を含む上蓋と、
    キャップ本体に上蓋を連結するヒンジとを備え、
    天板のうち少なくとも排出孔の外周部分及び膜を合成樹脂製とし、
    上蓋の開状態の場合と閉状態の場合とにおいて膜は、排出孔からその口径を狭めつつ側壁の他方の開口端側へ延長する筒状であり、その貫通方向の全長のうち天板側の部分とその貫通方向の全長のうち天板から離れた部分とを備え、
    当該天板側の部分の形状は、膜自身の形状である筒状の中心線に向かって断面円弧状に凹む湾曲形状にし、
    当該天板から離れた部分の内周形状は、排出孔に突起が入る方向から視て、上蓋の閉状態では突起の外周形状と同一の密接形状にし、上蓋の開状態では密接形状と同一又は縮小した相似形状にしてあることを特徴とするヒンジキャップ。
  2. 当該天板から離れた部分は、その形状を筒状とすると共に、当該筒状の内周面を上蓋の閉状態において突起の筒状の外周面に密接させるものであることを特徴とする請求項1に記載のヒンジキャップ。
  3. 上蓋がヒンジを中心にして回転したときに突起を排出孔に対して非接触とするために、排出孔は容器本体側へ向かうにつれて口径が小さくなるテーパー状にしてあり、
    上蓋の閉状態において、排出孔と突起との間にはその周方向全周に亘って隙間が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のヒンジキャップ。
  4. 膜は、その貫通方向の全長のうち天板側の部分の形状を、天板の厚み方向に基づく排出孔の内面に沿う方向の延長線よりも、内側に突出する形状にしてあることを特徴とする請求項3に記載のヒンジキャップ。
  5. 膜の内周形状の中心の位置は、上蓋の開状態の場合と閉状態の場合とで一致することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のヒンジキャップ。
  6. 容器本体に装着する筒状の側壁、側壁の一方の開口端部を塞ぐと共に排出孔が形成された天板、及び天板よりも厚みが薄く且つ排出孔の一部の口径を狭める環状の膜を含むキャップ本体であって天板のうち排出孔の外周部分及び膜を少なくとも合成樹脂製とするキャップ本体と、
    天板を覆う上板、及び上板から突出する突起であって膜を貫通するまで排出孔に入れるための突起を含む開状態の上蓋と、
    キャップ本体に上蓋を連結するヒンジとを備える半製品のヒンジキャップを、射出成型により形成した後に、
    上蓋を閉じることにより、突起が膜を押し、それによって膜の内周形状が、突起に密接する形状に塑性変形させられることを特徴とするヒンジキャップの製造方法。
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