(実施の形態の特徴)
実施の形態の説明に先立って、実施の形態の特徴についてその概要を説明する。図1は、実施の形態に係る物品管理システム(商品管理システム)の主要な構成を示している。
図1に示すように、実施の形態に係る物品管理システムは、リーダ導波路101、物品配置シート102、RFIDリーダ104、物品管理テーブル記憶部107、位置認識部105、物品有無判断部106を備えている。
リーダ導波路101は、開放形伝送線路で構成されている。物品配置シート(例えば、後述のタグシートに相当する)102は、リーダ導波路101の上方に配置され、物品の配置位置108に対応する位置に物品検出用RFIDタグ103を有するシートである。RFIDリーダ104は、リーダ導波路101を介して電磁界結合により物品検出用RFIDタグ103のタグ情報を読み出す。
物品管理テーブル記憶部(例えば、後述の商品情報データベースに相当する)107は、物品配置シート102のシート識別情報と、当該物品配置シート102上の物品検出用RFIDタグ103のタグ情報を関連付けた物品管理テーブルを記憶する。
位置認識部(例えば、後述のタグシート位置認識部に相当する)105は、物品管理テーブルを参照し、配置された物品配置シート102のシート識別情報に基づいて、物品配置シート102及び物品検出用RFIDタグ103の位置を認識する。物品有無判断部(例えば、後述の商品有無判断部に相当する)106は、物品検出用RFIDタグ103の読み出し結果に基づいて、認識した位置における物品の有無を判断する。
このように、実施の形態では、物品配置シート上の物品検出用RFIDタグの読み出し結果に基づいて物品の有無を判断する。このため、物品にRFIDタグや遮蔽部を貼り付ける必要がなく、低コストで物品の有無を管理することができる。さらに、実施の形態では、物品を配置する物品配置シートを備え、物品配置シートを識別することで物品の配置位置を認識する。このため、種々の配置に対応した物品配置シートを用意し、物品配置シートの敷設や移動することにより、物品の様々な配置に柔軟に対応することができる。
(実施の形態1)
以下、図面を参照して実施の形態1について説明する。図2は、本実施の形態に係る商品管理システム(物品管理システム)の構成の一例を示している。この商品管理システムは、店舗等において商品陳列棚に陳列されている商品を逐次監視して、商品陳列棚における商品の有無を判断し、また、陳列状態等に関連する表示を行うシステムである。
図2に示すように、本実施の形態に係る商品管理システムは、店舗管理装置1、RFIDリーダ7、商品陳列棚8を備え、商品陳列棚8には、リーダ導波路4、スペーサ4a、RFIDタグ5を有するタグシート6を備えている。なお、複数の商品陳列棚8を備えていてもよいし、商品陳列棚8に複数のリーダ導波路4や複数のタグシート6を備えていてもよい。
RFIDリーダ7と店舗管理装置1は、LANなどの通信ネットワーク3を介してデータ送受信可能に接続されている。RFIDリーダ7とリーダ導波路4は、LANケーブル3aを介して接続されている。
商品陳列棚8の商品陳列可能な領域全体に、リーダ導波路4及びスペーサ4aが配置されている。図2は、リーダ導波路4、スペーサ4a及びタグシート6の斜視図であり、図3Aは、その上面図であり、図3Bは、その正面図(もしくは側面図)である。
図2、図3A及び図3Bに示すように、リーダ導波路4の上に、リーダ導波路4と略同じサイズのスペーサ4aが配置されている。スペーサ4aを介したリーダ導波路4の上方がタグシート6及びRFIDタグ5の配置領域となる。
スペーサ4aの上に、タグシート6が半固定で移動可能に敷設されている。タグシート6の上の商品2を陳列する商品陳列場所2aに対応して予め複数のRFIDタグ5が配置されている。タグシート6はリーダ導波路4上を任意に移動させることができ、店員等が、リーダ導波路4の上にタグシート6を敷設することで、RFIDタグ5をリーダ導波路4上に配置する。なお、RFIDタグ5を、商品の有無をセンシングするためのセンシング用RFIDタグ5とも称する。
タグシート6にはタグシートを識別するためのタグシートIDが割り当てられている。タグシートIDには、配置される商品の商品名(JANコード)や、配置されているRFIDタグ5の配置情報が結び付けられている。さらに、タグシートIDには、配置されているRFIDタグ5のタグIDとその位置情報が結び付けされている。なお、ここではタグシートの例について説明するが、シートに限らず同じ構成を有する容器等であってもよい。
RFIDタグ5は、UHF帯の信号によりリーダ導波路4とデータ送受信を行う。RFIDリーダ104は、リーダ導波路4を介してRFIDタグ5が出力する応答信号の信号強度情報とRFIDタグ5のタグ情報とを含む管理情報を読み取る。また、詳しくは後述するが、スペーサ4aにより、RFIDタグ5と商品2の距離L1及びRFIDタグ5とリーダ導波路4との距離L2を設定する。例えば、距離L1<距離L2となるように設定する。また、スペーサ4aは、誘電体により構成されるものである。
また、RFIDタグ5は、タグアンテナを有する。そして、RFIDタグ5は、上記のような位置に配置されることで、商品2が商品陳列場所2aに置かれた状態でタグアンテナと商品2が電磁界結合される。また、リーダ導波路4は、整合終端された開放形伝送線路であって、上記のような配置することでタグアンテナと電磁界結合される位置に配置され、商品2が置かれていない場合にはRFIDタグ5との間で無線信号の送受信を行うことが可能になる。
RFIDリーダ7は、RFIDタグ5へリーダ導波路4を介して電波により電力を供給するとともに、RFIDタグ5が送信する無線信号をリーダ導波路4を介して受信し、受信された無線信号から情報を取り出す受信部と、RFIDタグ5が送信した情報を、随時(例えば、1秒などの所定時間間隔で)、店舗管理装置1に送信する送受信部とを含む。
商品2がRFIDタグ5の存在する位置に置かれていない時は、導波型のリーダ導波路4との近傍界による電磁界結合により、RFIDリーダ7と各RFIDタグ5は通信可能状態であるが、商品2がRFIDタグ5の存在する位置の上に置かれたときは該当するRFIDタグ5とRFIDリーダ7との通信が、商品2自体の誘電体、金属により電磁界結合状態に変化をもたらし、RFIDタグ5からRFIDリーダ7へ送られる情報の遮断や、信号強度の減少が生じる。この情報の遮断や信号強度の減少をもって該当する位置の商品2が存在することをRFIDリーダ7(リーダ導波路4)から店舗管理装置1に送り、商品陳列棚8上にある商品の状態を知ることができる。
図4は、店舗管理装置1の構成の一例を示す機能ブロック図である。図4に示す構成例では、店舗管理装置1は、商品情報データベース11、入力部12、タグシートID認識部13、タグシート位置認識部14、商品有無判断部15、商品補充判断部16、陳列修正判断部17、表示部18を備えている。なお、ここでは、これらの各ブロックを店舗管理装置1の機能として説明するが、これらの各ブロックの一部/全部をRFIDリーダ7に備え、RFIDリーダ7から店舗管理装置1へ必要な情報を送信してもよい。また、この機能ブロックの構成は、一例であり、図10などで後述する本実施の形態に係る商品管理処理が実現できれば、その他の構成であってもよい。
例えば、店舗管理装置1は、一般的なコンピュータ装置(サーバ装置)から構成される。店舗管理装置1は、中央処理装置(CPU)、メモリやハードディスク装置等の記憶装置、キーボード等の入力装置、液晶ディスプレイ等の表示装置、通信ネットワーク3に接続する通信部を含んでいる。記憶装置には、本実施の形態に係る商品管理処理を実行するための商品管理プログラムが記憶され、このプログラムをCPUが実行することで、各機能ブロックが実現される。なお、店舗管理装置1は、単一のコンピュータに限らず、複数のコンピュータによって構成することも可能である。
上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non−transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
商品情報データベース11は、商品陳列棚8に陳列される商品2に関する商品情報を記憶する。例えば、商品情報データベース11は、商品情報として図5に示すような商品管理テーブルを記憶する。
この例では、商品管理テーブルは、タグシートID、タグシート位置、商品名、RFIDタグのタグID、RFIDタグ位置、商品有無を関連付けている。タグシートIDは、タグシートごとに割り当てられたタグシートの識別情報である。これにより、別々の場所にある棚やバックヤードなどにある同一の商品を、場所毎に区別して管理することができる。
商品管理テーブルのタグシート位置は、タグシートIDに対応するタグシート6が配置される商品陳列棚8上の位置を示す位置情報であり、例えば、商品陳列棚8を識別する棚識別情報、商品陳列棚8上の位置を特定する棚上位置情報を含む。例えば、商品陳列棚8の列ごとに商品が配置可能であり、棚上位置情報は、商品陳列棚の列を特定する列情報である。なお、商品陳列棚8はリーダ導波路4と対応しているため、タグシート位置はリーダ導波路4上の位置でもある。図5の例は、タグシートID"1001"のタグシート6が1段目の棚の1列目である"棚1−列1"に配置され、タグシートID"1002"のタグシート6が1段目の棚の2列目である"棚1−列2"に配置され、タグシートID"1003"のタグシート6が2段目の棚の2列目である"棚2−列2"に配置されることを示している。
商品管理テーブルの商品名は、タグシートIDに対応するタグシート6に配置される商品を識別する情報である。1つのタグシートIDに1つの商品名を関連付けてもよいし、1つのタグシートIDに複数の商品名を関連付けてもよい。図5の例は、タグシートID"1001"のタグシート6は"商品A"を配置するシートであり、タグシートID"1002"のタグシート6は"商品B"を配置するシートであることを示している。
商品管理テーブルのRFIDタグのタグID(タグ情報)は、RFIDタグ5ごとに割り当てられ、予めRFIDタグ5が記憶している識別情報である。商品管理テーブルのRFIDタグ位置は、RFIDタグ5が配置されるタグシート6上の位置を示す位置情報である。例えば、タグシート6のX方向及びY方向(行方向及び列方向、横方向及び縦方向でもよい)に所定間隔でRFIDタグ5が配置され、RFIDタグ位置は、X座標及びY座標の位置を特定する座標情報である。
図5の例では、タグシートID"1001"のタグシート6に、タグID"0001"、"0002"、"0003"のRFIDタグ5が配置され、タグID"0001"のRFIDタグ5はタグシート6上のX座標1及びY座標1である"X1−Y1"に配置され、タグID"0002"のRFIDタグ5はタグシート6上のX座標1及びY座標2である"X1−Y2"に配置され、タグID"0003"のRFIDタグ5はタグシート6上のX座標1及びY座標3である"X1−Y3"に配置されている。また、タグシートID"1002"のタグシート6に、タグID"0101"、"0102"、"0103"のRFIDタグ5が配置され、タグID"0101"のRFIDタグ5はタグシート6上のX座標1及びY座標1である"X1−Y1"に配置され、タグID"0102"のRFIDタグ5はタグシート6上のX座標2及びY座標1である"X2−Y1"に配置され、タグID"0103"のRFIDタグ5はタグシート6上のX座標3及びY座標1である"X3−Y1"に配置されている。
商品管理テーブルの商品有無は、RFIDタグ5に対応して、RFIDタグ5上に商品が配置されているか否かを示す商品配置状態情報である。図5の例では、タグシートID"1001"のタグシート6には、"商品A"の商品が、"X1−Y1"のRFIDタグ5の位置に配置され、"X1−Y2"及び"X1−Y3"のRFIDタグ5の位置には配置されていないことを示し、タグシートID"1002"のタグシート6には、"商品B"の商品が、"X2−Y1"及び"X3−Y1"のRFIDタグ5の位置に配置され、"X1−Y1"のRFIDタグ5の位置には配置されていないことを示している。
入力部12は、店員等が入力した情報や、RFIDリーダ7もしくはその他の装置から入力(取得)した情報を受け付け、入力された情報を各ブロックへ出力する。
タグシートID認識部(シート識別情報認識部)13は、商品陳列棚8に配置されたタグシート6のタグシートIDを認識する。例えば、タグシートID認識部13は、タグシート6に配置されているいずれかのRFIDタグ5のタグIDに基づいて、商品管理テーブルを参照することでタグシートIDを認識する。また、他の実施の形態で例示するように、シート認識用のRFIDタグやバーコード、QRコード(登録商標)、文字、模様、シート形状等に基づいて、タグシートIDを認識してもよい。また、タグシートID認識部13は、商品管理テーブルを参照し、タグシートIDに基づいて、タグシートに配置される商品や、タグシートに配置されるRFIDタグ5を認識することができる。
タグシート位置認識部14は、商品陳列棚8に配置されたタグシート6の位置を認識する。例えば、タグシートIDごとにタグシート6の位置が入力され、タグシート位置認識部14は、入力された位置を、商品管理テーブルでタグシートIDに関連付けて記憶する。タグシート6の位置の入力は、店員等が行ってもよいし、カメラ等の他の装置から入力してもよい。また、タグシート位置認識部14は、商品管理テーブルを参照し、タグシートID及びタグシート位置に基づいて、タグシートに配置されるRFIDタグの位置を認識することができる。
商品有無判断部15は、RFIDリーダ7から受信される信号に応じて、商品陳列棚8におけるタグシート6上の商品の有無(陳列状態)を判断する。上記のように、RFIDリーダ7がRFIDタグ5から受信する信号の強度等を、商品有無判断部15が受信し、信号が途絶える、もしくは信号強度が一定の閾値より低い場合、タグシート6上に商品なしと判定し、信号強度が閾値以上の場合、タグシート6上に商品ありと判定する。また、商品有無判断部15は、判定して商品有無の状態を商品管理テーブルに設定する。
商品補充判断部16は、商品陳列棚8におけるタグシート6上に商品の補充が必要か否か判断する。商品補充判断部16は、商品有無判断部15が商品なしと判定した場合、タグシート6上に残っている商品の個数に基づいて、商品の補充を判定する。例えば、タグシート6の商品の個数が所定の閾値よりも小さい場合、商品の補充が必要と判定する。
陳列修正判断部17は、商品陳列棚8におけるタグシート6上の商品の陳列修正が必要か否か判断する。陳列修正判断部17は、商品有無判断部15が商品なしと判定した場合、タグシート6上に残っている商品の配置状態に基づいて、陳列修正を判定する。例えば、タグシート6の最前列に商品がない場合、最前列に商品を陳列するように修正が必要と判定する。
表示部18は、各ブロックの処理結果など、店員(店舗管理者)等へ通知が必要な情報を表示する。例えば、表示部18は、タグシートID認識部13が認識したタグシートが、タグシート位置認識部14が認識した位置に配置(タグシートの配置状態)されたことや、商品有無判断部15が判断した商品有無の状態(商品陳列状態)、商品補充判断部16が判断した商品補充の有無、陳列修正判断部17が判断した陳列修正の有無を表示する。
次に、RFIDリーダ7、リーダ導波路4とRFIDタグ5を用いた本実施の形態に係る商品有無検出方法を実現する構成(商品有無検出部)及び検出原理について詳細に述べる。例えば、RFIDリーダ7、リーダ導波路4とRFIDタグ5が商品有無検出部を構成し、この商品有無検出部の出力に応じて、商品有無判断部15が商品の有無を判断することで、本実施の形態に係る商品有無検出方法が実現されている。
リーダ導波路4は、整合終端された開放形伝送線路で構成され、マイクロストリップ構造、コプレーナライン、スロットライン等の電磁波が導波路周囲の空間に近傍界としてしみ出す構造の開放型導波路である。図6Aは、リーダ導波路4を平行二線路で構成した例であり、図6Bは、リーダ導波路4をマイクロストリップ線路で構成した例である。
図6Aの例では、RFIDリーダ7と分配器41をLANケーブル3aで接続し、分配器41がLANケーブル3aの信号を複数の平行二線路43に分配する。複数の平行二線路43は、誘電体層42上で平行に延在配置されている。図6Bの例では、RFIDリーダ7と分配器41をLANケーブル3aで接続し、分配器41がLANケーブル3aの信号を複数のマイクロストリップ線路44に分配する。誘電体層42の上に、複数のマイクロストリップ線路44が平行に延在配置されており、誘電体層42の下の全面に、グランドプレーン45が形成されている。
図7に本実施の形態に係るマイクロストリップライン構造を用いたリーダ導波路4とRFIDタグ5を含む商品有無検出部を説明するための三面図を示す。図7では、商品陳列棚8のうち、商品2が1つ置かれる領域を拡大した図を示した。
図7のリーダ導波路4は、開放形伝送線路の一種であるマイクロストリップラインを用いたリーダ用進行波型導波路である。リーダ導波路4は、図6A及び図6Bと同様に、誘電体層204を有し、誘電体層204の上面にストリップ導体203が形成される。誘電体層204の下面にグランドプレーン205が形成される。そして、リーダ導波路4の上方にタグシート6を配置することでRFIDタグ5が設置される。さらに、RFIDタグ5の上方のRFIDタグ5が覆われる商品陳列場所2a内に商品2が置かれる。また、RFIDタグ5は、RFIDチップ201及びタグアンテナ202を有する。
続いて、図8に本実施の形態に係るリーダ導波路4、RFIDタグ5、RFIDリーダ7を含む商品有無検出部を説明するための正面図を示す。図8では、図7と同様に商品陳列棚8のうち商品2が1つ置かれる領域を拡大した図を示した。
図8のリーダ導波路4は、誘電体層204の上面にストリップ導体203が形成される。誘電体層204の下面にグランドプレーン205が形成される。そして、ストリップ導体203の一端とグランドプレーン205は整合終端抵抗Rtを介して接続される。このような接続とすることでリーダ導波路4は整合終端される。また、リーダ導波路4の他端にRFIDリーダ7が接続される。
また、図8に示すように、商品2は、RFIDタグ5のタグアンテナ202との間の距離が第1の距離L1となる位置に配置される。RFIDタグ5のタグアンテナ202は、ストリップ導体203(リーダ導波路4)との間の距離が第2の距離L2となる位置に配置される。
なお、図8では、商品2、タグアンテナ202、ストリップ導体203の距離の関係のみを示したが、上記距離の関係を満たすために、例えば、RFIDタグ5をプラスティック板等でカバーする場合に、プラスティック板の厚みを用いることが可能である。つまり、RFIDタグ5をプラスティック板に内蔵し、当該プラスティック板によりRFIDタグが組み込まれたシートを形成することで上記第1の距離L1を確保することができる。
さらに、図2、図3A及び図3Bのように、RFIDタグ5とリーダ導波路4の間にスペーサ4aを挿入することで、タグを支持する台を設けるとともに上記第2の距離L2を確保することができる。なお、上記手法は、第1の距離L1と第2の距離L2を確保するための一形態であり、他の手法を用いることも可能である。例えば、上記第2の距離L2を確保するために、ストリップ導体203と、タグアンテナ202とが同一平面上にありながら、面内で距離L2離れていてもよい。また、タグシート6の厚さによって距離L2を確保してもよい。
ここで、図7及び図8を参照して、本発明の実施の形態に係る商品管理システムの各構成要素の関係による効果についてさらに詳細に説明する。
まず、図7に示すように、本発明の実施の形態に係る商品管理システムでは、商品2が、RFIDタグ5のタグアンテナ202の上方であって、距離が第1の距離L1となる位置に配置される。さらに、RFIDリーダ7に接続されるリーダ導波路4が、RFIDタグ5の下部であって、リーダ導波路4とタグアンテナ202との間の見通し距離が第2の距離L2だけ離して配置されている。このように、本管理システムでは、商品2がリーダ導波路4とRFIDタグ5との間に挟まれる領域以外に配置される。そのため、リーダ導波路4とRFIDタグ5との間の見通しが商品2により遮られることがない。
上述したように、本管理システムでは、商品2とタグアンテナ202との間の第1の距離L1及びタグアンテナ202とリーダ導波路4の間の見通し距離である第2の距離L2を調節することが望ましい。また、本管理システムでは、第1の距離L1及び第2の距離L2を調節することにより、商品2とタグアンテナ202との結合係数k2及びタグアンテナ202とリーダ導波路4との結合係数k1を調節することが望ましい。そして、本管理システムでは、商品2の有無によって変化する結合係数k2に応じてタグアンテナ202とリーダ導波路4との間の信号強度を変化させ、当該信号強度の変化により商品2の有無を判断する。
そこで、第1の距離L1、第2の距離L2、結合係数k1、k2の関係、及び当該設定に基づく本実施形態に係る商品管理システムの効果について以下で説明する。
まず、本実施の形態では電磁界結合を用いるが、この電磁界結合の強度を示す結合係数については、電磁界シミュレータにより比較的容易に評価可能である。また、電磁界結合の説明では、タグアンテナ202とリーダ導波路4との間の無線信号の波長をλとすると、波源(例えば、導波路)からの距離がλ/2π(πは円周率)より近い領域をリアクティブ近傍界(reactive near-field)、距離がλ/2πより遠く、且つ、λより近い領域を放射近傍界(radiative near-field)、さらにこれら二つの領域を合わせて近傍界(near-field region)と称す。
この近傍界では、電磁界は複雑な様相を示し、準静電磁界、誘導電磁界、放射電磁界が各々無視しえない強度比で存在し、それらの合成された電磁界のベクトルも空間的、時間的に様々に変化する。一例として波源を微小ダイポールアンテナとした場合に、このアンテナが形成する電界E[V/m]と磁界H[A/m]を球座標系(r、θ、φ)及びフェーザー表示で示すと、次の式(1)〜式(4)で示すことができる。
ここで、上記式(1)〜式(4)では、微小ダイポールアンテナに蓄えられる電荷をq[C]、アンテナの長さをl[m]、波長をλ[m]、波源から観測点までの距離をr[m]とした。また、πは円周率、εは誘電率、μは透磁率である。この式(1)〜式(4)の中で、1/r3に比例する項が準静電磁界、1/r2に比例する項が誘導電磁界、1/rに比例する項が放射電磁界を示している。これらの電磁界成分は、各々距離rに対する依存性が異なるため、距離rに依存してその相対強度が変化する。
続いて、図9に電界Eθにおける準静電界、誘導電界、放射電界の相対強度について波長λで規格化した距離rに関する依存性を示す表を示す。なお、図9で示した表の2行目は、国内電波法で許可されているUHF(Ultra High Frequency)帯RFIDの周波数とほぼ同じ950MHzの自由空間波長で換算した距離を示した。
図9に示した表から分かる通り、距離rが大きくなると、各々の電界強度が小さくなり、さらに各々の成分比も変化する。例えば、r<λ/2πの領域では準静電界、誘導電界、放射電界の順に電界強度が強く、r>λ/2πの領域では準静電界、誘導電界、放射電界の順に電界強度が弱くなる。さらに、r>λの領域では準静電界と誘導電界の寄与は極めて小さくなり、r>2λの領域となる遠方界ではほぼ放射電界成分のみとなる。一方で、r<λの領域では準静電界と誘導電界の寄与が十分残っており、さらにr<λ/2πのリアクティブ近傍界では準静電界と誘導電界が大きな寄与を占める。
また、式(1)〜式(4)から解るように、遠方(r>>λ/2π)の放射電界がθ方向成分のみになるのに対して、準静電磁界と誘導電磁界はθ方向成分以外にr方向成分とφ方向成分を有しており、多様な方向の成分を有している。一般的に、アンテナから空間中に放射されて伝搬する放射電磁界と比較して、このようにリアクティブ近傍界ではアンテナ(導波路)の近傍に留まる準静電磁界と誘導電磁界が支配的であり、さらに絶対的な電磁界強度も強い。放射近傍界では、一般的に、絶対的な電磁界強度は波源からの距離が長くなればなるほど弱くなる。また、準静電磁界と誘導電磁界の相対強度は波源からの距離が長くなると急激に弱まる。その結果、他の電磁界に対して放射電磁界の相対強度が強くなる。以上の通り、近傍界では準静電磁界と誘導電磁界が存在し、これらの電磁界により、リーダ導波路4とタグアンテナ202の間の結合やタグアンテナ202と商品2の間の結合を生じる。
通常のUHF帯やマイクロ波帯を使用する受動型RFIDシステムでは、リーダ導波路4に対応するリーダアンテナとタグアンテナの間の距離rはr>λの関係を満たしており、交信に放射電磁界を使用する。その放射電磁界を効率よく生成するため、リーダアンテナはパッチアンテナを代表とする共振型アンテナが用いられることが多い。このような共振型アンテナをr<λの近傍界で使用すると、共振型アンテナ中の定在波により、電磁界強度が場所により大幅に変化する。例えば定在波の頂点付近では最も振幅が大きくなり、定在波の中点では振幅は0となる。従って、このような共振型アンテナを用いたリーダアンテナとタグアンテナの間の距離rがr<λの関係を満たす場合、リーダアンテナ中の定在波の中点に近い部分ではリーダアンテナからの信号をタグアンテナが受けることができなかったり、極めて受信信号強度が弱くなったりする。即ち、不感領域ができ、使用に支障を生じる場合がある。
一方、r<λの近傍界、さらに望ましくはr<λ/2πのリアクティブ近傍界に存在する準静電磁界と誘導電磁界を通してアンテナ間が電磁界結合して結合回路を形成することもできる。この場合、その条件通りRFIDリーダとRFIDタグの間に広い空間を必要としない。しかしながら、単純にリーダ導波路4の代わりに共振型アンテナを用いると、不感領域ができ、使用に支障を生じる場合がある。
そこで、本実施の形態に係る商品管理システムでは、RFIDリーダ7に接続されるリーダ導波路4が、整合終端された開放形伝送線路で構成され、開放形伝送線路とRFIDタグ5のタグアンテナ202とが電磁界結合されるようにRFIDタグ5を配置する。そして、本検出部では、RFIDリーダ7のリーダ導波路4として電波の放射の少ない開放形伝送線路を用いることで、主として開放形伝送線路周囲に生じる準静電磁界と誘導電磁界を通して、リーダ導波路4とタグアンテナ202とを電磁界結合させて結合回路を形成する。即ち、開放形伝送線路を近傍界で動作する進行波型アンテナとして用いていると言うことができる。この構成により、リーダ導波路4とRFIDタグ5との間に広い空間を必要としなくなる。
また、リーダ導波路4とタグアンテナ202との間の交信が結合回路を通じて近距離で行われるため、マルチパス現象の発生と、リーダ導波路4と商品2を配置する場所との間に人やモノが入るといったことによる誤検知を抑制することができる。さらに、リーダ導波路4として整合終端された開放形伝送線路を用いるため、アンテナ中を伝搬する電磁波の主たる成分は定在波を生じず、進行波として整合終端まで伝搬する。ここで、定在波を生じないとは、厳密には十分定在波が小さいことを意味しており、通常、定在波比が2以下の値であることを意味する。
ただし、タグアンテナ202を置く場所が限定されている場合、あるいはタグアンテナ202が実効的に動作する範囲が定在波成分における節の影響を無視できるように広く取れる場合にはより大きな定在波比であっても用いることができる。
伝送線路の終端が十分な精度で整合している場合、或いは、伝送線路中を伝わる電磁波が終端付近で十分減衰している場合に、伝送線路内に大きな定在波が生じずに進行波が主成分となる。そして、このような伝送線路における電磁界分布を利用することができる。この線路周辺の空間に形成される電磁界は放射電磁界が相対的に少なく、静電磁界と誘導電磁界が主たる成分となっている。これら、静電磁界と誘導電磁界の電磁界強度は、放射電磁界の強度より強く、リーダが同一の出力で動作していても、RFIDタグ5が得られる電磁界強度は強くなる。換言すれば、タグの動作を保証しながらも、周囲の電磁環境を悪化させる放射電磁界を出さないことが可能になる。
通常用いられているパッチアンテナなどの定在波型のアンテナでは、アンテナ内部の定在波の分布に応じてアンテナ近傍の電磁界分布が極めて不均一になっており、不感部分を避けるためには商品2を管理できる領域は限定される必要がある。これに対して本実施の形態に記載する開放形伝送線路からなるリーダ導波路の場合、導波路近傍であっても、電磁界分布に定在波の節のような変化しない部分が無く、至る所で必要な信号強度を得ることが可能になる。従って、近傍界においても導波路(アンテナ)に沿った電磁界の不均一が小さく、RFIDタグ5のタグ情報を読み取れないエリアを生じにくい。即ち、リーダ導波路4とタグアンテナ202の配置の自由度が向上する。
また、本実施の形態に係る商品管理システムでは、この進行波を信号として、リーダ導波路4とタグアンテナ202との間の電磁界結合を通じて交信するため、共振型アンテナと異なり、不感領域ができにくく、使用に支障を生じることがない状況を作り出せる。従って、本検出部は、開放形伝送線路周囲に生じる準静電磁界と誘導電磁界の強度がRFIDタグ5を動作させるに十分大きい範囲内で伝送線路を波長に無関係に延伸することにより、カバーエリアを広く取ることができる。即ち、本実施形態に係る商品管理システムでは上記の開放形伝送線路を使用することで、電力の放射損を抑制し、カバーエリアの拡大が容易になる。
なお、ここでいう開放形伝送線路は、基本的に放射を抑制して線路長手方向に電磁波を伝送することを目的とした伝送線路であって、空間を金属で完全には覆っていない開放形のものを指す。例としては、平衡二線型伝送線路やそれに類似の伝送線路、マイクロストリップライン、コプレーナライン、スロットラインなどの伝送線路とそれらの伝送線路の変形であるグラウンデッドコプレーナ線路やトリプレート線路等が挙げられる。また、メッシュ状の導体部とシート状の導体部とに挟まれる狭間領域とメッシュ状の導体部外側の近傍界浸出領域とにおいて伝搬する電磁界を変化させて信号を伝達する面状(二次元)のアンテナも条件によっては利用することが可能である。一方で伝送線路周囲をシールドしている同軸ケーブルや導波管など伝送線路周囲にこのような電磁界を生じない遮蔽型伝送線路は、使用できない。
一方で、開放形伝送線路から電磁波を放射させることを意図してクランク形状を設計したり、あるいは高次モードを積極的に利用したりすることにより一定の放射電磁界強度を得る、いわゆるクランクラインアンテナ、メアンダラインアンテナ、漏洩同軸ケーブル等を用いて遠方界での電磁放射を目的とした進行波アンテナは、本実施の形態に係る商品管理システムに用いる開放形伝送線路とは異なるものである。これらの進行波アンテナは波長程度のサイズ、一般的には波長の1/10以上のサイズで周期的に設けられるクランク形状部分やスロットから優先的に強い電磁波の放射が起こるため、先に述べた共振型アンテナ同様、電磁界の強度が場所により大幅に変化するという欠点がある。従って、近傍界で使用する場合にはタグ情報の読取が不安定になったり、場所によりタグが読めなくなったりすることがあるため、使用に支障を生じるという問題がある。さらに、UHF帯RFIDシステムにおいては、世界各国で割り当て周波数が異なっており、概ね860〜960MHzの帯域に分布しているが、これは比帯域にして約10%と広い幅であり、共振型アンテナの共振点の設計やクランク、メアンダ、スロットの周期に重大な変更を要求する。一方で本実施の形態に係る商品管理システムでは、もともと極めて帯域の広い開放形伝送線路を使用するため、特段の変更無しに同一のアンテナをリーダ導波路4として使用できる。
また、本実施形態に係る商品管理システムによれば、商品2とRFIDタグ5のタグアンテナ202とが電磁界結合するように、RFIDタグ5の近くに商品2を置くための商品陳列場所2aが設けられる。従って、商品2がある場合には商品2とタグアンテナ202が結合回路を形成するため、商品2が無い場合と比較してタグアンテナ202の共振周波数が変化したり、タグアンテナ202の給電点インピーダンスが変化したりする。タグアンテナ202は、自由空間において交信に使用する信号の周波数で共振し、給電点インピーダンスも調整されていて、受信感度が最大となるように作成されているため、上記の変化は受信感度を下げ、さらにRFIDリーダ7に反射信号を送る際のタグアンテナ202の動作にも悪影響を与える。その結果、交信に使用する信号に対する受電感度が低下する。また、RFIDタグ5が反射する信号の送信出力も低下する。従って、RFIDタグ5はRFIDリーダ7からの信号を受電できない、または信号の受電強度が低く、タグの動作電力を確保できない、あるいはタグが十分な強度の反射電磁界を生成できなくなる。その結果、RFIDリーダ7はRFIDタグ5のタグ情報を読めなくなる。あるいはRFIDリーダ7に届く反射電磁界の強度や位相はタグの共振周波数変化などに伴い大きく変化する。即ち、商品2が商品陳列場所2aにある場合には、タグ情報が読めなくなる、あるいは商品2がない場合と比較してRFIDタグ5からの反射電磁界の強度が大きく変化するため、商品管理システムは商品2があることを検出できる。即ち、商品2の有無によるタグアンテナ202の動作特性の変化が生じた結果、RFIDリーダ7はRFIDタグ5からの反射信号の強度変化を検出することができ、その検出結果から本発明の実施の形態に係る商品管理システムは商品の有無を検出することができる。
次に、本実施の形態に係る商品管理システムで実行される商品管理方法(物品管理方法)について説明する。
図10に示すように、まず、店員(または店舗管理者)等が棚変え作業が必要か否か判断する(S101)。S101にて、棚変え作業が必要と判断された場合、店員(または店舗管理者)等は、棚割表を作成し、棚割表に基づきタグシート6を配置する(S106)。例えば、棚割表により、各棚に配置する商品名及び商品数が割り当てられており、割り当てられた商品名及び商品数に合わせたタグシート6を各棚に配置する。
さらに、店員等は、配置したタグシート6上に商品を陳列する(S107)。タグシート6ごとに配置する商品及び配置位置は予め決まっている。このため、タグシート6に合わせた商品を、タグシート6の所定の位置に配置する。
また、S101にて、棚変え作業が不要と判断された場合、店員(または店舗管理者)等は棚割修正作業が必要か否か判断する(S102)。S102にて、棚割修正作業が必要と判断された場合、店員等が在庫に基づきタグシート6を移動する(S108)。例えば、在庫が多い商品のタグシート6は、購買者の目に付きやすい場所に移動する。
S107にてタグシート6に商品を陳列した後、または、S108にてタグシート6を移動した後、店舗管理装置1は、配置されたタグシート6のタグシートIDを検出する(S109)。店舗管理装置1のタグシートID認識部13は、商品陳列棚8に配置される商品を把握するため、タグシート6のタグシートIDを認識する。例えば、本実施の形態では、タグシート6に配置されているRFIDタグ5のタグIDに基づいてタグシートIDを認識する。
図11は、S109のタグシートID検出処理の具体例を示している。まず、図10のS106やS108でタグシート6をリーダ導波路4上に配置すると(S201)、RFIDリーダ7がRFIDタグ5(センシング用RFIDタグ)のタグIDを読み出す(S202)。続いて、RFIDリーダ7は、読み出したRFIDタグ5のタグIDを店舗管理装置1(サーバ)に送信する(S203)。
続いて、店舗管理装置1は、RFIDタグ5の配置および商品名(JANコード)を取り出す(S204)。店舗管理装置1では、入力部12がRFIDリーダ7からタグシート6上のRFIDタグ5のタグIDを取得する。さらに、タグシートID認識部13は、商品管理テーブルを参照し、取得したタグIDに対応するタグシートIDを認識する。また、タグシートID認識部13は、タグシートIDに対応するタグシートに配置されるRFIDタグ5及び商品を認識する。
図10に戻り、S109にてタグシートIDを検出した後、店舗管理装置1は、配置されたタグシート6の場所を検出する(S110)。店舗管理装置1のタグシート位置認識部14は、商品陳列棚8に配置される商品の位置を把握するため、タグシート6の配置位置を認識する。例えば、店員等が、配置したタグシート6の位置を入力部に入力し、これにより、タグシート位置認識部14がタグシート6の位置を認識し、商品管理テーブルにタグシート位置を設定する。また、タグシート位置認識部14は、商品管理テーブルを参照し、タグシート6の位置を基準として、タグシート6に配置されるRFIDタグ5の位置を認識する。表示部18は、商品管理テーブルのタグシート位置、RFIDタグ位置にしたがって、タグシート6及びRFIDタグ5(商品配置位置)を表示する。
S102にて棚割修正作業が不要と判断された場合、または、S110にてタグシート6の場所が検出された後、店舗管理装置1は、商品の有無を検出する(S103)。上記のように、購買者が商品陳列棚8から商品を取り出すと、RFIDリーダ7がリーダ導波路4を介してRFIDタグ5から受信する信号強度が変化する。店舗管理装置1の商品有無判断部15は、RFIDリーダ7から取得した信号強度が閾値よりも低い場合、タグシート6のRFIDタグ5上に商品ありと判断し、信号強度が閾値以上の場合、タグシート6のRFIDタグ5上に商品なしと判断する。商品有無判断部15は、商品有無の判断結果に応じて、商品管理テーブルの商品有無情報を更新し、表示部18は、商品管理テーブルの商品有無情報にしたがって、商品の配置状態を表示する。
図12は、店舗管理装置1の表示部18の表示例である。リーダ導波路4上にタグシート6−1を配置すると、図12(a)のように、タグシート6−1の位置に対応して、タグシート6−1とタグシート6−1上のRFIDタグ5のイメージが表示部18に表示される。さらに、リーダ導波路4上にタグシート6−2を追加して配置すると、図12(b)のように、タグシート6−2の位置に対応して、タグシート6−2とタグシート6−2上のRFIDタグ5のイメージが表示部18に追加で表示される。このように、タグシート6を変えたこと、あるいは追加・削除したことが、タグシートIDにより認識され、使われているシート(商品の種類)に応じた出力の表現が可能になる。
続いて、店舗管理装置1は、商品の補充が必要か否か判定する(S104)。店舗管理装置1の商品補充判断部16は、S103の商品有無検出結果に基づき、タグシート6の商品の個数を把握し、例えば、タグシート6の商品の個数が閾値よりも小さい場合、商品の補充が必要と判定し、商品の個数が閾値以上の場合、商品の補充は不要と判定する。表示部18は、標品補充が必要な場合、店員等に商品補充させるようにアラームを表示する。アラーム表示は、店員の持つハンディ端末や電子棚札により行うことも可能である。
S104にて、商品の補充が必要な場合、店舗管理装置1は、バックヤードに在庫があるか否か判定し(S111)、バックヤードに在庫がない場合、発注を指示し(S112)、バックヤードに在庫がある場合、商品の補充を指示する(S113)。商品を補充した後、商品有無の検出処理(S103)以下を繰り返す。バックヤードの在庫確認はPOSシステムの理論在庫から陳列棚の在庫を差し引くことで計算することが可能であるが、タグシートを利用することで直接バックヤードの在庫をリアルタイムで把握することもできる。
S104にて、商品の補充が不要な場合、店舗管理装置1は、陳列の修正が必要か否か判定する(S105)。店舗管理装置1の陳列修正判断部17は、S103の商品有無検出結果に基づき、タグシート6の商品の配置状態を把握し、例えば、最前列に商品がない場合、最前列に商品を陳列するように陳列修正が必要と判定し、最前列に商品がある場合、陳列修正が不要と判定する。表示部18は、陳列修正が必要な場合、店員等に陳列修正させるようにアラームを表示する。
S105にて、陳列の修正が必要な場合、陳列修正を行って、S102以降の処理を繰り返す。また、S105にて、陳列の修正が不要な場合、本処理は終了し、定期的にS101以降の処理を繰り返す。
以上のように、本実施の形態では、タグシート上のRFIDタグからの信号強度に基づいて商品の有無を判断する。このため、商品にRFIDタグや遮蔽部を貼り付ける必要がなく、低コストで商品の有無を管理することができる。さらに、本実施の形態では、商品を配置するタグシートを備え、タグシートのタグシートIDを認識することでタグシートを識別し、タグシートの位置を認識することで商品の配置位置を把握する。このため、タグシートの配置や移動により、商品の様々な配置に柔軟に対応することができる。
(実施の形態2)
以下、図面を参照して実施の形態2について説明する。本実施の形態は、実施の形態1の構成において、さらに、タグシートにシート認識用RFIDタグを配置する例である。
図13A及び図13Bは、本実施の形態に係るタグシートの構成の一例を示している。図13Aはタグシート6の上面図、図13Bはその側面図である。図13A及び図13Bに示すように、タグシート6は、商品(管理対象物品)を配置する商品配置領域(管理対象物品配置領域)6aと、商品を配置しない商品非配置領域(管理対象物品非配置領域)6bを有する。
タグシート6上の商品配置領域6aには、実施の形態1と同様のRFIDタグ5が配置される。本実施の形態では、RFIDタグ5を、商品の有無をセンシングするためのセンシング用RFIDタグ5と称する。タグシート6上の商品非配置領域6bには、シート認識用RFIDタグ5aが配置される。シート認識用RFIDタグ5aは、タグシートを識別するためのタグシートIDを記憶し、商品のセンシングには使わないRFIDタグである。
例えば、センシング用RFIDタグ5とシート認識用RFIDタグ5aは、同じ構成(種類)のRFIDタグである。これにより、新たに別のRFIDタグを用意する必要がなく、また、RFIDリーダ7からセンシング用RFIDタグ5と同様に読みだすことができる。なお、センシング用RFIDタグ5とシート認識用RFIDタグ5aを別の構成のRFIDタグとしてもよい。
シート認識用RFIDタグ5aのタグシートIDを常に読み取り可能にするため、シート認識用RFIDタグ5a近傍の商品非配置領域6bに商品を配置できない構造とすることが好ましい。例えば、シート認識用RFIDタグ5aの上面を覆うカバーを設けてもよい。商品非配置領域6bの上面を、商品配置領域6aの上面よりも高くしたり、上面を斜めや円弧状、凹凸状にしてもよい。また、商品非配置領域6bのシートを折り曲げてもよい。
図14は、本実施の形態に係るタグシート6をリーダ導波路4上に配置した状態の側面図である。センシング用RFIDタグ5のセンシングは実施の形態1と同様であり、また、本実施の形態ではシート認識用RFIDタグ5aからのタグシートIDの読み出しも同様である。
図14に示すように、リーダ導波路4はRFIDリーダ7と接続されており、RFIDリーダ7は、リーダ導波路4の近傍に近傍界の電磁波を発生させ、またタグシート6上のセンシング用RFIDタグ5からの反射信号を検出する。シート認識用RFIDタグ5aはタグシート固有のタグ情報(タグシートID)を持ち、タグシートIDがセンシング用RFIDタグ5の配置情報および管理対象物品情報(商品種類など)に対応づけられる。
商品(管理対象物品)2がセンシング用RFIDタグ5の上に置かれると、センシング用RFIDタグ5とRFIDリーダ7の交信が妨げられることで、その有無を知ることができる。これより、商品の場所および個数を知ることができる。また、センシング用RFIDタグ5と商品を1対1に対応させずに、商品配置領域6aにおける商品の有無(欠品状態)のみを知るのに使うこともできる。RFIDリーダ7は、リーダ導波路4を介してRFIDタグ5のタグ情報を読み取るとともに、シート認識用RFIDタグ5aのタグ情報を読み取る。
図15は、本実施の形態に係るタグシート6をリーダ導波路4上に複数配置する例を示している。タグシート6はそれぞれ配置される商品に対応しており、商品陳列棚8の列ごとに異なる商品が置かれる場合に、列ごとにタグシート6を配置する。
図15の例では、リーダ導波路4上の各列に、タグシート6−1〜6−5が配置されている。タグシート6−1〜6−5は、それぞれセンシング用RFIDタグ5−1〜5−5、シート認識用RFIDタグ5a−1〜5a−5を備えている。商品陳列棚8の前方側(購買者側)にセンシング用RFIDタグ5が配置され、商品陳列棚8の後方側にシート認識用RFIDタグ5aが配置される。
また、タグシート6に商品の仕切り61を設けてもよい。仕切り61を設けることで、タグシート6の列ごとに商品を並べて配置しやすくなり、隣の列の商品の混入を防ぐことができる。
本実施の形態では、実施の形態1の図10と同様に商品管理が行われ、タグシートIDの検出方法のみが異なっている。本実施の形態では、タグシートID認識部13は、シート認識用RFIDタグ5aのタグ情報によりタグシートIDを認識する。図16は、図10のS109の具体例であり、本実施の形態に係るタグシートID検出処理を示している。
まず、図10のS106やS108でタグシート6をリーダ導波路4上に配置すると(S211)、RFIDリーダ7がシート認識用RFIDタグ5aのタグID(タグシートID)を読み出す(S212)。続いて、RFIDリーダ7は、読み出したシート認識用RFIDタグ5aのタグシートIDを店舗管理装置1(サーバ)に送信する(S213)。
続いて、店舗管理装置1は、センシング用RFIDタグ5の配置および商品名(JANコード)を取り出す(S214)。店舗管理装置1では、入力部12がRFIDリーダ7からタグシート6上のシート認識用RFIDタグ5aのタグシートIDを取得する。さらに、タグシートID認識部13は、商品管理テーブルを参照し、取得したタグシートIDを認識し、タグシートIDに対応するタグシートに配置されるセンシング用RFIDタグ5及び商品を認識する。
以上のように、本実施の形態では、商品のセンシングには使わないシート認識用RFIDタグをタグシートに設け、タグシートID検出に用いることとした。これにより、シート認識用RFIDタグにより直接タグシートIDを取得してタグシートを識別でき、シート認識用RFIDタグには商品を配置しないため、常にタグシートIDを検出することができる。
(実施の形態3)
以下、図面を参照して実施の形態3について説明する。本実施の形態は、実施の形態2の構成において、さらに、タグシートに棚札を設けた例である。
図17は、本実施の形態に係るタグシート6をリーダ導波路4上に複数配置する例であり、図15の構成に棚札62を設けた例である。図17の例では、図15と同様に、リーダ導波路4上の各列に、タグシート6−1〜6−5が配置されている。タグシート6−1〜6−5は、それぞれセンシング用RFIDタグ5−1〜5−5、シート認識用RFIDタグ5a−1〜5a−5を備えている。さらに、タグシート6−1〜6−5は、棚札62−1〜62−5が取り付けられている。
本実施の形態では、タグシート6に棚札62を対応付けている。すなわち、タグシート6は、センシング用RFIDタグ5とシート認識用RFIDタグ5aを備えており、タグシート6に対応する位置に棚札62が配置されている。棚札62は、商品陳列棚8の前方側(購買者側)に取り付けられ、例えば、タグシート6に配置される商品の商品名や値段が表示されている。棚札は、紙の棚札でもよいし、電子棚札でもよい。
例えば、棚札62にバーコードを入れても良い。また、棚札62にQRコード等2次元コードを入れてカメラ画像から管理対象物品情報を入手しても良い。
図17のL11は、棚札に近い陳列ラインであり、L12は、品切れ予想ラインである。このように、棚札62に近い陳列ラインL11の商品管理(前面に出して目に付きやすくして売り上げを上げる)、および奥の場所に品切れ予想ラインL12を設けてもよい。このような陳列ラインの前もしくは後の商品の有無を検出し、商品補充や陳列修正を判断することができる。例えば、ホットケースなど奥を見にくい場合でも、品切れ予想ラインL12より後ろの商品の有無を検出し、商品補充を早めに判断することができる。ラインL11及びL12を2本設定することにより、商品の減る速度を求め、それにより補充時間の予想精度を高めることもできる。
図18A−図18Cは、本実施の形態に係るタグシートの一例である。図18Aは、タグシート6の上面図、図18Bはその側面図、図18Cは正面図である。図18A−図18Cの例では、実施の形態2と同様のタグシート6の端部に、棚札62を直接固定している。
図19は、本実施の形態に係るタグシート及び商品陳列棚の一例である。図19は、タグシート6及び商品陳列棚8の側面図である。図19の例では、実施の形態2と同様のタグシートを商品陳列棚8に配置し、タグシート6に紐62aなどで結び付けられた棚札62を商品陳列棚8の前面に固定している。例えば、棚札62を電子棚札として、電子棚札とRFIDリーダ7の両方にPoE(Power over Ethernet(登録商標))を用いた単一LANケーブルによる電力供給および情報伝送を行ってもよい。RFIDリーダ7とリーダ導波路4を接続するLANケーブル3aを介して、電子棚札に電源を供給してもよい。
図20A−図20Cは、本実施の形態に係るタグシートの他の例である。図20Aは、タグシート6の上面図、図20Bはその側面図、図20Cは正面図である。図20A−図20Cの例では、図18A−図18Cの構成と比べて、シート認識用RFIDタグ5aを棚札62に貼り付けている。リーダ導波路4との交信が可能な場所に棚札を置き、シート認識用RFIDタグ5aを読み取り可能とする。これにより、シート認識用RFIDタグ5aを配置するための商品非配置領域を設ける必要がなく、また、棚札を付け替えるだけでタグシートIDを変更できるため、タグシートに対応する商品を自由に変更することができる。
以上のように、本実施の形態では、タグシートに棚札を対応付けることとした。これにより、実施の形態1及び2の効果に加えて、本実施の形態では、棚札によってタグシートに配置される商品に関する情報を一目で把握することができる。
(実施の形態4)
以下、図面を参照して実施の形態4について説明する。本実施の形態は、実施の形態1の構成において、タグシートIDを他の方法で検出する例である。
図21は、本実施の形態に係る商品管理システムの構成例を示している。図21に示すように、この商品管理システムは、図2の構成に対し、さらに入力装置10を備えている。入力装置10は、通信ネットワーク3を介して店舗管理装置1に接続されている。入力装置10は、タグシート6のタグシートIDを入力し、店舗管理装置1へタグシートIDを送信する装置である。例えば、バーコードリーダ、QRコードリーダ、カメラ、キーボード等である。なお、RFIDリーダ7と入力装置10を一つの装置としてもよい。また、入力装置10を店舗管理装置1の入力部12としてもよい。
本実施の形態では、RFIDタグ以外の構成でタグシートの識別を可能にする。図22A−図22C、図23、図24は、本実施の形態に係るタグシートの一例を示している。図22A−図22Cでは、実施の形態1のタグシート6に図18A−図18Cや図19のような棚札62を取り付け、棚札62にタグシートIDを認識可能なタグシート識別情報63を表示(印刷)する。タグシート識別情報(シート識別マーク)63は、タグシートIDに対応したバーコードやQRコード、文字、模様等である。また、図23のように、タグシート6上にタグシート識別情報63を直接表示(印刷)してもよい。さらに、図24のように、タグシート6の外形をタグシートごとに異なるようにしてタグシートIDに対応付けておいてもよい。例えば、タグシート6の角など一部分の形状を、タグシートごとに変えておく。
本実施の形態では、実施の形態1の図10と同様に商品管理が行われ、タグシートIDの検出方法のみが異なっている。本実施の形態では、タグシートID認識部13は、入力装置10が読み取ったタグシート識別情報(シート識別マーク)63に基づいてタグシートIDを認識する。入力装置10は、シート識別マークを読み取りタグシートID認識部13が認識可能な識別マーク情報を生成しているともいえる。図25は、図10のS109の具体例であり、本実施の形態に係るタグシートID検出処理を示している。
まず、図10のS106やS108でタグシート6をリーダ導波路4上に配置すると(S221)、入力装置10が、タグシート情報を、バーコード、QRコードまたはカメラ画像等から読み出す(S222)。続いて、入力装置10が、読み出したタグシート情報を店舗管理装置1(サーバ)に送信する(S223)。
続いて、店舗管理装置1は、センシング用RFIDタグ5の配置および商品名(JANコード)を取り出す(S224)。店舗管理装置1では、入力部12が入力装置10からタグシート6のタグシート情報を取得する。さらに、タグシートID認識部13は、取得したタグシート情報を解析してタグシートIDを認識し、商品管理テーブルを参照して、タグシートIDに対応するタグシートに配置されるセンシング用RFIDタグ5及び商品を認識する。
図26は、本実施の形態に係るタグシートID検出処理の他の例を示している。他の例では、タグシートID認識部13は、入力装置10に入力されたタグシート識別情報(シート識別マーク)63に基づいてタグシートIDを認識する。まず、図10のS106やS108でタグシート6をリーダ導波路4上に配置すると(S231)、店員等がタグシート情報を、目視で読み取る(S232)。続いて、店員等が読み取ったタグシート情報を入力装置10に入力し、入力装置10がタグシート情報を店舗管理装置1(サーバ)に送信する(S233)。
続いて、店舗管理装置1は、センシング用RFIDタグ5の配置および商品名(JANコード)を取り出す(S234)。店舗管理装置1では、入力部12が入力装置10からタグシート6のタグシート情報を取得する。さらに、タグシートID認識部13は、取得したタグシート情報を解析してタグシートIDを認識し、商品管理テーブルを参照して、タグシートIDに対応するタグシートに配置されるセンシング用RFIDタグ5及び商品を認識する。
以上のように、本実施の形態では、棚札やタグシートのバーコード等やシートの外形を装置で読み取り、または、手動で入力することで、タグシートIDを認識することとした。この場合でも、実施の形態1と同様に、タグシートを識別することができ、商品の様々な配置に柔軟に対応することができる。
(実施の形態5)
以下、図面を参照して実施の形態5について説明する。本実施の形態は、実施の形態1〜4の構成において、タグシートの場所を認識する具体例である。
図27は、本実施の形態に係る商品陳列棚8の構成例を示している。図27では、商品陳列棚8の各位置(列)に、位置を認識可能な位置情報(位置識別マーク)81−1〜81−7を表示している。位置情報81は、商品陳列棚8の位置(列)に対応したバーコードやQRコード、文字、模様等である。
位置情報81の示す位置(列)とタグシート6を関連付けることで、タグシート6の位置を認識する。例えば、位置情報81−1の列にタグシート6−1が配置されており、位置情報81−1が示す位置"1列目"とタグシート6−1のタグシートIDとが関連付けられる。同様に、位置情報81−2が示す位置"2列目"とタグシート6−2のタグシートIDとが関連付けられ、位置情報81−4が示す位置"4列目"とタグシート6−3のタグシートIDとが関連付けられ、位置情報81−6が示す位置"6列目"とタグシート6−4のタグシートIDとが関連付けられる。
本実施の形態では、図21と同様に、入力装置10を備えている。本実施の形態に係るタグシート位置認識部14は、入力装置10が読み取った位置情報(位置識別マーク)に基づいてタグシート6の位置を認識する。図28は、図10のS110の具体例であり、本実施の形態に係るタグシート場所検出処理の一例を示している。まず、図10のS106やS108でタグシート6をリーダ導波路4上に配置し、S109でタグシートIDが検出されると、入力装置10が、タグシートの位置情報を、バーコード、QRコードまたはカメラ画像等から読み出す(S301)。続いて、入力装置10が、読み出した位置情報を店舗管理装置1(サーバ)に送信する(S302)。
続いて、店舗管理装置1は、タグシートの位置情報をタグシートIDに関連付ける(S303)。店舗管理装置1では、入力部12が入力装置10からタグシート6の位置情報を取得する。さらに、タグシート位置認識部14は、取得した位置情報を解析してタグシートの位置(列)を認識し、認識した位置をタグシートID関連付けて商品管理テーブルに格納する。これにより、タグシート6の位置及び、タグシート6に配置されるセンシング用RFIDタグ5の位置が認識される。
図29は、本実施の形態に係るタグシート場所検出処理の他の例を示している。他の例では、タグシート位置認識部14は、入力装置10に入力された位置情報(位置識別マーク)に基づいてタグシート6の位置を認識する。まず、図10のS106やS108でタグシート6をリーダ導波路4上に配置し、S109でタグシートIDが検出されると、店員等がタグシートの位置情報を、目視で読み取る(S311)。続いて、店員等が読み取ったタグシートの位置情報を入力装置10に入力し、入力装置10がタグシートの位置情報を店舗管理装置1(サーバ)に送信する(S312)。
続いて、店舗管理装置1は、タグシートの位置情報をタグシートIDに関連付ける(S313)。店舗管理装置1では、入力部12が入力装置10からタグシート6の位置情報を取得する。さらに、タグシート位置認識部14は、取得した位置情報を解析してタグシートの位置(列)を認識し、認識した位置をタグシートID関連付けて商品管理テーブルに格納する。これにより、タグシート6の位置及び、タグシート6に配置されるセンシング用RFIDタグ5の位置が認識される。
以上のように、本実施の形態では、配置したタグシートの位置を装置で読み取り、または、手動で入力することで、タグシートの位置を認識することとした。これにより、タグシートの位置をタグシートIDに関連付け、タグシートの位置及びRFIDタグの位置を確実に把握することができる。また、タグシートの位置及びRFIDタグの位置を認識できるため、別の棚にある同じ商品、バックヤードにある同じ商品の数量およびその変化を同時に把握できる
(実施の形態6)
以下、図面を参照して実施の形態6について説明する。本実施の形態は、実施の形態2のタグシートの他の例である。
図30は、本実施の形態に係るタグシートの構成の一例を示している。図30の例では、タグシート6は、複数の商品配置領域6a−1、6a−2を備えており、商品配置領域6a−1、6a−2には、それぞれセンシング用RFIDタグ5−1、5−2が配置されている。例えば、商品配置領域6a−1のセンシング用RFIDタグ5−1は、商品配置領域6a−2のセンシング用RFIDタグ5−2よりもサイズが大きい。
このように、本実施の形態では、一枚のタグシートに複数の種類のセンシング用RFIDタグを置くことが可能である。これにより、用途に応じて場所によりRFIDタグの種類を変えることができる。例えば、サイズの大きなRFIDタグは検出の空間分解能が下がるが、離れた商品も検出しやすい等を考慮して複数種類のRFIDタグを配置する。
(実施の形態7)
以下、図面を参照して実施の形態7について説明する。本実施の形態は、実施の形態2のタグシート及びリーダ導波路の他の例である。
図31A及び図31Bは、本実施の形態に係るタグシート及びリーダ導波路の構成の一例を示している。図31Aは、リーダ導波路をシート状アンテナで構成した例であり、図31Bは、リーダ導波路を線状アンテナで構成した例である。
本実施の形態に係るタグシート6は、外形が円弧状(半円状)であり、円弧の周辺部に沿ってセンシング用RFIDタグ5が配置されており、周辺部の内側にも、同様に円弧状に沿ってセンシング用RFIDタグ5が配置されている。円弧状の略中心部にシート認識用RFIDタグ5aが配置されている。
図31Aのように、リーダ導波路を、タグシート6よりもサイズの大きいシート状アンテナ46としてもよいし、図31Bのように、リーダ導波路を、幅の狭い線状アンテナ47としてもよい。図31Bでは、シート認識用RFIDタグ5aおよびセンシング用RFIDタグ5は線状アンテナ47の上に置かれるように、タグシート6を配置する。
このように、本実施の形態では、タグシートの周辺部にセンシング用RFIDタグを並べて配置することとした。これにより、タグシートの外側、すなわち、商品陳列棚の最前列の商品が無くなったことを検出し、陳列修正の必要性を知らせることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、図2の構成において、リーダ導波路4を商品陳列棚8の上に置く替わりに、壁の側面あるいは天板の下面に設置し、その表面に接着テープ等でタグシート6を設置することで、壁の横あるいは天板の下にある商品を検出することも可能である。
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)
開放形伝送線路で構成されたリーダ導波路、およびそのリーダ導波路と電磁結合する複数のRFIDタグを有するタグシートとからなる物品検出シートと、
前記リーダ導波路に送信信号を送出すると共に前記リーダ導波路を介して前記RFIDタグが出力する無線応答信号を受信するRFIDリーダと、を有する物品管理システムにおいて、
前記複数のRFIDタグのうちの少なくとも一つのRFIDタグのタグアンテナは管理対象物品と電磁界結合しうる位置に配置されるセンシング用RFIDタグであり、
前記センシング用RFIDタグ以外の少なくとも一つのRFIDタグは管理対象物品と電磁界結合しない位置に配置されるシート認識用RFIDタグであり、
前記RFIDリーダが、前記管理対象物体の有無による前記センシング用RFIDタグの動作特性変化を反射信号の強度或いは位相変化として検出し、
かつ前記シート認識用RFIDタグの無線応答信号から前記タグシートのタグ情報を読み取ることを特徴とする物品管理システム。
(付記2)
付記1に示す物品管理システムにおいて、
前記タグシートに、目視、バーコード読み取り、あるいは画像認識等の手段により前記管理対象物品に関する情報を読み取ることができる棚札が結合されていることを特徴とする物品管理システム。
(付記3)
付記1に示す物品管理システムにおいて、
目視、バーコード読み取り、あるいは画像認識等の手段を用いて前記タグシートの設置場所を検出することにより、管理対象物品の配置場所を特定する物品管理システム。
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2013年3月1日に出願された日本出願特願2013−040319を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。