JP2011087288A - 棚用アンテナユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】UHF帯の電波を利用して、陳列棚の物品が配置される空間に概ね一致する検出対象範囲にRFタグの読み取が可能な強度分布の電波を放射可能な技術を提供する。
【解決手段】複数のアンテナ素子を一体的に配列して構成される少なくとも1つのアレイアンテナからなる棚用アンテナユニットであって、前記アレイアンテナが対応する位置に配置された場合に、該アンテナユニット全体として、前記物品配置空間と概ね一致する所定の検知範囲内のいずれかの位置に配置されているRFタグとの無線通信を可能とする強度分布の電波を放射可能な棚用アンテナユニット。
【選択図】図1
【解決手段】複数のアンテナ素子を一体的に配列して構成される少なくとも1つのアレイアンテナからなる棚用アンテナユニットであって、前記アレイアンテナが対応する位置に配置された場合に、該アンテナユニット全体として、前記物品配置空間と概ね一致する所定の検知範囲内のいずれかの位置に配置されているRFタグとの無線通信を可能とする強度分布の電波を放射可能な棚用アンテナユニット。
【選択図】図1
Description
本発明は、RF(Radio Frequency)タグの読み取り技術に関するものであり、特に、所定の領域に対する物品の出し入れを検出する技術に関する。
従来、商品陳列棚に置かれた商品が客の手に取られたという情報を収集・分析して、店舗運営や商品企画に活かし、売上につなげようという取り組みがなされている。そのために、例えば、商品にRFタグを取り付けて商品陳列棚に陳列し、タグの読み取りを行うリーダ(リーダライタ)のアンテナによって商品が商品陳列棚から取り出されたことを検知することが行われている。これにより、棚から取り出されたことが検知された場合には、客が商品を商品陳列棚から取り出して手に取ったという情報を収集することができる。
商品陳列棚に置かれた商品が、商品棚から取り出されたことを検知する方法としては、例えば特許文献1〜3に示すような方法が知られている。
特許文献1には、商品陳列棚の各棚の前端部に矩形形状のアンテナを埋め込み、棚に商品が収納されている状態では商品に取り付けられたRFタグは読み取らず、棚から商品を取り出したときに商品に取り付けられたRFタグを読み取ることで、顧客が商品を手に取ったことを検知する方法が記載されている。
また、特許文献2には、商品陳列棚の各棚板にリーダアンテナを配置し、棚に置かれた商品に取り付けられたRFタグを読み取り、商品が手に取られたときに通信可能範囲から外れることによりRFタグの読み取りが行われなくなることを利用して、商品が手に取られたことを検知する方法が記載されている。
また、衣料品や装飾品などを陳列する商品陳列棚には、商品を明るく、綺麗に見せることを目的として、透明なガラス製の棚が使われることがしばしばある。特許文献3には、このような透明なガラス製の陳列棚の外観を損なうことがないように、商品に取り付けられたRFタグを読み取るリーダアンテナとして、ほぼ透明に近いアンテナを用いて商品を管理する方法が記載されている。
以上のような、RFタグとリーダ(又はリーダライタ)アンテナとの通信は、通信距離が比較的長く、かつ、価格を抑えることができるという理由から、UHF帯の電波を用いたRFタグの普及が進んでいる。UHF帯ではない13.56MHzの電波を使用したRFタグの場合、電磁誘導によって通信を行うため、リーダアンテナをRFタグに近接させなければならないが、UHF帯の電波を利用したRFタグの場合、空間に放射された電波により通信を行うため、2〜3mの距離でも読み取りが可能であるというメリットが得られる。
しかし、RFタグとアンテナとの通信にUHF帯の電波を用いる場合、上述の特許文献1〜3に記載の方法では、以下のような課題がある。
まず、特許文献1に示す方法においては、電波の到達範囲を20cm〜40cmとしているが、UHF帯の電波を用いた場合、電波の到達範囲を上記範囲に制限することは困難であり、この方法をUHF帯の電波を用いて実現することは難しい。
特許文献2に示す方法においては、通信に用いる電波の周波数に13.56MHz帯を使用しているものと想定され、代わりにUHF帯の電波を利用した場合、RFタグがリーダアンテナに近接した状態でのみ読み取りを可能とすることは困難である。また、電波の放射範囲を制限することも難しい。従って、この方法では、UHF帯の電波を利用することは困難である。
また、特許文献1及び2に示す方法では、設置されたアンテナによって、棚の美観を損なうという問題もある。
特許文献3に示す方法においては、透明なアンテナであるため、棚の美観をある程度保つことができる。しかし、UHF帯の電波を利用可能なアンテナの構成は示されておらず、仮に利用できたとしても、その放射範囲を制限することが難しいため、同様にこの方法でもUHF帯の電波を利用することは困難である。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、UHF帯の電波を利用して、陳列棚の物品が配置される空間に概ね一致する検出対象範囲にRFタグの読み取が可能な強度分布の電波を放射可能な技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、複数のアンテナ素子を一体的に配列して構成される少なくとも1つのアレイアンテナからなる棚用アンテナユニットであって、前記アレイアンテナが対応する位置に配置された場合に、該アンテナユニット全体として、前記物品配置空間と概ね一致する所定の検知範囲内のいずれかの位置に配置されているRFタグとの無線通信を可能とする強度分布の電波を放射可能な棚用アンテナユニットに関する。
本発明によれば、UHF帯の電波を利用して、陳列棚の物品が配置される空間に概ね一致する検出対象範囲にRFタグの読み取が可能な強度分布の電波を放射可能な技術を提供することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態によるアンテナユニット1の構成について説明するための概略図である。
本実施形態のアンテナユニット1は、商品14に付されたRF(Radio Frequency)タグ10の陳列棚12からの出し入れを検出するために、所定の空間に電波を放射可能なアンテナ装置である。このアンテナユニット1を、たとえば、図1に示すようにRFタグ10の読み取り処理を行う通信装置6などから構成される物品管理システムのアンテナとして用いることで、商品14が陳列棚12から取り出されたことを検出可能な物品管理システム100を構築することができる。このような本実施形態のアンテナユニット1を利用した物品管理システム100は、例えば、服飾品の販売店舗などで利用可能であり、物品管理システム100によって、商品が顧客の手に取られた、あるいは、手に取られなかったという情報を収集し、その情報を基にした商品開発や店舗運営を行うことができる。
なお、本実施形態のアンテナユニット1を利用した物品管理システム100によって、商品の出し入れを検出する対象となる陳列棚12は、大抵は商品が置かれる載置面の一方の対辺が他方の対辺よりも長い矩形の載置面を有する棚を複数段備えるものである。従って、陳列棚12の商品が配置される空間は、大抵は立方体を除いた直方体状の形状である。
以下、図1〜図4に基づいて、本実施形態のアンテナユニット1の構成について説明する。図2は、本実施形態のアンテナユニット1が配置された陳列棚12を上方から見た図である。図3は、本実施形態のアレイアンテナに電力を供給する方法を説明するためのブロック図である。図4は、本実施形態のアレイアンテナを構成するアンテナ素子20の構成を示す図である。
本実施形態のアンテナユニット1は、図1、図2などに示すように、複数のアンテナ素子20が複数一体的に配列されたアレイアンテナ2a〜2cで構成される。そして、本実施形態のアンテナユニット1は、たとえば、図1に示すように、RFタグの検出を行う陳列棚12の下方の床面上に、陳列棚12と所定の位置関係で配置される。
まず、図4に基づいて、このアレイアンテナを構成するアンテナ素子20について説明する。各アレイアンテナ2a〜2cを構成するアンテナ素子20は、例えば、図4に示すように、基板20bの上面に放射素子20aが配置され、基板20bの裏側にグランド板20cが配置されて構成されたアンテナ素子を用いることができる。放射素子20aは、アンテナのインピーダンス整合のため、放射素子20aの中央位置からずれた位置に給電点20dが形成される。本実施形態のアンテナ素子20は、この給電点20dに電力が供給され、UHF帯の電波(例えば、953MHz)の周波数の電波を出力する。基板20bは、例えば、ガラスエポキシ基板であるFR−4基板を用いることができる。グランド板20は、導電体から形成することができるが、基板20bの裏面側を全面導体としても同様の機能を実現できる。また、アンテナ素子20は基板20bを用いずに、板金で構成することもできる。
このアンテナ素子20を、4個1列で直線的に配列したものがアレイアンテナ2aであり、アンテナ素子20を4行2列で一体的に配列したものがアレイアンテナ2bおよび2cである。
そして、アレイアンテナ2aは、図1及び図2に示すように、陳列棚12の下方の床面上であって、陳列棚12の載置面の長手方向における中央位置において、長手方向に直交する短手方向に、アンテナ素子20が4個一列に並ぶように配置される。そのようにアレイアンテナ2aを配置した状態において、アンテナ素子20それぞれに対して、図3に示すように、電力供給装置4から電力を同時に供給すると、各放射素子20aから出力される電波の合成作用により、アレイアンテナ2aから陳列棚12に向けて、陳列棚12の載置面の長手方向に広がった合成電波が放射される。そして、その合成電波が放射される空間の内、RFタグ10に記憶された情報の読み取りや情報の書き込みが可能な空間を、図2において、アレイアンテナ2aの読取可能エリア30aとして示している。
ここで、図6〜図8に基づいて、図5に示す、4個のアンテナ素子20が直線的に一列に一体的に配列されたアレイアンテナから電波を放射した場合の放射パターンについて説明する。図5に示すように、このアレイアンテナは、アンテナ素子20をその中心間の距離が150mmとなるように直線的に配列したものである。図6は、図5に示すアレイアンテナから電波を放射した場合の放射パターンであり、図7は、図6に示す放射パターンのyz平面における放射パターンを示し、図8は、図6に示す放射パターンのxz平面における放射パターンを示す図である。図6〜図8に示すように、このアレイアンテナから電波を放射すると、z軸方向に強い指向性を示す、x軸方向に広がった楕円体状の放射パターンが形成される。本実施形態においては、この楕円体状の範囲が読取可能エリア30に相当する。なお、上述の図2に示す読取可能エリア30においては、図6及び図7においてz軸方向に伸びた大きい放射パターンの両側に形成される、小さい放射パターンは省略している。
次に、アレイアンテナ2bおよび2cは、図1、図2に示すように、陳列棚12の下方の床面上であって、陳列棚12の載置面の長手方向における、アレイアンテナ2aの両側に配置される。そして、アレイアンテナ2bおよび2cは、アレイアンテナ2aと同じく陳列棚12の載置面の短手方向に、アレイアンテナ2b、2cの長手方向が一致するように配置される。このようにアレイアンテナ2b、2cを配置した状態において、アレイアンテナ2aと同様に、アンテナ素子20それぞれに対して、電力供給装置4から電力を同時に供給すると、アレイアンテナ2bおよび2cから陳列棚12に向けて、陳列棚12の載置面の長手方向に広がった合成電波が放射される。ただし、4行2列で配列したアレイアンテナ2b、2cから放射される電波は、4行1列で配列したアレイアンテナ2aの放射電波に比べて、長手方向の広がり(つまり、アレイアンテナの短手方向における電波の広がり)が小さい。一方、短手方向の広がり(つまり、アレイアンテナの長手方向における電波の広がり)は同等である。このアレイアンテナ2b、2cによる合成電波が放射される空間のうち、RFタグ10に記憶された情報の読み取りや情報の書き込みが可能な空間を、図2において、アレイアンテナ2aの読取可能エリア30bおよび30cとして示している。
ここで、図10〜図12に基づいて、図9に示す、8個のアンテナ素子20を、4行2列で一体的に配列したアレイアンテナから電波を放射した場合の放射パターンについて説明する。図9に示すように、このアレイアンテナは、隣接するアンテナ素子20の中心間の距離が150mmとなるように4行2列で配列したものである。図10は、図9に示すアレイアンテナから電波を放射した場合の放射パターンであり、図11は、図10に示す放射パターンのyz平面における放射パターンを示し、図12は、図10に示す放射パターンのxz平面における放射パターンを示す図である。図10〜図12に示すように、このアレイアンテナから電波を放射すると、図5に示した4行1列のアレイアンテナと同様に、z軸方向に強い指向性を示すとともに、x軸方向に放射範囲が広がった楕円体状の放射パターンが形成される。ただし、図5に示した4行1列のアレイアンテナに比べて、x軸方向の電波の広がりは小さく、y軸方向の広がりは同等となっている。本実施形態においては、この楕円体状の範囲が読取可能エリア30b、30cに相当する。なお、上述の図2に示す読取可能エリア30b、30cにおいては、図10及び図11においてz軸方向に伸びた大きい放射パターンの両側に形成される、小さい放射パターンは省略している。
このようにアレイアンテナ2a〜2cそれぞれから放射される電波によって、RFタグの読み取りを行うことが可能な読取可能エリア30a〜30cが形成され、アンテナユニット1全体として、陳列棚12の載置面の長手方向に広がった読取可能エリア30が形成される。そして、この読取可能エリア30は、陳列棚12の商品が配置される空間に概ね一致する形状で形成される。したがって、本実施形態のアンテナユニット1によれば、陳列棚12に配置された商品に付されたいずれのRFタグ10に対しても、アレイアンテナ2a〜2cのいずれかと無線通信が成立し、RFタグ10を確実に検出することができる。なお、各アレイアンテナ2a〜2cは、後述する電力供給装置4および通信装置6によって、交互に電力が供給され、交互に電波を放射する。アレイアンテナ2a〜2cから同時に電波を放射すると、電波が合成されて、電波の放射パターンが変形してしまい、読取可能エリア30a〜30cを形成することができないためである。
なお、アレイアンテナ2a〜2cは、それぞれの電波によって形成される読取可能エリア30a〜30cが、隣接する読取可能エリアと一部が重複し、読取可能エリアが途切れた空間が存在しないように配置されることが好ましい。隣接する読取エリアと間が開いていたり、読取エリアがほとんど重複していないような場合、商品の配置空間にRFタグを検出できない場所が存在してしまい、検出精度が低下してしまうためである。
次に、本実施形態のアンテナユニット1が接続される物品管理システム100を構成する各機器について説明する。
本実施形態の物品管理システム100は、アレイアンテナ2a〜2cを構成する複数のアンテナ素子20に同時に電力供給する電力供給装置4と、商品に付されたRFタグ10の読み取り処理を制御する通信装置6と、を備える。そして、通信装置6は、通信装置6が取得した情報の管理などを行うコンピュータ8と接続されている。
まず、電力供給装置4は、上述したように、アレイアンテナ2a〜2cそれぞれに対して設置され、各アレイアンテナ単位で、アレイアンテナを構成するアンテナ素子20に対して、同時に電力を分配する装置である。具体的には、電力供給装置4は、アンテナ2を構成する同じ向きで配置されたアンテナ素子それぞれに対して、通信装置6から供給された電力をほぼ同じ位相、かつ、ほぼ同じ振幅の電力に分配して供給する。(ただし、例えば、逆向きに配置されたアンテナ素子があった場合、その素子に対しては逆位相の電力を供給する。)各アンテナ素子20に対して、位相がずれたり、振幅が異なる電力が供給されると、各アンテナ素子20から放射される電波の合成作用に変化が生じ、アレイアンテナ2aおよびアレイアンテナ2b、2cについて、図6および図10に示したような楕円体の放射パターンが形成されないためである。電力供給装置4としては、例えば、電力分配器を用いることができる。なお、本実施形態においては、電力分配器としての電力供給装置4をアンテナ2と別体としたが、これに限られるものではなく、アレイアンテナ側に一体で設けてもよい。
次に、物品管理システム100の通信装置6は、いわゆるRFID技術におけるリーダライタと呼ばれる装置であり、本実施形態においては、アンテナ機能を除いた機能を備える装置である。具体的には、通信装置6は、RFタグ10に記憶された情報の読み取りや、RFタグ10への情報の書き込みなどの処理を制御する。
この通信装置6は、送信する情報の電気信号への変換処理や受信した信号をコンピュータ8で処理可能な情報に変換する処理などを行う変換部と、情報の送受信を制御するCPUと、CPUで実行される様々なプログラムなどを記憶するメモリなどの不図示の部材を備える。なお、メモリに記憶された様々なプログラムがCPUにより実行されることにより、RFタグ10の読み取りなどの様々な処理を制御する制御部としての機能が実現される。
通信装置6が実行する具体的な処理は、まずアンテナユニット1を介して、後述するRFタグ10を識別するRFタグ固有のID情報を求める信号を送信する。そして、通信装置6は、読取可能エリア30に存在するRFタグ10からその反射電波としてID情報を含む信号を取得すると、コンピュータ8にRFタグ10が読取可能エリア30において検出されたことを示す信号(以下、検出信号とも呼ぶ)を送信する。一方、商品が陳列棚12から取り出されることで、RFタグ10が読取可能エリア30の外に移動すると、このRFタグ10と通信装置6との間で無線通信が成立しなくなる。そうすると、通信装置6はコンピュータ8に対して、そのRFタグ10の検出信号の送信を停止する。そして、コンピュータ8において、検出信号の取得が停止したことが記録されることで、RFタグ10がいつ読取可能エリア30から取り出されたかを知ることができる。
なお、通信装置6は、ID情報を取得した通信装置6を特定する情報を、取得したRFタグのID情報と対応付けてコンピュータ8に送信することもできる。これは、コンピュータ8において、ID情報と、この通信装置6を特定する情報と、を対応付けて記憶することで、複数組の物品管理システム100を利用している場合にも、検出されたID情報が、どの通信装置6によって検出されたかを特定することができるためである。また、通信装置6は、RFタグ10が検出された時刻などの情報も、ID情報と対応付けてコンピュータ8に送信することができる。
なお、この通信装置6と上述した電力供給装置4は、アンテナユニット1を構成するアレイアンテナ2a〜2cから交互に電波が放射されるように、アレイアンテナ2a〜2cに対して交互に電力を供給する。すべてのアレイアンテナ2a〜2cから同時に電波を放射すると、電波の放射範囲が重複している場合、放射された電波が互いに干渉して合成されてしまうためである。アレイアンテナ2a〜2cから放射される電波が合成されてしまうと、図2に示したような読取可能エリア30a〜30cが維持されず、陳列棚12の商品配置空間に概ね一致した読取可能エリアを形成することができない。
なお、電力供給装置4については、アレイアンテナのアンテナ素子に電力を分配する機能をアレイアンテナ側に分配器として設け、各アレイアンテナに対する電力供給の切り替えを行う機能は通信装置6が有するように、別々の装置構成としてもよい。
次に、通信装置6に接続されるコンピュータ8は、通信装置6が取得した情報を収集し管理する端末である。具体的には、コンピュータ8には、RFタグ10を識別するID情報と、商品管理番号などの商品14を特定する情報(以下、「商品管理番号」とも呼ぶ)とが対応付けられた不図示のデータベースが格納されている。データベースにおけるRFタグのID情報と商品管理番号との対応付けは、例えば、商品14にRFタグ10を付す際に、商品管理番号に対してID情報を対応付けてデータベースに記憶することにより行われる。
このコンピュータ8は、通信装置6から、上述した検出信号を取得すると、データベースを参照して、検出信号に含まれるRFタグのID情報から対応する商品管理番号を特定する。そして、そのRFタグが、読取可能エリア30に存在していることを示す情報を、商品管理番号と対応付けて登録することができる。
一方、通信装置6からの検出信号が停止すると、コンピュータ8は、読取可能エリア30においてそのRFタグ10が検出されなくなったことを示す情報を、商品管理番号と対応付けて登録することができる。
なお、データベースに情報を登録する場合には、RFタグの存在が検出された時刻(又は検出されていた時間)やRFタグの検出がされなくなった時刻(つまりRFタグ10が陳列棚12から取り出された時刻)、そして取り出しを検出した通信装置6の情報などを、その商品管理番号と対応付けて記憶する。これにより、物品管理システム100の管理者は、コンピュータ8のデータベースを参照することで、どの陳列棚に置かれた商品が、いつ顧客に手に取られたか(あるいは、手に取られなかったか)を知ることができる。
次に、本実施形態のアンテナユニット1の検出の対象となるRFタグ10について説明する。RFタグ10は、上述したように、アンテナユニット1のアレイアンテナ2a〜2cから送信された電波を受信して、その受信電波に応答する信号を返信していずれかのアレイアンテナ2a〜2cとの無線通信を行うもので、いわゆるパッシブタグとよばれる種類のタグである。また、通信の方式は、アレイアンテナ2a〜2cとRFタグ10との間で、電波を送受信する電波方式である。本実施形態のRFタグ10は、UHF帯の電波を送受信可能なタグであり、アンテナユニット1から3m〜5m程度の距離において通信が可能である。アンテナユニット1を陳列棚12の下方の床面上に配置した場合、アンテナユニット1と陳列棚12のRFタグ10(商品14)との距離は通常は3m以内であると考えられるため、本実施形態のアンテナユニット1のアレイアンテナ2a〜2cとRFタグ10とは、十分に通信が可能である。そして、RFタグ10は、各RFタグ10固有のID情報が記憶されたICチップを備えており、アンテナからID情報の返信を求める電波を受信した場合には、ID情報を含む電波を送信する処理を行うことができる。
以上の構成の物品管理システム100によれば、所定の配列のアレイアンテナ2a〜2cを、陳列棚12に対して上述した所定の位置関係で配置することで、陳列棚12の商品の配置空間に概ね一致する楕円体状の形状を有する空間にRFタグ10の読み取りが可能な読取可能エリア30を形成することができる。したがって、陳列棚12から商品を取り出されると、RFタグが読取可能エリア30から読取可能エリア外に移動して、アンテナ2及び通信装置6によってRFタグ10が検出されなくなることで、RFタグ10が陳列棚の外に出たこと、つまり商品が顧客によって陳列棚12から取り出されたことを検出することができる。
次に、本実施形態のアンテナユニット1を利用した物品管理システム100によって、商品が陳列棚12から取り出されたことを検出する処理の流れを説明する。
まず、通信装置6が、RFタグ10に対してID情報を送信するように求める信号を、アンテナユニット1を介して出力する。アンテナユニット1のアレイアンテナ2a〜2cは、この信号に基づくUHF帯の所定の周波数の電波を送信し、上述した陳列棚12の商品が配置される空間に概ね一致する空間に、読取エリア30(30a〜30c)を形成する。
読取エリア30が形成された状態において、RFタグ10が付された商品14が陳列棚12の内部に置かれている場合には、アンテナユニット1と通信装置6によって、商品に付された全てのRFタグが検出される。具体的には、RFタグ10は、アレイアンテナ2a〜2cから放射された電波を受信して、その電波を利用してRFタグ10のICチップが所定の処理を行い、少なくともRFタグ10それぞれに割り当てられたID情報を含む電波を反射する。そして、アレイアンテナ2a〜2cのいずれかは各RFタグ10からの反射電波を受信し、通信装置6はその電波による電気信号からRFタグ10の応答信号を取得する。
そして、通信装置6は、RFタグからの応答信号を取得すると、上述したRFタグ10の検出信号をコンピュータ8に送信する。コンピュータ8は、取得した検出信号に含まれるRFタグ10のID情報に基づいてデータベースを検索し、そのID情報に対応する商品管理番号を特定する。そして、コンピュータ8は、RFタグ10が陳列棚12に存在していることを示す情報を対応する商品管理番号と対応付けて登録する。
この状態から、いずれかの商品14が陳列棚12から取り出されると、その商品に付されたRFタグ10が読取可能エリア30内からその外側に移動する。これによりアンテナユニット1及び通信装置6とRFタグ10との間で成立した無線通信が行われなくなり、そのRFタグ10の存在が検出されなくなる。
そうすると、通信装置6からコンピュータ8に対して、その取り出されたRFタグ10の検出信号の送信がストップする。コンピュータ8は、検出信号が取得されなくなった場合には、そのRFタグ10が読取可能エリア30において検出されなくなったことを示す情報を対応する商品管理番号と対応付けてデータベースに登録する。
以上で、本実施形態のアンテナユニット1を用いた物品管理システム100によって、RFタグ10が読取可能エリア30からエリア外に移動することを検出する処理が終了する。
以上の本実施形態のアンテナユニット1によれば、陳列棚12の商品が配置される空間に概ね一致する空間に、RFタグの検出が可能な読取可能エリア30を形成することができる。したがって、アンテナユニット1を利用した物品管理システム100によって、RFタグ10が付された商品が陳列棚12から取り出しされたことを確実に検出することができる。
また、アンテナユニット1は、陳列棚12の商品が配置される空間に概ね一致する読取エリア30を形成することができるため、陳列棚12の商品が配置される空間に存在するRFタグのみについて、その出入りを検出することができ、陳列棚12以外の場所に置かれた商品に付されたRFタグを誤って検出することが防止されるという効果も得られる。
なお、本実施形態においては、読取可能エリア30は、陳列棚12の商品が載置される空間全体に形成されるとして説明したが、これに限られるものではない。陳列棚12のうち、例えば、一番下の棚に対応する商品配置空間のみに読取可能エリア30を形成するなど、一部の商品配置空間にのみ読取可能エリア30を形成するようにしてもよい。この場合は、例えば、アレイアンテナ2a〜2cから放射される電波の出力を変更することで、読取エリア30の形状を変えればよい。
また、本実施形態においては、アンテナユニット1を陳列棚12の下方の床面上に配置するとして説明したがこれに限られるものではない。例えば、陳列棚12の最下段の商品の載置面より下方に陳列棚12に対して備え付けたり、陳列棚12の最上段の棚の上や、陳列棚12の上方に配置したり、天井に配置することもできる。
また、本実施形態においては、RFタグ10が、アンテナユニット1によって形成される読取可能エリア30内から外に移動することを検出すると説明したが、これに限られるものではない。この読取可能エリア30によって、陳列棚12の外、つまり読取可能エリア30の外から読取可能エリア30の中に入ったことを検出することができることは言うまでもない。読取可能エリア30に入ったことを検出することで、いったん陳列棚12から取り出された商品14が、陳列棚12に戻されたことなどについても検出が可能となる。
この場合には、通信装置6は、読取可能エリア30に入ったRFタグ10からの応答の信号をアンテナユニット1を介して受信し、その信号に含まれるID情報をコンピュータ8に送信する。これにより、コンピュータ8は、ID情報に基づいてデータベースを検索して、対応する商品管理番号のデータに、RFタグ10が読取可能エリア30に入ったことを示す情報を登録することができる。物品管理システム100の利用者は、このデータベースに登録された情報から、商品が陳列棚12に戻されたことなどを知ることができる。
従って、本実施形態のアンテナユニット1を利用した物品管理システム100によれば、陳列棚12から商品が取り出されたこと及び陳列棚12に商品が置かれたことの両方の情報をRFタグ10の検出により取得することができる。そのため、このような商品の出し入れの情報に基づいて、例えば、ある商品について棚から取り出されて購入された割合が高かったことや、棚から取り出される頻度は高いが購入にはいたらなかったことなど、商品についての様々な情報を得ることができる。
また、本実施形態においては、通信装置6は、RFタグ10が検出されている間、コンピュータ8に検出信号を送信し、RFタグが検出されなくなった場合に、その検出信号の出力を停止するとして説明したが、これに限られるものではなく、例えば、RFタグ10が読取可能エリア30において初めて検出されたタイミングでコンピュータ8に検出信号を1回送信し、その後RFタグ10が移動して検出されなくなった場合に、そのRFタグ10が検出されなくなったことを示す信号をそのRFタグのID情報と共にコンピュータ8に送信することもできる。この場合も、コンピュータ8のデータベースにおいて、RFタグがいつ陳列棚12から取り出されたかを知ることができる。
また、本実施形態においては、アンテナユニット1は、アレイアンテナ2aが4行1列で配列され、その両側のアレイアンテナ2bおよび2cが4行2列で配列されるものとして説明したが、これに限られるものではなく、陳列棚12の載置面の短手方向の幅に応じて、配列数を増減することができる。具体的には、アンテナユニット1は、アレイアンテナ2aをn行1列(nは2以上の整数)で配列し、アレイアンテナ2bおよび2cをn行2列で配列されるものとすることができる。この場合も、アレイアンテナ2aおよびアレイアンテナ2b、2cから放射される電波によって、楕円体状の読取可能エリアが形成され、読取可能エリア全体として、陳列棚12の商品が配置される空間に概ね一致したRFタグの読取可能エリアを形成することができる。なお、本明細書では、「自然数」は、「1,2,3,・・・」といった正の整数を意味し、「0」は含まないものとする。
また、本実施形態においては、アレイアンテナを3つ組み合わせたものを説明したが、これに限られるものではなく、商品配置空間の形状に合わせて、配置するアレイアンテナを増減することができることは言うまでもない。例えば、陳列棚12の載置面の長手方向の長さがより長い場合には、アレイアンテナ2bと2cの間に、複数のアレイアンテナ2aを配置して、商品配置空間に概ね一致した読取可能エリアを形成することができる。
また、本実施形態においては、各アレイアンテナを同じ大きさのアンテナ素子20を配列して構成するとして説明したが、これに限られるものではなく、一体的に配列されたアンテナ素子20から放射される電波が合成されて所定の方向に広がった読取可能エリアが形成されるという効果が得られる範囲で、アンテナ素子の大きさを変えることもできる。
(第2の実施形態)
次に、図13に基づいて、第2の実施形態を説明する。図13は、本実施形態のアンテナユニット1Aのアレイアンテナ2aおよび2d、2eが所定の配列で所定の位置に配置された陳列棚12を上方から見た模式図である。本実施形態のアンテナユニット1Aは、図13に示すように、第1の実施形態と同じ4行1列のアレイユニット2aの両側に、4行4列の正方形型の二つのアレイアンテナ2d、2eが配置されている点が第1の実施の形態と相違する。以下、本実施形態について説明するが、第1の実施の形態と同様の構成については、同じ符号を付し、説明を省略する。
次に、図13に基づいて、第2の実施形態を説明する。図13は、本実施形態のアンテナユニット1Aのアレイアンテナ2aおよび2d、2eが所定の配列で所定の位置に配置された陳列棚12を上方から見た模式図である。本実施形態のアンテナユニット1Aは、図13に示すように、第1の実施形態と同じ4行1列のアレイユニット2aの両側に、4行4列の正方形型の二つのアレイアンテナ2d、2eが配置されている点が第1の実施の形態と相違する。以下、本実施形態について説明するが、第1の実施の形態と同様の構成については、同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施形態のアンテナユニット1Aは、上述したように、3つのアレイアンテナ2a、2d、2eで構成される。
まず、アレイアンテナ2aは、第1の実施形態と同じであり、アレイアンテナ2aの長手方向に直交する方向に広がった読取エリア30aが形成される。
次に、アレイアンテナ2dおよび2eは、アンテナ素子20を4行4列で一体的に配列したアレイアンテナである。この正方形型のアレイアンテナ2dおよび2eのアンテナ素子20それぞれに対して同時に電力を供給すると、図13に示すように、平面視でほぼ円形の読取可能エリア30d、30eが形成される。
ここで、図15〜図17に基づいて、図14に示すように4行4列でアンテナ素子20を配列したアレイアンテナの電波の放射パターンについて説明する。このアレイアンテナは、隣接するアンテナ素子20の中心間の距離が150mmとなるように4行4列で配列したものである。図15は、図14に示すアレイアンテナから電波を放射した場合の放射パターンであり、図16は、図15に示す放射パターンのyz平面における放射パターンを示し、図17は、図15に示す放射パターンのxz平面における放射パターンを示す図である。図15〜図17に示すように、このアレイアンテナから電波を放射すると、アンテナ面から前方(z軸方向)に、xy平面の断面が円形となるような放射パターンで電波が放射される。本実施形態では、この部分の放射パターンが読取可能エリア30d、30eに相当する。
本実施形態のアンテナユニット1Aは、これらのアレイアンテナ2a、2d及び2eを、アレイアンテナ2aの読取可能エリア30aの長手方向における両側にアレイアンテナ2d、2eの読取可能エリア30d、30eが形成されるような位置関係で、アレイアンテナ2c〜2eを配置する。つまり、アレイアンテナ2aの短手方向における両側に正方形型のアレイアンテナ2d、2eを配置する。
これにより、アンテナユニット1A全体から放射される電波によって形成される読取可能エリア30(30a、30dおよび30e)は、全体として、各アレイアンテナが並べられる方向に広がった楕円体状の形状に形成される。そのため、その読取エリア30の長手方向と陳列棚12の長手方向とを合わせて両者を配置することで、陳列棚12の商品の配置空間に概ね一致する空間に読取可能エリアを形成することができる。従って、本実施形態のアンテナユニット1Aによっても、RFタグ10が陳列棚12の商品配置空間から取り出されたことを確実に検出することができる。
さらに、本実施形態のアンテナユニット1Aによって形成される全体の読取可能エリア30は、上述したように、その長手方向における両端部に平面視で円形の読取可能エリア30d、30eが形成される。従って、この読取可能エリア30d、30eは、読取可能エリア30aのように、水平面においていずれかの方向に広がった空間ではないため、陳列棚12の両端側において対応する位置に配置しても、その読取可能エリア30d、30eは陳列棚12の商品配置空間から外側にはみ出ることがない。
なお、このような3つの読取可能エリアがそれぞれ独立して形成されるように、第1の実施形態の場合と同様に、本実施形態の物品管理システム100の電力供給装置4と、通信装置6は、アレイアンテナ2a、2dおよび2eに対して、それぞれのアンテナから交互に電波が放射されるように、交互に電力を供給する。これにより、第1の実施形態において説明したように、各アレイアンテナから出力される電波が合成されること無く出力される。なお、各アレイアンテナ2a及び2d、2eを構成するアンテナ素子20それぞれに対しては、ほぼ同じ位相で、ほぼ同じ振幅の電力が供給されることは第1の実施形態と同様である。
本実施形態のアンテナユニット1Aが接続される物品管理システム100の構成については、第1の実施形態の場合と同様であるため、説明を省略する。
以上のように、本実施形態のアンテナユニット1Aによれば、アンテナユニット1A全体で形成される読取可能エリア30を、より陳列棚12の商品配置空間に近い形状とすることができる。そのため、陳列棚12に置かれた商品についてのみ確実にRFタグ10の検出を行うことができる。例えば、陳列棚12の長手方向において隣接するエリアに配置された別の棚やハンガーラックなどに、RFタグ10が付された商品が配置されていても、そのエリアには、陳列棚12に対して設置されたアンテナユニット1Aによって形成される読み取り可能エリア30がはみ出すことは無いため、隣接するエリアのRFタグ10が誤って検出されることはない。
なお、本実施形態においては、楕円体状の読取可能エリアを形成するアレイアンテナ2aの両側に、4行4列の配列のアレイアンテナを配置するとして説明したが、これに限られるものではなく、正方形型にアンテナ素子が配列されたアレイアンテナであれば、同様に利用することができる。つまり、アンテナ素子20がn行n列(nは2以上の整数)で配列されたものであれば、アレイアンテナのアンテナ面の正面から見て円形の読取可能エリアを形成することができ、同様に、商品の配置空間の両側からはみ出さないという効果を得ることができる。
また、n行n列の正方形型のアレイアンテナの間に配置されるアレイアンテナについても、4行1列の配列のアレイアンテナである必要は無く、長手方向を有する楕円体状の読取可能エリアを形成するような配列のアレイアンテナであればよい。たとえば、正方形型のアレイアンテナが4行4列であれば、その間に、4行2列や4行3列で配列されたアレイアンテナを配置することができる。つまり、n行m列(m≦nかつmは自然数)の配列のアレイアンテナであれば、そのアレイアンテナの長手方向に直交する方向に長手方向を有する楕円体状の読取可能エリアが形成される。そのため、n行n列の正方形型のアレイアンテナと組み合わせて用いることで、少ないアンテナ素子数で、効率よく矩形形状の商品配置空間に沿った形状の読取可能エリアを形成することができる。
なお、n行n列の正方形型のアレイアンテナを複数並べることでも、商品配置空間に概ね一致した読取可能エリアを形成可能であるが、正方形型のアレイアンテナの場合、一つのアレイアンテナによって形成される読取可能エリアが小さい。そのため、正方形型のアレイアンテナのみを用いて商品配置空間に一致した読取可能エリアを形成する場合、正方形型のアレイアンテナを楕円体の読取可能エリアを形成可能なアレイアンテナと組み合わせる場合に比べて、アレイアンテナの数を多くしなければならなくなってしまう。また、一つのアレイアンテナを構成するアンテナ素子20の数も多数必要となってしまう。そのため、正方形型のアレイアンテナは商品配置空間の水平面における長手方向における両端部側に配置し、その間の位置に、楕円体の読取可能エリアを形成可能なアレイアンテナを配置することが好ましい。
なお、この場合においても、必ずしも上述の載置面の長手方向の両側に対応する位置に正方形型のアレイアンテナを配置する必要は無く、一方の端部側にのみ配置してもよい。その場合でも、商品配置空間からはみ出さないような読取可能エリアを形成することができる。
(第3の実施形態)
次に、図18に基づいて、第3の実施形態について説明する。図18は、本実施形態のアンテナユニット1Bを構成する、アレイアンテナ2f、2g及び2hが所定の配列で所定の位置関係で配置された陳列棚12を上方から見た模式図である。本実施形態のアンテナユニット1Bは、図18に示すように、3つのアレイアンテナ2f、2g及び2hで構成され、アレイアンテナのアンテナ素子の配列方法が異なる点が第1の実施形態及び第2の実施形態と相違する。以下、本実施形態について説明するが、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、説明を省略する。
次に、図18に基づいて、第3の実施形態について説明する。図18は、本実施形態のアンテナユニット1Bを構成する、アレイアンテナ2f、2g及び2hが所定の配列で所定の位置関係で配置された陳列棚12を上方から見た模式図である。本実施形態のアンテナユニット1Bは、図18に示すように、3つのアレイアンテナ2f、2g及び2hで構成され、アレイアンテナのアンテナ素子の配列方法が異なる点が第1の実施形態及び第2の実施形態と相違する。以下、本実施形態について説明するが、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施形態のアンテナユニット1Bは、3つのアレイアンテナ2f〜2hで構成され、いずれのアレイアンテナも、アンテナ素子20が2行2列で配列されている。そして、図18に示すように、陳列棚12の下方の床面上に対応する位置に配置した状態において、陳列棚12の長手方向におけるアンテナ素子20間の距離よりも、長手方向に直交する方向(陳列棚12の短手方向)におけるアンテナ素子20間の距離が長くなるように配列されている。
このように、2行2列で配列されるアンテナ素子間の間隔を変えて配置すると、アンテナ素子間の距離が大きい方向に直交する方向に長手方向を有する読取可能エリア(30f〜30h)が形成される。従って、図18に示すように、このアレイアンテナ2f〜2hを、その読取可能エリア30f〜30hの長手方向を一致させて並べて配置することにより、アンテナユニット1B全体でその長手方向広がった楕円体の読取可能エリア30を形成することができる。
ここで、図20〜図22に基づいて、図19に示すように2行2列でアンテナ素子20を配列したアレイアンテナの電波の放射パターンについて説明する。図20は、図19に示すアレイアンテナから電波を放射した場合の放射パターンであり、図21は、図20に示す放射パターンのyz平面における放射パターンを示し、図22は、図20に示す放射パターンのxz平面における放射パターンを示す図である。放射パターンを測定したアレイアンテナは、図19に示すy軸方向においてアンテナ素子20の中心間の距離が250mmとなるように配列し、x軸方向においてアンテナ素子20の中心間の距離が150mmとなるように配列したものである。このアレイアンテナから放射される電波の放射パターンは、図20〜図22に示すように、xy平面における断面が楕円形状となる放射パターンが得られる。本実施形態においては、この部分が各アレイアンテナによって形成される読取可能エリア30f〜30hに相当する。
本実施形態のアンテナユニット1Bが接続される物品管理システム100の構成については、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様であるため説明を省略する。
以上の本実施形態のアンテナユニット1Bによれば、他の実施形態の場合と同様に、商品載置面において長手方向を有する商品配置空間に概ね一致する読取可能エリアを形成することができ、本実施形態のアンテナユニット1Bを利用した物品管理システム100によって、陳列棚12から移動するRFタグ10を確実に検出することができる。
なお、本実施形態においては、2行2列の配列のアレイアンテナについて説明したが、これに限られるものではなく、その他のn行n列(nは2以上の整数)のアレイアンテナについて適用することができる。つまり、行数と列数が同じ配列のアレイアンテナであれば、一方の方向のアンテナ素子間の間隔を、その方向に直交する他方の方向における間隔より大きく取ることで、上述した楕円体の読取可能エリアを形成することができる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。各アンテナ素子に電力を均等に供給すると、アレイアンテナから出力される電波の大きい放射パターン(メインローブ)の他に、電波のより小さい放射パターン(サイドローブ)が出現する。例えばアンテナ素子を4個1列に並べて、同じ大きさの電力を供給すると、図23に示すように、メインローブの両側にサイドローブが現れ、水平面から約30度上の方向(図23では60度の位置)に、一定の強度の電波が放射される。図23の例では、メインローブの利得は11.5dBi、サイドローブの利得はメインローブよりも12.9dB低い-1.4dBiとなっているが、アプリケーションによっては無視できない大きさとなる場合がある。なお、dBiで示される利得とは、アイソトロピックアンテナ(全ての方向に均等に電波を放射する仮想的なアンテナ)を基準としたアンテナ利得を表す。
次に、第4の実施形態について説明する。各アンテナ素子に電力を均等に供給すると、アレイアンテナから出力される電波の大きい放射パターン(メインローブ)の他に、電波のより小さい放射パターン(サイドローブ)が出現する。例えばアンテナ素子を4個1列に並べて、同じ大きさの電力を供給すると、図23に示すように、メインローブの両側にサイドローブが現れ、水平面から約30度上の方向(図23では60度の位置)に、一定の強度の電波が放射される。図23の例では、メインローブの利得は11.5dBi、サイドローブの利得はメインローブよりも12.9dB低い-1.4dBiとなっているが、アプリケーションによっては無視できない大きさとなる場合がある。なお、dBiで示される利得とは、アイソトロピックアンテナ(全ての方向に均等に電波を放射する仮想的なアンテナ)を基準としたアンテナ利得を表す。
本発明では、RFタグの読取りによって、物品配置空間に配置された物品が物品配置空間から取り出されたことを確実に検出する技術を提供することを目的としているが、上記サイドローブにより、物品を物品配置空間から取り出したことを検知する際に誤動作が発生する可能性がある。
図24は陳列棚を短手方向から見た断面図であり、棚下に置かれたアンテナから放射される電波の様子と、棚に置かれた商品1及び2とを示している。商品1を棚から取り出し、(ア)の位置まで移動させた場合には、アンテナから放射される電波から外れるため、商品に付けられたRFタグを検出しなくなり、陳列棚から商品が取り出されたことを検知することが可能である。一方、商品2を取り出した場合には、アンテナから放射される電波のサイドローブの影響から、陳列棚から商品が出た時点ではサイドローブ内に商品があるため、そのサイドローブによってRFタグが検出され続けるため、陳列棚から商品が取り出されたことを検知することができない。その後、サイドローブの影響がなくなる(イ)の位置まで商品2を引き出して初めて検出しなくなるため、(イ)の位置まで商品2が移動して、初めて商品が陳列棚から取り出されたことを検知することが可能となる。したがって、商品2においては、陳列棚から取り出してすぐには検出できないため、商品を取り出したことを正確に検知することが難しい。そこで、本実施形態では、サイドローブのほとんど発生しないアンテナユニットを提供し、図24の例において、商品2が棚から取り出されたことを確実に検出する方法を提供する。以下、本実施形態の棚用アンテナユニットを、実施例によって詳細に説明する。
(第1の実施例)
以下、図25〜図34に基づいて、アンテナユニットを含む商品管理装置を構成する各機器について説明する。図25は、アンテナユニット2が所定の位置に配置された陳列棚を上方から見た模式図である。図26は、アンテナユニットを構成するアンテナ素子に対する電力の供給方法を説明するためのブロック図である。
以下、図25〜図34に基づいて、アンテナユニットを含む商品管理装置を構成する各機器について説明する。図25は、アンテナユニット2が所定の位置に配置された陳列棚を上方から見た模式図である。図26は、アンテナユニットを構成するアンテナ素子に対する電力の供給方法を説明するためのブロック図である。
商品管理装置のアンテナユニット2は、例えば、図4に示すアンテナ素子20が、1列に3個一体的に配列されたアレイアンテナである。アレイアンテナを構成する各アンテナ素子には、通信装置と接続された電力供給装置を介して電力が供給される。ここで、電力供給装置は、中央のアンテナ素子Bには端部のアンテナ素子A及びCよりも大きな電力を供給する。例えば、アンテナ素子A、B、Cの各素子に供給する電力比を、1:2:1になるように調整する。
図28〜図30は、図26、27に示す1列に3個一体的に配列されたアレイアンテナのアンテナ素子A,B,Cの各アンテナ素子に、1:2:1の割合で電力を供給して、電波を放射した場合の放射パターンを示す図である。このアレイアンテナは、アンテナ素子をその中心間の距離が175mmとなるように直線的に配列したものである。このアレイアンテナから上述した電力比で電力を供給して電波を放射すると、図28〜図30に示すように、z軸方向に強い指向性を示し、かつ、x軸方向にも強い放射特性を持つ放射パターンが形成される。
ここで、本実施例のアンテナユニットの放射パターンと図23に示したアレイアンテナの各アンテナ素子に電力を均等に供給した場合の放射パターンとを比較すると、図29に示すyz平面上の放射パターンに示されるように、図23に示されていたサイドローブが無視できるようなレベルとなり、ほぼメインローブのみとなることが確認できる。このように、サイドローブが低減されるのは、アレイアンテナを構成するアンテナ素子A,B,Cの各素子に供給する電力比を、等分ではなく、1:2:1になるようにした効果である。
図31は陳列棚を短手方向から見た断面図であるが、棚下に置かれたアンテナから放射される電波の様子と、棚に置かれた商品1及び2とを示している。アレイアンテナの各アンテナ素子は、陳列棚の短手方向に1列に3個並んだ状態で配列されている。従って、図31には、図29に示したアレイアンテナのyz平面における放射パターンと同じ放射パターンが示されている。ここで、図24との相違は、棚下に置かれたアンテナは、1列に3個一体的に配列されたアレイアンテナで、各アンテナ素子A,B,Cには1:2:1の割合で電力を供給している点である。アンテナから放射される電波は、サイドローブがなくメインローブのみであるため、サイドローブが陳列棚に置かれた商品の取り出し検知に上述のような悪影響を及ぼすことがない。すなわち、陳列棚に置かれた商品1は、(ア)の位置まで、商品2は(イ)の位置まで取り出されると、商品に付けられたRFタグを検出しなくなり、陳列棚から商品が取り出されたことを検知することが可能である。このように、アンテナから放射されるサイドローブの影響がなくなるので、陳列棚の下段に置かれた商品の取り出し検知に対しても、商品が棚から取り出されて、棚から出た時点で検出が可能となる効果がある。
なお、上記実施例では、アンテナ素子A,B,Cの各素子に供給する電力比を、1:2:1としたが、これに限定するものではなく、中央の素子B に供給する電力が、両端の素子A,Cに供給する電力よりもある程度大きければ、若干のサイドローブが発生するものの、同様の効果が得られる。具体的には、1:1.5:1乃至1:2.5:1の場合に良好な特性が得られる。図32及び33に、電力比が1:1.5:1の場合、1:2.5:1の場合のyz平面における放射特性をそれぞれ示す。参考に、図34に電力比が1:3:1の場合のyz平面における放射特性を示すが、この場合には、特に水平面方向(図中の90度の方向)への放射が大きく、同時に水平面(90度の位置)から30度上の方向(図中の60度の方向)までの範囲の電波の利得が全体的に大きくなり(図34の例では-6dBi程度)無視できなくなってくるため、電力比は1:2.5:1程度までに抑えておくのが良い。
また、各アンテナ素子の中心間の距離が175mmとなるように直線的に配列した場合について記載したが、特に175mmに限定するものではなく、他の値においても同様の効果が得られる。
(第2の実施例)
図35〜図38に基づいて、第2の実施例について説明する。第2の実施例に係る商品管理装置を構成するアンテナユニットは、図4に示すアンテナ素子20が、1列に4個一体的に配列されたアレイアンテナである。図35は、アンテナが所定の位置に配置された陳列棚を上方から見た模式図である。図36は、アンテナを構成するアンテナ素子に対する電力の供給方法を説明するためのブロック図であり、アレイアンテナを構成する各アンテナ素子には、通信装置と接続された電力供給装置を介して電力が供給される。ここで、電力供給装置は、アレイアンテナの中央側の2つのアンテナ素子B及びCには端部側のアンテナ素子A及びDよりも大きな電力を供給する。例えば、アンテナ素子A、B、C、Dの各素子に供給する電力比を、1:2:2:1になるように調整する。アンテナ素子をその中心間の距離が150mmとなるように直線的に配列し、上述の電力比でアレイアンテナに電力を供給した場合のアレイアンテナの電波の放射特性を、図37〜38に示す。
図35〜図38に基づいて、第2の実施例について説明する。第2の実施例に係る商品管理装置を構成するアンテナユニットは、図4に示すアンテナ素子20が、1列に4個一体的に配列されたアレイアンテナである。図35は、アンテナが所定の位置に配置された陳列棚を上方から見た模式図である。図36は、アンテナを構成するアンテナ素子に対する電力の供給方法を説明するためのブロック図であり、アレイアンテナを構成する各アンテナ素子には、通信装置と接続された電力供給装置を介して電力が供給される。ここで、電力供給装置は、アレイアンテナの中央側の2つのアンテナ素子B及びCには端部側のアンテナ素子A及びDよりも大きな電力を供給する。例えば、アンテナ素子A、B、C、Dの各素子に供給する電力比を、1:2:2:1になるように調整する。アンテナ素子をその中心間の距離が150mmとなるように直線的に配列し、上述の電力比でアレイアンテナに電力を供給した場合のアレイアンテナの電波の放射特性を、図37〜38に示す。
このアレイアンテナから電波を放射すると、図37に示すように、z軸方向に強い指向性を示し、かつ、x軸方向にも強い放射特性を持つ放射パターンが形成される。図38にはyz平面における放射特性を示しているが、図23に示した、各素子に均等に電力を供給した場合の放射パターンと比較すると、サイドローブが大きく減少していることが確認できる。
このように、4素子からなるアレイアンテナにおいては、中央側の2つの素子に、両端の素子よりも大きい電力を供給することにより、サイドローブの少ない放射特性を得ることができ、商品が棚から取り出されたことを確実に検出することができるようになる。
なお、各アンテナ素子に供給する電力比は1:2:2:1に限らず、例えば1:1.5:1.5:1や1:2.5:2.5:1でも同様の効果が得られる。また、素子間隔は150mmとして説明したが、この値に限定するものではない。
(第3の実施例)
図39〜図43に基づいて、第3の実施例について説明する。第3の実施例の商品管理装置を構成するアンテナユニットは、図39に示すように、直線的に並べた3個のアンテナ素子20を、2列一体的に配列した3行2列のアレイアンテナである。アンテナ素子の間隔は特に指定はないが、例えばx方向、y方向の間隔ともに175mmとする。ここで、中央の素子B及びEに対して、他の素子に供給される電力よりも大きな電力を供給する。例えば、アンテナ素子A,B,C,D,E,Fの各素子に供給する電力比を、1:2:1:1:2:1になるように電力供給装置(図示せず)を介して電力を供給する(すなわち、アンテナ素子B及びEに、残りのアンテナ素子A,C,D,Fに供給する電力の2倍の電力を供給する)。このときの放射特性を図40〜42に示す。
図39〜図43に基づいて、第3の実施例について説明する。第3の実施例の商品管理装置を構成するアンテナユニットは、図39に示すように、直線的に並べた3個のアンテナ素子20を、2列一体的に配列した3行2列のアレイアンテナである。アンテナ素子の間隔は特に指定はないが、例えばx方向、y方向の間隔ともに175mmとする。ここで、中央の素子B及びEに対して、他の素子に供給される電力よりも大きな電力を供給する。例えば、アンテナ素子A,B,C,D,E,Fの各素子に供給する電力比を、1:2:1:1:2:1になるように電力供給装置(図示せず)を介して電力を供給する(すなわち、アンテナ素子B及びEに、残りのアンテナ素子A,C,D,Fに供給する電力の2倍の電力を供給する)。このときの放射特性を図40〜42に示す。
このアレイアンテナから電波を放射すると、図40に示すように、z軸方向に強い指向性を示す放射パターンが形成される。図41にはyz平面における放射特性、図42にはxz平面における放射特性を示しているが、yz平面における放射特性は、図29に示した1列に3個一体的に配列されたアレイアンテナの場合とほぼ同じ、ほとんどサイドローブのない特性が得られる。図42に示すxz平面における特性は、図30に示した1列に3個一体的に配列されたアレイアンテナのxz平面における放射パターンと比較すると、水平(90°)方向への放射が弱くなり、真上方向への放射が強くなる。また同時にサイドローブが少ない放射特性が得られている。
図43は、2列に3個、計6個のアンテナ素子を一体的に配列したアレイアンテナ3組を、陳列棚の下方に並べて配置した例を示している。各アレイアンテナから放射される電波による読取可能領域は、隣り合うアレイアンテナの読取可能領域とオーバーラップさせ、陳列棚上においてRFタグの読取りができないような不感領域をできるだけ少なくするよう、適当な間隔で配置される。各アレイアンテナから放射される電波には、サイドローブはほとんどないので、陳列棚に置かれた商品を取り出されたことを検知する際、誤動作することはほとんどない。また、アレイアンテナの真上方向への放射が強いため、陳列棚の側面方向への放射も少なく、例えば、陳列棚の側面側にハンガーにかけられた商品が置かれるような場合を想定しても、その商品に付けられたRFタグを誤って検出する率を低く抑えることができる。
本実施例では、直線的に並べた3個のアンテナ素子20を、2列一体的に配列した6素子からなるアレイアンテナについて説明したが、6素子に限らず、例えば8素子のアレイアンテナにも適用することができる。8素子の場合には、図44に示すように、直線的に並べた4個のアンテナ素子20を、2列一体的に配列することになるが、中央の4個の素子(B,C,F,G)には他の4個の素子よりも大きな電力を供給することで、不要なサイドローブを低減することができ、陳列棚における商品の取り出し検知で誤動作をなくすことができる。例えば、8個のアンテナ素子A〜Fには、それぞれ1:2:2:1:1:2:2:1の比率で電力を供給する。
なお、各アンテナ素子に供給する電力比は上記に限るものではなく、電力比で”2”に相当する部分が、例えば1.5〜2.5程度でも同様の効果が得られる。
また、図43に示す例では、6素子のアレイアンテナを3組、陳列棚の下方に配置した例を示したが、同じ種類のアレイアンテナのみで構成する必要はなく、例えば、3組並べたアレイアンテナのうち、中央のアレイアンテナのみ、アンテナ素子を1列に3個一体的に配列した3素子のアレイアンテナとしてもよい。あるいは、中央のアレイアンテナのみアンテナ素子を1列に4個一体的に配列した4素子のアレイアンテナとし、その両側に並べるアレイアンテナをアンテナ素子を2列に4個一体的に配列した8素子のアレイアンテナとしても良い。また、陳列棚のサイズによっては、3組より多くのアレイアンテナを並べるようにしてもよいし、並べるアンテナの種類(アンテナ素子の並べ方、アレイアンテナの数等)については特に限定するものではない。
さらに単純な構成として、図45に示すように、アレイアンテナ1組を陳列棚の下方に配置することもできる。なお、アレイアンテナは6素子に限らず、他の素子数のアレイアンテナでも構わない。図45に示す例では、棚の長手方向と、アレイアンテナの長手方向とが一致する方向となる。
なお、上述した本実施形態の実施例においては、アレイアンテナの長手方向における配列数が、3個又は4個であるアレイアンテナについて示したが、これに限られるものではない。例えば、長手方向の配列数が5個以上であるアレイアンテナであっても、その長手方向における中央のアンテナ素子に対して、その他の外側のアンテナ素子に対して供給する電力よりも大きい電力を供給することで、同様にサイドローブの出現を抑制することができる。具体的には、アレイアンテナがn行(nは自然数)m列(mはm<nを満たす自然数)で配列されたアンテナ素子であり、n行のうち、中央側の行のアンテナ素子に、その外側の行のアンテナ素子よりも大きい電力を供給することで、サイドローブの出現を抑制できる。ここで、電力の供給を大きくする中央側の行とは、アレイアンテナの配列によって異なるが、少なくとも、nが奇数の場合には、中央の行(n=5であれば3行目、n=7であれば4行目。すなわち、{(n+1)÷2}行目)であり、nが偶数であれば、中央の2行(n=6であれば3行目と4行目。すなわち、(n÷2)行目と(n÷2+1)行目)、あるいは、その中央の2行のうちのいずれか一方の行であればよい。換言すれば、アンテナ素子の配列に応じて、サイドローブが出現しないように、中央側のアンテナ素子に外側のアンテナ素子に供給する電力よりも大きい電力が供給されるように、アレイアンテナに対して電力供給を行えばよい。
なお、上述した各実施形態においては、RFタグの検出を行う対象の陳列棚は、商品が置かれる面の一方の対辺が他方の対辺よりも長い矩形の載置面を有する棚であるとしたが、これに限られるものではなく、載置面がほぼ正方形状である商品の配置空間に対しても同様にRFタグの検出を行うことができることは言うまでもない。この場合は、アンテナとしては、例えば、第2の実施の形態で説明した4行4列の配列のアレイアンテナのように、n行n列の正方形型の配列のアレイアンテナが適当である。n行n列のアレイアンテナにより、正方形の載置面によって形成される商品の配置空間に概ね一致する読取可能エリアを形成することができ、商品の配置空間に配置されたRFタグのみを確実に検出することができる。また、読取可能エリアの長手方向の広がりが小さい2行4列のアレイアンテナも同様に用いることができる。
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、すべて本発明の範囲内のものである。
1,1A,1B アンテナユニット、2a〜2h アレイアンテナ、4 電力供給装置、6 通信装置、8 コンピュータ、10 RFタグ、12 陳列棚、14 商品、20 アンテナ素子、30(30a〜30h) 読取可能エリア
Claims (24)
- 複数のアンテナ素子を一体的に配列して構成される少なくとも1つのアレイアンテナからなる棚用アンテナユニットであって、
前記アレイアンテナが対応する位置に配置された場合に、該アンテナユニット全体として、物品が配置される物品配置空間と概ね一致する所定の検知範囲内のいずれかの位置に配置されているRFタグとの無線通信を可能とする強度分布の電波を放射可能な棚用アンテナユニット。 - 請求項1に記載の棚用アンテナユニットにおいて、
前記物品配置空間は、水平面におけるいずれかの方向に長手方向を有する空間であり、
前記少なくとも一つのアレイアンテナは、複数のアンテナ素子を所定の間隔で配列した単一のアレイアンテナであって、該アレイアンテナ全体の長手方向のサイズが、前記物品配置空間の水平面における短手方向のサイズよりも小さい棚用アンテナユニット。 - 請求項1に記載の棚用アンテナユニットにおいて、
少なくともn行(nは2以上の整数)1列で配列したアンテナ素子を含むアレイアンテナを備える棚用アンテナユニット。 - 請求項1に記載の棚用アンテナユニットにおいて、
少なくともn行(nは2以上の整数)2列で配列したアンテナ素子を含むアレイアンテナを備える棚用アンテナユニット。 - 請求項4に記載の棚用アンテナユニットにおいて、
前記n行2列で配列したアンテナ素子を含むアレイアンテナは、n行1列で配列したアンテナ素子を含むアレイアンテナから出力されるRFタグとの無線通信を可能とする強度分布の電波と重複する範囲に前記電波を放射する位置に配置される棚用アンテナユニット。 - 請求項1に記載の棚用アンテナユニットにおいて、
少なくともn行1列(nは2以上の整数)で配列したアンテナ素子を含むアレイアンテナから出力されるRFタグとの無線通信を可能とする強度分布の電波と重複する範囲に前記電波を放射する位置に配置される、少なくともm行m列(mは2以上の整数)で配列されるアンテナ素子を含むアレイアンテナを備える棚用アンテナユニット。 - 請求項1に記載の棚用アンテナユニットにおいて、
少なくともn行(nは2以上の整数)m1列(m1は自然数)で配列したアンテナ素子を含むアレイアンテナから出力されるRFタグとの無線通信を可能とする強度分布の電波と重複する範囲に前記電波を放射する位置に配置される、少なくともn行m2列(m2は自然数、かつ、m1≦m2)で配列したアンテナ素子を含むアレイアンテナを備える棚用アンテナユニット。 - 請求項1に記載の棚用アンテナユニットにおいて、
前記物品配置空間は、水平面におけるいずれかの方向に長手方向を有する空間であり、
前記アレイアンテナは、列間隔よりも行間隔が大きい2行2列で配列された4個のアンテナ素子を含む棚用アンテナユニット。 - 請求項1に記載の棚用アンテナユニットにおいて、
前記物品配置空間は、水平面における断面が正方形状である空間であり、
前記アンテナは、n行n列(nは2以上の整数)で配列されたアンテナ素子を含む棚用アンテナユニット。 - 請求項1から9に記載の棚用アンテナユニットにおいて、前記アレイアンテナは、UHF帯の周波数の電波を放射する棚用アンテナユニット。
- 請求項1に記載の棚用アンテナユニットにおいて、
前記物品配置空間は、水平面におけるいずれかの方向に長手方向を有する空間であり、
前記アレイアンテナは、前記長手方向における中央位置において、前記長手方向に直交する方向に一列に配列された3個のアンテナ素子を含む棚用アンテナユニット。 - 請求項11に記載の棚用アンテナユニットにおいて、
前記アレイアンテナを構成する中央部のアンテナ素子に、端部のアンテナ素子に供給される電力よりも大きい電力が供給される棚用アンテナユニット。 - 請求項11に記載の棚用アンテナユニットにおいて、
前記一列に配列された3個のアンテナ素子のうち、中央のアンテナ素子に供給される電力が、両端のアンテナ素子にそれぞれ供給される電力の1.5乃至2.5倍である棚用アンテナユニット。 - 請求項11に記載の棚用アンテナユニットにおいて、
前記一列に配列された3個のアンテナ素子のうち、中央のアンテナ素子に供給される電力が、両端のアンテナ素子にそれぞれ供給される電力の2倍である棚用アンテナユニット。 - 請求項1に記載の棚用アンテナユニットにおいて、
前記アレイアンテナは、3行2列で配列された6個のアンテナ素子を含む棚用アンテナユニット。 - 請求項15に記載の棚用アンテナユニットにおいて、
前記3行2列で配列された6個のアンテナ素子のうち、中央の2つのアンテナ素子にそれぞれ供給される電力が、他の4つのアンテナ素子にそれぞれ供給される電力の1.5乃至2.5倍である棚用アンテナユニット。 - 請求項15に記載の棚用アンテナユニットにおいて、
前記3行2列で配列された6個のアンテナ素子のうち、中央の2つのアンテナ素子にそれぞれ供給される電力が、他の4つのアンテナ素子にそれぞれ供給される電力の2倍である棚用アンテナユニット。 - 請求項1に記載の棚用アンテナユニットにおいて、
前記物品配置空間は水平面におけるいずれかの方向に長手方向を有する空間であり、
前記アレイアンテナは、前記長手方向における中央位置において、前記長手方向に直交する方向に一列に配列された4個のアンテナ素子を含む棚用アンテナユニット。 - 請求項18に記載の棚用アンテナユニットにおいて、
前記一列に配列された4個のアンテナ素子のうち、中央の2つのアンテナ素子にそれぞれ供給される電力が、両端のアンテナ素子にそれぞれ供給される電力の1.5乃至2.5倍である棚用アンテナユニット。 - 請求項18に記載の棚用アンテナユニットにおいて、
前記一列に配列された4個のアンテナ素子のうち、中央の2つのアンテナ素子にそれぞれ供給される電力が、両端のアンテナ素子にそれぞれ供給される電力の2倍である棚用アンテナユニット。 - 請求項1に記載の棚用アンテナユニットにおいて、
前記アレイアンテナは、4行2列で配列された8個のアンテナ素子を含む棚用アンテナユニット。 - 請求項21に記載の棚用アンテナユニットにおいて、
前記4行2列で配列された8個のアンテナ素子のうち、中央の4つのアンテナ素子にそれぞれ供給される電力が、他の4つのアンテナ素子にそれぞれ供給される電力の1.5乃至2.5倍である棚用アンテナユニット。 - 請求項21に記載の棚用アンテナユニットにおいて、
前記4行2列で配列された8個のアンテナ素子のうち、中央の4つのアンテナ素子にそれぞれ供給される電力が、他の4つのアンテナ素子にそれぞれ供給される電力の2倍である棚用アンテナユニット。 - 請求項1に記載の棚用アンテナユニットにおいて、
前記アレイアンテナは、n行(nは自然数)m列(mはm<nを満たす自然数)で配列されたアンテナ素子を含み、
n行のうち中央側の行のアンテナ素子に供給される電力が、その外側の行のアンテナ素子に供給される電力よりも大きい棚用アンテナユニット。
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- 2010-09-15 JP JP2010207062A patent/JP2011087288A/ja active Pending
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