JP6406180B2 - 金属化フィルムコンデンサ - Google Patents

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本発明は、金属化フィルムコンデンサに関するものである。
たとえば車両用のインバータ回路等には耐電圧が高く、温度特性や周波数特性に優れた金属化フィルムコンデンサが適用されている。従来の金属化フィルムコンデンサは、金属化フィルムを巻き回してなる巻回し型や金属化フィルムを積層してなる積層型のものが一般的であり、さらには、コンデンサの絶縁破壊状態を解消する自己回復機能を備えたものも開発されている。その構成を図5,6を参照して説明する。
図5には、二種類の金属化フィルムc1、c2を示している。一方の金属化フィルムc1は、誘電体フィルムa1と、非蒸着スリットsと絶縁マージンmgを備えた金属蒸着膜b1とから構成されており、他方の金属化フィルムc2も同様に、誘電体フィルムa2と、非蒸着スリットsと絶縁マージンmgを備えた金属蒸着膜b2とから構成されており、金属化フィルムc1、c2は、絶縁マージンmgを相互に反対側に備えている。
金属化フィルムc1、c2を構成する金属蒸着膜b1、b2においては、複数の非蒸着スリットsが間隔を置いて形成され、非蒸着スリットsの端部間には幅の狭いヒューズ部fsが形成され、各非蒸着スリットsで包囲された複数のセグメントsgに分割されている。
金属化フィルムc1、c2を双方の絶縁マージンmgが積層方向で一致しないように積層して二枚一対の金属化フィルムdを形成し、この二枚一対の金属化フィルムdを図6で示すように積層もしくは巻き回すことによって金属化フィルム柱体Kが形成される。さらに、金属化フィルム柱体Kの両端の二つの電極取り出し面には金属溶射部e(メタリコン電極)が形成され、この金属溶射部eにはんだ層gを介して外部引き出し端子f(バスバー)が接続されることにより、金属化フィルムコンデンサCが形成される。なお、特許文献1には、図5で示すように、非蒸着スリットおよび絶縁マージンを備えた金属蒸着膜と誘電体フィルムとから構成される金属化フィルムと、絶縁マージンのみを備えた金属蒸着膜と誘電体フィルムとから構成される金属化フィルムとを積層して二枚一対の金属化フィルムを構成し、この二枚一対の金属化フィルムを積層もしくは巻き回すことによって形成される金属化フィルムコンデンサが開示されている。
金属化フィルムc1、c2において、金属蒸着膜b1、b2のうち、絶縁マージンmgと反対側の端部は金属溶射部eと接し、一方で絶縁マージンmgのある端部は当該絶縁マージンmgによって金属溶射部eと接触が遮断されている。また、金属蒸着膜b1、b2のうちで金属溶射部eに密着している端部は、電極接触を保証するために他の部位よりも厚めのいわゆるヘビーエッジとなっており、たとえば、金属蒸着膜の一般部の厚みが数十nm程度である場合に、ヘビーエッジの厚みはその倍程度に調整されている。なお、金属化フィルムコンデンサCがさらに不図示のケース内に収容され、ケース内に形成された不図示のモールド樹脂体にて封止された構造のものも一般的である。
金属化フィルムc1、c2を構成する金属蒸着膜b1、b2においては、金属蒸着膜b1、b2が複数の非蒸着スリットsで包囲された複数のセグメントsgに分割されるものの、非蒸着スリットsの間にヒューズ部fs(この部分は蒸着部分である)が存在していることにより、ヒューズ部fsを介して隣接するセグメントsg同士が電気的に導通可能な状態となっている。
ヒューズ部fsはあるセグメントsgが絶縁破壊状態となった際にこのセグメントsgと隣接するセグメントsgの導通を遮断する機能を備えている。すなわち、あるセグメントsgにおける誘電体が欠損等することで絶縁破壊が生じ、下層のセグメントsgと導通してしまう絶縁破壊が生じると、ヒューズ部fsを介して絶縁破壊状態のセグメントsgに流入する電流量が増加する。
ヒューズ部fsを流れる電流量が増加することによってヒューズ部fsの温度が上昇してヒューズ部fsの金属蒸着膜が蒸発飛散し、結果として絶縁破壊状態のセグメントsgは隣接するセグメントsgから隔離される。このように、絶縁破壊状態にあるセグメントsgを隣接するセグメントsgから隔離してフィルムコンデンサの絶縁破壊状態を解消する機能が自己回復機能である。
ところで、上記自己回復機能を保証するに当たり、金属化フィルム間のガス抜け性の確保が重要となる。この「ガス」は、ヒューズ部が金属蒸着膜の存在する領域であることから、上下のフィルム同士が接触し、密着度が高い状態において、このヒューズ部が溶断した際に発生する高温のガスを意味している。絶縁破壊時に発生する当該ガスが十分に抜けずに滞留すると、滞留ガスは局所的にさらに高温化し、フィルムを溶融しながらショートに至り得る。
ここで、特許文献2には、ヒューズ部が上下方向に積層された金属化フィルムの誘電体フィルムによって挟まれているために蒸着電極が飛散しにくいことを原因として、絶縁破壊時の短絡電流によってヒューズ部が動作せず、保安動作が十分に機能し得ないという不具合を解決課題とした金属化フィルムコンデンサが開示されている。
その具体的な構成は、相隣接する金属化フィルムにおける誘電体フィルムと蒸着電極との密着度に関し、第1、第2のヒューズ部及びその近傍の密着度を、第1のヒューズ部と第2のヒューズ部との間の電極領域の密着度よりも低下させるものであり、この構成により、各ヒューズ部においては上記密着度の低下に起因して絶縁破壊時に蒸着電極が飛散し易くなるとしている。
ここで、図7を参照して絶縁破壊時に発生するガスが十分に抜けずに滞留することを説明する。同図で示すように、絶縁破壊部ZHにおいてヒューズ部が溶断した際に発生したガスGaは、絶縁破壊部ZHの側方の誘電体フィルムと金属蒸着膜の密着部Mによって側方へ抜け出ることが遮られ、絶縁破壊部ZH付近で滞留するものである。このガスGaの滞留によって滞留ガスが局所的にさらに高温化し、積層している複数のフィルムを連続的に溶融させ得る(いわゆる多層溶融)。
このようにガスの放出経路が閉ざされるのを解消できる金属化フィルムコンデンサが特許文献3に開示されている。具体的には、一対の片面金属化フィルムの対向する誘電体フィルムのそれぞれの表面粗さRaの和を0.3μm以下としたものである。
特開2004−200588号公報 特開2007−67169号公報 特開2007−73574号公報
特許文献3で開示される誘電体フィルムの表面粗さを規定する技術に関し、本発明者等によれば、誘電体フィルムの表面粗さを規定するのみでは、絶縁破壊時に生じる高温ガスによる誘電体フィルムへの熱負荷を抑制できないことが特定されている。
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、絶縁破壊時に生じる高温ガスを効果的に側方に抜け出させることができ、また、高温ガスを効果的に冷却することができ、これらのことによって積層している複数の金属化フィルムが連続的に溶融するのを解消することのできる金属化フィルムコンデンサを提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明による金属化フィルムコンデンサは、複数の非蒸着スリット、および非蒸着スリット間に介在するヒューズ部を備えた金属蒸着膜と、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)製の誘電体フィルムと、からなる2つの金属化フィルムをそれぞれの絶縁マージンが積層方向で一致しないようにして重ね合わせ、積層もしくは巻き回して金属化フィルム柱体が形成されており、金属化フィルム柱体の2つの電極取り出し面に金属溶射部が形成されており、それぞれの金属溶射部に外部引き出し端子が接合されてなる金属化フィルムコンデンサにおいて、誘電体フィルムと金属蒸着膜の間のガスの透過量が、0.06〜0.22 Pacm3/secの範囲にあり、金属化フィルム柱体の曲げ弾性率が1.7〜2.5GPaの範囲にあるものである。
本発明の金属化フィルムコンデンサは、誘電体フィルムと金属蒸着膜の間のガスの透過量と複数の金属化フィルムが積層してなる金属化フィルム柱体の曲げ弾性率を所定の数値範囲に規定したことにより、絶縁破壊時に生じるガスの良好なガス抜け性と冷却性の双方を図ることのできる金属化フィルムコンデンサである。なお、金属化フィルムを構成する誘電体フィルムはポリフッ化ビニリデン(PVDF)から形成され、金属蒸着膜はアルミニウムや亜鉛などから形成される。
ここで、誘電体フィルムと金属蒸着膜の間のガスの透過量は双方の表面粗さや金属化フィルム柱体の製造条件等によって決定される。
表面粗さに関しては、積層される一方の金属化フィルムを構成する誘電体フィルムと他方の金属化フィルムを構成する金属蒸着膜(相互に当接している)双方の表面粗度によって双方の隙間が決定される。たとえば、誘電体フィルム、金属蒸着膜ともに50nm程度の表面粗さ(Ra)を有していることで上記数値範囲のガスの透過量が実現できる。
また、金属化フィルム柱体の製造条件としては、複数の金属化フィルムを積層(巻き回しを含む)した状態で、加圧も加熱もしない製造方法、加熱せずに加圧する製造方法など、多様な製造方法があり得るが、それらの製造条件もガスの透過量の決定要素となり得る。いずれにせよ、誘電体フィルムと金属蒸着膜の間のガスの透過量を0.06〜0.22 Pacm3/secの範囲に規定したことで、絶縁破壊時に生じる高温ガスを効果的に側方に抜け出させることが可能になる。
また、2つの金属化フィルムをそれぞれの絶縁マージンが積層方向で一致しないようにして重ね合わせ、積層もしくは巻き回して形成される金属化フィルム柱体の曲げ弾性率を1.7GPa〜2.5GPaの範囲に規定していることで、高温ガスによって金属化フィルムが過度に押し広げられことがなく、適度に押し広げられることにより、良好なガスの冷却性を保証している。
ここで、「金属化フィルム柱体の曲げ弾性率」とは、片持ち梁の曲げ弾性率のことであり、したがって、金属化フィルムの積層数などには関係しない。
下限値の1.7GPaは実験にて特定された数値であり、金属化フィルム柱体を大きく変形させず、適度に変形させることでガス籠りを解消できる曲げ弾性率として規定している。
一方、曲げ弾性率が高過ぎる(2.5GPaを超える範囲)と、特に絶縁破壊が積層体の内部で発生した場合には、ガスの圧力では金属化フィルム間に十分な隙間を形成することができず、ガスが側方に抜け出せずに金属化フィルム間の絶縁破壊部周辺に滞留する。このことより、上限値を2.5GPaに規定している。
以上の説明から理解できるように、本発明の金属化フィルムコンデンサによれば、誘電体フィルムと金属蒸着膜の間のガスの透過量と金属化フィルム柱体の曲げ弾性率を所定の数値範囲に規定したことにより、絶縁破壊時に生じるガスを効果的に冷却することができ、かつ効果的にガスを絶縁破壊部から側方へ抜け出させることができる。
本発明の金属化フィルムコンデンサを構成する二枚の金属化フィルムを積層する前の状態を示した模式図である。 本発明の金属化フィルムコンデンサの実施の形態を示した縦断面図である。 金属化フィルムコンデンサの一部が絶縁破壊し、発生したガスが抜け出している状態を説明した図である。 (a)は金属化フィルムにおいてガスの透過量を測定する測定方法を説明した図であり、(b)は金属化フィルムの曲げ弾性率を測定する測定方法を説明した図である。 従来の金属化フィルムコンデンサを構成する二枚の金属化フィルムを積層する前の状態を示した模式図である。 従来の金属化フィルムコンデンサの実施の形態を示した縦断面図である。 従来の金属化フィルムコンデンサの一部が絶縁破壊し、発生したガスが滞留している状態を説明した図である。
以下、図面を参照して本発明の金属化フィルムコンデンサの実施の形態を説明する。
(金属化フィルムコンデンサの実施の形態)
図1は、本発明の金属化フィルムコンデンサを構成する二枚の金属化フィルムを積層する前の状態を示した模式図であり、図2は、本発明の金属化フィルムコンデンサの実施の形態を示した縦断面図である。また、図3は、金属化フィルムコンデンサの一部が絶縁破壊し、発生したガスが抜け出している状態を説明した図である。
図1、2で示すように、本発明の金属化フィルムコンデンサ100は、二枚の金属化フィルム3A,3Bから構成される。
一方の金属化フィルム3Aは、誘電体フィルム1Aと、非蒸着スリットsおよび絶縁マージンmgを備えた金属蒸着膜2Aとから構成されており、他方の金属化フィルム3Bも同様に、誘電体フィルム1Bと、非蒸着スリットsおよび絶縁マージンmgを備えた金属蒸着膜2Bとから構成されており、絶縁マージンmgが相互に反対側に配設されたものである。
金属蒸着膜2A、2Bのうち、非蒸着スリットsやヒューズ部fsを具備するスリット形成領域VAはいわゆるパターン蒸着にて誘電体フィルム1A、1Bの表面にそれぞれ形成され、非蒸着スリットsやヒューズ部fsを具備しないスリット非形成領域NAはいわゆるベタ蒸着にて誘電体フィルム1A、1Bの表面にそれぞれ形成される。なお、非蒸着スリットsのパターン形状は図示例に何等限定されるものではなく、多様なパターン形状が適用可能である。
ここで、誘電体フィルム1A,1Bはポリフッ化ビニリデン(PVDF)から形成される。
また、金属蒸着膜2A,2Bは、アルミニウムや亜鉛などを誘電体フィルム1A,1Bの表面に蒸着することで形成される。
金属化フィルム3A、3Bを構成する金属蒸着膜2A、2Bのスリット形成領域VAにおいては、複数の非蒸着スリットsが間隔を置いて形成され、非蒸着スリットsの端部間には幅の狭いヒューズ部fsが形成され、各非蒸着スリットsで包囲された複数のセグメントsgに分割されている。
図1で示すように、二枚の金属化フィルム3A、3Bを、双方の絶縁マージンmgが積層方向で一致しないようにして双方を積層することで、図2で示す金属化フィルム積層体4が形成される。
金属化フィルム積層体4を巻き回して、もしくは積層することにより、図2で示すように金属化フィルム柱体10が形成される。この金属化フィルム柱体10の両端の電極取り出し面に対し、アルミニウムや亜鉛などからなる金属溶射部20を形成し、形成された金属溶射部20の表面に棒状や板状のバスバーなどからなる外部引き出し端子40をはんだ層30を介して接続することにより、金属化フィルムコンデンサ100が形成される。
図示する金属化フィルムコンデンサ100において、誘電体フィルム1A,1Bと金属蒸着膜2A,2Bの間のガスの透過量は0.06〜0.22 Pacm3/secの範囲にある。さらに、金属化フィルム柱体10の曲げ弾性率は1.7〜2.5GPaの範囲にある。
まず、誘電体フィルム1A,1Bと金属蒸着膜2A,2Bの間のガスの透過量を上記数値範囲に設定する要素は、双方の表面粗さや金属化フィルム柱体10の製造条件等である。
たとえば、誘電体フィルム1A,1B、金属蒸着膜2A,2Bともにそれらの表面粗さを50nm程度に設定する。また、金属化フィルム柱体10の製造条件として、複数の金属化フィルムを積層(巻き回しを含む)した状態で、加圧も加熱もせずに製造する。これら表面粗さの設定と金属化フィルム柱体10の製造条件の設定により、ガスの透過量:0.06〜0.22 Pacm3/secの範囲を保証できる。
ガスの透過量が上記数値範囲にあることで、図3で示すように、金属化フィルムコンデンサ100の一部が絶縁破壊し(絶縁破壊部ZH)、高温のガスGaが発生した際に、誘電体フィルム1A,1Bと金属蒸着膜2A,2Bの間を良好にガスGaが抜け出ることができる(Y方向)。
また、金属化フィルム柱体10の曲げ弾性率が上記数値範囲にあることで、図3で示すように、金属化フィルム3A、3Bが過度に変形せず適度に変形することができ(X方向)、変形した金属化フィルム3A、3Bの広い範囲にガスGaが接触し、この接触にてガスGaの冷却を図ることができる。
仮に金属化フィルムが過度に上下に変形してしまうと、上下に変形した金属化フィルムの間の中央部分にあるガスは金属化フィルムと接触することができず、当該ガスの冷却を図ることができない。
(誘電体フィルムと金属蒸着膜の間のガスの透過量と金属化フィルム柱体の曲げ弾性率に関する検証実験とその結果)
本発明者等は、誘電体フィルムと金属蒸着膜の間のガスの透過量と金属化フィルム柱体の曲げ弾性率に関する検証実験をおこなった。
実験条件は、図4(a)で示すように、誘電体フィルムと金属蒸着膜からなる複数の金属化フィルムを積層してケースに収容し(ここで、金属化フィルム柱体のガスが流通する断面積は20mm2である)、ケースの一端開口からガスを吸引(ここで、ガスを吸引する圧は10-4Pa程度である)した際の一つの隙間当たりのガスの透過量を測定した。このガスの透過量の測定の具体的な手順は、所定の寸法の積層体でガス透過量を測定し(測定値)、ステップ2で積層体に含まれるフィルム枚数(図4のフィルム枚数)を数え(実測値)、測定値を実測値で除すことで一つの隙間当たりのガス透過量を算出した。
また、図4(b)で示すように、誘電体フィルムと金属蒸着膜からなる複数の金属化フィルムを積層して金属化フィルム柱体を製作し、その一端を固定し、自由端に荷重を載荷させた際(ここで、荷重は1N、固定点から荷重を加えるまでの距離は30mmである)の金属化フィルム柱体(素子)の変形量δを測定して、片持ち梁の曲げ弾性率を求めた。実験結果を以下の表1に示す。Pa
Figure 0006406180
注記:SH性とは、自己回復性(セルフヒーリング性)のことであり、ヒューズ部が良好に働いて絶縁破壊状態にあるセグメントを他のセグメントから隔離し、短絡を防止する性能のことである。短絡が防止されたものを○、防止されなかったものを×としている。
表1より、実施例1〜4はいずれもSH性が良好となっており、その誘電体フィルムと金属蒸着膜の間のガスの透過量はおよそ0.06〜0.22 Pacm3/secの範囲にあり、したがって、この数値範囲をガスの透過量の範囲に規定する。
また、表1より、弾性率は1.7GPa以上の範囲にある。このことに加えて、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)製の誘電体フィルムとアルミ等からなる金属蒸着膜から構成された金属化フィルムが積層された金属化フィルム柱体において、その単位厚さ当たりを単位長曲げるための弾性率の上限値が2.5GPaであることに鑑み、金属化フィルム柱体の曲げ弾性率を1.7〜2.5GPaの範囲に規定する。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1A,1B…誘電体フィルム、2A,2B…金属蒸着膜、3A,3B…金属化フィルム、4…金属化フィルム積層体、10…金属化フィルム柱体、20…金属溶射部(メタリコン、メタリコン電極)、30…はんだ層、40…外部引き出し端子(バスバー)、100…金属化フィルムコンデンサ、mg…絶縁マージン(空隙)、s…非蒸着スリット、fs…ヒューズ部、sg…セグメント

Claims (1)

  1. 複数の非蒸着スリット、および非蒸着スリット間に介在するヒューズ部を備えた金属蒸着膜と、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)製の誘電体フィルムと、からなる2つの金属化フィルムをそれぞれの絶縁マージンが積層方向で一致しないようにして重ね合わせ、積層もしくは巻き回して金属化フィルム柱体が形成されており、
    金属化フィルム柱体の2つの電極取り出し面に金属溶射部が形成されており、
    それぞれの金属溶射部に外部引き出し端子が接合されてなる金属化フィルムコンデンサにおいて、
    誘電体フィルムと金属蒸着膜の間のガスの透過量が0.06〜0.22 Pacm3/secの範囲にあり、
    金属化フィルム柱体の曲げ弾性率が1.7〜2.5GPaの範囲にある、金属化フィルムコンデンサ。
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