JP6405182B2 - 多孔質材料の接着方法 - Google Patents

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Description

本発明は、木質材料、紙、石膏ボード等の多孔質材料の接着方法に関する。
従来、木質材料等の多孔質材料の接着に、水性高分子を主剤とし、イソシアネート化合物を硬化剤とする水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物が用いられている。前記水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物として、例えば、前記水性高分子として水溶性高分子水溶液、水性ラテックス、水性エマルジョンの1種又は2種以上を含み、前記イソシアネート化合物としてポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートと、2,4’ −ジフェニルメタンジイソシアネートと、4,4’ −ジフェニルメタンジイソシアネートとを特定の割合で含む高度耐水性接着剤組成物が知られている(例えば、特許文献1参照)。
前記高度耐水性接着剤組成物によれば、前記多孔質材料に対して優れた接着力と、耐水性、耐熱性及び耐久性とを得ることができる。
特許第3745223号公報
しかしながら、前記従来の水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物は、ヤニ分を多く含む木質材料や比重の大きな木質材料等のように、多孔質材料の種類によっては十分な接着性能を得ることができないことがあるという不都合がある。また、表面が脆弱な多孔質材料は疑似剥離を生じやすく、製品強度の低下につながるという不都合がある。前記疑似剥離とは、接着性能試験を行った際に、材料変形の応力に対し木材が耐えきれず接着層に近い多孔質材料部分で剥離のように隙間が生じる材料部分の破壊現象であり、多孔質材料表面が脆弱である場合に生じやすい。
本発明は、かかる不都合を解消して、多孔質材料の種類によらず、優れた接着性能を得ることができる多孔質材料の接着方法を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明の多孔質材料の接着方法は、多孔質材料の表面に、2つ以上のNCO基を備え、NCO基の含有量が15〜50質量%の範囲のイソシアネート化合物を2〜60g/mの範囲の量で塗布し、該イソシアネート化合物の塗布後12時間以内に、水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物又は、高分子エマルジョン形接着剤組成物を塗布して接着することを特徴とする。
本発明の多孔質材料の接着方法は、まず、木質材料等の多孔質材料の表面に、2つ以上のNCO基を備え、NCO基の含有量が15〜50質量%の範囲のイソシアネート化合物を2〜60g/mの範囲の量で塗布する。前記イソシアネート化合物によれば、前記多孔質材料に化学反応により結合する一方、NCO基と反応可能な接着剤組成物とも化学反応により結合することができ、その作用は12時間以内の時間持続する。
そこで、前記イソシアネート化合物の塗布後12時間以内に、水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物又は、高分子エマルジョン形接着剤組成物を塗布して接着することにより、前記多孔質材料の接着において、該多孔質材料の種類によらず優れた接着性能を得ることができる。
前記イソシアネート化合物は、2つ以上のNCO基を備えていることが必要であり、NCO基が1個だけでは前記多孔質材料の接着において優れた接着性能を得ることができない。また、前記イソシアネート化合物は、NCO基の含有量が15〜50質量%の範囲外では前記多孔質材料の接着において優れた接着性能を得ることができない。
また、前記イソシアネート化合物の塗布量が2g/m未満では、前記多孔質材料及び前記接着剤組成物と化学反応により結合する作用を得ることができない。一方、前記イソシアネート化合物の塗布量が60g/mを超えると、前記接着剤組成物を塗布したときに、該接着剤組成物が弾かれて均一に塗布することができない。
また、前記イソシアネート化合物は、塗布後12時間を超えると、前記接着剤組成物に対する反応性が失われ、該接着剤組成物と化学反応を行うことができなくなる。
前記イソシアネート化合物は、その塗布量が60g/m以下であっても、多孔質材料の種類によっては、前記イソシアネート化合物の前記接着剤組成物を塗布したときに、該接着剤組成物が弾かれることがある。
そこで、本発明の多孔質材料の接着方法において、前記イソシアネート化合物を2〜30g/mの範囲の量で塗布することが好ましい。前記イソシアネート化合物の塗布量を前記範囲とすることにより、多孔質材料の種類によらず、前記接着剤組成物が弾かれることを防止することができる。
また、本発明の多孔質材料の接着方法は、どのような前記多孔質材料に対しても適用することができるが、前記多孔質材料が木質材料である場合に特に好適に用いることができる。
次に、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
本実施形態の接着方法は、木質材料、紙、石膏ボード等の多孔質材料を相互に接着する場合に用いられる。被着材は同一の多孔質材料同士でもよく、異なる多孔質材料であってもよい。
本実施形態の接着方法では、まず、被着材となる多孔質材料の表面に、2つ以上のNCO基を備え、NCO基の含有量が15〜50質量%の範囲のイソシアネート化合物を塗布する。前記イソシアネート化合物としては、例えば、株式会社オーシカ製4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(商品名:鹿印ピーアイボンド用架橋剤H−30、NCO量32.3質量%)、住化バイエルウレタン株式会社製4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(商品名:スミジュール44V20L、NCO量31質量%)、住化バイエルウレタン株式会社製イソシアヌレート型ヘキサメチレンジイソシアネート(商品名:スミジュールN3300、NCO量22質量%)、三井化学株式会社製1,3−キシリレンジイソシアネート(商品名:タケネート500、NCO量45質量%)等を挙げることができる。
前記イソシアネート化合物は、前記被着材となる多孔質材料の表面に、2〜60g/mの範囲、好ましくは2〜30g/mの範囲で塗布することにより、該多孔質材料に化学反応により結合する一方、水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物又は、高分子エマルジョン形接着剤組成物とも化学反応により結合することができる。前記高分子エマルジョン形接着剤組成物としては、例えば、酢酸ビニル樹脂エマルジョン木材接着剤等の酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤組成物を挙げることができる。
また、前記イソシアネート化合物は、前記多孔質材料の表面に対する塗布量が2〜60g/mとなる範囲であれば、メチルエチルケトン等の溶媒により希釈して用いてもよい。
前記イソシアネート化合物の前記接着剤組成物に対する反応性は、該イソシアネート化合物が塗布された前記多孔質材料の表面の水に対する接触角により評価することができる。前記イソシアネート化合物は疎水性であるが、前記多孔質材料は該イソシアネート化合物が塗布されると、該イソシアネート化合物との化学反応によりその表面の水に対する接触角が、該イソシアネート化合物が塗布されていない場合よりも小さくなる。
前記イソシアネート化合物が塗布された前記多孔質材料の表面の水に対する接触角は、該イソシアネート化合物の塗布後、経時的に増大する。そして、最終的に前記イソシアネート化合物が塗布されていない場合の接触角に復帰すると、該イソシアネート化合物の前記接着剤組成物に対する反応性が失われる。
そこで、本実施形態の接着方法では、前記イソシアネート化合物の塗布後、前記多孔質材料の表面の水に対する接触角が該イソシアネート化合物が塗布されていない場合よりも小さくなっている間に、前記接着剤組成物を塗布して接着する。前記多孔質材料の表面の水に対する接触角が前記イソシアネート化合物が塗布されていない場合よりも小さくなっている時間は、一般には該イソシアネート化合物の塗布後、12時間以内である。
本実施形態の接着方法によれば、前述のようにすることにより、木質材料等の多孔質材料の接着において優れた接着性能を得ることができる。
次に、本発明の実施例を示す。
〔実施例1〕
本実施例では、まず、ポリビニルアルコール水溶液(固形分15質量%)15質量部、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン(不揮発分55±1質量%)30質量部、スチレン−ブタジエンゴムラテックス(固形分48質量%)10質量部、炭酸カルシウム35質量部、ヘキサメタリン酸ナトリウム0.5質量部、水10質量部からなる主剤100質量部に、株式会社オーシカ製4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(商品名:鹿印ピーアイボンド用架橋剤H−30、NCO量32.3質量%)15質量部を混合して、水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、含水率6〜10%、比重0.47〜0.64のヤニ分の多いベイマツ挽板に対し、イソシアネート化合物として、株式会社オーシカ製4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(商品名:鹿印ピーアイボンド用架橋剤H−30、NCO量32.3質量%、以下「MDI系−1イソシアネート化合物」と略記する)を5g/mの量で塗布した。
次に、前記MDI系−1イソシアネート化合物の塗布後10分以内に、前記ベイマツ挽板に対し、前記水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物を250g/mの量で塗布し、該ベイマツ挽板同士を接着した。接着は、開放堆積時間20℃にて1分以内、閉鎖堆積時間20℃にて10分以内、24℃にて1.2MPaの圧力で40分間圧締した後、解圧することにより行った。そして、前記接着後、23℃にて7日間養生し、試験片とした。
また、前記水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物を塗布した際に、弾きの有無を観察した。結果を表1に示す。
次に、前記試験片に対し、集成材の日本農林規格による減圧加圧はく離試験を行った。前記減圧加圧はく離試験は、次のようにして行う。まず、前記試験片を室温の水中に浸漬し、0.085MPaの減圧を5分間行い、更に0.51±0.03MPaの加圧を1時間行う。この処理を2回繰り返した後、水中から取り出した試験片を70±3℃で質量が前記処理前の質量の100〜110質量%の範囲となるように乾燥させた後、該試験片の両木口面におけるはく離の長さを測定し、はく離の長さの合計を接着層長さの合計で除してはく離率(%)を算出する。
結果を表1に示す。
〔実施例2〕
本実施例では、まず、ベイマツ挽板に対し、MDI系−1イソシアネート化合物を10g/mの量で塗布した以外は、実施例1と全く同一にして試験片を作成した。また、前記水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物を塗布した際に、弾きの有無を観察した。結果を表1に示す。
次に、前記試験片に対し、実施例1と全く同一にして、集成材の日本農林規格による減圧加圧はく離試験を行った。結果を表1に示す。
〔実施例3〕
本実施例では、まず、ベイマツ挽板に対し、MDI系−1イソシアネート化合物を20g/mの量で塗布した以外は、実施例1と全く同一にして試験片を作成した。また、前記水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物を塗布した際に、弾きの有無を観察した。結果を表1に示す。
次に、前記試験片に対し、実施例1と全く同一にして、集成材の日本農林規格による減圧加圧はく離試験を行った。結果を表1に示す。
〔実施例4〕
本実施例では、まず、ベイマツ挽板に対し、MDI系−1イソシアネート化合物を30g/mの量で塗布した以外は、実施例1と全く同一にして試験片を作成した。また、前記水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物を塗布した際に、弾きの有無を観察した。結果を表1に示す。
次に、前記試験片に対し、実施例1と全く同一にして、集成材の日本農林規格による減圧加圧はく離試験を行った。結果を表1に示す。
〔実施例5〕
本実施例では、まず、ベイマツ挽板に対し、MDI系−1イソシアネート化合物を40g/mの量で塗布した以外は、実施例1と全く同一にして試験片を作成した。また、前記水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物を塗布した際に、弾きの有無を観察した。結果を表1に示す。
次に、前記試験片に対し、実施例1と全く同一にして、集成材の日本農林規格による減圧加圧はく離試験を行った。結果を表1に示す。
〔実施例6〕
本実施例では、まず、ベイマツ挽板に対し、MDI系−1イソシアネート化合物を50g/mの量で塗布した以外は、実施例1と全く同一にして試験片を作成した。また、前記水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物を塗布した際に、弾きの有無を観察した。結果を表1に示す。
次に、前記試験片に対し、実施例1と全く同一にして、集成材の日本農林規格による減圧加圧はく離試験を行った。結果を表1に示す。
〔参考例1〕
本参考例では、まず、ベイマツ挽板に対し、MDI系−1イソシアネート化合物を60g/mの量で塗布した以外は、実施例1と全く同一にして試験片を作成した。また、前記水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物を塗布した際に、弾きの有無を観察した。結果を表1に示す。
次に、前記試験片に対し、実施例1と全く同一にして、集成材の日本農林規格による減圧加圧はく離試験を行った。結果を表1に示す。
〔実施例7〕
本実施例では、ベイマツ挽板に対し、MDI系−1イソシアネート化合物をメチルエチルケトンで10質量%の濃度に希釈したものを20g/mの量で塗布した(MDI系−1イソシアネート化合物として2g/mに相当)以外は、実施例1と全く同一にして試験片を作成した。また、前記水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物を塗布した際に、弾きの有無を観察した。結果を表1に示す。
次に、前記試験片に対し、実施例1と全く同一にして、集成材の日本農林規格による減圧加圧はく離試験を行った。結果を表1に示す。
〔実施例8〕
本実施例では、MDI系−1イソシアネート化合物をメチルエチルケトンで20質量%の濃度に希釈したものを20g/mの量で塗布した(MDI系−1イソシアネート化合物として4g/mに相当)以外は、実施例7と全く同一にして試験片を作成した。また、前記水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物を塗布した際に、弾きの有無を観察した。結果を表1に示す。
次に、前記試験片に対し、実施例1と全く同一にして、集成材の日本農林規格による減圧加圧はく離試験を行った。結果を表1に示す。
〔実施例9〕
本実施例では、MDI系−1イソシアネート化合物をメチルエチルケトンで30質量%の濃度に希釈したものを20g/mの量で塗布した(MDI系−1イソシアネート化合物として6g/mに相当)以外は、実施例7と全く同一にして試験片を作成した。また、前記水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物を塗布した際に、弾きの有無を観察した。結果を表1に示す。
次に、前記試験片に対し、実施例1と全く同一にして、集成材の日本農林規格による減圧加圧はく離試験を行った。結果を表1に示す。
〔比較例1〕
本比較例では、ベイマツ挽板に対し、MDI系−1イソシアネート化合物を全く塗布しなかった(塗布量0g/m)以外は、実施例1と全く同一にして試験片を作成した。また、前記水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物を塗布した際に、弾きの有無を観察した。結果を表1に示す。
次に、前記試験片に対し、実施例1と全く同一にして、集成材の日本農林規格による減圧加圧はく離試験を行った。結果を表1に示す。
〔実施例10〕
本実施例では、まず、比重0.50〜0.58のヤニ分の多いカラマツ挽板に対し、MDI系−1イソシアネート化合物を60g/mの量で塗布した以外は、実施例1と全く同一にして試験片を作成した。また、前記水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物を塗布した際に、弾きの有無を観察した。結果を表1に示す。
次に、前記試験片に対し、実施例1と全く同一にして、集成材の日本農林規格による減圧加圧はく離試験を行った。結果を表1に示す。
〔比較例2〕
本比較例では、カラマツ挽板に対し、MDI系−1イソシアネート化合物を全く塗布しなかった(塗布量0g/m)以外は、実施例1と全く同一にして試験片を作成した。また、前記水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物を塗布した際に、弾きの有無を観察した。結果を表1に示す。
次に、前記試験片に対し、実施例1と全く同一にして、集成材の日本農林規格による減圧加圧はく離試験を行った。結果を表1に示す。
Figure 0006405182
表1から、ベイマツ同士の接着では、前記MDI系−1イソシアネート化合物を全く塗布しなかった場合(比較例1)のはく離率5.3%に対し、該MDI系−1イソシアネート化合物を2〜50g/mの範囲の量で塗布した場合(実施例1〜9)にははく離率が0.0%であり、優れた接着力と、優れた耐水性、耐熱性、耐久性を得ることができることが明らかである。
また、前記MDI系−1イソシアネート化合物は、塗布量が2〜60g/mとなる範囲であれば、希釈して用いてもよいことが明らかである。
また、ベイマツ同士の接着では、前記MDI系−1イソシアネート化合物を60g/mの量で塗布した場合(参考例1)には前記接着剤組成物の弾きが発生し、該MDI系−1イソシアネート化合物を5〜50g/mの範囲の量で塗布することが適していることがわかる。
また、カラマツ同士の接着では、前記MDI系−1イソシアネート化合物を全く塗布しなかった場合(比較例2)のはく離率7.9%に対し、該MDI系−1イソシアネート化合物を60g/mの量で塗布した場合(実施例10)にははく離率が0.0%であり、優れた接着力と、優れた耐水性、耐熱性、耐久性を得ることができることが明らかである。
以上の結果から、木質材料に対して、前記MDI系−1イソシアネート化合物を2〜60g/mの範囲の量で塗布した後、水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物により接着することにより、優れた接着性能を得ることができることが明らかである。
〔実施例11〕
本実施例では、まず、実施例1と全く同一にして、水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、含水率6〜10%、比重0.6〜0.8の高比重でヤニ分の多いチーク挽板に対し、イソシアネート化合物として、MDI系−1イソシアネート化合物を5g/mの量で塗布した。
次に、前記MDI系−1イソシアネート化合物の塗布後10分以内に、前記チーク挽板に対し、前記水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物を250g/mの量で塗布し、該チーク挽板同士を接着した。接着は、開放堆積時間24℃にて1分以内、閉鎖堆積時間24℃にて10分以内、24℃にて1.2MPaの圧力で60分間圧締した後、解圧することにより行った。そして、前記接着後、23℃にて7日間養生し、試験片とした。
また、前記水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物を塗布した際に、弾きの有無を観察した。結果を表2に示す。
次に、前記試験片に対し、実施例1と全く同一にして、集成材の日本農林規格による減圧加圧はく離試験を行った。結果を表2に示す。
〔実施例12〕
本実施例では、まず、チーク挽板に対し、MDI系−1イソシアネート化合物を10g/mの量で塗布した以外は、実施例9と全く同一にして試験片を作成した。また、前記水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物を塗布した際に、弾きの有無を観察した。結果を表2に示す。
次に、前記試験片に対し、実施例1と全く同一にして、集成材の日本農林規格による減圧加圧はく離試験を行った。結果を表2に示す。
〔実施例13〕
本実施例では、まず、チーク挽板に対し、MDI系−1イソシアネート化合物を20g/mの量で塗布した以外は、実施例9と全く同一にして試験片を作成した。また、前記水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物を塗布した際に、弾きの有無を観察した。結果を表2に示す。
次に、前記試験片に対し、実施例1と全く同一にして、集成材の日本農林規格による減圧加圧はく離試験を行った。結果を表2に示す。
〔実施例14〕
本実施例では、まず、チーク挽板に対し、MDI系−1イソシアネート化合物を30g/mの量で塗布した以外は、実施例9と全く同一にして試験片を作成した。また、前記水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物を塗布した際に、弾きの有無を観察した。結果を表2に示す。
次に、前記試験片に対し、実施例1と全く同一にして、集成材の日本農林規格による減圧加圧はく離試験を行った。結果を表2に示す。
〔参考例2〕
本参考例では、まず、チーク挽板に対し、MDI系−1イソシアネート化合物を40g/mの量で塗布した以外は、実施例9と全く同一にして試験片を作成した。また、前記水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物を塗布した際に、弾きの有無を観察した。結果を表2に示す。
次に、前記試験片に対し、実施例1と全く同一にして、集成材の日本農林規格による減圧加圧はく離試験を行った。結果を表2に示す。
〔参考例3〕
本参考例では、まず、チーク挽板に対し、MDI系−1イソシアネート化合物を50g/mの量で塗布した以外は、実施例9と全く同一にして試験片を作成した。また、前記水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物を塗布した際に、弾きの有無を観察した。結果を表2に示す。
次に、前記試験片に対し、実施例1と全く同一にして、集成材の日本農林規格による減圧加圧はく離試験を行った。結果を表2に示す。
〔参考例4〕
本参考例では、まず、チーク挽板に対し、MDI系−1イソシアネート化合物を60g/mの量で塗布した以外は、実施例9と全く同一にして試験片を作成した。また、前記水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物を塗布した際に、弾きの有無を観察した。結果を表2に示す。
次に、前記試験片に対し、実施例1と全く同一にして、集成材の日本農林規格による減圧加圧はく離試験を行った。結果を表2に示す。
〔比較例3〕
本比較例では、チーク挽板に対し、MDI系−1イソシアネート化合物を全く塗布しなかった(塗布量0g/m)以外は、実施例9と全く同一にして試験片を作成した。また、前記水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物を塗布した際に、弾きの有無を観察した。結果を表2に示す。
次に、前記試験片に対し、実施例1と全く同一にして、集成材の日本農林規格による減圧加圧はく離試験を行った。結果を表2に示す。
Figure 0006405182
表2から、チーク同士の接着では、前記MDI系−1イソシアネート化合物を全く塗布しなかった場合(比較例3)のはく離率20.9%に対し、該MDI系−1イソシアネート化合物を5〜30g/mの範囲の量で塗布した場合(実施例11〜14)にははく離率が0.0〜0.3%の範囲であり、優れた接着力と、優れた耐水性、耐熱性、耐久性を得ることができることが明らかである。
また、チーク同士の接着では、前記MDI系−1イソシアネート化合物を40〜60g/mの範囲の量で塗布した場合(参考例2〜4)には前記接着剤組成物の弾きが発生し、該MDI系−1イソシアネート化合物を5〜30g/mの範囲の量で塗布することが適していることがわかる。
〔実施例15〕
本実施例では、イソシアネート化合物として、住化バイエルウレタン株式会社製4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(商品名:スミジュール44V20L、NCO量31質量%、以下「MDI系−2イソシアネート化合物」と略記する)を塗布した以外は、実施例3と全く同一にして試験片を作成した。
次に、前記試験片に対し、実施例3と全く同一にして、集成材の日本農林規格による減圧加圧はく離試験を行った。結果を表3に示す。
〔実施例16〕
本実施例では、イソシアネート化合物として、住化バイエルウレタン株式会社製イソシアヌレート型ヘキサメチレンジイソシアネート(商品名:スミジュールN3300、NCO量22質量%、以下「HDI系−1イソシアネート化合物」と略記する)を塗布した以外は、実施例3と全く同一にして試験片を作成した。
次に、前記試験片に対し、実施例3と全く同一にして、集成材の日本農林規格による減圧加圧はく離試験を行った。結果を表3に示す。
〔実施例17〕
本実施例では、イソシアネート化合物として、三井化学株式会社製1,3−キシリレンジイソシアネート(商品名:タケネート500、NCO量45質量%、以下「XDI系−1イソシアネート化合物」と略記する)を塗布した以外は、実施例3と全く同一にして試験片を作成した。
次に、前記試験片に対し、実施例3と全く同一にして、集成材の日本農林規格による減圧加圧はく離試験を行った。結果を表3に示す。
〔比較例4〕
本比較例では、イソシアネート化合物として、旭化成ケミカルズ株式会社製ヘキサメチレンジイソシアネート(商品名:デュラネートTSE−100、NCO量12質量%、以下「HDI系−2イソシアネート化合物」と略記する)を塗布した以外は、実施例3と全く同一にして試験片を作成した。
次に、前記試験片に対し、実施例3と全く同一にして、集成材の日本農林規格による減圧加圧はく離試験を行った。結果を表3に示す。
〔比較例5〕
本比較例では、イソシアネート化合物として、住化バイエルウレタン株式会社製4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(商品名:スミジュールE−21−2、NCO量10質量%、以下「MDI系−3イソシアネート化合物」と略記する)を塗布した以外は、実施例3と全く同一にして試験片を作成した。
次に、前記試験片に対し、実施例3と全く同一にして、集成材の日本農林規格による減圧加圧はく離試験を行った。結果を表3に示す。
〔比較例6〕
本比較例では、イソシアネート化合物として、住化バイエルウレタン株式会社製のNCO基が1つであるイソシアネート化合物(商品名:Additive TI、NCO量21質量%、以下「モノNCOイソシアネート化合物」と略記する)を塗布した以外は、実施例3と全く同一にして試験片を作成した。
次に、前記試験片に対し、実施例3と全く同一にして、集成材の日本農林規格による減圧加圧はく離試験を行った。結果を表3に示す。
Figure 0006405182
表3から、イソシアネート化合物のNCO量が12質量%以下の場合(比較例4,5)又は、イソシアネート化合物のNCO基が1つの場合(比較例6)のはく離率が7.3〜9.8%の範囲であるのに対し、イソシアネート化合物のNCO基が2つ以上であり、NCO量が15〜50質量%の範囲に含まれる22〜45質量%の場合(実施例15〜17)にははく離率が0.0〜1.1%の範囲であり、優れた接着力と、優れた耐水性、耐熱性、耐久性を得ることができることが明らかである。
〔実施例18〕
本実施例では、まず、23℃に調温したベイマツラミナ及び中密度繊維板(以下、「MDF」と略記する)に、イソシアネート化合物として、MDI系−1イソシアネート化合物を10g/mの量で塗布した。前記塗布後、直ちに前記ベイマツラミナ及びMDFに、イオン交換水を滴下し、協和界面化学株式会社製CA−X型接触角計を用いて、水に対する接触角を測定した。結果を表4に示す。
次に、実施例1と全く同一にして、水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物を調製、製糊した。
次に、含水率10〜20%、比重0.71〜0.75のカバ挽板に対し、イソシアネート化合物として、MDI系−1イソシアネート化合物を10g/mの量で塗布した。
次に、前記MDI系−1イソシアネート化合物の塗布後、10分以内に、前記カバ挽板に対し、前記水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物を250g/mの量で塗布し、該カバ挽板同士を接着した。前記「10分以内」という時間は、前記接触角を測定する際の「塗布後、直ちに」と実質的に同義である。
前記接着は、開放堆積時間20℃にて1分以内、閉鎖堆積時間20℃にて10分以内、20℃にて1.0MPaの圧力で16時間圧締した後、解圧することにより行った。そして、前記接着後、20℃にて3日間養生し、試験片とした。
次に、前記試験片に対し、JIS K 6806による圧縮せん断接着強さ試験の常態試験を行った。前記圧縮せん断接着強さ試験の常態試験は、次のようにして行う。まず、接着後、20〜25℃で72時間静置してから所定の形状に仕上げた試験片に対し、荷重速度9.81kN/分以下で該試験片が破壊するまで荷重をかけ、その時の最大荷重(N)及び木部破断率(%)を測定する。次に、最大荷重を接着面積で除して接着強さ(N/cm)を求める。
結果を表4に示す。
〔実施例19〕
本実施例では、まず、イソシアネート化合物塗布後3時間を経過したときに接触角を測定した以外は実施例18と全く同一にして、ベイマツラミナ及びMDFの水に対する接触角を測定した。結果を表4に示す。
次に、イソシアネート化合物塗布後3時間を経過したときに接着した以外は、実施例18と全く同一にして試験片を作成した。
次に、前記試験片に対し、実施例18と全く同一にして、JIS K 6806による圧縮せん断接着強さ試験の常態試験を行った。結果を表4に示す。
〔実施例20〕
本実施例では、まず、イソシアネート化合物塗布後6時間を経過したときに接触角を測定した以外は実施例18と全く同一にして、ベイマツラミナ及びMDFの水に対する接触角を測定した。結果を表4に示す。
次に、イソシアネート化合物塗布後6時間を経過したときに接着した以外は、実施例18と全く同一にして試験片を作成した。
次に、前記試験片に対し、実施例18と全く同一にして、JIS K 6806による圧縮せん断接着強さ試験の常態試験を行った。結果を表4に示す。
〔実施例21〕
本実施例では、まず、イソシアネート化合物塗布後9時間を経過したときに接触角を測定した以外は実施例18と全く同一にして、ベイマツラミナ及びMDFの水に対する接触角を測定した。結果を表4に示す。
次に、イソシアネート化合物塗布後9時間を経過したときに接着した以外は、実施例18と全く同一にして試験片を作成した。
次に、前記試験片に対し、実施例18と全く同一にして、JIS K 6806による圧縮せん断接着強さ試験の常態試験を行った。結果を表4に示す。
〔実施例22〕
本実施例では、まず、イソシアネート化合物塗布後12時間を経過したときに接触角を測定した以外は実施例18と全く同一にして、ベイマツラミナ及びMDFの水に対する接触角を測定した。結果を表4に示す。
次に、イソシアネート化合物塗布後12時間を経過したときに接着した以外は、実施例18と全く同一にして試験片を作成した。
次に、前記試験片に対し、実施例18と全く同一にして、JIS K 6806による圧縮せん断接着強さ試験の常態試験を行った。結果を表4に示す。
〔比較例7〕
本比較例では、まず、イソシアネート化合物塗布後18時間を経過したときに接触角を測定した以外は実施例18と全く同一にして、ベイマツラミナ及びMDFの水に対する接触角を測定した。結果を表4に示す。
次に、イソシアネート化合物塗布後18時間を経過したときに接着した以外は、実施例18と全く同一にして試験片を作成した。
次に、前記試験片に対し、実施例18と全く同一にして、JIS K 6806による圧縮せん断接着強さ試験の常態試験を行った。結果を表4に示す。
〔比較例8〕
本比較例では、まず、イソシアネート化合物塗布後24時間を経過したときに接触角を測定した以外は実施例18と全く同一にして、ベイマツラミナ及びMDFの水に対する接触角を測定した。結果を表4に示す。
次に、イソシアネート化合物塗布後24時間を経過したときに接着した以外は、実施例18と全く同一にして試験片を作成した。
次に、前記試験片に対し、実施例18と全く同一にして、JIS K 6806による圧縮せん断接着強さ試験の常態試験を行った。結果を表4に示す。
〔比較例9〕
本比較例では、まず、イソシアネート化合物塗布後36時間を経過したときに接触角を測定した以外は実施例18と全く同一にして、ベイマツラミナ及びMDFの水に対する接触角を測定した。結果を表4に示す。
次に、イソシアネート化合物塗布後36時間を経過したときに接着した以外は、実施例18と全く同一にして試験片を作成した。
次に、前記試験片に対し、実施例18と全く同一にして、JIS K 6806による圧縮せん断接着強さ試験の常態試験を行った。結果を表4に示す。
〔参考例5〕
本参考例では、まず、イソシアネート化合物を全く塗布せずに接触角を測定した以外は実施例18と全く同一にして、ベイマツラミナ及びMDFの水に対する接触角を測定した。結果を表4に示す。
Figure 0006405182
表4から、ベイマツラミナ及びMDFでは、イソシアネート化合物塗布後12時間以内(実施例18〜22)であれば、水に対する接触角が前記イソシアネート化合物が塗布されていない場合(参考例5)よりも小さくなっており、該イソシアネート化合物を塗布した効果が有効であることがわかる。また、前記イソシアネート化合物塗布後18〜36時間経過後(比較例7〜9)では、水に対する接触角が前記イソシアネート化合物が塗布されていない場合(参考例5)と実質的に等しくなり、該イソシアネート化合物を塗布した効果が失われていることがわかる。
前記イソシアネート化合物塗布後の時間経過と接触角との関係は、ベイマツラミナ及びMDFと同様の木質材料であるカバ挽板においても同一であると考えられる。
ここで、前記イソシアネート化合物を塗布した効果が失われた場合(比較例7〜9)には、前記カバ挽板の試験片は、接着強さが1137〜1695N/cmの範囲であり、木部破断率は0〜20%の範囲である。一方、前記イソシアネート化合物を塗布した効果が有効である場合(実施例18〜22)には、前記カバ挽板の試験片は、接着強さが1750〜1794N/cmの範囲であり、木部破断率は70〜100%の範囲であって、比較例7〜9に比較して、優れた接着性能を得ることができることが明らかである。
以上の結果から、前記イソシアネート化合物は、木質材料等の多孔質材料に塗布後、12時間以内であれば、該多孔質材料及び前記水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物の両方と化学反応により強固に結合することができるものと考えられる。
〔実施例23〕
本実施例では、まず、含水率6〜12%、比重0.5以上のカバ柾目挽板に対し、MDI系−1イソシアネート化合物を20g/mの量で塗布した。
次に、前記MDI系−1イソシアネート化合物の塗布後10分以内に、前記カバ柾目挽板に対し、株式会社オーシカ製酢酸ビニル樹脂エマルジョン木材接着剤(商品名:シンコーボンド66K、以下、「酢ビ系接着剤−1」と略記する)を200g/mの量で塗布し、該カバ柾目挽板同士を接着した。接着は、開放堆積時間20℃にて1分以内、閉鎖堆積時間20℃にて5分以内、1.0MPaの圧力で24時間圧締した後、解圧することにより行った。そして、前記接着後、23℃にて48時間養生した後、所定の形状に仕上げ、試験片とした。
次に、前記試験片に対し、JIS K 6804による接着強さの常態試験を行った。JIS K 6804による接着強さの常態試験は、次のようにして行う。まず、養生後、所定の形状に仕上げた試験片に対し、荷重速度8〜10kN又はクロスヘッドの移動速度毎分0.5〜3.0mmで該試験片が破壊するまで荷重をかけ、その時の最大荷重(N)及び木部破断率(%)を測定する。次に、最大荷重を接着面積で除して接着強さ(N/cm)を求める。結果を表5に示す。
〔比較例10〕
本比較例では、前記カバ柾目挽板に対し、MDI系−1イソシアネート化合物を全く塗布しなかった(塗布量0g/m)以外は、実施例23と全く同一にして試験片を作成した。
次に、前記試験片に対し、実施例23と全く同一にして、JIS K 6804による接着強さの常態試験を行った。結果を表5に示す。
〔実施例24〕
本実施例では、前記カバ柾目挽板に対し、株式会社オーシカ製酢酸ビニル樹脂エマルジョン木材接着剤(商品名:鹿印KEボンド500、以下、「酢ビ系接着剤−2」と略記する)を塗布した以外は、実施例23と全く同一にして試験片を作成した。
次に、前記試験片に対し、実施例23と全く同一にして、JIS K 6804による接着強さの常態試験を行った。結果を表5に示す。
〔比較例11〕
本比較例では、前記カバ柾目挽板に対し、MDI系−1イソシアネート化合物を全く塗布しなかった(塗布量0g/m)以外は、実施例24と全く同一にして試験片を作成した。
次に、前記試験片に対し、実施例23と全く同一にして、JIS K 6804による接着強さの常態試験を行った。結果を表5に示す。
Figure 0006405182
表5から、酢酸ビニル樹脂エマルジョン木材接着剤を用いたときにも、前記MDI系−1イソシアネート化合物を塗布する場合(実施例23、24)には、塗布しなかった場合(比較例10、11)よりも、JIS K 6804による接着強さの常態試験において優れた接着力を得ることができることが明らかである。
〔実施例25〕
本実施例では、含水率4〜6%、比重0.60〜0.76のチーク挽板に対し、MDI系−1イソシアネート化合物を20g/mの量で塗布した。
次に、前記MDI系−1イソシアネート化合物の塗布後10分以内に、前記チーク挽板に対し、酢ビ系接着剤−1を250g/mの量で塗布し、該チーク挽板同士を接着した。接着は、開放堆積時間20℃にて1分以内、閉鎖堆積時間20℃にて10分以内、24℃にて1.2MPaの圧力で12時間圧締した後、解圧することにより行った。そして、前記接着後、23℃にて7日間養生した後、所定の形状に仕上げ、試験片とした。
次に、前記試験片に対し、集成材の日本農林規格によるブロックせん断試験を行った。集成材の日本農林規格によるブロックせん断試験は、次のようにして行う。まず、前記試験片を荷重速度毎分約15.7MPaを標準として破断させる破断した時の荷重を接着面積で除してせん断強さ(N/cm)を求める。結果を表6に示す。
〔比較例12〕
本比較例では、前記チーク挽板に対し、MDI系−1イソシアネート化合物を全く塗布しなかった(塗布量0g/m)以外は、実施例25と全く同一にして試験片を作成した。
次に、前記試験片に対し、実施例25と全く同一にして、集成材の日本農林規格によるブロックせん断試験を行った。結果を表6に示す。
〔実施例26〕
本実施例では、前記チーク挽板に対し、酢ビ系接着剤−2を塗布した以外は、実施例25と全く同一にして試験片を作成した。
次に、前記試験片に対し、実施例25と全く同一にして、集成材の日本農林規格によるブロックせん断試験を行った。結果を表6に示す。
〔比較例13〕
本比較例では、前記チーク挽板に対し、MDI系−1イソシアネート化合物を全く塗布しなかった(塗布量0g/m)以外は、実施例26と全く同一にして試験片を作成した。
次に、前記試験片に対し、実施例25と全く同一にして、集成材の日本農林規格によるブロックせん断試験を行った。結果を表6に示す。
Figure 0006405182
表6から、酢酸ビニル樹脂エマルジョン木材接着剤を用いたときにも、前記MDI系−1イソシアネート化合物を塗布する場合(実施例25、26)には、塗布しなかった場合(比較例12、13)よりも、集成材の日本農林規格によるブロックせん断試験において優れた接着力を得ることができることが明らかである。

Claims (3)

  1. 多孔質材料の表面に、2つ以上のNCO基を備え、NCO基の含有量が15〜50質量%の範囲のイソシアネート化合物を2〜60g/mの範囲の量で塗布し、該イソシアネート化合物の塗布後12時間以内に、水性高分子−イソシアネート系接着剤組成物又は、高分子エマルジョン形接着剤組成物を塗布して接着することを特徴とする多孔質材料の接着方法。
  2. 請求項1記載の多孔質材料の接着方法において、前記イソシアネート化合物を2〜30g/mの範囲の量で塗布することを特徴とする多孔質材料の接着方法。
  3. 請求項1又は請求項2記載の多孔質材料の接着方法において、前記多孔質材料は木質材料であることを特徴とする多孔質材料の接着方法。
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