JP6404535B1 - 電磁波シールドフィルム、シールドプリント配線板及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

本発明は、シールドプリント配線板を製造する際にシールド層と導電性接着剤層との層間密着が破壊されにくく、耐折り曲げ性が充分に高い電磁波シールドフィルムを提供することを目的とする。本発明の電磁波シールドフィルムは、導電性接着剤層と、上記導電性接着剤層の上に積層されたシールド層と、上記シールド層の上に積層された絶縁層とからなる電磁波シールドフィルムであって、上記シールド層には、複数の開口部が形成されており、下記層間剥離評価において、膨れが生じず、JIS P8115:2001に規定されるMIT耐折疲労試験において折り曲げ回数が600回で断線が発生しないことを特徴とする。層間剥離評価:電磁波シールドフィルムを熱プレスによりプリント配線板上に貼り付け、得られたシールドプリント配線板を、265℃に加熱し、その後、室温まで冷却し、この加熱及び冷却を合計5回行った後、上記電磁波シールドフィルムに膨れが生じているか否かを目視により観察する。

Description

本発明は、電磁波シールドフィルム、シールドプリント配線板及び電子機器に関する。
従来から、例えばフレキシブルプリント配線板(FPC)などのプリント配線板に電磁波シールドフィルムを貼り付けて、外部からの電磁波をシールドすることが行われている。
電磁波シールドフィルムは、通常、導電性接着剤層と、金属薄膜等からなるシールド層と、絶縁層とが順に積層された構成を有する。この電磁波シールドフィルムをプリント配線板に重ね合わせた状態で加熱プレスすることにより、電磁波シールドフィルムは接着剤層によってプリント配線板に接着されて、シールドプリント配線板が作製される。この接着後、はんだリフローによってプリント配線板に部品が実装される。また、プリント配線板は、ベースフィルム上のプリントパターンが絶縁フィルムで被覆された構成となっている。
シールドプリント配線板を製造する際に、加熱プレスやはんだリフローによりシールドプリント配線板を加熱すると、電磁波シールドフィルムの導電性接着剤層やプリント配線板の絶縁フィルム等からガスが発生する。また、プリント配線板のベースフィルムがポリイミドなど吸湿性の高い樹脂で形成されている場合には、加熱によりベースフィルムから水蒸気が発生する場合がある。導電性接着剤層や絶縁フィルムやベースフィルムから生じたこれらの揮発成分は、シールド層を通過することができないため、シールド層と導電性接着剤層との間に溜まってしまう。そのため、はんだリフロー工程で急激な加熱を行うと、シールド層と導電性接着剤層との間に溜まった揮発成分によって、シールド層と導電性接着剤層との層間密着が破壊され、シールド特性が低下してしまう場合がある。
このような問題を解決するために、特許文献1には、シールド層(金属薄膜)に複数の開口部を設け、通気性を向上させた電磁波シールドフィルムが記載されている。
シールド層に複数の開口部を設けると、揮発成分が発生したとしても、揮発成分は、開口部を通じてシールド層を通過することができる。そのため、シールド層と導電性接着剤層との間に揮発成分が溜まることを防止することができ、層間密着が破壊されることによるシールド特性の低下を防止することができる。
国際公開第2014/192494号
しかしながら、特許文献1に記載された電磁波シールドフィルムはシールド層に開口部が形成されているのでシールド層の強度は弱い。
そのため、特許文献1に記載された電磁波シールドフィルムをフレキシブルプリント配線板に用いると、以下のような問題が生じる。
すなわち、フレキシブルプリント配線板は、使用時に、繰り返し折り曲げられることになる。このようなフレキシブルプリント配線板に用いられる電磁波シールドフィルム、及び、該電磁波シールドフィルムを構成するシールド層も繰り返し折り曲げられることになる。
上記の通り、特許文献1に記載された電磁波シールドフィルムのシールド層は強度が弱いので、繰り返し折り曲げられると、シールド層は破壊されやすいという問題があった。
本発明は、上記問題を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、シールドプリント配線板を製造する際にシールド層と導電性接着剤層との層間密着が破壊されにくく、耐折り曲げ性が充分に高い電磁波シールドフィルムを提供することである。
すなわち、本発明の電磁波シールドフィルムは、導電性接着剤層と、上記導電性接着剤層の上に積層されたシールド層と、上記シールド層の上に積層された絶縁層とからなる電磁波シールドフィルムであって、上記シールド層には、複数の開口部が形成されており、下記層間剥離評価において、膨れが生じず、JIS P8115:2001に規定されるMIT耐折疲労試験において折り曲げ回数が600回で断線が発生しないことを特徴とする。
層間剥離評価:電磁波シールドフィルムを熱プレスによりプリント配線板上に貼り付け、得られたシールドプリント配線板を、265℃に加熱し、その後、室温まで冷却し、この加熱及び冷却を合計5回行った後、上記電磁波シールドフィルムに膨れが生じているか否かを目視により観察する。
本発明の電磁波シールドフィルムでは、シールド層には、複数の開口部が形成されている。
そのため、本発明の電磁波シールドフィルムを用いてシールドプリント配線板を製造する際の、加熱プレス工程やはんだリフロー工程等においてシールド層と導電性接着剤層との間に揮発成分が発生したとしても、揮発成分は、シールド層の開口部を通過することができる。
従って、シールド層と導電性接着剤層との間に揮発成分が溜まりにくくなる。その結果、層間密着が破壊されることを防止することができる。
そのため、後述する層間剥離評価において膨れが生じず、後述するKEC法で測定した200MHzにおける電磁波シールド特性が高くなる。
本発明の電磁波シールドフィルムは、層間剥離評価において、膨れが生じない。すなわち、シールド層と導電性接着剤層との間の層間密着が破壊されにくい。
なお、層間剥離評価とは以下の評価を意味する。
電磁波シールドフィルムを熱プレスによりプリント配線板上に貼り付け、得られたシールドプリント配線板を、265℃に加熱し、その後、室温まで冷却し、この加熱及び冷却を合計5回行った後、上記電磁波シールドフィルムに膨れが生じているか否かを目視により観察する。
また、本発明の電磁波シールドフィルムは、JIS P8115:2001に規定されるMIT耐折疲労試験において折り曲げ回数が600回で断線が発生しない。
本発明の電磁波シールドフィルムがこの様に高い耐折り曲げ性を有する場合、本発明の電磁波シールドフィルムをフレキシブルプリント配線板等に用いたとしても、断線が生じにくい。
本発明の電磁波シールドフィルムは、KEC法で測定した200MHzにおける電磁波シールド特性が、85dB以上であることが望ましい。このような電磁波シールドフィルムは、充分に高いシールド特性を有する。
なお、「KEC法」とは以下の方法を意味する。
図1は、KEC法で用いられるシステムの構成を模式的に示す模式図である。
KEC法で用いられるシステムは、電磁波シールド効果測定装置80と、スペクトラム・アナライザ91と、10dBの減衰を行うアッテネータ92と、3dBの減衰を行うアッテネータ93と、プリアンプ94とで構成される。
図1に示すように、電磁波シールド効果測定装置80には、2つの測定治具83が対向して設けられている。この測定治具83の間に、電磁波シールドフィルム(図1中、符号110で示す)が挟持されるように設置する。測定治具83には、TEMセル(Transverse Electro Magnetic Cell)の寸法配分が取り入れられ、その伝送軸方向に垂直な面内で左右対称に分割した構造になっている。但し、電磁波シールドフィルム110の挿入によって短絡回路が形成されることを防止するために、平板状の中心導体84は各測定治具83との間に隙間を設けて配置されている。
KEC法では、先ず、スペクトラム・アナライザ91から出力した信号を、アッテネータ92を介して送信側の測定治具83に入力する。そして、受信側の測定治具83で受けてアッテネータ93を介した信号をプリアンプ94で増幅してから、スペクトラム・アナライザ91により信号レベルを測定する。なお、スペクトラム・アナライザ91は、電磁波シールドフィルム110を電磁波シールド効果測定装置80に設置していない状態を基準として、電磁波シールドフィルム110を電磁波シールド効果測定装置80に設置した場合の減衰量を出力する。
本発明の電磁波シールドフィルムは、このような装置を用いて測定した200MHzにおける電磁波シールド特性が、85dB以上である。
本発明の電磁波シールドフィルムでは、上記開口部の開口面積と、開口ピッチとが、下記式(1)及び式(2)の関係を満たすことが望ましい。
y≧0.02x+3・・・(1)
y≦0.135x・・・・(2)
(式(1)及び式(2)中、yは開口面積(μm)の平方根を示し、xは開口ピッチ(μm)を示す。)
開口部の開口面積と、開口ピッチとが、上記式(1)及び式(2)の関係を満たす場合、層間剥離評価、及び、JIS P8115:2001に規定されるMIT耐折疲労試験における評価が良好になる。
本発明の電磁波シールドフィルムでは、上記開口部の開口面積は、70〜71000μmであり、かつ、上記開口部の開口率は、0.05〜3.6%であることが望ましい。
シールド層に形成された開口部の開口面積及び開口率がこの範囲であれば、耐折り曲げ性が充分であり、かつ、シールド層と導電性接着剤層との間に揮発成分が溜まることを防止することができる。
開口部の開口面積が、70μm未満であると、開口部が狭すぎ、揮発成分がシールド層を通過しにくくなる。その結果、シールド層と導電性接着剤層との間に揮発成分が溜まりやすくなる。そのため、該電磁波シールドフィルムを用いてシールドプリント配線板を製造時する際に、シールド層と導電性接着剤層との層間密着が破壊されやすくなる。その結果、シールド特性が低下する。
開口部の開口面積が、71000μmを超えると、開口部が広すぎ、シールド層が弱くなり、耐折り曲げ性が低下する。
開口部の開口率が、0.05%未満であると、開口部の割合が少なすぎ、揮発成分がシールド層を通過しにくくなる。その結果、シールド層と導電性接着剤層との間に揮発成分が溜まりやすくなる。
開口部の開口率が、3.6%を超えると、開口部の割合が多すぎ、シールド層が弱くなり、耐折り曲げ性が低下する。
なお、本明細書において、「開口率」とは、シールド層の主面全体の面積に対する、複数の開口部の総開口面積のことを意味する。
本発明の電磁波シールドフィルムでは、上記開口部の開口ピッチは、10〜10000μmであることが望ましい。
開口部の開口ピッチが10μm未満であると、シールド層全体で開口部の割合が多くなる。その結果、シールド層が弱くなり、耐折り曲げ性が低下する。
開口部の開口ピッチが10000μmを超えると、シールド層全体で開口部の割合が少なくなる。その結果、揮発成分がシールド層を通過しにくくなり、シールド層と導電性接着剤層との間に揮発成分が溜まりやすくなる。
なお、本明細書において、「開口部の開口ピッチ」とは、最も近く隣り合う開口部同士の重心間の距離のことをいう。
本発明の電磁波シールドフィルムでは、上記シールド層の厚さは、0.5μm以上であることが望ましい。
シールド層の厚さが0.5μm未満であると、シールド層が薄すぎるので、シールド特性が低くなる。
本発明の電磁波シールドフィルムでは、上記シールド層は、銅層を含むことが望ましい。
銅は、導電性及び経済性の観点からシールド層にとって好適な材料である。
本発明の電磁波シールドフィルムでは、上記シールド層は、さらに銀層を含み、上記銀層は、上記絶縁層側に配置されており、上記銅層は、上記導電性接着剤層側に配置されていることが望ましい。
このような構成の電磁波シールドフィルムは、絶縁層に、開口部が形成されるように銀ペーストを塗り銀層とし、銀層に銅をめっきすることにより容易に作製することができる。
本発明の電磁波シールドフィルムは、フレキシブルプリント配線板用であることが望ましい。
本発明の電磁波シールドフィルムは、上記の通り、シールドプリント配線板を製造する際にシールド層と導電性接着剤層との間に揮発成分が溜まりにくい。また、本発明の電磁波シールドフィルムは、充分な耐折り曲げ性を有する。そのため、本発明の電磁波シールドフィルムは、フレキシブルプリント配線板に用いられ繰り返し折り曲げられたとしても、破損しにくい。
従って、本発明の電磁波シールドフィルムは、フレキシブルプリント配線板用の電磁波シールドフィルムとして、好適に用いることができる。
本発明のシールドプリント配線板は、プリント回路が形成されたベース部材と、上記プリント回路を覆うように上記ベース部材上に設けられた絶縁フィルムを有するプリント配線板と、上記プリント配線板上に設けられた電磁波シールドフィルムとを有するシールドプリント配線板であって、上記電磁波シールドフィルムは、上記本発明の電磁波シールドフィルムであることを特徴とする。
また、本発明のシールドプリント配線板では、上記プリント配線板は、フレキシブルプリント配線板であることが望ましい。
本発明のシールドプリント配線板は、充分な耐折り曲げ性を有する本発明の電磁波シールドフィルムを有する。そのため、本発明のシールドプリント配線板も充分な耐折り曲げ性を有する。
本発明の電子機器は、上記本発明のシールドプリント配線板が折り曲げられた状態で組み込まれていることを特徴とする。
上記の通り、本発明のシールドプリント配線板は、充分な耐折り曲げ性を有する。そのため、折り曲げられた状態で電子機器に組み込まれたとしても破損しにくい。従って、本発明の電子機器は、シールドプリント配線板を配置するための空間を狭くすることができる。
そのため、本発明の電子機器は薄型にすることができる。
本発明の電磁波シールドフィルムでは、シールド層に複数の開口部が形成されており、層間剥離評価において、膨れが生じず、JIS P8115:2001に規定されるMIT耐折疲労試験において折り曲げ回数が600回で断線が発生しない。
そのため、本発明の電磁波シールドフィルムを用いてシールドプリント配線板を製造する際の、加熱プレス工程やはんだリフロー工程等においてシールド層と導電性接着剤層との間に揮発成分が発生したとしても、揮発成分は、シールド層の開口部を通過することができる。従って、シールド層と導電性接着剤層との間に揮発成分が溜まりにくくなる。その結果、層間密着が破壊されることを防止することができる。
また、本発明のシールドフィルムは高い耐折り曲げ性を有する。
図1は、KEC法で用いられるシステムの構成を模式的に示す模式図である。 図2は、本発明の電磁波シールドフィルムの一例を模式的に示す断面図である。 図3(a)及び(b)は、シールド層に開口部が形成されていない電磁波シールドフィルムを用いてシールドプリント配線板を製造する場合を模式的に示す模式図である。 図4(a)〜(c)は、本発明の電磁波シールドフィルムを構成するシールド層における開口部の配列パターンの一例を模式的に示す平面図である。 図5は、シールド層が銅層及び銀層からなる本発明の電磁波シールドフィルムの一例を模式的に示す断面図である。 図6(a)〜(c)は、本発明の電磁波シールドフィルムの製造方法の一例を模式的に順に示す工程図である。 図7は、本発明の電磁波シールドフィルムの製造方法における絶縁層準備工程の一例を模式的に示す工程図である。 図8は、本発明の電磁波シールドフィルムの製造方法における銀ペースト印刷工程の一例を模式的に示す工程図である。 図9は、本発明の電磁波シールドフィルムの製造方法における銀ペースト印刷工程の一例を模式的に示す工程図である。 図10は、本発明の電磁波シールドフィルムの製造方法における銀ペースト印刷工程の一例を模式的に示す工程図である。 図11(a)及び(b)は、本発明の電磁波シールドフィルムの製造方法における銅めっき工程の一例を模式的に示す工程図である。 図12(a)及び(b)は、本発明の電磁波シールドフィルムの製造方法における導電性接着剤層形成工程の一例を模式的に示す工程図である。 図13は、縦軸を開口面積の平方根とし、横軸を開口ピッチとする電磁波シールドフィルムの散布図であり、電磁波シールドフィルムの層間剥離評価を示している図である。 図14は、縦軸を開口面積の平方根とし、横軸を開口ピッチとする電磁波シールドフィルムの散布図であり、電磁波シールドフィルムの耐折り曲げ性の評価を示している図である。 図15は、縦軸を開口面積の平方根とし、横軸を開口ピッチとする電磁波シールドフィルムの散布図であり、電磁波シールドフィルムの電磁波シールド特性の評価及び耐折り曲げ性の評価の総合評価を示している図である。 図16は、縦軸を開口面積の平方根とし、横軸を開口ピッチとする電磁波シールドフィルムの散布図であり、電磁波シールドフィルムの電磁波シールド特性の評価を示している図である。 図17は、縦軸を開口面積の平方根とし、横軸を開口ピッチとする電磁波シールドフィルムの散布図であり、電磁波シールドフィルムの層間剥離評価、耐折り曲げ性の評価の総合評価、及び、電磁波シールド特性の評価を示している図である。
以下、本発明の電磁波シールドフィルムについて具体的に説明する。しかしながら、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。
図2は、本発明の電磁波シールドフィルムの一例を模式的に示す断面図である。
図2に示すように、電磁波シールドフィルム10は、導電性接着剤層20と、導電性接着剤層20の上に積層されたシールド層30と、シールド層30の上に積層された絶縁層40とからなる。
また、シールド層30には、複数の開口部50が形成されている。
(導電性接着剤層)
電磁波シールドフィルム10では、導電性接着剤層20は、導電性を有し接着剤として機能できればどのような材料から構成されていてもよい。
例えば、導電性接着剤層20は、導電性粒子と、接着性樹脂組成物とから構成されていてもよい。
導電性粒子としては、特に限定されないが、金属微粒子、カーボンナノチューブ、炭素繊維、金属繊維等であってもよい。
導電性粒子が金属微粒子である場合、金属微粒子としては、特に限定されないが、銀粉、銅粉、ニッケル粉、ハンダ粉、アルミニウム粉、銅粉に銀めっきを施した銀コート銅粉、高分子微粒子やガラスビーズ等を金属で被覆した微粒子等であってもよい。
これらの中では、経済性の観点から、安価に入手できる銅粉又は銀コート銅粉であることが望ましい。
導電性粒子の平均粒子径は、特に限定されないが、0.5〜15.0μmであることが望ましい。導電性粒子の平均粒子径が0.5μm以上であると、導電性接着剤層の導電性が良好となる。導電性粒子の平均粒子径が15.0μm以下であると、導電性接着剤層を薄くすることができる。
導電性粒子の形状は、特に限定されないが、球状、扁平状、リン片状、デンドライト状、棒状、繊維状等から適宜選択することができる。
接着性樹脂組成物の材料としては、特に限定されないが、スチレン系樹脂組成物、酢酸ビニル系樹脂組成物、ポリエステル系樹脂組成物、ポリエチレン系樹脂組成物、ポリプロピレン系樹脂組成物、イミド系樹脂組成物、アミド系樹脂組成物、アクリル系樹脂組成物等の熱可塑性樹脂組成物や、フェノール系樹脂組成物、エポキシ系樹脂組成物、ウレタン系樹脂組成物、メラミン系樹脂組成物、アルキッド系樹脂組成物等の熱硬化性樹脂組成物等を用いることができる。
接着性樹脂組成物の材料はこれらの1種単独であってもよく、2種以上の組み合わせであってもよい。
導電性接着剤層20には、必要に応じて、硬化促進剤、粘着性付与剤、酸化防止剤、顔料、染料、可塑剤、紫外線吸収剤、消泡剤、レベリング剤、充填剤、難燃剤、粘度調節剤等が含まれていてもよい。
導電性接着剤層20における導電性粒子の配合量は、特に限定されないが、15〜80質量%であることが好ましく、15〜60質量%であることがより望ましい。
上記範囲であると、導電性接着剤層のプリント配線板への接着性が向上する。
導電性接着剤層20の厚さは、特に限定されず、必要に応じ適宜設定することができるが、0.5〜20.0μmであることが望ましい。
導電性接着剤層の厚さが0.5μm未満であると、良好な導電性が得られにくくなる。導電性接着剤層の厚さが20.0μmを超えると、電磁波シールドフィルム全体の厚さが厚くなり扱いにくくなる。
また、導電性接着剤層20は、異方導電性を有することが望ましい。
導電性接着剤層20が異方導電性を有すると、等方導電性を有する場合に比べて、プリント配線板の信号回路で伝送される高周波信号の伝送特性が向上する。
(絶縁層)
電磁波シールドフィルム10では、絶縁層40は充分な絶縁性を有し、導電性接着剤層20及びシールド層30を保護できれば特に限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物、活性エネルギー線硬化性組成物等から構成されていることが望ましい。
上記熱可塑性樹脂組成物としては、特に限定されないが、スチレン系樹脂組成物、酢酸ビニル系樹脂組成物、ポリエステル系樹脂組成物、ポリエチレン系樹脂組成物、ポリプロピレン系樹脂組成物、イミド系樹脂組成物、アクリル系樹脂組成物等が挙げられる。
上記熱硬化性樹脂組成物としては、特に限定されないが、フェノール系樹脂組成物、エポキシ系樹脂組成物、ウレタン系樹脂組成物、メラミン系樹脂組成物、アルキッド系樹脂組成物等が挙げられる。
上記活性エネルギー線硬化性組成物としては、特に限定されないが、例えば、分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性化合物等が挙げられる。
絶縁層40は、1種単独の材料から構成されていてもよく、2種以上の材料から構成されていてもよい。
絶縁層40には、必要に応じて、硬化促進剤、粘着性付与剤、酸化防止剤、顔料、染料、可塑剤、紫外線吸収剤、消泡剤、レベリング剤、充填剤、難燃剤、粘度調節剤、ブロッキング防止剤等が含まれていてもよい。
絶縁層40の厚さは、特に限定されず、必要に応じて適宜設定することができるが、1〜15μmであることが望ましく、3〜10μmであることがより望ましい。
絶縁層40の厚さが1μm未満であると、薄すぎるので導電性接着剤層20及びシールド層30を充分に保護しにくくなる。
絶縁層40の厚さが15μmを超えると、厚すぎるので電磁波シールドフィルム10が折り曲りにくくなり、また、絶縁層40自身が破損しやすくなる。そのため、耐折り曲げ性が要求される部材へ適用しにくくなる。
(シールド層)
本発明の電磁波シールドフィルムのシールド層を説明する前に、シールド層に開口部が形成されていない電磁波シールドフィルムを用いてシールドプリント配線板を製造する場合について図面を用いて説明する。
図3(a)及び(b)は、シールド層に開口部が形成されていない電磁波シールドフィルムを用いてシールドプリント配線板を製造する場合を模式的に示す模式図である。
図3(a)に示すように、シールドプリント配線板を製造する際に、電磁波シールドフィルム510を配置したシールドプリント配線板は、加熱プレスやはんだリフローにより加熱されることになる。
この加熱により、電磁波シールドフィルム510の導電性接着剤層520、プリント配線板の絶縁フィルム、ベースフィルム等から揮発成分560が発生する。
このような状態で急激な加熱が行われると、図3(b)に示すように、シールド層530と導電性接着剤層520との間に溜まった揮発成分560によって、シールド層530と導電性接着剤層520との層間密着が破壊されてしまう場合がある。
しかし、図2に示す電磁波シールドフィルム10では、シールド層30に、複数の開口部50が形成されている。
そのため、電磁波シールドフィルム10を用いてシールドプリント配線板を製造する際、加熱によりシールド層30と導電性接着剤層20との間に揮発成分が発生したとしても、揮発成分は、シールド層30の開口部50を通過することができる。
従って、シールド層30と導電性接着剤層20との間に揮発成分が溜まりにくくなる。その結果、層間密着が破壊されることを防止することができる。
そのため、電磁波シールドフィルム10は、上記層間剥離評価において膨れが生じにくい。
従って、上記KEC法で測定した200MHzにおける電磁波シールド特性を85dB以上とすることができる。
電磁波シールドフィルム10では、開口部50の開口面積は、70〜71000μmであることが望ましく、かつ、開口部50の開口率は、0.05〜3.6%であることが望ましい。
開口部50の開口面積は、70〜32000μmであることがより望ましく、70〜10000μmであることがさらに望ましく、80〜8000μmであることがよりさらに望ましい。
また、開口部50の開口率は、0.1〜3.6%であることがより望ましい。
シールド層30に形成された開口部50の開口面積及び開口率がこの範囲であれば、耐折り曲げ性が充分であり、かつ、シールド層30と導電性接着剤層20との間に揮発成分が溜まることを防止することができる。
また、層間剥離評価及びKEC法で測定した200MHzにおける電磁波シールドフィルムの電磁波シールド特性が良好になる。
シールド層の開口部の開口面積が、70μm未満であると、開口部が狭すぎ、揮発成分がシールド層を通過しにくくなる。その結果、シールド層と導電性接着剤層との間に揮発成分が溜まりやすくなる。
シールド層の開口部の開口面積が、71000μmを超えると、開口部が広すぎ、シールド層が弱くなり、耐折り曲げ性が低下する。
シールド層の開口部の開口率が、0.05%未満であると、開口部の割合が少なすぎ、揮発成分がシールド層を通過しにくくなる。その結果、シールド層と導電性接着剤層との間に揮発成分が溜まりやすくなる。
シールド層の開口部の開口率が、3.6%を超えると、開口部の割合が多すぎ、シールド層が弱くなり、耐折り曲げ性が低下する。
電磁波シールドフィルム10では、開口部50の形状は、特に限定されず、円形、楕円形、レーストラック形、三角形、四角形、五角形、六角形、八角形、星形等であってもよい。
これらの中では、開口部50の形成のしやすさから、円形であることが望ましい。
また、複数の開口部50の形状は、1種単独であってもよく、複数種類が組み合わされていてもよい。
電磁波シールドフィルム10では、開口部50の開口ピッチは、10〜10000μmであることが望ましく、25〜2000μmであることがより望ましく、250〜2000μmであることがさらに望ましい。
開口部の開口ピッチが10μm未満であると、シールド層全体で開口部の割合が多くなる。その結果、シールド層が弱くなり、耐折り曲げ性が低下する。
開口部の開口ピッチが10000μmを超えると、シールド層全体で開口部の割合が少なくなる。その結果、揮発成分がシールド層を通過しにくくなり、シールド層と導電性接着剤層との間に揮発成分が溜まりやすくなる。その結果、シールド層と導電性接着剤層との層間密着が破壊されやすくなり、シールド特性も低下しやすくなる。
電磁波シールドフィルム10において、開口部50の開口面積と、開口ピッチとは、下記式(1)及び式(2)の関係を満たすことが望ましい。
y≧0.02x+3・・・(1)
y≦0.135x・・・・(2)
(式(1)及び式(2)中、yは開口面積(μm)の平方根を示し、xは開口ピッチ(μm)を示す。)
電磁波シールドフィルム10において、開口部の開口面積と、開口ピッチとが、上記式(1)及び式(2)を満たす場合、層間剥離評価、及び、JIS P8115:2001に規定されるMIT耐折疲労試験における評価が良好になる。
電磁波シールドフィルム10において、開口部50の配列パターンは、特に限定されないが、例えば、以下に示す配列パターンであってもよい。
図4(a)〜(c)は、本発明の電磁波シールドフィルムを構成するシールド層における開口部の配列パターンの一例を模式的に示す平面図である。
図4(a)に示すように、開口部50の配列パターンは、正三角形を縦横に連続的に並べた平面において、各開口部50の中心が正三角形の頂点に位置するような配列パターンであってもよい。
また、図4(b)に示すように、開口部50の配列パターンは、正方形を縦横に連続的に並べた平面において、開口部50の中心が正方形の頂点に位置するような配列パターンであってもよい。
また、図4(c)に示すように、開口部50の配列パターンは、正六角形を縦横に連続的に並べた平面において、開口部50の中心が正六角形の頂点に位置するような配列パターンであってもよい。
電磁波シールドフィルム10では、シールド層30の厚さは、0.5μm以上であることが望ましく、1.0μm以上であることがより望ましい。また、シールド層30の厚さは、10μm以下であることが望ましい。
シールド層の厚さが0.5μm未満であると、シールド層が薄すぎるので、シールド特性が低くなる。
また、シールド層30の厚さが1.0μm以上であると、周波数が0.01〜10GHzである高周波の信号を伝送する信号伝達系において伝送特性が良好になる。
なお、シールド層に開口部が形成されていない場合、シールド層が厚くなると、シールドプリント配線板を製造する際に、シールド層と導電性接着剤層との間における層間密着の破壊が生じやすくなる。特に、シールド層30の厚さが、1.0μmを超えると、層間密着の破壊が顕著に生じる。しかし、電磁波シールドフィルム10では、シールド層30には開口部50が形成されているので、シールド層30と導電性接着剤層20との間の層間密着が破壊されることを防止することができる。
本発明の電磁波シールドフィルムは、周波数が0.01〜10GHzの信号を伝送する信号伝達系に用いられることが望ましい。
本発明の電磁波シールドフィルムにおいて、シールド層は、電磁波シールド性を有すればどのような材料からなっていてもよく、例えば、金属層からなっていてもよい。
シールド層は、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、スズ、パラジウム、クロム、チタン、亜鉛等の材料からなる層を含んでいてもよく、銅層を含むことが望ましい。
銅は、導電性及び経済性の観点からシールド層にとって好適な材料である。
なお、上記シールド層は、上記金属の合金からなる層を含んでいてもよい。
また、シールド層は、複数の金属の層が積層されてなっていてもよい。
特に、シールド層は、銅層及び銀層を含むことが望ましい。
シールド層が、銅層及び銀層を含む場合について図面を用いて説明する。
図5は、シールド層が銅層及び銀層からなる本発明の電磁波シールドフィルムの一例を模式的に示す断面図である。
図5に示す電磁波シールドフィルム110は、導電性接着剤層120と、導電性接着剤層120の上に積層されたシールド層130と、シールド層130の上に積層された絶縁層140とからなる。
また、シールド層130は、銅層132及び銀層131からなり、銀層131は、絶縁層140側に配置されており、銅層132は、導電性接着剤層120側に配置されている。
このような構成の電磁波シールドフィルム110は、絶縁層140に、開口部150が形成されるように銀ペーストを塗り銀層とし、銀層に銅をめっきすることにより容易に作製することができる。
(その他の構成)
本発明の電磁波シールドフィルムでは、絶縁層とシールド層の間にアンカーコート層が形成されていてもよい。
アンカーコート層の材料としては、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂をシェルとしアクリル樹脂をコアとするコア・シェル型複合樹脂、エポキシ樹脂、イミド樹脂、アミド樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、ポリイソシアネートにフェノール等のブロック化剤を反応させて得られたブロックイソシアネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
また、本発明の電磁波シールドフィルムでは、絶縁層側に支持体フィルムを備えていてもよく、導電性接着剤層側に剥離性フィルムを有していてもよい。電磁波シールドフィルムが、支持体フィルムや剥離性フィルムを有していると、本発明の電磁波シールドフィルムの輸送や、本発明の電磁波シールドフィルムを用いたシールドプリント配線板等を製造する際の作業において、本発明の電磁波シールドフィルムが扱いやすくなる。
また、シールドプリント配線板等に本発明の電磁波シールドフィルムを配置する際に、このような支持体フィルムや剥離性フィルムは剥がされることになる。
本発明の電磁波シールドフィルムは、電磁波を遮断する目的であればどのような用途で用いてもよい。
特に、本発明の電磁波シールドフィルムは、プリント配線板、特に、フレキシブルプリント配線板に用いることが望ましい。
本発明の電磁波シールドフィルムは、上記の通り、シールドプリント配線板を製造する際にシールド層と導電性接着剤層との間に揮発成分が溜まりにくい。また、本発明の電磁波シールドフィルムは、充分な耐折り曲げ性を有する。そのため、本発明の電磁波シールドフィルムは、フレキシブルプリント配線板に用いられ繰り返し折り曲げられたとしても、破損しにくい。
従って、本発明の電磁波シールドフィルムは、フレキシブルプリント配線板用の電磁波シールドフィルムとして、好適に用いることができる。
このように本発明の電磁波シールドフィルムを有するシールドプリント配線板は、本発明のシールドプリント配線板である。
すなわち、本発明のシールドプリント配線板は、プリント回路が形成されたベース部材と、上記プリント回路を覆うように上記ベース部材上に設けられた絶縁フィルムを有するプリント配線板と、上記プリント配線板上に設けられた電磁波シールドフィルムとを有するシールドプリント配線板であって、上記電磁波シールドフィルムは、上記本発明の電磁波シールドフィルムであることを特徴とする。
また、上記プリント配線板は、フレキシブルプリント配線板であることが望ましい。
本発明のシールドプリント配線板は、充分な耐折り曲げ性を有する本発明の電磁波シールドフィルムを有する。そのため、本発明のシールドプリント配線板も充分な耐折り曲げ性を有する。
本発明のシールドプリント配線板は、電子機器に組み込まれて使用されることになる。
特に、上記本発明のシールドプリント配線板が折り曲げられた状態で組み込まれている電子機器は、本発明の電子機器である。
上記の通り、本発明のシールドプリント配線板は、充分な耐折り曲げ性を有する。そのため、折り曲げられた状態で電子機器に組み込まれたとしても破損しにくい。従って、本発明の電子機器は、シールドプリント配線板を配置するための空間を狭くすることができる。
そのため、本発明の電子機器は薄型にすることができる。
(電磁波シールドフィルムの製造方法)
次に、本発明の電磁波シールドフィルムの製造方法について説明する。なお、本発明の電磁波シールドフィルムは、以下に示す方法で製造されたものに限定されない。
まず、本発明の電磁波シールドフィルムの一例である電磁波シールドフィルム10の製造方法の一例を説明する。
電磁波シールドフィルム10を製造する方法は、(1)シールド層形成工程、(2)絶縁層形成工程、及び、(3)導電性接着剤層形成工程を含む。
これらの工程を、図面を用いて以下に詳述する。
図6(a)〜(c)は、本発明の電磁波シールドフィルムの製造方法の一例を模式的に順に示す工程図である。
(1)シールド層形成工程
まず、図6(a)に示すように、電磁波シールド性を有するシート35を準備し、シート35に、開口部50を形成しシールド層30を作製する。
この際、開口部50の開口面積と、開口ピッチとが、下記式(1)及び式(2)の関係を満たすように開口部を形成することが望ましい。
y≧0.02x+3・・・(1)
y≦0.135x・・・・(2)
(式(1)及び式(2)中、yは開口面積(μm)の平方根を示し、xは開口ピッチ(μm)を示す。)
開口部50は、パンチングや、レーザー照射等により形成することができる。
また、シート35が銅等のエッチング可能な材料からなる場合、シート35の表面に開口部50が形成されるようなパターンのレジストを配置し、エッチングにより開口部50を形成してもよい。
また、導電性ペーストや、めっき触媒として機能するペーストを、シート35の表面に印刷してもよい。この印刷において、所定のパターンで印刷することにより開口部50を形成してもよい。
上記めっき触媒として機能するペーストを印刷する場合、ペーストを印刷して開口部50を形成した後、無電解めっき法や電解めっき法により金属膜を形成することによりシールド層を形成することが望ましい。
上記めっき触媒として機能するペーストとしては、ニッケル、銅、クロム、亜鉛、金、銀、アルミニウム、錫、コバルト、パラジウム、鉛、白金、カドミウム及びロジウム等からなる金属を含有する流動体を用いることができる。
(2)絶縁層形成工程
次に、図6(b)に示すように、シールド層30の一方の面に、絶縁層用樹脂組成物45をコーティングし硬化させて絶縁層40を形成する。
絶縁層用樹脂組成物をコーティングする方法としては、従来公知のコーティング方法、例えば、グラビアコート方式、キスコート方式、ダイコート方式、リップコート方式、コンマコート方式、ブレードコート方式、ロールコート方式、ナイフコート方式、スプレーコート方式、バーコート方式、スピンコート方式、ディップコート方式等が挙げられる。
絶縁層用樹脂組成物を硬化させる方法としては、絶縁層用樹脂組成物の種類に応じ、従来公知の種々の方法を採用することができる。
(3)導電性接着剤層形成工程
次に、図6(c)に示すように、シールド層30の絶縁層40が形成された面と反対の面に導電性接着剤層用組成物25をコーティングして導電性接着剤層20を形成する。
導電性接着剤層用組成物25をコーティングする方法としては、従来公知のコーティング方法、例えば、グラビアコート方式、キスコート方式、ダイコート方式、リップコート方式、コンマコート方式、ブレードコート方式、ロールコート方式、ナイフコート方式、スプレーコート方式、バーコート方式、スピンコート方式、ディップコート方式等が挙げられる。
以上の工程を経て、本発明の電磁波シールドフィルムの一例である、電磁波シールドフィルム10を製造することができる。
次に、本発明の電磁波シールドフィルムの一例であり、シールド層が銅層及び銀層からなる電磁波シールドフィルム110を製造する方法の一例を説明する。
電磁波シールドフィルム110を製造する方法は、(1)絶縁層準備工程、(2)銀ペースト印刷工程、(3)銅めっき工程及び(4)導電性接着剤層形成工程を含む。
これらの工程を、図7〜図12を用いて以下に詳述する。
(1)絶縁層準備工程
図7は、本発明の電磁波シールドフィルムの製造方法における絶縁層準備工程の一例を模式的に示す工程図である。
まず、図7に示すように、絶縁層140を準備する。
絶縁層140は、従来の方法により準備することができる。
(2)めっき触媒として金属を含有する流動体の印刷工程(銀ペースト印刷工程)
次に、絶縁層の一方の主面に、銀ペーストをめっき触媒として印刷する。この際、銀ペーストに開口部が形成されるようにする。
銀ペーストを印刷する方法としては、グラビア印刷などの凹版印刷や、フレキソ印刷など凸版印刷による方法、スクリーン印刷による方法、凹版や凸版、スクリーン等でパターンを形成したものを転写して行うオフセット印刷による方法、版が不要なインクジェット印刷による方法等が挙げられる。
以下にグラビア印刷により銀ペーストを印刷する方法を説明する。
図8〜図10は、本発明の電磁波シールドフィルムの製造方法における銀ペースト印刷工程の一例を模式的に示す工程図である。
まず、図8に示すように、複数の柱状の突起部72が、表面に形成されたロール状の版胴70を準備する。なお、突起部72が形成されていない版胴の表面は、突起部非形成領域71である。
次に、図9に示すように、突起部非形成領域71に銀ペースト133を取り込ませる。この際、突起部72の上面73に銀ペースト133が塗布されないようにする。
そして、図10に示すように、圧胴75と、銀ペースト133を取り込んだ版胴70との間に絶縁層140を通すことにより、絶縁層140の一方の主面に銀ペースト133を印刷する。
この印刷において、突起部72が当たる絶縁層140の部分には、銀ペースト133が印刷されず、開口部150とすることができる。
絶縁層140に印刷された銀ペースト133は、銀層131となる。
銀ペースト133は、銀粒子を含んでいれば、他に分散剤、増粘剤、レベリング剤、消泡剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
銀粒子の形状は特に限定されず、球状、フレーク状、樹枝状、針状、繊維状等、任意の形状の材料を使用することができる。
上記銀粒子が粒子状のものの場合、ナノサイズのものが望ましい。具体的には、平均粒子径が1〜100nmの範囲である銀粒子が望ましく、1〜50nmの範囲である銀粒子がより望ましい。
なお、本明細書において「平均粒子径」とは、銀粒子を分散用溶媒にて希釈し、動的光散乱法により測定した体積平均値のことを意味する。
この測定にはマイクロトラック社製「ナノトラックUPA−150」を用いることができる。
また、印刷する銀ペーストにより形成される銀層の厚さは、5〜200nmであることが望ましい。
(3)銅めっき工程
図11(a)及び(b)は、本発明の電磁波シールドフィルムの製造方法における銅めっき工程の一例を模式的に示す工程図である。
次に、図11(a)及び(b)に示すように、銀層131の上に銅をめっきすることにより、銀層131の上に銅層132を形成する。
銅のめっき方法は、特に限定されず、従来の無電解めっき、電解めっきを用いることができる。
無電解めっきにより銅をめっきする場合、めっき液としては、硫酸銅と、還元剤と、水性媒体、有機溶剤等の溶媒とを含有するものを用いることが望ましい。
電解めっき法により銅をめっきする場合、めっき液として硫酸銅と、硫酸と、水性媒体とを含有するものを用い、所望とする銅の厚さになるように、めっき処理時間、電流密度、めっき用添加剤の使用量等を制御することによって調整することが望ましい。
めっきする銅の厚さは、0.1〜10μmであることが望ましい。
以上の工程を経て、銀層131及び銅層132からなるシールド層130を形成することができる。
(4)導電性接着剤層形成工程
図12(a)及び(b)は、本発明の電磁波シールドフィルムの製造方法における導電性接着剤層形成工程の一例を模式的に示す工程図である。なお、図12(a)及び(b)では、図11(b)を上下に反転させて、その後の工程を図示している。
次に、図12(a)及び(b)に示すように、銅層132の上に導電性接着剤層用組成物125をコーティングして導電性接着剤層120を形成する。
導電性接着剤層用組成物125をコーティングする方法としては、従来公知のコーティング方法、例えば、グラビアコート方式、キスコート方式、ダイコート方式、リップコート方式、コンマコート方式、ブレードコート方式、ロールコート方式、ナイフコート方式、スプレーコート方式、バーコート方式、スピンコート方式、ディップコート方式等が挙げられる。
以上の工程を経て、本発明の電磁波シールドフィルムの一例である、電磁波シールドフィルム110を製造することができる。
シールド層の開口部の面積(開口部の面積の平方根)が、79μm(8.89μm)、1963μm(44.30μm)、4418μm(66.47μm)、7854μm(88.62μm)、12272μm(110.78μm)、17671μm(132.93μm)、31416μm(177.25μm)、49087μm(221.56μm)又は70686μm(265.87μm)であり、開口ピッチが、10μm、50μm、100μm、200μm、500μm、750μm、1000μm、1500μm、2000μm、3000μm、4000μm、5000μm、7500μm又は10000μmである合計126種の電磁波シールドフィルムを、以下の方法により製造した。
なお、シールド層の開口部の形状は円形である。
(調製例1:銀ペーストの調製例)
エタノール35質量部と、イオン交換水65質量部との混合溶媒に、分散剤としてポリエチレンイミン化合物を用いて平均粒子径30nmの銀粒子を分散させることにより、銀濃度が15質量%の銀ペーストを得た。
(電磁波シールドフィルムの製造)
(1)絶縁層準備工程
厚さが5μmのエポキシ樹脂からなる絶縁層を準備した。
(2)銀ペースト印刷工程
次に、図8〜図10に示すような方法で、ロール状の版胴を用い、絶縁層の一方の主面に、複数の開口部が形成されるように、銀ペーストを印刷して銀層を形成した。
開口部の開口面積及び開口ピッチの組み合わせは上記の通りである。
また、銀層の厚さは、50nmとした。
銀ペーストとしては、調製例1で得られた銀ペーストを用いた。
また、開口部の形状は円形であり、開口部の配列パターンは、正三角形を縦横に連続的に並べた平面において、各開口部の中心が正三角形の頂点に位置するような配列パターンとした。
(3)銅めっき工程
次に、銀ペースト印刷後の絶縁層を無電解銅めっき液(奥野製薬株式会社製「ARGカッパー」、pH12.5)中に55℃で20分間浸漬し、銀層の上に無電解銅めっき膜(厚さ0.5μm)を形成した。
次いで、上記で得られた無電解銅めっき膜の表面をカソードに設置し、含リン銅をアノードに設置し、硫酸銅を含む電気めっき液を用いて電流密度2.5A/dmで30分間電気めっきを行うことによって、銀層の上に、合計の厚さが1μmの銅めっき層を積層した。電気めっき液としては、硫酸銅70g/リットル、硫酸200g/リットル、塩素イオン50mg/リットル、トップルチナSF(奥野製薬工業株式会社製の光沢剤)5g/リットルの溶液を用いた。
(4)導電性接着剤層形成工程
銅層の上に、厚さが15μmとなるように、リン含有エポキシ樹脂に、AgコートCu粉末を20質量%添加した導電性接着剤層をコーティングし、電磁波シールドフィルムを製造した。
なお、コーティング方法としては、リップコート方式を用いた。
(層間剥離評価)
以下の方法により、電磁波シールドフィルムの層間剥離評価を行った。
まず、各電磁波シールドフィルムを熱プレスによりプリント配線板上に貼り付けた。
次いで、このシールドプリント配線板を、23℃、63%RHのクリーンルーム内に7日間放置した後、リフロー時の温度条件に30秒間曝して層間剥離の有無を評価した。なお、リフロー時の温度条件としては、鉛フリーハンダを想定し、最高265℃の温度プロファイルを設定した。また、層間剥離の有無は、シールドプリント配線板を大気リフローに5回通過させ、膨れの有無を目視により観察した。
結果を図13に示す。
図13は、縦軸を開口面積の平方根とし、横軸を開口ピッチとする電磁波シールドフィルムの散布図であり、電磁波シールドフィルムの層間剥離評価を示している図である。
図13において符号「○」は、層間剥離評価において膨れが生じていない電磁波シールドフィルムを示す。
図13において符号「×」は、層間剥離評価において膨れが生じている電磁波シールドフィルムを示す。
図13に示すように、開口面積の平方根をyとし、開口ピッチをxとすると、yとxとの関係が、下記式(1)を満たすと電磁波シールドフィルムの層間剥離評価が良好になる。
y≧0.02x+3・・・(1)
(耐折り曲げ性の評価)
各電磁波シールドフィルムを以下の方法で評価した。
各電磁波シールドフィルムを熱プレスにより50μm厚みのポリイミドフィルムの両面に貼り付け、縦×横=130mm×15mmの大きさにカットして試験片とし、MIT耐折疲労試験機(株式会社安田精機製作所製、No.307 MIT形耐折度試験機)を用い、JIS P8115:2001に規定される方法に基づき耐折り曲げ性を測定した。
試験条件は、以下の通りである。
折曲げクランプ先端R:0.38mm
折曲げ角度 :±135°
折曲げ速度 :175cpm
荷重 :500gf
検出方法 :内蔵電通装置にて、シールドフィルムの断線を感知
結果を図14に示す。
図14は、縦軸を開口面積の平方根とし、横軸を開口ピッチとする電磁波シールドフィルムの散布図であり、電磁波シールドフィルムの耐折り曲げ性の評価を示している図である。
図14において符号「○」は、耐折り曲げ性の評価において折り曲げ回数が600回で断線が発生しない電磁波シールドフィルムを示す。
図14において符号「×」は、耐折り曲げ性の評価において折り曲げ回数が600回未満で断線が発生した電磁波シールドフィルムを示す。
図14に示すように、開口面積の平方根をyとし、開口ピッチをxとすると、yとxとの関係が、下記式(2)を満たすと電磁波シールドフィルムの耐折り曲げ性が良好になる。
y≦0.135x・・・(2)
(層間剥離評価及び耐折り曲げ性の評価の総合評価)
図15は、縦軸を開口面積の平方根とし、横軸を開口ピッチとする電磁波シールドフィルムの散布図であり、電磁波シールドフィルムの層間剥離評価及び耐折り曲げ性の評価の総合評価を示している図である。
図15において符号「○」は、層間剥離評価において膨れが生じておらず、かつ、耐折り曲げ性の評価において折り曲げ回数が600回で断線が発生しない電磁波シールドフィルムを示す。
図15において符号「×」は、層間剥離評価において膨れが生じている、及び/又は、耐折り曲げ性の評価において折り曲げ回数が600回未満で断線が発生した電磁波シールドフィルムを示す。
図15において符号「○」で示される電磁波シールドフィルムは、本発明の実施例に係る電磁波シールドフィルムであり、符号「×」で示される電磁波シールドフィルムは、本発明の比較例に係る電磁波シールドフィルムである。
図15に示すように、開口面積の平方根をyとし、開口ピッチをxとすると、yとxとの関係が、下記式(1)及び式(2)の関係を満たす電磁波シールドフィルムが、本発明の実施例に係る電磁波シールドフィルムである。
y≧0.02x+3・・・(1)
y≦0.135x・・・・(2)
(KEC法による電磁波シールド特性の評価)
各電磁波シールドフィルムの電磁波シールド特性について、一般社団法人KEC関西電子工業振興センターで開発された電磁波シールド効果測定装置を用い、温度25℃、相対湿度30〜50%の条件で、各電磁波シールドフィルムを15cm四方に裁断し、200MHzにおける電磁波シールド特性の測定を行い評価した。
結果を図16に示す。
図16は、縦軸を開口面積の平方根とし、横軸を開口ピッチとする電磁波シールドフィルムの散布図であり、電磁波シールドフィルムの電磁波シールド特性の評価を示している図である。
図16において符号「○」は、KEC法で測定した200MHzにおける電磁波シールド特性が85dB以上である電磁波シールドフィルムを示す。
図16において符号「×」は、KEC法で測定した200MHzにおける電磁波シールド特性が85dB未満である電磁波シールドフィルムを示す。
図16に示すように、開口面積の平方根をyとし、開口ピッチをxとすると、yとxとの関係が、下記式(3)を満たすと電磁波シールドフィルムのKEC法による電磁波シールド特性の評価が良好になる。
y≦0.38x・・・(3)
(層間剥離評価、耐折り曲げ性の評価、及び、KEC法による電磁波シールド特性の評価の総合評価)
図17は、縦軸を開口面積の平方根とし、横軸を開口ピッチとする電磁波シールドフィルムの散布図であり、電磁波シールドフィルムの層間剥離評価、耐折り曲げ性の評価、及び、電磁波シールド特性の評価の総合評価を示している図である。
図17において符号「○」は、層間剥離評価において膨れが生じておらず、KEC法で測定した200MHzにおける電磁波シールド特性が85dB以上であり、かつ、耐折り曲げ性の評価において折り曲げ回数が600回で断線が発生しない電磁波シールドフィルムを示す。
図17において符号「×」は、層間剥離評価において膨れが生じている、及び/又は、耐折り曲げ性の評価において折り曲げ回数が600回未満で断線が発生した電磁波シールドフィルムを示す。
図17に示すように、耐折り曲げ性の評価において折り曲げ回数が600回で断線が発生しない電磁波シールドフィルムは、KEC法で測定した200MHzにおける電磁波シールド特性が85dB以上であるシールドフィルムでもある。
10、110 電磁波シールドフィルム
20、120 導電性接着剤層
25、125 導電性接着剤層用組成物
30、130 シールド層
40、140 絶縁層
45 絶縁層用樹脂組成物
50、150 開口部
70 版胴
71 突起部非形成領域
72 突起部
73 突起部の上面
75 圧胴
80 電磁波シールド効果測定装置
83 測定治具
84 中心導体
91 スペクトラム・アナライザ
92、93 アッテネータ
94 プリアンプ
131 銀層
132 銅層
133 銀ペースト

Claims (11)

  1. 導電性接着剤層と、前記導電性接着剤層の上に積層されたシールド層と、前記シールド層の上に積層された絶縁層とからなる電磁波シールドフィルムであって、
    前記シールド層には、複数の開口部が形成されており、
    下記層間剥離評価において、膨れが生じず、
    JIS P8115:2001に規定されるMIT耐折疲労試験において折り曲げ回数が600回で断線が発生せず、
    前記開口部の開口面積と、開口ピッチとが、下記式(1)及び式(2)の関係を満たすことを特徴とする電磁波シールドフィルム。
    層間剥離評価:電磁波シールドフィルムを熱プレスによりプリント配線板上に貼り付け、得られたシールドプリント配線板を、265℃に加熱し、その後、室温まで冷却し、この加熱及び冷却を合計5回行った後、前記電磁波シールドフィルムに膨れが生じているか否かを目視により観察する。
    y≧0.02x+3・・・(1)
    y≦0.135x・・・(2)
    (式(1)及び式(2)中、yは開口面積(μm )の平方根を示し、xは開口ピッチ(μm)を示す。)
  2. KEC法で測定した200MHzにおける前記電磁波シールドフィルムの電磁波シールド特性が、85dB以上である請求項1に記載の電磁波シールドフィルム。
  3. 前記開口部の開口面積は、70〜71000μmであり、かつ、
    前記開口部の開口率は、0.05〜3.6%である請求項1又は2に記載の電磁波シールドフィルム。
  4. 前記開口部の開口ピッチは、10〜10000μmである請求項1〜のいずれかに記載の電磁波シールドフィルム。
  5. 前記シールド層の厚さは、0.5μm以上である請求項1〜のいずれかに記載の電磁波シールドフィルム。
  6. 前記シールド層は、銅層を含む請求項1〜のいずれかに記載の電磁波シールドフィルム。
  7. 前記シールド層は、さらに銀層を含み、
    前記銀層は、前記絶縁層側に配置されており、
    前記銅層は、前記導電性接着剤層側に配置されている請求項に記載の電磁波シールドフィルム。
  8. フレキシブルプリント配線板用である請求項1〜のいずれかに記載の電磁波シールドフィルム。
  9. プリント回路が形成されたベース部材と、
    前記プリント回路を覆うように前記ベース部材上に設けられた絶縁フィルムを有するプリント配線板と、
    前記プリント配線板上に設けられた電磁波シールドフィルムとを有するシールドプリント配線板であって、
    前記電磁波シールドフィルムは、請求項1〜のいずれかに記載の電磁波シールドフィルムであることを特徴とするシールドプリント配線板。
  10. 前記プリント配線板は、フレキシブルプリント配線板である請求項に記載のシールドプリント配線板。
  11. 請求項又は10に記載のシールドプリント配線板が折り曲げられた状態で組み込まれていることを特徴とする電子機器。
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