JP6404050B2 - アメリカンドッグ用ミックスの製造方法、および、アメリカンドッグの製造方法 - Google Patents
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Description
・アメリカンドッグ用ミックスをあらかじめ冷却しておく。
・チラー水など温度の低い水を用いる。
(1)非ニュートン性が小さい、すなわち、力を加えたときの粘度の低下が小さい。
(2)経時的な粘度の低下が小さい。
(3)温度上昇に伴う粘度の低下が小さい。
なお、以下では、上記(1)から(3)の特性のことを、生地粘度の質という。
(A)アメリカンドッグ用ミックスが100重量部であるとき、穀類粉が50重量部以上88重量部以下であり、糖類が8.0重量部以上48重量部以下であり、膨張剤が1.0重量部以上3.0重量部以下であり、増粘剤が0.1重量部以上2.0重量部以下であるアメリカンドッグ用ミックスである。
(B)前記穀類粉が穀類粉100重量部に対して、下記(X)〜(W)の条件を満たす加熱小麦粉が25重量部以上100重量部以下である。
(X)ショ糖脂肪酸エステルのHLB値が、11以上19以下である。
(Y)小麦粉が100重量部であるとき、ショ糖脂肪酸エステルの重量が、0.4重量部以上5.0重量部以下である。
(Z)小麦粉とショ糖脂肪酸エステルとが混合された状態で、小麦粉とショ糖脂肪酸エステルとの混合物を加熱する温度が、80℃以上100℃以下である。
(W)小麦粉とショ糖脂肪酸エステルとの混合物を加熱する時間が、30分以上60分以下である。
加熱小麦粉は、小麦粉とショ糖脂肪酸エステルとを含む。小麦粉は、薄力粉、中力粉、準強力粉、強力粉、および、全粒粉などの少なくとも1種類の小麦粉を含んでいればよく、2種類以上の小麦粉を含んでいてもよい。
加熱小麦粉においては、小麦粉が100重量部であるとき、ショ糖脂肪酸エステルが、0.4重量部以上5重量部以下である。
加熱小麦粉を製造する際には、まず、100重量部の小麦粉に対して、0.4重量部以上5重量部以下のショ糖脂肪酸エステルをミキサーに投入し、ミキサーを用いて小麦粉とショ糖脂肪酸エステルとを混合する。なお、小麦粉およびショ糖脂肪酸エステルの加熱前に小麦粉とショ糖脂肪酸エステルとを均一に混合できれば、小麦粉およびショ糖脂肪酸エステルの混合の方法は問わない。
アメリカンドッグ用ミックスは、穀類粉、糖類、膨張剤、および、増粘剤を含む。穀類粉は、本実施形態のアメリカンドッグ用ミックスに必須の加熱小麦粉を含み、穀類粉は、さらに、小麦粉、米粉、ライ麦粉、大麦粉、燕麦粉、丸麦粉、ハト麦粉、蕎麦粉、コーンフラワー、コーングリッツ、リダクションフラワー、ソルガム粉、および、豆粉と、これらを加工した加工穀類粉の少なくとも1つを含んでもよい。このうち、小麦粉は、薄力粉、中力粉、準強力粉、および、強力粉と、これらを加工した加工小麦粉の少なくとも1つであればよい。このうち、加工小麦粉には、造粒小麦粉、α化小麦粉などが含まれる。また、加工小麦粉として本実施形態のアメリカンドッグ用ミックスにおいて上述した必須の加熱小麦粉とは異なる加熱小麦粉が用いられてもよい。
[生地の調製]
[加熱小麦粉の製造方法]
加熱小麦粉を製造する際には、まず、100重量部の小麦粉(薄力粉、千葉製粉(株)製)に対して、0.4重量部以上5重量部以下のショ糖脂肪酸エステルをミキサー((株)愛工社製作所製、マイティ60)に投入した。そして、ミキサーを用いて小麦粉とショ糖脂肪酸エステルとを120rpmの回転数で混合した。
アメリカンドッグ用の生地を調製する際には、まず、予め冷却したアメリカンドッグ用ミックスと、冷水とをミキサーボールに投入し、ミキサーボールをミキサー((株)エフ・エム・アイ製、キッチンエイドKSM5WH)に装着した。ミキサーを用いてアメリカンドッグ用ミックスと水とを平面ビーターによって「低速1」の回転速度で、30秒にわたって攪拌した。これにより、温度が10℃である生地を調製した。なお、本実施形態における生地の調整に際しては、直径がΦ2cmであり、長さが7cmであるソーセージを使用するため、生地の粘度を80,000±5,000CPSとなるようにアメリカンドッグ用ミックスの量に対する水の量を調整した。なお、ソーセージの直径および長さは、上述した直径や長さに限らず、適宜変更することができ、生地の粘度は、ソーセージの形状に合わせて変更すればよい。
図1および図2を参照して各実施例および各比較例のアメリカンドッグ用ミックスの組成を説明する。
図1および図2が示すように、実施例1から30,41から43の各々および比較例1から24の各々のアメリカンドッグ用ミックスにおいて、アメリカンドッグ用ミックスの全量が100重量部であるとき、加熱小麦粉が35.2重量部であり、小麦粉(千葉製粉(株)製、薄力粉)が27.0重量部であり、コーンフラワー((株)サニーメイズ製、コーンフラワーイエローNo.7)が12.1重量部であり、デンプン(日本コーンスターチ(株)製、コーンスターチ)が1.0重量部である。すなわち、穀類粉の合計が75.3重量部であり、穀類粉を100重量部とするとき、加熱小麦粉は、46.7重量部である。また、アメリカンドッグ用ミックスにおいて、砂糖が20.4重量部であり、遅効性または持続性のある膨張剤(奥野製薬工業(株)製、トップベーキングパウダーアメリカンドッグ用733−L)が2.3重量部であり、増粘剤(三栄源・エフ・エフ・アイ(株)製、ビストップ(登録商標)D-3000)が0.3重量部である。そして、アメリカンドッグ用ミックスにおいて、食塩が1.0重量部であり、卵白粉(キユーピー(株)製、粉末卵白)が0.5重量部であり、乳化剤(三菱化学フーズ(株)製、S−1570)が0.2重量部である。
図3を参照して、各実施例における加熱小麦粉を調製する際の条件と、アメリカンドッグ用の生地を調製する際の条件とを説明する。
[実施例1]
加熱前の10kgの小麦粉(薄力粉、千葉製粉(株)製)に対して、HLB値が11である0.4重量部(40g)のショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、S−1170)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(キッコーマン(株)製)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は82,782CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が11である0.4重量部(40g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例1と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は82,180CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が11である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例1と同じ)であって、ショ糖ステアリン酸エステルを混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドック用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は80,012CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が11である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例1と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が100℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は79,523CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が11である3重量部(300g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例1と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で30分の間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は80,498CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が11である3重量部(300g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例1と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が100℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する78%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は80,498CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が11である3重量部(300g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例1と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は78,797CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が11である3重量部(300g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例1と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が100℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する81%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は82,983CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が11である5重量部(500g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例1と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は80,520CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が11である5重量部(500g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例1と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が100℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は81,421CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が13である0.4重量部(40g)のショ糖ステアリン酸エステル(第一工業製薬(株)製、DKエステル(登録商標)F−140)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が90℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する81%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は77,993CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が13である3重量部(300g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例11と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ))を使用して、混合物の温度が90℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は78,492CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、S−1570)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が95℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する81%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は78,783CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例13と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が95℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する81%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は80,283CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である2重量部(200g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例13と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が95℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は81,283CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である0.4重量部(40g)のショ糖ステアリン酸エステル(第一工業製薬(株)製、DKエステル(登録商標)SS)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は82,663CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である0.4重量部(40g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例16と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で45分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は78,162CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である0.4重量部(40g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例16と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する81%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は81,328CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例16と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は80,392CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例16と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が100℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は79,699CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である3重量部(300g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例16と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は81,603CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である3重量部(300g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例16と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が100℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する78%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は81,556CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である3重量部(300g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例16と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する78%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は77,428CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である3重量部(300g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例16と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が100℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する79%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は81,695CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である5重量部(500g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例16と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は77,382CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である5重量部(500g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例16と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が100℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する79%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は79,638CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖パルミチン酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、P-1570)を混合した。そして、小麦粉とショ糖パルミチン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する81%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は82,628CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖パルミチン酸エステル(実施例27と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖パルミチン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が100℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する81%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は78,920CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である0.5重量部(50g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例13と同じ)と、HLB値が15である0.5重量部(50g)のショ糖パルミチン酸エステル(実施例27と同じ)とを混合した。そして、小麦粉とショ糖脂肪酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は81,219CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である0.5重量部(50g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例13と同じ)と、HLB値が15である0.5重量部(50g)のショ糖パルミチン酸エステル(実施例27と同じ)とを混合した。そして、小麦粉とショ糖脂肪酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が100℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する82%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は80,329CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例13と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が95℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する78%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は80,621CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例13と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が95℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する84%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は79,933CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例13と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ))を使用して、混合物の温度が95℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する76%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は78,942CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例13と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が95℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する84%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は82,059CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例13と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が95℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する84%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は82,059CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例13と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が95℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は81,623CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例13と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が95℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する81%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は79,424CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例13と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が95℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は80,206CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例13と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が95℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する83%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は82,318CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例13と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が95℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する76%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は79,792CPSであった。
加熱前の1,000kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(10kg)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例13と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置((株)奈良機械製作所製)を使用して、混合物の温度が95℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する81%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は80,479CPSであった。
図4を参照して、各比較例における加熱小麦粉を調製する際の条件と、アメリカンドッグ用の生地を調製する際の条件を説明する。
[比較例1]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が3である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)、S−370)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が100℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する81%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は79,987CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が3である5重量部(500g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例1と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が110℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する83%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は82,887CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が9である5重量部(500g)のショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、S−970)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は77,484CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が9である5重量部(500g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例3と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が100℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する79%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は80,293CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が11である3重量部(300g)のショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、S−1170)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が70℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する75%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は79,391CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、S−1570)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が60℃の状態で60分の間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する70%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は82,353CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である10重量部(1000g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例6と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で60分の間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する82%の水とアメリカンドッグ用ミックスとを混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は81,413CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である10重量部(1000g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例6と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が100℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する83%の水とアメリカンドッグ用ミックスとを混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は80,798CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が16である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)、S−1670)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が70℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する75%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は79,362CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である0.2重量部(20g)のショ糖ステアリン酸エステル(第一工業製薬(株)製、DKエステル(登録商標)SS)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で0分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。つまり、加熱装置に投入した混合物の温度が80℃に達したところで、混合物を加熱装置から取り出した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する73%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は81,290CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である0.2重量部(20g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例10と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で15分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する74%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は79,483CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である0.2重量部(20g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例10と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は82,282CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である0.2重量部(20g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例10と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で45分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は80,196CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である0.2重量部(20g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例10と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は82,498CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である0.2重量部(20g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例10と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で75分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する83%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は81,643CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である0.2重量部(20g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例10と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で90分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する84%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は82,113CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である0.4重量部(40g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例10と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で0分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。つまり、加熱装置に投入した混合物の温度が80℃に達したところで、混合物を加熱装置から取り出した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する74%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は80,394CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である0.4重量部(40g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例10と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で15分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する75%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は79,481CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である0.4重量部(40g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例10と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で75分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する82%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は81,394CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である0.4重量部(40g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例10と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で90分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する85%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は79,136CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が2から3である1重量部(100g)のグリセリン脂肪酸エステル(理研ビタミン(株)製、エマルジーMM−100)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が100℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する81%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は79,984CPSであった。
10kgの小麦粉(実施例1と同じ)を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、小麦粉の温度が95℃の状態で60分間にわたって加熱し、加熱後の小麦粉にHLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例6と同じ)を混合して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する81%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は81,721CPSであった。
10kgの小麦粉(実施例1と同じ)を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、小麦粉の温度が125℃の状態で60分間にわたって加熱し、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する84%の水を混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は82,182CPSであった。
小麦粉(実施例1と同じ)を加熱せずに、アメリカンドッグ用ミックスに加えた。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する70%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は80,683CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例6と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が95℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する78%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は78,962CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例6と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が95℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する85%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は76,157CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例6と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が95℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する75%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は79,104CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例6と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が95℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は77,635CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例6と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が95℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は77,635CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例6と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が95℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する84%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は81,787CPSであった。
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例6と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ))を使用して、混合物の温度が95℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する89%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は82,642CPSであった。
[試験方法]
加熱小麦粉に対する湿麩試験を説明する。
湿麩試験では、まず、20gの加熱小麦粉と12mlの水とを混合し、スプーンを用いて加熱小麦粉と水との混合物を混ぜた。そして、混合物が1つに纏まってきたところで、混合物を手のひらで団子状に丸めて、指で生地を100回捏ねた。ボウルに例えば35℃のぬるま湯を張り、ボウルの中に生地を沈めた状態で10分間静置した。
湿麩試験の結果を以下の基準で評価した。
○:湿麩が確認されない。
△:湿麩がわずかに確認されるものの、確認された湿麩同士が纏まらない。
×:湿麩が確認され、かつ、湿麩が1つに纏まる。
なお、湿麩が確認されないことは、小麦粉に含まれるグルテンが熱変性し失活している状態であることを示す。湿麩がわずかに確認されるものの、確認された湿麩同士が纏まらないことは、小麦粉に含まれるグルテンの熱変性が十分でなく、完全に失活していないことを示す。湿麩が確認され、かつ、湿麩が一つに纏まることは、小麦粉に含まれるグルテンの熱変性が十分でなく、完全に失活していないこと、あるいは、小麦粉が加熱処理されていないため、熱変性をしていないことを示す。なお、本実施形態の加熱小麦粉は、湿麩が確認されないことが好ましい。
図3を参照して各実施例における湿麩試験の評価結果を説明し、図4を参照して各比較例における湿麩試験の評価結果を説明する。
図3が示すように、実施例1から実施例41の各々では、湿麩が確認されなかった。一方で、図4が示すように、比較例1から4,8,12から16,19から23,25から31の各々では、湿麩が確認されなかった。比較例5,7,9から11,17,18の各々では、湿麩がわずかに確認されたものの、確認された湿麩同士が纏まらないことが認められた。比較例6,24の各々では、湿麩が確認され、かつ、湿麩が1つに纏まることが認められた。
[攪拌初期の状態の試験方法]
アメリカンドッグ用の生地における攪拌初期の状態の試験方法を説明する。
直径が21cmであるSUS製のボウルに粘度を80,000±5,000CPSに調整したアメリカンドッグ用の生地を入れ、SUS製のデザートスプーンを用いてボウルの内周面に沿ってアメリカンドッグ用の生地を攪拌した。攪拌する速度を1秒ごとに5回とし、2秒間攪拌を続けた。生地を攪拌しているときの抵抗感、すなわち、生地の固さを評価する。なお、本実施例では、攪拌を継続する時間が2秒間であるときに得られた生地の感触を、攪拌初期における生地の状態であると見なした。
生地を攪拌しているときの生地の固さを以下の基準で評価した。
×(H):固く感じる。
△(H):やや固く感じる。
○ :適度な固さである。
△(S):やや柔らかく感じる。
×(S):柔らかく感じる。
図5を参照して各実施例における評価結果を説明し、図6を参照して各比較例における評価結果を説明する。
図5が示すように、実施例1から実施例41の各々では、攪拌初期における生地の固さが適度な固さであることが認められた。一方で、図6が示すように、比較例13,24から30の各々では、攪拌初期における生地の固さが適度な固さであり、比較例1から7,9から12,14から16,18から23の各々では、攪拌初期における生地の固さがやや固く感じられることが認められた。そして、比較例8,17,31の各々では、攪拌初期における生地の固さが固く感じられることが認められた。
アメリカンドッグ用の生地における攪拌後期の状態の試験方法を説明する。
直径が21cmであるSUS製のボウルに粘度を80,000±5,000CPSに調整したアメリカンドッグ用の生地を入れ、SUS製のデザートスプーンを用いてボウルの内周面に沿ってアメリカンドッグ用の生地を攪拌した。攪拌する速度を1秒ごとに5回とし、20秒間攪拌を続けた。生地を攪拌しているときの抵抗感、すなわち、生地の固さを評価した。なお、本実施例では、攪拌を継続する時間が20秒間であるときに得られた生地の感触を、攪拌後期における生地の状態であると見なした。
生地を攪拌しているときの生地の固さを以下の基準で評価した。
×(H):固く感じる。
△(H):やや固く感じる。
○ :適度な固さである。
△(S):やや柔らかく感じる。
×(S):柔らかく感じる。
図5を参照して各実施例における評価結果を説明し、図6を参照して各比較例における評価結果を説明する。
図5が示すように、実施例2,3,6から8,11から30,33,35,36,38,39,41の各々では、攪拌後期における生地の固さが適度な固さであり、実施例1,4,5,9,10,31,32,34,37,40の各々では、攪拌後期における生地の固さがやや柔らかく感じられることが認められた。一方で、図6が示すように、比較例1,3から9,11,12,14から23,31の各々では、攪拌後期における生地の固さがやや柔らかく感じられ、比較例2,10,13,24から30の各々では、攪拌後期における生地の固さが柔らかく感じられることが認められた。
アメリカンドッグ用の生地における攪拌による状態変化の評価方法を説明する。
攪拌初期、および、攪拌後期における生地の固さの評価結果を以下のように点数化した。本評価では、攪拌初期における粘度と攪拌後期における粘度との差に基づき、上述した生地粘度の質のうちの1つである非ニュートン性が小さいか否か、すなわち、力を加えたときの生地における粘度の低下の度合いを評価した。
△(H):4点
○ :3点
△(S):2点
×(S):1点
0:攪拌によって生地の状態は変わらない。
−1:攪拌によって生地が少し緩む。
−2:攪拌によって生地が大きく緩む。
−3:攪拌によって生地が非常に緩む。
図5を参照して各実施例における評価結果を説明し、図6を参照して各比較例における評価結果を説明する。
図5が示すように、実施例2,3,6から8,11から30,33,35,36,38,39,41の各々では、攪拌によって生地の状態は変わらないことが認められ、実施例1,4,5,9,10,31,32,34,37,40の各々では、攪拌によって生地が少し緩むものの、アメリカンドッグの成形には支障がないことが認められた。一方で、図6が示すように、比較例1,3から7,9,11から16,18から30の各々では、攪拌によって生地が大きく緩み、かつ、比較例2,8,10,17,31の各々では、攪拌によって生地が非常に緩むことが認められた。
[緩和弾性率の測定方法]
図7および図8を参照して、緩和弾性率の測定方法を説明する。
10℃における粘度を測定するときには、まず、アメリカンドッグ用ミックスを用いた生地を10℃にて調製用の容器内で調製し、調製した生地を他の容器に移して10分間静置した。
緩和弾性率とは、生地のような粘弾性体において、粘弾性体における応力が低下する過程での歪みに対する応力の比から求められる弾性率である。そして、測定を開始したときに得られる緩和弾性率とは、生地に対してプランジャーPの回転による力がほとんど加えられていないときの弾性率であり、測定を終了するときに得られる緩和弾性率とは、生地に対してプランジャーPの回転による力が与えられた後の弾性率である。
図5を参照して実施例における緩和弾性率の評価結果を説明し、図6を参照して比較例における緩和弾性率の評価結果を説明する。
図5が示すように、実施例1から41の各々では、緩和弾性率の差がいずれも−0.155以上−0.129以下であった。一方で図6が示すように、比較例1から31の各々では、緩和弾性率の差がいずれも−0.268以上−0.156以下であった。このように、実施例における緩和弾性率の差の絶対値は、比較例における緩和弾性率の差の絶対値よりも小さい。すなわち、実施例において生地に力が加わったときの粘度低下が、比較例において生地に力が加わったときの粘度低下よりも小さいことを示している。
レオメーターRを用いて、緩和弾性率を測定したときと同様の方法で、生地Dの粘度を測定した。そして、上述した解析ソフトによって、生地の粘度(Pa・s)が算出された。
測定開始から20秒ごとに4分間にわたって生地Dの粘度を測定し、x軸を秒数、y軸を生地Dの粘度の値として、最小二乗法により回帰直線の傾きを算出した。そして、回帰直線の傾きを以下の基準に基づいて評価した。本評価では、上述した生地粘度の質のうちの1つである経時的な粘度の低下を評価した。なお、アメリカンドッグの製造工場では、一度に大量の生地を調製し、20分以上40分以下にわたって使用する。この点で、上述のように、生地において経時的な粘度低下が小さければ、生地の調製時に調整した適切な生地の粘度が長時間にわたって保たれるため、安定したアメリカンドッグの成形が可能となる。
△:傾きが−0.050以上−0.035未満であって、時間の経過に伴って生地の粘度が少し低くなる。
×:傾きが−0.050未満であって、時間の経過に伴う生地の粘度の変化がかなり低くなる。
図5を参照して実施例における評価結果を説明し、図6を参照して比較例における評価結果を説明する。
図5が示すように、実施例1から41の各々では、いずれも傾きが−0.035以上であり、時間が経過しても生地の粘度はほとんど変化しないことが認められた。一方で、図6が示すように、比較例4,7,9から16,22から24の各々では、傾きが−0.035以上であり、時間が経過しても生地の粘度がほとんど変化しないことが認められた。これに対して、比較例1から3,5,17,18,20,21,26から29の各々では、傾きが−0.050以上−0.035未満であり、時間の経過に伴って生地の粘度が少し低くなることが認められた。また、比較例6,8,19,25,30,31の各々では、傾きが−0.050未満であり、時間の経過に伴って生地の粘度がかなり低くなることが認められた。
レオメーターRを用いて、緩和弾性率を測定したときと同様の方法で、生地Dの粘度(Pa・s)を測定した。ただし、粘度の測定を開始してから、試料台Sの温度を粘度の測定を開始してから20秒ごとに0.5℃ずつ上げた。これにより、粘度の測定を開始したときの試料台Sの温度、すなわち、生地Dの温度を10℃とし、粘度の測定を終了したときの試料台Sの温度、すなわち、生地Dの温度を25℃とした。そして、上述した解析ソフトによって、生地の粘度が算出された。
測定開始から20秒ごとに10分間にわたって生地Dの粘度を測定し、x軸を温度、y軸を生地Dの粘度の値として、最小二乗法により回帰直線の傾きを算出した。そして、回帰直線の傾きを以下の基準に基づいて評価した。
△:傾きが−2.20以上−1.80未満であって、生地の温度が上昇することに伴って、生地の粘度が少し低くなる。
×:傾きが−2.20未満であって、生地の温度が上昇することに伴って、生地の粘度がかなり低くなる。
図5を参照して実施例における評価結果を説明し、図6を参照して比較例における評価結果を説明する。
図5が示すように、実施例1から41の各々では、いずれも傾きが−1.80以上であって、生地の温度が上昇しても生地の粘度がほとんど低くならないことが認められた。一方で、図6が示すように、比較例2,5,6,10から14,16,18から20,23,24,27から29の各々では、傾きが−2.20以上−1.80未満であり、生地の温度が上昇することに伴って、生地の粘度が少し低くなることが認められた。また、比較例1,3,4,7から9,15,17,21,22,25,26,30,31の各々では、傾きが−2.20未満であり、生地の温度が上昇することに伴って、生地の粘度がかなり低くなることが認められた。
[串の調整方法]
アメリカンドック用の串を調整する際には、まず、直径がΦ2cmであり、長さが14cmである魚肉ソーセージ(千代田食品(株)製)を7cmの長さに切り分けた。そして、木製の串を各魚肉ソーセージの先端から基端までにわたって刺し込んだ。なお、各串は円筒形状を有し、各串における直径がΦ5mmであり、長さが15cmである。
アメリカンドッグにおける生地の付着量の測定方法を説明する。
生地の付着量を測定するときには、まず、内容量が1Lである片手ビーカーにアメリカンドッグ用の生地を入れ、片手ビーカーの有する1Lを示す線までアメリカンドッグ用の生地で満たした。そして、片手ビーカーの内部に入った生地の重量を測定した。
生地の付着量の評価方法を説明する。
ソーセージに付着した重量の最適値を49±2.5gとし、生地の付着量を以下の基準に基づき評価した。
×(H):付着量が54g以上である。
△(H):付着量が51.5gよりも大きく、かつ、54g未満である。
○ :付着量が46.5g以上51.5g以下である。
△(L):付着量が44g以上、かつ、46.5g未満である。
×(L):付着量が44g未満である。
図9を参照して実施例における評価結果を説明し、図10を参照して比較例における評価結果を説明する。
図9が示すように、実施例1から41の各々では、いずれも付着量が46.5g以上51.5g以下であり、ソーセージに付着した生地の重量が最適な値であることが認められた。また、実施例42、および、実施例43の各々でも、付着量が46.5g以上51.5gであり、ソーセージに付着した生地の重量が最適な値であることが認められた。
図11から図15を参照してアメリカンドッグの製造方法を説明する。
図11が示すように、アメリカンドッグを製造する際には、まず、アメリカンドッグを製造する作業員は、調製したアメリカンドッグ用の生地11を1Lの片手ビーカーBのうち1Lの目盛りまで移し入れた。そして、調整されたソーセージ12に串13が刺さった状態で、ソーセージ12を片手ビーカーBの中心に挿入して、生地11の中で、ソーセージ12が直径約6cmの円の円周を描くように4回撹拌した。なお、規定量の生地をソーセージ12に付着させるために生地11を攪拌する動作は、生地11の収容される容器の大きさや、ソーセージ12の太さ、および、ソーセージ12の長さによっては異なるし、あるいは、攪拌する動作を行わないこともある。
油ちょうされたアメリカンドッグを網付きバットなどの上に乗せ、10分間油を切った。なお、アメリカンドッグの2つの端部のうち、串の突き出した端部が基端であり、他方の端部が先端である。油切りされた100本のアメリカンドッグの各々について、以下のような形状の不良があるか否かを判断した。
アメリカンドッグの形状の評価方法を説明する。
5人の訓練された作業員がそれぞれ20本ずつ作製した合計100本のアメリカンドッグのうち、6本以上のアメリカンドッグがこぶ形状1を有するとき、あるいは、6本以上のアメリカンドッグがこぶ形状2を有するとき、アメリカンドッグ用の生地の特性が適切でないと判断した。また、訓練された作業員が作製した100本のアメリカンドッグのうち、6本以上のアメリカンドッグがひげ形状1を有するとき、6本以上のアメリカンドッグがひげ形状2を有するとき、あるいは、6本以上のアメリカンドッグがひげ形状3を有するとき、アメリカンドッグ用の生地の特性が適切でないと判断した。
図9を参照して実施例における評価結果を説明し、図10を参照して比較例における評価結果を説明する。
図9が示すように、実施例1から実施例41の各々では、100本のアメリカンドッグのうち、こぶ形状1を有するアメリカンドッグが5本以下であり、こぶ形状2を有するアメリカンドッグが5本以下であることが認められた。また、実施例42、および、実施例43の各々でも、100本のアメリカンドッグのうち、こぶ形状1を有するアメリカンドッグが5本以下であり、こぶ形状2を有するアメリカンドッグが5本以下であることが認められた。
また、比較例1から31の全てにおいて、100本のアメリカンドッグのうち、こぶ形状2を有するアメリカンドッグが6本以上であることが認められた。
図22を参照してアメリカンドッグ用ミックスの作用を説明する。
図22が示すように、下記(A)および(B)を満たすアメリカンドッグ用ミックスによれば、アメリカンドッグにおいてこぶ形状2が生じることが抑えられ、かつ、アメリカンドッグの重量が所定の重量の範囲に収まることが認められた。
(B)前記穀類粉が穀類粉100重量部に対して、下記(X)〜(W)の条件を満たす加熱小麦粉が25重量部以上100重量部以下である。
(X)ショ糖脂肪酸エステルのHLB値が11以上19以下である。
(Y)小麦粉が100重量部であるとき、ショ糖脂肪酸エステルの重量が、0.4重量部以上5.0重量部以下である。
(Z)小麦粉とショ糖脂肪酸エステルとが混合された状態で、小麦粉とショ糖脂肪酸エステルとの混合物を加熱する温度が、80℃以上100℃以下である。
(W)小麦粉とショ糖脂肪酸エステルとの混合物を加熱する時間が、30分以上60分以下である。
[食感の評価に用いるサンプルの作成方法]
食感の評価に用いるサンプルの作成方法を説明する。
上述の方法で製造したアメリカンドッグを1つの網付きバットに5本ずつ並べて、ショックフリーザー(福島工業(株)製、ブラストチラー)を用いて−40℃にて1時間冷凍した。その後、冷凍庫(ホシザキ電機(株)製、HRF-150ZF3)、で−18℃にて保存した。
食感の評価方法を説明する。
油ちょう直後のアメリカンドッグ、ホットウォーマーで4時間保温したアメリカンドッグ、および、ホットウォーマーで6時間保温したアメリカンドッグの各々を5等分して15分間静置した。そして、5つのアメリカンドッグ片の各々を相互に異なる1人のパネラーが食して、アメリカンドッグのひき、さくみ、および、口どけを以下の評価基準に基づき評価した。
5点:ひきが非常に弱い。
4点:ひきが弱い。
3点:ややひきがある。
2点:ひきが強い。
1点:ひきが非常に強い。
[さくみ]
5点:さくみが非常にある。
4点:さくみがある。
3点:ややさくみがある。
2点:さくみが少ない。
1点:さくみが非常に少ない。
[口どけ]
5点:口どけが非常によい。
4点:口どけがよい。
3点:やや口どけがよい。
2点:口どけが悪い。
1点:口どけが非常に悪い。
図23を参照して実施例における食感の評価結果を説明し、図24を参照して比較例における食感の評価結果を説明する。
図23が示すように、実施例1から41の各々では、油ちょう直後のアメリカンドッグにおけるひきが最も弱く、ホットウォーマーで保温する時間が長くなるほど、アメリカンドッグのひきが相対的に強くなることが認められた。しかしながら、実施例1から41の全てにおいて、ホットウォーマーで6時間保温したアメリカンドッグであっても、点数は15点以上であることが認められた。
Claims (2)
- 加熱小麦粉を調製する第1工程と、
アメリカンドッグ用ミックスを調製する第2工程と、を含み、
前記第1工程は、
小麦粉と、
HLB値が11以上19以下であるショ糖脂肪酸エステルであって、前記小麦粉100重量部に対して、0.4重量部以上5.0重量部以下である前記ショ糖脂肪酸エステルと、を混合して混合物を調製する工程と、
前記混合物を80℃以上100℃以下の加熱温度で、30分以上60分以下の間にわたって加熱する加熱工程と、を含み、
前記第2工程は、
前記アメリカンドッグ用ミックス100重量部に対して、
50重量部以上88重量部以下の穀類粉であって、前記穀類粉は前記加熱小麦粉を含み、前記穀類粉100重量部に対して、前記加熱小麦粉が25重量部以上100重量部以下である前記穀類粉と、
8.0重量部以上48重量部以下の糖類と、
1.0重量部以上3.0重量部以下の膨張剤と、
0.1重量部以上2.0重量部以下の増粘剤と、を混合する工程である
アメリカンドッグ用ミックスの製造方法。 - 加熱小麦粉を調製する第1工程と、
アメリカンドッグ用ミックスを調製する第2工程と、
アメリカンドッグ用の生地を調製する第3工程と、を含み、
前記生地をソーセージに付着させて、前記ソーセージと前記生地とを油ちょうして製造されるアメリカンドッグの製造方法であり、
前記第1工程は、
小麦粉と、HLB値が11以上19以下であるショ糖脂肪酸エステルであって、前記小麦粉100重量部に対して、0.4重量部以上5.0重量部以下である前記ショ糖脂肪酸エステルと、を混合して混合物を調製する工程と、
前記混合物を80℃以上100℃以下の加熱温度で、30分以上60分以下の間にわたって加熱する加熱工程と、を含み、
前記第2工程は、
前記アメリカンドッグ用ミックス100重量部に対して、
50重量部以上88重量部以下の穀類粉であって、前記穀類粉は前記加熱小麦粉を含み、前記穀類粉100重量部に対して、前記加熱小麦粉が25重量部以上100重量部以下である前記穀類粉と、
8.0重量部以上48重量部以下の糖類と、
1.0重量部以上3.0重量部以下の膨張剤と、
0.1重量部以上2.0重量部以下の増粘剤と、を混合する工程であり、
前記第3工程は、
前記アメリカンドッグ用ミックスに少なくとも水を加えて、前記生地を調製する工程である
アメリカンドッグの製造方法。
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