JP6404050B2 - アメリカンドッグ用ミックスの製造方法、および、アメリカンドッグの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アメリカンドッグ用の生地の調製に用いられるアメリカンドッグ用ミックス、アメリカンドッグ用ミックスを用いて製造されたアメリカンドッグ、および、アメリカンドッグの製造方法に関する。
アメリカンドッグは、串の刺されたソーセージなどが、ソーセージの周りに付着した生地とともに油で揚げられた食品である。アメリカンドッグは、主に、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、および、サービスエリアやパーキングエリアの店舗などで販売されている。
アメリカンドッグ用の生地の素であるアメリカンドッグ用ミックスには、例えば特許文献1に記載のように、主な成分である小麦粉に対して、乳化剤、膨張剤、および、砂糖などが加えられたミックスが用いられている。アメリカンドック用ミックスに、水が加えられることによって、畜肉や魚肉が原料であるソーセージの周りを覆う生地が調製される。
特開2013−59270号公報
ところで、上述した店舗で販売されるアメリカンドッグには、所定の重量であること、および、こぶの発生がなく所定の外観を有していることが求められている。
ここで、アメリカンドッグの製造時には、1つの方向に沿って延びる棒状を有するソーセージに対して、棒状を有する串が、ソーセージの延びる方向に沿って刺し込まれる。そして、串の刺し込まれたソーセージの周りに、アメリカンドッグ用ミックスから作られた生地が付けられる。
このとき、ソーセージは、生地を収容する容器に対して、先端から串の飛び出した基端に向けて順に挿入され、生地を収容する容器に対して、串が上下に動かされることで、ソーセージの周りに生地が付けられる。ソーセージは、基端から先端に向けて上方に引き抜かれる。そして、アメリカンドッグを製造する作業員が、串を掴んでいる手の手首を身体に向けて返すことによって、引き抜かれたソーセージの先端に付着した生地の一部を、生地を収容する容器から切り離す。次いで、再びソーセージの先端が下方に返された後、アメリカンドッグ用のフライヤーに対して、生地の付いたソーセージが、先端から串の飛び出た基端に向けて入れられ、油ちょうされる。
アメリカンドッグが製造されるときには、生地の粘度が、作業性の良い粘度であり、かつ、規定の重量でソーセージに付着するような特定の範囲である必要がある。そのため、アメリカンドッグの製造工場などでは、アメリカンドッグの製造を開始するときの生地の粘度が、B型粘度計などを用いて所定の範囲となるように管理されている。
B型粘度計で測定した生地の粘度が高過ぎると、すなわち、生地がボテッとしていると、ソーセージへの付着性がよいように考えられる。しかしながら、実際には、生地の粘度が高すぎると、ソーセージが容器から引き抜かれたとき、ソーセージに付着した生地が、ソーセージの下方に位置する容器内の生地に引っ張られるため、ソーセージには、所定の重量の生地が付かなくなる。一方で、B型粘度計で測定した生地の粘度が低過ぎると、すなわち、生地がゆるいと、ソーセージの基端に付着した生地が流れやすいため、ソーセージに一旦付着した生地の一部がソーセージから垂れ落ちてしまい、ソーセージには、所定の重量の生地が付きにくくなる。
なお、生地における適切な粘度の範囲は、ソーセージの大きさによって異なるため、生地の粘度は、アメリカンドッグ用ミックスに加えられる水の量が変えられることで、ソーセージの大きさに応じた値に調整されている。例えば、ソーセージの長さが7cmであり、直径がΦ2cmであるときには、生地の粘度は、80,000±5,000cpsの範囲に含まれることが好ましい。
そこで、生地の粘度を上述した範囲に収めるには、アメリカンドッグ用の生地が例えば10℃といった低温の状態で調製されることが好ましい。そのため、アメリカンドッグ用の生地を調製するときに、以下のような工夫が行われている。
・アメリカンドッグ用ミックスをあらかじめ冷却しておく。
・チラー水など温度の低い水を用いる。
しかしながら、B型粘度計などを用いた粘度の測定によって、生地が調製されたときの粘度、すなわち、初期の粘度が管理されても、依然として、製造されたアメリカンドッグが規定の重量の範囲から外れたり、形状不良としてこぶが生じたりすることを防ぐことは難しい。なお、アメリカンドッグの製造に習熟した作業員であれば、生地の初期粘度にばらつきが生じても、作業員の有する技量によって、初期粘度のばらつきを吸収しつつアメリカンドッグの製造を行うことが可能な場合もある。ただし、こうした作業員の技量に頼っていては、複数の作業員間でのばらつきにより、アメリカンドッグの不良率が高まり、アメリカンドッグの歩留まりが低下してしまう。そのため、作業員の技量によらず、重量が規定の範囲に収まり、かつ、こぶを有していない良品のアメリカンドッグを安定に製造することのできるアメリカンドッグ用ミックスが求められている。
本発明は、アメリカンドッグの重量を規定の範囲に収めつつ、アメリカンドッグにおける生地の偏りによるこぶの発生を抑えることのできるアメリカンドッグ用ミックス、アメリカンドッグ、および、アメリカンドッグの製造方法を提供することを目的とする。
本願発明者らは、鋭意検討を行った結果、B型粘度計で測定した生地の粘度であって、生地が調製されたときの粘度である初期粘度が適切であるだけでなく、さらに、生地が下記(1)から(3)の特性を有していることが、上記課題を解決する上で必要であることを見出した。そして、生地が、これら(1)から(3)の特性を有していないと、ソーセージに生地を付着させる工程において、生地に力が加わることによる生地の粘度低下、時間の経過に伴う生地の粘度低下、および、温度上昇に伴う生地の粘度低下が生じることにより、アメリカンドッグの重量が規定の範囲に収まらず、かつ、アメリカンドッグの外観が不良になることを見出した。
(1)非ニュートン性が小さい、すなわち、力を加えたときの粘度の低下が小さい。
(2)経時的な粘度の低下が小さい。
(3)温度上昇に伴う粘度の低下が小さい。
なお、以下では、上記(1)から(3)の特性のことを、生地粘度の質という。
アメリカンドッグが製造されるとき、作業員が、生地を収容している容器の中でソーセージを上下に動かすことで、ソーセージに付着した生地に力が作用する。また、作業員が、生地を収容する容器から、ソーセージの基端から先端に向けて上方に引き抜く動作、串を掴んでいる手の手首を身体に向けて返す動作、および、ソーセージの先端を下方に返してアメリカンドッグ用のフライヤーに入れる動作の各々を行ったときにも、ソーセージに付着した生地に力が作用する。
そのため、上記(1)のように非ニュートン性の小さい生地は、生地に加えられた力によって生地がゆるみにくい点で好ましい。また、アメリカンドッグ用ミックスに水を加え、ミキサーで攪拌して生地を調製するとき、調製される生地の非ニュートン性が小さければ、ミキサーの攪拌速度や攪拌時間の影響を受けて、生地の粘度が変わってしまうことを抑えることができる点でも好ましい。
また、アメリカンドッグの製造工場では、一度に大量の生地、例えば、1バッチあたり50kg以上100kg以下程度の生地が調製され、一旦調製された生地が20分以上40分以下にわたって使用される。そのため、上記(2)のように、経時的な粘度の低下が小さいことで、生地が調製されたときの適切な生地の粘度が、長時間にわたって保たれることが好ましい。
さらに、アメリカンドッグの製造工場では、上述のように、低温で生地を調製する工夫がなされているものの、アメリカンドッグを製造するための作業が行われる作業室の室温は生地の温度よりも高いため、生地の温度は、作業室の中に生地が置かれるだけで上昇する。さらには、生地を収容している容器は、アメリカンドッグ用のフライヤーの近くに置かれるため、フライヤーの輻射熱によって生地における温度の上昇が助長されてしまう。こうした生地における温度の上昇は、特に、夏場に顕著であるし、また、季節によって上昇の度合いが変動する。そして、生地の温度が上昇すると、生地が調製されたときには、生地の粘度が適切な粘度の範囲に含まれる値であっても、作業中に適切な粘度の範囲よりも低い値に変わることがある。このため、上記(3)のように、温度上昇に伴う粘度低下が小さいことが好ましい。
このように、生地における初期の粘度が適切な範囲に含まれる値に調整されても、アメリカンドッグが製造される間に、生地の粘度が低下してしまう。こうした粘度の低下によって、生地を収容する容器から、ソーセージが引き抜かれたとき、ソーセージに付着した生地の重量が、所定の範囲に収まりにくくなる。
また、生地に力を加えたときの粘度の低下、経時的な粘度の低下、および、温度上昇に伴う粘度の低下が大きい生地を用いてアメリカンドッグが製造されたとき、アメリカンドッグを製造する作業員の一連の動作の各々に伴って、生地が下記(a)〜(c)のように動く。そのため、油ちょう後のアメリカンドッグには、ソーセージの周りの一部において、他の部分に比べて大幅に衣の厚さが増した部分であって、アメリカンドッグの外周面から外側に向けて突き出た部分であるこぶが形成されてしまう。
(a)作業員が、生地を収容する容器に挿入したソーセージを、ソーセージの基端から先端に向けて上方に引き抜く。このとき、生地はソーセージの先端に集中してしまう。
(b)生地を収容する容器から、ソーセージの先端に付着した生地を切り離すため、作業員は、串をつかんでいる手の手首を身体に向けて返す。このとき、ソーセージの先端に集中した生地が、ソーセージの基端に向けて流れてしまう。
(c)作業員は、アメリカンドッグを油ちょうするとき、ソーセージの先端を下方に向けて、アメリカンドッグ用のフライヤーに対してアメリカンドッグを先端から基端に向けて入れる。このとき、ソーセージの基端に向けて流れた生地の一部は、ソーセージの先端に向けて流れるため、ソーセージの周りの一部に生地が集中してしまう。
そして、本願発明者らは、下記(A)および(B)の条件を満たすアメリカンドッグ用ミックスを用いることにより、上記(1)から(3)の特性を有する生地を調製することができ、結果として、アメリカンドッグの重量が、規定の範囲に含まれ、かつ、こぶが形成されにくくなることを見出した。
すなわち、本発明のアメリカンドッグ用ミックスは、下記(A)および(B)を満たす。
(A)アメリカンドッグ用ミックスが100重量部であるとき、穀類粉が50重量部以上88重量部以下であり、糖類が8.0重量部以上48重量部以下であり、膨張剤が1.0重量部以上3.0重量部以下であり、増粘剤が0.1重量部以上2.0重量部以下であるアメリカンドッグ用ミックスである。
(B)前記穀類粉が穀類粉100重量部に対して、下記(X)〜(W)の条件を満たす加熱小麦粉が25重量部以上100重量部以下である。
(X)ショ糖脂肪酸エステルのHLB値が、11以上19以下である。
(Y)小麦粉が100重量部であるとき、ショ糖脂肪酸エステルの重量が、0.4重量部以上5.0重量部以下である。
(Z)小麦粉とショ糖脂肪酸エステルとが混合された状態で、小麦粉とショ糖脂肪酸エステルとの混合物を加熱する温度が、80℃以上100℃以下である。
(W)小麦粉とショ糖脂肪酸エステルとの混合物を加熱する時間が、30分以上60分以下である。
本発明におけるアメリカンドッグ用ミックスの一態様は、小麦粉と、HLB値が11以上19以下であるショ糖脂肪酸エステルであって、前記小麦粉が100重量部であるとき、0.4重量部以上5.0重量部以下である前記ショ糖脂肪酸エステルと、を含み、前記小麦粉と前記ショ糖脂肪酸エステルとが混合された状態で、80℃以上100℃以下の加熱温度で、30分以上60分以下の間にわたって加熱された加熱小麦粉を含む。そして、アメリカンドッグ用ミックスが100重量部であるとき、50重量部以上88重量部以下の穀類粉であって、前記穀類粉は前記加熱小麦粉を含み、前記穀類粉100重量部に対して、前記加熱小麦粉が25重量部以上100重量部以下である穀類粉と、8.0重量部以上48重量部以下の糖類と、1.0重量部以上3.0重量部以下の膨張剤と、0.1重量部以上2.0重量部以下の増粘剤とを含む。
本発明におけるアメリカンドッグの一態様は、アメリカンドッグ用ミックスを形成材料とするアメリカンドッグであり、前記アメリカンドッグ用ミックスが上記アメリカンドッグ用ミックスである。
本発明におけるアメリカンドッグの製造方法は、加熱小麦粉を調製する第1工程と、アメリカンドッグ用ミックスを調製する第2工程と、アメリカンドッグ用の生地を調製する第3工程と、を含み、前記生地をソーセージに付着させて、前記ソーセージと前記生地とを油ちょうして製造されるアメリカンドッグの製造方法である。前記第1工程は、小麦粉と、HLB値が11以上19以下であるショ糖脂肪酸エステルであって、前記小麦粉が100重量部であるとき、0.4重量部以上5.0重量部以下である前記ショ糖脂肪酸エステルと、を混合して混合物を調製する工程と、前記混合物を80℃以上100℃以下の加熱温度で、30分以上60分以下の間にわたって加熱する加熱工程とを含む。前記第2工程は、前記アメリカンドッグ用ミックスが100重量部であるとき、50重量部以上88重量部以下の穀類粉であって、前記穀類粉は前記加熱小麦粉を含み、前記穀類粉100重量部に対して、前記加熱小麦粉が25重量部以上100重量部以下である前記穀類粉と、8.0重量部以上48重量部以下の糖類と、1.0重量部以上3.0重量部以下の膨張剤と、0.1重量部以上2.0重量部以下の増粘剤と、を混合する工程である。前記第3工程は、前記アメリカンドッグ用ミックスに少なくとも水を加えて、前記生地を調整する工程である。
上記態様によれば、上述した(A)および(B)の条件が満たされるため、アメリカンドッグにおける生地の重量を規定の範囲に収めつつ、偏りによるこぶの発生を抑えことができる。
実施例におけるアメリカンドッグ用ミックスの組成を示す表である。 比較例におけるアメリカンドッグ用ミックスの組成を示す表である。 実施例における加熱小麦粉の調製条件を示す表である。 比較例における加熱小麦粉の調製条件を示す表である。 実施例における生地の状態の評価結果および生地の物性の測定結果を示す表である。 比較例における生地の状態の評価結果および生地の物性の測定結果を示す表である。 緩和弾性率の測定方法を説明するための図である。 緩和弾性率の測定方法を説明するための図である。 実施例におけるアメリカンドッグの形状の評価結果を示す表である。 比較例におけるアメリカンドッグの形状の評価結果を示す表である。 アメリカンドッグの製造方法を説明するための図である。 アメリカンドッグの製造方法を説明するための図である。 アメリカンドッグの製造方法を説明するための図である。 アメリカンドッグの製造方法を説明するための図である。 アメリカンドッグの製造方法を説明するための図である。 アメリカンドッグにおける形状の不良の一例を示す図である。 アメリカンドッグにおける形状の不良の一例を示す図である。 アメリカンドッグにおける形状の不良の一例を示す図である。 アメリカンドッグにおける形状の不良の一例を示す図である。 アメリカンドッグにおける形状の不良の一例を示す図である。 アメリカンドッグにおける形状が良好である一例を示す図である。 アメリカンドッグ用ミックスの作用を説明するための図である。 実施例におけるアメリカンドッグの食感評価の結果を示す表である。 比較例におけるアメリカンドッグの食感評価の結果を示す表である。
図1から図24を参照してアメリカンドッグ用ミックスの一実施形態を説明する。以下では、アメリカンドッグ用ミックスが含む加熱小麦粉の組成、加熱小麦粉の製造方法、および、アメリカンドッグ用ミックスの組成を順番に説明する。
[加熱小麦粉の組成]
加熱小麦粉は、小麦粉とショ糖脂肪酸エステルとを含む。小麦粉は、薄力粉、中力粉、準強力粉、強力粉、および、全粒粉などの少なくとも1種類の小麦粉を含んでいればよく、2種類以上の小麦粉を含んでいてもよい。
ショ糖脂肪酸エステルは、ショ糖と脂肪酸とから構成されるエステルである。ショ糖脂肪酸エステルは、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖ベヘニン酸エステル、および、ショ糖エルカ酸エステルの少なくとも1つを含む。ショ糖脂肪酸エステルにおいては、ショ糖脂肪酸エステルのHLB値が、11以上19以下である。各ショ糖脂肪酸エステルは、1分子のショ糖が有する8つの水酸基のうち、1つ以上の水酸基が脂肪酸とエステル結合を形成した分子を含む。
加熱小麦粉においては、小麦粉が100重量部であるとき、ショ糖脂肪酸エステルが、0.4重量部以上5重量部以下である。
[加熱小麦粉の製造方法]
加熱小麦粉を製造する際には、まず、100重量部の小麦粉に対して、0.4重量部以上5重量部以下のショ糖脂肪酸エステルをミキサーに投入し、ミキサーを用いて小麦粉とショ糖脂肪酸エステルとを混合する。なお、小麦粉およびショ糖脂肪酸エステルの加熱前に小麦粉とショ糖脂肪酸エステルとを均一に混合できれば、小麦粉およびショ糖脂肪酸エステルの混合の方法は問わない。
次いで、小麦粉とショ糖脂肪酸エステルとの混合物を、予め80℃以上100℃以下の範囲に含まれるいずれかの加熱温度に加熱された攪拌加熱装置に投入する。混合物の温度が上述した加熱温度に達してから、混合物の温度を加熱温度に維持した状態で、30分以上60分以下の範囲に含まれるいずれかの加熱時間にわたって、攪拌加熱装置、流動層乾燥機などにより混合物を攪拌しながら加熱する。
混合物の加熱が完了すると、加熱された混合物を攪拌加熱装置から取り出し、混合物を、例えば、衛生的な環境下で薄く広げることですみやかに余熱を冷却する、あるいは攪拌冷却装置を用いて急速冷却する。冷却した混合物を、所定の大きさのメッシュを有する篩、例えば50メッシュの篩にかけることで、加熱小麦粉を製造する。
[アメリカンドッグ用ミックスの組成]
アメリカンドッグ用ミックスは、穀類粉、糖類、膨張剤、および、増粘剤を含む。穀類粉は、本実施形態のアメリカンドッグ用ミックスに必須の加熱小麦粉を含み、穀類粉は、さらに、小麦粉、米粉、ライ麦粉、大麦粉、燕麦粉、丸麦粉、ハト麦粉、蕎麦粉、コーンフラワー、コーングリッツ、リダクションフラワー、ソルガム粉、および、豆粉と、これらを加工した加工穀類粉の少なくとも1つを含んでもよい。このうち、小麦粉は、薄力粉、中力粉、準強力粉、および、強力粉と、これらを加工した加工小麦粉の少なくとも1つであればよい。このうち、加工小麦粉には、造粒小麦粉、α化小麦粉などが含まれる。また、加工小麦粉として本実施形態のアメリカンドッグ用ミックスにおいて上述した必須の加熱小麦粉とは異なる加熱小麦粉が用いられてもよい。
なお、上述した必須の加熱小麦粉とは異なる加熱小麦粉は、乾熱加熱された小麦粉であってもよいし、湿熱加熱された小麦粉であってもよい。また、必須の加熱小麦粉とは異なる加熱小麦粉は、小麦粉の状態で加熱されてもよいし、小麦の粒の状態で加熱されてから、製粉されたものであってもよい。このうち、小麦粉の状態で加熱されるときには、油脂、増粘多糖剤、デンプン、動植物性のタンパク質、および、本発明の加熱小麦粉に含まれるショ糖脂肪酸エステル以外の乳化剤などの少なくとも1つと混合された状態で加熱された加熱小麦粉であってもよい。
加熱小麦粉とは別にアメリカンドッグ用ミックスに含まれる小麦粉は、アメリカンドッグ用ミックスに必須である加熱小麦粉が含む小麦粉と相互に同じであってもよいし、相互に異なってもよい。
また、穀類粉は、さらに、デンプンを含んでもよく、デンプンは、例えば、馬鈴薯デンプン、小麦デンプン、コーンデンプン、タピオカデンプン、米デンプンなどや、これらのデンプンを加工した加工デンプンである。
糖類は、例えば、砂糖、グルコース、マルトース、乳糖、水飴、トレハロース、ソルビトール、還元水飴、マルチトール、デキストリン、および、各種オリゴ糖などの少なくとも1つである。
膨張剤には、ガス発生剤、酸性剤、および、緩衝剤を組み合わせることによって、ガスの発生量を所定の量に調節している製剤を用いることができる。このうち、ガス発生剤は、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸カリウム(無水)、炭酸水素アンモニウム、および、炭酸水素ナトリウムなどである。酸性剤は、硫酸アルミニウムカリウム、フマル酸、および、GDLなどである。緩衝剤は、焼成カルシウム、および、リン酸カルシウムなどである。
なお、膨張剤は、上述した製剤を硬化油脂やショ糖脂肪酸エステルなどのコーティング剤によって被覆することで、遅行性や持続性を持たせた製剤であってもよい。
増粘剤は、例えば、セルロース、ペクチン、アラビアガム、サイリウムシードガム、カラギーナン、タマリンドガム、キサンタンガム、グアーガム、キトサン、および、ローカストビーンガムなどの少なくとも1つである。
アメリカンドック用ミックスは、さらに、動植物性タンパク質、および、乳化剤を含んでもよい。動植物性タンパク質は、卵白、乳タンパク質、大豆タンパク質、コラーゲン、および、ゼラチンなどである。
乳化剤は、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン、有機酸モノグリセリド、ステアロイル乳酸ナトリウム、および、ステアロイル乳酸カルシウムなどである。
アメリカンドッグ用ミックスは、さらに、油脂類、食物繊維、食塩、甘味料、香辛料、調味料、ビタミン類、ミネラル類、色素、および、香料などを含んでもよい。
本実施形態のアメリカンドッグ用ミックスは、アメリカンドッグ用ミックスの全量が100重量部であるとき、50重量部以上88重量部以下の穀類粉、8.0重量部以上48重量部以下の糖類、1.0重量部以上3.0重量部以下の膨張剤、および、0.1重量部以上2.0重量部以下の増粘剤を含む。なお、穀類粉は、上述のように本実施形態の加熱小麦粉を含み、穀類粉100重量部に対して、加熱小麦粉は、25重量部以上100重量部以下である。
こうした配合は、アメリカンドッグ用ミックスを用いて製造されたアメリカンドッグにおいて、ボリュームがでないこと、内層が整わないこと、食感などが不良になることを避けつつ、かつ、アメリカンドッグの重量が規定の範囲に収まり、かつ、アメリカンドッグの形状が良好になる上で必須の条件である。
なお、アメリカンドッグ用ミックスは、例えば、0.5重量部以上1.5重量部以下の食塩、0.2重量部以上0.8重量部以下の卵白粉、および、0.1重量部以上0.3重量部以下の乳化剤をさらに含んでもよい。
[実施例]
[生地の調製]
[加熱小麦粉の製造方法]
加熱小麦粉を製造する際には、まず、100重量部の小麦粉(薄力粉、千葉製粉(株)製)に対して、0.4重量部以上5重量部以下のショ糖脂肪酸エステルをミキサー((株)愛工社製作所製、マイティ60)に投入した。そして、ミキサーを用いて小麦粉とショ糖脂肪酸エステルとを120rpmの回転数で混合した。
小麦粉とショ糖脂肪酸エステルとの混合物を、予め80℃以上100℃以下の範囲に含まれるいずれかの加熱温度に加熱されたジャケット付攪拌加熱装置(キッコーマン(株)製、もしくは、(株)奈良機械製作所製)に投入した。混合物の温度が上述した加熱温度に達してから、混合物の温度を加熱温度に維持した状態で、30分以上60分以下の範囲に含まれるいずれかの加熱時間にわたって、混合物を18min−1の回転数で攪拌しながら攪拌加熱装置によって加熱した。
混合物の加熱が完了すると、加熱された混合物を攪拌加熱装置から取り出し、混合物を、例えば、衛生的な環境下で薄く広げることで、すみやかに余熱を冷却した。あるいは、攪拌冷却装置を用いて急速冷却した。冷却した混合物を、所定の大きさのメッシュを有する篩、例えば、50メッシュの篩にかけることで、加熱小麦粉を製造した。
[生地の調製方法]
アメリカンドッグ用の生地を調製する際には、まず、予め冷却したアメリカンドッグ用ミックスと、冷水とをミキサーボールに投入し、ミキサーボールをミキサー((株)エフ・エム・アイ製、キッチンエイドKSM5WH)に装着した。ミキサーを用いてアメリカンドッグ用ミックスと水とを平面ビーターによって「低速1」の回転速度で、30秒にわたって攪拌した。これにより、温度が10℃である生地を調製した。なお、本実施形態における生地の調整に際しては、直径がΦ2cmであり、長さが7cmであるソーセージを使用するため、生地の粘度を80,000±5,000CPSとなるようにアメリカンドッグ用ミックスの量に対する水の量を調整した。なお、ソーセージの直径および長さは、上述した直径や長さに限らず、適宜変更することができ、生地の粘度は、ソーセージの形状に合わせて変更すればよい。
なお、生地の粘度は、10℃の環境試験室内にて、B型粘度計(BROOKFIELDDV-II+ VISCOMETER BROOKFIELD ENGINEERING LABS,ING. 製)を用いて計測された粘度である。また、B型粘度計により粘度を測定するときには、スピンドル64を用い、かつ、スピンドル64を6.0rpmの速度で60秒間回転させた後に粘度の測定を行った。
そして、ミキサーを停止し、平面ビーターやミキサーボールの内側面に付着したアメリカンドッグ用ミックスと水との混合物を、ミキサーボールの底部に集めた。混合物を集めた後、再びミキサーが混合物を「低速2」の回転速度で、60秒にわたって攪拌した。これにより、アメリカンドッグ用の生地が得られた。なお、調整された生地は、アメリカンドッグの製造を開始するまでの間、冷蔵庫などに保管することで、生地の温度を10℃に維持した。
[アメリカンドッグ用ミックスの組成]
図1および図2を参照して各実施例および各比較例のアメリカンドッグ用ミックスの組成を説明する。
図1および図2が示すように、実施例1から30,41から43の各々および比較例1から24の各々のアメリカンドッグ用ミックスにおいて、アメリカンドッグ用ミックスの全量が100重量部であるとき、加熱小麦粉が35.2重量部であり、小麦粉(千葉製粉(株)製、薄力粉)が27.0重量部であり、コーンフラワー((株)サニーメイズ製、コーンフラワーイエローNo.7)が12.1重量部であり、デンプン(日本コーンスターチ(株)製、コーンスターチ)が1.0重量部である。すなわち、穀類粉の合計が75.3重量部であり、穀類粉を100重量部とするとき、加熱小麦粉は、46.7重量部である。また、アメリカンドッグ用ミックスにおいて、砂糖が20.4重量部であり、遅効性または持続性のある膨張剤(奥野製薬工業(株)製、トップベーキングパウダーアメリカンドッグ用733−L)が2.3重量部であり、増粘剤(三栄源・エフ・エフ・アイ(株)製、ビストップ(登録商標)D-3000)が0.3重量部である。そして、アメリカンドッグ用ミックスにおいて、食塩が1.0重量部であり、卵白粉(キユーピー(株)製、粉末卵白)が0.5重量部であり、乳化剤(三菱化学フーズ(株)製、S−1570)が0.2重量部である。
実施例31のアメリカンドッグ用ミックスにおいて、アメリカンドッグ用ミックスの全量が100重量部であるとき、加熱小麦粉が23.4重量部であり、小麦粉(実施例1と同じ)が18.0重量部であり、コーンフラワー(実施例1と同じ)が8.0重量部であり、デンプン(実施例1と同じ)が0.7重量部である。すなわち、穀類粉の合計が50.1重量部であり、穀類粉を100重量部とするとき、本実施形態の加熱小麦粉は、46.7重量部である。また、アメリカンドッグ用ミックスにおいて、砂糖が45.6重量部であり、膨張剤、増粘剤、食塩、卵白粉、および、乳化剤の各々は、実施例1と同様である。
実施例32のアメリカンドッグ用ミックスにおいて、アメリカンドッグ用ミックスの全量が100重量部であるとき、加熱小麦粉が40.9重量部であり、小麦粉(実施例1と同じ)が31.3重量部であり、コーンフラワー(実施例1と同じ)が14.2重量部であり、デンプン(実施例1と同じ)が1.2重量部である。すなわち、穀類粉の合計が87.6重量部であり、穀類粉を100重量部とするとき、本実施形態の加熱小麦粉は、46.7重量部である。また、アメリカンドッグ用ミックスにおいて、砂糖が8.1重量部であり、膨張剤、増粘剤、食塩、卵白粉、および、乳化剤の各々は、実施例1と同様である。
実施例33のアメリカンドッグ用ミックスにおいて、アメリカンドッグ用ミックスの全量が100重量部であるとき、加熱小麦粉が18.9重量部であり、小麦粉(実施例1と同じ)が30.0重量部であり、コーンフラワー(実施例1と同じ)が25.4重量部であり、デンプン(実施例1と同じ)が1.0重量部である。すなわち、穀類粉の合計が75.3重量部であり、穀類粉を100重量部とするとき、本実施形態の加熱小麦粉は、25.1重量部である。また、アメリカンドッグ用ミックスにおいて、砂糖、膨張剤、増粘剤、食塩、卵白粉、および、乳化剤の各々は、実施例1と同様である。
実施例34のアメリカンドッグ用ミックスにおいて、アメリカンドッグ用ミックスの全量が100重量部であるとき、加熱小麦粉が75.3重量部であり、穀類粉の合計が75.3重量部であり、穀類粉を100重量部とするとき、本実施形態の加熱小麦粉は、100重量部である。また、アメリカンドッグ用ミックスにおいて、砂糖、膨張剤、増粘剤、食塩、卵白粉、および、乳化剤は、実施例1と同様である。
実施例35のアメリカンドッグ用ミックスにおいて、アメリカンドッグ用ミックスの全量が100重量部であるとき、加熱小麦粉が35.2重量部であり、小麦粉(実施例1と同じ)が27.0重量部であり、大麦粉(日本精麦株式会社製、大麦粉)が12.1重量部であり、デンプン(実施例1と同じ)が1.0重量部である。すなわち、穀類粉の合計が75.3重量部であり、穀類粉を100重量部とするとき、本実施形態の加熱小麦粉は、46.7重量部である。また、アメリカンドッグ用ミックスにおいて、砂糖、膨張剤、増粘剤、食塩、卵白粉、および、乳化剤は、実施例1と同様である。
実施例36のアメリカンドッグ用ミックスにおいて、加熱小麦粉、小麦粉、コーンフラワー、および、デンプンの各々は、実施例1と同様である。また、アメリカンドッグ用ミックスにおいて、砂糖が21.7重量部であり、遅効性または持続性のある膨張剤(実施例1と同じ)が1.0重量部である。そして、増粘剤、食塩、卵白粉、および、乳化剤は、実施例1と同様である。
実施例37のアメリカンドッグ用ミックスにおいて、加熱小麦粉、小麦粉、および、デンプンの各々は、実施例1と同様である。また、アメリカンドッグ用ミックスにおいて、砂糖が19.7重量部であり、遅効性または持続性のある膨張剤(実施例1と同じ)が3.0重量部である。そして、アメリカンドッグ用ミックスにおいて、増粘剤、食塩、卵白粉、および、乳化剤の各々は、実施例1と同様である。
実施例38のアメリカンドッグ用ミックスにおいて、加熱小麦粉、小麦粉、コーンフラワー、および、デンプンの各々は、実施例1と同様である。また、アメリカンドッグ用ミックスにおいて、砂糖が20.6重量部であり、増粘剤(実施例1と同じ)が0.1重量部である。そして、アメリカンドッグ用ミックスにおいて、膨張剤、食塩、卵白粉、および、乳化剤の各々が、実施例1と同様である。
実施例39のアメリカンドッグ用ミックスにおいて、加熱小麦粉、小麦粉、コーンフラワー、および、デンプンの各々は、実施例1と同様である。また、アメリカンドッグ用ミックスにおいて、砂糖が18.7重量部であり、増粘剤(DSP五協フード&ケミカル(株)製、グリロイド(登録商標)3S)が2.0重量部である。そして、アメリカンドッグ用ミックスにおいて、膨張剤、食塩、卵白粉、および、乳化剤の各々は、実施例1と同様である。
実施例40のアメリカンドッグ用ミックスにおいて、アメリカンドッグ用ミックスの全量が100重量部であるとき、加熱小麦粉が23.4重量部であり、小麦粉(実施例1と同じ)が18.0重量部であり、コーンフラワー(実施例1と同じ)が8.0重量部であり、デンプン(実施例1と同じ)が0.7重量部である。すなわち、穀類粉の合計が50.1重量部であり、穀類粉を100重量部とするとき、加熱小麦粉は、46.7重量部である。また、アメリカンドッグ用ミックスにおいて、砂糖が48.0重量部であり、遅効性または持続性のある膨張剤(実施例1と同じ)が1.0重量部であり、増粘剤(実施例1と同じ)が0.1重量部である。そして、アメリカンドッグ用ミックスにおいて、食塩が0.3重量部であり、卵白粉(実施例1と同じ)が0.3重量部であり、乳化剤(実施例1と同じ)が0.2重量部である。
図2が示すように、比較例25のアメリカンドッグ用ミックスにおいて、アメリカンドッグ用ミックスの全量が100重量部であるとき、加熱小麦粉が22.1重量部であり、小麦粉(実施例1と同じ)が17.0重量部であり、コーンフラワー(実施例1と同じ)が7.6重量部であり、デンプン(実施例1と同じ)が0.7重量部である。すなわち、穀類粉の合計が47.4重量部であり、穀類粉を100重量部とするとき、本実施形態の加熱小麦粉は、46.7重量部である。また、アメリカンドッグ用ミックスにおいて、砂糖が48.3重量部であり、膨張剤、増粘剤、食塩、卵白粉、および、乳化剤の各々は、実施例1と同様である。
比較例26のアメリカンドッグ用ミックスにおいて、アメリカンドッグ用ミックスの全量が100重量部であるとき、加熱小麦粉が42.5重量部であり、小麦粉(実施例1と同じ)が32.6重量部であり、コーンフラワー(実施例1と同じ)が14.6重量部であり、デンプン(実施例1と同じ)が1.3重量部である。すなわち、穀類粉の合計が91.0重量部であり、穀類粉を100重量部とするとき、本実施形態の加熱小麦粉は、46.7重量部である。また、アメリカンドッグ用ミックスにおいて、砂糖が4.7重量部であり、膨張剤、増粘剤、食塩、卵白粉、および、乳化剤の各々は、実施例1と同様である。
比較例27のアメリカンドッグ用ミックスにおいて、アメリカンドッグ用ミックスの全量が100重量部であるとき、加熱小麦粉が18.1重量部であり、小麦粉(実施例1と同じ)が44.1重量部であり、コーンフラワー(実施例1と同じ)が12.1重量部であり、デンプン(実施例1と同じ)が1.0重量部である。すなわち、穀類粉の合計が75.3重量部であり、穀類粉を100重量部とするとき、本実施形態の加熱小麦粉は、24.0重量部である。また、アメリカンドッグ用ミックスにおいて、砂糖、膨張剤、増粘剤、食塩、卵白粉、および、乳化剤の各々は、実施例1と同様である。
比較例28のアメリカンドッグ用ミックスにおいて、加熱小麦粉、小麦粉、コーンフラワー、および、デンプンの各々は、実施例1と同様である。また、アメリカンドッグ用ミックスにおいて、砂糖が22.2重量部であり、遅効性または持続性のある膨張剤(実施例1と同じ)が0.5重量部である。そして、アメリカンドッグ用ミックスにおいて、増粘剤、食塩、卵白粉、および、乳化剤の各々は、実施例1と同様である。
比較例29のアメリカンドッグ用ミックスにおいて、加熱小麦粉、小麦粉、コーンフラワー、および、デンプンの各々は、実施例1と同様である。また、アメリカンドッグ用ミックスにおいて、砂糖が18.7重量部であり、遅効性または持続性のある膨張剤(実施例1と同じ)が4.0重量部である。そして、アメリカンドッグ用ミックスにおいて、増粘剤、食塩、卵白粉、および、乳化剤の各々は、実施例1と同様である。
比較例30のアメリカンドッグ用ミックスにおいて、加熱小麦粉、小麦粉、コーンフラワー、および、デンプンの各々は、実施例1と同様である。また、アメリカンドッグ用ミックスにおいて、砂糖が20.7重量部であり、増粘剤が0重量部である。そして、アメリカンドッグ用ミックスにおいて、膨張剤、食塩、卵白粉、および、乳化剤の各々は、実施例1と同様である。
比較例31のアメリカンドッグ用ミックスにおいて、加熱小麦粉、小麦粉、コーンフラワー、および、デンプンの各々は、実施例1と同様である。また、アメリカンドッグ用ミックスにおいて、砂糖が18.2重量部であり、増粘剤(実施例1と同じ)が2.5重量部である。そして、アメリカンドッグ用ミックスにおいて、膨張剤、食塩、卵白粉、および、乳化剤の各々は、実施例1と同様である。
[各実施例における条件]
図3を参照して、各実施例における加熱小麦粉を調製する際の条件と、アメリカンドッグ用の生地を調製する際の条件とを説明する。
[実施例1]
加熱前の10kgの小麦粉(薄力粉、千葉製粉(株)製)に対して、HLB値が11である0.4重量部(40g)のショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、S−1170)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(キッコーマン(株)製)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は82,782CPSであった。
[実施例2]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が11である0.4重量部(40g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例1と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は82,180CPSであった。
[実施例3]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が11である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例1と同じ)であって、ショ糖ステアリン酸エステルを混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドック用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は80,012CPSであった。
[実施例4]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が11である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例1と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が100℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は79,523CPSであった。
[実施例5]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が11である3重量部(300g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例1と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で30分の間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は80,498CPSであった。
[実施例6]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が11である3重量部(300g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例1と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が100℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する78%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は80,498CPSであった。
[実施例7]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が11である3重量部(300g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例1と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は78,797CPSであった。
[実施例8]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が11である3重量部(300g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例1と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が100℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する81%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は82,983CPSであった。
[実施例9]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が11である5重量部(500g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例1と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は80,520CPSであった。
[実施例10]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が11である5重量部(500g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例1と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が100℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は81,421CPSであった。
[実施例11]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が13である0.4重量部(40g)のショ糖ステアリン酸エステル(第一工業製薬(株)製、DKエステル(登録商標)F−140)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が90℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する81%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は77,993CPSであった。
[実施例12]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が13である3重量部(300g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例11と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ))を使用して、混合物の温度が90℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は78,492CPSであった。
[実施例13,42,43]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、S−1570)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が95℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する81%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は78,783CPSであった。
[実施例14]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例13と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が95℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する81%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は80,283CPSであった。
[実施例15]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である2重量部(200g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例13と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が95℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は81,283CPSであった。
[実施例16]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である0.4重量部(40g)のショ糖ステアリン酸エステル(第一工業製薬(株)製、DKエステル(登録商標)SS)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は82,663CPSであった。
[実施例17]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である0.4重量部(40g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例16と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で45分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は78,162CPSであった。
[実施例18]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である0.4重量部(40g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例16と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する81%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は81,328CPSであった。
[実施例19]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例16と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は80,392CPSであった。
[実施例20]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例16と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が100℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は79,699CPSであった。
[実施例21]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である3重量部(300g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例16と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は81,603CPSであった。
[実施例22]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である3重量部(300g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例16と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が100℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する78%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は81,556CPSであった。
[実施例23]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である3重量部(300g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例16と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する78%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は77,428CPSであった。
[実施例24]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である3重量部(300g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例16と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が100℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する79%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は81,695CPSであった。
[実施例25]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である5重量部(500g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例16と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は77,382CPSであった。
[実施例26]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である5重量部(500g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例16と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が100℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する79%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は79,638CPSであった。
[実施例27]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖パルミチン酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、P-1570)を混合した。そして、小麦粉とショ糖パルミチン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する81%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は82,628CPSであった。
[実施例28]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖パルミチン酸エステル(実施例27と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖パルミチン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が100℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する81%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は78,920CPSであった。
[実施例29]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である0.5重量部(50g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例13と同じ)と、HLB値が15である0.5重量部(50g)のショ糖パルミチン酸エステル(実施例27と同じ)とを混合した。そして、小麦粉とショ糖脂肪酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は81,219CPSであった。
[実施例30]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である0.5重量部(50g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例13と同じ)と、HLB値が15である0.5重量部(50g)のショ糖パルミチン酸エステル(実施例27と同じ)とを混合した。そして、小麦粉とショ糖脂肪酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が100℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する82%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は80,329CPSであった。
[実施例31]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例13と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が95℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する78%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は80,621CPSであった。
[実施例32]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例13と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が95℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する84%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は79,933CPSであった。
[実施例33]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例13と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ))を使用して、混合物の温度が95℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する76%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は78,942CPSであった。
[実施例34]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例13と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が95℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する84%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は82,059CPSであった。
[実施例35]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例13と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が95℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する84%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は82,059CPSであった。
[実施例36]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例13と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が95℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は81,623CPSであった。
[実施例37]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例13と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が95℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する81%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は79,424CPSであった。
[実施例38]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例13と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が95℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は80,206CPSであった。
[実施例39]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例13と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が95℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する83%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は82,318CPSであった。
[実施例40]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例13と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が95℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する76%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は79,792CPSであった。
[実施例41]
加熱前の1,000kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(10kg)のショ糖ステアリン酸エステル(実施例13と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置((株)奈良機械製作所製)を使用して、混合物の温度が95℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する81%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は80,479CPSであった。
[各比較例における条件]
図4を参照して、各比較例における加熱小麦粉を調製する際の条件と、アメリカンドッグ用の生地を調製する際の条件を説明する。
[比較例1]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が3である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)、S−370)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が100℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する81%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は79,987CPSであった。
[比較例2]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が3である5重量部(500g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例1と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が110℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する83%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は82,887CPSであった。
[比較例3]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が9である5重量部(500g)のショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、S−970)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は77,484CPSであった。
[比較例4]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が9である5重量部(500g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例3と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が100℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する79%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は80,293CPSであった。
[比較例5]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が11である3重量部(300g)のショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、S−1170)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が70℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する75%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は79,391CPSであった。
[比較例6]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、S−1570)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が60℃の状態で60分の間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する70%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は82,353CPSであった。
[比較例7]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である10重量部(1000g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例6と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で60分の間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する82%の水とアメリカンドッグ用ミックスとを混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は81,413CPSであった。
[比較例8]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である10重量部(1000g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例6と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が100℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する83%の水とアメリカンドッグ用ミックスとを混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は80,798CPSであった。
[比較例9]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が16である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)、S−1670)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が70℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する75%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は79,362CPSであった。
[比較例10]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である0.2重量部(20g)のショ糖ステアリン酸エステル(第一工業製薬(株)製、DKエステル(登録商標)SS)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で0分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。つまり、加熱装置に投入した混合物の温度が80℃に達したところで、混合物を加熱装置から取り出した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する73%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は81,290CPSであった。
[比較例11]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である0.2重量部(20g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例10と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で15分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する74%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は79,483CPSであった。
[比較例12]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である0.2重量部(20g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例10と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は82,282CPSであった。
[比較例13]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である0.2重量部(20g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例10と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で45分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は80,196CPSであった。
[比較例14]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である0.2重量部(20g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例10と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は82,498CPSであった。
[比較例15]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である0.2重量部(20g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例10と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で75分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する83%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は81,643CPSであった。
[比較例16]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である0.2重量部(20g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例10と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で90分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する84%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は82,113CPSであった。
[比較例17]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である0.4重量部(40g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例10と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で0分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。つまり、加熱装置に投入した混合物の温度が80℃に達したところで、混合物を加熱装置から取り出した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する74%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は80,394CPSであった。
[比較例18]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である0.4重量部(40g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例10と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で15分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する75%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は79,481CPSであった。
[比較例19]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である0.4重量部(40g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例10と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で75分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する82%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は81,394CPSであった。
[比較例20]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が19である0.4重量部(40g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例10と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が80℃の状態で90分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する85%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は79,136CPSであった。
[比較例21]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が2から3である1重量部(100g)のグリセリン脂肪酸エステル(理研ビタミン(株)製、エマルジーMM−100)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が100℃の状態で60分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する81%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は79,984CPSであった。
[比較例22]
10kgの小麦粉(実施例1と同じ)を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、小麦粉の温度が95℃の状態で60分間にわたって加熱し、加熱後の小麦粉にHLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例6と同じ)を混合して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する81%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は81,721CPSであった。
[比較例23]
10kgの小麦粉(実施例1と同じ)を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、小麦粉の温度が125℃の状態で60分間にわたって加熱し、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する84%の水を混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は82,182CPSであった。
[比較例24]
小麦粉(実施例1と同じ)を加熱せずに、アメリカンドッグ用ミックスに加えた。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する70%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は80,683CPSであった。
[比較例25]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例6と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が95℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する78%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は78,962CPSであった。
[比較例26]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例6と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が95℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する85%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は76,157CPSであった。
[比較例27]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例6と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が95℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する75%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は79,104CPSであった。
[比較例28]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例6と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が95℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は77,635CPSであった。
[比較例29]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例6と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が95℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する80%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は77,635CPSであった。
[比較例30]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例6と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ)を使用して、混合物の温度が95℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する84%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は81,787CPSであった。
[比較例31]
加熱前の10kgの小麦粉(実施例1と同じ)に対して、HLB値が15である1重量部(100g)のショ糖ステアリン酸エステル(比較例6と同じ)を混合した。そして、小麦粉とショ糖ステアリン酸エステルとの混合物を、ジャケット付攪拌装置(実施例1と同じ))を使用して、混合物の温度が95℃の状態で30分間にわたって加熱して、加熱小麦粉を調製した。アメリカンドッグ用ミックスの重量に対する89%の水をアメリカンドッグ用ミックスに混合して、アメリカンドッグ用の生地を調製した。なお、B型粘度計による生地粘度は82,642CPSであった。
[湿麩試験]
[試験方法]
加熱小麦粉に対する湿麩試験を説明する。
湿麩試験では、まず、20gの加熱小麦粉と12mlの水とを混合し、スプーンを用いて加熱小麦粉と水との混合物を混ぜた。そして、混合物が1つに纏まってきたところで、混合物を手のひらで団子状に丸めて、指で生地を100回捏ねた。ボウルに例えば35℃のぬるま湯を張り、ボウルの中に生地を沈めた状態で10分間静置した。
その後、ボウルの中で生地を捏ねることで生地からデンプンを洗い出すことと、デンプンによって濁ったぬるま湯を新しいぬるま湯に交換することとを、生地を捏ねてもぬるま湯が濁らなくなるまで繰り返し行った。なお、濁ったぬるま湯を新しいぬるま湯に交換するときには、ぬるま湯を50メッシュの篩を通してボウルの外部に捨てることで、ぬるま湯に含まれる湿麩も確認した。
[評価方法]
湿麩試験の結果を以下の基準で評価した。
○:湿麩が確認されない。
△:湿麩がわずかに確認されるものの、確認された湿麩同士が纏まらない。
×:湿麩が確認され、かつ、湿麩が1つに纏まる。
なお、湿麩が確認されないことは、小麦粉に含まれるグルテンが熱変性し失活している状態であることを示す。湿麩がわずかに確認されるものの、確認された湿麩同士が纏まらないことは、小麦粉に含まれるグルテンの熱変性が十分でなく、完全に失活していないことを示す。湿麩が確認され、かつ、湿麩が一つに纏まることは、小麦粉に含まれるグルテンの熱変性が十分でなく、完全に失活していないこと、あるいは、小麦粉が加熱処理されていないため、熱変性をしていないことを示す。なお、本実施形態の加熱小麦粉は、湿麩が確認されないことが好ましい。
[評価結果]
図3を参照して各実施例における湿麩試験の評価結果を説明し、図4を参照して各比較例における湿麩試験の評価結果を説明する。
図3が示すように、実施例1から実施例41の各々では、湿麩が確認されなかった。一方で、図4が示すように、比較例1から4,8,12から16,19から23,25から31の各々では、湿麩が確認されなかった。比較例5,7,9から11,17,18の各々では、湿麩がわずかに確認されたものの、確認された湿麩同士が纏まらないことが認められた。比較例6,24の各々では、湿麩が確認され、かつ、湿麩が1つに纏まることが認められた。
[感触による生地の状態の評価]
[攪拌初期の状態の試験方法]
アメリカンドッグ用の生地における攪拌初期の状態の試験方法を説明する。
直径が21cmであるSUS製のボウルに粘度を80,000±5,000CPSに調整したアメリカンドッグ用の生地を入れ、SUS製のデザートスプーンを用いてボウルの内周面に沿ってアメリカンドッグ用の生地を攪拌した。攪拌する速度を1秒ごとに5回とし、2秒間攪拌を続けた。生地を攪拌しているときの抵抗感、すなわち、生地の固さを評価する。なお、本実施例では、攪拌を継続する時間が2秒間であるときに得られた生地の感触を、攪拌初期における生地の状態であると見なした。
[評価方法]
生地を攪拌しているときの生地の固さを以下の基準で評価した。
×(H):固く感じる。
△(H):やや固く感じる。
○ :適度な固さである。
△(S):やや柔らかく感じる。
×(S):柔らかく感じる。
[評価結果]
図5を参照して各実施例における評価結果を説明し、図6を参照して各比較例における評価結果を説明する。
図5が示すように、実施例1から実施例41の各々では、攪拌初期における生地の固さが適度な固さであることが認められた。一方で、図6が示すように、比較例13,24から30の各々では、攪拌初期における生地の固さが適度な固さであり、比較例1から7,9から12,14から16,18から23の各々では、攪拌初期における生地の固さがやや固く感じられることが認められた。そして、比較例8,17,31の各々では、攪拌初期における生地の固さが固く感じられることが認められた。
[攪拌後期の状態の試験方法]
アメリカンドッグ用の生地における攪拌後期の状態の試験方法を説明する。
直径が21cmであるSUS製のボウルに粘度を80,000±5,000CPSに調整したアメリカンドッグ用の生地を入れ、SUS製のデザートスプーンを用いてボウルの内周面に沿ってアメリカンドッグ用の生地を攪拌した。攪拌する速度を1秒ごとに5回とし、20秒間攪拌を続けた。生地を攪拌しているときの抵抗感、すなわち、生地の固さを評価した。なお、本実施例では、攪拌を継続する時間が20秒間であるときに得られた生地の感触を、攪拌後期における生地の状態であると見なした。
[評価方法]
生地を攪拌しているときの生地の固さを以下の基準で評価した。
×(H):固く感じる。
△(H):やや固く感じる。
○ :適度な固さである。
△(S):やや柔らかく感じる。
×(S):柔らかく感じる。
[評価結果]
図5を参照して各実施例における評価結果を説明し、図6を参照して各比較例における評価結果を説明する。
図5が示すように、実施例2,3,6から8,11から30,33,35,36,38,39,41の各々では、攪拌後期における生地の固さが適度な固さであり、実施例1,4,5,9,10,31,32,34,37,40の各々では、攪拌後期における生地の固さがやや柔らかく感じられることが認められた。一方で、図6が示すように、比較例1,3から9,11,12,14から23,31の各々では、攪拌後期における生地の固さがやや柔らかく感じられ、比較例2,10,13,24から30の各々では、攪拌後期における生地の固さが柔らかく感じられることが認められた。
[攪拌による状態変化の評価方法]
アメリカンドッグ用の生地における攪拌による状態変化の評価方法を説明する。
攪拌初期、および、攪拌後期における生地の固さの評価結果を以下のように点数化した。本評価では、攪拌初期における粘度と攪拌後期における粘度との差に基づき、上述した生地粘度の質のうちの1つである非ニュートン性が小さいか否か、すなわち、力を加えたときの生地における粘度の低下の度合いを評価した。
なお、生地において非ニュートン性が小さいことは、上述したように、アメリカンドッグの重量が規定の範囲内に含まれ、かつ、アメリカンドッグが所定の形状を有する上で、以下の点で有利である。すなわち、作業員が、生地中のソーセージを生地から引き抜いて手首を返したとき、および、再びソーセージの先端を下方に返してアメリカンドッグ用のフライヤーに入れるときに、生地に加えられた力による粘度低下が小さい点で有利である。また、生地において非ニュートン性が小さいことは、アメリカンドッグ用ミックスに水を加え、ミキサーで攪拌して生地を調製する際、攪拌時間の増減による影響を受けて、生地の粘度が変わってしまうことを抑える上でも有利である。こうした理由から、生地における非ニュートン性の度合が小さい、すなわち、生地に力を加えたときの粘度低下が小さいことで、安定したアメリカンドッグの成形が可能となる。
×(H):5点
△(H):4点
○ :3点
△(S):2点
×(S):1点
そして、攪拌後期の点数から攪拌初期の点数を引いた値を以下の基準により評価した。
0:攪拌によって生地の状態は変わらない。
−1:攪拌によって生地が少し緩む。
−2:攪拌によって生地が大きく緩む。
−3:攪拌によって生地が非常に緩む。
[評価結果]
図5を参照して各実施例における評価結果を説明し、図6を参照して各比較例における評価結果を説明する。
図5が示すように、実施例2,3,6から8,11から30,33,35,36,38,39,41の各々では、攪拌によって生地の状態は変わらないことが認められ、実施例1,4,5,9,10,31,32,34,37,40の各々では、攪拌によって生地が少し緩むものの、アメリカンドッグの成形には支障がないことが認められた。一方で、図6が示すように、比較例1,3から7,9,11から16,18から30の各々では、攪拌によって生地が大きく緩み、かつ、比較例2,8,10,17,31の各々では、攪拌によって生地が非常に緩むことが認められた。
このように、各実施例の加熱小麦粉を含むアメリカンドッグ用の生地は、各比較例の加熱小麦粉を含むアメリカンドッグ用の生地と比べて、非ニュートン性が小さいため、攪拌によって生地に力を加えても、生地における粘度の低下の度合いが小さい。そのため、アメリカンドッグのソーセージに生地が付着しやすく、また、ソーセージについた生地がソーセージから落ちにくくなる。それゆえに、アメリカンドッグの重量が規定の重さからずれにくくなり、かつ、アメリカンドッグの形状が規定の形状から変わりにくくなる。
[機器測定による生地の状態の評価]
[緩和弾性率の測定方法]
図7および図8を参照して、緩和弾性率の測定方法を説明する。
10℃における粘度を測定するときには、まず、アメリカンドッグ用ミックスを用いた生地を10℃にて調製用の容器内で調製し、調製した生地を他の容器に移して10分間静置した。
図7が示すように、レオメーターR(Anton Paar 社製、MODULAR COMPACT RHEOMETER PHYSICA MCR100 )の備える試料台Sの温度を試料台Sの備えるペルチェ素子(Anton Paar 社製、TEK150 P-C )によって10℃に設定し、10℃である試料台Sの上に生地Dをのせた。
そして、図8が示すように、試料台Sに向けて先細りした円錐形状を有するプランジャーP(Anton Paar 社製、CP25−2)であって、直径が25mmであるプランジャーPを生地Dに接触させ、プランジャーPよりも径方向の外側にはみ出た生地Dを取り除いた。次いで、せん断速度が1(1/s)の状態でプランジャーPを回転させ、20秒ごとに4分間にわたって生地Dの緩和弾性率を測定し、解析ソフト(Anton Paar 社製、US200/32 Service V2.34DO202523)によって緩和弾性率が算出された。なお、生地の緩和弾性率を測定している間にわたって、試料台Sの温度を10℃に維持した。
[緩和弾性率の評価方法]
緩和弾性率とは、生地のような粘弾性体において、粘弾性体における応力が低下する過程での歪みに対する応力の比から求められる弾性率である。そして、測定を開始したときに得られる緩和弾性率とは、生地に対してプランジャーPの回転による力がほとんど加えられていないときの弾性率であり、測定を終了するときに得られる緩和弾性率とは、生地に対してプランジャーPの回転による力が与えられた後の弾性率である。
そのため、測定を開始したときの緩和弾性率と、測定を終了するときの緩和弾性率との差が小さいほど、生地に力が与えられても、生地における弾性率が変わりにくいことを示していると言える。これに対して、測定を開始したときの緩和弾性率と、測定を終了するときの緩和弾性率との差が大きいほど、生地における弾性率が変わりやすいことを示していると言える。ここで、アメリカンドッグ用の生地には、アメリカンドッグが製造されるときに、ソーセージの刺さった串の挿入や、串の回転によって、繰り返し力が加えられる。アメリカンドッグ用の生地に繰り返し力が加えられることによって、生地の粘弾性が変わってしまう。特に、粘弾性が小さくなってしまうと、ソーセージに一旦付いた生地がソーセージから垂れやすくなる。これにより、ソーセージに付く生地の量が少なくなりやすい。それゆえに、アメリカンドッグ用の生地においては、測定を開始したときの緩和弾性率と、測定を終了するときの緩和弾性率との差が小さいことが好ましい。
そこで、緩和弾性率の測定を開始したときの緩和弾性率を初期緩和弾性率とし、4分後の緩和弾性率を後期緩和弾性率とした。このとき、測定された後期緩和弾性率の値から測定された初期緩和弾性率の値を引いた値に基づき、上述した生地粘度の質の1つである非ニュートン性が小さいか否か、すなわち、力を加えたときの粘度低下の度合を評価した。
[評価結果]
図5を参照して実施例における緩和弾性率の評価結果を説明し、図6を参照して比較例における緩和弾性率の評価結果を説明する。
図5が示すように、実施例1から41の各々では、緩和弾性率の差がいずれも−0.155以上−0.129以下であった。一方で図6が示すように、比較例1から31の各々では、緩和弾性率の差がいずれも−0.268以上−0.156以下であった。このように、実施例における緩和弾性率の差の絶対値は、比較例における緩和弾性率の差の絶対値よりも小さい。すなわち、実施例において生地に力が加わったときの粘度低下が、比較例において生地に力が加わったときの粘度低下よりも小さいことを示している。
このように、実施例のアメリカンドッグ用ミックスによれば、アメリカンドッグ用ミックスを用いて調製されたアメリカンドッグ用の生地において、生地に力が加わったときの粘度低下を抑えられることが、人の感覚と、機器による測定との両方によって認められた。
[10℃での粘度の測定方法]
レオメーターRを用いて、緩和弾性率を測定したときと同様の方法で、生地Dの粘度を測定した。そして、上述した解析ソフトによって、生地の粘度(Pa・s)が算出された。
[粘度の評価方法]
測定開始から20秒ごとに4分間にわたって生地Dの粘度を測定し、x軸を秒数、y軸を生地Dの粘度の値として、最小二乗法により回帰直線の傾きを算出した。そして、回帰直線の傾きを以下の基準に基づいて評価した。本評価では、上述した生地粘度の質のうちの1つである経時的な粘度の低下を評価した。なお、アメリカンドッグの製造工場では、一度に大量の生地を調製し、20分以上40分以下にわたって使用する。この点で、上述のように、生地において経時的な粘度低下が小さければ、生地の調製時に調整した適切な生地の粘度が長時間にわたって保たれるため、安定したアメリカンドッグの成形が可能となる。
○:傾きが−0.035以上0以下であって、時間が経過しても生地の粘度がほとんど変化しない。
△:傾きが−0.050以上−0.035未満であって、時間の経過に伴って生地の粘度が少し低くなる。
×:傾きが−0.050未満であって、時間の経過に伴う生地の粘度の変化がかなり低くなる。
なお、本評価方法は、製造工場にてアメリカンドッグが製造されるときと比べて、生地に対して常に大きな力が掛っている点で、より過酷な条件である。そのため、本評価方法では、製造工場でアメリカンドッグが製造されるときと比べて、生地粘度の低下が大きい傾向にある。
[評価結果]
図5を参照して実施例における評価結果を説明し、図6を参照して比較例における評価結果を説明する。
図5が示すように、実施例1から41の各々では、いずれも傾きが−0.035以上であり、時間が経過しても生地の粘度はほとんど変化しないことが認められた。一方で、図6が示すように、比較例4,7,9から16,22から24の各々では、傾きが−0.035以上であり、時間が経過しても生地の粘度がほとんど変化しないことが認められた。これに対して、比較例1から3,5,17,18,20,21,26から29の各々では、傾きが−0.050以上−0.035未満であり、時間の経過に伴って生地の粘度が少し低くなることが認められた。また、比較例6,8,19,25,30,31の各々では、傾きが−0.050未満であり、時間の経過に伴って生地の粘度がかなり低くなることが認められた。
[10℃から25℃に変化するときの粘度の測定方法]
レオメーターRを用いて、緩和弾性率を測定したときと同様の方法で、生地Dの粘度(Pa・s)を測定した。ただし、粘度の測定を開始してから、試料台Sの温度を粘度の測定を開始してから20秒ごとに0.5℃ずつ上げた。これにより、粘度の測定を開始したときの試料台Sの温度、すなわち、生地Dの温度を10℃とし、粘度の測定を終了したときの試料台Sの温度、すなわち、生地Dの温度を25℃とした。そして、上述した解析ソフトによって、生地の粘度が算出された。
本評価では、上述した生地粘度の質のうちの1つである温度上昇に伴う生地の粘度低下を評価した。なお、アメリカンドッグの製造工場では、上述のように、低温で生地を調製する工夫はなされているものの、アメリカンドッグを製造するための作業が行われる作業室の室温は生地の温度よりも高いため、生地の温度は、作業室の中に生地が置かれるだけで上昇する。また、生地を収容している容器は、アメリカンドッグ用のフライヤーの近くに置かれるため、フライヤーの輻射熱によって生地における温度の上昇が助長されてしまう。こうした生地における温度の上昇は、特に、夏場に顕著であるし、また、季節によって上昇の度合いが変動する。そして、生地の温度が上昇すると、生地が調製されたときには、生地の粘度が適切な粘度の範囲に含まれる値であっても、作業中に適切な粘度の範囲よりも低い値に変わることがある。このため、温度上昇に伴う粘度の低下が小さいことで、安定したアメリカンドッグの成形が可能となる。
[粘度の評価方法]
測定開始から20秒ごとに10分間にわたって生地Dの粘度を測定し、x軸を温度、y軸を生地Dの粘度の値として、最小二乗法により回帰直線の傾きを算出した。そして、回帰直線の傾きを以下の基準に基づいて評価した。
○:傾きが−1.80以上0以下であって、生地の温度が上昇しても生地の粘度がほとんど低くならない。
△:傾きが−2.20以上−1.80未満であって、生地の温度が上昇することに伴って、生地の粘度が少し低くなる。
×:傾きが−2.20未満であって、生地の温度が上昇することに伴って、生地の粘度がかなり低くなる。
なお、本評価方法は、製造工場にてアメリカンドッグが製造されるときと比べて、生地に対して常に大きな力が掛っている点で、より過酷な条件である。そのため、本評価方法では、製造工場でアメリカンドッグが製造されるときと比べて、生地粘度の低下が大きい傾向にある。また、実際のアメリカンドッグの製造工場では、通常、生地の温度が25℃になるまで昇温することはない。一方で、本評価方法の測定条件は、生地の温度を25℃まで昇温させている点において、実際の製造工場にてアメリカンドッグが製造されるときよりも過酷な条件であるといえる。
[評価結果]
図5を参照して実施例における評価結果を説明し、図6を参照して比較例における評価結果を説明する。
図5が示すように、実施例1から41の各々では、いずれも傾きが−1.80以上であって、生地の温度が上昇しても生地の粘度がほとんど低くならないことが認められた。一方で、図6が示すように、比較例2,5,6,10から14,16,18から20,23,24,27から29の各々では、傾きが−2.20以上−1.80未満であり、生地の温度が上昇することに伴って、生地の粘度が少し低くなることが認められた。また、比較例1,3,4,7から9,15,17,21,22,25,26,30,31の各々では、傾きが−2.20未満であり、生地の温度が上昇することに伴って、生地の粘度がかなり低くなることが認められた。
このように、実施例のアメリカンドッグ用ミックスを用いて調製した生地は、比較例のアメリカンドッグ用ミックスを用いて調製した生地と比べて、温度の上昇に対して生地の粘度低下が小さいことが認められた。
[形状の評価]
[串の調整方法]
アメリカンドック用の串を調整する際には、まず、直径がΦ2cmであり、長さが14cmである魚肉ソーセージ(千代田食品(株)製)を7cmの長さに切り分けた。そして、木製の串を各魚肉ソーセージの先端から基端までにわたって刺し込んだ。なお、各串は円筒形状を有し、各串における直径がΦ5mmであり、長さが15cmである。
[付着量の測定方法]
アメリカンドッグにおける生地の付着量の測定方法を説明する。
生地の付着量を測定するときには、まず、内容量が1Lである片手ビーカーにアメリカンドッグ用の生地を入れ、片手ビーカーの有する1Lを示す線までアメリカンドッグ用の生地で満たした。そして、片手ビーカーの内部に入った生地の重量を測定した。
なお、実施例1から41、比較例1から31では、調製直後の生地を用いて、生地の付着量を測定した。一方で、実施例42では、調製した生地を10℃の環境試験室内に、20分間静置した生地を用いて生地の付着量を測定した。また、実施例43では、調製した生地を30℃の恒温機(三洋電機(株)製、SANYO MIR‐152)内で30分間静置することによって、生地の温度を10℃から25℃まで昇温させた生地を用いて生地の付着量を測定した。なお、上述したように、実施例43の試験条件は、生地の温度を25℃まで昇温させている点において、実際の製造工場にてアメリカンドッグが製造されるときよりも過酷な条件であるといえる。
次いで、串の刺さったソーセージを片手ビーカーの径方向の中心に挿入し、ソーセージによって生地を4回攪拌した後、ソーセージを生地から引き抜いて再び生地の内部に戻す動作を3回繰り返すことで、ソーセージの表面に生地をなじませた。なお、ソーセージによる攪拌と、ソーセージを生地から引き抜いてから生地に戻す動作とは、1秒につき1回の速度で行った。
そして、ソーセージの先端を生地から20cmだけ上方まで引き上げたところで手首を返し、ソーセージに生地を付着させた。なお、ソーセージを引き上げる速度は、1秒あたり13cmとした。
片手ビーカーの内部に残った生地の重量を測定し、ソーセージに付着した生地の重量を算出した。なお、同じ操作によって10回付着量を測定し、10回の測定結果の平均値を評価用の数値として算出した。
[評価方法]
生地の付着量の評価方法を説明する。
ソーセージに付着した重量の最適値を49±2.5gとし、生地の付着量を以下の基準に基づき評価した。
×(H):付着量が54g以上である。
△(H):付着量が51.5gよりも大きく、かつ、54g未満である。
○ :付着量が46.5g以上51.5g以下である。
△(L):付着量が44g以上、かつ、46.5g未満である。
×(L):付着量が44g未満である。
[評価結果]
図9を参照して実施例における評価結果を説明し、図10を参照して比較例における評価結果を説明する。
図9が示すように、実施例1から41の各々では、いずれも付着量が46.5g以上51.5g以下であり、ソーセージに付着した生地の重量が最適な値であることが認められた。また、実施例42、および、実施例43の各々でも、付着量が46.5g以上51.5gであり、ソーセージに付着した生地の重量が最適な値であることが認められた。
一方で、図10が示すように、比較例5,7,11,13から16,18から20,23,27の各々では、付着量が46.5g以上51.5g以下であることが認められた。これに対して、比較例4,31では、付着量が51.5gよりも大きく、かつ、54g未満であり、比較例8,21,22の各々では、付着量が54g以上であり、付着量が最適な付着量よりも大きいことが認められた。また、比較例1,3,9,10,12,17,24から26,28,29の各々では、付着量が44g以上、かつ、46.5g未満であり、比較例2,6,30の各々では、付着量が44g未満であり、付着量が最適な付着量よりも小さいことが認められた。
[アメリカンドッグの製造方法]
図11から図15を参照してアメリカンドッグの製造方法を説明する。
図11が示すように、アメリカンドッグを製造する際には、まず、アメリカンドッグを製造する作業員は、調製したアメリカンドッグ用の生地11を1Lの片手ビーカーBのうち1Lの目盛りまで移し入れた。そして、調整されたソーセージ12に串13が刺さった状態で、ソーセージ12を片手ビーカーBの中心に挿入して、生地11の中で、ソーセージ12が直径約6cmの円の円周を描くように4回撹拌した。なお、規定量の生地をソーセージ12に付着させるために生地11を攪拌する動作は、生地11の収容される容器の大きさや、ソーセージ12の太さ、および、ソーセージ12の長さによっては異なるし、あるいは、攪拌する動作を行わないこともある。
さらに、図12が示すように、ソーセージ12を片手ビーカーBの上下方向に動かした、すなわち、ソーセージ12を生地11から引き出した後に生地11の中に戻す動作を3回繰り返した。これにより、ソーセージ12の外表面に、生地11の一部が付着した。なお、ソーセージ12の回転は、1秒間に2回の速度で行い、ソーセージ12の上下方向への動作は1秒間に1回の速度で行った。
図13が示すように、片手ビーカーBの中から、片手ビーカーBの上方に向けてソーセージ12を引き出すことにより、ソーセージ12の周りに衣用生地14が付着した。図14が示すように、作業員が、串13を掴んでいる手の手首を身体に向けて返すことによって、ソーセージ12の先端に付着した生地11の一部を片手ビーカーBの中の生地11から切り離して、ソーセージ12に付着させた。
図15が示すように、衣用生地14の付着したソーセージ12をソーセージ12の先端からアメリカンドッグ用のフライヤーFの中に挿入することで、ソーセージ12と衣用生地14とを油ちょうした。これにより、アメリカンドッグを製造した。なお、ソーセージ12と衣用生地14とを油ちょうするための調理油Cは、例えば、FryUP502(J−オイルミルズ(株)製)であり、ソーセージ12および衣用生地14を、170℃に加熱された調理油Cで5分間油ちょうした。
[アメリカンドッグの形状]
油ちょうされたアメリカンドッグを網付きバットなどの上に乗せ、10分間油を切った。なお、アメリカンドッグの2つの端部のうち、串の突き出した端部が基端であり、他方の端部が先端である。油切りされた100本のアメリカンドッグの各々について、以下のような形状の不良があるか否かを判断した。
すなわち、図16が示すように、生地の薄い部分に発泡したガスが集まって形成されたこぶであるこぶ形状1があるか否かを判断した。また、図17が示すように、ソーセージの周方向にて生地に偏りが生じることで、アメリカンドッグの先端、あるいは、アメリカンドッグの延びる方向における中央部に形成されたこぶであるこぶ形状2があるか否かを判断した。特に、こぶ形状2の発生には、上述した生地粘度の質が関係している。すなわち、上述した(1)から(3)が満たされていないと、図17が示すように、ソーセージの周方向にて生地に偏りが生じることで、アメリカンドッグの先端、あるいは、アメリカンドッグの延びる方向における中央部に生地が集中してしまい、こぶ形状2が発生しやすくなる。
また、図18が示すように、アメリカンドッグの基端から延びる方向における先端、中央部、および、基端のいずれかに形成されるひげであるひげ形状1、図19が示すように、アメリカンドッグの基端から串に向けて延びるひげであるひげ形状2があるか否かを判断した。さらには、図20が示すように、アメリカンドッグの基端から串に向けて延び、かつ、串に巻き付くひげであるひげ形状3があるか否かを判断した。
一方で、図21が示すアメリカンドッグを上述したこぶ形状1、こぶ形状2、ひげ形状1、ひげ形状2、および、ひげ形状3のいずれもが形成されていないアメリカンドッグとして判断した。
また、ひげ形状2の発生、および、ひげ形状3の発生にも、上述した生地粘度の質が関係している。すなわち、上記(1)から(3)が満たされていないと、ソーセージの先端を生地から上方まで引き上げて、手首をかえしたところで、アメリカンドッグの基端から串に向けて延びるひげ形状2が発生しやすくなる。また、上記(1)から(3)が満たされていないと、ソーセージの先端を生地から上方まで引き上げて、手首をかえしたところで、アメリカンドッグの基端から串に向けて延び、かつ、串に巻き付くひげ形であるひげ形状3が発生しやすくなる。
[評価方法]
アメリカンドッグの形状の評価方法を説明する。
5人の訓練された作業員がそれぞれ20本ずつ作製した合計100本のアメリカンドッグのうち、6本以上のアメリカンドッグがこぶ形状1を有するとき、あるいは、6本以上のアメリカンドッグがこぶ形状2を有するとき、アメリカンドッグ用の生地の特性が適切でないと判断した。また、訓練された作業員が作製した100本のアメリカンドッグのうち、6本以上のアメリカンドッグがひげ形状1を有するとき、6本以上のアメリカンドッグがひげ形状2を有するとき、あるいは、6本以上のアメリカンドッグがひげ形状3を有するとき、アメリカンドッグ用の生地の特性が適切でないと判断した。
なお、実施例1から41、比較例1から31では、調製直後の生地を用いてアメリカンドッグを作製した。一方で、実施例42では、調製した生地を10℃の環境試験室内に、20分間静置した生地を用いてアメリカンドッグを作製した。また、実施例43では、調製した生地を30℃の恒温機(三洋電機(株)製、SANYO MIR‐152)内で30分間静置することによって、生地の温度を10℃から25℃まで昇温させた生地を用いてアメリカンドッグを作製した。なお、上述したように、実施例43の試験条件は、生地の温度を25℃まで昇温させている点において、実際の製造工場にてアメリカンドッグが製造されるときよりも過酷な条件であるといえる。
[評価結果]
図9を参照して実施例における評価結果を説明し、図10を参照して比較例における評価結果を説明する。
図9が示すように、実施例1から実施例41の各々では、100本のアメリカンドッグのうち、こぶ形状1を有するアメリカンドッグが5本以下であり、こぶ形状2を有するアメリカンドッグが5本以下であることが認められた。また、実施例42、および、実施例43の各々でも、100本のアメリカンドッグのうち、こぶ形状1を有するアメリカンドッグが5本以下であり、こぶ形状2を有するアメリカンドッグが5本以下であることが認められた。
図9が示すように、実施例1から実施例41では、100本のアメリカンドッグのうち、ひげ形状1を有するアメリカンドッグが5本以下であり、ひげ形状2を有するアメリカンドッグが5本以下であり、かつ、ひげ形状3を有するアメリカンドッグが5本以下であることが認められた。また、実施例42、および、実施例43の各々でも、100本のアメリカンドッグのうち、ひげ形状1を有するアメリカンドッグが5本以下であり、ひげ形状2を有するアメリカンドッグが5本以下であり、かつ、ひげ形状3を有するアメリカンドッグが5本以下であることが認められた。
一方で、図10が示すように、比較例1,3から8,12から21,24から28,30,31の各々では、100本のアメリカンドッグのうち、こぶ形状1を有するアメリカンドッグが5本以下であることが認められた。これに対して、比較例2,9から11,22,23,29の各々では、100本のアメリカンドッグのうち、こぶ形状1を有するアメリカンドッグが6本以上であることが認められた。
また、比較例1から31の全てにおいて、100本のアメリカンドッグのうち、こぶ形状2を有するアメリカンドッグが6本以上であることが認められた。
そして、比較例5,10,21,25から30の各々では、100本のアメリカンドッグのうち、ひげ形状1を有するアメリカンドッグが5本以下であることが認められた。これに対して、比較例1から4,6から9,11から20,22から24,31の各々では、100本のアメリカンドッグのうち、ひげ形状1を有するアメリカンドッグが6本以上であることが認められた。
また、比較例3,4,8,9,17,19,20,22,23,27,28の各々では、100本のアメリカンドッグのうち、ひげ形状2を有するアメリカンドッグが5本以下であることが認められた。これに対して、比較例1,2,5から7,10から16,18,21,24から26,29から31の各々では、100本のアメリカンドッグのうち、ひげ形状2を有するアメリカンドッグが6本以上であることが認められた。
そして、比較例1,3から5,7から9,14,16から20,22,23,25の各々では、100本のアメリカンドッグのうち、ひげ形状3を有するアメリカンドッグが5本以下であることが認められた。これに対して、比較例2,6,10から13,15,21,24,26から31の各々では、100本のアメリカンドッグのうち、ひげ形状3を有するアメリカンドッグが6本以上であることが認められた。
このように、実施例によれば、アメリカンドッグに含まれる形状が不良である個体、すなわち、こぶ形状1を有する個体、こぶ形状2を有する個体、ひげ形状1を有する個体、ひげ形状2を有する個体、および、ひげ形状3を有する個体の割合が所定の割合よりも小さくなることが認められた。特に、実施例によれば、比較例と比べて、こぶ形状2を有する個体の割合が所定の割合よりも小さくなることが認められた。
[アメリカンドッグ用ミックスの作用]
図22を参照してアメリカンドッグ用ミックスの作用を説明する。
図22が示すように、下記(A)および(B)を満たすアメリカンドッグ用ミックスによれば、アメリカンドッグにおいてこぶ形状2が生じることが抑えられ、かつ、アメリカンドッグの重量が所定の重量の範囲に収まることが認められた。
(A)アメリカンドッグ用ミックスが100重量部であるとき、穀類粉が50重量部以上88重量部以下であり、糖類が8.0重量部以上48重量部以下であり、膨張剤が1.0重量部以上3.0重量部以下であり、増粘剤が0.1重量部以上2.0重量部以下であるアメリカンドッグ用ミックスである。
(B)前記穀類粉が穀類粉100重量部に対して、下記(X)〜(W)の条件を満たす加熱小麦粉が25重量部以上100重量部以下である。
(X)ショ糖脂肪酸エステルのHLB値が11以上19以下である。
(Y)小麦粉が100重量部であるとき、ショ糖脂肪酸エステルの重量が、0.4重量部以上5.0重量部以下である。
(Z)小麦粉とショ糖脂肪酸エステルとが混合された状態で、小麦粉とショ糖脂肪酸エステルとの混合物を加熱する温度が、80℃以上100℃以下である。
(W)小麦粉とショ糖脂肪酸エステルとの混合物を加熱する時間が、30分以上60分以下である。
糖類の量が、上述した(A)を満たす範囲であることは、アメリカンドッグが適切なボリューム、すなわち膨らみになる、アメリカンドッグの内層が均一になる、および、アメリカンドッグの食感と味が整うという点において好ましい。
膨張剤の量が、上述した(A)を満たす範囲であることは、ソーセージに付着した生地を油ちょうするときに、加熱によって生じるガスの量を適切にする、および、アメリカンドッグの食感が整うという点において好ましい。
増粘剤の量が、上述した(A)を満たす範囲であることは、膨張剤から発生するガスが生地の内部から漏れないように、生地にガスを保持させる、および、アメリカンドッグの食感が整うという点において好ましい。
なお、アメリカンドッグ用ミックスの全量に対する増粘剤の量を少なくしたり、多くしたりすることによって、B型粘度計で測定した初期の粘度を調整することは可能である。増粘剤は非ニュートン性が高い特性を有するため、増粘剤の量を多くすると、かえって生地の非ニュートン性が高まり、力を加えた時の粘度低下が大きくなってしまう。すなわち、上述したアメリカンドッグの生地粘度の質の一つである、(1)非ニュートン性が小さい、つまり、力を加えた時の粘度低下が小さいことに対して逆効果になる。そのため、アメリカンドッグの重量が規定の範囲に収まりにくくなる。
こうした理由から、糖類、膨張剤、および、増粘剤の各々の量が、上述した(A)を満たす範囲とすることが好ましい。このように、上述した(A)が満たされないと、アメリカンドッグ用ミックスを用いて製造されたアメリカンドッグが、ボリューム、内層、および、食感などにおいて、製品としての規格を満たさない。このような製品は不良品として廃棄されるため、製造コストの無駄が発生する。
特に、比較例3,4の各々のように、ショ糖脂肪酸エステルのHLB値が9であるとき、比較例3,4のアメリカンドッグ用ミックスを用いて製造されたアメリカンドッグでは、アメリカンドッグの重量が所定の重量の範囲に収まらないし、こぶ形状2が生じる割合も大きくなる。これに対して、ショ糖脂肪酸エステルのHLB値以外の条件が同じである実施例、すなわち、実施例9,10の各々では、アメリカンドッグの重量が所定の重量の範囲に含まれ、かつ、こぶ形状2が生じる割合も小さくなる。こうした理由から、HLB値の範囲の下限値である11は、上述したアメリカンドッグ用ミックスによる効果を得る上で、臨界的な意義を有する数値であるといえる。
一方で、比較例12から14の各々のように、ショ糖脂肪酸エステルが0.2重量部であるとき、比較例12から14のアメリカンドッグ用ミックスを用いて製造されたアメリカンドッグでは、アメリカンドッグの重量が所定の重量の範囲に収まらないし、こぶ形状2が生じる割合も大きくなる。これに対して、ショ糖脂肪酸エステルの添加量以外の条件が同じである実施例、すなわち、実施例16から18の各々では、アメリカンドッグの重量が所定の重量の範囲に含まれ、かつ、こぶ形状2が生じる割合も小さくなる。こうした理由から、ショ糖脂肪酸エステルの添加量の下限値である0.4重量部は、上述したアメリカンドッグ用ミックスによる効果を得る上で、臨界的な意義を有する数値であるといえる。
[食感の評価]
[食感の評価に用いるサンプルの作成方法]
食感の評価に用いるサンプルの作成方法を説明する。
上述の方法で製造したアメリカンドッグを1つの網付きバットに5本ずつ並べて、ショックフリーザー(福島工業(株)製、ブラストチラー)を用いて−40℃にて1時間冷凍した。その後、冷凍庫(ホシザキ電機(株)製、HRF-150ZF3)、で−18℃にて保存した。
冷凍したアメリカンドッグを電子レンジ(シャープ(株)製、RE−S15B−W)のあたためスタート(解凍モード)で1分間加熱した後、170℃の油で3分間油ちょうし、油ちょうしたアメリカンドッグを網付きのバットの上に10分間静置した。網付きバットにて油を切ったアメリカンドッグをホットウォーマー(エイシン電機(株)製、ホットショーケース ED−6)に移し、70℃で4時間あるいは6時間にわたってアメリカンドッグを保温した。
なお、実施例1から41、比較例1から31では、調製直後の生地を用いてアメリカンドッグを作製し、食感を評価した。一方で、実施例42では、調製した生地を10℃の環境試験室内に、20分間静置した生地を用いてアメリカンドッグを作製し、食感を評価した。また、実施例43では、調製した生地を30℃の恒温機(三洋電機(株)製、SANYO MIR‐152)内で30分間静置することによって、生地の温度を10℃から25℃まで昇温させた生地を用いてアメリカンドッグを作製し、食感を評価した。なお、上述したように、実施例43の試験条件は、生地の温度を25℃まで昇温させている点において、実際の製造工場にてアメリカンドッグが製造されるときよりも過酷な条件であるといえる。
[評価方法]
食感の評価方法を説明する。
油ちょう直後のアメリカンドッグ、ホットウォーマーで4時間保温したアメリカンドッグ、および、ホットウォーマーで6時間保温したアメリカンドッグの各々を5等分して15分間静置した。そして、5つのアメリカンドッグ片の各々を相互に異なる1人のパネラーが食して、アメリカンドッグのひき、さくみ、および、口どけを以下の評価基準に基づき評価した。
なお、油ちょう直後のアメリカンドッグとは、油ちょうした後に網付きバットの上に10分間静置したアメリカンドッグである。アメリカンドッグのひきとは、アメリカンドッグを噛んだときに、アメリカンドッグが歯にくっつく食感のことであり、さくみとは、アメリカンドッグがさくさくして歯切れがよく、もろさのある食感のことである。
[ひき]
5点:ひきが非常に弱い。
4点:ひきが弱い。
3点:ややひきがある。
2点:ひきが強い。
1点:ひきが非常に強い。
[さくみ]
5点:さくみが非常にある。
4点:さくみがある。
3点:ややさくみがある。
2点:さくみが少ない。
1点:さくみが非常に少ない。
[口どけ]
5点:口どけが非常によい。
4点:口どけがよい。
3点:やや口どけがよい。
2点:口どけが悪い。
1点:口どけが非常に悪い。
ひき、さくみ、および、口どけの各項目において、5人のパネラーの付けた点数の合計が15点未満であるアメリカンドッグは、商品として適した食感を有しないものとして判断した。
[評価結果]
図23を参照して実施例における食感の評価結果を説明し、図24を参照して比較例における食感の評価結果を説明する。
図23が示すように、実施例1から41の各々では、油ちょう直後のアメリカンドッグにおけるひきが最も弱く、ホットウォーマーで保温する時間が長くなるほど、アメリカンドッグのひきが相対的に強くなることが認められた。しかしながら、実施例1から41の全てにおいて、ホットウォーマーで6時間保温したアメリカンドッグであっても、点数は15点以上であることが認められた。
また、実施例42、および、実施例43の各々でも、油ちょう直後のアメリカンドッグにおけるひきが最も弱く、ホットウォーマーで保温する時間が長くなるほど、アメリカンドッグのひきが相対的に強くなることが認められた。しかしながら、実施例42,43において、ホットウォーマーで6時間保温したアメリカンドッグであっても、点数は15点以上であることが認められた。
また、実施例1から41の各々では、油ちょう直後のアメリカンドッグにおけるさくみが最もあり、ホットウォーマーで保温する時間が長くなるほど、アメリカンドッグのさくみが相対的に少なくなることが認められた。しかしながら、実施例1から41の全てにおいて、ホットウォーマーで6時間保温したアメリカンドッグであっても、点数は15点以上であることが認められた。
また、実施例42、および、実施例43の各々でも、油ちょう直後のアメリカンドッグにおけるさくみが最もあり、ホットウォーマーで保温する時間が長くなるほど、アメリカンドッグのさくみが相対的に少なくなることが認められた。しかしながら、実施例42,43において、ホットウォーマーで6時間保温したアメリカンドッグであっても、点数は15点以上であることが認められた。
そして、実施例1から41の各々では、油ちょう直後のアメリカンドッグにおける口どけが最もよく、ホットウォーマーで保温する時間が長くなるほど、アメリカンドッグの口どけが相対的に悪くなることが認められた。しかしながら、実施例1から41の全てにおいて、ホットウォーマーで6時間保温したアメリカンドッグであっても、点数は15点以上であることが認められた。
また、実施例42、および、実施例43の各々でも、油ちょう直後のアメリカンドッグにおける口どけが最もよく、ホットウォーマーで保温する時間が長くなるほど、アメリカンドッグの口どけが相対的に悪くなることが認められた。しかしながら、実施例42,43において、ホットウォーマーで6時間保温したアメリカンドッグであっても、点数は15点以上であることが認められた。
一方で、図24が示すように、比較例1から9,12から16,19から22,26から29,31の各々では、油ちょう直後のアメリカンドッグにおけるひきは、商品として適切な範囲に含まれる程度の強さであることが認められた。これに対して、比較例10,11,17,18,23,24,25,30の各々では、油ちょう直後のアメリカンドッグであっても、商品として適しない程度にひきが強いことが認められた。
また、比較例6,9の各々では、4時間保温したアメリカンドッグにおけるひきが、商品として適切な範囲に含まれる程度の大きさであることが認められた。これに対して、比較例1から5,7,8,10から31の各々では、4時間保温したアメリカンドッグにおけるひきが、商品として適しない程度に強いことが認められた。
そして、比較例1から31の全てにおいて、6時間保温したアメリカンドッグのひきにおける点数が15点よりも小さく、商品として適しない程度にひきが強いことが認められた。
比較例1から12,14から16,18から22,25から28の各々では、油ちょう直後のアメリカンドッグが、商品として適切な範囲に含まれる程度のさくみを有することが認められた。これに対して、比較例13,17,23,24,29から31の各々では、油ちょう直後のアメリカンドッグであっても、商品として適しない程度のさくみしか有しないことが認められた。
また、比較例6,8,9,21の各々では、4時間保温したアメリカンドッグが、商品として適切な範囲に含まれる程度のさくみを有することが認められた。これに対して、比較例1から5,7,10から20,22から31の各々では、4時間保温したアメリカンドッグが、商品として適しない程度のさくみしか有しないことが認められた。
そして、比較例1から31の全てにおいて、6時間保温したアメリカンドッグのさくみにおける点数が15点よりも小さく、各アメリカンドッグが、商品として適しない程度のさくみしか有しないことが認められた。
比較例1から4,6,7,9,12,15,16,20から23,27,28,31の各々では、油ちょう直後のアメリカンドッグにおいて、商品として適切な範囲に含まれる程度に口どけがよいことが認められた。これに対して、比較例5,8,10,11,13,14,17から19,24から26,29,30の各々では、油ちょう直後のアメリカンドッグであっても、商品として適しない程度に口どけが悪いことが認められた。また、比較例1から24の全てにおいて、4時間保温したアメリカンドッグ、および、6時間保温したアメリカンドッグにおいて、商品として適しない程度に口どけが悪いことが認められた。
このように、実施例のアメリカンドッグ用ミックスによれば、アメリカンドッグの食感、特に、ホットウォーマーで長時間保温したときの食感が改善されることが認められた。
11…生地、12…ソーセージ、13…串、14…衣用生地、B…ビーカー、D…生地、F…アメリカンドッグ用のフライヤー、P…プランジャー、R…レオメーター、S…試料台。

Claims (2)

  1. 加熱小麦粉を調製する第1工程と、
    アメリカンドッグ用ミックスを調製する第2工程と、を含み、
    前記第1工程は、
    小麦粉と、
    HLB値が11以上19以下であるショ糖脂肪酸エステルであって、前記小麦粉100重量部に対して、0.4重量部以上5.0重量部以下である前記ショ糖脂肪酸エステルと、を混合して混合物を調製する工程と、
    前記混合物を80℃以上100℃以下の加熱温度で、30分以上60分以下の間にわたって加熱する加熱工程と、を含み、
    前記第2工程は、
    前記アメリカンドッグ用ミックス100重量部に対して
    50重量部以上88重量部以下の穀類粉であって、前記穀類粉は前記加熱小麦粉を含み、前記穀類粉100重量部に対して、前記加熱小麦粉が25重量部以上100重量部以下である前記穀類粉と、
    8.0重量部以上48重量部以下の糖類と、
    1.0重量部以上3.0重量部以下の膨張剤と、
    0.1重量部以上2.0重量部以下の増粘剤と、を混合する工程である
    アメリカンドッグ用ミックスの製造方法
  2. 加熱小麦粉を調製する第1工程と、
    アメリカンドッグ用ミックスを調製する第2工程と、
    アメリカンドッグ用の生地を調製する第3工程と、を含み、
    前記生地をソーセージに付着させて、前記ソーセージと前記生地とを油ちょうして製造されるアメリカンドッグの製造方法であり、
    前記第1工程は、
    小麦粉と、HLB値が11以上19以下であるショ糖脂肪酸エステルであって、前記小麦粉100重量部に対して、0.4重量部以上5.0重量部以下である前記ショ糖脂肪酸エステルと、を混合して混合物を調製する工程と、
    前記混合物を80℃以上100℃以下の加熱温度で、30分以上60分以下の間にわたって加熱する加熱工程と、を含み、
    前記第2工程は、
    前記アメリカンドッグ用ミックス100重量部に対して
    50重量部以上88重量部以下の穀類粉であって、前記穀類粉は前記加熱小麦粉を含み、前記穀類粉100重量部に対して、前記加熱小麦粉が25重量部以上100重量部以下である前記穀類粉と、
    8.0重量部以上48重量部以下の糖類と、
    1.0重量部以上3.0重量部以下の膨張剤と、
    0.1重量部以上2.0重量部以下の増粘剤と、を混合する工程であり、
    前記第3工程は、
    前記アメリカンドッグ用ミックスに少なくとも水を加えて、前記生地を調製する工程である
    アメリカンドッグの製造方法。
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