JP6403972B2 - 車両用ブレーキ制御装置 - Google Patents
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前記した装置において、前記路面摩擦係数推定手段は、ブレーキ入力があるという第1条件と、車輪のスリップ量もしくはスリップ率が所定の閾値以上であるという第2条件と、車輪が減速中であるという第3条件と、アンチロックブレーキ制御の液圧制御モードがブレーキ液圧を減少させる減圧モードでないという第4条件を満たした場合に、路面摩擦係数を推定する構成とすることができる。
前記した装置において、前記スプリット路判定手段は、同軸上の左右の車輪に対応した2つの路面摩擦係数の差が第1閾値以上であり、かつ、複数の車輪に対応した複数の路面摩擦係数のうち2番目に小さな路面摩擦係数が第2閾値未満である場合に、スプリット路であると判定する構成とすることができる。
次に、本発明の第1の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る車両用ブレーキ制御装置Aは、車両CRの各車輪Wに付与する制動力を適宜制御する装置である。車両用ブレーキ制御装置Aは、油路や各種部品が設けられる液圧ユニット10と、液圧ユニット10内の各種部品を適宜制御するための制御部100とを主に備えている。
ポンプ4は、リザーバ3とマスタシリンダMCとの間に設けられており、リザーバ3で貯溜されているブレーキ液を吸入し、そのブレーキ液をオリフィス5aを介してマスタシリンダMCに戻す機能を有している。
制御部100は、液圧ユニット10を制御して各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに設定したブレーキ液圧を与えることにより車両を安定化させる制御を実行する装置である。このため、制御部100は、図3に示すように、車両速度取得手段111と、車輪減速度取得手段112と、ブレーキ液圧取得手段113と、路面摩擦係数推定手段120と、アンチロックブレーキ制御手段130と、スプリット路判定手段140と、差圧設定手段150と、記憶手段190とを主に備えて構成されている。
具体的に、アンチロックブレーキ制御手段130は、車輪速度WSと車両速度Vとに基づいて定まる各車輪Wのスリップ量SLが、制御介入閾値TH1以上となった場合にアンチロックブレーキ制御を実行する。詳しくは、アンチロックブレーキ制御手段130は、スリップ量SLが、制御介入閾値TH1以上となったか否かを判定して、制御介入閾値TH1以上となった車輪Wについて、アンチロックブレーキ制御を実行すると判定する。そして、アンチロックブレーキ制御手段130は、アンチロックブレーキ制御を実行すると判定した場合、アンチロックブレーキ制御の液圧制御モードを決定し、決定した液圧制御モードに基づいて液圧ユニット10を制御して、具体的には、入口弁1および出口弁2に出力する電流を制御して、対応する車輪ブレーキFL,RR,RL,FRのブレーキ液圧を制御する。
具体的に、一時保持制御では、基本減圧制御の後、車輪速度WSが減少傾向にあることを条件として、図7(b)の時刻t24〜t25などに示すように、所定時間、車輪ブレーキFL,RR,RL,FRのブレーキ液圧を保持する制御を行う。所定時間は、例えば、スリップ量SLの演算から入口弁1および出口弁2に制御信号を送るまでの1サイクルなどとすることができる。
つまり、車両CRがスプリット路を走行しているとき、高摩擦係数側の車輪ブレーキのブレーキ液圧は、差圧制御によって減圧する場合と、アンチロックブレーキ制御によって減圧する場合の2つの場合がある。
次に、本発明の第2の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態は、前述した第1の実施形態に係る制御部100の一部の構成を変更したものであるため、第1の実施形態と略同様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
図11に示すように、制御部100は、まず、車輪速度WS、車両速度V、車輪減速度WD、ブレーキ液圧Pbおよび車両減速度CDを取得する(S101)。その後、制御部100は、ステップS102,S103の処理を実行する。
図13に示すように、本実施形態では、スプリット路と判定された場合、制御介入閾値TH1Hが小さく設定されるため、高μ側の車輪Wの車輪速度WSHの減速中にスリップ量SLが小さい段階で早めにアンチロックブレーキ制御の減圧モードを開始することができる(時刻t43)。これにより、高μ側のブレーキ液圧PHが早めに減圧するので、高μ側の車輪Wの車輪速度WSHが早めに加速傾向となり(時刻t49)、図7に示した第1の実施形態の場合よりも早い段階でブレーキ液圧PHの減圧を終了することができる。その結果、アンチロックブレーキ制御による高μ側のブレーキ液圧PHの減圧がより小さくなるため、高μ側のブレーキ液圧PHの急激な変動をより抑えることができ、ブレーキフィーリングをより向上させることができる。
111 車両速度取得手段
112 車輪減速度取得手段
113 ブレーキ液圧取得手段
120 路面摩擦係数推定手段
130 アンチロックブレーキ制御手段
140 スプリット路判定手段
150 差圧設定手段
A 車両用ブレーキ制御装置
FL,RR,RL,FR 車輪ブレーキ
W 車輪
Claims (10)
- 車輪のスリップ量もしくはスリップ率が制御介入閾値以上となった場合に減圧制御を実行するアンチロックブレーキ制御手段と、
車両が走行している路面の路面摩擦係数が左右で所定以上異なるスプリット路であるか否かを判定するスプリット路判定手段と、
高摩擦係数側の車輪ブレーキのブレーキ液圧と低摩擦係数側の車輪ブレーキのブレーキ液圧との許容できる差圧を設定する差圧設定手段と、を備え、
前記スプリット路判定手段は、スプリット路のレベルを判定し、
前記アンチロックブレーキ制御手段は、
高摩擦係数側の車輪ブレーキのブレーキ液圧と低摩擦係数側の車輪ブレーキのブレーキ液圧との差圧が前記許容できる差圧を超えないように高摩擦係数側の車輪ブレーキのブレーキ液圧を制御する差圧制御を実行し、
高摩擦係数側の車輪ブレーキのブレーキ液圧と低摩擦係数側の車輪ブレーキのブレーキ液圧との差圧が前記許容できる差圧内である場合において、高摩擦係数側の車輪のスリップ量もしくはスリップ率が前記制御介入閾値以上となった場合に高摩擦係数側の車輪ブレーキのブレーキ液圧を減圧させ、
前記減圧制御開始時に車輪ブレーキのブレーキ液圧を所定の減圧量で減圧させ、
前記スプリット路判定手段によってスプリット路であると判定された場合、高摩擦係数側の車輪ブレーキの前記所定の減圧量を、スプリット路であると判定されていない場合よりも小さくし、
前記スプリット路のレベルが高いほど、高摩擦係数側の車輪ブレーキの前記制御介入閾値を小さくすることを特徴とする車両用ブレーキ制御装置。 - 前記アンチロックブレーキ制御手段は、前記スプリット路のレベルが高いほど、高摩擦係数側の車輪ブレーキの前記所定の減圧量を小さくすることを特徴とする請求項1に記載の車両用ブレーキ制御装置。
- 各車輪の車輪ブレーキのブレーキ液圧と、各車輪の車輪減速度とに基づいて各車輪に対応した路面摩擦係数を推定する路面摩擦係数推定手段を備え、
前記スプリット路判定手段は、前記路面摩擦係数推定手段によって推定された路面摩擦係数に基づいてスプリット路であるか否かを判定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用ブレーキ制御装置。 - 前記路面摩擦係数推定手段は、車輪毎に、前記ブレーキ液圧が小さいほど、路面摩擦係数を低摩擦係数側に推定し、前記車輪減速度の絶対値が大きいほど、路面摩擦係数を低摩擦係数側に推定することを特徴とする請求項3に記載の車両用ブレーキ制御装置。
- 前記路面摩擦係数推定手段は、ブレーキ入力があるという第1条件と、車輪のスリップ量もしくはスリップ率が所定の閾値以上であるという第2条件と、車輪が減速中であるという第3条件と、アンチロックブレーキ制御の液圧制御モードがブレーキ液圧を減少させる減圧モードでないという第4条件を満たした場合に、路面摩擦係数を推定することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の車両用ブレーキ制御装置。
- 前記路面摩擦係数推定手段は、前記第1条件を満たし、かつ、前記第2条件、前記第3条件および前記第4条件のうちいずれか1つの条件を満たさない場合には、路面摩擦係数の前回値を保持することを特徴とする請求項5に記載の車両用ブレーキ制御装置。
- 前記スプリット路判定手段は、同軸上の左右の車輪に対応した2つの路面摩擦係数の差が第1閾値以上であり、かつ、複数の車輪に対応した複数の路面摩擦係数のうち2番目に小さな路面摩擦係数が第2閾値未満である場合に、スプリット路であると判定することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の車両用ブレーキ制御装置。
- 前記アンチロックブレーキ制御手段は、
車輪のスリップ量もしくはスリップ率が前記制御介入閾値以上となった場合において、基本減圧制御と漸減圧制御とを続けて行う減圧サイクルで車輪ブレーキのブレーキ液圧を減圧させ、
前記基本減圧制御においては、車輪ブレーキのブレーキ液圧を前記所定の減圧量で減圧させる制御を行い、
前記漸減圧制御においては、所定時間、車輪ブレーキのブレーキ液圧を保持する一時保持制御と、当該一時保持制御の後、車輪速度が減少傾向にある場合には、前記基本減圧量よりも小さい量で車輪ブレーキのブレーキ液圧を減圧させる微小減圧制御とを行うことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の車両用ブレーキ制御装置。 - 前記アンチロックブレーキ制御手段は、前記スプリット路判定手段によってスプリット路であると判定された場合、高摩擦係数側の車輪ブレーキの前記制御介入閾値を、スプリット路であると判定されていない場合よりも小さくすることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の車両用ブレーキ制御装置。
- 前記アンチロックブレーキ制御手段は、
各車輪ブレーキの前記所定の減圧量を、車輪減速度に基づいて設定し、
前記スプリット路判定手段によってスプリット路であると判定された場合、高摩擦係数側の車輪ブレーキの前記車輪減速度に基づいて設定される前記所定の減圧量を、スプリット路であると判定されていない場合よりも小さく設定することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の車両用ブレーキ制御装置。
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