JP6403604B2 - 電動アクチュエータ - Google Patents
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この公報に掲載された電動アクチュエータには、図7に示すとおり、円筒状のハウジング201内に電気モータ202が配設されており、この電気モータ202のロータ(電気子)の内側には中空のスリーブ状回転子203が配設されている。そして、円筒状のハウジング201の中心には、中空のスリーブ状回転子203を貫通して延びるねじ軸204が配置され、ねじ軸204に形成されたねじには、ハウジング201の軸方向先端部に置かれたナット部材205が嵌め合わされている。ナット部材205はスリーブ状回転子203に連結され、電気モータ202で回転されることにより、ねじ軸204を直線運動させ、ハウジング201に対して出没させる。ねじ軸204の先端部には軸方向外方に延びる第一の連結部206が配設されており、この第一の連結部206の先端部には、電動アクチュエータが被駆動部材(例えばウイング)と連結されて回動する際の回動支点(o1)となる取付孔が形成されている。また、ハウジング201の後端には軸方向外方に延びる第二の連結部207が配設されており、この第二の連結部207の後端部には、電動アクチュエータが固定側部材(例えば後部フレーム)と連結されて回動する際の回動支点(o2)となる取付孔が形成されている。
しかし、図7に示すように、電動アクチュエータにおいては、ねじ軸204がハウジング201に入り込むための収納部がハウジング201に設けてあり、その収納部は、ねじ軸204が最も入り込んだ時、即ち、電動アクチュエータの長さが最短となった時点のねじ軸204を収納する必要がある。そして、第二の連結部207は、ハウジング201よりも軸方向外方に配置されていることから、ねじ軸204がハウジング201に最も入り込んだ状態にあっても、電動アクチュエータの軸方向長さ(第一の連結部206から第二の連結部207までの距離)が比較的長くなり、この電動アクチュエータは被駆動部材及び固定側部材に装着する際にコンパクトに設置することができない。
そこで本発明の課題は、電動アクチュエータを、ねじ軸が出没する所要ストローク長を確保しつつ、ねじ軸がハウジングに最も入り込んだ時には電動アクチュエータの軸方向長さが短くなるように構成して、上述の問題点を解決することにある。
「ねじを形成したねじ軸と前記ねじに嵌め合わされるナット部材とが設置され、ハウジングに固定された正転・逆転可能な電気モータにより前記ナット部材を回転して前記ねじ軸を前記ハウジングに対して出没させ、長さを伸縮する電動アクチュエータであって、
前記電動アクチュエータは、前記ねじ軸の先端部が被駆動部材又は固定側部材の一方の回動支点に回動可能に連結されると共に、前記ハウジングが前記被駆動部材又は固定側部材の他方の回動支点に回動可能に連結されており、さらに、
前記ハウジングの回動支点は、前記ねじ軸が前記ハウジングに最も入り込んだ時の前記ねじ軸の後端よりも軸方向の前方に位置する」
ことを特徴とする電動アクチュエータとなっている。
本発明の電動アクチュエータは、ねじ軸の先端部が被駆動部材又は固定側部材の一方の回動支点に回動可能に連結されると共に、ハウジングが被駆動部材又は固定側部材の他方の回動支点に回動可能に連結される。ハウジングの回動支点は、ねじ軸がハウジングに最も入り込んだ時のねじ軸の後端よりも軸方向の前方に位置し、これにより本発明の電動アクチュエータでは、所定のストローク長を維持しつつ、ねじ軸がハウジングに最も入り込んだ状態での電動アクチュエータの軸方向長さを短くすることができる。それ故に被駆動部材及び固定側部材へのコンパクトな設置が可能となり、電動アクチュエータが設置される個所の周辺の部材との干渉を避けることができる。
図1の全体図に示すように、符号1で示される本発明の電動アクチュエータでは、ハウジング2の内部に正転・逆転可能な電気モータMが設置される。電気モータMは、詳細な図示は省略するが、一般的なDCモータ又はACモータと同じく、ハウジング2に固定されたステータの内側に回転するロータ(電機子)が配置されたもので、ロータの内側には、中空のスリーブ状回転子3が固着されている。そして、ハウジング2の中心には、中空のスリーブ状回転子3を貫通して延びるねじ軸4が配置され、ねじ軸4に形成されたねじには、ハウジング2の軸方向の先端に置かれたナット部材5が嵌め合わされる。
接続部材41の後端部とハウジング2の先端部の間には、ねじ軸4を覆うようにして、伸縮可能な蛇腹状ゴムの保護部材43が設けてある。そのため、ねじ軸4をハウジング2に対して出没させることで接続部材41が軸方向に移動した場合であっても、埃等がねじ軸4の表面に付着して電動アクチュエータ1の作動を妨害することが回避される。
図示の実施形態においては、ハウジング2の後方端より幾分前方において、ねじ軸4と直交する方向に延びる一対の回転軸61を備えた回転軸部材6がハウジング2と一体的に配設されており、この回転軸61が被駆動部材又は固定側部材の他方と回動可能に連結される。従って、回動支点o2はこの回転軸61の中心に位置する。所望ならば、回転軸部材6をハウジング2と一体で成型することに替えて、回転軸部材6をハウジング2とは別体で成型した後に、回転軸部材6をハウジング2に挿通して溶接のような適宜の接着手段により付設してもよい。
ベース部72は全体としては矩形平板であり、その上面中央領域には略正方形の肉厚低減部73が形成されている。図示の実施形態においては、肉厚低減部73は貫通開口であるが、有底形状であってもよい。ベース部72の上面中央領域に肉厚低減部73が形成されていることで、後述するとおり、電動アクチュエータ1が被駆動部材及び固定側部材との間に装着されハウジング2が回動する際には、ハウジング2の回動支点o2がハウジング2の後端よりも幾分前方に位置しているにもかかわらず、ハウジング2の後端部がこの肉厚低減部73を通過することで取付部材7と干渉するのを回避し、ハウジング2の円滑な回動が可能となる。取付部材7は、一対の挟持部71の貫通孔に夫々の回転軸61を挿通した状態でベース部72にボルトのような適宜の固定具により固定された後に、ベース部72を溶接のような適宜の配設手段で被駆動部材又は固定側部材に配設される。
このように、回転軸部材6と取付部材7を用いることで、簡易な構造で電動アクチュエータを回動させることができ、製造コストを低減することができる。
図3の電動アクチュエータ1は、ウイングボディ8のウイングの屋根パネル81を被駆動部材とすると共にその後部フレーム82を固定側部材としてウイングボディ8に装着される(図6も併せて参照)。ここで、本発明の電動アクチュエータ1は、ウイングの屋根パネル81を被駆動部材とすると共に前面パネルを固定側部材としても装着されるが、その構成は後部フレーム82に装着される場合と同様である。
そして、電動アクチュエータ1の電気モータMを駆動することでねじ軸4をハウジング2に対して出没させ、電動アクチュエータ1の軸方向長さを伸縮させることにより屋根パネル81が回動する。即ち、電動アクチュエータ1は、その前方端部が屋根パネル81の回動支点o1と回動可能に連結されていると共に、その後方端部が後部フレーム82の回動支点o2と回動可能に連結されていることから、電動アクチュエータ1の軸方向長さを伸ばすと、図3の左側に示すとおり、電動アクチュエータ1によって屋根パネル81が押し上げられることで、ウイングは開方向に回動し、荷台の側面が開放される。一方で、電動アクチュエータ1の軸方向長さを縮めると、図3の右側に示すとおり、ウイングは閉方向に回動し、荷台が閉鎖される。
この図から理解されるとおり、本発明の電動アクチュエータ1におけるハウジング2の回動支点o2は、従来の電動アクチュエータ1´におけるハウジング2´の回動支点o2´に比べて上方に位置する。これは、本発明の電動アクチュエータ1においては、ハウジング2の回動支点o2が、ねじ軸4がハウジング2に最も入り込んだ時のねじ軸4の後端よりも軸方向の前方に位置しているが、従来の電動アクチュエータ1´においては、ハウジング2´の回動支点o2´が、ハウジング2´よりも更に軸方向の後方に位置していることに起因する。これにより、本発明の電動アクチュエータ1は従来の電動アクチュエータ1´に比べ短縮時における軸方向長さが短く、その分だけ、狭いスペースに設置したとしても周囲の部材との干渉を避けることができる。例えば、ウイング開閉用アクチュエータの近傍には、ウイング2の開閉用ヒンジを取り付けるセンタービーム用の取り付け部材(図4のX)が存在するが、本発明の電動アクチュエータ1は、上方に設置されていても取り付け部材Xと干渉することがない。
このように、本発明の電動アクチュエータ1は、回動支点o2が設けられる後部フレーム82の上面位置が高くなり、後部フレーム82に取り付けられる後部扉の高さも従来の電動アクチュエータ1´が装備される場合よりも高く設計することができる。
2:ハウジング
4:ねじ軸
5:ナット部材
6:回転軸部材
61:回転軸
7:取付部材
8:ウイングボディ
81:ウイング
82:後部フレーム
o1:回動支点
o2:回動支点
Claims (5)
- ねじを形成したねじ軸と前記ねじに嵌め合わされるナット部材とが設置され、ハウジングに固定された正転・逆転可能な電気モータにより前記ナット部材を回転して前記ねじ軸を前記ハウジングに対して出没させ、長さを伸縮する電動アクチュエータであって、
前記電動アクチュエータは、前記ねじ軸の先端部が被駆動部材又は固定側部材の一方の回動支点に回動可能に連結されると共に、前記ハウジングが前記被駆動部材又は固定側部材の他方の回動支点に回動可能に連結されており、さらに、
前記ハウジングの回動支点は、前記ねじ軸が前記ハウジングに最も入り込んだ時の前記ねじ軸の後端よりも軸方向の前方に位置する、ことを特徴とする電動アクチュエータ。 - 前記ハウジングの回動支点には、前記ねじ軸と直交する方向に延びる一対の回転軸を備えた回転軸部材が配設され、
前記ハウジングは、前記回転軸を回動可能に軸支する取付部材を介して前記被駆動部材又は固定側部材の回動支点に回動可能に連結される、請求項1に記載の電動アクチュエータ。 - 前記取付部材には、前記ハウジングとの干渉を回避するための肉厚低減部が形成されている、請求項2に記載の電動アクチュエータ。
- 前記ハウジングは、前方の主部と後方のスリーブ部とを有し、前記スリーブ部は前記主部よりも外径が小さい、請求項1乃至3のいずれかに記載の電動アクチュエータ。
- 前記電動アクチュエータは、車両に積載されるウイングボディのウイング開閉用アクチュエータである、請求項1乃至4のいずれかに記載の電動アクチュエータ。
Priority Applications (1)
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Applications Claiming Priority (1)
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JP2015031711A JP6403604B2 (ja) | 2015-02-20 | 2015-02-20 | 電動アクチュエータ |
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Family Applications (1)
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JP2015031711A Active JP6403604B2 (ja) | 2015-02-20 | 2015-02-20 | 電動アクチュエータ |
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2015
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