JP6403096B2 - セラミックハニカム構造体の製造方法 - Google Patents
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Description
セラミックハニカム構造体1は、図1(a)に示すように、各々直交する隔壁12により形成された多数の流路13と外周壁部14とからなる。
そして、コート材が塗布されたセラミックハニカム体10は、支持板81、82から取り出して、コート材を乾燥、もしくは焼成する工程へ搬送される。
前記第1の保持部材は、外周保持部材と中央保持部材とから構成され、
前記保持部材から前記セラミックハニカム体の取り出しは、
(a)前記第1の保持部材を前記セラミックハニカム体の下端面側に配置し、
(b)前記中央保持部材を鉛直方向に上昇させ、もしくは、前記外周保持部材を鉛直方向に下降させて前記セラミックハニカム体の下端面と、前記外周保持部材との間に隙間を形成し、
(c)前記隙間に、前記中央保持部材の外径より大きな開口部を有し、且つ前記セラミックハニカム体の外径より小さな寸法の凸部を上面に形成した板状取出部材を挿入し、
(d)前記中央保持部材を鉛直方向に下降させ、もしくは、前記取出部材を鉛直方向に上昇させて、前記セラミックハニカム体の下端面を前記取出部材の上面に載置し、
(e)前記取出部材に載置された前記セラミックハニカム体を搬送台に載置することを特徴とする。
また、前記取出し部材に形成された前記凸部35は図4(a)(b)に示すように、その外径はセラミックハニカム体10の外径より小さい外形状を有し、かつ前記開口部の開口形状とほぼ同一の内形状を有する。
図4(a)の場合、凸部35は同一高さのものが3つ形成されており、図4(b)の場合は、開口形状に沿って一様な高さのものが1つ形成されている。
ここで、搬送台60は、セラミックハニカム体の端面が載置される面61が、セラミックハニカム体の外径よりも小さく形成されている。
一方、前記板状取出部材30は、セラミックハニカム体10を載置して移動できる強度を有すれば良く、ステンレス製のものを用いることができ、前記板状取出部材30の厚さは3〜15mmが好ましい。
カオリン、タルク、シリカ及びアルミナの粉末を調整し、50質量%のSiO2、35質量%のAl2O3、及び13質量%のMgOを含むコーディエライト生成原料粉末とし、バインダとしてメチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース、潤滑剤、及び造孔材としてグラファイトを添加し、乾式で十分混合した後、水を添加し、十分な混練を行って可塑化したセラミック杯土を作製した。このセラミック坏土を押出成形し、所定長さに切断し、周縁部と隔壁とが一体に形成されたハニカム構造を有する成形体を得た。この成形体の周縁部11aを加工により除去して外周面を形成し、乾燥及び焼成し、実施例1、2では外径266mm、全長300mm、隔壁厚が0.3mm、セルピッチが1.5mm、実施例3では外径228mm、全長254mm、隔壁厚が0.3mm、セルピッチが1.5mmのコージェライト質のセラミックハニカム体10を得た。
第1の保持部材21と第2の保持部材22は、コート材の厚さが1.5mmとなるよう、セラミックハニカム体の外径DCよりも直径で3mm大きくなるよう実施例1、2では外径を269mmで、実施例3では外径を231mmで構成した。また、コート材は、コーディエライト粉末、コロイダルシリカと、バインダーとしてメチルセルロースを2%、イオン交換水を49%添加して作製して用いた。
この時、第1の保持部材21の中央保持部材21-2は、その保持部21-2aと押上部21-2bの構成を表1に示すようにして行った。
次に、コート材の塗布完了後、セラミックハニカム体10の上面に配置されていた第2の保持部材22を取り外す(図2(b))。図3に示す保持部の中心と同心円状に配置された複数の棒状の押上部21-2bを有する第1の保持部材21を用い、複数の棒状の押上部21-2bに押上補助部材25を介して鉛直上方の力を加えて、中央保持部材21-2を鉛直上方に押上げ、セラミックハニカム体10の下端面15aと、外周保持部材21-1との間に15mmの隙間を形成し(図2(c))、その隙間に取出部材30を挿入する(図2(d))。取出部材30は、図4(a)に示すように、ステンレス製の板状取出部材30(厚さ4mm)の表面30aよりも突出しており、ウレタンゴム製の同一高さの凸部35が3つ形成されている。この時、凸部35の高さ、及び、取出部材30に形成された凸部表面とセラミックハニカム体10の下端面15aとの最短間隔Tとセラミックハニカム体の外径DCとの関係を、表1に示すようにして行った。
そして、中央保持部材21-2を鉛直下方に下げてセラミックハニカム体10の下端面15aを取出部材30の凸部に載置し(図2(e))、取出部材30に載置されたセラミックハニカム体10を搬送台に載置する(図2(g)(h))。
次いで、セラミックハニカム体10を搬送台と共に150℃の熱風炉に入れて20分間乾燥させ、実施例1のセラミックハニカム構造体を同じ条件で各々30個製作した。
角部に破損が生じているものが0個である場合を「優(◎)」、
角部に破損が生じているものが1個である場合を「良(○)」、
角部に破損が生じているものが2個である場合を「可(△)」、
角部に破損が生じているものが3個以上である場合を「不可(×)」
として評価し、表1に示した。
実施例1と同様に外径266mm、全長300mm、隔壁厚が0.3mm、セルピッチが1.5mmのセラミックハニカム体を得た。そして、図2(a)に示すように、セラミックハニカム体10の端面15a、15bを第1の保持部材21と第2の保持部材22で挟持し、挟持されたセラミックハニカム体10の軸方向が略鉛直方向となるように回転させながら、外周面に塗布部材40でコート材を塗布する。第1の保持部材21と第2の保持部材22は、コート材の厚さが1.5mmとなるよう、セラミックハニカム体の外径DCよりも直径で3mm大きくなるよう外径を269mmで構成した。また、コート材は、実施例1と同様に作製して用いた。
第1の保持部材21の中央保持部材21-2は、その保持部21-2aと押上部21-2bの構成を表1に示すようにして行った。
次に、コート材の塗布完了後、図3に示すように保持部の中心と同心円状に配置された押上部21-2bに鉛直上方の力を加えて、中央保持部材21-2を鉛直上方に押上げ、セラミックハニカム体10の下端面15aと、外周保持部材21-1との間に隙間を形成し、その隙間に取出部材30を挿入する。この時、取出部材30とセラミックハニカム体10の下端面15aとの最短間隔Tとセラミックハニカム体の外径DCとの関係を、表1に示すようにして行った。
そして、中央保持部材21-2を鉛直下方に下げてセラミックハニカム体10の下端面15aを取出部材30に載置し、取出部材30に載置されたセラミックハニカム体10を搬送台に載置する。
次いで、150℃の熱風炉に入れて20分間乾燥させ、比較例1のセラミックハニカム構造体を同じ条件で各々30個製作した。
そして、実施例1と同様に比較例1のセラミックハニカム構造体を評価し、表1に示した。
10:セラミックハニカム体
12:隔壁
13:流路
14:外周壁部
15a、15b:端面
16:境界
17:隙間
18:周縁壁部
21:第1の保持部材
22:第2の保持部材
21−1:外周保持部材
21−2:中央保持部材
21−2a:板状の保持部
21−2b:棒状の押上部
30:取出部材
30a:取出部材の表面
31:開口部
35:凸部
351:凸部の側面部
40:塗布部材
60:搬送台
81、82:支持板
81a、82b:支持板の当接部
83:スクレーパ
89:コート材
93:台座(保持部材)
94:突き上げ板(中央保持部材)
95:移載パレット(取出部材)
G:隙間
H:凸部の高さ
L:開口部の内形状寸法
S:凸部の側面部とセラミックハニカム体の外径部との間隔
T:取出部材とセラミックハニカム体の下端面との最短間隔
Claims (8)
- 第1及び第2の保持部材に挟持されたセラミックハニカム体の外周面にコート材を塗布後、前記セラミックハニカム体の軸方向が略鉛直方向となるように配置して、前記保持部材から前記セラミックハニカム体を取り出し、塗布されたコート材を乾燥、もしくは焼成するセラミックハニカム構造体の製造方法において、
前記第1の保持部材は、外周保持部材と中央保持部材とから構成され、
前記保持部材から前記セラミックハニカム体の取り出しは、
(a)前記第1の保持部材を前記セラミックハニカム体の下端面側に配置し、
(b)前記中央保持部材を鉛直方向に上昇させ、もしくは、前記外周保持部材を鉛直方向に下降させて前記セラミックハニカム体の下端面と、前記外周保持部材との間に隙間を形成し、
(c)前記隙間に、前記中央保持部材の外径より大きな開口部を有し、且つ前記セラミックハニカム体の外径より小さな寸法の凸部を上面に形成した板状取出部材を挿入し、
(d)前記中央保持部材を鉛直方向に下降させ、もしくは、前記取出部材を鉛直方向に上昇させて、前記セラミックハニカム体の下端面を前記取出部材の上面に載置し、
(e)前記取出部材に載置された前記セラミックハニカム体を搬送台に載置することを特徴とするセラミックハニカム構造体の製造方法。 - 前記取出部材の凸部表面は、前記セラミックハニカム体の下端面にのみ接する位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のセラミックハニカム構造体の製造方法。
- 前記取出部材の凸部は、弾性部材で形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセラミックハニカム構造体の製造方法。
- 前記取出部材の開口部の内側寸法Lが、前記中央保持部材の直径DI、前記セラミックハニカム体の外径DCに対して、1.05DI≦L≦0.95DCであることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載のセラミックハニカム構造体の製造方法。
- 前記外周保持部材と前記中央保持部材とが前記セラミックハニカム体の軸方向に相対的に移動可能なように、前記中央保持部材は、板状の保持部と、前記保持部に接合された複数の棒状の押上部とを具備することを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載のセラミックハニカム構造体の製造方法。
- 前記中央保持部材は前記押上部を3箇所以上有することを特徴とする請求項1乃至請求項5に記載のセラミックハニカム構造体の製造方法。
- 前記中央保持部材の保持部が円板状であり、前記保持部の外径DIと前記セラミックハニカム体の外径DCと比が、0.3≦DI/DC≦0.9であることを特徴とする請求項1乃至請求項6に記載のセラミックハニカム構造体の製造方法。
- 前記押上部が前記保持部の中心と同心円状に配置されたことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載のセラミックハニカム構造体の製造方法。
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