JP6403083B2 - ナトリウム2,2,6,6−テトラメチルピペリジド類の合成方法 - Google Patents

ナトリウム2,2,6,6−テトラメチルピペリジド類の合成方法 Download PDF

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Description

本発明は、ナトリウム2,2,6,6-テトラメチルピペリジド類の合成方法に関する。
金属アミド化合物は、その分子内に金属-窒素結合を有する有機塩基であり、農薬や医薬の有機合成化学において汎用されている。なかでも第2級アミンの水素原子をアルカリ金属等の金属原子に置換したものが好適に利用され、例えば、α位が四置換炭素であるリチウム2,2,6,6-テトラメチルピペリジド(以下、「Li-TMP」と略する場合がある)、ナトリウム2,2,6,6-テトラメチルピペリジド(以下、「Na-TMP」と略する場合がある)等が挙げられる。
従来において、Na-TMPの製造方法として、ペンタン溶媒(50 ml)中で、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン(44 mmol)(以下、「TMP」と略する場合がある)と0.95当量のn-ブチルナトリウム(42 mmol)(以下、「nBuNa」と略する場合がある)を外気温度(25℃)で反応させることで、収率82%でNa-TMPが得られたことが報告されている(非特許文献1)。
非特許文献1には、ヘキサン溶媒(50 ml)中で、Li-TMP(38 mmol)と1当量のナトリウムt-ブトキシド(38 mmol)(以下、「NaOtBu」と略する場合がある)を外気温度(25℃)で反応させることで、収率87%でNa-TMPが得られたことも報告されている。
B. Gehrhus他著、"Synthesis and crystal structure of trimeric sodium 2,2,6,6-tetramethylpiperidide (NaTMP)", Journal of Organometallic Chemistry, 587(1), 1999, p88-92
しかしながら、TMPとnBuNaを利用する非特許文献1の方法は、nBuNaの調製を、n-ブチルリチウム(以下、「nBuLi」)とNaOtBuとのメタセシス反応により行うものであるため、得られるnBuNaにはリチウムやリチウム化合物が混入する。そのため、結果として得られるNa-TMPには、不純物としてリチウムやLi-TMP等のリチウム化合物が混入するとの問題がある。また、nBuNaの調製工程を含むことから合成工程が多段階となると共に、nBuNaの調製に際してnBuLi等の高価な試薬を用いることから生産コストが増加する等の問題もある。更に、nBuLiは消防法で第3類危険物に指定されていることから、取り扱いに適した装置等が必要となる。
Li-TMPとNaOtBuを利用する非特許文献1の方法は、一段階でNa-TMPを合成するものである。しかしながら、Li-TMPは、nBuLiとTMPを反応させて得る必要があり、実質的には多段階の反応となる。また、Li-TMPを利用することから、上述の方法と同様に不純物としてリチウムやLi-TMP等のリチウム化合物が混入し良質なNa-TMPを得ることは困難である。そのため、Na-TMPとLi-TMPの反応性の相違等から好ましくない副反応が併発される等、有機塩基等としてNa-TMPを単独で用いる合成反応系を構築できないとの問題がある。
そこで、温和な条件の下、少ない工程数の簡便な操作で短時間に、経済的かつ効率的にNa-TMP類を合成できる技術の構築が望まれている。更にはリチウムやLi-TMP等のリチウム化合物の混入のない良質なNa-TMP類を合成できる技術の構築が望まれている。
本発明者らは、上述課題を解決すべく鋭意検討した結果、TMP類を、ナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体、又はナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体との反応により得られた芳香環を有する有機ナトリウム化合物と反応させることにより、安定的かつ効率的にNa-TMP類を合成できることを見出した。かかるNa-TMP類の合成方法は、高価な試薬類や装置等を必要とせず経済的に有利であると共に、煩雑な化学的手法を必要とせず少ない工程数で簡便かつ短時間にNa-TMP類を合成できる。また、合成過程において、従来法においては必要とされたリチウム化合物を用いないことから、良質なNa-TMP類を得ることができる。本発明者らは、これらの知見に基づき本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、ナトリウム2,2,6,6-テトラメチルピペリジド(Na-TMP)類の合成方法に関するものであり、その特徴構成は、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン(TMP)類と、ナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体(SD)、又はナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体(SD)との反応により得られた芳香環を有する有機ナトリウム化合物とを反応溶媒中で反応させて、ナトリウム2,2,6,6-テトラメチルピペリジド(Na-TMP)類を得る工程を有する点にある。
本構成によれば、TMP類を出発物質として、SD又は有機ナトリウム化合物を添加することで、安定的かつ効率的にNa-TMP類を合成することができる。本構成において、Na-TMP類の合成方法で用いるSDは反応系全体に均一に分散することから、均一な温度分布で安定してNa-TMPを合成することができる。また、本構成によれば、取り扱いが容易なSDを用いているので、温和な条件下で、煩雑な化学的手法を必要とせず、少ない工程数で簡便かつ短時間に、Na-TMP類を製造することができ、経済的かつ工業的にも非常に有利である。また、TMP類は嵩高く電子豊富であるため、TMP類の窒素上のプロトンを引き抜かれることによって形成するアニオンが不安定である。そのため、TMP類においてはナトリウムアミド自体を生成することが困難であるが、本構成よれば、SDを用いることにより、かかる合成反応系が安定に進行することができ、安定的かつ効率的にNa-TMP類を合成することができる。
他の特徴構成は、前記工程が、アミン類の存在下で行われる点にある。
本構成によれば、アミン類の添加により、Na-TMP類の合成反応系が安定化し反応の進行を促進することができ、より安定的かつ効率的にNa-TMP類を合成することができる。合成反応系の安定化により、TMP類とSD又は有機ナトリウム化合物との衝突頻度の向上、反応エネルギーの安定化等によりNa-TMP類の合成反応系の駆動力が増し、合成反応の進行が促進され収率が向上するとの効果が得られる。また、上述した通りTMP類は嵩高く電子豊富であるため、TMP類の窒素上のプロトンが引き抜かれることによって形成するアニオンが不安定である。そのため、TMP類においてはナトリウムアミド自体を生成することが困難であるが、本構成のようにSDに加えアミン類を用いることにより、かかる合成反応系が安定に進行することができ、更に安定的かつ効率的にNa-TMP類を合成することができる。
本実施形態に係るNa-TMP類の合成方法の反応機構式を示す図である。 本実施形態に係るSDを用いたNa-TMP類の合成方法の検討を行った実施例1の検討条件及び検討結果を要約する図である。 本実施形態に係るSDとの反応により得られた芳香環を有する有機ナトリウム化合物を用いたNa-TMP類の合成方法の検討を行った実施例2の検討条件及び検討結果を要約する図である。 本実施形態に係るSDを用いたNa-TMP類の合成方法により合成された生成物の安定性の検討を行った実施例3の検討条件及び検討結果を要約する図である。 本実施形態に係るSDとの反応により得られた芳香環を有する有機ナトリウム化合物を用いたNa-TMP類の合成方法により合成された生成物の安定性の検討を行った実施例3の検討条件及び検討結果を要約する図である。 本実施形態に係るNa-TMP類の合成方法において用いるSDの経時安定性の検討を行った実施例4の検討条件及び検討結果を要約する図である。 本実施形態に係るNa-TMP類の合成方法において合成されたNa-TMPを用いた反応(ウィッティヒ反応)の検討を行った実施例5の検討条件及び検討結果を要約する図である。 本実施形態に係るNa-TMP類の合成方法において合成されたNa-TMPを用いた反応(アリル位水素の脱プロトン化を経る異性化反応)の検討を行った実施例6の検討条件及び検討結果を要約する図である。 本実施形態に係るNa-TMP類の合成方法において合成されたNa-TMPを用いた反応(ヘテロアレーンの脱プロトン化及び官能基化反応)の検討を行った実施例7の検討条件及び検討結果を要約する図である。 本実施形態に係るNa-TMP類の合成方法において合成されたNa-TMPを用いた反応(複素環化合物の官能基化)の検討を行った実施例8の検討条件及び検討結果を要約する図である。
(本発明の実施形態に係るNa-TMP類の合成方法)
以下、本発明のNa-TMP類の合成方法の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は、後述する実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係るNa-TMP類の合成方法は、TMP類と、ナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体、又はナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体との反応により得られた芳香環を有する有機ナトリウム化合物とを反応溶媒中で反応させて、Na-TMP類を得る工程を有する。
ここで、Na-TMP類とは、置換基を有していても、有していなくてもよいナトリウム2,2,6,6-テトラメチルピペリジド(Na-TMP)である。置換基を有する場合には、例えば、ピペリジン環の3、4、及び5位の炭素原子の一部又は全部に導入されていてよく、複数の置換基を有する場合には、それらの一部又は全部が同じであっても、又は、全部が異なっていてもよい。置換基としては、メチル基やエチル基、プロピル基等のアルキル基が例示されるが、これらに限定するものではない。
本実施形態に係るNa-TMP類の合成方法における出発物質であるTMP類は、置換基を有していても、有していなくてもよい2,2,6,6-テトラメチルピペリジンであり、所望のNa-TMP類に応じて適宜設定される。したがって、置換基を有する場合には、所望のNa-TMP類に応じて、例えばピペリジン環の3、4、及び5位の炭素原子の一部又は全部に導入されていてよく、複数の置換基を有する場合には、それらの一部又は全部が同じであっても、又は、全部が異なっていてもよい。置換基としては、メチル基やエチル基、プロピル基等のアルキル基が例示されるが、これらに限定するものではない。
TMP類は、当該技術分野で公知の方法で合成することができ、例えば、2,6-ジメチル-2,5-ヘプタジエン-4-オン(ホロン)へのアンモニアの1,4付加反応等によって得られる2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリドン(トリアセトンアミン)から、スズ、亜鉛及びナトリウムアマルガムとの還元によって、又は、接触水素化等によってTMPを得ることができる。また、トリアセトンアミンのウォルフ-キシュナー(Wolff-Kishner)還元によってもTMPを得ることができるが、これらに限定するものではない。更に、TMP類は、市販品をも好適に利用することができる。
本実施形態に係るNa-TMP類の合成方法におけるナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体は、ナトリウムを微粒子として不溶性溶媒に分散させたもの、又はナトリウムを液体の状態で不溶性溶媒に分散させたものである。微粒子の平均粒子径として、好ましくは、10μm未満であり、特に好ましくは、5μm未満のものを用いることができる。平均粒子径は、顕微鏡写真の画像解析によって得られた投影面積と同等の投影面積を有する球の径で表した。
分散溶媒としては、ナトリウムを微粒子として分散、又はナトリウムを液体の状態で不溶性溶媒に分散でき、かつ、TMP類とナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体中に含まれるナトリウムとの反応を阻害しない限り、当該技術分野で公知の溶媒を用いることができる。例えば、キシレン、トルエン等の芳香族系溶媒や、デカン等のノルマルパラフィン系溶媒、又は、テトラヒドロチオフェン等の複素環化合物溶媒、それらの混合溶媒などが挙げられる。
以下、アルカリ金属を分散溶媒に分散させた分散体につき、「SD」と略する場合がある。SDは、Sodium Dispersionの略号である。
本実施形態に係るNa-TMP類の合成方法における反応溶媒としては、TMP類とSDとの反応を阻害しない限り、当該技術分野で公知の溶媒を用いることができる。例えば、エーテル系溶媒、ノルマルパラフィン系やシクロパラフィン系溶媒、芳香族系溶媒、アミン系溶媒、複素環化合物溶媒を用いることができる。エーテル系溶媒としては、環状エーテル溶媒が好ましく、テトラヒドロフランが特に好ましい。ノルマルパラフィン系溶媒やシクロパラフィン系溶媒としては、ヘキサン、ノルマルデカン、シクロヘキサン等が特に好ましい。芳香族系溶媒としては、キシレン、トルエン及びベンゼン等が好ましい。アミン系溶媒としては、エチレンジアミン等が好ましい。また、複素環化合物溶媒としては、テトラヒドロチオフェン等を好ましく利用することができる。これらは1種類のみを用いてもよいし、2種以上を併用し混合溶媒として用いることもできる。ここで、前述の分散溶媒と反応溶媒とは同一の種類のものを用いてもよいし、異なる種類のものを用いてもよい。
本実施形態に係るNa-TMP類の合成方法は、SDに代えて、SDとの反応により得られた芳香環を有する有機ナトリウム化合物を用いることができる。芳香環を有する有機ナトリウム化合物とは、分子内に1又は数個の芳香環、及び1又は数個の炭素原子−ナトリウム結合を有する化合物であり、好ましくは、芳香環上の炭素原子がナトリウムと結合している化合物である。芳香環は、炭化水素のみから構成される炭化水素芳香環、及び環構造に炭素原子以外の原子を含む複素芳香族環の何れであってよく、好ましくは炭化水素芳香環である。また、単環であっても、集合環や縮合多環等の複数の環をもつものであってもよい。芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピリジン環、イミダゾール環等が例示されるが、これらに限定されるものではない。芳香環は、1又は数個の置換基を有していても、有していなくてもよく、置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基が例示されるが、これらに限定されるものではない。
SDとの反応により得られた芳香環を有する有機ナトリウム化合物(以下、「有機ナトリウム化合物」と略する場合がある)としては、具体的には、フェニルナトリウム、ナフチルナトリウム等が例示されるが、これらに限定されるものではない。
有機ナトリウム化合物は、SDと芳香環を有する有機化合物とを、好ましくは反応溶媒中で反応させることによって得られたものである。反応溶媒としては、SDと芳香環を有する有機化合物との反応を阻害しない限り、当該技術分野で公知の溶媒を用いることができる。例えば、エーテル系溶媒、ノルマルパラフィン系溶媒やシクロパラフィン系溶媒、芳香族系溶媒、アミン系溶媒、複素環化合物溶媒を用いることができ、これらの溶媒の詳細については上述した。好ましくは、有機ナトリウム化合物は、SDを加えた反応溶媒に芳香環を有する有機化合物を滴下することにより調製でき、続いて、TMP類を加えることによりNa-TMP類を合成することができる。
本実施形態に係るNa-TMP類の合成方法は、TMP類と、SD又は有機ナトリウム化合物との反応に際して、必要に応じて電子受容体が反応系に添加される。電子受容体は、SD又は有機ナトリウム化合物から電子を受け取ることができる限り、何れの物質をも利用することができる。電子受容体としては、イソプレン等の分岐不飽和炭化水素、1,3-ブタジエン等の直鎖不飽和炭化水素、ビフェニル、4,4'-ジtertブチルビフェニル、スチレン等の芳香族炭化水素、ナフタレン、フェナントレン、アントラセン等の多環芳香族炭化水素等が例示されるが、これらに限定されるものではない。電子受容体の添加時期は、電子受容体がSD又は有機ナトリウム化合物から電子を受け取ることができる限り特に制限はない。好ましくは、TMP類とSD又は有機ナトリウム化合物との反応と同時に電子受容体を反応させるように構成してもよいし、若しくは、電子受容体をSD又は有機ナトリウム化合物とを反応させた後にTMP類を反応させるように構成することができる。なお、TMP類と有機ナトリウム化合物との反応に際しては、電子受容体を添加せずともNa-TMP類を効率的に得ることができる。
以下、本実施形態に係るNa-TMP類の合成方法の反応条件及び反応機構を詳細に説明する。
反応温度は特に限定されず、TMP類、SD又は有機ナトリウム化合物、及び反応溶媒の種類や量、並びに反応圧力等により適宜設定することができる。具体的には、反応温度は、反応溶媒の沸点を越えない温度に設定することが好ましい。加圧下では大気圧下での沸点よりも高くなるため反応温度を高い温度で設定することができる。反応は、ノルマルパラフィン系やシクロパラフィン系溶媒を用いる場合、室温で行うこともでき、好ましくは10〜100℃であり、特に好ましくは20〜80℃、更に好ましくは室温〜50℃である。特段の加熱や冷却などのための温度制御手段を設ける必要はないが、必要に応じて、温度制御手段を設けても良い。エーテル系溶媒、芳香族系溶媒、アミン系溶媒、複素環化合物系溶媒を反応に用いる場合、室温では合成で生じたNa-TMPと溶媒が反応するため、0℃以下に設定する必要がある。
反応時間についても、特に限定されず、出発物質、SD又は有機ナトリウム化合物、及び反応溶媒の種類や量、並びに反応圧力や反応温度等に応じて適宜設定すればよい。通常は、30分間以上であればよく、好ましくは30分〜24時間、特に好ましくは1〜12時間で行われる。THFやトルエンを反応溶媒として用いる場合、調製後できるだけ早く用いる必要がある。
また、本実施形態に係るNa-TMP類の合成方法で必要とされるTMP類、SD、及び反応溶媒等の試薬類は大気下で安定して扱うことができることから、反応は大気下の常圧条件下で行うことができる。しかしながら、それぞれの試薬は反応性が高く発熱を伴うのでアルゴンガスや窒素ガスなどを充填した不活性ガス雰囲気下で行う方が望ましい。また、有機ナトリウム化合物は大気下では不安定であるため、不活性ガス雰囲気下とすることが必須である。更に、調製して長期間経過したSDを用いたり、空気が混入していると収率が低下するため、各試薬類や溶媒は、できるだけ水分を除去しているほうが望ましい。
SD又は有機ナトリウム化合物の使用量は、TMP類、及び反応溶媒の種類や量に応じて適宜設定することができるものである。好ましくは、TMP類と、SD又は有機ナトリウム化合物との反応は、TMP類の物質量1mmolに対して、1.0〜2.0モル当量の反応溶媒中で、TMP類に、当該TMP類に対して2.1〜2.5モル当量のSDと0.8〜1.0モル当量の有機塩素化合物又は1.0〜1.2モル当量の有機ナトリウム化合物を反応させることが好ましい。ここで、SDの物質量は、SD中に含まれるアルカリ金属換算での物質量を意味する。また、電子受容体を添加する場合には、反応系に当該TMP類に対して1.0〜1.5モル当量の電子受容体と1.0〜1.5モル当量のSDと0.8〜1.5モル当量のTMEDAを添加することが好ましい。
本実施形態に係るNa-TMP類の合成方法によって得られたNa-TMP類は、カラムクロマトグラフィー、蒸留、再結晶等、当該技術分野で公知の精製手段により精製してもよい。また、未反応で残存したTMP類等を回収し、再度Na-TMP類の合成方法に利用するように構成してもよい。
図1に、本実施形態に係るNa-TMP類の合成方法における反応機構の一例を示すが、これに限定するものではない。図1に示す反応機構は、TMPを、電子受容体であるイソプレンの存在下でSDと反応させてNa-TMPを合成する反応を模式的に示したものである。イソプレンとSDとの反応により、SD中の金属ナトリウムから電子が放出される。かかる金属ナトリウムが放出された電子がイソプレンに移動し、イソプレンラジカルアニオン・ナトリウム塩を形成する。続いて、かかるイソプレンラジカルアニオン・ナトリウム塩が、TMPの窒素原子上のプロトンを引き抜き、ナトリウムと置換することで、Na-TMPが得られると考えられる。
このように、本実施形態に係るNa-TMP類の合成方法は、TMP類を出発物質として、SD又は有機ナトリウム化合物、及び必要に応じて電子受容体を添加することで進行し、安定的かつ効率的にNa-TMP類を合成することができる。一般的に金属ナトリウム単体等を反応系に投入した場合等には、局所的な発熱等によって反応系内における温度分布にムラが生じ、反応条件を安定化させることが難しく望ましくない副反応を併発する等の不都合が生じることがある。一方、本実施形態に係るNa-TMP類の合成方法で用いるSDは反応系全体に均一に分散することから、均一な温度分布で安定してNa-TMPを合成することができる。
本実施形態に係るNa-TMP類の合成方法は、取り扱いが容易なSDを用いているので、温和な条件下で、煩雑な化学的手法を必要とせず、少ない工程数で簡便かつ短時間に、Na-TMP類を製造することができ、経済的かつ工業的にも非常に有利である。
TMP類は嵩高く電子豊富であるため、TMP類の窒素上のプロトンを引き抜かれることによって形成するアニオンが不安定である。そのため、TMP類においてはナトリウムアミド自体を生成することが困難であるが、本実施形態に係るNa-TMP類の合成方法においてはSDを用いることにより、かかる合成反応系が安定に進行することができ、安定的かつ効率的にNa-TMP類を合成することができる。また、有機ナトリウム化合物を用いる場合、高価なN,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン(以下、「TMEDA」と略する場合がある)を用いることなく、かつイソプレン由来の副生成物が生じないという利点がある。
得られたNa-TMP類は、そのまま、若しくは官能基修飾等を施すことにより医薬、動物薬及び農薬等の合成に利用することができる。
(本発明の別実施形態に係るNa-TMP類の合成方法)
別実施形態に係るNa-TMP類の合成方法において、TMP類とSD又は有機ナトリウム化合物との反応系に添加物としてアミン類を添加することができる。
アミン類は、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環アミンの何れをも用いることができ、分子内に有するアミノ基は、第1級、第2級、及び第3級の何れであってもよく、またアミノ基は単数であっても数個であってもよい。アミン類としては、例えば、N,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N',N'',N''-ペンタメチルジエチレントリアミン、エチルアミン、エチレンジアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジエチレントリアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N,N',N'-テトラエチルエチレンジアミン(以下、「TEEDA」と略する場合がある)、N,N,N',N'-テトラメチル-1,3-プロパンジアミン、ピリジン、ピロリジン、N-メチルピペリジン、N-メチルピロリジン等を用いることができ、特に好ましくはTMEDAである。これらは1種類のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
アミン類の添加時期は、特に制限はなく、TMP類とSD又は有機ナトリウム化合物との反応開始と同時、若しくは、反応開始の前又は後であってもよい。
アミン類の添加により、Na-TMP類の合成反応系が安定化し反応の進行を促進することができ、より安定的かつ効率的にNa-TMP類を合成することができる。理由としては、生成物であるNa-TMP類はイオン性化合物であるため、反応溶媒として好適に利用できるヘキサン等の非極性溶媒中では不安定である。したがって、非極性溶媒中ではNa-TMP類はNa+の大部分がむき出しになった状態で存在する。ここに、アミン類等の孤立電子対の供与体であるLewis塩基を配位させると、Na-TMP類はアミン類と錯体を形成し、Na-TMP類の非極性溶媒への溶解性が高まりNa-TMP類の生成系が安定化する。生成系の安定化により、TMP類とSD又は有機ナトリウム化合物との衝突頻度が向上し、また、遷移状態が安定化されることでNa-TMP類の合成反応の駆動力が増し、合成反応の進行が促進され収率が向上すると考えられる。
また、上述した通りTMP類は嵩高く電子豊富であるため、TMP類の窒素上のプロトンが引き抜かれることによって形成するアニオンが不安定である。そのため、TMP類においてはナトリウムアミド自体を生成することが困難であるが、SDに加えアミン類を用いることにより、かかる合成反応系が安定に進行することができ、更に安定的かつ効率的にNa-TMP類を合成することができる。
本実施形態のNa-TMP類の合成方法によって合成されたNa-TMP類は、様々な反応において塩基等として用いることができ、医薬、動物薬や農薬等の有機合成のために利用することができる。
(本発明のNa-TMP類生成の評価方法)
上述した実施形態のNa-TMP類の合成方法により合成されたNa-TMP類生成の評価は、生成物をフルオレンと反応させ、重水でクエンチし、クエンチ後の生成物を1H-NMRを用いて測定することにより行うことができる。Na-TMP類が存在すると、フルオレンの9位の炭素原子上の2つの水素原子のうちの1つの水素原子が引き抜かれ、Na-TMPからのナトリウムと置換する。続いて、重水でクエンチすることにより、フルオレンは重水素化する。重水素化したフルオレン量から生成物であるNa-TMP類の収率を解析することができる。
Na-TMP類は焦げ茶色を呈するため、IA族及びIIA族有機金属試薬の滴定における指示薬として知られている9‐メチルフルオレン等を用いた比色滴定法(例えば、M.E. Brown 他著、J. Org. Chem., 2002, 67(25), p9087-9088を参照のこと)では、精度よくNa-TMP類生成の評価を行うことができなかった。本実施形態のNa-TMP類生成の評価方法では、フルオレンを脱プロトン化し重水でクエンチするものであるので精度よくNa-TMP類生成の評価を行うことできる。
以下、実施例により具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。本実施例では、置換基を有しないNa-TMPの合成について検討した。SDとしては、金属ナトリウムを微粒子としてノルマルパラフィン油に分散させた分散体を用い、SD量は、SDに含まれる金属ナトリウム換算での数値である。
実施例1.SDを用いたNa-TMPの合成方法における合成条件の検討
本実施例では、SDを用いたNa-TMPの合成について、反応溶媒、添加物、及び反応時間等の反応条件について検討を行った(図2参照)。なお、当量は、反応系に投入したTMPに対するモル当量を意味する。また、ここで収率とは、実際に取得できたNa-TMP量を、添加したSD量で除し、その割合を百分率で示したものである。
(実験番号1)
1Mのシクロヘキサン(反応溶媒)中に1.1当量のTMPを溶解させ、1当量のSD、1.1当量のイソプレンを加え、25℃で12時間反応させた。反応後、生成物に1.1当量のフルオレンを添加し25℃で30分間反応させた後、重水でクエンチし得られた重水素化フルオレンを1H-NMRで解析することで生成物を評価し収率を算出した。Na-TMPの収率は45%であった。
(実験番号2)
反応溶媒として1Mのシクロヘキサンに代えて、2Mのシクロヘキサンを用い、30時間反応させた以外は実験番号1と同様に反応を行い、収率を算出した。詳細には、2Mのシクロヘキサン(反応溶媒)中にTMPを溶解させ、1当量のSD、及び1.1当量のイソプレンを加え、25℃で30時間反応させた。Na-TMPの収率は77%であった。
(実験番号3)
反応溶媒としてシクロヘキサンに代え、ヘキサンを用いた以外は実験番号1と同様に反応を行い、収率を算出した。詳細には、1Mのヘキサン(反応溶媒)中にTMPを溶解させ、1当量のSD、及び1.1当量のイソプレンを加え、25℃で12時間反応させた。Na-TMPの収率は62%であった。
(実験番号4)
添加剤として1当量のN,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン(以下、「TMEDA」と称する)を添加し、0.5時間反応させた以外は、実験番号3と同様に反応を行い、収率を算出した。詳細には、1Mのヘキサン(反応溶媒)中にTMPを溶解させ、1当量のSD、1.1当量のイソプレン、及び1当量のTMEDAを加え、25℃で0.5時間反応させた。Na-TMPの収率は79%であった。
(実験番号5)
反応時間を1時間とした以外は、実験番号4と同様に反応を行い、収率を算出した。詳細には、1Mのヘキサン(反応溶媒)中にTMPを溶解させ、1当量のSD、1.1当量のイソプレン、及び1当量のTMEDAを加え、25℃で1時間反応させた。Na-TMPの収率は88%であった。
(実験番号6)
反応時間を12時間とした以外は、実験番号4と同様に反応を行い、収率を算出した。詳細には、1Mのヘキサン(反応溶媒)中にTMPを溶解させ、1当量のSD、1.1当量のイソプレン、及び1当量のTMEDAを加え、25℃で12時間反応させた。Na-TMPの収率は89%であった。
(実験番号7)
添加剤として1当量のN,N,N',N'',N''-ペンタメチルジエチレントリアミンを添加し、1時間反応させた以外は実験番号3と同様に反応を行い、収率を算出した。詳細には、1Mのヘキサン(反応溶媒)中にTMPを溶解させ、1当量のSD、1.1当量のイソプレン、及び1当量のN,N,N',N'',N''-ペンタメチルジエチレントリアミンを加え、25℃で1時間反応させた。Na-TMPの収率は60%であった。
(実験番号8)
添加剤として1当量の1,2-ジメトキシエタン(以下、「DME」と称する)を添加した以外は実験番号3と同様に反応を行い、収率を算出した。詳細には、1Mのヘキサン(反応溶媒)中にTMPを溶解させ、1当量のSD、1.1当量のイソプレン、及び1当量のDMEを加え、25℃で12時間反応させた。Na-TMPは痕跡量しか得られなかった。
図2に、反応スキーム、反応条件及び収率を要約する。添加剤なし、若しくは、添加剤としてアミン類であるTMEDA及びN,N,N',N'',N''-ペンタメチルジエチレントリアミンを添加した場合には、温和な条件でNa-TMPを合成することができることが確認できた。特に、反応溶媒としてヘキサンを用い、添加剤としてアミン類であるTMEDAを添加した場合に、合成反応の加速効果が確認でき、短時間の反応でも高い収率(約90%)でNa-TMPを合成することができることが判明した。N,N,N',N'',N''-ペンタメチルジエチレントリアミンを添加した場合においても、1時間という短時間の反応でNa-TMPを収率よく合成できることが判明した。
実施例2.SDとの反応により得られた芳香環を有する有機ナトリウム化合物を用いたNa-TMPの合成方法における合成条件の検討−1
本実施例では、SDとの反応により得られた芳香環を有する有機ナトリウム化合物を用いたNa-TMPの合成について、反応溶媒、添加物、及び反応時間等の反応条件について検討を行った(図3参照)。
(実験番号1〜9)
ヘキサン0.5ml中に、出発化合物である0.5 mmolのハロゲン化ベンゼンとYモル当量のSDを添加し、室温で30分間反応させ、フェニルナトリウムを合成し、合成されたフェニルナトリウムに、1.0モル当量のTMPと室温で30分間反応させ、得られたNa-TMPをフルオレンと反応させ、重水でクエンチし、クエンチ後の生成物を1H NMRで測定することにより行った。実験番号1〜4はブロモベンゼンを出発物質とし、SDの添加量はブロモベンゼンに対してそれぞれ2.0、2.1、2.2、2.3モル当量であった。実験番号5〜9はクロロベンゼンを出発物質としてSDの添加量はクロロベンゼンに対してそれぞれ1.95、2.0、2.1、2.2、2.3モル当量であった。
収率として、反応系に添加したハロゲン化ベンゼンから理論的に生成することができるNa-TMPに対する、実際に取得できたNa-TMPの割合(%)を算出した。また、ハロゲン化ベンゼン同士がカップリングするウルツ反応が誘発されているか否かを評価するため、カップリング生成物(Ph-Ph)の生成を1H NMRで測定し、Ph-Ph生成率(%)を算出した。
図3に、反応スキーム、反応条件、塩基の種類、収率を要約する。その結果、出発化合物としてブロモベンゼンを用いた場合にはSDを2.2モル当量以上で反応させると99%以上の高収率でNa-TMPを合成できることが理解できる。また、出発化合物としてクロロベンゼンを用いた場合にはSDを2.1モル当量以上で反応させると99%以上の高収率でNa-TMPを合成できることが理解できる。一方、SDが2.0モル当量未満となると、副反応であるウルツ反応を誘発し、Na-TMPの収率が低下することが判明した。
実施例3.Na-TMPの安定性の検討
本実施例では、SDを用いて合成したNa-TMPの安定性を検討した(図4参照)。なお、当量はモル当量である。また、ここで収率とは、実際に取得できたNa-TMP量を、添加したSD量で除し、その割合を百分率で示したものである。
1Mのヘキサン(反応溶媒)中に1.1当量のTMPを溶解させ、1当量のSD、1.1当量のイソプレン、添加剤として1当量のTMEDAを加え、25℃で0.5、1、3、6、12、又は24時間反応させた(実験番号1〜7)。反応後、生成物に1.1当量のフルオレンを添加し25℃で1時間反応させた後、重水でクエンチし得られた重水素化フルオレンを1H-NMRで解析することで生成物を評価し収率を算出した。Na-TMPの収率は、79%(0.5時間)、88%(1時間)、87%(3時間)、86%(6時間)、89%(12時間)、80%(24時間)であった。
図4に、反応スキーム、反応条件及び収率を要約する。SDを用いて合成したNa-TMPは反応時間が長くなっても、収率はほぼ一定であることが確認できた。これにより、Na-TMPは、ヘキサン溶媒中では、活性を保ち安定に存在し得ることが判明した。
また、ヘキサンを反応溶媒とし、SDとの反応により得られた芳香環を有する有機ナトリウム化合物を用いて合成されたNa-TMPにTHFを添加したときのNa-TMPの安定性を検討した(図5参照)。なお、当量はモル当量である。また、ここで収率とは、反応系に添加したTMPから理論的に生成することができるNa-TMPに対する、実際に取得できたNa-TMPの割合を百分率で示したものである。
0.5 Mのヘキサン(反応溶媒)中に2.2当量のSDを加え、1当量のクロロベンゼンを滴下してフェニルナトリウムを調製した後、TMPを加えて25℃で30分間反応させた。反応後、生成物にTHFを加え0℃(実験番号1〜7)又は-20℃(実験番号8〜14)で0、1、3、6、12、18、又は24時間保管し、1.2当量のフルオレンを添加し0℃で1時間反応させた後、重水でクエンチし得られた重水素化フルオレンを1H-NMRで解析することで生成物を評価し収率を算出した。Na-TMPの収率は、0℃で保管した実験系(実験番号1〜7)では、98%(0時間)、91%(1時間)、75%(3時間)、63%(6時間)、63%(12時間)、44%(18時間)、38%(24時間)であり、-20℃で保管した実験系(実験番号8〜14)では、98%(0時間)、89%(1時間)、90%(3時間)、84%(6時間)、73%(12時間)、56%(18時間)、51%(24時間)であった。実験結果より、Na-TMPは、THFの存在下では0℃で1時間まで、-20℃で3時間まで安定して存在することを見出した。
実施例4.SDの経時安定性の検討
本実施例では、SDの品質の経時的変化を評価した(図6参照)。なお、当量はモル当量である。また、ここで収率とは、実際に取得できたNa-TMP量を、添加したSD量で除し、その割合を百分率で示したものである。
(実験番号1)
1Mのヘキサン(反応溶媒)中に1.1当量のTMPを溶解させ、1当量のSD、1.1当量のイソプレン、及び1当量のTMEDAを加え、25℃で0.5時間反応させた。SDは包装材を開封後4日経過のものを用いた。反応後、生成物に1.1当量のフルオレンを添加し25℃で1時間反応させた後、重水でクエンチし得られた重水素化フルオレンを1H-NMRで解析することで生成物を評価し収率を算出した。Na-TMPの収率は90%であった。
(実験番号2〜7)
TMP類と、SD、イソプレン、TMEDAとを、ヘキサン中で1時間、実験番号1と同様に反応させてNa-TMPの収率を算出した。SDは、開封後6日(実験番号2)、8日(実験番号3)、10日(実験番号4)、13日(実験番号5)、30日(実験番号6)、32日(実験番号7)経過のものを用いた。Na-TMPの収率は、89%(実験番号2)、88%(実験番号3)、87%(実験番号4)、82%(実験番号5)、77%(実験番号6)、72%(実験番号7)であった。
図6に、反応スキーム、反応条件、SDの開封後の経過時間(日齢)、及び収率を要約する。開封後、時間の経過共に、SDの活性が低下し再現性が低下するが、検討期間内においては大幅な低下は確認されなかった。特に開封後10日以内であれば、SDは活性を保持し良好な再現性を示すことが判明した。
実施例5.Na-TMPを用いる反応−1
本実施例では、Na-TMPを用いたウィッティヒ(Wittig)反応について検討した(図7参照)。ウィッティヒ反応は、ウィッティヒ試薬(リンイリド)とアルデヒド(またはケトン)が反応して、アルケンが生じる反応であり、ウィッティヒ試薬はトリフェニルホスフィンとハロゲン化アルキルを反応させることで生成するホスホニウム塩を塩基で処理することで合成することができる。
(実験番号1〜3)
実験番号1〜3では、塩基として1.25モル当量のLi-TMP(実験番号1)、1.4モル当量のLi-TMP/ NaOtBu(実験番号2)、1.25モル当量のNa-TMP(実験番号3)を用いて、ホスホニウム塩とTHF/ヘキサン中で、0℃で1時間反応させた後、1.25モル当量のアルデヒド化合物と25℃で一晩反応させ、アルケンを生成した。反応後、1H-NMRで解析することで生成物であるアルケンを評価し収率を算出した。更に、GCで、生成したアルケンのシス-トランス異性体の生成率を評価した。Li-TMP、Li-TMP/ NaOtBu、及び、Na-TMPを塩基とした場合の収率は、それぞれ89%、96%、及び、92%であった。また、シス-トランス選択性(E/Z)は、それぞれ18/82、12/88、及び、8/92であった。
図7に、反応スキーム、反応条件、塩基の種類、収率、及びシス-トランス選択性を要約する。その結果、Na-TMPを塩基として用いることで、Liを含む化合物を塩基として用いた場合と同等の収率でアルケンを生成することが確認された。また、Na-TMPを用いることによりシス(Z)体のアルケンの生成率が高く、良好なZ体選択性を示すことが判明した。
実施例6.Na-TMPを用いる反応−2
本実施例では、Na-TMPを用いたアリル位水素の脱プロトン化を経る異性化反応について検討した(図8参照)。ここでは、1個の二重結合を分子鎖中に有する1-ドデセンを用いて検討を行った。
(実験番号1)
1-ドデセンに、塩基としてNa-TMPを反応溶媒中で所定時間反応させて脱プロトン化を行った後、プロトンを付加した。詳細には、1-ドデセンに対して1.25モル当量のNa-TMPをヘキサン溶媒中で0℃にて1時間反応させた後、プロトンを付加した。反応後、1H-NMRで解析することで生成物である1-ドデセン1又は2-ドデセン2を評価しそれぞれの収率を算出した。更にGCで2-ドデセン2についてシス-トランス異性体の生成率を評価した。1-ドデセン1及び2-ドデセン2の収率(シス-トランス選択性)は、それぞれ1%及び98%(E/Z=73/27)であった。
(実験番号2)
反応溶媒としてTHF:ヘキサン=1:2を用いた以外は実験番号1と同様に反応を行い、収率及びシス-トランス選択性を算出した。1-ドデセン1及び2-ドデセン2の収率(シス-トランス選択性)は、それぞれ3%及び90%(E/Z=78/22)であった。
(実験番号3)
反応温度を25℃とした以外は実験番号1と同様に反応を行い、収率及びシス-トランス選択性を算出した。1-ドデセン1及び2-ドデセン2の収率(シス-トランス選択性)は、それぞれ2%及び91%(E/Z=62/38)であった。
(実験番号4)
Na-TMPの添加量を10モル%とし、反応温度を25℃として5時間反応させた以外は実験番号1と同様に反応を行い、収率及びシス-トランス選択性を算出した。1-ドデセン1及び2-ドデセン2の収率(シス-トランス選択性)は、それぞれ1%及び98%(E/Z=73/27)であった。
(実験番号5)
Na-TMPに代え、Li-TMPを添加し、反応温度25℃にてTHF中で反応させた以外は実験番号1と同様に反応を行い、収率及びシス-トランス選択性を算出した。1-ドデセン1及び2-ドデセン2の収率(シス-トランス選択性)は、それぞれ95%及び4%(E/Z=45/55)であった。
(実験番号6)
Na-TMPに代え、実験番号5と同様にLi-TMPを添加し、反応温度50℃にてTHF中で反応させた以外は実験番号1と同様に反応を行い、収率及びシス-トランス選択性を算出した。1-ドデセン1及び2-ドデセン2の収率(シス-トランス選択性)は、それぞれ59%及び39%(E/Z=47/53)であった。
図8に、反応スキーム、反応条件、塩基の種類、収率、及びシス-トランス選択性を要約する。Na-TMPを塩基として用いた場合に、アリル位の水素の脱プロトン化を経て、酸性度の低いプロトンを引き抜くことができることが確認できた。一方、Li-TMPを塩基として用いた場合には、25℃の反応条件下では酸性度の低いプロトンの引き抜きがほとんど生じず2-ドデセンの生成率は非常に低いものであった。50℃の反応条件下においても2-ドデセンの生成率はNa-TMPを用いた場合に比べて非常に低いものであった。
実施例7.Na-TMPを用いる反応−3
本実施例では、Na-TMPを用いたヘテロアレーンの脱プロトン化及び官能基化反応について検討した(図9参照)。ここでは、ヘテロアレーンとして、複素環化合物であるジベンゾフランを用いて検討を行った。
(実験番号1)
ジベンゾフランに、塩基としてnBuLiをヘキサン溶媒中で所定時間反応させて脱プロトン化を行った。詳細には、0.45モルのベンゾフランに対して1.1モル当量のNa-TMPをヘキサン溶媒中で25℃にて30分間反応させた後、重水でクエンチし得られた重水素化ジベンゾフランを1H-NMRで解析することで生成物を評価し収率を算出した。収率は79%であった。
(実験番号2)
反応溶媒としてTHF:ヘキサン=1:2を用い0℃で反応させた以外は実験番号1と同様に反応を行い、収率を算出した。収率は85%であった。
(実験番号3)
nBuLiに代え、Li-TMPを添加した以外は実験番号1と同様に反応を行い、収率を算出した。収率は14%であった。
(実験番号4)
nBuLiに代え、実験番号3と同様にLi-TMPを添加し、反応溶媒としてTHF:ヘキサン=1:2を用い0℃で反応させた以外は実験番号1と同様に反応を行い、収率を算出した。収率は50%であった。
(実験番号5)
nBuLi に代え、Na-TMPを添加した以外は実験番号1と同様に反応を行い、収率を算出した。収率は90%であった。
図9に、反応スキーム、反応条件、塩基の種類、及び、収率を要約する。Na-TMPを塩基として用いることにより、ヘテロアレーンの脱プロトン化を効率よく行うことができることが確認できた。nBuLi及びLi-TMPを用いる場合との比較でも、脱プロトン化の効率が高いことが確認された。
求電子剤と反応させた場合に、ヘテロアレーンの置換反応が効率よく進行することも判明した。例えば、求電子剤であるテトラブロモエタンとの反応により1-ブロモジベンゾフランが収率84%で生成した。また、求電子剤である塩化ベンゾイルとの反応により1-ベンゾイルジベンゾフランが収率72%で生成した。更に、求電子剤である臭化アリルとの反応によりアリル基で置換されたジベンゾフランが生成し、具体的には1-ブロモプロペンとの反応により、1-(2-プロペニル)-ジベンゾフランが収率37%で生成した。反応条件の好適化により更に収率の向上が期待され、Na-TMPは、種々の置換反応に用い得ることが判明した。
実施例8.Na-TMPを用いる反応−4
本実施例では、Na-TMPを用いた複素環化合物の官能基化反応について検討した(図10参照)。
(実験番号1)
0.4mmolのベンゾ[b]チオフェン(アレーン)に対して、1.25モル当量のNa-TMPを0.5Mのヘキサン溶媒中で室温で1時間反応させた後、1.5モル当量のホウ酸エステル(ホウ酸トリメチル(B(OMe)3):求電子試薬)を0.2Mのヘキサン溶媒中で0℃にて1時間反応させた。続いて、塩酸を添加し室温で2時間反応させた。1H-NMRで解析することで生成物を評価し、ベンゾ[b]チオフェンの2位にボロニル基(-B(OH)2)が付与されたチオフェンのベンゾ[b]チオフェン-2-ボロン酸の単離収率を算出した。単離収率は、出発原料の量から、反応後に回収された原料の量の差(正味使用した量)で生成物の量を除した値である。単離収率は64%であった。
(実験番号2)
0.4mmolのベンゾ[b]チオフェン(アレーン)に対して、1.25モル当量のNa-TMPを0.5Mのヘキサン溶媒中で25℃で30分間反応させた後、1.5モル当量の重水(D2O:求電子試薬)を添加し0℃にて1時間反応させた。1H-NMRで解析することで生成物を評価し、ベンゾ[b]チオフェンの2位の水素が重水素で置換された重水素化ベンゾ[b]チオフェンの単離収率を実験番号1と同様にして算出した。単離収率は99%であった。
(実験番号3)
アレーンとしてベンゾ[b]チオフェン、求電子試薬としてヨードメタン(MeI)を用いて実験番号2と同様にして反応させた後、生成物を評価し、ベンゾ[b]チオフェンの2位にメチル基(-Me)が付与された2-メチル-ベンゾ[b]チオフェンの単離収率を算出した。単離収率は77%であった。
(実験番号4)
アレーンとしてベンゾ[b]チオフェン、求電子試薬としてアリルブロミド(allylBr)を用いて実験番号2と同様にして反応させた後、生成物を評価し、ベンゾ[b]チオフェンの2位にアリル基が付与された2-アリル-ベンゾ[b]チオフェンの単離収率を算出した。単離収率は82%であった。
(実験番号5)
アレーンとしてベンゾ[b]チオフェン、求電子試薬としてベンゾイルクロリド(PhC(O)Cl)を用いて実験番号2と同様にして反応させた後、生成物を評価し、ベンゾ[b]チオフェンの2位にベンゾイル基が付与された2-ベンゾイル-ベンゾ[b]チオフェンの単離収率を算出した。単離収率は66%であった。
(実験番号6)
アレーンとしてベンゾ[b]チオフェン、求電子試薬として二酸化炭素(CO2)を用いて実験番号2と同様にして反応させた後、生成物を評価し、ベンゾ[b]チオフェンの2位にカルボキシ基(-CO2H)が付与されたベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸の単離収率を算出した。単離収率は89%であった。
(実験番号7)
アレーンとしてベンゾ[b]チオフェン、求電子試薬として1,1,2,2-テトラブロモエタン(Br2HCCHBr2)を用いた。実験番号2と同様にしてアレーンとNa-TMPとを反応させた後、求電子試薬を添加し-78℃で1時間を反応させ、続いて、生成物を評価し、ベンゾ[b]チオフェンの2位にブロモ基(-Br)が付与された2-ブロモ-ベンゾ[b]チオフェンの単離収率を算出した。単離収率は81%であった。
(実験番号8)
アレーンとしてベンゾ[b]チオフェン、求電子試薬としてヘキサクロロエタン(Cl3CCCl3)を用いた。実験番号2と同様にしてアレーンとNa-TMPと反応させた後、求電子試薬を添加し-78℃で1時間を反応させ、続いて、生成物を評価し、ベンゾ[b]チオフェンの2位にクロロ基(-Cl)が付与された2-クロロ-ベンゾ[b]チオフェンの単離収率を算出した。単離収率は91%であった。
(実験番号9)
アレーンとしてベンゾ[b]チオフェン、求電子試薬としてクロロトリメチルシラン(Me3SiCl)を用いて実験番号2と同様にして反応させた後、生成物を評価し、ベンゾ[b]チオフェンの2位にトリメチルシリル基(-SiMe3)が付与された2-トリメチルシリル-ベンゾ[b]チオフェンの単離収率を算出した。単離収率は98%であった。
(実験番号10)
アレーンとしてベンゾ[b]チオフェン、求電子試薬としてクロロジフェニルホスフィン(Ph2PCl)を用いて実験番号2と同様にして反応させた後、生成物を評価し、ベンゾ[b]チオフェンの2位にジフェニルホスフィノ基(-PPh2)が付与された2-ジフェニルホスフィノ-ベンゾ[b]チオフェンの単離収率を算出した。単離収率は72%であった。
(実施例11)
アレーンとしてベンゾ[b]フラン、求電子試薬としてクロロトリメチルシラン(Me3SiCl)を用いて実験番号2と同様にして反応させた後、生成物を評価し、ベンゾ[b]フランの2位にトリメチルシリル基(-SiMe3)が付与された2-トリメチルシリル-ベンゾ[b]フランの単離収率を算出した。単離収率は82%であった。
(実施例12)
アレーンとしてジベンゾフラン、求電子試薬としてクロロトリメチルシラン(Me3SiCl)を用いて実験番号2と同様にして反応させた後、生成物を評価し、ジベンゾフランの4位にトリメチルシリル基(-SiMe3)が付与された4-トリメチルシリル-ジベンゾフランの単離収率を算出した。単離収率は83%であった。
(実施例13)
アレーンとしてジベンゾフラン、求電子試薬としてベンゾイルクロリド(PhC(O)Cl)を用いて実験番号2と同様にして反応させた後、生成物を評価し、ジベンゾフランの4位にベンゾイル基が付与された4-ベンゾイル-ジベンゾフランの単離収率を算出した。単離収率は73%であった。
図10に、反応スキーム、反応条件、及び、単離収率を要約する。Na-TMPを塩基として用いることにより、ベンゾチオフェンからのボロン酸の合成できる等、複素環化合物に置換基付与できることが確認できた。このようにNa-TMPを用いることで、温和な条件下で短時間に複素環化合物に置換基を付与することができ、ボロン酸等の種々の化合物を合成できるとの利点を有する。
本発明は、Na-TMP類の合成方法、及びかかる合成方法により得られるNa-TMP類を利用する全ての技術分野、特には、医薬、動物薬や農薬等の有機合成のために利用することができる。

Claims (3)

  1. ナトリウム2,2,6,6-テトラメチルピペリジド類の合成方法であって、
    電子受容体の不在下で2,2,6,6-テトラメチルピペリジン類と、ナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体との反応により得られた芳香環を有する有機ナトリウム化合物とを反応溶媒中で反応させて、ナトリウム2,2,6,6-テトラメチルピペリジド類を得る工程であって、前記ナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体は、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン類に対して2.1〜2.5モル当量添加される工程を有し、ここで、得られるナトリウム2,2,6,6-テトラメチルピペリジド類は、N,N,N',N'-テトラエチルエチレンジアミンをナトリウムの配位子として含むものではない、ナトリウム2,2,6,6-テトラメチルピペリジド類の合成方法。
  2. 前記工程が、N,N,N',N'-テトラエチルエチレンジアミンの存在下で行われる請求項1に記載のナトリウム2,2,6,6-テトラメチルピペリジド類の合成方法。
  3. ナトリウム2,2,6,6-テトラメチルピペリジド類の合成方法であって、
    N,N,N',N'-テトラエチルエチレンジアミンの存在下で、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン類と、ナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体、又はナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体との反応により得られた芳香環を有する有機ナトリウム化合物と、電子受容体とを反応溶媒中で反応させて、ナトリウム2,2,6,6-テトラメチルピペリジド類を得る工程であって、前記ナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体は、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン類に対して1.0〜1.5モル当量添加される工程を有し、
    ここで、得られるナトリウム2,2,6,6-テトラメチルピペリジド類は、前記N,N,N',N'-テトラエチルエチレンジアミンをナトリウムの配位子として含むものではない、ナトリウム2,2,6,6-テトラメチルピペリジド類の合成方法。
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