JP6402075B2 - 石炭ガス化複合発電プラント - Google Patents

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Description

本発明は、石炭ガス化複合発電プラントに係り、特に負荷変化時に安定に作動できる石炭ガス化複合発電プラントに関する。
近年、低炭素化社会実現に向け、再生可能エネルギーの導入や高効率な発電プラントの構築による環境負荷低減が求められている。その中で、国内・国外を問わず電力需給の中枢を担っている火力発電の環境負荷低減・高効率化は、急務となっている。
火力発電での環境負荷低減方法の一つとして、低炭素の燃料を選択する方法がある。一般的に、石炭を使用する場合に比べ、低炭素燃料である石油・天然ガスを使用して発電する方が発電効率・環境への影響が優れている。
しかし低炭素燃料の埋蔵量には限りがあり、電源のベストミックスの観点から埋蔵量が豊富にある石炭も有効に活用していく必要がある。
そこで、石油・天然ガスを使用して発電した場合と比較して環境への影響が大きい石炭を、高効率で環境負荷への影響を大きく低減して発電することが出来る手法として石炭ガス化複合発電(IGCC: Integrated coal Gasification Combined Cycle)プラントが注目されている。
典型的な石炭ガス化複合発電プラントの具体的な構成事例及び制御手法を示すものとして特許文献1が知られている。
特開平11−22485号公報
石油や天然ガスを使用して発電するコンバインドサイクル(C/C)発電の負荷変化率5%/分に対して、一般的な石炭ガス化複合発電プラントは石炭をガス化して発電に使用する性質から負荷指令に対して負荷追従させることが難しく、負荷変化率は3%/分程と負荷追従性能が落ちる。このため、石炭ガス化複合発電プラントの場合にも、石油や天然ガスを使用して発電するコンバインドサイクル(C/C)発電程度の負荷変化率5%/分を実現することが望まれている。
また酸素吹石炭ガス化複合発電プラントは、(1)蒸気系の観点からの負荷追従性(2)石炭供給系とガス化炉関係から圧力を一定に制御して運転しなければいけない(3)本体機器仕様による運転制約という3つの難しさがある。従来手法として特許文献1のガスタービンGTリードベースの協調制御の手法が検討されているが、負荷変化指令値が大きくなるとガス化炉圧力の基準値を超過し、プラントトリップしてしまうという課題がある。
以上のことから本発明の目的は、石炭ガス化複合発電プラントにおいて、天然ガスコンバインド発電所同等の最低負荷から最大負荷まで5%/分においてもガス化炉圧力の基準値を超過することなく運転可能であり、最低負荷から最大負荷だけでなく中間負荷帯においても適用可能な石炭ガス化複合発電プラントを提供することにある。
以上のことから本発明においては、石炭を供給する燃料供給部と、供給された燃料のガス化を行うガス化部と、得られたガスを精製するガス精製部と、精製されたガス及び得られた蒸気から動力を取り出す発電部と、少なくとも発電部に与えるガス量と、燃料供給部に供給する石炭量を制御する制御部とを備え、制御部は出力増加時に時間的に増加する発電出力指令に応じて発電部に与えるガス精製部からのガス量を定めるガス量制御部と、発電出力指令に応じて求められた協調指令信号と、ガス化部におけるガス圧力を目標値に制御するガス制御信号の和により石炭量を定める石炭量制御部と、を備えた石炭ガス化複合発電プラントであって、
ガス圧力の目標値は、出力変化時に時間的に増加する発電出力指令の出力増加開始時点以前の第1の時点から、出力増加完了時点以後の第2の時点までの期間において、通常の目標値より高めに設定されることを特徴とする石炭ガス化複合発電プラントである。
本発明によれば、石炭ガス化複合発電プラントにおいて、天然ガス同等(5%/分、最低負荷から最大負荷)のいかなる負荷変化帯に対しても適応可能な制御システムとすることができる。
図2の制御部分Eの主要な構成部である負荷追従制御回路部分を示す図。 本発明の実施例に係る石炭ガス化複合発電プラントの典型的な装置構成例を示す図。 協調制御ゲインと負荷変化開始後のガス化炉の炉圧変動を示す図。 協調制御ゲインと負荷変化終了後のガス化炉の炉圧オーバーシュートを示す図。 協調指令ゲインを1として負荷変化させたときのガス化炉圧力の変動を時間経過とともに示した図。 負荷変化時における図1の制御系各部の信号を示した図。 想定した負荷変化時間txと負荷変化前後のバイアス期間tyの関係を表形式で示す図。 想定した負荷変化時間txと負荷変化前後のバイアス期間tyの関係をグラフ形式で示す図。 想定したケースにより負荷変化させたときの応答結果を示す図。
本発明の実施例について図面を参照して詳細に説明する。
図2は、本発明の実施例に係る石炭ガス化複合発電プラントの典型的な装置構成例を示している。
図2に示す石炭ガス化複合発電プラントは、その機能を大別して示すと、石炭を微粉炭にして供給する燃料供給部分A、燃料のガス化を行うガス化部分B、得られたガスを精製するガス精製部分C、精製されたガス及び得られた蒸気から動力を取り出す発電部分Dと、それらの制御部分Eから構成されている。
このうち燃料供給部分Aは、微粉炭と酸素をガス化部分Bに供給するものであり、ミルを含む石炭供給系1において、空気分離器31が与える窒素の環境下で石炭を微粉炭とする。また空気分離器31が与える酸素と共に、微粉炭をガス化部分Bに供給する。
ガス化部分Bは、ガス化炉2とシンガスクーラ3により構成されている。ガス化炉2では燃料搬送管32により搬送された燃料(石炭)をガス化し、シンガスクーラ3ではその内部のシンガスクーラ節炭器あるいはシンガスクーラ蒸発器において、給水との熱交換により燃料ガスを冷却する。なおシンガスクーラ節炭器への給水は、後述する排熱回収ボイラHRSGから供給し、シンガスクーラ3で発生した蒸気はシンガスクーラドラムで排熱回収ボイラHRSGに回収される。
ガス精製部分Cは、シンガスクーラ3で冷却された燃料ガスに含まれる固形物などを脱塵装置33で除去した後、加熱装置34を介してガス生成装置5に導き、ガスの生成を行う。生成されたガスは加熱装置34を介して発電部分Dのガスタービン燃焼器6に投入されるが、余剰ガスの一部はグランドフレア11から排出される。
発電部分Dは、その機能を大別して示すと、ガスタービンGTと排熱回収ボイラHRSGと蒸気タービンSTから構成されている。ガスタービンGTは、空気を圧縮する圧縮機7と圧縮空気により生成ガスを燃焼させる燃焼器6と、ガスタービン部34で構成されており、得られた機械動力により、発電機10を駆動して発電電力を得る。なお図1の例では、ガスタービン軸と蒸気タービン軸と発電機軸が同軸上に配置されて、発電機10を駆動する例を示している。
排熱回収ボイラHRSGではガスタービンGTからの燃焼排ガスWGを導入し、給水ポンプ4からの給水Wとガスタービン燃焼排ガスWGの熱交換により蒸気を発生する。より詳細には、復水器35からの給水Wが給水ポンプ4により加圧されて排熱回収ボイラHRSGに導入される。排熱回収ボイラHRSGは、その排ガスWG下流側から順次節炭器36、蒸発器37、過熱器38を配置しており、これら熱交換器と排ガスWGの熱交換により、給水は過熱蒸気とされ、主蒸気管40から蒸気タービンSTの高圧タービン9に導かれてこれを駆動する。
また高圧タービン9で仕事をした蒸気は、再度排熱回収ボイラHRSGに導かれ、再熱器39において再加熱されて再熱蒸気となり、再熱蒸気管41を介して蒸気タービンSTの再熱タービン8に導かれてこれを駆動する。なお、排熱回収ボイラHRSGの各部における給水や蒸気は、適宜蒸気配管部分から抽出されて、別用途に利用される。典型的な一例として、ガス化炉2におけるシンガスクーラ節炭器あるいはシンガスクーラ蒸発器において、給水との熱交換により燃料ガスを冷却する系統が示されており、冷却後の蒸気は排熱回収ボイラドラムで回収される。なお排熱回収ボイラドラムにはシンガスクーラドラムからの蒸気がシンガスクーラ蒸気流量調節弁を介して合流するようになっている。
以上述べたように、図2の石炭ガス化複合発電プラントは、燃料を搬送する燃料搬送管32と、燃料をガス化して燃料ガスを生成するガス化炉2と、燃料ガスからシンガスクーラ節炭器及びシンガスクーラ蒸発器により熱を回収して蒸気を生成するシンガスクーラ3と、脱塵装置33に接続して燃料ガス中の不要物質を除去して精製ガスとするガス精製設備5と、精製ガスを動力源とするガスタービンGTと、ガスタービンGTの排ガスWGから蒸気を得る排熱回収ボイラHRSGと、排熱回収ボイラHRSGに給水する給水ポンプ4と、排熱回収ボイラHRSG及びシンガスクーラドラムから得られる蒸気を回収する排熱回収ボイラドラムと、排熱回収ボイラドラムから得られる蒸気を動力源とする蒸気タービンSTなどを基本構成要素とするものである。
制御部分Eは、燃料供給部分A、ガス化部分B、ガス精製部分C、発電部分Dのそれぞれを適正に制御している。所望の発電出力を適宜のタイミングで得るに必要な、各部プラント量を適正に制御している。
図1は、制御部分Eの主要な構成部である負荷追従制御回路部分を示した図である。負荷追従制御回路部分の主要な機能の一つは、発電出力指令に対して、ガスタービンGTに与えるガス量を適正に制御することであり、他の主要な機能は、石炭の投入量(供給量)を適正量に制御することである。この制御は要するに、石炭ガス化複合発電プラントに与える総エネルギー量と、石炭ガス化複合発電プラントから取り出す総エネルギー量を時系列的にバランスさせるためのものである。
このうち前者の制御は、図1の発電出力指令14と、実際の発電出力12との偏差を減算器42で求め、比例積分調節器43を介してガスタービン燃焼器入口のガスタービン制御弁GCVの開度指令13として与えることで実現される。なお発電出力12は、ガスタービンGTの出力と蒸気タービンSTの出力の合計量である。
これに対し後者の石炭の投入量制御は、発電出力指令14に対応して定められる制御分C1と、ガス化圧力を目標値に適正に制御していかなる状態でもガス化圧力を保持しておく制御分C2を反映した制御とされている。
このうち制御分C1では、発電出力指令14から協調指令15を作成し、石炭供給指令20に付加する協調制御をおこなうものである。また制御分C2では、ガス化炉圧力18とガス化炉圧力目標19の偏差を減算器44で求め、調節器45による比例積分制御で石炭供給指令20を決めている。
この図1の負荷追従制御回路は、ガス発生側(石炭供給)とガス使用側(GCV開度)を強調して制御させる目的のものであり、ガス使用量を増減させる場合には、ガス発生側もガス使用量に見合った程度増減させるという協調制御を行う。協調指令関数発生器15は、発電出力指令14が単位量変化した場合に、石炭量をどの程度変化させるのがよいか、その割合を設定している。
本発明者らの知見によれば、図3、図4、図5の事が知られている。まず図3は、横軸に協調制御ゲイン、縦軸に負荷変化開始後のガス化炉の炉圧変動(kpa)を示しており、協調指令のゲイン(横軸)を大きくするとガス化炉圧力変動幅は抑制されることを示している。
図4は、横軸に協調制御ゲイン、縦軸に負荷変化終了後のガス化炉の炉圧オーバーシュート(kpa)を示している。この図4は、協調制御ゲインを0.7より大きくすると、負荷変化後に炉圧の長時間にわたるオーバーシュートが発生することを表している。
図3と図4から判明するのは、負荷変化期間中の制御を良好に行うには協調ゲインは高いほうがよいが、高すぎると負荷変化制御期間終了後に石炭過投入の影響が表れて長時間にわたるオーバーシュートが発生するということである。そのため、オーバーシュートがなく、かつガス化炉圧力変動が最小となる0.7を協調制御ゲインの最適値とし、採用するのがよい。
因みに図5は、協調指令ゲインを1として実際に負荷変化させたときのガス化炉圧力の変動を時間経過とともに示したものである。まず時刻t1において負荷変化開始し、時刻t2において負荷変化を終了したものとする。ガス化炉圧力は3.470(MpaA)とすべきところ、負荷変化直後のオーバーシュートにより上昇し、その後負荷変化終了字時刻t2では2(kpa)ほど低下しその後時刻t3に向けて増加し、負荷変化終了後のガス化炉圧力が3.472(MpaA)となり、オーバーシュートが生じたことを表している。かつこの終了後のオーバーシュートは、長期間にわたり継続されていることを示している。
本発明においては、制御分C1について、上記協調制御ゲインの配慮を施こしながら、同時にガス化圧力を保持する制御分C2に対して、以下の予測制御の考えを導入したガス化炉圧力制御を実行する。この配慮は、図2の燃料供給部分Aからガス化部分B、ガス精製部分Cを介して発電部分Dのガスタービン燃焼器に至るまでには多大の時間遅れを要することから、この遅れを先行予測制御により解消せんとするものである。
そこで本発明においては、図1に示すように、発電スケジュール16から予測関数17を介してガス化炉圧力目標19を作成し、ガス化炉圧力目標19を変化させることにより、ガス化炉圧力18を制御する。
図6は、負荷変化時における図1の制御系各部の信号を示した図である。この図において横軸は時間、縦軸項目は上から順に発電スケジュール(MW)16、発電出力指令(MW)14、ガス化炉圧力目標値(MPa)19、ガス化炉圧力(MPa)18、石炭供給量20を表している。
この図において、発電スケジュール16は、例えば当該発電所における1日単位の発電出力の計画値であり、時刻t10において発電出力をGminからGmaxに増大させるという計画値を有している。これに対し発電出力指令(MW)14は、時刻t10で発電出力Gmaxを達成するためには、t10よりもtx時間前のt9から増加し始めて時刻t10で発電出力Gmaxになる時間変化指令を発する。この場合の変化率は、石油や天然ガスを使用して発電するコンバインドサイクル(C/C)発電程度の負荷変化率5%/分とされている。
ここで発電出力指令(MW)14は、一方においてガスタービン燃焼器入口のガスタービン制御弁GCVの開度指令13として与えられるものであり、ガスタービン制御弁GCV入口のガス量は十分に確保されていることを前提としている。
このため他方では、前提としたガス量を確保しておく操作が必要であり、この観点がガス化圧力目標値19の設定に反映される。ガス化圧力目標値19の設定では、石炭ガス化複合発電プラント内のプロセス量のより上流側である石炭供給量を定める必要があるために、目標出力達成t10よりもtx時間前のt9を起点とし、さらにty時間前のt8からガス化圧力制御のための対策が必要である。かつ図4で説明した負荷変化終了後のガス化炉の炉圧オーバーシュートの問題に対応するためには、目標出力達成t10よりもty時間後のt11までガス化圧力制御対策を実行し続ける必要がある。
図6のガス化炉圧力目標値(MPa)19は、上記観点から時刻t8からt11までの期間をガス化炉圧力制御対象期間とする。図1の予測関数17では、発電スケジュール(MW)16からこの期間を定めるとともに、この期間における目標圧力の大きさを決定する。図6ではこの期間の圧力目標値を通常運転時のPLに対して、より大きい値のPHを与える例を示している。なおこの期間の圧力目標値は、適宜の指標を用いて任意に定めることが可能である。
ガス化炉圧力制御対象期間における高圧ガス化炉圧力制御により、実際のガス化炉圧力は、図5に示した負荷変化期間中の炉圧オーバーシュート傾向を示し、上昇後に低下する変動をする。調節器45は、ガス化炉圧力の目標と計測値からの比例積分制御により、制御信号C2を定める。
他方、制御信号C1としては協調指令ゲインを0.7程度にする信号が与えられている。図6の石炭供給量20は、上記制御信号C1とC2が合成されて得られた目標信号であり、制御信号C1により、ガスタービン制御弁GCVの制御開始に先行する時刻t8から石炭供給量を増加させることでガスタービン制御弁GCV入口のガス量を十分に確保する。かつ負荷変化終了後の時刻t11よりもさらに後の時刻t12まで制御継続されることで、負荷変化終了後のガス化炉の炉圧オーバーシュートの問題に対応している。
なお協調指令ゲインを0.7程度にしたことで、負荷変化期間中の応答を比較的高く維持可能であり、かつ負荷変化終了後のガス化炉の炉圧オーバーシュートを抑制することができている。
次に、本発明による効果をシミュレーションした結果について説明する。図7と図8は、負荷変化時間txと負荷変化前後のバイアス期間tyの関係を想定してものである。図7は表形式により、図8はグラフ形式により示している。
図7の表の縦軸側において、ケースはAからFまでの6通りであり、横軸側には負荷変化と負荷変化前後のバイアス期間tyを数値により例示している。なお負荷変化として、変化量と負荷変化時間txを採用して数値表示している。図8のグラフに示すように、ケースはAからFまでの6通りが、中間負荷帯にも対応できるよう、1/6単位での変化幅と下直線関係としている。
図9は、想定したケースにより負荷変化させたときの応答結果を示す図である。図9では、横軸に負荷変化時間tx、縦軸にガス化炉圧力変動幅(kPa)を採用し、GTリードによる制御の時の応答、GTリードによる協調制御(特許文献1に記載の制御手法)の時の応答、本発明に係るGTリードによる予測協調制御の時の応答を示している。但し、負荷変化時間txは石油や天然ガスを使用して発電するコンバインドサイクル(C/C)発電程度の負荷変化率5%/分とされている。また、それぞれのケースにおけるバイアス値は、GTリードベース協調制御時のガス化炉圧力降下ピーク値を上下に分散させる意味で半分の値としている。
このシミュレーション結果によれば、GTリードによる制御の時の応答ではケースC程度の状態、つまり4/6負荷程度の段階でガス化炉圧力変動幅の許容変動幅を逸脱してしまっている。GTリードによる協調制御の時の応答であっても、6/6負荷に至る前に許容変動幅を逸脱してしまっている。本発明のGTリードによる予測協調制御の時の応答では、許容変動幅を大きく下回ることができている。
図9の結果により、このようにケースB〜Fにおいてもシミュレーションによりガス化炉圧力が許容値以内に収まっていることを確認した。以上のことにより、本発明は最低負荷から最大負荷の変化だけでなく、中間負荷においても適用することが出来ることが判明した。なお、負荷下げ時については、グランドフレア11でガスを燃やすことによりガス化炉圧力の上昇を押さえること出来る。なお、ケースAは5%/分で最大負荷から最低負荷の変化ため、それ以上負荷変化時間が大きくなることはプラント運用上有り得ない。
以上詳細に述べたように、GTリードベース協調制御では発電指令と同時に協調指令が入るため、石炭供給量変化が負荷変化に追従出来ず、ガス化炉圧力変動が大きくなると考えられる。そこで本発明においては、通常の発電所で実施されている発電スケジュールに着目し、そのスケジュールから負荷上昇前に予測指令を与えることで追従性を高めることが出来ないか検討した。通常、発電所は事前に決定されたスケジュールで運転を行っているため、負荷が上下するタイミングが分かっている。そのため、スケジュールの関数を予測先行的にガス化炉圧力指令として入れることによって、負荷が上昇し始めるタイミングにはすでにGT入口にそれ相応のガス量が入るようなロジックを考えた。そこで、GTリードベース協調制御に加え、発電指令変化前にガス化炉の圧力設定値に予測指令としてある一定時間バイアスを印加することで、ガス化炉圧力の変動を抑制する手法を発明したものである。
より詳細には、酸素吹石炭ガス化複合発電において、負荷変化開始と同時のガス化炉への協調指令ではガス化炉圧力抑制に限界がある。そこで、発電スケジュールを元に決定した予測指令をガス化炉に先行して印加することによりガス化炉圧力の変動を許容値以内に抑え、プラントトリップに至らないような制御システムを発明したものである。
また負荷変化時間をtx、負荷変化時間に幅を持たせる時間をtyとした関数を予測関数とし、最低負荷から最大負荷まで5%/分で変化させた際のtyの最適値から起点に線形関数と仮定した。これにより、いかなる負荷変化にも対応できるよう石炭ガス化複合発電プラントが実現されることが判明した。
A:燃料供給部分
B:ガス化部分
C:ガス精製部分
D:発電部分
E:制御部分
1:石炭供給系
2:ガス化炉
3:シンガスクーラ
4:給水ポンプ
HRSG:排熱回収ボイラ
5:ガス精製装置
6:燃焼器
7:圧縮機
GT:ガスタービン
8:再熱タービン
9:高圧タービン
10:発電機
11:グランドフレア
12:発電出力
13:GCV開度指令
14:発電出力指令
15:協調指令関数発生器
16:発電スケジュール
17:予測関数
18:ガス化炉圧力
19:ガス化炉圧力目標
20:石炭供給指令
31:空気分離器
32:燃料搬送管
33:脱塵装置
34:ガスタービン部
35:復水器
36:節炭器
37:蒸発器
38:過熱器
39:再熱器
40:主蒸気管
41:再熱蒸気管
42、44:減算器
43、45:調節器

Claims (3)

  1. 石炭を供給する燃料供給部と、供給された燃料のガス化を行うガス化部と、得られたガスを精製するガス精製部と、精製されたガス及び得られた蒸気から動力を取り出す発電部と、少なくとも前記発電部に与えるガス量と、前記燃料供給部に供給する石炭量を制御する制御部とを備え、該制御部は出力増加時に時間的に増加する発電出力指令に応じて前記発電部に与える前記ガス精製部からのガス量を定めるガス量制御部と、前記発電出力指令に応じて求められた協調指令信号と、前記ガス化部におけるガス圧力を目標値に制御するガス制御信号の和により前記石炭量を定める石炭量制御部と、を備えた石炭ガス化複合発電プラントであって、
    前記ガス圧力の目標値は、前記出力増加時に時間的に増加する発電出力指令の出力増加開始時点より前の第1の時点から、出力増加完了時点より後の第2の時点までの期間において、通常の目標値より高めに設定されることを特徴とする石炭ガス化複合発電プラント。
  2. 請求項1に記載の石炭ガス化複合発電プラントであって、
    前記ガス圧力の目標値について、出力変化時間をtx、出力変化開始時点と前記第1の時点の間の時間をtyとするとき、txとtyの関係を線形として最低負荷から最大負荷まで規定変化率で変化させ、中間負荷帯にも対応可能としたことを特徴とする石炭ガス化複合発電プラント。
  3. 請求項1または請求項2に記載の石炭ガス化複合発電プラントであって、
    前記発電出力指令に応じて求める協調指令信号は、出力増加中におけるガス圧力の変動を抑制し、かつ出力増加完了後のガス圧力のオーバーシュートを抑制する大きさの係数を乗じて求められることを特徴とする石炭ガス化複合発電プラント。
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