JP2006009574A - 火力発電プラント - Google Patents
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Abstract
【課題】 既設の火力発電プラントで容易に廃棄物燃料を使用することができ、しかも発電効率を高めることができる火力発電プラントを提供することである。
【解決手段】 蒸気を発生するボイラからの蒸気で蒸気タービンを駆動し発電機から電力を発生する蒸気タービン発電設備と、ボイラとは別に設けられ発生した蒸気を蒸気タービンの入口に供給する別置のボイラと、別置のボイラの排ガスを処理する排ガス処理設備とを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 蒸気を発生するボイラからの蒸気で蒸気タービンを駆動し発電機から電力を発生する蒸気タービン発電設備と、ボイラとは別に設けられ発生した蒸気を蒸気タービンの入口に供給する別置のボイラと、別置のボイラの排ガスを処理する排ガス処理設備とを備えたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ボイラからの蒸気で蒸気タービンを駆動し発電機から電力を発生する蒸気タービン発電設備を備えた火力発電プラントに関する。
近年、廃棄物を再利用し環境に優しいエネルギーの有効活用が図られている。例えば、外部加熱式ガスタービン、蒸気タービン、アンモニア−水混合流体タービンを備えた廃棄物を燃料とする複合発電システムがある(例えば、特許文献1参照)。この複合発電システムは、廃棄物燃料の排ガスによりガスタービンの作動流体を加熱し、蒸気ボイラで蒸気を発生し、ガスタービンの降温した排気空気によりカリーナサイクルのアンモニア−水混合流体を熱交換器で蒸発加熱し、天然ガス等の追加燃料を使用せずに、現状の材料の制約の中で、外部加熱方式廃棄物複合発電の効率向上を図るようにしたものである。
一方、蒸気負荷の要求がある場合に廃熱ボイラを設置し、廃熱ボイラにより得られる蒸気をプロセスに使用することによって省エネルギーを図るようにした熱電併給装置いわゆるコーゼネレーションシステムがある。例えば、廃熱ボイラの気水分離として燃焼器を有する炉筒煙管式ボイラの胴を利用することによって、廃熱ボイラにより回収される不足分の蒸気を燃焼器により補うようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
事業用の火力発電プラントには、ボイラからの蒸気で蒸気タービンを駆動し発電機から電力を発生するコンベンショナルな火力発電プラントや、ガスタービンと蒸気タービンとを組み合わせガスタービンの排ガスで蒸気を発生させて蒸気タービンを駆動し効率を高めたコンバインドサイクル発電プラント等があり、これらの事業用の火力発電プラントにおいても、その燃料として廃棄物燃料を使用することが検討されている。
特開平11−218005号公報(図1)
特開平4−48101号公報(第1図、第2図)
しかし、既設の火力発電プラントは、天然ガスや石油を燃料としており、その設備も天然ガスや石油を燃料とすることを前提に構成されているので、廃棄物燃料をそのまま使用することはできない。すなわち、廃棄物燃料は塩素やアルカリ金属などを除去しきれないので、ボイラ保護のためボイラでの燃焼温度は低い温度となり、ボイラから発生する蒸気も低温の蒸気となる。このことから、既設の火力発電プラントにおける蒸気タービン発電設備の効率的な使用ができない。
一方、コンバインドサイクル発電においては、ガスタービン発電設備が出力を低下したときには、ガスタービンの排ガスで発生する蒸気で駆動される蒸気タービン発電設備は余力がある状態であり、蒸気タービン発電設備はガスタービン発電設備の運転状況によって発電効率が低下することがある。
例えば、ガスタービン発電設備は、夏期の重要負荷帯に気温の上昇とともに出力が低下する。これは、気温の上昇とともに圧縮空気の密度が低下し同一圧力に制御しても空気流量が減少するからである。夏期の重要負荷帯にガスタービン発電設備及び蒸気タービン発電設備の双方の出力が低下することは、好ましいことではない。
本発明の目的は、既設の火力発電プラントで容易に廃棄物燃料を使用することができ、しかも発電効率を高めることができる火力発電プラントを提供することである。
請求項1の発明に係わる火力発電プラントは、蒸気を発生するボイラと、前記ボイラからの蒸気で蒸気タービンを駆動し発電機から電力を発生する蒸気タービン発電設備と、前記ボイラとは別に設けられ発生した蒸気を前記蒸気タービンの入口に供給する別置のボイラと、前記別置のボイラの排ガスを処理する排ガス処理設備とを備えたことを特徴とする。
請求項2の発明に係わる火力発電プラントは、燃料と圧縮空気とを混合して燃焼器で燃焼させガスタービンを駆動して発電機から電力を発生するガスタービン発電設備と、前記ガスタービンの排ガスで蒸気を発生させる排熱回収ボイラと、前記排熱回収ボイラからの蒸気で蒸気タービンを駆動し発電機から電力を発生する蒸気タービン発電設備と、前記排熱回収ボイラとは別に設けられ発生した蒸気を前記蒸気タービンの入口に供給する別置のボイラと、前記別置のボイラの排ガスを処理する排ガス処理設備とを備えたことを特徴とする。
請求項3の発明に係わる火力発電プラントは、請求項1または2の発明において、別置のボイラからの蒸気を、前記蒸気タービンの入口に代えて、蒸気タービンの抽気管に供給する。
請求項4の発明に係わる火力発電プラントは、請求項1または2の発明において、別置のボイラからの蒸気を、前記蒸気タービンの入口に代えて、給水配管に設けられた熱交換器に供給する。
請求項5の発明に係わる火力発電プラントは、請求項1または2の発明において、前記別置のボイラの燃料は、バイオマス燃料を含めた廃棄物燃料であることを特徴とする。
請求項6の発明に係わる火力発電プラントは、蒸気を発生するボイラと、前記ボイラからの蒸気で蒸気タービンを駆動し発電機から電力を発生する蒸気タービン発電設備と、バイオマス燃料を含めた廃棄物燃料をガス化し得られたガス燃料を前記ボイラのバーナーに供給するガス化炉とを備えたことを特徴とする。
請求項7の発明に係わる火力発電プラントは、燃料と圧縮空気とを混合して燃焼器で燃焼させガスタービンを駆動して発電機から電力を発生するガスタービン発電設備と、前記ガスタービンの排ガスで蒸気を発生させる排熱回収ボイラと、前記排熱回収ボイラからの蒸気で蒸気タービンを駆動し発電機から電力を発生する蒸気タービン発電設備と、バイオマス燃料を含めた廃棄物燃料をガス化し得られたガス燃料を前記燃焼器または前記排熱回収ボイラのバーナーに供給するガス化炉とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、別置のボイラから蒸気タービン発電設備の蒸気タービンに蒸気を供給できるので、蒸気タービン発電設備に余裕がある場合には、別置のボイラからの蒸気により出力を増加できる。コンバインドサイクル発電プラントの場合には、夏期の電力需要ピークを迎えたときにガスタービン発電設備の出力が低下して蒸気タービン発電設備に余裕がある場合に、別置のボイラから蒸気タービン発電設備に蒸気を供給し発電出力を増加することができる。
また、別置のボイラの排ガスを処理するための排ガス処理設備を設けているので、別置のボイラの燃料として、天然ガスや石油等の化石燃料に代えて廃棄物燃料を使用できる。このように、既設の火力発電プラントに別置のボイラ及び排ガス処理施設を設け、既存の蒸気タービン発電設備に別置のボイラから蒸気を供給する構成であるので、新規に蒸気タービン発電設備を増設する必要がなく設備投資を抑制できる。
別置のボイラに代えてガス化炉を設けた場合にも、同様に、既設の火力発電プラントにガス化炉を設けるだけで、廃棄物燃料を使用してガスタービン発電設備や蒸気タービン発電設備に裕度がある場合には、それらの出力を増加できる。これにより設備の有効利用が図れ電力需要に応えることができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係わる火力発電プラントの構成図である。ボイラ11は化石燃料である石油や天然ガスを燃料とし蒸気を発生させるものであり、ボイラ11で発生した蒸気は蒸気タービン発電設備に供給される。蒸気タービン発電設備は、ボイラ11で発生した蒸気を主蒸気止め弁12及び蒸気加減弁13を介して高圧タービン14に導き、さらに高圧タービン14で仕事を終えた蒸気を低圧タービン15に導き発電機16を駆動して発電する設備であり、低圧タービン15で仕事を終えた蒸気を復水器17で凝縮して給水ポンプ18にて給水弁19を介して再びボイラ11に給水する。
一方、別置のボイラ20(以下、別置ボイラ20という)が設けられ、この別置ボイラ20には排ガス処理設備21が設けられている。この別置ボイラ20で発生した蒸気は蒸気止め弁22及び蒸気加減弁23を介して高圧タービン14に導かれる。この別置ボイラ20には給水弁24を介して給水される。別置ボイラ20は排ガス処理設備21を備えていることから、燃料としてバイオマス燃料を含めた廃棄物燃料を使用することができるようになっている。
以上の説明では、蒸気タービン発電設備は高圧タービン14と低圧タービン15とを備えた場合について説明したが、中圧タービンを備えたものであっても良い。また、別置ボイラ20で使用する燃料は、固体燃料、液体燃料、スラリ状燃料、エマルジョン燃料等のバイオマス燃料を含む廃棄物燃料であり、これら廃棄物燃料の燃焼により発生する排ガスは排ガス処理設備21により処理される。例えば、排ガス処理設備21は、窒素酸化物NOx、硫黄酸化物SOx、ダイオキシン等の分解処理を行う。なお、別置ボイラ20で使用する燃料として化石燃料を使用しても良い。
このように既設のボイラ11及び蒸気タービン発電設備に対して、別置ボイラ20及び排ガス処理設備21を設け、蒸気タービン発電設備の高圧タービン14に蒸気止め弁22及び蒸気加減弁23を介して蒸気を供給するように構成するので、既存の蒸気タービン発電設備に大きな変更を加える必要がない。
第1の実施の形態によれば、既存の蒸気タービン発電設備に大きな変更を加えることがないので設備費用が低減できる。また、別置ボイラ20には排ガス処理設備21が備えられているので、燃料としてバイオマス燃料を含めた廃棄物燃料の使用が可能となり、ボイラ11で使用する化石燃料を節約できる。
また、ボイラ11の点検時においても、別置ボイラ20を運転することにより蒸気タービン発電設備を運転することができる。一般に、ボイラ11の点検周期は蒸気タービンの点検周期より短く、ボイラ11の点検時には、点検対象になっていない蒸気タービンも停止することになるが、別置ボイラ20を運転することにより、点検対象になっていない蒸気タービン発電設備の運転を継続することができ、ボイラ11の点検時においても電力の安定供給が図れる。
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。図2は本発明の第2の実施の形態に係わる火力発電プラントの構成図である。この第2の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、別置ボイラ20からの蒸気を高圧タービン14の入口に代えて、高圧タービン14の抽気管25に供給するようにしたものである。図1に示した第1の実施の形態と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
通常、蒸気タービン発電設備では、高圧タービン14の出口から抽気管25を通して蒸気が抽気され、蒸気タービンの軸封部へのグランド蒸気や給水の加熱等に使用されている。そこで、別置ボイラ20を設け、別置ボイラ20で発生した蒸気を蒸気弁26を介して抽気管25に供給し抽気蒸気として使用する。これにより、高圧タービン14からの抽気量が減少するので、高圧タービン14から低圧タービン15に供給する蒸気流量が増える。これにより、ボイラ11で発生する蒸気流量を軽減することができボイラ11で使用する化石燃料を節約できる。
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、既存の蒸気タービン発電設備に大きな変更を加えることなく別置ボイラ20を設けるので設備費用が低減できる。また、別置ボイラ20には排ガス処理設備21が備えられているので、燃料としてバイオマス燃料を含めた廃棄物燃料の使用が可能となり、ボイラ11で使用する化石燃料を節約できる。別置ボイラ20で発生した蒸気を抽気蒸気として使用するので、高圧タービン14の抽気量を軽減できボイラ11で発生する蒸気流量を軽減することができる。
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。図3は本発明の第3の実施の形態に係わる火力発電プラントの構成図である。この第3の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、別置ボイラ20からの蒸気を高圧タービン14の入口に代えて、給水配管27に設けられた熱交換器28に供給するようにしたものである。図1に示した第1の実施の形態と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
通常、蒸気タービン発電設備では、給水配管27に熱交換器28が設けられ、高圧タービン14の出口からの抽気により給水を加熱するようにしている。そこで、別置ボイラ20を設け、その別置ボイラ20で発生した蒸気を蒸気弁26を介して熱交換器28に供給し給水の加熱用蒸気として使用する。これにより、高圧タービン14からの抽気量が減少するので、高圧タービン14から低圧タービン15に供給する蒸気流量が増え、ボイラ11で発生する蒸気流量を軽減することができる。
第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、既存の蒸気タービン発電設備に大きな変更を加えることがなく別置ボイラ20を設けるので設備費用が低減できる。また、別置ボイラ20には排ガス処理設備21が備えられているので、燃料としてバイオマス燃料を含めた廃棄物燃料の使用が可能となり、ボイラ11で使用する化石燃料を節約できる。別置ボイラ20で発生した蒸気を給水の加熱用蒸気として使用するので、高圧タービン14の抽気量を軽減できボイラ11で発生する蒸気流量を軽減することができる。
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。図4は本発明の第4の実施の形態に係わる火力発電プラントの構成図である。ボイラ11は化石燃料である石油や天然ガスを燃料として蒸気を発生させるものであり、ボイラ11で発生した蒸気は蒸気タービン発電設備に供給される。蒸気タービン発電設備は、ボイラ11で発生した蒸気を主蒸気止め弁12及び蒸気加減弁13を介して高圧タービン14に導き、さらに高圧タービン14で仕事を終えた蒸気を低圧タービン15に導き発電機16を駆動して発電する設備であり、低圧タービン15で仕事を終えた蒸気を復水器17で凝縮して給水ポンプ18にて給水弁19を介して再びボイラ11に給水する。
一方、ガス化炉29が設けられ、このガス化炉29は燃料としてバイオマス燃料を含めた廃棄物燃料を炭化処理して熱分解ガスをガス燃料として発生するものであり、ガス化炉29で発生したガス燃料はボイラ11のバーナーに供給されボイラ11で燃焼する。これにより、ボイラ11で使用する化石燃料を軽減できる。
第4の実施の形態によれば、既設のボイラ11及び蒸気タービン発電設備に対してガス化炉29を設けるだけであるので、既存の蒸気タービン発電設備に大きな変更を加える必要がなく設備費用が低減できる。また、ガス化炉はバイオマス燃料を含めた廃棄物燃料をガス化してガス燃料を生成し、そのガス燃料をボイラ11で使用するので、ボイラ11で使用する化石燃料を節約できる。
次に、本発明の第5の実施の形態を説明する。図5は本発明の第5の実施の形態に係わる火力発電プラントの構成図である。この第5の実施の形態は、ガスタービン発電設備と蒸気タービン発電設備とを有したコンバインドサイクル発電設備に対して、図1に示した第1の実施の形態における別置ボイラ20及び排ガス処理設備を設けたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
ガスタービン発電設備は、空気圧縮機30で得られた圧縮空気と燃料とを混合して燃焼器31で燃料を燃焼させ、その燃焼ガスでガスタービン32を駆動し発電機16を駆動する。図5では、ガスタービン32に発電機16が連結されているように図示しているが、通常はガスタービン32と高圧タービン14及び低圧タービン15は一軸で連結されており、発電機16は低圧タービン15に連結されている。
ガスタービン32で仕事を終えた排ガスは排熱回収ボイラ33に導かれ、排熱回収ボイラ33で発生した蒸気は蒸気タービン発電設備に供給される。蒸気タービン発電設備は、排熱回収ボイラ33で発生した蒸気を主蒸気止め弁12及び蒸気加減弁13を介して高圧タービン14に導き、さらに高圧タービン14で仕事を終えた蒸気を低圧タービン15に導き発電機16を駆動して発電する。そして、低圧タービン15で仕事を終えた蒸気は復水器17で凝縮され給水ポンプ18にて給水弁19を介して再び排熱回収ボイラ33に給水される。
このようなコンバインドサイクル発電設備に対し、別置ボイラ20が設けられ、この別置ボイラ20には排ガス処理設備21が設けられている。この別置ボイラ20で発生した蒸気は蒸気止め弁22及び蒸気加減弁23を介して蒸気タービン発電設備の高圧タービン14に導かれ、また、別置ボイラ20には給水弁24を介して給水が供給される。別置ボイラ20は排ガス処理設備21を備えていることから、燃料としてバイオマス燃料を含めた廃棄物燃料を使用することができるようになっている。
ここで、ガスタービン32は空気温度が上昇すると出力が低下する。すなわち、空気温度が上昇すると空気の密度が小さくなり、空気圧縮機30で圧縮された圧縮空気の圧力が同一圧力であっても燃焼器31に供給される圧縮空気流量が減少するので、圧縮空気と所定の比率で混合される燃料流量も減少することからガスタービン32の出力は低下する。
ガスタービン32の出力が低下すると、ガスタービン32の排ガス流量も低下し、排熱回収ボイラ33から発生する蒸気流量も減少する。従って、夏期の周囲温度が高いときには、ガスタービン32の出力低下に起因して蒸気タービン発電設備の出力も低下し、蒸気タービン発電設備は余裕のある状態での運転となる。なお、空気温度が上昇してガスタービン32の出力が低下したときにガスタービン32の出力を増加させると、排ガス温度が上昇するのでガスタービン32の保護のために出力を増加させることは制限されている。
このように、夏期の周囲温度が高いときには、蒸気タービン発電設備は余裕のある状態での運転となっているので、その際に、別置ボイラ20を起動して余裕のあるタービン発電設備の蒸気系統に蒸気を供給する。すなわち、別置ボイラ20で発生した蒸気を蒸気止め弁22及び蒸気加減弁23を介して高圧タービン14に導き、高圧タービン14を駆動するとともに高圧タービン14で仕事を終えた蒸気で低圧タービン15を駆動する。これにより、発電機16からの出力電力を増加させることができる。
第5の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、既存のガスタービン発電設備や蒸気タービン発電設備に大きな変更を加えることなく別置ボイラ20を設置できるので設備費用が低減できる。また、別置ボイラ20には排ガス処理設備21が備えられているので、燃料としてバイオマス燃料を含めた廃棄物燃料の使用が可能となり、燃焼器31で使用する化石燃料を節約できる。
また、夏期の電力需要がピークになる時期に発電機の出力を増加させることができるので、電力系統に連系される他の火力発電プラントの定期検査を実施することも可能となる。すなわち、電力系統に連系される個々の火力発電プラントがぞれそれ夏期であっても出力を増加させることができるので、停止した火力発電プラントの出力分を補うことが可能となり、夏期であっても火力発電プラントの定期検査が可能となる。これにより、夏期の電力需要のピーク時においても定期検査が可能となり定期検査の均平化が図れる。
また、ガスタービン発電設備の点検時においても、別置ボイラ20を運転することにより蒸気タービン発電設備を運転することができる。一般に、ガスタービン発電設備の点検周期は蒸気タービン発電設備の点検周期より短く、ガスタービン発電設備の点検時には、点検対象になっていない蒸気タービンも停止することになるが、別置ボイラ20を運転することにより、点検対象になっていない蒸気タービン発電設備の運転を継続することができ、ガスタービン発電設備の点検時においても電力の安定供給が図れる。
次に、本発明の第6の実施の形態を説明する。図6は本発明の第6の実施の形態に係わる火力発電プラントの構成図である。この第6の実施の形態は、図5に示した第5の実施の形態に対し、別置ボイラ20からの蒸気を高圧タービン14の入口に代えて、高圧タービン14の抽気管25に供給するようにしたものである。図5に示した第5の実施の形態と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
第2の実施の形態で述べたように、通常、蒸気タービン発電設備では、高圧タービン14の出口から抽気管25を通して蒸気が抽気され、蒸気タービンの軸封部へのグランド蒸気や給水の加熱等に使用されている。そこで、別置ボイラ20で発生した蒸気を蒸気弁26を介して抽気管25に供給し抽気蒸気として使用する。これにより、高圧タービン14からの抽気量が減少するので、高圧タービン14から低圧タービン15に供給する蒸気流量が増える。これにより、排熱回収ボイラ33で発生する蒸気流量を、余裕のある状態での運転となっている蒸気タービン発電設備に供給できる。
すなわち、別置ボイラ20で発生した蒸気を蒸気止め弁22及び蒸気加減弁23を介して蒸気タービン発電設備の高圧タービン14に導き、高圧タービン14を駆動するとともに高圧タービン14で仕事を終えた蒸気で低圧タービン15を駆動する。これにより、余裕のある発電機16の出力を増加させることができる。
第6の実施の形態によれば、第5の実施の形態と同様に、既存のガスタービン発電設備や蒸気タービン発電設備に大きな変更を加えることなく別置ボイラ20を設置できるので設備費用が低減できる。また、別置ボイラ20には排ガス処理設備21が備えられているので、燃料としてバイオマス燃料を含めた廃棄物燃料の使用が可能となり、燃焼器31で使用する化石燃料を節約できる。
また、夏期の電力需要がピークになる時期に発電機の出力を増加させることができるので、電力系統に連系される他の火力発電プラントの定期検査を実施することも可能となる。すなわち、電力系統に連系される個々の火力発電プラントがぞれそれ夏期であっても出力を増加させることができるので、停止した火力発電プラントの出力分を補うことが可能となり、夏期であっても火力発電プラントの定期検査が可能となる。これにより、夏期の電力需要のピーク時においても定期検査が可能となり定期検査の均平化が図れる。
次に、本発明の第7の実施の形態を説明する。図7は本発明の第7の実施の形態に係わる火力発電プラントの構成図である。この第7の実施の形態は、図5に示した第5の実施の形態に対し、別置ボイラ20からの蒸気を高圧タービン14の入口に代えて、給水配管27に設けられた熱交換器28に供給するようにしたものである。図5に示した第5の実施の形態と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
第3の実施の形態で述べたように、通常、蒸気タービン発電設備では、給水配管27に熱交換器28が設けられ、高圧タービン14の出口からの抽気により給水を加熱するようにしている。そこで、別置ボイラ20で発生した蒸気を蒸気弁26を介して熱交換器28に供給し給水の加熱用蒸気として使用する。これにより、高圧タービン14からの抽気量が減少するので、高圧タービン14から低圧タービン15に供給する蒸気流量が増え、余裕のある状態での運転となっている蒸気タービン発電設備に蒸気を供給できる。従って、発電機16の出力電力を増加させることができる。
第7の実施の形態によれば、第5の実施の形態と同様に、既存の蒸気タービン発電設備に大きな変更を加えることがなく別置ボイラ20を設置できるので設備費用が低減できる。また、別置ボイラ20には排ガス処理設備21が備えられているので、燃料としてバイオマス燃料を含めた廃棄物燃料の使用が可能となり、燃焼器31で使用する化石燃料を節約できる。別置ボイラ20で発生した蒸気を給水の加熱用蒸気として使用するので、排熱ボイラ33で発生する蒸気流量をすべて蒸気タービン発電設備に供給でき、発電機の出力を増加させることができる。
また、夏期の電力需要がピークになる時期に発電機の出力を増加させることができるので、電力系統に連系される他の火力発電プラントの定期検査を実施することも可能となる。すなわち、電力系統に連系される個々の火力発電プラントがぞれそれ夏期であっても出力を増加させることができるので、停止した火力発電プラントの出力電力分を補うことが可能となり、夏期であっても火力発電プラントの定期検査が可能となる。これにより、夏期の電力需要のピーク時においても定期検査が可能となり定期検査の均平化が図れる。
次に、本発明の第8の実施の形態を説明する。図8は本発明の第8の実施の形態に係わる火力発電プラントの構成図である。ガスタービン発電設備は、空気圧縮機30で得られた圧縮空気と燃料とを混合して燃焼器31で燃料を燃焼させ、その燃焼ガスでガスタービン32を駆動し発電機16を駆動する。図5では、ガスタービン32に発電機16が連結されているように図示しているが、通常はガスタービン32と高圧タービン14及び低圧タービン15は一軸で連結されており、発電機16は低圧タービン15に連結されている。
ガスタービン32で仕事を終えた排ガスは排熱回収ボイラ33に導かれ、排熱回収ボイラ33で発生した蒸気は蒸気タービン発電設備に供給される。蒸気タービン発電設備は、排熱回収ボイラ33で発生した蒸気を主蒸気止め弁12及び蒸気加減弁13を介して高圧タービン14に導き、さらに高圧タービン14で仕事を終えた蒸気を低圧タービン15に導き発電機16を駆動して発電する設備であり、低圧タービン15で仕事を終えた蒸気を復水器17で凝縮して給水ポンプ18にて給水弁19を介して再び排熱回収ボイラ33に給水する。
一方、ガス化炉29が設けられ、このガス化炉29は燃料としてバイオマス燃料を含めた廃棄物燃料を炭化処理して熱分解ガスをガス燃料として発生するものであり、ガス化炉29で発生したガス燃料は燃焼器31のバーナーまたは排熱回収ボイラ33に設けられたダクトバーナー34に供給される。これにより、燃焼器31での化石燃料を低減できるとともに、タービン発電設備に余裕があるときは、排熱回収ボイラ33からの蒸気流量を増やすことができる。
第8の実施の形態によれば、既設のガスタービン発電設備及び蒸気タービン発電設備に対して、ガス化炉29を設けるだけであるので、既存のガスタービン発電設備や蒸気タービン発電設備に大きな変更を加える必要がなく設備費用が低減できる。また、ガス化炉29はバイオマス燃料を含めた廃棄物燃料をガス化してガス燃料を生成し、そのガス燃料を燃焼器31または排熱回収ボイラ33で使用するので、燃焼器31で使用する化石燃料を節約でき、タービン発電設備に余裕があるときは、排熱回収ボイラ33からの蒸気流量を増やすことができる。
以上の説明では、一つの蒸気タービン発電設備に対し一つの別置ボイラ20を設ける場合について説明したが、複数の蒸気タービン発電設備に対し一つの別置ボイラ20を設けることも可能である。この場合は、別置ボイラ20は、各々の蒸気タービン発電設備に供給した蒸気流量に見合う復水を各々の蒸気タービン発電設備から回収することになる。
図9は、ガスタービン発電設備と蒸気タービン発電設備とを有した複数のコンバインドサイクル発電設備に対して、一つの別置ボイラ20及び排ガス処理設備21を設けた場合の火力発電プラントの構成図である。図9では二つのコンバインドサイクル発電設備に対し共用の一つの別置ボイラ20を設けた場合を示している。
ガスタービン発電設備35a、35bは、圧縮空気と燃料とを混合して燃焼させた燃焼ガスでガスタービンを駆動し、ガスタービンで仕事を終えた排ガスは排熱回収ボイラ33a、33bに導かれ、排熱回収ボイラ33a、33bで発生した蒸気は蒸気タービン発電設備36a、36bに供給される。蒸気タービン発電設備36a、36bは、排熱回収ボイラ33a、33bで発生した蒸気で蒸気タービンを駆動し、蒸気タービンで仕事を終えた蒸気は復水器で凝縮され、復水・給水設備37a、37bにより再び給水弁19a、19bを介して排熱回収ボイラ33a、33bに戻される。
一方、排ガス処理設備21を備えた一つの別置ボイラ20が二つのコンバインドサイクル発電設備に対し共用で設けられており、別置ボイラ20で発生した蒸気は蒸気分配弁38a、38bを介して各々の蒸気タービン発電設備36a、36bに供給される。蒸気タービン発電設備36a、36bでは、別置ボイラ20から供給された蒸気を、前述したように、蒸気タービンの駆動用蒸気、抽気用蒸気、または熱交換用蒸気として使用する。そして、蒸気タービン発電設備36a、36bで仕事を終えた蒸気は、復水器で凝縮され、復水・給水設備37a、37bにより再び給水弁24a、24bを介して別置ボイラ20に戻される。
この場合、別置ボイラ20から各々の蒸気タービン発電設備36a、36bに供給された蒸気流量に見合う復水を回収するために、蒸気タービン発電設備36a、36bに供給される蒸気流量を蒸気流量検出器39a、39bで検出するとともに、復水・給水設備37a、37bから別置ボイラ20に供給される給水流量を流量検出器40a、40bで検出し、同時同量計量調節器41a、41bに入力する。同時同量計量調節器39a、39bは、これらの検出値に基づいて、別置ボイラ20から各々の蒸気タービン発電設備36a、36bに供給された蒸気流量に見合う復水を別置ボイラ20の復水・給水設備42に回収する。これにより、一方のコンバインドサイクル発電設備から他方のコンバインドサイクル発電設備に余分な給水が流れ込むことを防止し、各々のコンバインドサイクル発電設備の給水流量を一定に保つようにしている。
図9では、二つのコンバインドサイクル発電設備に対し共用の一つの別置ボイラ20を設けた場合について説明したが、コンベンショナルな火力発電プラントに対しても同様に適用できることは言うまでもない。
11…ボイラ、12…主蒸気止め弁、13…蒸気加減弁、14…高圧タービン、15…低圧タービン、16…発電機、17…復水器、18…給水ポンプ、19…給水弁、20…別置ボイラ、21…排ガス処理設備、22…蒸気止め弁、23…蒸気加減弁、24…給水弁、25…抽気管、26…蒸気弁、27…給水配管、28…熱交換器、29…ガス化炉、30…空気圧縮機、31…燃焼器、32…ガスタービン、33…排熱回収ボイラ、34…ダクトバーナー、35…ガスタービン発電設備、36…蒸気タービン発電設備、37…復水・給水設備、38…蒸気分配弁、39…蒸気流量検出器、40…流量検出器、41…同時同量計量調節器、42…復水・給水設備
Claims (7)
- 蒸気を発生するボイラと、前記ボイラからの蒸気で蒸気タービンを駆動し発電機から電力を発生する蒸気タービン発電設備と、前記ボイラとは別に設けられ発生した蒸気を前記蒸気タービンの入口に供給する別置のボイラと、前記別置のボイラの排ガスを処理する排ガス処理設備とを備えたことを特徴とする火力発電プラント。
- 燃料と圧縮空気とを混合して燃焼器で燃焼させガスタービンを駆動して発電機から電力を発生するガスタービン発電設備と、前記ガスタービンの排ガスで蒸気を発生させる排熱回収ボイラと、前記排熱回収ボイラからの蒸気で蒸気タービンを駆動し発電機から電力を発生する蒸気タービン発電設備と、前記排熱回収ボイラとは別に設けられ発生した蒸気を前記蒸気タービンの入口に供給する別置のボイラと、前記別置のボイラの排ガスを処理する排ガス処理設備とを備えたことを特徴とする火力発電プラント。
- 別置のボイラからの蒸気を、前記蒸気タービンの入口に代えて、蒸気タービンの抽気管に供給することを特徴とする請求項1または2記載の火力発電プラント。
- 別置のボイラからの蒸気を、前記蒸気タービンの入口に代えて、給水配管に設けられた熱交換器に供給することを特徴とする請求項1または2記載の火力発電プラント。
- 前記別置のボイラの燃料は、バイオマス燃料を含めた廃棄物燃料であることを特徴とする請求項1または2記載の火力発電プラント。
- 蒸気を発生するボイラと、前記ボイラからの蒸気で蒸気タービンを駆動し発電機から電力を発生する蒸気タービン発電設備と、バイオマス燃料を含めた廃棄物燃料をガス化し得られたガス燃料を前記ボイラのバーナーに供給するガス化炉とを備えたことを特徴とする火力発電プラント。
- 燃料と圧縮空気とを混合して燃焼器で燃焼させガスタービンを駆動して発電機から電力を発生するガスタービン発電設備と、前記ガスタービンの排ガスで蒸気を発生させる排熱回収ボイラと、前記排熱回収ボイラからの蒸気で蒸気タービンを駆動し発電機から電力を発生する蒸気タービン発電設備と、バイオマス燃料を含めた廃棄物燃料をガス化し得られたガス燃料を前記燃焼器または前記排熱回収ボイラのバーナーに供給するガス化炉とを備えたことを特徴とする火力発電プラント。
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