JP6399800B2 - 室内空気温度の均一化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、室内空気の温度差を解消するとともに、温度差の解消に要する装置や設備の設置費用や電力などのエネルギコストを削減することのできる室内空気温度の均一化方法に関する。
一般に、静止中の空気を加熱して熱エネルギを供給すると、この熱エネルギによって空気分子は不規則な運動を開始し、この空気分子の不規則な運動が激しくなると、空気温度が高くなる。また、熱エネルギは、一般に温度の高いところから低いところに移動する。日常生活において「熱」と感じているものが、この熱エネルギの移動である。
建物内など密閉に近い室内空間において、熱エネルギの供給がなく、しかも、室内空気が強制的に循環されていない静止した状態においては、暖かい空気は比重が軽いため室内の上部へ上昇し、冷たい空気は比重が重いため室内の下部へ降下するので、室内の上部と下部において空気に温度差が生じ、室内空気はこの温度差をもって停滞することになる。
居住空間では、この温度差が居住者の快適な生活環境の妨げとなるし、健康を害する要因となっている。
このため、冬期においては、床にストーブなどの暖房機を設置して、暖房機から放射される輻射熱により暖房機周辺の空気を暖めている。しかしながら、この場合でも、暖房機周辺の空気は、輻射熱により加熱されて暖められ、比重が減少することにより部屋の上部の天井方向に移動してしまうので、暖房機の近くは輻射熱で暖かくても、少し離れた場所や床面は直ぐには暖かくならない。
室内全体の空気を暖めるためには、部屋の容積に見合った熱エネルギを継続的に供給す
る必要がある。
一方、夏期の冷房は、冬期の暖房とは逆で、冷房機からの冷気は比重が増大して部屋の下部の床方向に移動するので、床面は冷えて快適でも床から高くなるにしたがって温度が上がることになる。
このため、室内全体の空気を冷やすためには、部屋の容積に見合った冷房機で熱エネルギを継続的に除去する必要がある。
このため、従来から室内の上部と下部における空気の温度差を解消するために強制的に空気を循環する方法として、扇風機やサーキュレータが用いられたり、これらの扇風機やサーキュレータ以外にも様々な技術が開発されてきた。
このような室内空気の上部と下部における温度差を解消するための従来の技術の一例としては、冷房装置から吹出され室内の下部に滞留した冷気を室内の上部に搬送する室内空気温度の均一化装置がある。
前記室内空気温度の均一化装置は、下端部に配置された基部に吸気口が形成され、前記基部の上端に垂直に立設する筒状体が配設されている。
前記吸気口には室内の下層における温度を測定するための温度センサが配設されているとともに、前記基部内には前記吸気口から吸気された空気を前記筒状体へ送風する送風機が配設されている。
前記筒状体には垂直方向にそれぞれ所定の間隔を隔てて3つの吹出口が形成されており、各吹出口の近傍外周面にはそれぞれ温度センサが配設されるとともに、最上部の吹出口以外の2つの吹出口にはそれぞれ制御装置により開口および閉口するための開閉板が配設されている。
前記各開閉板は、いずれかの吹出口を開口する際には前記筒状体の内側に回動し、前記送風機により送風された冷気がこの開口された吹出口よりも上層に送風されないように前記筒状体内の送風路を区切るように配置される。
そして、前述した構成からなる装置は、基部の吸気口に配設された温度センサにより測定された温度を冷房から送出された冷気の基準温度とし、この基準温度と筒状体の各吹出口における温度の差を計測し、その温度差に応じて各開閉板を駆動させ、吸気口から吸気された冷気をいずれかの吹出口から放出することにより上層と下層の温度差が解消されることになる(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−243680号公報
しかしながら、前述した特許文献1の室内温度均等化装置や扇風機あるいはサーキュレータなどいずれの機器を用いた場合においても、装置や設備の設置費用、そして装置を稼働するための電力などの稼働費用が必要となっていた。
そこで、本発明は、装置や設備を設置する必要がなく、費用を大幅に削減することのできる室内空気温度の均一化方法を提供することを目的とするものである。
前述した目的を達成するため本発明の請求項1に係る室内空気温度の均一化方法の特徴は、特定波数1100cm-1付近に吸光度0.75abs以上のピークを有する遠赤外線を放射する珪藻土を、珪藻土からの遠赤外線が室内空気に放射されるように室内に配置し、この珪藻土が放射する遠赤外線により室内空気中の水分子を活性化させ、活性化された水分子により室内空気を撹拌して室内空気温度を均一にすることにある。
そして、このような構成を採用したことにより、珪藻土が放射する特定波数1100cm-1付近にピークを有する遠赤外線により室内空気中に含まれる水分子を活性化させて水分子を空気分子間において激しく振動させ、この水分子の振動により室内空気を撹拌して、室内空気温度を均一化することができる。
また、本発明の請求項2に係る室内空気温度の均一化方法の特徴は、請求項1において、前記珪藻土の粉末に接着性を有する溶剤を混合し、室内の内面に塗布するようにして室内に配置することにある。
そして、このような構成を採用したことにより、室内の内面に塗布された珪藻土から放射される遠赤外線により室内空気中に含まれる水分子を活性化させて水分子を空気分子間において激しく振動させ、この水分子の振動により室内空気を撹拌して、室内空気温度を均一化することができる。
さらに、本発明の請求項3に係る室内空気温度の均一化方法の特徴は、請求項1において、前記珪藻土を板状に形成して珪藻土板を形成し、この珪藻土板を室内に配置することにある。
そして、このような構成を採用したことにより、室内に配置された珪藻土板から放射される遠赤外線により室内空気中に含まれる水分子を活性化させて水分子を空気分子間において激しく振動させ、この水分子の振動により室内空気を撹拌して、室内空気温度を均一化することができる。
さらにまた、本発明の請求項4に係る室内空気温度の均一化方法の特徴は、請求項1において、前記珪藻土をパルプに混ぜ合わせ、この珪藻土を含むパルプを漉いて紙を製造し、この紙を用いた製品を室内に配置することにある。
そして、このような構成を採用したことにより、室内に配置された珪藻土を含む紙製品から放射される遠赤外線により室内空気中に含まれる水分子を活性化させて水分子を空気分子間において激しく振動させ、この水分子の振動により室内空気を撹拌して、室内空気温度を均一化することができる。
本発明の請求項5に係る室内空気温度の均一化方法の特徴は、請求項1において、前記珪藻土を糸に混ぜ合わせ、この珪藻土を含む糸を織って布を製造し、この布を用いた製品を室内に配置することにある。
そして、このような構成を採用したことにより、室内に配置された珪藻土を含む布製品から放射される遠赤外線により室内空気中に含まれる水分子を活性化させて水分子を空気分子間において激しく振動させ、この水分子の振動により室内空気を撹拌して、室内空気温度を均一化することができる。
本発明の室内空気温度の均一化方法によれば、特定波数1100cm-1付近に吸光度0.75abs以上のピークを有する遠赤外線を放射する珪藻土を室内に配置することにより、珪藻土から放射される遠赤外線により室内空気中に含まれる水分子を活性化させて水分子を空気分子間において激しく振動させ、この水分子の振動により室内空気を撹拌して、室内空気温度を均一化することができる。したがって、特別な機器を使用することなく室内空気温度を均一化できるので、費用の軽減をはかることができる。
(A)は安定状態にある水分子を示す模式図、(B)はイオン化状態にある水分子を示す模式図 光と吸光度の関係を示すグラフ 二酸化ケイ素の非対称振動モードにおける反射率を示すグラフ 本発明に係る室内空気温度の均一化方法の作用効果を実証するための実験に使用される珪藻土を塗布した実験ボックスを壁厚を誇張して示すものであり、(A)は横断面平面図、(B)は縦断面正面図 本発明に係る室内空気温度の均一化方法の作用効果を実証するための実験に使用される珪藻土を塗布していない実験ボックスを壁厚を誇張して示すものであり、(A)は横断面平面図、(B)は縦断面正面図 本発明に係る室内空気温度の均一化方法の作用効果を実証するための実験結果を示すグラフ
本発明は、特定波数1100cm-1(波長9.09μm)付近にピークを有する遠赤外線(電磁波)の放射エネルギが空気中の水分子(HO)を活性化(ラジカル反応)させ、活性化された水分子が空気分子間を激しく振動(移動)する作用に着眼し、この作用を利用して室内空気を撹拌・混合させるものである。
9.09μmの特定波長を有する遠赤外線(電磁波)には、水分子を活性化させる作用があり、前記波長の遠赤外線(電磁波)からエネルギを放射された水分子は、運動エネルギが加わり激しく振動することになる。空気中の水蒸気(水分子:HO)は、図1(A)に示すように、酸素原子(O)と2個の水素原子(H)を原子核にして電子の軌道(殻)を有しており、酸素原子(O)と水素原子(H)2個の不対電子を共有(電子共有結合−共有対電子)して結合し、安定した水分子となって存在している。
この安定した水分子(HO)に運動エネルギが加わると、水分子(HO)がその運動エネルギにより空気分子間において激しく振動し、図1(B)に示すように、酸素原子(O)と水素原子(H)の電子が加速されてその電子共有結合を切断し、電子は原子核の電子軌道から飛び出して別の原子と結合する(電離作用)。この電離作用によって電子を失った原子と電子を余分に持った原子をそれぞれイオンといい、一般に、電子を失った原子を陽イオン(プラスイオン)、電子を余分に持った原子を陰イオン(マイナスイオン)と称している。そして、このイオン化された水分子は空気分子間を激しく自由に振動するので、空気分子を撹拌・混合することができる。
よって、特定波数1100cm-1(波長9.09μm)付近にピークを有する遠赤外線(電磁波)のエネルギを放射する鉱物を室内の天井、床面あるいは壁面の少なくともいずれかに塗布するか、このような鉱物の板体を室内に設置するか、あるいは、このような鉱物をパルプや糸に混ぜ合わせて紙や布を製造し、壁紙、カーテン、カーペットなど、室内に設置するものを形成することにより、室内の空気中に含まれる水分子に運動エネルギを付与して水分子を活性化させることができ、水分子を運動エネルギにより空気分子間において激しく自由に振動させることにより室内空気を撹拌・混合して室内の特に上部と下部における温度差を解消するようにして、室内空気温度を均一化することができる。
ここで、分子の移動について、一例として水素分子を取り上げると、水素分子の速度は、1.8km/秒、直進走行距離は、1.78×10-5cm、他の分子との衝突回数は、100億回/秒といわれている。
そして、遠赤外線から振動エネルギを得た水分子は、さらに加速して他の分子との衝突を繰り返し、この分子同士の衝突により熱が発生される。
この水分子に電離作用を引き起こさせる波長の電磁波を放射するとともに、室内の壁材として使用することのできる鉱物としては、例えば珪藻土がある。珪藻土は、数百万年前に堆積した珪藻プランクトンの遺骸からなり、主に二酸化ケイ素(SiO)から形成されている。珪藻土の表面には、無数の細孔が形成されており、したがって、珪藻土には、吸放湿機能があるほか、アンモニアなどの塩基性ガスを吸着して消臭する機能があり、さらに、耐火性と耐熱性があることから室内の建材などに用いられている。
日本で産出される珪藻土には、稚内珪藻頁岩や、秋田、石川、岡山、大分などの珪藻土がある。各地の珪藻土の成分、細孔容積と表面積は、(独)産業技術研究所の資料によると、表1に示すようになっている。
表1によれば、珪藻土の主成分は、おおむね75%以上含有されている二酸化ケイ素である。また、稚内珪藻頁岩は、他の珪藻土の4〜5倍の細孔容積と、4〜6倍の表面積を有している。
珪藻土から放射されるエネルギは、一般に、珪藻土の表面積に比例することから、表面積が最も大きい稚内珪藻頁岩を取り寄せ、この稚内珪藻頁岩を直径3〜5μm程度の粉末にして、フーリエ変換赤外分光光度計を用いて稚内珪藻頁岩から放射している赤外吸収スペクトルを測定したところ、図2に示す特性が得られた。
図2によると、稚内珪藻頁岩は、特定波数1100cm-1(波長9.09μm)にピークの吸光度(abs=0.75)を有する遠赤外線を放射していることが判明した。
なお、OH不純物を含む二酸化ケイ素においては、図3に示すように、遠赤外線である波数1122cm-1(波長8.91μm)付近に非対称伸縮振動による大きなピークの反射率(75%)が現れている。
この珪藻土から放射される特定波数1100cm-1(波長9.09μm)にピークの吸光度(abs=0.75)を有する遠赤外線が、室内空気に照射されると、空気中に含まれる水分−水蒸気(HO)を構成する水分子をイオン化させて活性化(ラジカル反応:フリーラジカル反応)させることになる。
このイオン化した水分子は、空気分子間を激しく自由に振動し、この振動に伴う移動により室内空気を撹拌混合させることになり、室内空気における温度のばらつきは解消され、室内空気温度は均一化される。したがって、特に、温度差を生じやすい部屋の上部と下部の空気も撹拌混合により均一化されることになる。
かつ、この珪藻土が放射する特定波数1100cm-1(波長9.09μm)の遠赤外線は、人間の平均体温を36.5℃とすると、人間の体温で放射する波長約9.4μmと共振して、体内の分子運動を活性化させることで、血行もよくなり、新陳代謝も活発になる働きをする。そして、身体を暖める効果もある。また、人間の体重の60%が水分であり、この珪藻土が放射する遠赤外線のエネルギによって水分子が活発化すると、水分子の結合がゆるやかになって、体内の水分子の間に挟まれていた脂肪や不要物が開放されて、体外に排出される効果がある。
さらに、地上の生物は遠赤外線と水によって育っており、太陽の放射する光線の中で地上に到達する遠赤外線は3.5μmと10μmを頂点とする波長帯である。また、水の遠赤外線吸収スペクトルは、3μmと6〜12μmであるといわれている。地上の動植物の吸収波長が6〜12μmであるから、この珪藻土が放射する特定波数1100cm-1(波長9.09μm)の遠赤外線は生物の成長に欠かせない波長ということがいえる。
このことから、本発明は、室内の温度差を解消・均一化して居住者の生活環境を快適化
させるだけでなく、居住者の健康にも良好な働きをすることになる。
そこで、珪藻土の粉末に接着性を有する溶剤を混合し、室内の内面に塗布するようにして室内に配置することにより、装置や設備を使用することなく、安価に室内空気温度の均一化をはかることができる。
また、珪藻土を板状に形成して珪藻土板を形成し、この珪藻土板を室内に配置しても、同様の作用効果を得ることができる。
さらに、珪藻土をパルプに混ぜ合わせて漉くことにより珪藻土を含む紙が形成される。また、糸に珪藻土を混ぜ合わせて織ることにより珪藻土を含む布が形成される。そこで、これらの珪藻土を含む紙や布を用いてカーテンや壁紙、カーペットなどを形成することができるので、これらを室内に配置しても、同様の作用効果を得ることができる。
なお、同じ珪藻土であっても、稚内珪藻頁岩は、他の珪藻土と比較して細孔容積が大きく、表面積が大きいので、遠赤外線の放射量が大きい特徴がある。したがって、特定波数1100cm-1(波長9.09μm)の遠赤外線を照射しうる珪藻土であれば、稚内珪藻頁岩が一番好ましい。
具体的には、珪藻土の微粉末を接着性のある溶剤(溶液)や塗料に混合し、室内の壁面(天井や床面を含む)に塗布する。これによって、前述したと同様に、壁面に接着した珪藻土の粉末から、特定波数1100cm-1(波長9.09μm)にピークを有する遠赤外線が放射され続ける。この遠赤外線が放射する運動エネルギを得て、室内空気中の水蒸気(水分子)はイオン化・活発化し、水蒸気を含む室内の空気を撹拌・混合させて、室内の温度差を解消し、室内の空気温度を均一化させることができる。
また、珪藻土の粉末に、接着性を有する溶剤(溶液)を混合させて、室内の壁面(天井や床面を含む)の塗り壁材に使用する。すると、塗装などに比べて、塗り壁であるから珪藻土の厚みが厚くなり、その分、壁面から放射する特定波数1100cm-1(波長9.09μm)にピークを有する遠赤外線が放射する運動エネルギは大きくなる。
したがって、この遠赤外線が放射する大きな運動エネルギによって、室内空気中の水蒸気(水分子)のイオン化・化が促進されて、水蒸気を含む室内の空気を撹拌・混合させ、室内の温度差が早く解消され、室内の空気温度を均一化させる。
さらに、珪藻土を板状に製作して、室内の内装材に使用することにより、前述のような効果を発揮することができる。
さらにまた、珪藻土を固定化して適宜な大きさに加工し、それを室内に設置する。すると、珪藻土から放射される遠赤外線から運動エネルギを得た空気中の水蒸気(水分子)は、前述したように室内の空気を撹拌・混合させると同時に、水分子は加速して他の分子を衝突して熱を発生させる。この作用を利用して、乾燥促進材料として使用することもできる。
つぎに、本発明の作用効果を実証するために行った実験結果について説明する。
図4および図5に示すように、それぞれ内部空所を備えた同形の直方体形状の2つの実験ボックス10A,10Bを用意し、それぞれ土台11を介して床面12に設置する。各実験ボックス10A,10Bの6面ある外壁は、それぞれ25mm厚の硬質ウレタンフォームからなる断熱性を有する平板13により形成されている。また、各平板13の内面には、それぞれ12mm厚の合板14が張設されている。このようにして形成された両実験ボックス10A,10Bの内寸法は、平面視が1辺90cmの正方形で、高さが180cmとされている。
前記各実験ボックス10A,10B内の背面の合板14には、上端および下端からそれぞれ10cm離間した位置で左右の中央部に、温度および湿度を計測しうる温度湿度計15a、15bがそれぞれ配設されている。また、各実験ボックス10A,10B内の床面16上の両実験ボックス10A,10Bにおける同じ位置には、各実験ボックス10A,10B内の空気を暖めるための40wの白熱電球17がそれぞれ配設されている。
そして、図4に示す一方の実験ボックス10A内の両側面の合板14の全面には、それぞれ2mm厚の珪藻土18が塗布されている。この珪藻土18としては、特定波数1100cm−1に吸光度0.75absのピークを有する遠赤外線を放射する稚内珪藻頁岩の粉末を接着性のある溶剤に混合したものを用いた。
なお、両実験ボックス10A,10Bの外的環境を等しくするために、床寸法30m×30mの正方形、高さ2.7mとされ各面をコンクリート壁で囲繞された室(図示せず)内の中央付近に、各々の実験ボックス10A,10Bを設置した。
測定は、各実験ボックス10A,10B内のそれぞれの白熱電球17の電源を同時に入力し、各実験ボックス10A,10Bに設けた上部温度湿度計15aおよび下部温度湿度計15bにより各実験ボックス10A,10Bの上部および下部の温度および湿度の測定を10分おきに行い、これらの両温度湿度計15a,15bが測定した測定値を記録した。
表2に測定結果を示す。測定開始時の両実験ボックス10A,10B内の温度は、双方とも上端部が1.7℃、下端部が1.6℃であった。なお、測定時における実験ボックス10A,10B外側の各面をコンクリート壁で囲繞された室は、温度が1.3〜1.5℃であった。
両実験ボックス10A,10Bのそれぞれの床面16に設置した白熱電球の加熱による内部の温度変化を10分ごとの実験ボックス10A,10B内の温度で比較すると、珪藻土18を塗布した実験ボックス10Aは、測定開始から上下位置の温度差が僅差であり、その温度上昇が緩やかでほぼ同値である。これに対して、珪藻土18を塗布していない実験ボックス10Bは、測定時間の経過とともに上下位置の温度差が大きくなっており、温度上昇も下端部の方が明らかに高くなっている。
このことは、珪藻土18を塗布した実験ボックス10Aにおいて、珪藻土18から放射される1100cm−1にピークを有する遠赤外線が、実験ボックス10A内の空気中の水分子を活性化させ、活性化された水分子により実験ボックス10A内の空気を攪拌して上下における温度を均一にしていることを裏付けている。
一方、珪藻土18を塗布していない実験ボックス10Bでは、下端部の温度は実験ボックス10Bの床面16に設置した白熱電球17による加熱の影響を直接受けて温度が比較的早く上昇している。他方、実験ボックス10B内の上端部の温度は、白熱電球17の加熱量が小さいために内部空気の上下移動が緩慢で、温度の上昇が緩やかである。
表2に示した珪藻土18を塗布した実験ボックス10Aと珪藻土18を塗布していない実験ボックス10Bにおける各々の上下の温度差を、図6にグラフ化した。
図6に示すように、珪藻土18を塗布した実験ボックス10A内の上下の温度差は0.3℃の僅差で安定し、上下の温度は均一に近い値を示している。それに対して、珪藻土18を塗布していない実験ボックス10Bの上下の温度差は1.3℃で安定し、上下の温度差がはっきりと現れている。
前述した結果から、珪藻土18を塗布した空間では、上下の温度は均一に近づくことが明らかであり、本発明を実証することができた。
以上説明したように、珪藻土から放射される特定波数1100cm-1(波長9.09μm)付近に吸光度(単位:abs)が0.75以上のピークを有する遠赤外線は、室内の空気中に含まれる水分−水蒸気(H2O:水分子)をイオン化させることで分子の動き(移動)が激しく活性化することになる。
この水分子の激しく活発な動きを利用して、特に、室内下側の水分(冷たい温度)と上側の水分(暖かい温度)とを撹拌・混合させることで、室内上下の温度差を解消し、室内の空気温度を均一化することができる。
さらに、遠赤外線から運動エネルギを得た水分子が加速して他の分子と衝突し、熱を発生させることを利用して、室内の乾燥促進材料に使用することができる。
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。

Claims (5)

  1. 特定波数1100cm-1付近に吸光度0.75abs以上のピークを有する遠赤外線を放射する珪藻土を、珪藻土からの遠赤外線が室内空気に放射されるように室内に配置し、この珪藻土が放射する遠赤外線により室内空気中の水分子を活性化させ、活性化された水分子により室内空気を撹拌して室内空気温度を均一にすることを特徴とする室内空気温度の均一化方法。
  2. 前記珪藻土の粉末に接着性を有する溶剤を混合し、室内の内面に塗布するようにして室内に配置することを特徴とする請求項1に記載の室内空気温度の均一化方法。
  3. 前記珪藻土を板状に形成して珪藻土板を形成し、この珪藻土板を室内に配置することを特徴とする請求項1に記載の室内空気温度の均一化方法。
  4. 前記珪藻土をパルプに混ぜ合わせ、この珪藻土を含むパルプを漉いて紙を製造し、この紙を用いた製品を室内に配置することを特徴とする請求項1に記載の室内空気温度の均一化方法。
  5. 前記珪藻土を糸に混ぜ合わせ、この珪藻土を含む糸を織って布を製造し、この布を用いた製品を室内に配置することを特徴とする請求項1に記載の室内空気温度の均一化方法。
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