JP6399070B2 - 回転電機 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば回転軸の径方向でロータとステータとが対向配置されたラジアルギャップ型であって、モータ、発電機、あるいはモータ兼発電機として用いられるような回転電機に関する。
モータ、発電機、あるいはモータ兼発電機のような回転電機として、回転軸の径方向でロータとステータとが、エアギャップを介して対向配置されたラジアルギャップ型の回転電機がある(特許文献1参照)。
このようなラジアルギャップ型の回転電機は、永久磁石をステータに近接させるほど、その性能、特に回転軸に生じる軸トルクの向上を図ることができる。
例えば、特許文献1に記載のロータ(回転子)は、永久磁石が挿入される磁石挿入孔を、ロータコア(ロータ鉄心)の外周近傍に開口形成したことにより、永久磁石をステータに近接させることができるため、回転電機の性能の向上を図ることができるとされている。
しかしながら、回転軸に生じる軸トルクの向上を図るために、ロータコアの外周近傍に永久磁石を配置した場合、ロータが回転した際の遠心力によってロータコアが破損する、あるいはロータコアから永久磁石が離脱するおそれがあった。
例えば、特許文献1のように、ロータコアの外周近傍に磁石挿入孔を設けた場合、ロータコアの外周面と永久磁石との間におけるロータコアの肉厚が薄肉になり易い。このため、ロータが回転した際の遠心力によって永久磁石がロータコアを押圧することで、ロータコアが破損するおそれがあった。
あるいは、より高い軸トルクを得るために、ロータコアの外周面と永久磁石の表面とが一致するように永久磁石を配置するとともに、ロータコアと永久磁石とを接着剤で固定した場合、高回転域の遠心力によって永久磁石がロータコアから離脱するおそれがあった。
特開2007−49803号公報
本発明は、上述の問題に鑑み、ステータに対する永久磁石の近接配置と、永久磁石の確実な固定とを両立できる回転電機を提供することを目的とする。
この発明は、回転軸に一体的に設けられたロータと、回転不可に支持されたステータとを備えたラジアルギャップ型の回転電機であって、前記ロータが、前記ステータに対向する対向面を有する複数の永久磁石と、前記永久磁石が装着される複数の磁石装着部を外周近傍に有するロータコアとで構成され、前記径方向に沿った断面において、前記永久磁石の前記対向面が、前記ロータコアの外周半径よりも小さい半径で、かつ前記ロータコアの径方向中心とは異なる位置を中心とする円に沿った断面円弧状に形成され、前記ロータコアの前記磁石装着部が、前記径方向の外側が開口するとともに、前記外周半径を半径とする仮想円上に、前記対向面の頂部を略一致させた前記永久磁石を装着可能な装着孔と、前記径方向と直交する直交方向で対向する前記装着孔の内壁面から、他方の内壁面へ向けて所定長さ延設された一対の延設部とで構成され、前記一対の延設部における径方向外側の面が、径方向に沿った断面において、前記ロータコアの径方向中心を中心として、前記ロータコアの前記外周半径と略同径の円弧状に形成され、前記一対の延設部における径方向内側の面が、径方向に沿った断面において、前記永久磁石の前記対向面と略同径で、かつ前記対向面の円弧中心と略同じ位置を中心とする円に沿った円弧状に形成されたことを特徴とする。
上記回転電機は、モータ、発電機、あるいはモータ兼発電機とすることができる。
この発明により、ステータに対する永久磁石の近接配置と、永久磁石の確実な固定とを両立することができる。
具体的には、仮想円の半径よりも小さい半径の断面円弧状に対向面が形成されているため、径方向に沿った断面において、仮想円と永久磁石の対向面との間には、所定断面積のスペースが形成される。
そこで、仮想円、及び永久磁石の対向面に沿って延設した一対の延設部を磁石装着部に備えたことにより、磁石装着部は、ステータに近接配置した永久磁石を、装着孔と一対の延設部とで保持固定することができる。
この際、対向面の頂部を仮想円上に略一致させた状態で永久磁石が装着されるため、磁石装着部は、ロータとステータとの間の空隙であるエアギャップに、永久磁石における対向面の一部を露出させることができる。このため、磁石装着部は、径方向外側が開口してない装着孔で磁石装着部を構成した場合に比べて、永久磁石をよりステータに近接配置することができる。
さらに、半径が異なる仮想円、及び永久磁石の対向面に沿って一対の延設部が形成されているため、磁石装着部は、径方向に沿った断面において、延設部の基部における肉厚を、延設部の先端部における肉厚よりも厚肉にすることができる。
これにより、回転電機は、一対の延設部の剛性、特に延設部の基部における剛性を向上でき、ロータの回転に伴う遠心力によって永久磁石が延設部を押圧した場合であっても、一対の延設部における基部の変形量を抑制することができる。
このため、回転電機は、遠心力によって径方向外側へ永久磁石が移動開始した際、少なくとも延設部の基部に永久磁石が係止されることで、磁石装着部からの永久磁石の離脱を阻止することができる。
加えて、例えば、装着孔と肉厚一定の延設部とで構成されたロータコアの磁石装着部に対して、略円弧状の対向面を有する永久磁石を装着する場合、対向面をエアギャップに露出させるためには、断面略蒲鉾形状の永久磁石を、延設部の肉厚に応じて切削して、断面略凸形状に加工する必要がある。
これに対して、永久磁石の対向面に沿って一対の延設部が形成されているため、回転電機は、例えば、断面略蒲鉾形状の永久磁石を切削加工することなく、磁石装着部に容易に装着できるとともに、永久磁石を確実に保持固定することができる。
従って、回転電機は、ステータに対する永久磁石の近接配置と、永久磁石の確実な固定とを両立することができる。
この発明の態様として、前記径方向に沿った断面において、前記直交方向で対向する前記永久磁石の面を、前記永久磁石の側面として、前記永久磁石が、前記対向面と前記側面との境界に、所定の大きさで面取りされた磁石面取り部を備え、前記ロータコアが、前記装着孔の前記内壁面と前記延設部との境界に、前記磁石面取り部よりも小さい大きさで面取りされたコア面取り部を備えたものである。
この発明により、回転電機は、漏れ磁束の抑制と、永久磁石のより確実な固定とを両立することができる。
具体的には、磁石面取り部とコア面取り部とが異なる大きさで形成されているため、ロータは、磁石面取り部とコア面取り部との間に所定断面積の空隙を設けることができる。
このため、回転電機は、ステータの磁界がロータに作用した際、永久磁石の磁石面取り部から、隣接する永久磁石との間に位置するロータコアへ向けて流れる漏れ磁束を抑制することができる。
さらに、例えば、磁石装着部と略一致する断面形状の永久磁石を、磁石装着部に嵌合させる場合、磁石面取り部と側面との境界が磁石装着部に引っ掛かって嵌合し難くなるおそれがあるのに対して、ロータは、大きさの異なる磁石面取り部とコア面取り部とによって、磁石装着部への永久磁石の嵌合を容易にすることができる。
加えて、磁石装着部は、コア面取り部近傍の2カ所で永久磁石を支持できるため、径方向、及び周方向における永久磁石の位置をより安定させることができる。
従って、回転電機は、異なる大きさで形成された永久磁石の磁石面取り部と、ロータコアのコア面取り部とによって、漏れ磁束の抑制と、永久磁石のより確実な固定とを両立することができる。
またこの発明の態様として、前記ロータが、前記永久磁石と前記磁石装着部との間に介在する接着剤を備えたものである。
この発明により、回転電機は、接着剤と磁石装着部との協働によって、永久磁石を磁石装着部に確実に固定することができる。このため、回転電機は、ステータに対する永久磁石の近接配置と、永久磁石の確実な固定とをより安定して両立することができる。
本発明により、ステータに対する永久磁石の近接配置と、永久磁石の確実な固定とを両立できる回転電機を提供することができる。
回転軸の軸方向視における回転電機を示す正面図。 回転電機における1極あたりの構成を示す正面図。 径方向断面における1極あたりのロータの断面を示す断面図。 径方向断面における永久磁石の断面形状を示す断面図。 径方向断面における磁石装着部の断面形状を示す断面図。 規制部間隔に対する軸トルク、及び最大応力値を説明する説明図。 回転状態におけるロータの断面形状を示す断面図。 比較例における1極あたりのロータの断面を示す断面図。
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
なお、図1は回転軸2の軸方向視における回転電機1の正面図を示し、図2は回転電機1における1極あたりの正面図を示し、図3は径方向断面における1極あたりのロータ3の断面図を示し、図4は径方向断面における永久磁石31の断面図を示し、図5は径方向断面における磁石装着部33の断面図を示している。
さらに、図6は規制部間隔Wに対する軸トルク、及び最大応力値を説明する説明図を示し、図7は回転状態におけるロータ3の断面図を示している。
また、図1中においてハウジング5を断面で図示し、図6(a)は規制部間隔Wと軸トルクとの関係を説明する説明図を示し、図6(b)は規制部間隔Wとロータコア32の最大応力値との関係を説明する説明図を示している。
本実施形態における回転電機1は、図1に示すように、例えば16極24スロットのラジアルギャップ型モータであって、回転軸2と、回転軸2に一体的に設けた略柱状体のロータ3と、ロータ3の径方向外側にエアギャップを介して同軸配置された略円環状のステータ4と、これらを収容保持するハウジング5とで構成されている。
回転軸2は、図1に示すように、所定方向に延びる略円柱状であって、図示を省略した軸受を介してハウジング5に回転自在に支持されている。なお、回転軸2には、回転軸2の軸方向へのロータ3の移動を規制するフランジ部2aが設けられている。
ロータ3は、図1及び図2に示すように、16個の永久磁石31と、回転軸2の軸方向から見た軸方向視が略円形状のロータコア32とで構成され、永久磁石31の一部がエアギャップに露出したインセットロータをなしている。
なお、ロータ3における1極あたりの構成については、後ほど詳述するため、ここでは簡単に説明する。
16個の永久磁石31は、径方向外側の極性がS極である永久磁石と、径方向外側の極性がN極である永久磁石とが、ロータコア32の周方向に沿って交互に配置されている。
ロータコア32は、図1及び図2に示すように、永久磁石31が嵌合によって装着される磁石装着部33が、回転軸2の周方向に所定間隔を隔てて16個形成されている。なお、ロータコア32は、予め磁石装着部33が形成された電磁鋼板製の薄板材を軸方向に積層した積層体で構成されている。
また、ステータ4は、図1及び図2に示すように、軸方向視略円環状のステータコア41と、ステータコア41に巻着された巻線42とで構成されている。
ステータコア41は、電磁鋼板製の薄板材を軸方向に積層した積層体であって、軸方向視略円環状のバックヨーク部41aと、バックヨーク部41aから突出した24個のティース部41bとで一体形成されている。
バックヨーク部41aは、軸方向視において、ステータ4の外周面をなす外径を有する軸方向視円環状に形成されている。
ティース部41bは、バックヨーク部41aの周方向に所定間隔を隔てて、バックヨーク部41aの内周面から、ステータ4の中心へ向けて突出するように形成されている。
巻線42は、導電性を有する銅線などであって、ステータコア41のティース部41bに対して所定の巻き数で巻着されている。この巻線42の端部は、外部からの電力の供給を受付ける端子(図示省略)に電気的に接続されている。
また、ハウジング5は、図1に示すように、ステータ4よりも大径の略筒状体の本体を有する収容体であって、ステータ4を回転不可に保持するとともに、回転軸2を回転自在に支持するよう構成されている。
このような回転電機1において、1極あたりのロータ3の構成について具体的に説明する。
1極あたりのロータ3の構成は、図2及び図3に示すように、1つの永久磁石31と、接着剤(図示省略)を介して永久磁石31が固定される1つの磁石装着部33とで構成されている。
永久磁石31は、減磁防止のために粒界拡散による表面処理がなされた磁石である。この永久磁石31は、図3及び図4に示すように、径方向に沿った断面形状が断面略蒲鉾形状であって、断面略蒲鉾形状を回転軸2の軸方向に所定の長さ延設した形状に形成されている。
より詳しくは、永久磁石31は、図3及び図4に示すように、径方向に沿った断面において、径方向と直交する直交方向に長い断面略矩形における径方向外側の面が、略円弧状に湾曲した断面略蒲鉾形状に形成されている。
なお、径方向に沿った断面において、直交方向で対向する永久磁石31の面を一対の磁石側面31aとし、径方向内側で磁石側面31aを連結する直交方向に沿った面を磁石平面31bとし、径方向外側で磁石平面31bと対向するとともに、ステータ4に対して近接対向する略円弧状の面を磁石円弧面31cとし、磁石円弧面31cと磁石側面31aとの境界が所定半径で面取りされた部分を面取り部31dとする。
そして、図4に示すように、ロータコア32の径方向中心を中心とするとともに、ロータコア32の外周半径を半径Rとする仮想の円を仮想円VCとした場合、永久磁石31の磁石円弧面31cは、図3及び図4に示すように、仮想円VCの半径Rよりも小さい半径rで、かつ仮想円VCの中心とは異なる位置を中心とする円の円弧状に形成されている。換言すると、磁石円弧面31cの半径rは、仮想円VCの半径Rに対する比率が「1.0」未満となる所定範囲内の値に設定されている。
一方、ロータコア32の磁石装着部33は、図3及び図5に示すように、径方向に沿った断面形状が、径方向外側が開口した断面略凸形状であって、永久磁石31と略同等の軸方向の長さで形成されている。
より詳しくは、磁石装着部33は、図3及び図5に示すように、永久磁石31の磁石側面31a、及び磁石平面31bを囲繞するように開口された装着孔34と、永久磁石31の磁石円弧面31cに当接して径方向外側への永久磁石31の移動を規制する一対の規制部35とで構成されている。
装着孔34は、図5に示すように、径方向に沿った断面形状が、径方向外側が開口するとともに、所定の長さで径方向内側へ向けて凹設した断面形状に開口形成されている。
この装着孔34は、径方向に沿った断面において、直交方向略中央をとおる径方向に沿った仮想線と仮想円VCとの交点からの径方向の長さH1が、永久磁石31における磁石円弧面31cの頂部から磁石平面31bまでの長さH2(図4参照)と略同等になるよう形成されている。
さらに、装着孔34は、直交方向で対向する一対の内壁面34aの間隔が、直交方向における永久磁石31の磁石側面31aの間隔と略同等になるよう形成されている。
すなわち、装着孔34は、装着された永久磁石31における磁石円弧面31cの頂部が、仮想円VC上に位置するように形成されている。
また、規制部35は、図5に示すように、径方向に沿った断面において、装着孔34の内壁面34aにおける径方向外側から他方の内壁面34aへ向けて、周方向に沿った所定の延設長さで延設されている。
なお、隣接する磁石装着部33にも規制部35が形成されているため、隣接する永久磁石31の間においては、径方向に沿ったロータコア32の断面形状が、断面略T字状に形成されている。
さらに、規制部35は、径方向に沿った断面において、径方向外側でステータ4と対面する面である外側対向面35aと、径方向内側で永久磁石31と対面する面である内側対向面35bとが、異なる半径の円弧状に形成されている。
なお、規制部35の内側対向面35bは、図3及び図5に示すように、径方向に沿った断面において、永久磁石31における面取り部31dの半径よりも小さい半径で面取りされた面取り部35cを介して、内壁面34aから延設されている。
具体的には、規制部35の外側対向面35aは、図5に示すように、仮想円VCと略同径の円弧状に形成されている。一方、規制部35の内側対向面35bは、図5に示すように、永久磁石31の磁石円弧面31cと略同径の円弧状に形成されている。つまり、規制部35は、径方向に沿った断面において、仮想円VC、及び磁石円弧面31cに沿った断面形状に形成されている。
このため、規制部35は、径方向に沿った断面形状が、内壁面34aから先端にかけて徐々に先細りする断面形状に形成されている。より詳しくは、規制部35は、図5に示すように、径方向に沿った断面において、内壁面34a側、すなわち基部の肉厚t1が、先端部の肉厚t2よりも厚肉になるよう形成されている。
次に、このような構成のロータ3において、上述した永久磁石31における磁石円弧面31cの半径r、及びロータコア32における規制部35の延設長さについて、さらに詳しく説明する。
まず、永久磁石31における磁石円弧面31cの半径rは、仮想円VCの半径Rに対する比率が「1.0」未満の所定範囲内において、ロータ3とステータ4との間の空隙であるエアギャップと、ロータコア32における一対の規制部35の断面積に基づいた最適な値に設定されている。
具体的には、例えば、永久磁石31における磁石円弧面31cの半径rが、仮想円VCの半径Rに対して極端に小さい値の場合、一対の規制部35の間から露出した磁石円弧面31cとステータ4との間隔が、所望される軸トルクが得られるエアギャップの範囲内におさまらない。
あるいは、仮想円VCの半径Rと磁石円弧面31cの半径rとが限りなく近い、すなわち仮想円VCの半径Rに対する磁石円弧面31cの半径rの比率が「1.0」に近い場合、径方向の断面において、仮想円VCと磁石円弧面31cとの間隔が狭く、十分な断面積を有する一対の規制部35を形成することができない。
このため、永久磁石31における磁石円弧面31cの半径rは、一対の規制部35の間から露出した磁石円弧面31cとステータ4との間隔が、所望されるエアギャップの範囲内で、かつ規制部35に必要な断面積を確保できる最適な値に設定されている。
一方、ロータコア32における一対の規制部35の延設長さは、所望される軸トルク、及び規制部35に生じる最大応力値に基づいた最適な長さに設定されている。
具体的には、例えば、設計目標とする回転軸2の最大回転数において生じる軸トルクは、図6(a)に示すように、直交方向における規制部35の間隔である規制部間隔W(図5参照)が広いほど上昇する傾向がある。
しかしながら、最大回転数で回転した際、永久磁石31によって押圧された規制部35の基部に生じる最大応力値は、図6(b)に示すように、規制部間隔Wがある値を超えると急激に上昇する傾向がある。
このため、最大回転数において、磁石装着部33からの永久磁石31の離脱を阻止するためには、例えば、径方向外側への荷重が規制部35に作用した際、規制部35の最大応力値が降伏点を超えない、あるいは規制部35の最大応力値が径方向外側への永久磁石31の移動を阻止可能な値を超えないなど、規制部35が応力的に破綻しないようにする必要がある。
そこで、規制部間隔Wは、例えば、最大回転数において、規制部35が応力的に破綻しない間隔、かつ所望される値に近い軸トルクが得られる最適な間隔に設定されている。換言すると、内壁面34aからの規制部35の延設長さは、最大回転数において、規制部35が応力的に破綻せず、かつ所望される値に近い軸トルクが得られる最適な長さに設定されている。
つまり、設計目標とする最大回転数において、規制部35が応力的に破綻しない断面積を確保できるように、永久磁石31における磁石円弧面31cの半径rが最適な値に設定されるとともに、ロータコア32における一対の規制部35の延設長さが最適な長さに設定されている。
引き続き、上述した構成のロータ3を有する回転電機1において、設計目標とした最大回転数以下の回転数で回転軸2が回転した際のロータ3の変形状態について、図7を用いて説明する。
具体的には、最大回転数以下の回転数で回転軸2が回転した際、遠心力によって接着剤が剥がれると、永久磁石31は、図7に示すように、遠心力によって径方向外側へ向けて移動開始して、磁石装着部33の規制部35を径方向外側へ押圧開始する。
このため、磁石装着部33の規制部35には、永久磁石31による径方向外側への押圧荷重によって、径方向外側へ向けた弾性変形が生じる。より詳しくは、永久磁石31の磁石円弧面31cが円弧状に湾曲しているため、磁石装着部33の規制部35は、規制部35の基部を中心に先端部が径方向外側へ回動するように弾性変形を開始する。
この際、規制部35の基部は、規制部35の先端部に比べて弾性変形し難く、永久磁石31による押圧荷重を弾性変形によって十分に吸収できないため、規制部35における応力集中部位となる。
しかしながら、最大回転数以下の回転数では応力的に破綻しないよう規制部35が形成されているため、少なくとも規制部35の基部に永久磁石31が係止されることで、ロータ3は、磁石装着部33からの永久磁石31の離脱を阻止する。
以上のようにして永久磁石31の完全な離脱を阻止する回転電機1は、ステータ4に対する永久磁石31の近接配置と、永久磁石31の確実な固定とを両立することができる。
具体的には、仮想円VCの半径Rよりも小さい半径rの断面円弧状に磁石円弧面31cが形成されているため、径方向に沿った断面において、仮想円VCと永久磁石31の磁石円弧面31cとの間には、所定断面積のスペースが形成される。
そこで、仮想円VC、及び永久磁石31の磁石円弧面31cに沿って延設した一対の規制部35を磁石装着部33に備えたことにより、磁石装着部33は、ステータ4に近接配置した永久磁石31を、装着孔34と一対の規制部35とで保持固定することができる。
この際、磁石円弧面31cの頂部を仮想円VC上に略一致させた状態で永久磁石31が装着されるため、磁石装着部33は、ロータ3とステータ4との間の空隙であるエアギャップに、永久磁石31における磁石円弧面31cの一部を露出させることができる。このため、磁石装着部33は、径方向外側が開口してない装着孔で磁石装着部を構成した場合に比べて、永久磁石31をよりステータ4に近接配置することができる。
さらに、半径が異なる仮想円VC、及び永久磁石31の磁石円弧面31cに沿って一対の規制部35が形成されているため、磁石装着部33は、径方向に沿った断面において、規制部35の基部における肉厚t1を、規制部35の先端部における肉厚t2よりも厚肉にすることができる。
これにより、回転電機1は、一対の規制部35の剛性、特に規制部35の基部における剛性を向上でき、ロータ3の回転に伴う遠心力によって永久磁石31が規制部35を押圧した場合であっても、一対の規制部35における基部の変形量を抑制することができる。
このため、回転電機1は、遠心力によって径方向外側へ永久磁石31が移動開始した際、少なくとも規制部35の基部に永久磁石31が係止されることで、磁石装着部33からの永久磁石31の離脱を阻止することができる。
加えて、例えば、比較例における1極あたりのロータ301の断面図を示す図8のように、装着孔311と肉厚一定の規制部312とで構成されたロータコア313の磁石装着部314に対して、磁石円弧面321aを有する永久磁石321を装着する場合、磁石円弧面321aをエアギャップに露出させるためには、断面略蒲鉾形状の永久磁石321を、規制部312の肉厚に応じて切削して、断面略凸形状に加工する必要がある。
これに対して、永久磁石31の磁石円弧面31cに沿って一対の規制部35が形成されているため、回転電機1は、例えば、断面略蒲鉾形状の永久磁石31を切削加工することなく、磁石装着部33に容易に装着できるとともに、永久磁石31を確実に保持固定することができる。
従って、回転電機1は、ステータ4に対する永久磁石31の近接配置と、永久磁石31の確実な固定とを両立することができる。
また、永久磁石31の面取り部31dよりも小さい大きさで面取りされた面取り部35cをロータコア32に備えたことにより、回転電機1は、漏れ磁束の抑制と、永久磁石31のより確実な固定とを両立することができる。
具体的には、永久磁石31の面取り部31dと磁石装着部33の面取り部35cとが異なる大きさで形成されているため、ロータ3は、面取り部31dと面取り部35cとの間に所定断面積の空隙を設けることができる。
このため、回転電機1は、ステータ4の磁界がロータ3に作用した際、永久磁石31の面取り部31dから、隣接する永久磁石31との間に位置するロータコア32へ向けて流れる漏れ磁束を抑制することができる。
さらに、例えば、磁石装着部と略一致する断面形状の永久磁石を、磁石装着部に嵌合させる場合、永久磁石の面取り部と磁石側面との境界が磁石装着部に引っ掛かって嵌合させ難くなるおそれがあるのに対して、ロータ3は、大きさの異なる永久磁石31の面取り部31dと磁石装着部33の面取り部35cとによって、磁石装着部33への永久磁石31の嵌合を容易にすることができる。
加えて、磁石装着部33は、磁石装着部33の面取り部35c近傍の2カ所で永久磁石31を支持できるため、径方向、及び周方向における永久磁石31の位置をより安定させることができる。
従って、回転電機1は、異なる大きさで形成された永久磁石31の面取り部31dと、ロータコア32の面取り部35cとによって、漏れ磁束の抑制と、永久磁石31のより確実な固定とを両立することができる。
また、永久磁石31と磁石装着部33との間に介在する接着剤を備えたことにより、回転電機1は、接着剤と磁石装着部33との協働によって、永久磁石31を磁石装着部33に確実に固定することができる。このため、回転電機1は、ステータ4に対する永久磁石31の近接配置と、永久磁石31の確実な固定とをより安定して両立することができる。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明のステータに対向する対向面は、実施形態の磁石円弧面31cに対応し、
以下同様に、
ロータコアの外周半径は、半径Rに対応し、
ロータコアの外周半径よりも小さい半径は、半径rに対応し、
一対の延設部は、一対の規制部35に対応し、
永久磁石の側面は、永久磁石31の磁石側面31aに対応し、
磁石面取り部は、永久磁石31の面取り部31dに対応し、
コア面取り部は、磁石装着部33の面取り部35cに対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、16極24スロットの回転電機1としたが、これに限定せず、極数、及びスロット数は、回転電機の大きさや所望される軸トルクに応じた適宜の数としてもよい。
また、永久磁石31が嵌合によって装着される磁石装着部33としたが、これに限定せず、電磁鋼板製の薄板材を積層する際、薄板材同士の位置ズレを考慮して、磁石装着部33の装着孔34に対して僅かに小さい外形形状の永久磁石としてもよい。
本発明は、各種装置や自動車における駆動用モータ、電力を出力する発電機、あるいはモータ兼発電機として用いられる回転電機に適用することができ、より好ましくは高出力が所望される回転電機に適用することができる。
1…回転電機
2…回転軸
3…ロータ
4…ステータ
31…永久磁石
31a…磁石側面
31c…磁石円弧面
31d…面取り部
32…ロータコア
33…磁石装着部
34…装着孔
34a…内壁面
35…規制部
35c…面取り部
R…半径
r…半径
VC…仮想円

Claims (3)

  1. 回転軸に一体的に設けられたロータと、回転不可に支持されたステータとを備えたラジアルギャップ型の回転電機であって、
    前記ロータが、
    前記ステータに対向する対向面を有する複数の永久磁石と、
    前記永久磁石が装着される複数の磁石装着部を外周近傍に有するロータコアとで構成され、
    前記径方向に沿った断面において、前記永久磁石の前記対向面が、
    前記ロータコアの外周半径よりも小さい半径で、かつ前記ロータコアの径方向中心とは異なる位置を中心とする円に沿った断面円弧状に形成され、
    前記ロータコアの前記磁石装着部が、
    前記径方向の外側が開口するとともに、前記外周半径を半径とする仮想円上に、前記対向面の頂部を略一致させた前記永久磁石を装着可能な装着孔と、
    前記径方向と直交する直交方向で対向する前記装着孔の内壁面から、他方の内壁面へ向けて所定長さ延設された一対の延設部とで構成され
    前記一対の延設部における径方向外側の面が、
    径方向に沿った断面において、前記ロータコアの径方向中心を中心として、前記ロータコアの前記外周半径と略同径の円弧状に形成され、
    前記一対の延設部における径方向内側の面が、
    径方向に沿った断面において、前記永久磁石の前記対向面と略同径で、かつ前記対向面の円弧中心と略同じ位置を中心とする円に沿った円弧状に形成された
    回転電機。
  2. 前記径方向に沿った断面において、前記直交方向で対向する前記永久磁石の面を、前記永久磁石の側面として、
    前記永久磁石が、
    前記対向面と前記側面との境界に、所定の大きさで面取りされた磁石面取り部を備え、
    前記ロータコアが、
    前記装着孔の前記内壁面と前記延設部との境界に、前記磁石面取り部よりも小さい大きさで面取りされたコア面取り部を備えた
    請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記ロータが、
    前記永久磁石と前記磁石装着部との間に介在する接着剤を備えた
    請求項1または請求項2に記載の回転電機。
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