以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
<構成説明>
図1及び図2を参照して、本実施形態に係る画像形成装置について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の外観の斜視図である。図2は、画像形成装置の構成を示す図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、用紙Pに画像を形成する装置であり、筐体(機器本体)3、原稿読取部5、原稿搬送部6、排紙トレイ9、給紙カセット11、用紙搬送部35、画像形成部36、排出ローラー対37、操作部13、フロントカバー15(第1カバー)及びメンテナンスカバー17(第2カバー)を備える。画像形成装置1は、「電子機器」の一例に相当する。
筐体3は、略直方体形の箱状であり、前面31と後面32と右面33と左面34とを有する。画像形成装置1に対して、前面31側を前側とし、後面32側を後側とし、右面33側を右側とし、左面34側を左側とする。また、筐体3は、胴内空間7を有する。胴内空間7は、筐体3の上部側に設けられ、左面及び前面が開放されている。
原稿読取部5は、筐体3の上部に配置されている。原稿読取部5は、原稿載置面5aを有する。原稿読取部5は、原稿載置面5aに載置された原稿Rの裏面の画像を、画像情報として読み取る。原稿搬送部6は、原稿読取部5に原稿Rを搬送する。排紙トレイ9は、胴内空間7に設けられている。給紙カセット11は、筐体3の下部に配置されている。給紙カセット11には、複数の用紙が積載されている。
画像形成部36は、筐体3の上下方向の中央部の内部に配置されている。画像形成部36は、原稿読取部5によって読み取られた画像情報に基づいて用紙Pに画像を形成する。用紙搬送部35は、筐体3の内部に配置されている。用紙搬送部35は、給紙カセット11内の用紙Pを一枚ずつ取り出し、その用紙Pを画像形成部36に搬送し、画像形成部36によって画像が形成された用紙を排紙トレイ9に搬送する。排出ローラー対37は、用紙Pを排紙トレイ9に排出する。
操作部13は、筐体3の前面31の所定位置(例えば上部右側)に配置されている。操作部13は、利用者による画像形成装置1の各種設定(印刷部数、両面印刷、白黒反転、倍率設定又は濃度設定など)及び動作指示(画像形成処理の開始を指示するスタートボタンなど)を受け付ける。利用者は、操作部13を操作して各種設定及び動作指示を入力することで、画像形成装置1に画像形成処理を実行させる。
フロントカバー15は、筐体3の前面31において胴内空間7の下側に配置されている。メンテナンスカバー17は、筐体3の前面31においてフロントカバー15と給紙カセット11との間に配置されている。
フロントカバー15は、回動軸線15bを中心に回動可能に筐体3に支持されている。回動軸線15bは、フロントカバー15の前面15c(第1前面)の下辺15a(一辺)側に配置され、下辺15aに沿って伸びている。フロントカバー15が前側に回動されて開かれると、筐体3において胴内空間7の下側の内部が露出される。メンテナンスカバー17は、回動軸線17bを中心に回動可能に筐体3に支持されている。回動軸線17bは、メンテナンスカバー17の前面17c(第2前面)の下辺17a側に配置され、下辺17aに沿って伸びている。メンテナンスカバー17が前側に回動されて開かれると、筐体3においてフロントカバー15と給紙カセット11との間の内部が露出される。
なお、本実施形態では、フロントカバー15の下辺15aは、メンテナンスカバー17に隣接している。また、メンテナンスカバー17は、フロントカバー15と同じ上開きである。具体的には、メンテナンスカバー17の回動軸線17bは、フロントカバー15の回動軸線15bに平行であり、メンテナンスカバー17に対してフロントカバー15の反対側に配置されている。
また、本実施形態では、画像形成部36は、一例として、用紙Pにトナー像を転写し定着させることで、用紙Pに画像を形成する。このため、画像形成部36は、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、トナーコンテナ、転写装置、及び定着装置を備える。
帯電装置は、感光体ドラムの表面を帯電させる。露光装置は、帯電された感光体ドラムの表面に、光を照射して画像情報に応じた静電潜像を形成する。トナーコンテナは、トナーを現像装置に供給する。現像装置は、感光体ドラムの表面の静電潜像をトナー像として現像する。転写装置は、感光体ドラムの表面のトナー像を用紙Pの表面に転写する。定着装置は、用紙Pに転写されたトナー像を定着する。この定着によって、用紙Pに画像が形成される。
画像形成部36の構成要素のうち、トナーコンテナは、例えば、筐体3の内部においてフロントカバー15の裏側に配置されている。また、画像形成部36の構成要素のうち、トナーコンテナ以外の構成要素(感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、及び定着装置)は、例えば、筐体3の内部においてメンテナンスカバー17の裏側に配置されている。
本実施形態では、フロントカバー15は、トナーコンテナの交換等のためのカバーであり、保守業者だけでなく利用者も開閉可能である。メンテナンスカバー17は、画像形成部36の構成要素のうち、トナーコンテナ以外の構成要素の部品交換等を行うためのカバーであり、保守業者だけが開閉可能である。そのため、画像形成装置1には、利用者によるメンテナンスカバー17の開扉を抑制するためのロック機構が設けられている。このロック機構については、図4及び図5を参照して後述する。
図3〜図5を参照して、フロントカバー15及びメンテナンスカバー17の詳細について説明する。図3は、筐体3に配置されたフロントカバー15とメンテナンスカバー17とを画像形成装置1の前側から見た斜視図であり、図4は、図3のIII-III線に沿った断面図であり、図5は、筐体3に配置されたフロントカバー15とメンテナンスカバー17とを画像形成装置1の後側から見た斜視図である。
図3に示すように、フロントカバー15は、例えば、底浅で左右に横長の直方体形の箱状であり、前面15cと、開放後面15dと、開放上端面15eと、開放下端面15fと、左右の側面15gとを有する。フロントカバー15は、前面15cと左右の側面15gとの境界に、凸角部15hを有する。凸角部15hは、円弧状に面取りされている。
フロントカバー15は、支持部151を有する。支持部151は、フロントカバー15を、筐体3に対して回動軸線15bを中心に回動可能に支持する。支持部151は、フロントカバー15の前面15cの裏面15i側において、前面15cの下辺15aよりも下側に引き出されている。支持部151は、例えば3個設けられている。各支持部151は、前面15cの下辺15aの下側において、回動軸線15bに沿って間隔を空けて配置されている。具体的には、各支持部151は、前面15cの下辺15aの下側において、左右の両端に1個ずつ配置され、左右方向の中心よりも右側にずれた位置に1個配置されている。また、左右の側面15gの開放上端面15e付近には、フロントカバー15を開閉するための取手部15jが設けられている。取手部15jは、側面15gに形成された凹部である。取手部15jに手を当てフロントカバー15を前方に引っ張ることで、フロントカバー15を容易に開くことができる。
また、メンテナンスカバー17は、例えば、底浅の直方体形の箱状であり、前面17cと、開放後面17dと、上端面17eと、下端面17fと、左右の側面17gとを有する。メンテナンスカバー17は、前面17cと左右の側面17gとの境界に、凸角部17hを有する。凸角部17hは、円弧状に面取りされている。
メンテナンスカバー17は、支持部171を有する。支持部171は、メンテナンスカバー17を、筐体3に対して回動軸線17bを中心に回動可能に支持する。支持部171は、メンテナンスカバー17の裏面17i側に設けられ、下端面17fよりも下側に引き出されている。支持部171は、例えば3個設けられている。各支持部171は、メンテナンスカバー17の下端面17fの下側において、回動軸線17bに沿って間隔を空けて配置されている。具体的には、各支持部171は、下端面17fの下側において左右方向の中心の両側に1個ずつ配置されると共に、左右方向の一端(例えば右端)に1個配置される。
詳しくは、図4に示すように、フロントカバー15の支持部151は、取付基部151a(第1基部)と、連結基部151b(第2基部)と、支持基部151c(第3基部)と、回動軸部151dとを有する。取付基部151aは、フロントカバー15の裏面15i側に設けられ、開放後面15d側(即ちフロントカバー15の後側)に延出されている。取付基部151aの下面151i(干渉部)の前辺151jは、フロントカバー15の前面15cの下辺15aに一致する。従って、取付基部151aは、フロントカバー15の前面15cの下辺15aから開放後面15d側に延出されると理解できる。また、取付基部151aの下面151iとフロントカバー15の裏面15iとは直交している。
連結基部151bは、取付基部151aの先端部(右端部)から、下辺15aよりも下側(第2カバー側)に延出されている。連結基部151bの前面151gは取付基部151aの下面151iと直交している。支持基部151cは、連結基部151bの先端部(下端部)から、メンテナンスカバー17の前面17c側に延出されている。支持基部151cは、凸角部151pと凸角部151qとを有する。凸角部151pは、支持基部151cにおける先端部151kと上面151mとの境界に形成されている。凸角部151qは、支持基部151cにおける先端部151kと下面151eとの境界に形成されている。凸角部151pは、円弧状に面取りされている。回動軸部151dは、支持基部151cの先端部151k側において左右方向の一方(例えば右方向)に突出するように設けられる(図3参照)。
支持基部151cの下面151eは、段差部151rを有する。段差部151rには、凸角部151qの近傍において、凸角部151qに近づくにつれて上側に向かうように傾斜面が形成されている。段差部151rと凸角部151qとの間の支持基部151cの下面151eは前後方向に形成されている。
支持基部151cの下面151e(接離面、第2カバー側の面)は、突起部151f(凸部)を有する。突起部151fは、段差部151rに対して開放後面15d側に配置される。突起部151fは、先窄まり形状に形成される。具体的には、突起部151fは、底辺が下面151e側に配置された台形状に形成される。段差部151rと突起部151fとの間の支持基部151cの下面151eは前後方向に形成される。また、突起部151fと支持基部151cの後端部との間の支持基部151cの下面151eは前後方向に形成される。
また、メンテナンスカバー17の支持部171は、取付基部171aと、連結基部171bと、支持基部171cと、回動軸部171dとを有する。取付基部171aは、メンテナンスカバー17の前面17cの裏面17iに設けられ、開放後面17d側(即ちメンテナンスカバー17の後側)に延出されている。取付基部171aの下面171iは、メンテナンスカバー17の下端面17fと面一に形成される。連結基部171bは、取付基部171aの先端部から下端面17fよりも下側に延出されている。支持基部171cは、連結基部171bの先端部からメンテナンスカバー17の前面17c側に延出されている。回動軸部171dは、支持基部171cの先端部側において左右方向の一方(例えば左方向)に突出するように設けられる(図3参照)。
また、メンテナンスカバー17の上端面17eは、収容凹部17jを有する。収容凹部17j内には、フロントカバー15の支持部151が収容される。従って、支持部151は、メンテナンスカバー17の裏側に配置されていると理解できる。収容凹部17jは、例えば3個設けられている。各収容凹部17jは、上端面17eにおいて、フロントカバー15の各支持部151に対応するように、互いに間隔を空けて配置されている(図5参照)。収容凹部17jは、前後方向に沿って延設されている。収容凹部17jの前端面17pは、メンテナンスカバー17の前面17cの裏面17iによって閉端され、収容凹部17jの後端面17qは、メンテナンスカバー17の開放後面17dで開放されている。収容凹部17jの底面17k(所定面)は、突起部17v及び孔部17m(凹部)を有する。突起部17vは、フロントカバー15が開状態において、フロントカバー15の支持部151の下面151eと当接する。孔部17mは、突起部17vに対して開放後面17d側に形成され、フロントカバー15が閉状態において、フロントカバー15の支持部151の突起部151fが嵌合される。底面17kは、メンテナンスカバー17の裏側において、フロントカバー15側に設けられ、フロントカバー15側を向いている。
突起部17vの前面17c側の側面は、収容凹部17jの底面17kに直立して平面状に形成されている。よって、フロントカバー15が開状態において、突起部17vの前面17c側の側面がフロントカバー15の支持部151の下面151eと当接する。したがって、メンテナンスカバー17を閉状態に確実にロックすることができる。
また、突起部17vの上面、及びフロントカバー15の支持部151の下面151eは、フロントカバー15が閉状態から開状態に(又は、開状態から閉状態に)回動する際に、互いに干渉しないように形成されている。具体的には、突起部17vの上面は、略円弧状に窪んで形成されている。また、支持基部151cの下面151eは、段差部151rを有する。段差部151rには、凸角部151qの近傍において、凸角部151qに近づくにつれて上側に向かうように傾斜面が形成されている。よって、フロントカバー15が閉状態から開状態に回動する際に、フロントカバー15の支持部151の下面151eが突起部17vに干渉することを防止することができる。したがって、フロントカバー15は、閉状態から開状態にスムーズに回動することができる。同様にして、フロントカバー15は、開状態から閉状態にスムーズに回動することができる。
収容凹部17j内では、フロントカバー15の回動軸部151dは、収容凹部17jの凹角部17sの付近に配置される。凹角部17sは、収容凹部17jにおける前端面17pと底面17kとの境界に形成されている。また、フロントカバー15及びメンテナンスカバー17が共に閉じた状態では、メンテナンスカバー17の前面17cは、フロントカバー15の前面15cと面一に形成される。そして、メンテナンスカバー17の前面17cの上辺17rは、フロントカバー15の前面15cの下辺15aに隣接する。
本実施形態では、フロントカバー15の支持部151の突起部151fと、メンテナンスカバー17の収容凹部17jの孔部17mとによって、第1ロック機構が構成される。第1ロック機構は、突起部151fが孔部17mに嵌合することで、メンテナンスカバー17を閉状態にロックする。また、フロントカバー15の支持部151の取付基部151aの下面151iによって、第2ロック機構が構成される。第2ロック機構は、下面151iがメンテナンスカバー17の開動作の軌道に干渉することで、メンテナンスカバー17を閉状態にロックする。このように、下面151iは干渉部として機能する。また、フロントカバー15の支持部151の下面151eが突起部17vの前面17c側の側面に当接することによって、第3ロック機構が構成される。第3ロック機構は、フロントカバー15の支持部151の下面151eが突起部17vに当接することで、メンテナンスカバー17を閉状態にロックする。本実施形態のロック機構は、第1ロック機構、第2ロック機構及び第3ロック機構によって構成される。このロック機構では、第1ロック機構、第2ロック機構及び第3ロック機構のうちの1つがロックすると、メンテナンスカバー17は閉状態にロックされる。このロック機構の動作については、<動作説明>において説明する。
このように、ロック機構は、孔部17m、突起部151f、下面151e、突起部17v及び下面151iによって構成されるため、構成要素の数が少なく、ロック機構の配置スペースが小さくなる。また、ロック機構を構成する突起部151f、下面151e及び下面151iは、フロントカバー15の一部であり、ロック機構を構成する突起部17v及び孔部17mは、メンテナンスカバー17の一部であるため、利用者にロック機構と判別され難い。この結果、利用者が故意又は誤ってロック機構に触れることを抑制できる。更に、ロック機構を構成する突起部151f、下面151e及び下面151iは、支持部151の一部であるため、利用者にロック機構と判別され難い。更に、フロントカバー15の支持部151は、メンテナンスカバー17の裏側に配置されるため、支持部151が外部から視認され難くなる。この結果、ロック機構が利用者の目に触れ難くなる。
図5に示すように、筐体3は、カバーオープン検知スイッチ23及びインターロックスイッチ24を備える。なお、図5では、作図の都合上、筐体3は図示省略されている。
また、フロントカバー15は、カバーオープン検知用の突起部15kを有する。突起部15kは、フロントカバー15の閉状態で、カバーオープン検知スイッチ23を押下する。突起部15kは、フロントカバー15の裏面15iにおいて、例えば右端の支持部151の上方に設けられている。即ち、突起部15kは、裏面15iのうち、支持部151の付近の安定した箇所に設けられている。この結果、突起部15kは、カバーオープン検知スイッチ23に対して正確に位置決めされ、カバーオープン検知スイッチ23を押下することが可能である。突起部15kは、フロントカバー15の開放後面15dよりも後側に突出されている。また、フロントカバー15の裏面15iには、補強リブ15mが縦横に設けられている。また、フロントカバー15の裏面15iの左右端付近の上端付近には、保持部15pが形成されている。保持部15pには板金部材が取り付けられている。また、筐体3には図示しないマグネット部材が設けられており、フロントカバー15の閉状態では、マグネット部材がフロントカバー15の保持部15pの板金部材を磁力により吸引している。
また、メンテナンスカバー17は、インターロック用の突起部17nを有する。突起部17nは、メンテナンスカバー17の閉状態で、筐体3に配置されたインターロックスイッチ24を押下する。突起部17nは、メンテナンスカバー17の裏面17iにおいて、例えば右端の支持部171の上方に設けられている。即ち、突起部17nは、裏面17iのうち、支持部171の付近の安定した箇所に設けられている。この結果、突起部17nは、インターロックスイッチ24に対して正確に位置決めされ、インターロックスイッチ24を押下することが可能である。突起部17nは、メンテナンスカバー17の開放後面17dよりも後側に突出されている。また、メンテナンスカバー17の裏面17iには、補強リブ17tが縦横に設けられている。また、メンテナンスカバー17の上下方向の中央付近の左右端には、保持部17wが形成されている。保持部17wには板金部材が取り付けられている。また、筐体3にはマグネット部材が設けられており、メンテナンスカバー17の閉状態では、マグネット部材が保持部17wの板金部材を磁力により吸引している。
次に図6〜図8を参照して、筐体3のカバー支持構造について説明する。図6は、筐体3の前面31の斜視図であり、図7は、筐体3の前面31にフロントカバー15が取り付けられた状態を示した斜視図であり、図8は、筐体3の前面31にフロントカバー15及びメンテナンスカバー17が取り付けられた状態を示した斜視図である。なお、図6〜図8では、作図の都合上、筐体3の前面31側の部分だけを図示すると共に前面31の上部側を点線で図示する。
図6に示すように、筐体3の前面31は、開口部31aと開口部31bと開口部31cとを有する。開口部31aは、左右に伸びた横長な矩形状であり、フロントカバー15の開閉によって開閉される。開口部31bは、左右に伸びた横長な矩形状であり、メンテナンスカバー17の開閉によって開閉される。開口部31cは、左右に伸びた横長な矩形状であり、給紙カセット11が出し入れされる。開口部31a、開口部31b及び開口部31cは、この順に上から下に並んでいる。
筐体3は、支持部19と支持部21とを更に有する。支持部19は、フロントカバー15の支持部151を回動可能に支持する。支持部19は、例えば3個設けられている。各支持部19は、開口部31bの上縁部において互いに間隔を空けて配置されており、フロントカバー15の各支持部151に対応している。各支持部19は、前面31から前側に向かって突出されている。各支持部19は、軸孔19aを有する。軸孔19aは、支持部19の先端部側に設けられ、左右方向に伸びている。軸孔19aには、フロントカバー15の支持部151の回動軸部151dが挿入される。
支持部21は、メンテナンスカバー17の支持部171を回動可能に支持する。支持部21は、例えば3個設けられている。各支持部21は、開口部31bの下縁部において互いに間隔を空けて配置されており、メンテナンスカバー17の各支持部171に対応している。各支持部21は、前面31から前側に突出されている。各支持部21は、軸孔21aを有する。軸孔21aは、支持部21の先端部側に設けられ、左右方向に伸びている。軸孔21aには、メンテナンスカバー17の支持部171の回動軸部171dが挿入される。
筐体3の前面31は、孔部31eを有する。孔部31eには、メンテナンスカバー17の突起部17nが挿入される。孔部31eの内部には、インターロックスイッチ24のボタン部24aが配置されている。また、開口部31a内の所定位置(例えば開口部31a内の上部右端)には、カバーオープン検知スイッチ23が配置されている。カバーオープン検知スイッチ23及びインターロックスイッチ24については、図9を参照して後述する。
図7に示すように、フロントカバー15の各支持部151の回動軸部151dは、筐体3の各支持部19の軸孔19aに挿入される。この結果、フロントカバー15は、筐体3に対して回動軸線15bを中心に回動可能に支持される。また、フロントカバー15は、保持部15pの板金部材が筐体3の図示しないマグネット部材に当接して所定の力で吸引されて閉じている。この閉状態では、フロントカバー15の開放後面15dの左右の縁部15nが筐体3の開口部31aの左右の縁部に当接し、フロントカバー15によって開口部31aが閉塞される。また、この閉状態において左右の側面15gの取手部15jが前方に引っ張られると、保持部15pの板金部材が筐体3のマグネット部材から離間して、フロントカバー15は前方に開放された状態になる。
また、図8に示すように、メンテナンスカバー17の各支持部171の回動軸部171dは、筐体3の各支持部21の軸孔21aに挿入される。この結果、メンテナンスカバー17は、筐体3に対して回動軸線17bを中心に回動可能に支持される。図8に示すように、メンテナンスカバー17は閉じている。この閉状態では、メンテナンスカバー17の開放後面17dの周縁部17uが筐体3の開口部31bの周縁部に当接し、メンテナンスカバー17によって開口部31bが閉塞される。
次に図9を参照して、筐体3に配置されたカバーオープン検知スイッチ23及びインターロックスイッチ24について説明する。図9は、筐体3におけるカバーオープン検知スイッチ23及びインターロックスイッチ24の配置を透視した側面図である。
カバーオープン検知スイッチ23は、フロントカバー15の開閉を検知する。カバーオープン検知スイッチ23は、自律復帰型の押しボタンスイッチである。カバーオープン検知スイッチ23は、フロントカバー15の閉状態で、フロントカバー15の突起部15kによって押下される。カバーオープン検知スイッチ23は、押下されるとオンになり、押下が解除されると自律復帰してオフになる。
インターロックスイッチ24は、メンテナンスカバー17の開閉を検知する。インターロックスイッチ24は、ボタン部24aとスイッチ本体24bとを有する。ボタン部24aは、筐体3の孔部31eの内部に配置されている。ボタン部24aは、自律復帰型のボタンである。スイッチ本体24bは、ボタン部24aの後側に配置されている。メンテナンスカバー17の閉状態では、メンテナンスカバー17の突起部17nは、筐体3の孔部31eに挿入されて、ボタン部24aを押下する。ボタン部24aが押下されると、スイッチ本体24bがオンになり、ボタン部24aの押下が解除されてボタン部24aが自律復帰すると、スイッチ本体24bがオフになる。
<動作説明>
次に図4、図10〜図12を参照して、画像形成装置1の要部(ロック機構)の動作を説明する。図10は、メンテナンスカバー17の閉状態においてフロントカバー15が開かれた状態を示した断面図であり、図11は、メンテナンスカバー17の閉状態においてフロントカバー15が更に開かれた状態を示した断面図であり、図12は、メンテナンスカバー17の閉状態においてフロントカバー15が全開された状態を示した断面図である。図10において、フロントカバー15は、回動角θ(θa≦θ<θb)回動されている。図11において、フロントカバー15は、回動角θ(θb≦θ)回動されている。なお、一例として、回動角θaは10°であり、回動角θbは15°である。
図4に示すように、フロントカバー15及びメンテナンスカバー17は共に閉じている。この状態では、フロントカバー15の支持部151の下面151eは、メンテナンスカバー17の収容凹部17jの底面17kに接近して対向し、下面151eの突起部151fが底面17kの孔部17mに嵌合する。即ち第1ロック機構がロックされる。この結果、メンテナンスカバー17は、前側に回動不能になって閉状態にロックされる。この状態から、フロントカバー15が回動角θ(0<θ<θa)回動された開状態でも、第1ロック機構のロックが維持され、メンテナンスカバー17は閉状態にロックされる。
そして、図10に示すように、フロントカバー15が更に回動された回動角θ(θa≦θ<θb)の開状態では、以下のようになる。即ち、支持部151の取付基部151aの下面151eは、収容凹部17jの底面17kから離れ、下面151eの突起部151fが底面17kの孔部17mから外れる。即ち第1ロック機構はロックされない。また、フロントカバー15が前側に回動した分、支持部151の支持基部151cの下面151iの前縁151nは、メンテナンスカバー17の前面17cよりも前側に突出するが、メンテナンスカバー17の開動作の軌道には干渉しない。詳しくは、前縁151nは、メンテナンスカバー17が開かれるときにメンテナンスカバー17の前面17cの上辺17rが通る軌道Sに干渉しない。即ち第2ロック機構もロックされない。また、支持部151の下面151eは、メンテナンスカバー17の突起部17vに係合しない。即ち第3ロック機構もロックしない。従って、ロック機構は全くロックされず、メンテナンスカバー17は、前側に回動可能になって開くことが可能である。
この状態から、図11に示すように、フロントカバー15が更に回動された回動角θ(θb≦θ)の開状態では、以下のようになる。即ち、支持部151の取付基部151aの下面151iの前縁151nは、メンテナンスカバー17の前面17cの正面に張り出され、メンテナンスカバー17の開動作の軌道に干渉する。詳しくは、前縁151nは、メンテナンスカバー17が開かれるときにメンテナンスカバー17の前面17cの上辺17rが通る軌道Sに干渉する。即ち第2ロック機構がロックされる。この結果、メンテナンスカバー17は、前側に回動不能になって閉状態にロックされる。
そして、図12に示すように、フロントカバー15の全開状態では、以下のようになる。即ち、支持部151の支持基部151cの下面151eは、収容凹部17jの突起部17vに当接する。この当接状態では、支持部151の下面151eは、メンテナンスカバー17の突起部17vの前面側の面に当接する。即ち第3ロック機構がロックされる。この結果、メンテナンスカバー17は、前側に回動不能になって閉状態にロックされる。
なお、支持部151は、取付基部151a、連結基部151b及び支持基部151cによってU字状に形成されている。この結果、メンテナンスカバー17の閉状態でフロントカバー15が全開されたときに、取付基部151aと支持基部151cとの間の空間に、メンテナンスカバー17の上辺17r側が収容される。このため、フロントカバー15の開動作がメンテナンスカバー17によって制限されることが抑制される。この結果、フロントカバー15を大きく開けることが可能になる。
以上のように、画像形成装置1のロック機構は、フロントカバー15が一定の回動角範囲(θa≦θ<θb)開かれた場合だけ、メンテナンスカバー17を開けることが可能である。従って、この事を、保守業者及び利用者のうち、保守業者だけに知らせることで、保守業者だけがメンテナンスカバー17を開けることが可能になる。
以上、図面(図1〜図12)を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記に示す(1)〜(6))。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質や形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(1)上記の実施形態では、フロントカバー15の支持部151の支持基部151cの下面151eに突起部151fが設けられ、メンテナンスカバー17の収容凹部17jの底面17kに孔部17mが設けられたが、下面151eに孔部が設けられ、底面17kに突起部が設けられてもよい。
(2)上記の実施形態では、フロントカバー15の支持部151の一部(取付基部151aの下面151i)が干渉部であるが、干渉部は、支持部151と別に設けられてもよい。この場合、干渉部は、フロントカバー15の前面15cの下辺15aから裏面15i側に延設され、フロントカバー15の一定の回動角θb以上の開状態で、メンテナンスカバー17の開動作の軌道に干渉すれば、どのような形状であっても、フロントカバー15のどの位置に設けられてもよい。また、この場合、下面151iの前辺151jは、前面15cの下辺15aに一致する必要が無くなる。この結果、下面151iは、裏面15iにおいて下辺15aよりも上側に設けられることが可能になる。
(3)上記の実施形態では、突起部151fは、支持部151の下面151eに設けられたが、このように限定されない。メンテナンスカバー17の閉状態において、フロントカバー15の閉開に応じてメンテナンスカバー17の所定面に接離する接離面であれば、支持部151のどの面に設けられてもよい。この場合は、メンテナンスカバー17の孔部17mは、メンテナンスカバー17の当該所定面に設けられる。
(4)上記の実施形態では、メンテナンスカバー17は、フロントカバー15と同じ上開きであるが、このように限定されるものではなく、例えば右開き又は左開きでもよい。
(5)上記の実施形態では、本発明は、画像形成装置1に適用されたが、画像形成装置1以外の電子機器(画像形成部36を有しない電子機器)にも適用可能である。
(6)上記の実施形態では、支持部151は、取付基部151a、連結基部151b及び支持基部151cによってU字状に形成されたが、このような形状に限定されない。支持部151の形状は、メンテナンスカバー17の閉状態でフロントカバー15が開かれたときに、下記の要件1及び要件2を満たせば、どのような形状であってもよい。
要件1:干渉部は、フロントカバー15の一定の回動角θb未満の開状態では、メンテナンスカバー17の開動作の軌道に干渉せず、フロントカバー15の一定の回動角θb以上の開状態で、メンテナンスカバー17の開動作の軌道に干渉して、メンテナンスカバー17を閉状態にロックする。
要件2:フロントカバー15は、ある程度の回動角(例えば回動角90°)まで開くことが可能である。