JP6398117B2 - 廃熱発電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、廃熱発電装置に関する。
従来から、工場や焼却施設等で放出される廃熱エネルギーを回収して発電が行われており、この発電によって得られた電気エネルギーが再利用されることで省エネルギーが図られている。このような工場や施設では、発電機を駆動するための高圧の蒸気を生成しやすいということから約300℃以上(場合によっては1000℃近く)の廃熱が発電に用いられており、約300℃以下の低温廃熱はその多くが依然として大気中に放出されていた。このため、従来は殆ど回収されていなかった低温廃熱の廃熱エネルギーを回収して発電を行えば、更なる省エネルギーを実現することができると考えられている。
以下の特許文献1には、低沸点作動媒体を用いたランキンサイクルによって、300℃以下の低温廃熱の廃熱エネルギーを用いて発電を行う廃熱発電装置が開示されている。具体的に、以下の特許文献1に開示された廃熱発電装置は、廃熱回収器、蒸気タービン、凝縮器、及び高圧ポンプを備えており、廃熱回収器で回収される低温の廃熱によって低沸点作動媒体の高圧蒸気を生成し、この高圧蒸気により蒸気タービンを駆動して発電を行っている。尚、蒸気タービンの排気は凝縮器により凝縮液化し、この液化した低沸点作動媒体を廃熱回収器に送り出して循環させるようにしている。
特開2000−110514号公報
ところで、従来の廃熱発電装置は、凝縮器で液化された低沸点作動媒体を、高圧ポンプにより廃熱回収器に送り出して循環させているが、高圧ポンプの回転数を一定に維持したとしても、循環する低沸点作動媒体の流れに脈動が生ずる場合がある。このような脈動は、高圧ポンプから廃熱回収器に送り出されて廃熱回収器内の蒸発過程で暖められた低沸点作動媒体が、高圧ポンプ側に押し戻されることが原因で生ずるものと考えられる。
廃熱発電装置は、前述の通り、低沸点作動媒体の高圧蒸気により蒸気タービンを駆動して発電を行っているため、循環する低沸点作動媒体の流れに脈動が生ずると、低沸点作動媒体の流れの変化に応じて蒸気タービンの回転数が変化するため、発電量が変化してしまう。このように、循環する低沸点作動媒体の流れに脈動が生ずると、安定した発電を行うことができないという問題が生ずる。
ここで、例えば高圧ポンプから廃熱回収器に向けて送り出される低沸点作動媒体を蓄積するアキュムレータ等の機構を設ければ、低沸点作動媒体の流量を安定させることができるとも考えられる。しかしながら、このような機構により流量を安定させることができるのは、低沸点作動媒体の流量がある程度定まっている場合であり、発電量に応じて低沸点作動媒体の流量が大きく変化する廃熱発電装置では、流量を十分に安定させることができないと考えられる。また、このような機構を設けると、装置の大型化やコスト上昇が引き起こされる懸念もある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、装置の大型化やコスト上昇を招くことなく低沸点作動媒体の流量を安定させることができ、これにより発電量を安定させることが可能な廃熱発電装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の廃熱発電装置は、廃熱エネルギーを回収して作動媒体(Y)を蒸発させる蒸発器(11、11a〜11c)と、該蒸発器からの前記作動媒体の供給により発電を行うタービン発電機(12)と、該タービン発電機から排出された前記作動媒体を凝縮する凝縮器(13)と、該凝縮器で凝縮された前記作動媒体を前記蒸発器に向けて送出するポンプ(15)とを備える廃熱発電装置(10)において、前記ポンプに印加される周波数に応じて前記ポンプに印加される電圧が下に凸となる変化を示すように、前記ポンプに印加する電圧を制御する制御装置(20)を備えることを特徴としている。
また、本発明の廃熱発電装置は、前記制御装置が、前記ポンプに印加される電圧が前記ポンプに印加される周波数に応じて累乗で変化するように、前記ポンプに印加する電圧を制御することを特徴としている。
また、本発明の廃熱発電装置は、前記ポンプに印加される電圧が、前記ポンプのトルクを一定とするために前記ポンプに印加される周波数に比例するように前記ポンプに印加される電圧よりも小さく設定されていることを特徴としている。
また、本発明の廃熱発電装置は、前記ポンプに印加される電圧が、前記ポンプの定格周波数における定格電圧の80%の電圧を最大電圧とし、該最大電圧よりも下に凸となる変化を示すように設定されていることを特徴としている。
また、本発明の廃熱発電装置は、前記タービン発電機に供給される前記作動媒体の温度及び圧力を計測する計測器(19、19a、19b)を備えており、前記制御装置が、前記計測器の計測結果に基づいて過熱度を算出し、過熱度が予め規定された目標値となるよう前記ポンプに印加される周波数を制御するとともに、前記ポンプに印加される周波数に応じて前記ポンプに印加する電圧を制御することを特徴としている。
また、本発明の廃熱発電装置は、熱源及び作動媒体が供給される蒸発器と、前記蒸発器から前記作動媒体が供給されるタービン発電機と、前記タービン発電機から前記作動媒体が供給される凝縮器と、前記凝縮器から供給される前記作動媒体を前記蒸発器に送出するポンプと、前記ポンプの周波数を制御すると共に、前記周波数の制御範囲に対応して前記ポンプに印加される電圧の値を、前記ポンプの周波数に比例する電圧の値よりも小さい値となるように制御する制御装置と、を有することを特徴としている。
本発明によれば、ポンプに印加される周波数に応じてポンプに印加される電圧が下に凸となる変化を示すように、ポンプに印加する電圧を制御しているため、装置の大型化やコスト上昇を招くことなく低沸点作動媒体の流量を安定させることができ、これにより発電量を安定させることができるという効果がある。
本発明の一実施形態による廃熱発電装置の全体構成を簡略化して示すブロック図である。 本発明の一実施形態において、ポンプを制御するための周波数指令値と電圧との関係を示す図である。 本発明の一実施形態による廃熱発電装置の正面図である。 脈動が生じている場合における観測結果の一例を示す図である。 想定される脈動の発生原因を説明するための図である。 本発明の一実施形態による廃熱発電装置の運転状態の一例を示す図である。 従来の廃熱発電装置の運転状態の一例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態による廃熱発電装置について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態による廃熱発電装置の全体構成を簡略化して示すブロック図である。図1に示す通り、廃熱発電装置10は、蒸発器11、膨張タービン発電機12(タービン発電機)、凝縮器13、リザーバタンク14、及びポンプ15を備えるランキンサイクルを利用した発電装置であり、工場や焼却施設等から放出される約300℃以下の廃熱媒体(本実施形態では「温水X」という)の廃熱エネルギーを回収して発電を行う。尚、廃熱媒体は、温水Xに限られるものではなく、工場や焼却施設等から放出されるガスを用いることもできる。
また、廃熱発電装置10は、AC/DC変換器16及びDC/AC変換器17を備えており、膨張タービン発電機12で発電された電力を、商用電力と同仕様の三相交流電力に変換する。加えて、廃熱発電装置10は、計測装置18、センサ19(温度センサ19a及び圧力センサ19b:計測器)、及び制御装置20を備えており、膨張タービン発電機12の単位時間(例えば秒単位)当りの発電量、並びに膨張タービン発電機12に供給される作動媒体Yの温度及び圧力の計測結果に基づいて、作動媒体Yの流量を安定させつつ、温水Xの廃熱エネルギーから最も多くの発電が可能となるようにポンプ15の駆動を制御する。
蒸発器11は、工場等から放出される温水Xとポンプ15から送出される作動媒体Yとが別経路にて供給され、内部にて熱交換を行うことで作動媒体Yの蒸気を生成する。つまり、蒸発器11は、温水Xの廃熱エネルギーを回収して作動媒体Yの蒸気を生成する。ここで、作動媒体Yは、沸点(大気圧条件下における沸点)が15℃程度の媒体であるのが望ましい。この作動媒体Yとしては、例えばハイドロフルオロエーテル(HFE)、フルオロカーボン、フルオロケトン、パーフルオロポリエーテル等を用いることができる。
膨張タービン発電機12は、タービン12a及び発電機12bを備えており、蒸発器11から供給された気化状態の作動媒体Yを用いて三相交流電力を発電する。タービン12aは、蒸発器11からの作動媒体Yの供給によってタービンインペラを回転させる回転機械である。発電機12bは、タービンインペラの軸と結合したロータ(回転子)と、ロータの外周を取り囲むように設けられたステータ(固定子)とを備えており、ロータがタービン12aによって回転駆動されることによって、三相交流電力を発電する。尚、発電機12bが出力する三相交流電力は、周波数及び出力電圧の少なくとも一方が商用電力の仕様とは異なっている。
凝縮器13は、膨張タービン発電機12から排出された作動媒体Yと、冷却媒体(本実施形態では「冷却水Z」という)とが別経路にて供給され、内部にて熱交換を行うことで作動媒体Yを冷却して凝縮する。リザーバタンク14は、凝縮器13で凝縮された作動媒体Yを一時的に蓄えるタンクである。ポンプ15は、凝縮器13で凝縮されてリザーバタンク14に一時的に蓄えられた作動媒体Yを加圧して蒸発器11に向けて送出する。
AC/DC変換器16及びDC/AC変換器17は、発電機12bが発電した三相交流電力を商用電力の仕様に適合した三相交流電力(例えば50/60Hz,200V級)に変換するためのものである。AC/DC変換器16は、発電機12bから出力される三相交流電力を直流電力に変換してDC/AC変換器17に出力する。DC/AC変換器17は、AC/DC変換器16からの直流電力を商用電力の仕様に適合した三相交流電力に変換する。
計測装置18は、DC/AC変換器17に流れる電流を計測して膨張タービン発電機12の単位時間(例えば秒単位)当りの発電量を計測する。ここで、計測装置18は、AC/DC変換器16に流れる電流を計測して膨張タービン発電機12の単位時間当りの発電量を計測するものであっても良い。尚、計測装置18は、発電量のノイズ(例えば、μsecオーダーのノイズ)を拾うことのないようノイズフィルタを有する。
センサ19(温度センサ19a及び圧力センサ19b)は、蒸発器11と膨張タービン発電機12とを接続する配管に取り付けられており、膨張タービン発電機12に供給される作動媒体Yの温度及び圧力を計測する。尚、センサ19は、蒸発器11における作動媒体Yの出口、或いは膨張タービン発電機12における作動媒体Yの入口に取り付けられていても良い。
制御装置20は、廃熱発電装置10の動作を統括して制御する。例えば、制御装置20は、計測装置18及びセンサ19(温度センサ19a及び圧力センサ19b)の計測結果に基づいて、温水Xの廃熱エネルギーから最も多くの発電が可能となるようにポンプ15に印加される周波数(作動媒体Yの循環量を規定する周波数)を制御する。具体的に、制御装置20は、温度センサ19a及び圧力センサ19bの計測結果に基づいて過熱度を算出し、算出した過熱度が予め規定された目標値となるようポンプ15に印加される周波数を制御する。但し、制御装置20は、計測装置18の計測結果に急激な変化が生じた場合には、ポンプ15に印加される周波数を低減する制御を行う。これは温水Xの急激な温度上昇に起因するエロージョン(作動媒体Yが液体のまま膨張タービン発電機12に供給されて生ずるタービンインペラの浸食)を防止するためである。
また、制御装置20は、上記の制御とともに、ポンプ15のトルクを減ずる制御を行う。具体的に、制御装置20は、ポンプ15に印加される周波数に応じて、ポンプ15に印加される電圧が下に凸となる変化を示すように、ポンプに印加する電圧を制御する。例えば、制御装置20は、ポンプ15に印加される電圧がポンプ15に印加される周波数に応じて累乗(例えば、2乗、3乗等の整数の累乗、或いは、1.7乗、2.5乗等の小数の累乗)で変化するように(或いは、累乗に近い値で変化するように)、ポンプ15に印加する電圧を制御する。このような制御を行うのは、作動媒体Yの流れの脈動を抑制して流量を安定させることによって、廃熱発電装置10の発電量を安定させるためである。
図2は、本発明の一実施形態において、ポンプを制御するための周波数指令値と電圧との関係を示す図である。尚、図2においては、ポンプ15に対する周波数指令値を横軸にとり、ポンプ15に印加される電圧を縦軸にとってある。図2において、符号L1が付された線は、本実施形態における周波数指令値と電圧との関係を示す線であり、符号L2が付された線は、従来における周波数指令値と電圧との関係を示す線である。
図2に示す通り、従来は、ポンプ15のトルクを一定にするために、ポンプ15に印加される電圧が、ポンプ15の周波数指令値に比例するように設定されていた(線L2参照)。これに対し、本実施形態では、ポンプ15のトルクを減じて作動媒体Yの流れの脈動を抑制するために、ポンプ15の周波数指令値に応じて、ポンプ15に印加される電圧が下に凸となる変化を示すように設定されている(線L1参照)。
しかも、本実施形態では、ポンプ15に印加される電圧が、全体的に従来よりも小さく設定されており、図2に示す通り、全体的に線L1が線L2を下回るようにされている。具体的に、ポンプ15に印加される電圧は、ポンプ15の定格周波数における定格電圧の80%の電圧を最大電圧とし、その最大電圧よりも下に凸となる変化を示すように設定されている。尚、定格電圧に対する最大電圧の割合は、本発明の一実施形態における実測結果より導き出されたものである。
次に、廃熱発電装置10の具体的な構成について説明する。図3は、本発明の一実施形態による廃熱発電装置の正面図である。尚、図3においては、図1に示す構成に相当する構成については同一の符号を付してある。また、図3においては、理解を容易にするために、廃熱発電装置10に設けられた構成の一部の図示を省略している。例えば、廃熱発電装置10の筐体、蒸発器11に接続される温水Xの配管(温水供給配管及び温水回収配管)、凝縮器13等の図示を省略している。
図3に示す通り、蒸発器11は、架台Bによって支持された3つの蒸発器11a〜11cからなる。これら蒸発器11a〜11cは、箱形に形状設定されており、温水X及び作動媒体Yの出入口が正面側に集約されて設けられている。具体的に、蒸発器11a〜11cの正面側には、温水Xの入口P11、温水Xの出口P12、作動媒体Yの入口P21、作動媒体Yの出口P22が設けられている。
蒸発器11a〜11cに設けられた作動媒体Yの入口P21は、循環配管Q1に対して並列に接続されており、作動媒体Yの出口P22は、循環配管Q2に対して並列に接続されている。循環配管Q1は、ポンプ15に接続されており、ポンプ15から送出された作動媒体Yを蒸発器11a〜11cにそれぞれ導くための配管である。これに対し、循環配管Q2は、膨張タービン発電機12に接続されており、蒸発器11a〜11cで生成された作動媒体Yの蒸気を膨張タービン発電機12に導くための配管である。
膨張タービン発電機12は、蒸発器11a〜11c及び不図示の凝縮器13よりも僅かに上方に配置されるよう架台Bに支持されている。膨張タービン発電機12をこのような配置とするのは、循環配管Q2(或いは、膨張タービン発電機12と不図示の凝縮器13とを接続する循環配管Q3)内で作動媒体Yが凝集しても、液体の状態で作動媒体Yが膨張タービン発電機12に供給されることを防止するためである。
凝縮器13(図3では図示を省略)は、例えば蒸発器11と同様に、箱形に形状設定された3つの凝縮器からなる。このような3つの凝縮器は、例えば蒸発器11a〜11cの背面側にそれぞれ設けられる。リザーバタンク14は、凝縮器13の下方に配置されるように架台Bによって支持されている。ポンプ15は、廃熱発電装置10の最下部に配置されるよう架台Bによって支持されており、循環配管Q5を介してリザーバタンク14に接続されるとともに、循環配管Q1を介して蒸発器11a〜11cに接続されている。
尚、図3に示す通り、廃熱発電装置10は、遮断弁V1及びバイパス弁V2を備える(図1においては図示省略)。遮断弁V1は、緊急時等に膨張タービン発電機12への作動媒体Yの供給を停止する弁であり、膨張タービン発電機12の上流側において循環配管Q2に対して設けられている。バイパス弁V2は、バイパス流路(遮断弁V1によって循環配管Q2が閉鎖された場合に、膨張タービン発電機12を回避させて作動媒体Yを循環配管Q3に流すための流路:図示省略)に設けられた弁である。このバイパス弁V2は、遮断弁V1が循環配管Q2を開放している場合にはバイパス流路を閉鎖し、遮断弁V1が循環配管Q2を閉鎖している場合にはバイパス流路を開放する。
次に、上記構成における廃熱発電装置10の動作について説明する。本実施形態の廃熱発電装置10では、作動媒体Yが、蒸発器11(蒸発器11a〜11c)→膨張タービン発電機12→凝縮器13→リザーバタンク14→ポンプ15→蒸発器11(蒸発器11a〜11c)の順で循環しつつ、作動媒体Yが液体と気体に状態変化することによって膨張タービン発電機12における発電が行われる。
即ち、蒸発器11において温水Xの熱によって蒸発した作動媒体Yは、膨張タービン発電機12に供給された後に凝縮器13で冷却水Zによって凝縮されて、リザーバタンク14に一時に貯溜された後、再びポンプ15を介して蒸発器11に送出される。このような作動媒体Yの循環的な状態変化の過程において、作動媒体Yによって膨張タービン発電機12が駆動されて発電が行われる。そして、膨張タービン発電機12で発電された三相交流電力は、AC/DC変換器16及びDC/AC変換器17によって商用電力の仕様に適合した三相交流電力に変換されて外部に供給される。
以上の動作が行われている間、DC/AC変換器17に流れる電流(或いは、AC/DC変換器16に流れる電流)が計測装置18で計測されて、膨張タービン発電機12の単位時間(例えば秒単位)当りの発電量が計測装置18によって計測される。また、膨張タービン発電機12に供給される作動媒体Yの温度及び圧力が、温度センサ19a及び圧力センサ19bによってそれぞれ計測される。
そして、温度センサ19a及び圧力センサ19bの計測結果に基づいて過熱度を算出し、算出した過熱度が予め規定された目標値となるようポンプ15に印加される周波数を可変する制御が制御装置20で行われる。例えば、算出した過熱度が上記の目標値よりも小さい場合には、制御装置20はポンプ15の回転数を下降させる周波数指令値を不図示のインバータ(ポンプ15を駆動するインバータ)に出力する一方、算出した過熱度が上記の目標値よりも大きい場合には、制御装置20はポンプ15の回転数を上昇させる周波数指令値を出力する制御を行う。尚、計測装置18の計測結果に急激な変化が生じた場合には、前述したエロージョンを防止するために、ポンプ15に印加される周波数を低減する制御が制御装置20によって行われる。
また、上述したポンプ15に印加される周波数の制御とともに、ポンプ15のトルクを減ずる制御が制御装置20で行われる。具体的には、ポンプ15の周波数指令値に応じて、図2に示す線L1上の電圧がポンプ15に印加されるように、不図示のインバータの出力電圧が制御される。このような電圧(周波数指令値に応じて下に凸となる変化を示す電圧)がポンプ15に印加されることにより、作動媒体Yの流れの脈動が抑制され、流量を安定させることができる。尚、電圧が周波数指令値に応じて下に凸となる変化を示すように制御することは一例であり、トルクを線L1の比例関係よりも低減させることを実現するために別の制御を実行することも考えられる。従って、実際には制御装置20は、ポンプの周波数を制御すると共に、周波数の制御範囲に対応してポンプに印加される電圧の値を、ポンプの周波数に比例する電圧の値よりも小さい値となるように制御していることとなる。
ここで、従来のように、周波数指令値に比例する電圧(図2に示す線L2上の電圧)をポンプ15に印加してポンプ15のトルクを一定にした場合には、作動媒体Yの流れの脈動が生ずる。このような脈動が生ずると、その脈動の周期(例えば、10秒程度の周期)とほぼ同じ周期で膨張タービン発電機12の発電量が変化するとともに、蒸発器11における作動媒体Yの入口P21の温度変化が生ずる。
図4は、脈動が生じている場合における観測結果の一例を示す図である。図4に示す通り、膨張タービン発電機12での発電が高い場合には、蒸発器11における作動媒体Yの入口P21で、「低い(ポンプ入口と同等の温度)」という観測結果が得られている。これに対し、膨張タービン発電機12での発電が低い場合には、蒸発器11における作動媒体Yの入口P21では「高い(ポンプ入口と蒸発器出口の中間程度の温度)」という観測結果が得られている。
つまり、蒸発器11における作動媒体Yの入口P21では、作動媒体Yの流れの脈動の周期(発電量が変化する周期)で「低い」と「高い」という温度変化が生ずる。このような温度変化が生ずることから、作動媒体Yの流れの脈動は、蒸発器11内の蒸発過程で暖められた作動媒体Yが、ポンプ15側に押し戻されることが原因で生ずるものと考えられる。
図5は、想定される脈動の発生原因を説明するための図である。尚、図5においては、図3に示した部材と同じ部材には、同一の符号を付してある。図5に示す通り、蒸発器11は、下部に設けられた入口P21から液体の作動媒体Yが供給され、上部に設けられた出口P22から気体の作動媒体Y(温水Xと熱交換が行われた作動媒体Y)が排出される構成である。このため、蒸発器11に対する作動媒体Yの供給量が適切な状態では、液体の作動媒体Yと気体の作動媒体Yとの界面は、例えば図5に示した界面S0になると想定される。
これに対し、蒸発器11に対する作動媒体Yの供給量が過剰な状態では、液体の作動媒体Yと気体の作動媒体Yとの界面が一時的に上昇して、例えば図5に示した界面S1になると想定される。このような界面の上昇が生ずると、蒸発器11内の蒸発過程で暖められて蒸発しきれなかった作動媒体Yが、重力の影響によってポンプ15側に押し戻されるため、例えば図5に示した界面S2になると想定される。
ポンプ15のトルクが大きな場合には、再び作動媒体Yが過剰に供給されるため、蒸発器11内では、液体の作動媒体Yと気体の作動媒体Yとの界面が、図5中の界面S1と界面S2との間を行き来する現象(ハンチング現象)が生ずると想定される。このようなハンチング現象が生ずることによって、作動媒体Yの流れの脈動が生ずると想定される。
本実施形態では、温度センサ19a及び圧力センサ19bの計測結果に基づいて算出した過熱度に基づいてポンプ15に印加される周波数を制御するとともに、ポンプ15のトルクを減ずる制御を制御装置20が行っている。これにより、蒸発器11に対する作動媒体Yの供給量が過剰になるのを抑制して、作動媒体Yの流れの脈動を低減するようにしている。
図6は、本発明の一実施形態による廃熱発電装置の運転状態の一例を示す図である。これに対し、図7は、従来の廃熱発電装置の運転状態の一例を示す図である。これら図6,7において、符号OP1が付された曲線は発電機端(膨張タービン発電機12の出力端)の発電出力を示す曲線であり、符号OP2が付された曲線は送電端(廃熱発電装置10の出力端)の発電出力を示す曲線であり、符号Rが付された曲線はタービン12aの回転数を示す曲線である。また、符号IPが付された曲線はポンプ15の入力電力を示す曲線であり、符号IVが付された曲線はポンプ15の入力電圧を示す曲線である。
まず、図7を参照すると、従来のように、周波数指令値に比例する電圧(図2に示す線L2上の電圧)をポンプ15に印加してポンプ15のトルクを一定にした場合には、作動媒体Yの流れの脈動の周期でタービン12aの回転数Rが変動している。また、タービン12aの回転数の変動に伴って、発電機端の発電出力OP1及び送電端の発電出力OP2が±20%程度の振幅をもって一定周期で変動しており発電量が安定してはいない。加えて、ポンプ15の入力電力IP及び入力電圧IVも作動媒体Yの流れの脈動の周期で変動している。
次に、図6を参照すると、本実施形態のように、図2に示す線L1上の電圧がポンプ15に印加してポンプ15のトルクを減ずる制御を行った場合には、タービン12aの回転数Rがほぼ一定になる。これにより、発電機端の発電出力OP1及び送電端の発電出力OP2の変動が±3%以下に低減されて発電量が安定する。尚、ポンプ15の入力電力IP及び入力電圧IVの変動も、図7に比べて大幅に低減している。このように、本実施形態では、従来に比べて大幅に発電量を安定させることができる。
以上の通り、本実施形態では、ポンプ15に印加される周波数に応じてポンプ15に印加される電圧が下に凸となる変化を示すように、ポンプ15に印加する電圧を制御するようにしている。かかる制御を行うことでポンプ15のトルクが低減されるため、蒸発器11に対する作動媒体Yの供給量が過剰になるのを抑制することができ、作動媒体Yの流れの脈動を低減することができる。その結果として、発電量を安定させることができる。
ここで、蒸発器11が複数台設けられている場合であっても、1台のみ設けられている場合であっても、作動媒体Yの流れの脈動は生ずる。このため、本実施形態では、蒸発器11の数に拘わらず、作動媒体Yの流れの脈動を低減して発電量を安定させることができる。尚、蒸発器11が複数台設けられている場合には、作動媒体Yの流れが不安定になり易いと考えられるため、効果的に発電量を安定させることができると考えられる。
以上、本発明の一実施形態による廃熱発電装置について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されず、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上記実施形態では、温水Xとなった廃熱エネルギーを電気エネルギーとして回収したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば熱源として廃ガスを用いてもよい。また、熱源は、廃ガスや廃温水などの廃熱に限定されない。また、上述した膨張タービン発電機12として、遠心式膨張タービン発電機、斜流式膨張タービン発電機等のラジアルタービン発電機を用いることも可能である。
10…廃熱発電装置、11…蒸発器、11a〜11c…蒸発器、12…膨張タービン発電機、13…凝縮器、15…ポンプ、19…センサ、19a…温度センサ、19b…圧力センサ、20…制御装置、Y…作動媒体

Claims (3)

  1. 廃熱エネルギーを回収して作動媒体を蒸発させる蒸発器と、該蒸発器からの前記作動媒体の供給により発電を行うタービン発電機と、該タービン発電機から排出された前記作動媒体を凝縮する凝縮器と、該凝縮器で凝縮された前記作動媒体を前記蒸発器に向けて送出するポンプとを備える廃熱発電装置において、
    前記ポンプに印加される周波数に応じて前記ポンプに印加される電圧が下に凸となる変化を示すように、前記ポンプに印加する電圧を制御する制御装置を備え
    前記ポンプに印加される電圧は、前記ポンプの定格周波数における定格電圧の80%の電圧を最大電圧とし、該最大電圧よりも下に凸となる変化を示すように設定されている
    ことを特徴とする廃熱発電装置。
  2. 前記制御装置は、前記ポンプに印加される電圧が前記ポンプに印加される周波数に応じて累乗で変化するように、前記ポンプに印加する電圧を制御することを特徴とする請求項1記載の廃熱発電装置。
  3. 前記タービン発電機に供給される前記作動媒体の温度及び圧力を計測する計測器を備えており、
    前記制御装置は、前記計測器の計測結果に基づいて過熱度を算出し、過熱度が予め規定された目標値となるよう前記ポンプに印加される周波数を制御するとともに、前記ポンプに印加される周波数に応じて前記ポンプに印加する電圧を制御する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の廃熱発電装置。
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