JP7268276B2 - バイナリー発電システム - Google Patents

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Description

本発明は、熱源流体の熱エネルギーを用い、低沸点作動媒体を加熱・蒸発させて、その蒸気の圧力で、膨張発電機を駆動させ発電を行う、バイナリー発電システムに関する。
地熱蒸気や熱水あるいは、加熱処理工程のある工場廃熱や、焼却炉の廃熱などからの熱源流体の熱エネルギーを用い、石油系炭化水素や代替フロン・アンモニア等の低沸点作動媒体を蒸発器において加熱・蒸発させて、その蒸気の圧力で、膨張発電機を駆動させ発電を行い、その後、膨張発電機を出て低い圧力となった蒸気を凝縮器において冷媒で冷却することで、作動媒体を凝縮させ液体とし、それを再び低沸点作動媒体ポンプによって、この発電サイクル内を循環させ、連続的に発電を行うシステムがバイナリー発電システムであり、一般的な蒸気を用いた蒸気膨張発電機と比べると、低温な熱源や熱エネルギーの少ない熱源からも発電が可能なシステムとして、実用化されている。
昨今、化石燃料の過剰な使用による地球温暖化と、地球人口の増大やモビリティの電動化による電気エネルギーへの需要の高まりを鑑みると、現状、廃棄されてしまっている熱エネルギーをできる限り活用して発電が可能なバイナリー発電システムは、時代の要請として、さらなる実用化・適用化が期待されている。
また、台風や地震などの自然災害の多いわが国の災害時における電力系統ネットワークの強靭化を図る上でも、大規模発電所への依存から、分散化電力のスマートグリッド化への移行によるリスク低減が望まれている。
さらに、将棋や囲碁の世界においては、人工知能が人間の名人を負かすなど、昨今のコンピュータの計算能力は、膨大なデータを短時間で解析し最適化することができるため、今後、人工知能により電力需要を予想し、さまざまな種類の分散化電力の発電出力の制御が行われ、地熱蒸気や熱水あるいは、加熱処理工程のある工場廃熱や、焼却炉の廃熱などからの熱エネルギーを回収して生成した熱源流体を用いた、二酸化炭素を排出しない発電手法であるバイナリー発電システムが人工知能により優先的に選択され有効活用され、人々に快適かつ地球環境にやさしい、電力系統ネットワークが構築されるだろうと期待されている。
特許第6345102号公報 特開平10-103023号公報 特開2013-177838号公報 特許第6029533号公報 特許第5639515号公報 特許第5871661号公報
化石燃料の過剰な使用による地球温暖化に対し、今世紀の人類は喫緊の対策が迫られている現状、バイナリー発電システムにおいても、廃棄されてしまっている熱エネルギーをできる限り有効活用して最大の電力を需要家に対し供給することが要求されており、先行技術文献には、バイナリー発電システムの発電出力の最大化を図るための制御方法に関するものがいくつかある。
特許文献1は、蒸発器として伝熱管方式を用いており、蒸発器筐体に取り付けた液面センサーの信号から、蒸発器の入口側にある流量調節弁を調整し、低沸点作動媒体液面が伝熱管よりも上になるように制御して、低沸点作動媒体の過剰な過熱を抑制し、熱エネルギーを有効的に発電システム内に取り込み、膨張発電機の発電出力から温水・冷水ポンプなどの補機の消費電力を差し引いた正味の発電出力が最大となるような制御方法となっている。
ところが、蒸発器としてプレート方式を用いる場合には、積層したプレート間の狭い空間を気液二相流となった低沸点作動媒体が流れるため、気体と液体の界面を判別することは難しい。また、発電システムの小型化を図る上では、蒸発器の体積当たり伝熱面積からプレート方式が推奨されるため、特許文献1の制御方法は、多くのバイナリー発電システムに適用ができない。
また、特許文献2も、蒸発器に設けられた液面計により、蒸発器内の低沸点作動媒体液面高さを計測し、その値から低沸点作動媒体ポンプの出力を調整する制御方法であるが、特許文献1と同様に、蒸発器としてプレート方式を用いる場合、液面の計測が困難であり、小型化が要求される一般的なバイナリー発電システムには適用ができない。
特許文献3は、蒸発器内での温水と低沸点媒体のピンチ温度の値から、低沸点作動媒体ポンプを調整し低沸点作動媒体流量を制御する制御方法である。
特許文献4は、蒸発器へと供給される蒸気の入口側の飽和温度と、出口側の飽和温度の差の値から、低沸点作動媒体ポンプを調整し低沸点作動媒体流量を制御する制御方法である。
特許文献5は、凝縮器出口の温度と圧力の値から凝縮器内の低沸点作動媒体液面高さを把握し、低沸点作動媒体の流量や冷水の流量を調整して制御する制御方法である。
特許文献3,特許文献4,特許文献5のいずれも、制御の要となる閾値は、試験から得られた試験データをグラフに可視化した後、人間の主観的な判断で決定されたものであるため、それほど多くのパラメータを扱えるわけでもなく、せいぜい2~3個のパラメータ値から正味電力を最大化できる近傍の閾値を決定するに止まる。さらに、試験を行った条件と異なる適用条件におけるバイナリー発電システムの稼動においては、試験データとは異なるパラメータ値において正味の発電出力が最大化することもあるため、このような限られた条件で決定された閾値で制御されるバイナリー発電システムでは、正味の発電出力を最大化できる適用条件が狭く限られたものとなってしまう。
また、バイナリー発電システムの稼動に必要となる補機は、低沸点作動媒体ポンプや電動流量調節弁のみではなく、熱源流体ポンプ、冷媒ポンプ、冷却塔ファン、膨張発電機の冷却媒体ポンプなど複数あり、正味の発電出力の最大化を図るに当たっては、これら補機よる消費電力を最小化する制御も必要であるが、特許文献3,特許文献4,特許文献5のいずれも、そこまでの制御を行っておらず、正味の発電出力の最大化の実現には不十分である。
特許文献6は、温水の2次利用も考慮し、温水出口温度を一定としながら、正味の発電出力の最大化を図るために、蒸発器の手前にある減圧調整弁を調整して、低沸点作動媒体の流量を制御している。ところが、バイナリー発電システムの原理として、蒸発器内に流入した低沸点作動媒体が温熱源より熱エネルギーの供給を受け、膨張し高圧蒸気へとなるものであるため、蒸発器の手前にある減圧調整弁が、進行方向にある蒸発器内の圧力を調整することは、そもそも不可能なことである。さらに、補機による消費電力を最小化する制御を行っておらず、正味の発電出力の最大化の実現には不十分である。
また、正味の発電出力の最大化の実現はもちろんのことであるが、安定して安全に発電システムの稼動を継続することが、電力というインフラの特性上、重要である。しかしながら、発電出力を高めることは、膨張発電機をより高速に回転させることになるため、この相反する傾向になる要望(正味の発電出力の最大化と、安定して安全に)を満たしながら制御を行っていくことは、従来のシーケンス制御のようにあらかじめ閾値を決めておいて、スイッチをON-OFFしたり、出力を調整するだけでは、最適化が困難である。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、幅広い適用の条件において、供給された温熱源の熱エネルギーを有効活用し、正味の発電出力を最大化かつ安定して安全に制御できるバイナリー発電システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するためのバイナリー発電システムは、以下の通りである。
本発明のうち請求項1に記載の発明は、熱源流体の熱エネルギーにより低沸点作動媒体を蒸発させる蒸発器と、前記蒸発器において蒸発して高圧となった前記低沸点作動媒体によって回転駆動し発電する膨張発電機と、前記膨張発電機を出て低圧となった前記低沸点作動媒体を冷媒により冷却し凝縮させる凝縮器と、前記凝縮器から前記蒸発器に向かって前記低沸点作動媒体を循環させる低沸点作動媒体ポンプとを備えた、バイナリー発電システムにおいて、
前記システム内を通過あるいは循環する流体用の配管各部に、温度・圧力・流量の少なくとも1つを計測可能な第1の計測機器と、
前記システム内にある前記膨張発電機・流体を圧送するポンプ・流体を冷却するファンの少なくとも1つに温度・圧力・振動の少なくとも1つを計測可能な第2の計測機器と、
前記システム内にある前記膨張発電機・前記流体を圧送するポンプ・前記流体を冷却するファンの少なくとも1つに設けた電力計と、
前記第1および第2の計測機器と前記電力計からの信号を受信し、入力パラメータとして演算し、前記流体を圧送するポンプ・前記流体を冷却するファン・流量調節弁の少なくとも1つへの制御値を送信が可能な制御部とを備え、
過去から現在に至る入力パラメータと制御値に基づいて機械学習アルゴリズムを用いて、
前記バイナリー発電システムへと供給される熱源流体の熱エネルギー量から変換される、発電量が大きいほど高い報酬として機械学習させ、
前記機械学習アルゴリズムは、正味の発電出力を最大化させる機械学習モデルと、前記膨張発電機の稼動を安定させる機械学習モデルとを生成し、
前記機械学習アルゴリズムに探索の要素を実装し、未知の環境の条件についても入力パラメータを取得するようにし、
前記探索の要素において、未知の環境の条件へ移行する制御ほど、優先して選択され易くして、
前記バイナリー発電システムを制御することを特徴としたバイナリー発電システム。
本発明のうち請求項2に記載の発明は、前記機械学習アルゴリズムは、強化学習・ディープラーニング・深層強化学習の少なくとも1つを用いたことを特徴とする請求項1に記載のバイナリー発電システム。
本発明のうち請求項3に記載の発明は、前記バイナリー発電システム外の周辺に、気温・湿度・風向・風速の少なくとも1つを計測可能な環境計測機器をさらに備え、
前記環境計測機器からの信号を受信し、前記バイナリー発電システムを制御することを可能としたことを特徴とする請求項1ないし2のいずれかに記載のバイナリー発電システム。
本発明のうち請求項4に記載の発明は、前記バイナリー発電システムへと供給される熱源流体の熱エネルギーの発生元となっている熱源が、前記バイナリー発電システムを含む複数の熱需要へと寄与し熱エネルギーを供給している場合において、
前記バイナリー発電システムの外に、熱源流体の熱エネルギーの発生元となっている熱源の熱エネルギー量に関係した情報を得られる熱源計測機器をさらに備え、
前記熱源計測機器からの信号を受信し、前記バイナリー発電システムを含む複数の熱需要の効果及び優先度に応じて、前記バイナリー発電システムへの熱エネルギー供給の割り振りを最適化するように、前記バイナリー発電システムを制御することを可能としたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のバイナリー発電システム。
本発明のうち請求項5に記載の発明は、遠隔地にある他のバイナリー発電システムと、通信回路を用いて直接的に、あるいはクラウドサーバー又はブロックチェーンの少なくとも1つを介して間接的に、情報を共有して機械学習アルゴリズムを用いて演算することを可能とした前記制御部とネットワークシステムとを備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のバイナリー発電システム。
本発明のうち請求項1に記載の発明によれば、過去から現在に至る入力パラメータと駆動パラメータに基づいて機械学習アルゴリズムを用いて、前記バイナリー発電システムへと供給される熱源流体の熱エネルギー量から変換される、発電量が大きいほど高い報酬として、
前記機械学習アルゴリズムは、正味の発電出力を最大化させる機械学習モデルと、前記膨張発電機の稼動を安定させる機械学習モデルとを生成し、
前記機械学習アルゴリズムに探索の要素を実装し、未知の環境の条件についても入力パラメータを取得するようにし、
前記探索の要素において、未知の環境の条件へ移行する制御ほど、優先して選択され易くして、
機械学習を行い、適用された条件において供給された温熱源の熱エネルギーを有効活用し、正味の発電出力を最大化させる制御が可能となる。
本発明のうち請求項2に記載の発明によれば、過去から現在に至る入力パラメータと駆動パラメータに基づいて機械学習アルゴリズムを用いて、前記バイナリー発電システムへと供給される熱源流体の熱エネルギー量から変換される、発電量が大きいほど高い報酬として、より効率的かつ多次元に過去のデータを生かした機械学習を行い、適用された条件において供給された温熱源の熱エネルギーを有効活用し、正味の発電出力を最大化させる制御がより効率的に高性能に、絶妙に可能となる。
本発明のうち請求項3に記載の発明によれば、周辺環境の条件に応じて最適に、適用された条件において供給された温熱源の熱エネルギーを有効活用し、正味の発電出力を最大化させる制御が可能となる。
本発明のうち請求項4に記載の発明によれば、熱源の熱エネルギー量に応じて最適に、適用された条件において供給された温熱源の熱エネルギーを有効活用し、正味の発電出力を最大化させる制御が可能となる。
すなわち、バイナリー発電システムへと供給される熱源流体の熱エネルギーの発生元となっている熱源が、バイナリー発電システムを含む複数の熱需要へと寄与し熱エネルギーを供給している場合において、バイナリー発電システムを含む複数の熱需要の効果及び優先度に応じて、バイナリー発電システムへの熱エネルギー供給の割り振りを最適化するように、バイナリー発電システムが制御を行い、複数の熱需要の効果を損なうことなく、正味の発電出力を最大化させ、結果としてより多くの発電量を得られる。
本発明のうち請求項5に記載の発明によれば、遠隔地にある同様のバイナリー発電システムが取得した、過去から現在に至る入力パラメータと駆動パラメータに基づいて、機械学習を行い、適用された条件において供給された温熱源の熱エネルギーを有効活用し、さらに効率的に迅速に正味の発電出力を最大化させる制御が可能となる。
以上、本発明のバイナリー発電システムによれば、幅広い適用条件において供給された温熱源の熱エネルギーを有効活用し、効率的に迅速に高性能かつ絶妙に正味の発電出力を最大化させることができ、地球温暖化をさせることなく、拡大していく電力需要に対し、より多くの電力供給を行うことができるようになる。
本発明の第1実施形態に係るバイナリー発電システムを模式的に示している。 図1に示す「制御部」のハードウェア及び通信ネットワークの構成を模式的に示している。 本発明の第1実施形態に係る「強化学習」アルゴリズムを模式的に示している。 本発明の第1実施形態に係る「強化学習」アルゴリズム内の状態マトリックスを模式的に示している。 本発明の第1実施形態に係る「強化学習」アルゴリズム内の報酬マトリックスを模式的に示している。 本発明の第1実施形態に係る「強化学習」アルゴリズム内のQマトリックスを模式的に示している。 本発明の第1実施形態に係る機械学習アルゴリズムのフローチャートを示している。
本発明のバイナリー発電システムの実施の形態について、図面に基づいた詳細な説明の前に、まずは概要を説明する。
熱源流体の熱エネルギーにより低沸点作動媒体を蒸発させる蒸発器と、前記蒸発器において蒸発して高圧となった前記低沸点作動媒体によって回転駆動し発電する膨張発電機と、前記膨張発電機を出て低圧となった前記低沸点作動媒体を冷媒により冷却し凝縮させる凝縮器と、前記凝縮器から前記蒸発器に向かって前記低沸点作動媒体を循環させる低沸点作動媒体ポンプとを備えた、バイナリー発電システムであり、前記低沸点作動媒体として、石油系炭化水素や代替フロン・アンモニア等を用い、前記熱源流体の圧送を担う熱源流体ポンプと、前記冷媒の圧送を担う冷媒ポンプと、必要に応じ外気を利用して前記冷媒を冷却する冷却塔ファンを備えている。
さらに、前記膨張発電機の過熱防止のため、前記膨張発電機の筐体を冷却する膨張発電機冷却媒体を圧送する膨張発電機冷却媒体ポンプを備えている。
また、前記低沸点作動媒体ポンプに対し並列となる配管に低沸点作動媒体流量調節弁、必要に応じ同じ機構で、前記熱源流体には熱源流体流量調節弁、前記冷媒には冷媒流量調節弁を備える。
前記低沸点作動媒体ポンプ、前記熱源流体ポンプ、前記冷媒ポンプ、必要に応じ冷却塔ファン、前記膨張発電機冷却媒体ポンプは、それぞれインバータなどの出力調整手段を備え、制御部からの制御信号により、流体を圧送する出力を調節できるようになっている。
また、前記低沸点作動媒体流量調節弁、熱源流体流量調節弁、冷媒流量調節弁なども、前記制御部からの制御信号により、開度を制御し流量を調節できるようになっている。
前記低沸点作動媒体、前記熱源流体、前記冷媒、前記膨張発電機冷却媒体の配管各部には、必要に応じて流体の温度、流量、圧力を計測する手段を備え、計測した計測信号を常時、前記制御部へ送信している。
また、前記膨張発電機が発電している電力、および前記低沸点作動媒体ポンプ、前記熱源流体ポンプ、前記冷媒ポンプ、必要に応じて前記冷却塔ファン、前記膨張発電機冷却媒体ポンプ、それぞれが消費している電力を計測する手段を備え、計測した計測信号を常時、前記制御部へ送信している。
さらに必要に応じて、バイナリー発電システムが設置されている環境の外気温や、熱源流体の熱エネルギーの発生元となっている熱源設備の熱エネルギー量に関係した情報などを計測する手段を備え、計測した計測信号を常時、制御部へ送信している。
一方、本発明によって提供するバイナリー発電システムは、正味の発電出力を最大化させるものであるが、バイナリー発電システムによって人や資産および発電システム自体に対し害を及ぼさないことが大前提であり、安定かつ安全な稼動を確保するための情報や、故障や事故を未然に察知するための情報となる振動や音、温度、圧力などを計測する手段を備え、計測した計測信号を常時、前記制御部へ送信している。
前記制御部では、受信した信号を入力パラメータ値として用いて、正味の発電出力が最大となるような制御信号を演算して出力し送信し、前述したポンプ、流量調節弁などの駆動機器の調節制御を行うことで、バイナリー発電システム全体の制御を行っている。
本発明における「制御部」は、スイッチなどからのビット信号、計測手段からのアナログやデジタル信号、必要に応じてその他の通信による信号を受信可能であり、受信した入力パラメータ値を格納するメモリなどの記憶媒体を備え、過去から現在に至る入力パラメータ値を用い、機械学習やディープラーニングなどの演算が可能であり、演算結果である制御信号をビット信号、アナログ信号、デジタル信号、必要に応じてその他の信号をスイッチやポンプ、流量調節弁などの駆動機器へと送信可能な構成となっている。
単体のコンピュータあるいは制御ユニットのみでは、前述の機能を果たすことが仕様的に困難な場合は、複数のコンピュータあるいは制御ユニットでネットワークを組み作業を補完し合う構成としてもよい。
本発明における「演算」は、機械学習の一つである「単純パーセプトロン」をベースとした、数多くの入力パラメータ値から線形の値を出力できる線形重回帰モデルを用いることを基本とするが、さらに単純パーセプトロンを多層化した「ニューラルネットワーク」をベースとしたディープラーニング(深層学習)を用いてもよい。いずれの演算手法も、過去から現在に至る入力パラメータ値を用いて演算を行い、正味の発電出力を最大化するための制御値を決定するための指標となる予測値を出力する(得る)ことができる。
パーセプトロン(単純パーセプトロン・ニューラルネットワーク)は、脳の神経細胞であるニューロンを模した、学習する識別機械であり、そのアルゴリズム(演算の仕組み)は、過去からのデータを使って最適な重み係数を自動的に学習モデルに学習させた後、入力パラメータ値と掛け合わせ、それらの合計の総入力値が閾値を超えれば、ニューロンが発火するというものである。(この場合の出力は、2つのクラスのどちらに属するかの分類となる)
その単純パーセプトロンをベースとした線形重回帰モデルでは、前述の総入力値を予測値とすることで、数多くの入力パラメータ値から演算し線形の値を予測値として出力することができ、この予測値を指標として用いて、現在値と予測値との定量的な比較および演算によって駆動機器の制御値を決定し、ポンプや流量調節弁に対してアナログ信号、デジタル信号、必要に応じてその他の信号として出力できるのである。さらに、ニューラルネットワークは、単純パーセプトロンを多層化したものであり、より複雑化したアルゴリズムで演算し、さらに精密に予測値を出力させることができる。
本発明においては、各流体の温度、流量、圧力を計測する手段より受信した入力パラメータから学習した線形重回帰モデルを用いて演算した、「正味の発電出力を最大化させる予測値」を指標とすることに加え、安定かつ安全な稼動を確保するための情報や、故障や事故を未然に察知するための情報となる振動や音、温度、圧力などを計測する手段より受信した入力パラメータからも同様に学習した線形重回帰モデルを用いて演算した、「危険を最小化させる予測値」も指標として「評価」し、次の駆動機器の制御値を決定している。
さらに、その制御値による制御が行われた結果として生じた、現状の入力パラメータ値を「制御部」へとフィードバックして「強化学習」を行い、既知のさまざまな外界からの熱エネルギー供給や環境の条件に対する最適化の能力を向上させることができる。
また、未知の領域に対しても制御値の決定にランダムな要素を追加することで「探索」を行い、「正味の発電出力を最大化かつ安定して安全に制御」ができる制御値を探し当てることが可能となる。
そしてさらに、それぞれ遠隔地にある複数のバイナリー発電システムが、インターネット等の通信で直接的に、あるいはクラウドやブロックチェーンなどを介して間接的に、情報を共有して「強化学習」を行い、単体のシステムでは探索の及んでいないはずの環境の条件の領域であっても、短時間で「正味の発電出力を最大化かつ安定して安全に制御」ができるようになることも可能である。
この「探索」と「評価」と「強化学習」の繰り返しは、機械学習やディープラーニングを用いた将棋や囲碁などのアルゴリズムでも、コンピュータの演算能力が許す限りの猛烈な演算速度と回数で行われており、いわゆる名人と呼ばれる人間の棋士を打ち負かす水準に至っている。
以下、本発明のバイナリー発電システムの制御方法およびバイナリー発電システムの実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、第1実施形態のバイナリー発電システム1を模式的に示したものである。
地熱蒸気や熱水あるいは、加熱処理工程のある工場廃熱や、焼却炉の廃熱などから熱エネルギーを回収して生成した熱源流体HWは、熱源流体ポンプ8により圧送され、蒸発器3を通過する。その際に、低沸点作動媒体LMは、低沸点作動媒体ポンプ7により圧送され、前記の熱源流体HWと交差する方向で蒸発器3を通過し、熱源流体HWから熱エネルギーを受け、高圧の蒸気へと状態変化する。高圧の蒸気となった低沸点作動媒体LMは、膨張機4へと流入し膨張することにより回転運動が生じ、その動力が発電機5を回し発電が行われる。なお、膨張機4と発電機5は組み合わせて膨張発電機4,5を構成する。
その後、膨張機4を出て低い圧力となった低沸点作動媒体LMの蒸気は、凝縮器6へと流入し、冷媒ポンプ9により圧送され、低沸点作動媒体LMとは交差する方向で凝縮器6を通過する冷媒CWによって冷却されることで、凝縮し液体となる。液体となった低沸点作動媒体LMは、低沸点作動媒体ポンプ7によって再び蒸発器3へと圧送されることで、この発電サイクル内を循環し、低温な熱源や熱エネルギーの少ない熱源からも、連続的に発電が可能なシステムとなっている。
第1実施形態においては、低沸点媒体として代替フロンを用いており、熱源流体の温度が70℃以上あれば、ゆうに本発明のバイナリー発電システム1を連続稼動させることが可能である。熱源流体HWとしては、地熱蒸気や熱水あるいは、加熱処理工程のある工場廃熱や、焼却炉の廃熱などから熱エネルギーを回収して生成した温水が適当であるが、熱媒油などの流体でも構わない。冷媒CWとしては、冷水を用いており、冷却塔ファン10による空冷により、再び、凝縮器6へ循環させている。
さらに、膨張発電機4,5の過熱防止のため、膨張発電機4,5の筐体を冷却する膨張発電機冷却媒体CMを圧送する膨張発電機冷却媒体ポンプ11と膨張発電機冷却媒体冷却熱交換器12と膨張発電機冷却媒体ストレージタンク13とを備え、循環配管径路を構成している。なお、膨張発電機冷却媒体CMとしては、冷水を用いている。
また、低沸点作動媒体ポンプ7に対し並列となる配管に低沸点作動媒体流量調節弁14、必要に応じ同じ機構で、熱源流体HWには熱源流体流量調節弁15、冷媒には冷媒流量調節弁16を備える。
なお、冷媒分配流量調節弁17は、膨張発電機冷却媒体CMを冷却するための冷媒CWを分配する調節弁である。
低沸点作動媒体ポンプ7、熱源流体ポンプ8、冷媒ポンプ9、必要に応じ冷却ファン10、膨張発電機冷却媒体ポンプ11は、それぞれインバータなどの出力調整手段を備え、制御部2からの制御信号により、流体を圧送する出力を調節できるようになっている。
また、低沸点作動媒体流量調節弁14、熱源流体流量調節弁15、冷媒流量調節弁16、冷媒分配流量調節弁17なども、制御部2からの制御信号により、開度を制御し流量を調節できる構成となっている。
低沸点作動媒体LM、熱源流体HW、冷媒CW、膨張発電機冷却流体CMの配管各部には、各流体の状態を計測するための温度計T,T,T,T,TH1,TH2,TC1,TC2,TT1,TT2、流量計F,F,F,F、圧力計P,P,P,Pを備え、計測信号を常時、制御部2へ送信できる構成となっている。
また、安定かつ安全な稼動を確保するための情報や、故障や事故を未然に察知するための情報として、膨張発電機4,5筐体に温度計T、振動計Vを、低沸点作動媒体ポンプ筐体に振動計Vを備え、計測信号を常時、制御部2へ送信できる構成となっている。
さらに、バイナリー発電システム1が設置されている環境の条件を気温計T、湿度計WETで計測し、熱源流体の熱エネルギーの発生元となっている熱源設備の熱エネルギー量に関係した情報などを計測する手段として温度計T、流量計Fを備え、計測信号を常時、制御部2へ送信できる構成となっている。
また、膨張発電機4,5における発電端出力を計測する電力計W、熱源流体ポンプ8、冷媒ポンプ9、冷却塔ファン10、および低沸点作動媒体ポンプ7、膨張発電機冷却媒体ポンプ11、それぞれが消費している電力を計測する電力計W,W,W,W,Wを備え、計測信号を常時、制御部2へ送信できる構成となっている。
制御部2では、受信した信号を入力パラメータ値として用いて演算し機械学習モデルを構築し、その学習済み機械学習モデルでいくつかの制御パターンを探索し予測値を出力し、それらの予測値を安全性・安定性なども加味して評価し、最終的に正味の発電出力が最大となるような制御値を決定し送信をする。その送信された制御値によって、駆動機器である低沸点作動媒体ポンプ7、熱源流体ポンプ8、冷媒ポンプ9、冷却塔ファン10、膨張発電機冷却媒体ポンプ11などの出力、低沸点作動媒体流量調節弁14、熱源流体流量調節弁15、冷媒流量調節弁16、冷媒分配流量調節弁17などの開度が調節制御されることで、バイナリー発電システム1全体の制御ができるコンピュータ・通信ネットワーク・アルゴリズムの構成となっている。
さらに、制御に用いられた制御値によって生じた結果である、現状の入力パラメータ値を機械学習モデルへとフィードバックして、機械学習モデルを更新する「強化学習」ができるコンピュータ・通信ネットワーク・アルゴリズムの構成となっている。
図2は、第1実施形態の制御部2のハードウェアとなるコンピュータ・通信ネットワーク構成を模式的に示したものである。
第1実施形態の制御部2は、3つのコンピュータで構成されており、機械学習やディープラーニングなどのアルゴリズムによって演算を行う「マイクロコンピュータ101」、計測機器からの計測信号の受信、ラダープログラムによる信号の切り替え、駆動機器への制御値の送信を行う「プログラマブルコントローラ102」、発電機5において発電した電力を系統連係可能な電圧・周波数・位相へと変換する電力変換器の制御を行う「電力変換コントローラ103」から成る。
マイクロコンピュータ101とプログラマブルコントローラ102の間は、イーサネット通信による情報の送受信が可能となっている。さらに、プログラマブルコントローラ102は、ロガーとしての機能を有しており、長時間の入力パラメータ値や制御値のログを記録することができ、クラウドサーバーとのイーサネット通信により、単体のシステムでは探索の及んでいない環境の条件の情報をダウンロードして取得したり、遠隔地の他のバイナリー発電システムのために自身の情報をアップロードして提供したりすることが可能である。このように、ネットワーク経由で取得した情報もマイクロコンピュータ101が予測値の演算のための入力パラメータ値として利用することができる。
すなわち、計測機器やネットワークからの計測信号および情報の受信、それらを入力パラメータ値として、機械学習やディープラーニングなどのアルゴリズムによって演算を行い、正味の発電出力が最大となる予測値や、発電システムの危険を最小化する予測値を得、それらを評価して制御値を決定し駆動機器へと制御値を送信する、という機能の大部分は、マイクロコンピュータ101とプログラマブルコントローラ102の2つが担っている。
電力変換コントローラ103は、発電機5において発電した電力を系統連係可能な電圧・周波数・位相へと変換する電力変換器の制御をするが、プログラマブルコントローラ102とは、シリアル通信が可能となっており、発電システムの安定性や安全性を確保していくために必要な情報や指令の送受信を行っており、その情報はマイクロコンピュータ101が制御値を決定するための評価において大きな影響力を持っている。
すなわち、電力変換コントローラ103は、バイナリー発電システム1の第一の目的である発電を行うハードウェア(強電回路)に最も近いところにあり、系統における停電や、膨張発電機の機械的不具合や、電力変換器の電気的不具合を、リアルタイムに検知し、プログラマブルコントローラ102へ信号を発しバイナリー発電システム1を緊急停止させるなど、発電システムの安定性や安全性の根幹を担っている。そのため、プログラマブルコントローラ102と電力変換コントローラ103間はイーサネット通信を用いない。
また、万一のハッキングなどによるマイクロコンピュータ101の誤動作が生じた場合も、プログラマブルコントローラ102と電力変換コントローラ103の2つだけで、従来型のシーケンス制御によるバイナリー発電システム1の制御が可能な構成となっている。
図3は、第1実施形態のアルゴリズムである「強化学習」について模式的に示したものである。「強化学習」とは、ある環境にあるエージェントが現在の状態sを観測し、取るべき行動aを決定する問題を扱う機械学習の一種である。エージェントは行動を選択し実行することで環境から報酬Rt+1を得、一連の行動を通じて報酬が最も多く得られる方策を学習する。
第1実施形態において、エージェントは「バイナリー発電システム」であり、「強化学習」のアルゴリズムにより、「正味の発電出力を最大化かつ安定して安全に制御」が可能となる。
また、方策とは「エージェントがどのように行動するのか定めたルール」のことであり、「強化学習」というカテゴリーの中でも、さまざまなアルゴリズムがあり、それぞれ方策が異なる。
第1実施形態における方策には「Q学習」アルゴリズムを用い、「行動価値関数Q(s,a)」を状態sと行動aと報酬Rt+1から強化学習(更新)させ、「正味の発電出力を最大化かつ安定して安全に制御」できるよう、エージェントの行動(制御値)を決定していく。
ただし、「行動価値関数Q(s,a)」が、さまざまな状態sを経験して学習されたものでない場合、中途半端な状態でエージェントの行動(制御値)が確定してしまい、「正味の発電出力を最大化かつ安定して安全に制御」という目的を達成できないおそれがある。
そこで、方策にイレギュラーな要素も加え未知の領域も経験させるため、「ε-greedy法」を用い、1ターン毎にパラメータεの割合(確率)で、エージェントの行動(制御値)をランダムに決定する。
すなわち、「Q学習」が「評価」、「ε-greedy法」が「探索」を請け負い、「強化学習」によって最適化する学習を行い、バイナリー発電システムの「正味の発電出力を最大化かつ安定して安全に制御」を可能とする。
図4は、第1実施形態のアルゴリズムにおいて、すべての演算の基準となる「状態マトリックス」を模式的に示したものである。実際の計測パラメータ値や駆動パラメータ値が次元(軸)となった配列(マトリックス)に「正味の発電出力」を格納したパワーマトリックス、「タービン発電機の安定度」を格納したタービンマトリックス、「その状態を経験した回数」を格納したカウントマトリックスの3つの状態マトリックスを定義している。なお、「タービン発電機の安定度」は、タービン発電機に取り付けた温度センサーおよび振動センサーの計測値から導出した値(指標)である。
これらの「状態マトリックス」のうちパワーマトリックスやタービンマトリックスの値は、現在の計測パラメータ値や駆動パラメータ値とそれらマトリックスに格納されている値を用いて、随時、演算され更新される。このとき、カウントマトリックスの値が大きいほど重み付けされ更新の度合いが少なくなる更新の式をつくる。すなわち、過去の経験を経て繰り返し更新されたパワーマトリックスやタービンマトリックスの値は重視され、イレギュラーな値によって軽々と値が更新されないように防ぐのである。
例えば、パワーマトリックスの更新の式を
((パワーマトリックス値)×(カウントマトリックス値)+(現在の正味の発電出力))÷((カウントマトリックス値)+1)
としてみてもよい。タービンマトリックスの更新式についても同様である。
カウントマトリックスは、単純に1を加算する更新でよい。しかしながら、この値も大きくなり過ぎると更新が全く効かなくなるため、上限値を適当な値(例えば100)で定めてもよい。上限値が小さければ変化への対応はよいが、イレギュラーな値を反映して更新し易く、稼動が安定しなくなる。
なお、「状態マトリックス」の次元は、計測パラメータと駆動パラメータの要素を合計した高次元な配列となっているため、限られたマイクロコンピュータの計算能力と記憶能力を考慮すれば、制御部に送信される入力パラメータ(要素)の全てではなく、効果的と思われる入力パラメータ(要素)に絞って厳選せざるを得ない。
図5は、第1実施形態のアルゴリズムにおいて、評価に用いられる「報酬マトリックス」を模式的に示したものである。パワーマトリックスとタービンマトリックスに格納された値を用い、単層パーセプトロンによる重回帰分析により演算を行い、探索の及んでいないはずの条件の領域も「正味の発電出力を最大化させる予測値」「危険を最小化させる予測値(タービン発電機の安定度)」を導出し、その予測値で仮想的なパワーマトリックスと仮想的なタービンマトリックスを完成させ、それらの値をパラメータとして用いて演算し導出した報酬Rを「報酬マトリックス」へと格納(更新)していく。
なお、報酬Rの更新式は「正味の発電出力を最大化させる予測値」をプラス報酬、「タービン発電機の安定度の予測値」をマイナス報酬として、それらの重視の度合いによって定めた係数を乗じたものを統合したものである。
例えば、報酬Rの更新式を
(係数1)×(正味の発電出力を最大化させる予測値)-(係数2)×(タービン発電機の安定度の予測値)
としてみてもよい。
仮想的なパワーマトリックスと仮想的なタービンマトリックスとは、報酬Rを導出するための一時的なパラメータの集合(機械学習モデルP・機械学習モデルT)であり、現在の状態において最適な行動を採るために必要な領域の予測値を導出すればよい。
第1実施形態のアルゴリズムにおいて、7次元もの高次元で構成されたパワーマトリックスとタービンマトリックスについて、さらに予測値で7次元もの仮想的なパワーマトリックスと仮想的なタービンマトリックスを完成させることは、マイクロコンピュータ101に対し膨大な計算能力と記憶能力を求めることとなり、消費電力やイニシャルコストの観点から避けた方が賢明である。
また、予測値を導出すべき、現在の状態において最適な行動を採るために必要な領域については、実際に第1実施形態のバイナリー発電システムを稼動させ、さまざまなパラメータのログを取得し解析し、調整を繰り返した後、適当な領域を決定する。
なお、「報酬マトリックス」の次元は、状態sの駆動パラメータの要素と同じであり、第1実施形態においては、低沸点作動媒体ポンプ11出力(%)、低沸点作動媒体流量調節弁14開度(%)、冷却塔ファン10および冷媒ポンプ9出力(%)の3次元の配列である。(第1実施形態では、マイクロコンピュータ101への計算負荷を減らすため、冷却塔ファン10と冷媒ポンプ9の出力(%)を同じとした)
図6は、第1実施形態のアルゴリズムにおいて、エージェントの行動(制御値)を決定する方策となる「Qマトリックス」を模式的に示したものである。
第1実施形態のアルゴリズムにおいては、「Qマトリックス」の次元は「報酬マトリックス」と同様に状態sの駆動パラメータの要素数であるが、さらに行動aを選択した場合の「行動価値関数Q(s,a)」(Q値)が配列(27個の値)として格納されている。
行動aの選択肢は、状態sの駆動パラメータ3要素をそれぞれ「1増やす・1減らす・現状のまま」とするがあり、
合計で27つの選択肢(図6中の行動a配列番号と制御値増減の対応表を参照)がある。
「行動価値関数Q(s,a)」は、状態sと行動aと報酬Rt+1をパラメータとして、随時、更新(「強化学習」)され、「正味の発電出力を最大化かつ安定して安全に制御」できるよう、エージェントの行動(制御値)を決定する方策として利用される。
第1実施形態の「Q学習」アルゴリズムにおいては、「Qマトリックス」に格納された「行動価値関数Q(s,a)」(Q値)が最大の行動aが選択「評価」され、エージェントの行動(制御値)として決定される。
さらに、探索の及んでいないはずの条件の領域も「探索」させるため、「ε-greedy法」を用い、1ステップ毎にパラメータεの割合(確率)で、エージェントの行動(制御値)をランダムに決定する。なお、パラメータεは0~1の値であり、大きな値ほどエージェントの行動(制御値)がランダムな動作となる「探索」のアルゴリズムとなる。
さらに、この「探索」において、カウントマトリックス値の小さい状態st+1へと移行する行動aが選択され易いように、逆の重み付けをランダムに決定する際に、加えてもよい。
すなわち、第1実施形態のアルゴリズムにおいては、行動aの27の選択肢が、均等な確率で割り振りされるのではなく、カウントマトリックス値の小さい状態st+1へと移行する行動aについては高確率、カウントマトリックス値の大きい状態st+1へと移行する行動aについては低確率となるように、ランダムの出目を調整するのである。
前述の第1実施形態のアルゴリズムによって、エージェントの行動(制御値)は決定され、それによって環境変化した計測パラメータ値が制御部2に送信され、「状態マトリックス」「報酬マトリックス」および「行動価値関数Q(s,a)」の更新(「強化学習」)が繰り返し行われ、情報の蓄積と強化学習により、エージェントである「バイナリー発電システム」は、「正味の発電出力を最大化かつ安定して安全に制御」が可能となる。
例えば、バイナリー発電システム1の凝縮器6において、低沸点作動媒体LMの気体と液体の状態の体積差(1000倍程)によって生み出される吸引力も、膨張機4の回転運動へ寄与するため、膨張機4より出た気体の低沸点作動媒体LMを液体へと状態変化させるのに充分な量の冷媒CWの供給がなされればよい。冷媒ポンプ9による過剰な冷媒CWの供給や、冷却塔ファン10による過剰な冷媒CWの冷却は、冷媒ポンプ9や冷却塔ファン10の消費電力を高めるだけで、発電出力を高めないため、正味の電力出力を低下させることとなる。
すなわち、環境(条件)の外気温度が低かったり、湿度が低い状態sにおける、冷媒ポンプや冷却塔ファンの出力を過剰に増す行動aについては、「行動価値関数Q(s,a)」の値は低くなる。このようにしてバイナリー発電システム1は、最適な行動を採れるように学習していく。
図7は、前述の第1実施形態の機械学習アルゴリズムの概要をまとめてフローチャートとして示したものである。
ステップ1として、まず、環境(計測パラメータ)やエージェント(駆動パラメータ)の情報(値)をセンサーで取得、
ステップ2として、それら取得した情報(値)から、▲1▼状態マトリックス、▲2▼報酬マトリックス、▲3▼Qマトリックスへの値の導出と格納(更新)を行い、
ステップ3として、最終的にそれら指標に基づき行動を決定する、
流れとなっている。
なおステップ4として、バイナリー発電システム全体のハード仕様(機械・電気)において安全性の担保の取れていない制御値の範囲については、安全性フィルターによって精査され、制御値を送信できないアルゴリズムとしている。
さらに、第1実施形態の制御部2を構成している、プログラマブルコントローラ102において、バイナリー発電システムが安全な状態でない場合には、非常開放弁の開放や、緊急停止モードへの移行をするなど安全動作への移行をする、シーケンス制御を実装しておくことは、言及するまでもない。
また、初期状態においては、状態マトリックス、報酬マトリックス、Qマトリックスのほとんどの領域が空の状態であるため、バイナリー発電システムにタッチパネルを実装し、タッチパネルからの手動操作で制御値の変更を行ってやり、人が指導してあげることで、エージェントである「バイナリー発電システム」は、短時間で「正味の発電出力を最大化かつ安定して安全に制御」が可能としてもよい。しかしながら、この場合、人がよかれと思う制御値へと導くため、実際に短時間であるかは、不確かさがある。
そこで、第1実施形態の制御部2は、クラウドサーバーとのイーサネット通信により、遠隔地にある「バイナリー発電システム」とも情報(計測ロギングデータ・ダイジェストデータ等)を共有させ、エージェントである「バイナリー発電システム」は、エージェント同士が指導と学習を行うことで、短時間で「正味の発電出力を最大化かつ安定して安全に制御」が可能となる。
また、制御部2において、より計算能力の高いマイクロコンピュータ101を実装することにより、前述よりも入力パラメータ(要素)数を増したより高次元の「状態マトリックス」を定義することもでき、より環境(条件)に詳細に適応したより高次元の「報酬マトリックス」を、より広い領域の単層パーセプトロンによる線形重回帰モデル(機械学習モデルP・機械学習モデルT)を生成し、それらを用い導出可能となる。
さらに、計算能力の向上により「行動価値関数Q(s,a)」の表現をディープラーニングとした「Deep Q-network」等のアルゴリズムを用いることによって、より多くの次元数の状態s、より多くの選択肢の行動aをパラメータとして扱って演算し、エージェントである「バイナリー発電システム」の「正味の発電出力を最大化かつ安定して安全に制御」が、より高いパフォーマンスで行うことが可能となる。
1 バイナリー発電システム
2 制御部
3 蒸発器
4 膨張機
5 発電機
6 凝縮器
7 低沸点作動媒体ポンプ
8 熱源流体ポンプ
9 冷媒ポンプ
10 冷却塔ファン
11 膨張発電機冷却媒体ポンプ
12 膨張発電機冷却媒体冷却熱交換器
13 膨張発電機冷却媒体ストレージタンク
14 低沸点作動媒体流量調節弁
15 熱源流体流量調節弁
16 冷媒流量調整弁
17 冷媒分配流量調節弁
101 マイクロコンピュータ
102 プログラマブルコントローラ
103 電力変換コントローラ
気温計
WET 湿度計
熱源設備熱源温度計
熱源設備熱源流量
HW 熱源流体
CW 冷媒
LM 低沸点作動媒体
CM 膨張発電機冷却媒体
低沸点作動媒体ポンプ前温度計
低沸点作動媒体ポンプ後温度計
低沸点作動媒体膨張機前温度計
低沸点作動媒体膨張機後温度計
H1 熱源流体蒸発器入口温度計
H2 熱源流体蒸発器出口温度計
C1 冷媒凝縮器入口温度計
C2 冷媒凝縮器出口温度計
T1 膨張発電機冷却媒体発電機前温度計
T2 膨張発電機冷却媒体発電機後温度計
膨張発電機温度計
熱源流体流量計
冷媒流量計
低沸点作動媒体流量計
膨張発電機冷却媒体流量計
低沸点作動媒体ポンプ前圧力計
低沸点作動媒体ポンプ後圧力計
低沸点作動媒体膨張機前圧力計
低沸点作動媒体膨張機後圧力計
膨張発電機振動計
低沸点作動媒体ポンプ振動計
発電機出力電力計
熱源流体ポンプ電力計
冷媒ポンプ電力計
冷却塔ファン電力計
低沸点作動媒体ポンプ電力計
膨張発電機冷却媒体ポンプ電力計

Claims (5)

  1. 熱源流体の熱エネルギーにより低沸点作動媒体を蒸発させる蒸発器と、前記蒸発器において蒸発して高圧となった前記低沸点作動媒体によって回転駆動し発電する膨張発電機と、前記膨張発電機を出て低圧となった前記低沸点作動媒体を冷媒により冷却し凝縮させる凝縮器と、前記凝縮器から前記蒸発器に向かって前記低沸点作動媒体を循環させる低沸点作動媒体ポンプとを備えた、バイナリー発電システムにおいて、
    前記システム内を通過あるいは循環する流体用の配管各部に、温度・圧力・流量の少なくとも1つを計測可能な第1の計測機器と、
    前記システム内にある前記膨張発電機・流体を圧送するポンプ・流体を冷却するファンの少なくとも1つに温度・圧力・振動の少なくとも1つを計測可能な第2の計測機器と、
    前記システム内にある前記膨張発電機・前記流体を圧送するポンプ・前記流体を冷却するファンの少なくとも1つに設けた電力計と、
    前記第1および第2の計測機器と前記電力計からの信号を受信し、入力パラメータとして演算し、前記流体を圧送するポンプ・前記流体を冷却するファン・流量調節弁の少なくとも1つへの制御値を送信が可能な制御部とを備え、
    過去から現在に至る入力パラメータと制御値に基づいて機械学習アルゴリズムを用いて、
    前記バイナリー発電システムへと供給される熱源流体の熱エネルギー量から変換される、発電量が大きいほど高い報酬として機械学習させ、
    前記機械学習アルゴリズムは、正味の発電出力を最大化させる機械学習モデルと、前記膨張発電機の稼動を安定させる機械学習モデルとを生成し、
    前記機械学習アルゴリズムに探索の要素を実装し、未知の環境の条件についても入力パラメータを取得するようにし、
    前記探索の要素において、未知の環境の条件へ移行する制御ほど、優先して選択され易く して、
    前記バイナリー発電システムを制御することを特徴としたバイナリー発電システム。
  2. 前記機械学習アルゴリズムは、強化学習・ディープラーニング・深層強化学習の少なくとも1つを用いたことを特徴とする請求項1に記載のバイナリー発電システム。
  3. 前記バイナリー発電システム外の周辺に、気温・湿度・風向・風速の少なくとも1つを計測可能な環境計測機器をさらに備え、
    前記環境計測機器からの信号を受信し、前記バイナリー発電システムを制御することを可能としたことを特徴とする請求項1ないし2のいずれかに記載のバイナリー発電システム。
  4. 前記バイナリー発電システムへと供給される熱源流体の熱エネルギーの発生元となっている熱源が、前記バイナリー発電システムを含む複数の熱需要へと寄与し熱エネルギーを供給している場合において、
    前記バイナリー発電システムの外に、熱源流体の熱エネルギーの発生元となっている熱源の熱エネルギー量に関係した情報を得られる熱源計測機器をさらに備え、
    前記熱源計測機器からの信号を受信し、前記バイナリー発電システムを含む複数の熱需要の効果及び優先度に応じて、前記バイナリー発電システムへの熱エネルギー供給の割り振りを最適化するように、前記バイナリー発電システムを制御することを可能としたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のバイナリー発電システム。
  5. 遠隔地にある他のバイナリー発電システムと、通信回路を用いて直接的に、あるいはクラウドサーバー又はブロックチェーンの少なくとも1つを介して間接的に、情報を共有して機械学習アルゴリズムを用いて演算することを可能とした前記制御部とネットワークシステムとを備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のバイナリー発電システム。
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