以下において、実施形態に係る移動通信システムについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なる場合があることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[開示の概要]
背景技術で触れた移動通信システムでは、サービングセルとして用いる対象セルの選択において、各セルの負荷が考慮されていない。従って、各セルの負荷分散を適切に行えない可能性がある。
開示の概要に係るユーザ端末は、異なる周波数で運用される複数のセルの中からサービングセルとして用いる対象セルを選択する制御部と、前記対象セルの再選択を要求する再選択要求信号を現在のサービングセルから受信する受信部とを備える。前記制御部は、前記再選択要求信号の受信に応じて、前記対象セルの再選択を行う。
開示の概要に係るユーザ端末は、異なる周波数で運用される複数のセルの中からサービングセルとして用いる対象セルを選択する制御部と、現在のサービングセルから報知されるページング信号を受信する受信部とを備える。前記制御部は、前記ページング信号に含まれる再選択要求信号に応じて、前記対象セルの再選択を行う。
開示の概要に係る無線基地局は、異なるページング機会でページング信号を報知する送信部を備える。前記送信部は、異なる周波数で運用される複数のセルの中からサービングセルとして用いる対象セルの再選択を要求する再選択要求信号を含む前記ページング信号を報知する。
開示の概要に係るユーザ端末は、異なる周波数で運用される複数のセルの中からサービングセルとして用いる対象セルを選択する制御部と、前記対象セルの再選択を要求する再選択要求信号を現在のサービングセルから受信する受信部とを備える。前記制御部は、前記再選択要求信号に依存しないトリガーに応じて、第1再選択処理を行うとともに、前記再選択要求信号の受信に応じて、前記第1再選択処理とは異なる第2再選択処理を行う。
開示の概要に係るユーザ端末は、異なる周波数で運用される複数のセルの中からサービングセルとして用いる対象セルを選択する制御部を備える。前記対象セルの再選択において測定対象又は選択対象の周波数である測定対象周波数は、現在のサービングセルから報知されている報知情報に含まれている。前記制御部は、周波数の優先度に基づいて、前記測定対象周波数を絞り込む。
開示の概要に係るユーザ端末は、異なる周波数で運用される複数のセルの中からサービングセルとして用いる対象セルを選択する制御部と、前記対象セルの再選択を要求する再選択要求信号を現在のサービングセルから受信する受信部とを備える。前記制御部は、前記サービングセルとして選択される前記対象セルを配分するための再配分パラメータを前記現在のサービングセルから受信している場合に、前記再選択要求信号の受信に応じて、前記再配分パラメータを用いた第1再配分処理を行い、前記再配分パラメータを前記現在のサービングセルから受信していない場合に、前記再選択要求信号の受信に応じて、前記再配分パラメータを用いない第2再配分処理を行う。
開示の概要に係るユーザ端末は、異なる周波数で運用される複数のセルの中からサービングセルとして用いる対象セルを選択する制御部と、前記対象セルの再選択を要求する再選択要求信号を現在のサービングセルから受信する受信部とを備える。前記制御部は、前記再選択要求信号の受信に応じて、ターゲット周波数のセルへの前記対象セルの再選択を行うとともに所定タイマを起動する。前記制御部は、前記所定タイマの起動中において前記ターゲット周波数のセルを前記対象セルとして用いる。前記制御部は、前記ユーザ端末の移動速度に基づいて前記所定タイマの満了時間を変更する。
開示の概要に係るユーザ端末は、異なる周波数で運用される複数のセルの中からサービングセルとして用いる対象セルを選択する制御部と、前記対象セルの再選択を要求する再選択要求信号を現在のサービングセルから受信する受信部とを備える。前記制御部は、前記再選択要求信号の受信に応じて、ターゲット周波数のセルへの前記対象セルの再選択を行うとともに所定タイマを起動する。前記制御部は、前記所定タイマの起動中において前記ターゲット周波数のセルを前記対象セルとして用いる。前記制御部は、前記所定タイマの停止を要求する停止要求信号を受信した場合に、前記所定タイマを停止する。
開示の概要に係るユーザ端末は、異なる周波数で運用される複数のセルの中からサービングセルとして用いる対象セルを選択する制御部と、前記対象セルの再選択を要求する再選択要求信号を現在のサービングセルから受信する受信部とを備える。前記制御部は、前記再選択要求信号の受信に応じて、ターゲット周波数のセルへの前記対象セルの再選択を行うとともに所定タイマを起動する。前記制御部は、前記所定タイマの起動中において前記ターゲット周波数のセルを前記対象セルとして用いる。前記制御部は、前記所定タイマの起動中における異周波数再選択要求信号の受信に応じて、異周波数のセルへの前記対象セルの再選択を行う。
開示の概要に係るユーザ端末によれば、各セルの負荷分散を適切に行うことができる。言い換えると、RRCアイドル状態のユーザ端末を各セルに適切に配分することができる。
[第1実施形態]
以下において、移動通信システムとして、3GPP規格に基づいたLTEシステムを例に挙げて、第1実施形態を説明する。
(システム構成)
第1実施形態に係るLTEシステムのシステム構成について説明する。図1は、第1実施形態に係るLTEシステムの構成図である。
図1に示すように、第1実施形態に係るLTEシステムは、UE(User Equipment)100、E−UTRAN(Evolved−UMTS Terrestrial Radio Access Network)10、及びEPC(Evolved Packet Core)20を備える。
UE100は、ユーザ端末に相当する。UE100は、移動型の通信装置であり、eNB200によって形成されるセル(UE100がRRCコネクティッド状態である場合には、サービングセル)との無線通信を行う。UE100の構成については後述する。
E−UTRAN10は、無線アクセスネットワークに相当する。E−UTRAN10は、eNB200(evolved Node−B)を含む。eNB200は、無線基地局に相当する。eNB200は、X2インターフェイスを介して相互に接続される。eNB200の構成については後述する。
eNB200は、1又は複数のセルを形成しており、自セルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。eNB200は、無線リソース管理(RRM)機能、ユーザデータのルーティング機能、モビリティ制御・スケジューリングのための測定制御機能などを有する。「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として使用される他に、UE100との無線通信を行う機能を示す用語としても使用される。
EPC20は、コアネットワークに相当する。EPC20は、MME(Mobility Management Entity)/S−GW(Serving−Gateway)300を含む。MMEは、UE100に対する各種モビリティ制御などを行う。S−GWは、ユーザデータの転送制御を行う。MME/S−GW300は、S1インターフェイスを介してeNB200と接続される。なお、E−UTRAN10及びEPC20は、LTEシステムのネットワークを構成する。
図2は、UE100のブロック図である。図2に示すように、UE100は、複数のアンテナ101、無線送受信機110、ユーザインターフェイス120、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機130、バッテリ140、メモリ150、及びプロセッサ160を備える。メモリ150及びプロセッサ160は、制御部を構成する。無線送受信機110及びプロセッサ160は、送信部及び受信部を構成する。UE100は、GNSS受信機130を有していなくてもよい。また、メモリ150をプロセッサ160と一体化し、このセット(すなわち、チップセット)をプロセッサとしてもよい。
アンテナ101及び無線送受信機110は、無線信号の送受信に用いられる。無線送受信機110は、プロセッサ160が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナ101から送信する。また、無線送受信機110は、アンテナ101が受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換してプロセッサ160に出力する。
ユーザインターフェイス120は、UE100を所持するユーザとのインターフェイスであり、例えば、ディスプレイ、マイク、スピーカ、及び各種ボタンなどを含む。ユーザインターフェイス120は、ユーザからの操作を受け付けて、受け付けた操作の内容を示す信号をプロセッサ160に出力する。GNSS受信機130は、UE100の地理的な位置を示す位置情報を得るためにGNSS信号を受信するとともに、受信されたGNSS信号をプロセッサ160に出力する。バッテリ140は、UE100の各ブロックに供給すべき電力を蓄える。
メモリ150は、プロセッサ160により実行されるプログラム、及びプロセッサ160による処理に使用される情報を記憶する。プロセッサ160は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ150に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)とを含む。プロセッサ160は、さらに、音声・映像信号の符号化・復号を行うコーデックを含んでもよい。プロセッサ160は、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
図3は、eNB200のブロック図である。図3に示すように、eNB200は、複数のアンテナ201、無線送受信機210、ネットワークインターフェイス220、メモリ230、及びプロセッサ240を備える。メモリ230及びプロセッサ240は、制御部を構成する。無線送受信機210(及び/又はネットワークインターフェイス220)及びプロセッサ240は、送信部及び受信部を構成する。また、メモリ230をプロセッサ240と一体化し、このセット(すなわち、チップセット)をプロセッサとしてもよい。
アンテナ201及び無線送受信機210は、無線信号の送受信に用いられる。無線送受信機210は、プロセッサ240が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナ201から送信する。また、無線送受信機210は、アンテナ201が受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換してプロセッサ240に出力する。
ネットワークインターフェイス220は、X2インターフェイスを介して隣接eNB200と接続され、S1インターフェイスを介してMME/S−GW300と接続される。ネットワークインターフェイス220は、X2インターフェイス上で行う通信及びS1インターフェイス上で行う通信に用いられる。
メモリ230は、プロセッサ240により実行されるプログラム、及びプロセッサ240による処理に使用される情報を記憶する。プロセッサ240は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ230に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPUとを含む。プロセッサ240は、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
図4は、LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。図4に示すように、無線インターフェイスプロトコルは、OSI参照モデルの第1層乃至第3層に区分されており、第1層は物理(PHY)層である。第2層は、MAC(Medium Access Control)層、RLC(Radio Link Control)層、及びPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層を含む。第3層は、RRC(Radio Resource Control)層を含む。
物理層は、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100の物理層とeNB200の物理層との間では、物理チャネルを介してユーザデータ及び制御情報が伝送される。
MAC層は、データの優先制御、ハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理、及びランダムアクセス手順などを行う。UE100のMAC層とeNB200のMAC層との間では、トランスポートチャネルを介してユーザデータ及び制御情報が伝送される。eNB200のMAC層は、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式(MCS))及びUE100への割当リソースブロックを決定するスケジューラを含む。
RLC層は、MAC層及び物理層の機能を利用してデータを受信側のRLC層に伝送する。UE100のRLC層とeNB200のRLC層との間では、論理チャネルを介してユーザデータ及び制御情報が伝送される。
PDCP層は、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。また、PDCP層には、データユニット(PDCP PDU)を送信するための送信エンティティ又はデータユニット(PDCP PDU)を受信するための受信エンティティが形成されることに留意すべきである。
RRC層は、制御情報を取り扱う制御プレーンでのみ定義される。UE100のRRC層とeNB200のRRC層との間では、各種設定のための制御情報(RRCメッセージ)が伝送される。RRC層は、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとeNB200のRRCとの間に接続(RRC接続)がある場合に、UE100はRRCコネクティッド状態であり、UE100のRRCとeNB200のRRCとの間に接続(RRC接続)がない場合に、UE100はRRCアイドル状態である。
RRC層の上位に位置するNAS(Non−Access Stratum)層は、セッション管理及びモビリティ管理などを行う。
図5は、LTEシステムで使用される無線フレームの構成図である。LTEシステムは、下りリンクにはOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiplexing Access)、上りリンクにはSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)がそれぞれ適用される。
図5に示すように、無線フレームは、時間方向に並ぶ10個のサブフレームで構成される。各サブフレームは、時間方向に並ぶ2個のスロットで構成される。各サブフレームの長さは1msであり、各スロットの長さは0.5msである。各サブフレームは、周波数方向に複数個のリソースブロック(RB)を含み、時間方向に複数個のシンボルを含む。各リソースブロックは、周波数方向に複数個のサブキャリアを含む。1つのシンボル及び1つのサブキャリアにより1つのリソースエレメント(RE)が構成される。また、UE100に割り当てられる無線リソース(時間・周波数リソース)のうち、周波数リソースはリソースブロックにより特定でき、時間リソースはサブフレーム(又はスロット)により特定できる。
(適用シーン)
以下において、適用シーンについて説明する。図6は、第1実施形態に係る適用シーンを説明するための図である。
図6に示すように、複数のeNB200(例えば、eNB200#1、eNB200#2、eNB200#3、eNB200#4)を有する。eNB200#1は、無線通信エリアとしてセル#1を有しており、eNB200#2は、無線通信エリアとしてセル#2を有しており、eNB200#3は、無線通信エリアとしてセル#3−1及びセル#3−2を有しており、eNB200#4は、無線通信エリアとしてセル#4−1及びセル#4−2を有している。
なお、セル#2、セル#3−1、セル#3−2、セル#4−1及びセル#4−2は、セル#1と重複している。また、各セルは、互いに異なる周波数で運用されている。各セルが運用されている周波数には、優先度が定められている。周波数と優先度との対応関係は、eNB200から報知されるシステム情報(SIB;System Information Block)に含まれる。
このような前提下において、UE100は、異なる周波数で運用される複数のセルの中からサービングセルとして用いる対象セルを選択する。具体的には、UE100は、開始条件が満たされた場合に、現在のサービングセルに隣接する隣接セルの品質を測定し、選択条件を満たすセルの中からサービングセルとして用いる対象セルを選択する。
第1に、開始条件は、以下に示す通りである。
(A1)現在のサービングセルの周波数の優先度よりも高い優先度を有する周波数
−UE100は、高い優先度を有する周波数の品質を常に測定する。
(A2)現在のサービングセルの周波数の優先度と等しい優先度又は低い優先度を有する周波数
−UE100は、現在のサービングセルの品質が所定閾値を下回った場合に、等しい優先度又は低い優先度を有する周波数の品質を測定する。
第2に、選択条件は、以下に示す通りである。
(B1)隣接セルの周波数の優先度が現在のサービングセルの優先度よりも高い
−UE100は、所定期間(TreselectionRAT)に亘ってSqual>ThreshX,HighQの関係を満たすセル、若しくは、所定期間(TreselectionRAT)に亘ってSrxlev>ThreshX,HighPの関係を満たすセルを対象セルとして選択する。このようなケースにおいて、隣接セルが満たすべき基準を“S−criteria”と称することもある。
但し、Squalは、セル選択品質レベルを表しており、Squal=Qqualmeas-(Qqualmin+Qqualminoffset)−Qoffsettempによって算出される。Qqualmeasは、隣接セルの品質レベル(RSRQ)であり、Qqualminは、最小要求品質レベルであり、Qqualminoffsetは、隣接セルに定常的に適用される所定オフセットであり、Qoffsettempは、隣接セルに一時的に適用されるオフセットである。ThreshX,HighQは、所定閾値である。
また、Srxlevは、セル選択受信レベルを表しており、Srxlev=Qrxlevmeas-(Qrxlevmin+Qrxlevminoffset)-Pcompensation−Qoffsettempによって算出される。Qrxlevmeasは、隣接セルの受信レベル(RSRP)であり、Qrxlevminは、最小要求受信レベルであり、Qrxlevminoffsetは、隣接セルに定常的に適用される所定オフセットであり、Pcompensationは、アップリンクの能力に関するパラメータであり、Qoffsettempは、隣接セルに一時的に適用されるオフセットである。ThreshX,HighPは、所定閾値である。
(B2)隣接セルの周波数の優先度が現在のサービングセルの優先度と同じである
−UE100は、現在のサービングセルのランキングRs及び隣接セルのランキングRnを算出するとともに、所定期間(TreselectionRAT)に亘ってRsよりも高いランキングRnを有するセルを対象セルとして選択する。このようなケースにおいて、隣接セルが満たすべき基準を“R−criteria”と称することもある。
但し、Rsは、Rs=Qmeas,s+QHyst−Qoffsettempによって算出される。Rnは、Rn=Qmeas,n−Qoffset−Qoffsettempによって算出される。Qmeas,sは、現在のサービングセルの受信レベル(RSRP)であり、Qmeas,nは、隣接セルの受信レベル(RSRP)である。QHystは、現在のサービングセルが対象セルとして再選択されやすくするためのヒステリシス値である。Qoffsettempは、現在のサービングセル及び隣接セルに一時的に適用されるオフセットである。
(B3)隣接セルの周波数の優先度が現在のサービングセルの優先度よりも低い
−UE100は、所定期間(TreselectionRAT)に亘ってSqual<ThreshServing,LowQが満たされる、若しくは、所定期間(TreselectionRAT)に亘ってSrxlev<ThreshServing,LowPが満たされるという前提下において、上述した(B1)と同様の手法によって隣接セルの中から対象セルを選択する。
但し、ThreshServing,LowQ及びThreshServing,LowPは、ThreshX,HighQ及びThreshX,HighPと同様に、所定閾値である。
なお、対象セルの選択で用いる各種パラメータは、eNB200から報知される報知情報(SIB;System Information Block)に含まれる。各種パラメータは、周波数の優先度(cellReselectionPriority)、所定期間(TreselectionRAT)、各種オフセット(Qqualminoffset、Qrxlevminoffset、Qoffsettemp、QHyst、Qoffset)、各種閾値(ThreshX,HighQ、ThreshX,HighP、ThreshServing,LowQ、ThreshServing,LowP)を含む。
第1実施形態において、UE100(制御部)は、異なる周波数で運用される複数のセルの中からサービングセルとして用いる対象セルを選択する。具体的には、UE100(受信部)は、対象セルの再選択を要求する再選択要求信号を現在のサービングセルから受信する。UE100(制御部)は、再選択要求信号の受信に応じて、対象セルの再選択を行う。ここで、UE100(制御部)は、上述した(A1)及び(A2)に示す開始条件が満たされなくても、対象セルの再選択に伴う隣接セルの品質測定を開始することに留意すべきである。
ここで、現在のサービングセルは、現在のサービングセルの負荷が所定負荷以上である場合に、再選択要求信号を報知する。現在のサービングセルは、現在のサービングセルの負荷が所定負荷以上である期間において、再選択要求信号を繰り返し報知することが好ましい。言い換えると、UE100(受信部)は、現在のサービングセルの負荷が所定負荷以上である場合に、再選択要求信号を現在のサービングセルから受信する。UE100(受信部)は、現在のサービングセルの負荷が所定負荷以上である期間において、再選択要求信号を繰り返し受信することが好ましい。
第1実施形態において、再選択要求信号は、現在のサービングセルが対象セルとして選択されにくくするための再選択パラメータを含む。UE100(制御部)は、再選択パラメータに基づいて、対象セルを選択する。詳細には、再選択パラメータは、現在のサービングセルの周波数の優先度(cellReselectionPriority)を最低の優先度(lowest priority)に変更するように指定するパラメータであってもよく、現在のサービングセルの周波数の優先度(cellReselectionPriority)を下げる段階数を示すオフセットであってもよい。或いは、再選択パラメータは、各種オフセット(Qqualminoffset、Qrxlevminoffset、Qoffsettemp、QHyst、Qoffset)、各種閾値(ThreshX,HighQ、ThreshX,HighP、ThreshServing,LowQ、ThreshServing,LowP)であってもよい。
第1実施形態において、再選択要求信号の受信に応じて適用される再選択パラメータは、再選択要求信号に含まれておらず、現在のサービングセルから再選択要求信号とは別に報知されるシステム情報(SIB;System Information Block)に含まれてもよい。或いは、再選択要求信号の受信に応じて適用される再選択パラメータは、予め定められていてもよい。このようなケースにおいて、UE100(制御部)は、再選択要求信号の受信に応じて、現在のサービングセルから報知された再選択パラメータ又は予め定められた再選択パラメータに基づいて対象セルの再選択を行う。
第1実施形態において、UE100(制御部)は、再選択要求信号を受信しても、所定条件が満たされている場合に、対象セルの再選択を行わずに現在のサービングセルへの在圏を維持してもよい。所定条件とは、UE100の種別(UE class)、現在のサービングセルの周波数の優先度、UE100の消費電力設定、前回の再選択要求信号を受信してから経過した時間及びランダム性を有する値の少なくともいずれか1つ情報に関する条件である。
例えば、UE100の種別(UE class)がMTC(Machine Type Communication)やデータ専用端末である場合には、通信データ量が少ないため、UE100(制御部)は、対象セルの再選択を行わずに現在のサービングセルへの在圏を維持することが好ましい。
或いは、現在のサービングセルの周波数の優先度が最も高い優先度(highest priority)である場合には、MBMSデータを受信している可能性やD2D近傍サービス(D2D ProSe)を提供している可能性が高いため、UE100(制御部)は、対象セルの再選択を行わずに現在のサービングセルへの在圏を維持することが好ましい。
或いは、UE100の消費電力設定が低消費電力設定である場合には、消費電力を抑制するために、UE100(制御部)は、対象セルの再選択を行わずに現在のサービングセルへの在圏を維持することが好ましい。
或いは、前回の再選択要求信号を受信してから経過した時間が所定時間を経過していない場合には、ピンポン現象を抑制するために、UE100(制御部)は、対象セルの再選択を行わずに現在のサービングセルへの在圏を維持することが好ましい。例えば、UE100(制御部)は、前回の再選択要求信号を受信したタイミングでタイマを起動し、タイマが満了するまでの間において、対象セルの再選択を行わないことが好ましい。
或いは、UE100(制御部)は、複数のUE100が一斉に対象セルの再選択を行う事態を抑制するとともに、UE100を各セルにランダムに配分するために、ランダム性を有する値が所定値以外である場合に、対象セルの再選択を行わずに現在のサービングセルへの在圏を維持することが好ましい。ランダム性を有する値とは、現在のサービングセルに在圏する全てのUE100に共通する値でなければよい。例えば、ランダム性を有する値とは、再選択要求信号をUE100が受信するサブフレーム番号(SFN)であってもよく、再選択要求信号を受信するUE100の識別子(UE−ID)であってもよく、UE100が発生する乱数であってもよい。例えば、UE100(制御部)は、SFNmodUE−ID(÷n)=0が満たされた場合に、対象セルの再選択を行い、SFNmodUE−ID(÷n)=0が満たされない場合に、対象セルの再選択を行わない。但し、nは予め定められた値又はサービングセルから報知された値である。
(移動通信方法)
以下において、第1実施形態に係る移動通信方法について説明する。図7は、第1実施形態に係る移動通信方法を示すシーケンス図である。
図7に示すように、ステップS10において、UE100は、RRCアイドル状態である。
ステップS11において、UE100は、eNB200(現在のサービングセル)から報知される再選択要求信号を受信する。
ステップS12において、UE100は、再選択要求信号の受信に応じて、対象セルの再選択を行う。ここで、UE100は、上述した(A1)及び(A2)に示す開始条件が満たされなくても、対象セルの再選択に伴う隣接セルの品質測定を開始することに留意すべきである。再選択要求信号に含まれる情報や再選択要求信号の受信に伴う対象セルの再選択方法は、上述した通りである。
(作用及び効果)
第1実施形態に係るUE100は、再選択要求信号の受信に応じて、対象セルの再選択を行う。すなわち、ネットワーク(現在のサービングセル)側のトリガーによって、対象セルの再選択をRRCアイドル状態のUE100に促す。従って、各セルの負荷分散を適切に行うことができる。言い換えると、RRCアイドル状態のUE100を各セルに適切に配分することができる。
[変更例1]
以下において、第1実施形態の変更例1について説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
具体的には、第1実施形態では、UE100は、再選択要求信号の受信に応じて、対象セルの再選択を行う。これに対して、変更例1では、UE100(受信部)は、セル負荷を特定するための情報を含む負荷情報信号を現在のサービングセルから受信する。UE100(制御部)は、負荷情報信号の受信に応じて、対象セルの再選択を行う。ここで、UE100(制御部)は、上述した(A1)及び(A2)に示す開始条件が満たされなくても、対象セルの再選択に伴う隣接セルの品質測定を開始することに留意すべきである。
ここで、負荷情報信号は、セル負荷を直接的に示す情報を含んでもよい。セル負荷を直接的に示す情報は、例えば、セル負荷を%で表す値であってもよい。或いは、セル負荷を直接的に示す情報は、複数段階のレベルのうち、セル負荷のレベルを示すインデックスであってもよい。
負荷情報信号は、セル負荷を間接的に示す情報を含んでもよい。セル負荷を間接的に示す情報は、セルに一時的に設定されるオフセット(Qoffsettemp)であってもよく、移動通信システムのカバレッジエリアから無線LANのカバレッジエリアへの切り替えを行うか否かを判断するための閾値(ThreshServingOffloadWLAN,LowP、ThreshServingOffloadWLAN,LowQ)であってもよい。これらの値は、セル負荷に応じて定められているため、UE100(制御部)は、これらの値に基づいてセル負荷を推定することができる。このように、現在のサービングセルは、セル負荷を間接的に示す情報を含む負荷情報信号を報知する場合には、セル負荷を直接的に示す情報を報知しなくてもよい。
負荷情報信号は、現在のサービングセルのセル負荷を特定するための情報に加えて、現在のサービングセルのセル負荷と現在のサービングセルに隣接する隣接セルのセル負荷との差異(相対値)を示す情報であってもよい。また、負荷情報信号は、現在のサービングセルのセル負荷を特定するための情報に加えて、現在のサービングセルに隣接する隣接セルのセル負荷を特定するための情報を含んでもよい。
変更例1において、UE100(制御部)は、負荷情報信号に含まれる情報(現在のサービングセルのセル負荷及び隣接セルのセル負荷の少なくともいずれか一方)に基づいて、対象セルの再選択を行うか否かを判定してもよい。UE100(制御部)は、例えば、SFNmod(UE−ID÷{(100%−cell load)×100})=0が満たされている場合に、対象セルの再選択を行ってもよい。但し、SFNは、負荷情報信号をUE100が受信するサブフレーム番号であり、UE−IDは、再選択要求信号を受信するUE100の識別子であり、cell loadは、セル負荷を%で表す値である。或いは、UE100(制御部)は、例えば、各種オフセット(Qqualminoffset、Qrxlevminoffset、Qoffset)をセル負荷によって補正した上で、対象セルの再選択に伴うセル評価を行ってもよい。各種オフセットは、例えば、offset=(default offset)×(cell load)によって算出される。
変更例1において、UE100(受信部)は、現在のサービングセルに加えて、現在のサービングセルに隣接する隣接セルから負荷情報信号を受信してもよい。UE100(制御部)は、現在のサービングセル及び隣接セルから受信する負荷情報信号に含まれる情報に基づいて、対象セルの再選択を行う。例えば、UE100(制御部)は、各セルのセル負荷に基づいて、各セルに適用すべきオフセットを補正する。
UE100(制御部)は、所定セルから負荷情報信号を受信することができない場合に、所定セルのセル負荷をゼロと見做して対象セルの再選択を行ってもよい。
UE100(制御部)は、負荷情報信号を受信しても、所定条件が満たされている場合に、対象セルの再選択を行わずに現在のサービングセルへの在圏を維持してもよい。所定条件は、第1第1実施形態と同様である。
(移動通信方法)
以下において、変更例1に係る移動通信方法について説明する。図8は、変更例1に係る移動通信方法を示すシーケンス図である。
図8に示すように、ステップS20において、UE100は、RRCアイドル状態である。
ステップS21において、UE100は、eNB200(現在のサービングセル)から報知される負荷情報信号を受信する。
ステップS22において、UE100は、負荷情報信号の受信に応じて、対象セルの再選択を行う。ここで、UE100は、上述した(A1)及び(A2)に示す開始条件が満たされなくても、対象セルの再選択に伴う隣接セルの品質測定を開始することに留意すべきである。再選択要求信号に含まれる情報や再選択要求信号の受信に伴う対象セルの再選択方法は、上述した通りである。
(作用及び効果)
変更例1に係るUE100は、負荷情報信号の受信に応じて、対象セルの再選択を行う。すなわち、ネットワーク(現在のサービングセル)側のトリガーによって、対象セルの再選択をRRCアイドル状態のUE100に促す。従って、各セルの負荷分散を適切に行うことができる。言い換えると、RRCアイドル状態のUE100を各セルに適切に配分することができる。
[第1実施形態のその他の変更例]
第1実施形態では特に触れていないが、セル負荷を特定するための情報は、現在のサービングセルの負荷を示す情報であってもよく、現在のサービングセルの周波数の負荷を示す情報であってもよい。セル負荷は、現在のサービングセルの周波数と同じ周波数で運用されている隣接セルの負荷の平均値であってもよく、最大値であってもよい。
第1実施形態では特に触れていないが、負荷情報信号は、セル負荷(セルの負荷又はセルの周波数の負荷)によって定められる再選択パラメータを含んでもよい。UE100(制御部)は、再選択パラメータに基づいて、サービングセルとして用いる対象セルを選択する。詳細には、再選択パラメータは、セルのセル負荷が大きい程、当該セルが対象セルとして選択されにくくするためのパラメータである。さらに、再選択パラメータは、現在のサービングセルのセル負荷及び隣接セルのセル負荷に基づいて設定されてもよい。
第1実施形態では特に触れていないが、UE100及びeNB200が行う各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。また、プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体であってもよい。
或いは、UE100及びeNB200が行う各処理を実行するためのプログラムを記憶するメモリ及びメモリに記憶されたプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップが提供されてもよい。
第1実施形態では、移動通信システムの一例としてLTEシステムを説明した。しかしながら、第1実施形態はこれに限定されるものではない。移動通信システムは、LTEシステム以外のシステムであってもよい。
[第2実施形態]
以下において、移動通信システムとして、3GPP規格に基づいたLTEシステムを例に挙げて、第2実施形態を説明する。
(適用シーン)
以下において、適用シーンについて説明する。図9は、第2実施形態に係る適用シーンを説明するための図である。
図9に示すように、複数のeNB200(例えば、eNB200#1、eNB200#2、eNB200#3、eNB200#4)を有する。eNB200#1は、無線通信エリアとしてセル#1を有しており、eNB200#2は、無線通信エリアとしてセル#2を有しており、eNB200#3は、無線通信エリアとしてセル#3−1及びセル#3−2を有しており、eNB200#4は、無線通信エリアとしてセル#4−1及びセル#4−2を有している。
なお、セル#2、セル#3−1、セル#3−2、セル#4−1及びセル#4−2は、セル#1と重複している。また、各セルは、互いに異なる周波数で運用されている。各セルが運用されている周波数には、優先度が定められている。周波数と優先度との対応関係は、eNB200から報知されるシステム情報(SIB;System Information Block)に含まれる。
このような前提下において、UE100は、異なる周波数で運用される複数のセルの中からサービングセルとして用いる対象セルを選択する。具体的には、UE100は、開始条件が満たされた場合に、現在のサービングセルに隣接する隣接セルの品質を測定し、選択条件を満たすセルの中からサービングセルとして用いる対象セルを選択する。
第1に、開始条件は、以下に示す通りである。
(A1)現在のサービングセルの周波数の優先度よりも高い優先度を有する周波数
−UE100は、高い優先度を有する周波数の品質を常に測定する。
(A2)現在のサービングセルの周波数の優先度と等しい優先度又は低い優先度を有する周波数
−UE100は、現在のサービングセルの品質が所定閾値を下回った場合に、等しい優先度又は低い優先度を有する周波数の品質を測定する。
第2に、選択条件は、以下に示す通りである。
(B1)隣接セルの周波数の優先度が現在のサービングセルの優先度よりも高い
−UE100は、所定期間(TreselectionRAT)に亘ってSqual>ThreshX,HighQの関係を満たすセル、若しくは、所定期間(TreselectionRAT)に亘ってSrxlev>ThreshX,HighPの関係を満たすセルを対象セルとして選択する。このようなケースにおいて、隣接セルが満たすべき基準を“S−criteria”と称することもある。
但し、Squalは、セル選択品質レベルを表しており、Squal=Qqualmeas-(Qqualmin+Qqualminoffset)−Qoffsettempによって算出される。Qqualmeasは、隣接セルの品質レベル(RSRQ)であり、Qqualminは、最小要求品質レベルであり、Qqualminoffsetは、隣接セルに定常的に適用される所定オフセットであり、Qoffsettempは、隣接セルに一時的に適用されるオフセットである。ThreshX,HighQは、所定閾値である。
また、Srxlevは、セル選択受信レベルを表しており、Srxlev=Qrxlevmeas-(Qrxlevmin+Qrxlevminoffset)-Pcompensation−Qoffsettempによって算出される。Qrxlevmeasは、隣接セルの受信レベル(RSRP)であり、Qrxlevminは、最小要求受信レベルであり、Qrxlevminoffsetは、隣接セルに定常的に適用される所定オフセットであり、Pcompensationは、アップリンクの能力に関するパラメータであり、Qoffsettempは、隣接セルに一時的に適用されるオフセットである。ThreshX,HighPは、所定閾値である。
(B2)隣接セルの周波数の優先度が現在のサービングセルの優先度と同じである
−UE100は、現在のサービングセルのランキングRs及び隣接セルのランキングRnを算出するとともに、所定期間(TreselectionRAT)に亘ってRsよりも高いランキングRnを有するセルを対象セルとして選択する。このようなケースにおいて、隣接セルが満たすべき基準を“R−criteria”と称することもある。
但し、Rsは、Rs=Qmeas,s+QHyst−Qoffsettempによって算出される。Rnは、Rn=Qmeas,n−Qoffset−Qoffsettempによって算出される。Qmeas,sは、現在のサービングセルの受信レベル(RSRP)であり、Qmeas,nは、隣接セルの受信レベル(RSRP)である。QHystは、現在のサービングセルが対象セルとして再選択されやすくするためのヒステリシス値である。Qoffsettempは、現在のサービングセル及び隣接セルに一時的に適用されるオフセットである。
(B3)隣接セルの周波数の優先度が現在のサービングセルの優先度よりも低い
−UE100は、所定期間(TreselectionRAT)に亘ってSqual<ThreshServing,LowQが満たされる、若しくは、所定期間(TreselectionRAT)に亘ってSrxlev<ThreshServing,LowPが満たされるという前提下において、上述した(B1)と同様の手法によって隣接セルの中から対象セルを選択する。
但し、ThreshServing,LowQ及びThreshServing,LowPは、ThreshX,HighQ及びThreshX,HighPと同様に、所定閾値である。
なお、対象セルの選択で用いる各種パラメータは、eNB200から報知されるシステム情報(SIB;System Information Block)に含まれる。各種パラメータは、周波数の優先度(cellReselectionPriority)、所定期間(TreselectionRAT)、各種オフセット(Qqualminoffset、Qrxlevminoffset、Qoffsettemp、QHyst、Qoffset)、各種閾値(ThreshX,HighQ、ThreshX,HighP、ThreshServing,LowQ、ThreshServing,LowP)を含む。
第2実施形態において、UE100(制御部)は、異なる周波数で運用される複数のセルの中からサービングセルとして用いる対象セルを選択する。具体的には、UE100(制御部)は、現在のサービングセルの品質が所定品質基準を満たしている場合であっても、所定タイミングにおいて、現在のサービングセルに隣接する隣接セルの品質を測定する。ここで、「所定品質基準を満たしている」とは、上述した開始条件が満たされていないことである。詳細には、所定品質基準とは、上述した(A2)に示したように、現在のサービングセルの品質が所定閾値を下回っていない条件である。
言い換えると、第2実施形態に係るUE100(制御部)は、原則として、現在のサービングセルの品質が所定品質基準を満たしている場合に、現在のサービングセルに隣接する隣接セルの品質測定を開始しないように構成されている。しかしながら、UE100(制御部)は、後述するように、現在のサービングセルから受信するシステム情報に基づいて、例外的に隣接セルの品質測定を開始することに留意すべきである。
ここで、UE100(制御部)は、現在のサービングセルから受信するシステム情報(SIB;System Information Block)に基づいて、所定タイミングを特定する。なお、所定タイミングは、対象セルの選択に伴って隣接セルの品質測定を開始するタイミングを意味する。
システム情報は、隣接セルの品質測定を直ちに開始することを意味していてもよい。このようなケースにおいて、UE100(制御部)は、システム情報を受信するタイミングを所定タイミングとして特定し、システム情報の受信に応じて隣接セルの品質測定を開始する。
或いは、システム情報は、隣接セルの品質測定を開始すべきサブフレーム番号を含んでもよい。UE100(制御部)は、システム情報に含まれるサブフレーム番号を所定タイミングとして特定し、特定されたサブフレーム番号で隣接セルの品質測定を開始する。
或いは、システム情報は、所定タイミングの周期を示す情報を含んでもよい。例えば、システム情報は、隣接セルの品質測定を終了したタイミングで起動されるタイマに設定すべきタイマ値を含む。UE100(制御部)は、タイマ値がセットされたタイマが満了したタイミングを所定タイミングとして特定し、特定されたタイミングで隣接セルの品質測定を開始する。
ここで、システム情報が所定タイミングの周期を示す情報を含む場合において、UE100(制御部)は、UE100に固有の値に基づいて、所定タイミングの周期を補正してもよい。UE100に固有の値は、例えば、システム情報を受信するサブフレーム番号であってもよく、UE100の識別子(UE−ID)であってもよい。UE100(制御部)は、“タイマ値×UE−ID”によって得られる値をタイマにセットし、タイマが満了したタイミングで隣接セルの品質測定を開始する。
或いは、システム情報は、UE100(制御部)が発生する乱数と対比すべき閾値を含んでもよい。UE100(制御部)は、所定タイミングにおける乱数と閾値との比較結果に基づいて、隣接セルの品質を測定する。例えば、UE100(制御部)は、所定タイミングにおいて、乱数が閾値よりも大きい若しくは乱数が閾値よりも小さいといった条件が満たされる場合に、隣接セルの品質測定を開始する。
(移動通信方法)
以下において、第2実施形態に係る移動通信方法について説明する。図10は、第2実施形態に係る移動通信方法を示すシーケンス図である。
図10に示すように、ステップS10において、UE100は、RRCアイドル状態である。
ステップS11において、UE100は、eNB200(現在のサービングセル)から報知されるシステム情報(SIB;System Information Block)を受信する。
ステップS12において、UE100は、現在のサービングセルの品質が所定品質基準を満たしている場合であっても、所定タイミングにおいて、現在のサービングセルに隣接する隣接セルの品質を測定する。UE100は、システム情報(SIB;System Information Block)に基づいて、所定タイミングを特定する。
(作用及び効果)
第2実施形態に係るUE100(制御部)は、現在のサービングセルの品質が所定品質基準を満たしている場合であっても、所定タイミングにおいて、現在のサービングセルに隣接する隣接セルの品質を測定する。すなわち、地理的に近い位置に存在するUE100であっても、対象セルの選択に伴う隣接セルの品質測定を開始するタイミングが時間的に離散する。従って、各セルの負荷分散を適切に行うことができる。言い換えると、RRCアイドル状態のUE100を各セルに適切に配分することができる。
[変更例1]
以下において、第2実施形態の変更例1について説明する。以下においては、第2実施形態に対する相違点について主として説明する。
具体的には、第2実施形態では、UE100は、現在のサービングセルの品質が所定品質基準を満たしている場合であっても、所定タイミングにおいて、現在のサービングセルに隣接する隣接セルの品質を測定する。これに対して、変更例1では、UE100(制御部)は、第2実施形態で説明した(B1)〜(B3)に示すように、所定品質基準(S−criteriaやR−criteria)を満たす品質を有するセルの中から、サービングセルとして用いる対象セルを選択する。UE100(制御部)は、対象セルの選択において、ランダム性を有する値を用いて、対象セルを選択する。
ランダム性を有する値とは、現在のサービングセルに在圏する全てのUE100に共通する値でなければよい。例えば、ランダム性を有する値とは、UE100に割り当てられる識別子(UE−ID)、UE100(制御部)が発生する乱数及びUE100のアクセス規制に関するアクセスクラス(AC)の中から選択された1以上の値である。
ここで、UE100(制御部)は、ランダム性を有する値(例えば、UE−ID、乱数、AC)に基づいて、品質(例えば、Squal、Srxlev、Qmeas,s、Qmeas,n)を補正してもよい。例えば、品質の補正方法としては、各種オフセット(Qqualminoffset、Qrxlevminoffset、Qoffsettemp、QHyst、Qoffset)として新たな値を定義してもよく、新たなオフセットを導入してもよい。各種オフセットは、例えば、offset=(default offset)×(UE−ID÷n)によって算出される。但し、nは予め定められた値又はサービングセルから報知された値である。
或いは、UE100(制御部)は、ランダム性を有する値(例えば、UE−ID、乱数、AC)に基づいて、複数のセルのそれぞれが運用されている周波数の優先度(cellReselectionPriority)を補正してもよい。
或いは、UE100(制御部)は、所定品質基準(S−criteriaやR−criteria)を満たす品質を有するセルの中から、ランダム性を有する値(例えば、UE−ID、乱数、AC)に基づいて、対象セルを選択してもよい。言い換えると、UE100(制御部)は、所定品質基準(S−criteriaやR−criteria)を満たす品質を有するセルを特定し、特定されたセル(選択候補セル)の中から、ランダム性を有する値に基づいて、対象セルを選択する。例えば、UE100(制御部)は、ランダム性を有する値に基づいて、選択候補セルのランキングを補正する。
或いは、UE100(制御部)は、現在のサービングセルの周波数と同じ優先度を有する周波数で運用されているセルの中から、ランダム性を有する値に基づいて、対象セルを選択してもよい。ここで、現在のサービングセルの周波数と同じ優先度を有する周波数とは、現在のサービングセルの周波数と同じ周波数であってもよく、現在のサービングセルの周波数と異なる周波数であってもよい。言い換えると、UE100(制御部)は、上述した条件を満たすセルを特定し、特定されたセル(選択候補セル)の中から、ランダム性を有する値に基づいて、対象セルを選択する。例えば、UE100(制御部)は、ランダム性を有する値に基づいて、選択候補セルのランキングを補正する。
或いは、UE100(制御部)は、所定範囲の品質を有するセルの中から、ランダム性を有する値に基づいて、対象セルを選択してもよい。ここで、所定範囲は、現在のサービングセルから報知されるシステム情報(SIB;System Information Block)に含まれることが好ましい。言い換えると、UE100(制御部)は、所定範囲の品質を有するセルを特定し、特定されたセル(選択候補セル)の中から、ランダム性を有する値に基づいて、対象セルを選択してもよい。所定範囲の品質とは、最もよい品質に対する差異が所定範囲(例えば、5dB以内など)に含まれる品質であってもよく、ランキングの上位から数えて所定範囲(例えば、上位3つ)のランキングを有するセルの品質であってもよい。例えば、UE100(制御部)は、ランダム性を有する値に基づいて、選択候補セルのランキングを補正する。
なお、セルのランキングは、例えば、以下のように補正することが可能である。ランダム性を有する値として乱数を用いる場合には、セルのランキングは、Roundup{RAND×(選択候補セル数)}の関数を用いて変更される。或いは、ランダム性を有する値としてUE−IDを用いる場合には、(UE ID)mod(Cell ID)≦nの関係を満たす選択候補セルの中から、最もランキングの高いセルが対象セルを選択される。但し、nは予め定められた値又はサービングセルから報知された値である。
(移動通信方法)
以下において、変更例1に係る移動通信方法について説明する。図11は、変更例1に係る移動通信方法を示すフロー図である。図11に示すフローは、UE100によって行われることに留意すべきである。
図11に示すように、ステップS20において、UE100は、現在のサービングセルに隣接する隣接セルの品質の測定を開始する開始条件が満たされたか否かを判定する。UE100は、判定結果がYESである場合には、ステップS21の処理を行う。一方で、UE100は、判定結果がNOである場合には、一連の処理を終了する。
なお、開始条件は、上述したように、以下に示す通りである。
(A1)現在のサービングセルの周波数の優先度よりも高い優先度を有する周波数
−UE100は、高い優先度を有する周波数の品質を常に測定する。
(A2)現在のサービングセルの周波数の優先度と等しい優先度又は低い優先度を有する周波数
−UE100は、現在のサービングセルの品質が所定閾値を下回った場合に、等しい優先度又は低い優先度を有する周波数の品質を測定する。
ここで、ステップS20においては、上述したように、周波数の優先度(cellReselectionPriority)は、ランダム性を有する値(例えば、UE−ID、乱数、AC)に基づいて補正されてもよい。
ステップS21において、UE100は、現在のサービングセルに隣接する隣接セルの品質を測定する。
ここで、ステップS21においては、上述したように、品質(例えば、Squal、Srxlev、Qmeas,s、Qmeas,n)は、ランダム性を有する値(例えば、UE−ID、乱数、AC)に基づいて補正されてもよい。
ステップS22において、UE100は、所定品質基準(S−criteriaやR−criteria)を満たす品質を有するセル(選択候補セル)の中から、サービングセルとして用いる対象セルを選択する。
ここで、ステップS22においては、上述したように、選択候補セルのランキングは、ランダム性を有する値(例えば、UE−ID、乱数、AC)に基づいて補正されてよい。
なお、図11に係る説明では、変更例1の一部のみを例示しているが、UE100は、上述したように、ランダム性を有する値を用いて対象セルを選択していればよいことに留意すべきえある。
(作用及び効果)
変更例1に係るUE100(制御部)は、ランダム性を有する値を用いて、対象セルを選択する。すなわち、地理的に近い位置に存在するUE100であっても、対象セルとして選択するセルにバラツキが生じる。従って、各セルの負荷分散を適切に行うことができる。言い換えると、RRCアイドル状態のUE100を各セルに適切に配分することができる。
[変更例2]
以下において、第2実施形態の変更例2について説明する。以下においては、第2実施形態に対する相違点について主として説明する。
具体的には、第2実施形態では、UE100は、現在のサービングセルの品質が所定品質基準を満たしている場合であっても、所定タイミングにおいて、現在のサービングセルに隣接する隣接セルの品質を測定する。これに対して、変更例2では、UE100(制御部)は、第2実施形態で説明した(B1)〜(B3)に示すように、UE100(制御部)は、所定品質基準(S−criteriaやR−criteria)を満たす品質を有するセルの中から、サービングセルとして用いる対象セルを選択する。UE100(制御部)は、1以上のUE100を含むグループ毎に異なる再選択パラメータに基づいて、対象セルを選択する。
ここで、UE100が属するグループは、コネクティッド状態からアイドル状態への遷移手順で用いるメッセージ(例えば、RRC Connection Release)によって指定される。メッセージ(例えば、RRC Connection Release)は、UE100が属するグループを識別するグループ識別情報を含んでもよい。
また、再選択パラメータは、周波数の優先度(cellReselectionPriority)、所定期間(TreselectionRAT)、各種オフセット(Qqualminoffset、Qrxlevminoffset、Qoffsettemp、QHyst、Qoffset)、各種閾値(ThreshX,HighQ、ThreshX,HighP、ThreshServing,LowQ、ThreshServing,LowP)を含む。
変更例2において、再選択パラメータは、現在のサービングセルから報知されるシステム情報(SIB;System Information Block)に含まれることが好ましい。すなわち、再選択パラメータを報知するセルは、メッセージ(例えば、RRC Connection Release)を送信するセルと異なっていてもよい。但し、再選択パラメータは、メッセージ(例えば、RRC Connection Release)に含まれていてもよい。
ここで、UE100(制御部)は、RRCアイドル状態からRRCコネクティッド状態に再び遷移するまで、UE100が属するグループを維持してもよい。すなわち、UE100が属するグループは、RRCアイドル状態からRRCコネクティッド状態への遷移によって解除される。或いは、UE100(制御部)は、メッセージ(例えば、RRC Connection Release)の受信によって起動するタイマが満了するまで、UE100が属するグループを維持してもよい。すなわち、UE100が属するグループは、グループの指定によって起動するタイマが満了した際に解除されてもよい。
1以上のUE100を含むグループは、UE100のカテゴリ(スループットの大きさ)、UE100の能力(MIMOのストリーム数等)、UE100のトラフィックに係る統計(S1 Initial UE Context Setup)、UE100の移動性に係る統計(S1 Initial UE Context Setup)及びUE100の位置情報(measurement report含む)の中から選択される1以上の情報に基づいて形成されてもよい。
或いは、1以上のUE100を含むグループは、UE100のアクセス規制に関するアクセスクラス(AC)によって形成されてもよい。すなわち、再選択パラメータは、UE100のアクセス規制に関するアクセスクラス毎に異なる。
(移動通信方法)
以下において、変更例2に係る移動通信方法について説明する。図12は、変更例2に係る移動通信方法を示すシーケンス図である。
図12に示すように、ステップS30において、UE100は、RRCコネクティッド状態である。
ステップS31において、UE100は、コネクティッド状態からアイドル状態への遷移手順で用いるメッセージ(RRC Connection Release)を受信する。メッセージ(RRC Connection Release)は、UE100が属するグループを指定する。
ステップS32において、UE100は、RRCアイドル状態である。
ステップS33において、UE100は、eNB200(現在のサービングセル)から報知されるシステム情報(SIB;System Information Block)を受信する。システム情報は、1以上のUE100を含むグループ毎に異なる再選択パラメータを含む。
なお、再選択パラメータを報知するセルは、メッセージ(例えば、RRC Connection Release)を送信するセルと異なっていてもよい。
ステップS34において、UE100は、UE100が属するグループに割り当てられた再選択パラメータに基づいて、対象セルを選択する。
(作用及び効果)
変更例2に係るUE100(制御部)は、1以上のUE100を含むグループ毎に異なる再選択パラメータに基づいて、対象セルを選択する。すなわち、地理的に近い位置に存在するUE100であっても、グループ毎に対象セルとして選択するセルにバラツキが生じる。従って、各セルの負荷分散を適切に行うことができる。言い換えると、RRCアイドル状態のUE100を各セルに適切に配分することができる。
[変更例3]
以下において、第2実施形態の変更例3について説明する。以下においては、変更例1に対する相違点について主として説明する。
変更例1では、UE100(制御部)は、ランダム性を有する値に基づいて、選択候補セルのランキングを補正するケースを例示した。これに対して、変更例3では、ランダム性を有する値に基づいた対象セルの選択方法として他の選択方法を説明する。
具体的には、UE100(受信部)は、制御部が発生する乱数と対比すべき閾値を含むシステム情報を受信する。UE100(制御部)は、乱数と閾値との比較結果に基づいて、対象セルを選択する。
さらに詳細には、UE100(制御部)は、上述したように、複数のセルのそれぞれの品質の測定結果に基づいて、複数のセルのそれぞれのランキングを算出する。ランキングは、上述したように、現在のサービングセルのランキングRs及び隣接セルのランキングRnである。UE100(制御部)は、乱数と閾値との比較結果に基づいて、対象セルを選択する。
このようなケースにおいて、システム情報は、ランキング毎に異なる閾値を含む。UE100(制御部)は、ランキング毎に乱数を発生するとともに、ランキング毎の乱数と閾値との比較結果に基づいて、対象セルを選択する。UE100(制御部)は、ランキングが高い順に乱数と閾値とを比較するとともに、乱数と閾値との比較結果が選択条件を満たすセルを対象セルとして選択してもよい。
例えば、システム情報は、ランキングと閾値とを対応付ける情報(Ranking_No,Probability)を含む。このような情報(Ranking_No,Probability)は、{Rank1,0.6},{Rank2,0.8},{Rank3,1.0}といった情報である。なお、{Rank1,0.6}は、Rank1に対応付けられた閾値が0.6であることを意味する。同様に、{Rank2,0.8}は、Rank2に対応付けられた閾値が0.8であることを意味し、{Rank3,1.0}は、Rank3に対応付けられた閾値が1.0であることを意味する。また、UE100(制御部)が発生する乱数が取り得る範囲は0〜1である。ここで、乱数と閾値との比較結果が満たすべき選択条件は、例えば、乱数が閾値以下であるという条件である。
第1に、UE100(制御部)は、ランキング1のセルを対象セルとして選択として選択するか否かを判定する。すなわち、UE100(制御部)は、ランキング1のセル用の乱数を発生するとともに、乱数と0.6との比較結果が選択条件を満たすか否かを判定する。例えば、UE100(制御部)は、乱数が0.8である場合には、選択条件が満たされないと判定する。従って、UE100(制御部)は、対象セルの選択を継続する。
第2に、UE100(制御部)は、ランキング2のセルを対象セルとして選択として選択するか否かを判定する。すなわち、UE100(制御部)は、ランキング2のセル用の乱数を発生するとともに、乱数と0.8との比較結果が選択条件を満たすか否かを判定する。例えば、UE100(制御部)は、乱数が0.7である場合には、選択条件が満たされたと判定する。従って、UE100(制御部)は、ランキング2のセルを対象セルとして選択するとともに、対象セルの選択を終了する。
上述した対象セルの選択方法によれば、ランキング1のセルが対象セルとして選択される確率は60%である。ランキング2のセルが対象セルとして選択される確率は32%({1−0.6}×0.8)である。ランキング3のセルが対象セルとして選択される確率は8%(1−0.6−0.32)である。このように、システム情報に含まれる閾値は、高いランキングを有するセルが対象セルとして選択されやすいように定められていてもよい。但し、変更例3はこれに限定されるものではなく、システム情報に含まれる閾値は、セルの負荷や能力によって定められてもよい。
変更例3においては、システム情報がランキングと閾値とを対応付ける情報(Ranking_No,Probability)を含むケースについて例示した。しかしながら、変更例3はこれに限定されるものではない。例えば、システム情報は、優先度と閾値とを対応付ける情報(Priority,Probability)を含む。
このようなケースにおいて、UE100(制御部)は、優先度毎に乱数を発生するとともに、優先度毎の乱数と閾値との比較結果に基づいて、対象セルを選択する。UE100(制御部)は、優先度が高い順に乱数と閾値とを比較するとともに、乱数と閾値との比較結果が選択条件を満たすセルを対象セルとして選択してもよい。
優先度とは、セルが運用されている周波数の優先度であってもよく、セルに固有の優先度であってもよい。
[変更例4]
以下において、第2実施形態の変更例4について説明する。以下においては、第2実施形態及び変更例3に対する相違点について主として説明する。
変更例4において、UE100(制御部)は、現在のサービングセルから報知される複数のトリガー通知のいずれかである参照トリガー通知に応じて、対象セルを選択する(又は再選択する、以下同様)動作(又は手順、以下同様)をトリガーする(又は実行する若しくは開始する、以下同様)。参照トリガー通知は、複数のトリガー通知のいずれか1つのトリガー通知であることが好ましい。但し、参照トリガー通知は、複数のトリガー通知の中の一部のトリガー通知であればよく、2以上のトリガー通知であってもよい。
ここで、トリガー通知とは、ネットワーク(ここでは、現在のサービングセル)の主導で、対象セルをUE100が選択する動作を直接的又は間接的にトリガーするための通知であり、一定期間内において複数回に亘って報知される通知であればよい。言い換えれば、トリガー通知とは、対象セルを選択する動作を実行するようUE100に指示する通知であってもよい。
例えば、トリガー通知は、第2実施形態で説明したシステム情報(SIB;System Information Block)であってもよい。第2実施形態で説明したシステム情報は、UE100が隣接セルの品質測定を開始する所定タイミングを特定するための情報を含む。従って、第2実施形態で説明したシステム情報は、対象セルをUE100が選択する動作を直接的にトリガーすることに留意すべきである。
或いは、トリガー通知は、変更例3で説明したシステム情報(SIB;System Information Block)であってもよい。上述したように、変更例3で説明したシステム情報は、乱数と対比すべき閾値を含む。或いは、変更例3で説明したシステム情報は、ランキングと閾値とを対応付ける情報(Ranking_No,Probability)を含んでもよい。或いは、変更例3で説明したシステム情報は、優先度と閾値とを対応付ける情報(Priority,Probability)を含んでもよい。なお、UE100(制御部)は、変更例3で説明したシステム情報の受信に応じて、乱数と閾値との比較結果が選択条件を満たすセルを対象セルとして選択する。従って、変更例3で説明したシステム情報は、対象セルをUE100が選択する動作を間接的にトリガーすることに留意すべきである。
このようなケースにおいて、複数のトリガー通知のそれぞれは、カウンタ値を含む。UE100(制御部)は、対象セルを選択する動作のトリガー(又は実行、以下同様)に応じて、参照トリガー通知に含まれるカウンタ値をカウンタに格納する。例えば、UE100は、メモリ150にカウンタを保持する。UE100は、参照トリガー通知に応じて対象セルを選択する動作をトリガーする毎に、カウンタにカウンタ値を蓄積してもよい。UE100(制御部)は、現在のサービングセルから報知されるトリガー通知に含まれるカウンタ値がカウンタに格納されるカウンタ値と一致する場合に、当該トリガー通知に応じて対象セルを選択する動作をトリガーしない(又は実行を禁止する)。一方で、UE100(制御部)は、現在のサービングセルから報知されるトリガー通知に含まれるカウンタ値がカウンタに格納されるカウンタ値と一致しない場合に、対象セルを選択する動作をトリガーする。これによって、一定期間内にいて複数回に亘って報知されるトリガー通知のいずれかのトリガー通知(すなわち、参照トリガー通知)に応じて、UE100によって対象セルを選択する動作が1回だけトリガーされる。言い換えると、一定期間内における複数のトリガー通知のそれぞれに応じて、対象セルを選択する動作が複数回に亘ってトリガーされる事態が抑制される。言い換えれば、UE100は、一種類のトリガー通知に応じて、対象セルを選択する動作を最大1回トリガーする。なお、カウンタ値は、所定の数値(0〜9等)であってもよい。
なお、複数のトリガー通知のそれぞれに含まれるカウンタ値は、対象セルを選択する動作をUE100にトリガーさせようとするタイミングにおいて現在のサービングセルによって更新される。すなわち、現在のサービングセルは、RRCアイドル状態のUE100を各セルに再配分しようとするタイミングにおいて、更新されたカウンタ値を含むトリガー通知を一定期間内において複数回に亘って報知する。
(作用及び効果)
ここで、複数のトリガー通知のそれぞれに応じて、対象セルを選択する動作がUE100によって複数回に亘ってトリガーされると、現在のサービングセルに在圏する殆どのUE100が対象セルの選択を行ってしまう。言い換えると、殆どのUE100が同様のセルをサービングセルとして選択してしまい、結果として、RRCアイドル状態のUE100を各セルに適切に配分することができない。
これに対して、変更例4では、UE100(制御部)は、現在のサービングセルから報知される複数のトリガー通知のいずれかである参照トリガー通知に応じて、対象セルを選択する動作をトリガーする。従って、RRCアイドル状態のUE100を各セルに適切に配分することができる。
[変更例5]
以下において、第2実施形態の変更例5について説明する。以下においては、変更例4に対する相違点について主として説明する。
変更例4では、トリガー通知は、第2実施形態又は変更例3で説明したシステム情報(SIB;System Information Block)である。これに対して、変更例5では、トリガー通知は、対象セルの再選択を要求する再選択要求信号である。
変更例5において、UE100(受信部)は、対象セルの再選択を要求する再選択要求信号を現在のサービングセルから受信する。UE100(制御部)は、再選択要求信号の受信に応じて、対象セルの再選択を行う。ここで、UE100(制御部)は、上述した(A1)及び(A2)に示す開始条件が満たされなくても、対象セルの再選択に伴う隣接セルの品質測定を開始することに留意すべきである。
ここで、現在のサービングセルは、現在のサービングセルの負荷が所定負荷以上である場合に、再選択要求信号を報知する。現在のサービングセルは、現在のサービングセルの負荷が所定負荷以上である期間において、再選択要求信号を繰り返し報知することが好ましい。言い換えると、UE100(受信部)は、現在のサービングセルの負荷が所定負荷以上である場合に、再選択要求信号を現在のサービングセルから受信する。UE100(受信部)は、現在のサービングセルの負荷が所定負荷以上である期間において、再選択要求信号を繰り返し受信することが好ましい。
変更例5において、再選択要求信号は、現在のサービングセルが対象セルとして選択されにくくするための再選択パラメータを含む。UE100(制御部)は、再選択パラメータに基づいて、対象セルを選択する。詳細には、再選択パラメータは、現在のサービングセルの周波数の優先度(cellReselectionPriority)を最低の優先度(lowest priority)に変更するように指定するパラメータであってもよく、現在のサービングセルの周波数の優先度(cellReselectionPriority)を下げる段階数を示すオフセットであってもよい。或いは、再選択パラメータは、各種オフセット(Qqualminoffset、Qrxlevminoffset、Qoffsettemp、QHyst、Qoffset)、各種閾値(ThreshX,HighQ、ThreshX,HighP、ThreshServing,LowQ、ThreshServing,LowP)であってもよい。
変更例5において、再選択要求信号の受信に応じて適用される再選択パラメータは、再選択要求信号に含まれておらず、現在のサービングセルから再選択要求信号とは別に報知されるシステム情報(SIB;System Information Block)に含まれてもよい。或いは、再選択要求信号の受信に応じて適用される再選択パラメータは、予め定められていてもよい。このようなケースにおいて、UE100(制御部)は、再選択要求信号の受信に応じて、現在のサービングセルから報知された再選択パラメータ又は予め定められた再選択パラメータに基づいて対象セルの再選択を行う。
変更例5において、UE100(制御部)は、再選択要求信号を受信しても、所定条件が満たされている場合に、対象セルの再選択を行わずに現在のサービングセルへの在圏を維持してもよい。所定条件とは、UE100の種別(UE class)、現在のサービングセルの周波数の優先度、UE100の消費電力設定、前回の再選択要求信号を受信してから経過した時間及びランダム性を有する値の少なくともいずれか1つ情報に関する条件である。
例えば、UE100の種別(UE class)がMTC(Machine Type Communication)やデータ専用端末である場合には、通信データ量が少ないため、UE100(制御部)は、対象セルの再選択を行わずに現在のサービングセルへの在圏を維持することが好ましい。
或いは、現在のサービングセルの周波数の優先度が最も高い優先度(highest priority)である場合には、MBMSデータを受信している可能性やD2D近傍サービス(D2D ProSe)を提供している可能性が高いため、UE100(制御部)は、対象セルの再選択を行わずに現在のサービングセルへの在圏を維持することが好ましい。
或いは、UE100の消費電力設定が低消費電力設定である場合には、消費電力を抑制するために、UE100(制御部)は、対象セルの再選択を行わずに現在のサービングセルへの在圏を維持することが好ましい。
或いは、前回の再選択要求信号を受信してから経過した時間が所定時間を経過していない場合には、ピンポン現象を抑制するために、UE100(制御部)は、対象セルの再選択を行わずに現在のサービングセルへの在圏を維持することが好ましい。例えば、UE100(制御部)は、前回の再選択要求信号を受信したタイミングでタイマを起動し、タイマが満了するまでの間において、対象セルの再選択を行わないことが好ましい。
或いは、UE100(制御部)は、複数のUE100が一斉に対象セルの再選択を行う事態を抑制するとともに、UE100を各セルにランダムに配分するために、ランダム性を有する値が所定値以外である場合に、対象セルの再選択を行わずに現在のサービングセルへの在圏を維持することが好ましい。ランダム性を有する値とは、現在のサービングセルに在圏する全てのUE100に共通する値でなければよい。例えば、ランダム性を有する値とは、再選択要求信号をUE100が受信するサブフレーム番号(SFN)であってもよく、再選択要求信号を受信するUE100の識別子(UE−ID)であってもよく、UE100が発生する乱数であってもよい。例えば、UE100(制御部)は、SFNmodUE−ID(÷n)=0が満たされた場合に、対象セルの再選択を行い、SFNmodUE−ID(÷n)=0が満たされない場合に、対象セルの再選択を行わない。但し、nは予め定められた値又はサービングセルから報知された値である。
[変更例6]
以下において、第2実施形態の変更例5について説明する。以下においては、第2実施形態、変更例1乃至変更例5のいずれかに対する相違点について主として説明する。
具体的には、第2実施形態、変更例1乃至変更例5では、システム情報(SIB;System Information Block)などの信号は、現在のサービングセルからUE100に対して報知される。
これに対して、変更例6では、現在のサービングセルから報知されるシステム情報などの信号は、UE100に対して報知されるとともに、現在のサービングセル(eNB200)に隣接する隣接セル(eNB200)に対しても通知される。或いは、現在のサービングセル(eNB200)の負荷状態は、現在のサービングセル(eNB200)に隣接する隣接セル(eNB200)に対しても通知される。システム情報などの信号や負荷状態は、2以上のeNB200を接続するX2インターフェイスを介して各セル間で交換される。これによって、各セルで報知されているシステム情報などの信号(対象セルの再選択を促すパラメータ)や各セルの負荷状態が各セルで共有されるため、複数のセルの協調制御を行うことが可能である。
例えば、互いに隣接する複数のセルの負荷がいずれも高いケースにおいて、複数のセルの間において対象セルの再選択が頻繁に生じる現象(ピンポン現象)を抑制することができる。詳細には、現在のサービングセルは、隣接セルでシステム情報などの信号(対象セルの再選択を促すパラメータ)が報知されているケース又は隣接セルの負荷が閾値よりも高いケースにおいて、UE100に対するシステム情報などの信号(対象セルの再選択を促すパラメータ)の報知をペンディングする。
ここで、システム情報などの信号は、第2実施形態で説明したように、隣接セルの品質測定を開始するタイミング(特定タイミング)を特定するためのパラメータを含んでもよい。或いは、システム情報などの信号は、変更例1で説明したように、ランダム性を有する値に基づいた対象セルの選択で参照される所定範囲を含んでもよい。或いは、システム情報などの信号は、変更例2で説明したように、1以上のUE100を含むグループ毎に異なる再選択パラメータを含んでもよい。或いは、システム情報などの信号は、変更例3で説明したように、制御部が発生する乱数と対比すべき閾値を含んでもよい。或いは、システム情報などの信号は、変更例4で説明したように、対象セルの再選択を促すためのトリガー通知を含んでもよい。或いは、システム情報などの信号は、変更例5で説明したように、対象セルの再選択を促す再選択要求信号を含んでもよく、再選択要求信号の受信に応じて適用される再選択パラメータを含んでもよい。
[変更例7]
以下において、第2実施形態の変更例7について説明する。以下においては、変更例5に対する相違点について主として説明する。
変更例5では特に触れていないが、変更例7において、再選択要求信号は、eNB200(サービングセル)から報知されるページング信号に含まれる。
具体的には、eNB200(サービングセル)の送信部は、異なるページング機会でページング信号を報知する。eNB200(サービングセル)は、対象セルの再選択を要求する再選択要求信号を含むページング信号を報知する。
ここで、ページング機会は、ページング信号を含むサブフレームである。1以上のページング機会が無線フレーム(ページングフレーム)に含まれる。ページングフレーム(PF)は、PF=SFNmodT=(TdivN)x(UE_IDmodN)によって算出される。但し、Tは、UE100のDRXサイクルであり、Nは、min(T,nB)で表される。nBは、4T,2T,T,T/2,T/4,T/8,T/16及びT/32の中から選択される値である。ページング機会は、Ns及びi_sの関係によって定義される。i_sは、i_s=floor(UE_ID/N)modNsで表され、Nsは、max(1,nB/T)で表される。
変更例7では、eNB200(サービングセル)は、再選択要求信号を含むページング信号として、第1ページング機会で第1ページング信号を報知し、再選択要求信号を含まないページング信号として、第1ページング機会とは異なる第2ページング機会で第2ページング信号を報知する。言い換えると、eNB200(サービングセル)は、ページング信号に再選択要求信号を含める否かをページング周期毎に判定し、再選択要求信号を含むページング信号又は再選択要求信号を含まないページング信号をページング周期毎に報知する。
一方で、UE100(受信部)は、現在のサービングセルから報知されるページング信号を受信する。UE100は、自端末に割り当てられたページング周期でページング信号を受信することに留意すべきである。UE100(制御部)は、ページング信号に含まれる再選択要求信号に応じて、対象セルの再選択を行う。UE100は、変更例5と同様に、上述した(A1)及び(A2)に示す開始条件が満たされなくても、対象セルの再選択に伴う隣接セルの品質測定を開始することに留意すべきである。
変更例7では、UE100は、自端末に割り当てられたページング周期で受信するページング信号が自端末宛のページング信号ではなくても、ページング信号に含まれる再選択要求信号に応じて、対象セルの再選択を行うことが好ましい。
(作用及び効果)
変更例7では、UE100は、ページング信号に含まれる再選択要求信号に応じて、対象セルの再選択を行う。すなわち、ネットワーク(現在のサービングセル)側のトリガーによって、対象セルの再選択をRRCアイドル状態のUE100に促す。従って、各セルの負荷分散を適切に行うことができる。言い換えると、RRCアイドル状態のUE100を各セルに適切に配分することができる。
ここで、ページング周期はUE100毎に異なるため、ページング信号に含まれる再選択要求信号に応じて対象セルの再選択を行うUE100のランダム性が担保され、RRCアイドル状態のUE100を各セルに適切に配分することができる。
変更例7では、eNB200(サービングセル)は、ページング信号に再選択要求信号を含める否かをページング周期毎に判定し、再選択要求信号を含むページング信号又は再選択要求信号を含まないページング信号をページング周期毎に報知する。従って、ページング信号に含まれる再選択要求信号に応じて対象セルの再選択を行うUE100の割合を、ある程度、eNB200(サービングセル)側で制御することができる。例えば、eNB200(サービングセル)の負荷に応じて、対象セルの再選択を行うUE100の割合を決定することによって、各セルの負荷分散を適切に行うことができる。
[変更例8]
以下において、第2実施形態の変更例8について説明する。以下においては、変更例1に対する相違点について主として説明する。
具体的には、変更例1では、UE100(制御部)は、ランダム性を有する値(例えば、UE−ID、乱数、AC)に基づいて、品質(例えば、Squal、Srxlev、Qmeas,s、Qmeas,n)を補正するケースについて例示した。このようなケースにおいて、各種オフセット(Qqualminoffset、Qrxlevminoffset、Qoffsettemp、QHyst、Qoffset)は、例えば、offset=(default offset)×(UE−ID÷n)によって算出される。
これに対して、変更例8では、UE100(制御部)は、ランダム性を有する値(例えば、UE−ID、乱数、AC)に基づいて、各種閾値(ThreshX,HighQ、ThreshX,HighP、ThreshServing,LowQ、ThreshServing,LowP)を補正する。各種閾値は、上述したように、対象セルの選択で用いる各種パラメータの一例である。各種閾値は、例えば、threshold=(default threshold)×(UE−ID÷n)によって算出される。但し、nは予め定められた値又はサービングセルから報知された値である。
[変更例9]
以下において、第2実施形態の変更例9について説明する。以下においては、変更例5に対する相違点について主として説明する。
変更例5では、UE100(制御部)は、再選択要求信号の受信に応じて、対象セルの再選択を行う。UE100は、再選択要求信号に含まれる再選択パラメータに基づいて対象セルを選択する。これに対して、変更例9では、UE100(制御部)は、再選択要求信号に依存しないトリガーに応じて、第1再選択処理を行うとともに、再選択要求信号の受信に応じて、第1再選択処理とは異なる第2再選択処理を行う。
ここで、第1再選択処理は、上述した開始条件(A1)〜(A2)のいずれかが満たされた場合に、現在のサービングセルに隣接する隣接セルの品質を測定し、上述した選択条件(B1)〜(B3)のいずれかが満たされた場合に、対象セルを選択する処理である。これに対して、第2再選択処理は、対象セルの再選択において第1選択処理とは異なるルールが適用される処理である。第2再選択処理に適用されるルールは、以下に示す通りである。
(ルール1)
第2再選択処理に適用されるルール1では、UE100は、予め設定されている周波数の優先度(cellReselectionPriority)を用いない。
例えば、UE100は、予め設定されている周波数の優先度に代えて、各セル又は周波数の優先度として同一の優先度を用いる。このようなケースでは、開始条件として、上述した(A2)のみが用いられてもよい。また、選択条件として、上述した(B2)のみが用いられてもよい。
或いは、UE100は、予め設定されている周波数の優先度(cellReselectionPriority)を無視してもよい。このようなケースでは、開始条件として、上述した(A1)及び(A2)のいずれか1つのみが用いられてもよい。選択条件として、上述した(B1)〜(B3)のいずれか1つのみが用いられてもよい。
なお、上述した(B2)は、現在のサービングセルのランキングRs及び隣接セルのランキングRnに基づいて対象セルの再選択を行う処理(ランキング処理)である。すなわち、(B2)のみが用いられるケースにおいては、再選択要求信号の受信に応じて、全てのセルを対象としてランキング処理が行われることに留意すべきである。或いは、再選択要求信号の受信に応じて、一定品質以上の品質を有するセルを対象としてランキング処理が行われることに留意すべきである。
(ルール2)
第2再選択処理に適用されるルール2では、UE100は、再選択要求信号の受信に応じて、現在のサービングセルから報知される報知情報に含まれる測定対象周波数の品質の測定を開始する。報知情報は、例えば、Intra−frequencyの測定周波数を指定するSIB4であってもよく、Inter−Frequencyの測定周波数を指定するSIB5であってもよい。
ここで、UE100は、第1選択処理において、現在のサービングセルのセル選択品質レベル(Squal又はSrxlev)が閾値(SIntraSearchP又はSIntraSearchQ)よりも小さい場合に、Intra−frequencyの測定を開始する。同様に、UE100は、現在のサービングセルのセル選択品質レベル(Squal又はSrxlev)が閾値(SInterSearchP又はSInterSearchQ)よりも小さい場合に、Inter−frequencyの測定を開始する。このような前提下において、UE100は、閾値(SIntraSearchP又はSIntraSearchQ)の設定を無視して、再選択要求信号の受信に応じて、Intra−frequencyの測定を開始してもよい。或いは、UE100は、閾値(SInterSearchP又はSInterSearchQ)を無視して、再選択要求信号の受信に応じて、Inter−frequencyの測定を開始してもよい。或いは、UE100は、セル選択品質レベル(Squal又はSrxlev)を最小値として扱って、再選択要求信号の受信に応じて、測定対象周波数の品質の測定を開始してもよい。
(ルール3)
第2再選択処理に適用されるルール3は、ランキング処理において対象セルを選択するルールである。第1処理に適用されるルールでは、最もランキングの高いセル又は現在のサービングセルよりもランキングの高いセルが対象セルとして選択される。これに対して、第2再選択処理に適用されるルール3では、以下のような処理が行われる。
例えば、UE100は、対象セルの選択において、ランダム性を有する値を用いて対象セルを選択する。例えば、UE100は、所定品質基準(S−criteriaやR−criteria)を満たす品質を有するセルを特定し、特定されたセル(選択候補セル)の中から、ランダム性を有する値に基づいて、対象セルを選択する。このようなケースにおいて、UE100は、ランダム性を有する値に基づいて、選択候補セルのランキングを補正する。なお、ランダム性を有する値は、例えば、UE−ID、乱数、ACである。
或いは、UE100は、最もランキングの高くないセルを対象セルとして選択してもよく、UE100は、現在のサービングセルよりもランキングの高くないセルを対象セルとして選択してもよい。
或いは、UE100は、ランキング処理において、RSRP以外の品質(RSRQ又はSINRなど)に基づいて、現在のサービングセル又は隣接セルのランキングを決定してもよい。このようなルールは、上述した“R−criteria”の拡張と考えてもよい。
(ルール4)
第2再選択処理に適用されるルール4では、UE100は、対象セルの再選択に関する時間閾値を用いない。具体的には、時間閾値は、隣接セルのセル選択品質レベル(Squal又はSrxlev)が所定条件を継続して満たす時間と比較される所定期間(TreselectionRAT)、現在のサービングセルに在圏してから経過した時間と比較される禁止時間閾値(例えば、1秒)である。すなわち、第2再選択処理において、UE100は、所定期間(TreselectionRAT)又は禁止時間閾値(例えば、1秒)をゼロとして扱う。或いは、UE100は、所定期間(TreselectionRAT)又は禁止時間閾値(例えば、1秒)を無視する。
(ルール5)
第2再選択処理に適用されるルール5では、第2再選択処理が適用される期間が一定期間に亘って継続する。
例えば、第2再選択処理によって第1セルが対象セルとして選択された後に、第2再選択処理によって第2セルが対象セルとして選択されるまで、第2再選択処理が適用される。
或いは、タイマが起動中である期間において、第2再選択処理が適用される。タイマは、再選択要求信号の受信によって起動されてもよく、第2再選択処理における対象セルの選択によって起動されてもよい。タイマの起動時間は、現在のサービングセルから報知されてもよく、再選択要求信号に含まれていてもよい。
或いは、第2再選択処理を解除するメッセージ(例えば、Reselection Request Cancel)を受信するまで、第2再選択処理が適用されてもよい。
[変更例10]
以下において、第2実施形態の変更例10について説明する。以下においては、第2実施形態に対する相違点について主として説明する。
第2実施形態では、セルの再選択処理において、測定対象又は選択対象の周波数(以下、測定対象周波数)について特に触れていない。測定対象周波数は、一般的には、現在のサービングセルから報知される報知情報に含まれる。報知情報は、例えば、Intra−frequencyの測定周波数を指定するSIB4であってもよく、Inter−Frequencyの測定周波数を指定するSIB5であってもよい。これに対して、変更例10では、RRCアイドル状態のUE100を各セルに適切に配分するための処理(以下、UE分配処理)において、測定対象周波数を絞り込む方法について説明する。測定対象周波数の絞り込み方法は、例えば、以下に示す通りである。
(第1方法)
第1方法では、測定対象周波数は、現在のサービングセルの周波数の優先度(cellReselectionPriority)と同じ優先度を有する周波数に絞り込まれる。
(第2方法)
第2方法では、周波数の優先度として、既存優先度(第1優先度)に加えて、拡張優先度(第2優先度)が導入される。測定対象周波数は、現在のサービングセルの周波数の既存優先度と同じ既存優先度を有しており、かつ、現在のサービングセルの周波数の拡張優先度と同じ拡張優先度を有する周波数に絞り込まれる。
(第3方法)
第3方法では、第2方法と同様に、周波数の優先度として、既存優先度(第1優先度)に加えて、拡張優先度(第2優先度)が導入される。測定対象周波数は、既存優先度に依存せずに、拡張優先度が設定されている周波数に絞り込まれる。
(第4方法)
第4方法では、第2方法と同様に、周波数の優先度として、既存優先度(第1優先度)に加えて、拡張優先度(第2優先度)が導入される。測定対象周波数は、既存優先度に依存せずに、現在のサービングセルの周波数の拡張優先度と同じ拡張優先度を有する周波数に絞り込まれる。
(第5方法)
第5方法では、第1方法〜第4方法によって絞り込まれた周波数の優先度よりも高い優先度を有する周波数が検出された場合には、上述した選択条件(B1)〜(B3)のいずれかが満たされた場合に対象セルを選択する処理(すなわち、変更例9で説明した第1再選択処理)が適用されてもよい。
変更例10では、UE分配処理において測定対象周波数を絞り込む方法について説明した。ここで、UE分配処理とは、第2実施形態〜変更例9に示す方法のうち、いずれの方法であってもよい。例えば、UE分配処理は、変更例1、3、8で説明したように、ランダム性を有する値を用いて対象セルを選択する処理であってもよい。或いは、UE分配処理は、変更例2で説明したように、グループ毎に異なる再選択パラメータを用いて対象セルを選択する処理であってもよい。UE分配処理は、変更例4、5、7、9で説明したように、トリガー通知(例えば、再選択要求信号)に応じて対象セルを選択する処理であってもよい。
[変更例11]
以下において、第2実施形態の変更例11について説明する。以下においては、変更例5に対する相違点について主として説明する。
変更例5では、UE100(受信部)は、対象セルの再選択を要求する再選択要求信号を現在のサービングセルから受信する。UE100(制御部)は、再選択要求信号の受信に応じて、対象セルの再選択を行う。
これに対して、変更例11では、UE100(制御部)は、再選択要求信号を受信し、かつ、所定トリガー条件が満たされる場合に、対象セルの再選択を行ってもよい。すなわち、UE100(制御部)は、再選択要求信号を受信した場合であっても、所定トリガー条件が満たされない場合に、対象セルの再選択を行わなくてもよい。
変更例11において、所定トリガー条件は、現在のサービングセルの周波数の優先度(cellReselectionPriority)が高優先度(High Priority)ではないという条件である。
例えば、現在のサービングセルがCSG(Closed Subscriber Group)セルである場合には、CSGセルの周波数の優先度が高優先度に設定される。このようなケースにおいて、所定トリガー条件は、現在のサービングセルがCSGセルではないことである。従って、UE100は、再選択要求信号を受信し、かつ、現在のサービングセルがCSGセルでない場合に、対象セルの再選択を行う。一方で、UE100は、再選択要求信号を受信した場合であっても、現在のサービングセルがCSGセルである場合に、対象セルの再選択を行わない。但し、現在のサービングセルの隣接セルにCSGセルが含まれる場合には、UE100は、現在のサービングセルがCSGセルであっても、対象セルの再選択を行ってもよい。
或いは、現在のサービングセルの周波数においてD2D近傍サービス(D2D ProSe)が設定されている場合には、現在のサービングセルの優先度が高優先度に設定される。このようなケースにおいて、所定トリガー条件は、現在のサービングセルの周波数においてD2D近傍サービスが設定されていないこと、或いは、現在のサービングセルに在圏していなくてもD2D近傍サービスが設定可能であることである。従って、UE100は、現在のサービングセルの周波数においてD2D近傍サービスが設定されていないケース、或いは、現在のサービングセルに在圏していなくてもD2D近傍サービスが設定可能であるケースにおいて、再選択要求信号を受信した場合に、対象セルの再選択を行う。一方で、UE100は、再選択要求信号を受信した場合であっても、現在のサービングセルの周波数においてD2D近傍サービスが設定されており、かつ、現在のサービングセルに在圏していないとD2D近傍サービスが設定できない場合に、対象セルの再選択を行わない。なお、D2D近傍サービスが設定可能であるか否かは、ネットワーク(eNB200など)の設定だけではなくて、UE100の能力(Capability)によっても影響される。
或いは、現在のサービングセルの周波数で提供されるMBMSサービスにUE100が興味を有する場合には、現在のサービングセルの優先度が高優先度に設定される。このようなケースにおいて、所定トリガー条件は、現在のサービングセルの周波数で提供されるMBMSサービスにUE100が興味を有していないこと、或いは、現在のサービングセルの隣接セルの周波数でUE100が興味を有するMBMSサービスが提供されていることである。従って、UE100は、現在のサービングセルの周波数で提供されるMBMSサービスにUE100が興味を有していないケース、或いは、現在のサービングセルの隣接セルの周波数でUE100が興味を有するMBMSサービスが提供されているケースにおいて、再選択要求信号を受信した場合に、対象セルの再選択を行う。一方で、UE100は、再選択要求信号を受信した場合であっても、現在のサービングセルの周波数で提供されるMBMSサービスにUE100が興味を有しており、かつ、現在のサービングセルの隣接セルの周波数でUE100が興味を有するMBMSサービスが提供されていない場合に、対象セルの再選択を行わない。
[変更例12]
以下において、第2実施形態の変更例12について説明する。以下においては、変更例5に対する相違点について主として説明する。
変更例5では、再選択パラメータが、現在のサービングセルの周波数の優先度(cellReselectionPriority)を最低の優先度(lowest priority)に変更するように指定するパラメータであるケースを例示した。これに対して、変更例12では、最低の優先度(lowest priority)の定義について明確にする。
具体的には、最低の優先度とは、ネットワーク(eNB200)側で設定可能な優先度のうち、最も低い優先度よりも低い優先度であってもよい。
或いは、最低の優先度は、現在のサービングセルの隣接セルから報知される報知情報(SIB5等)に含まれており、UE100によって受信される報知情報に含まれる優先度(cellReselectionPriority)のうち、最も低い優先度よりも低い優先度であってもよい。すなわち、最低の優先度は、隣接セルの優先度のうち、最も低い優先度よりも低い優先度であってもよい。
ここで、UE100は、変更例5で既に記載したように、現在のサービングセルから報知される報知情報(SIB3)に含まれる優先度(cellReselectionPriority)を最低の優先度に読み替えてもよい。
なお、優先度(cellReselectionPriority)が取り得る範囲が0〜7の範囲であり、大きな値が高い優先度を表している場合において、最低の優先度はマイナスの値であってもよい。
さらに、再選択要求信号は、現在のサービングセルの周波数の優先度(cellReselectionPriority)を最低の優先度に読み替えるか否かを示す識別子を含んでもよい。例えば、MBMSサービスを現在のサービングセルが提供している場合に、現在のサービングセルは、現在のサービングセルの周波数の優先度を最低の優先度に読み替える旨を示す識別子を含む再選択要求信号を送信する。一方で、MBMSサービスを現在のサービングセルが提供していない場合に、現在のサービングセルは、現在のサービングセルの周波数の優先度を最低の優先度に読み替えない旨を示す識別子を含む再選択要求信号を送信する。
[変更例13]
以下において、第2実施形態の変更例13について説明する。以下においては、変更例5に対する相違点について主として説明する。
変更例5では、UE100(受信部)は、対象セルの再選択を要求する再選択要求信号を現在のサービングセルから受信する。UE100(制御部)は、再選択要求信号の受信に応じて、対象セルの再選択を行う。
これに対して、変更例13では、UE100(制御部)は、再選択要求信号の受信に応じて対象セルの再選択(以下、ワンショット再選択)を行った後において、対象セルの再選択(以下、ポスト再選択)をさらに行ってもよい。ここで、UE100は、変更例5,12に記載したように、ワンショット再選択において、現在のサービングセル(又は、現在のサービングセルの周波数)の優先度を最低の優先度に読み替えた上で、最低の優先度よりも高い優先度を有する隣接セル(又は、周波数の隣接セル)を対象セルとして選択する。
ここで、ワンショット再選択において、最低の優先度よりも高い優先度を有する隣接セル(又は、周波数の隣接セル)が2以上見つかるケースが想定される。このようなケースにおいて、UE100は、ワンショット再選択に続けてポスト再選択を行うことによって、最適なセルを対象セルとして選択し直すことができる。
UE100は、隣接セル(又は、隣接セルの周波数)の優先度が現在のサービングセルの優先度と同じである場合にのみ、ポスト再選択を行ってもよい。すなわち、UE100は、ワンショット再選択で対象セルとして選択されたセル(又は、セルの周波数)の優先度と同じ優先度を有する隣接セル(又は、周波数の隣接セル)が存在する場合に、ポスト再選択を行ってもよい。或いは、UE100は、ワンショット再選択において、同じ優先度を有する2以上の隣接セルが対象セルとして見つかった場合に、ポスト再選択を行ってもよい。一方で、UE100は、ワンショット再選択で対象セルとして選択されたセル(又は、セルの周波数)の優先度と同じ優先度を有する隣接セル(又は、周波数の隣接セル)が存在しない場合に、ポスト再選択を省略してもよい。或いは、UE100は、ワンショット再選択において、同じ優先度を有する2以上の隣接セルが対象セルとして見つからなかった場合に、ポスト再選択を行ってもよい。ここで、ポスト選択処理は、同じ優先度を有する隣接セル(又は、隣接セルの周波数)の測定の実施によって開始してもよい。
これらの表現を言い換えると、第2実施形態の(A2)で説明した処理、すなわち、現在のサービングセルの品質(例えば、Srxlev及びSqual)が所定閾値(SnonIntraSearchP及びSnonIntraSearchQ)を下回った場合に、現在のサービングセルの周波数の優先度と等しい優先度又は低い優先度を有する周波数の測定を開始するという処理は、以下のように修正される。具体的には、UE100は、現在のサービングセルの品質(例えば、Srxlev及びSqual)が所定閾値(SnonIntraSearchP及びSnonIntraSearchQ)を下回っており、又は、現在のサービングセルがワンショット再選択で選択されたセルである場合に、現在のサービングセルの周波数の優先度と等しい優先度又は低い優先度を有する周波数の測定を開始する。一方で、UE100は、現在のサービングセルの品質(例えば、Srxlev及びSqual)が所定閾値(SnonIntraSearchP及びSnonIntraSearchQ)を上回っており、かつ、現在のサービングセルがワンショット再選択で選択されたセルでない場合に、現在のサービングセルの周波数の優先度と等しい優先度又は低い優先度を有する周波数の測定を開始しなくてもよい。すなわち、このような場合に、ポスト再選択処理を省略してもよい。
なお、セル(又は、セルの周波数)の優先度は、各セルから報知される報知情報(SIB3又はSIB5等)に含まれており、報知情報に基づいて優先度をUE100が把握してもよい。
変更例13において、ワンショット再選択後に実行されるポスト再選択は1回だけでもよい。すなわち、ワンショット再選択後において、2回以上のポスト再選択が行われなくてもよい。
変更例13において、UE100は、ワンショット再選択の実行に応じて起動するタイマを有しており、タイマ値が閾値に達するまでの間において、ポスト再選択を行ってもよい。タイマ値と比較される閾値は、現在のサービングセルから報知される報知情報(SIB又はページング信号)に含まれていてもよい。タイマ値と比較される閾値は、上述した再選択要求信号に含まれてもよい。なお、タイマ値が閾値に達するまでの間に実行されるポスト再選択は1回だけであってもよい。すなわち、タイマ値が閾値に達するまでの間において、2回以上のポスト再選択が行われなくてもよい。或いは、UE100は、ポスト再選択の実行に応じて起動するタイマを有しており、タイマ値が閾値に達するまでの間において、次のポスト再選択を実行せずに、タイマ値が閾値に達した場合に、次のポスト再選択を実行してもよい。UE100は、タイマ値が閾値に達した場合に、次のポスト再選択が実行されると、タイマのリセット又は再起動を行ってもよい。但し、UE100は、タイマ値が閾値に達するまでの間であっても、上述した第2実施形態で説明した品質測定(例えば、(A1)〜(A2))及びセル再選択処理(例えば、(B1〜(B3))を実行してもよい。例えば、UE100は、タイマ値が閾値に達するまでの間であっても、現在のサービングセルの品質(例えば、Srxlev及びSqual)が所定閾値(SnonIntraSearchP及びSnonIntraSearchQ)を下回っている場合には、隣接セル(又は、隣接セルの周波数)の品質測定を実行するとともに、セル再選択処理を実行してもよい。
変更例13に係るワンショット再選択において、変更例5又は変更例12と同様に、現在のサービングセルから報知される報知情報(SIB3)に含まれる優先度(cellReselectionPriority)が最低の優先度に読み替えられてもよい。このようなケースにおいて、UE100は、ポスト再選択において、ワンショット再選択の要求を行ったセル(又はセルの周波数)の優先度(cellReselectionPriority)を依然として最低の優先度として扱ってもよい。これによって、ネットワークの設定不備等が生じた場合であっても、ワンショット再選択を行う前のセルが対象セルとして選択されるピンポン現象が抑制される。
[変更例14]
以下において、第2実施形態の変更例14について説明する。以下においては、変更例5に対する相違点について主として説明する。
変更例14において、eNB200(セル)は、再選択要求信号の送信によってUE100に対象セルの再選択を促す処理(以下、UE配分処理)を行う場合に、X2インターフェイスを介して、UE配分処理を行う旨を含むメッセージを隣接eNBに通知してもよい。UE配分処理を行っている旨を含むメッセージを通知するタイミングは、UE配分処理を行う前であってもよく、UE配分処理を行っている途中であってもよく、UE配分処理を行った後であってもよい。ここで、UE配分処理を行っている途中とは、再選択要求信号の繰り返し送信を行う場合において、最初の再選択要求信号を送信するタイミングから最後の再選択要求信号を送信するタイミングまでの間である。このようなケースにおいて、UE配分処理を行う前とは、最初の再選択要求信号を送信するタイミングよりも前であってもよい。UE配分処理を行った後とは、最後の再選択要求信号を送信するタイミングよりも後であってもよい。
さらに、eNB200は、X2インターフェイスを介してUE配分処理を行う旨を含むメッセージを隣接eNBに通知した後において、UE配分処理が終了した場合に、X2インターフェイスを介してUE配分処理が終了した旨を含むメッセージを隣接eNBに通知してもよい。
第1に、UE配分処理を行う旨が通知された隣接eNBは、UE配分処理を行う旨を通知したeNB200(セル)が対象セルとして選択されないようにする処理(以下、再選択制限処理)を行う。
例えば、UE配分処理を行う旨が通知された隣接eNBは、UE配分処理を行う旨を通知したeNB200(セル)の優先度を自局で管理するセルの優先度よりも低く設定してもよい。隣接eNBは、新たに設定されたeNB200(セル)の優先度を報知してもよい。
或いは、UE配分処理を行う旨が通知された隣接eNBは、UE配分処理を行う旨を通知したeNB200(セル)を対象セルとして選択すべきではないリスト(以下、ブラックリスト)に追加してもよい。隣接eNBは、eNB200(セル)が追加されたブラックリストを報知してもよい。
第2に、UE配分処理を行う旨が通知された隣接eNBは、UE配分処理を行う旨を通知したeNB200(セル)に対するハンドオーバを制限する処理(以下、ハンドオーバ制限処理)を行う。
例えば、UE配分処理を行う旨が通知された隣接eNBは、測定対象(Measurement Configuration)からUE配分処理を行う旨を通知したeNB200(セル)を除外してもよい。
或いは、UE配分処理を行う旨が通知された隣接eNBは、UE配分処理を行う旨を通知したeNB200(セル)に対するハンドオーバ要求の送信を制限してもよい。或いは、UE配分処理を行う旨が通知された隣接eNBは、UE配分処理を行う旨を通知したeNB200(セル)に対するDual ConnectivityにおけるSeNBの追加要求の送信を制限してもよい。或いは、UE配分処理を行う旨が通知された隣接eNBは、UE配分処理を行う旨を通知したeNB200(セル)に対して、Dual ConnectivityにおけるSeNBから除外するメッセージを送信してもよい。
ここで、隣接eNBは、再選択制限処理又はハンドオーバ制限処理の開始に応じて起動し、タイマ値が閾値に達した場合に、再選択制限処理又はハンドオーバ制限処理を解除してもよい。タイマ値と比較される閾値は、予め設定されていてもよく、UE配分処理を行う旨を示すメッセージに含まれていてもよく、OAM(Operation,Administration and Managemanet)サーバから通知されてもよい。或いは、隣接eNBは、UE配分処理が終了した旨が通知された場合に、再選択制限処理又はハンドオーバ制限処理を解除してもよい。
[変更例15]
以下において、第2実施形態の変更例15について説明する。以下においては、第2実施形態に対する相違点について主として説明する。
第2実施形態では、ランダム性を有する値は、UE100(制御部)が発生する乱数を含む。これに対して、変更例15では、ランダム性を有する値は、UE100(制御部)が発生する乱数を含まない。また、UE100は、ランダム性を有する値を用いて対象セルの再選択を行うか否かを判定する。
例えば、ランダム性を有する値は、UE100に固有の値(UE−ID)である。UE100に固有の値(UE−ID)は、現在のサービングセルによって割り当てられる識別子(RNTI;Radio Network Temporary Identifier)であってもよく、予めUE100に一意に割り当てられる識別子(IMSI;International Mobile Subscriber Identity)であってもよく、UE100の位置登録に応じて割り当てられる識別子(S−TMSI;SAE−Temporary Mobile Subscriber Identity)であってもよい。
変更例15において、UE100は、UE100に固有の値及び現在のサービングセルから受信する値に基づいて、対象セルの再選択を行うか否かを判定する。具体的には、現在のサービングセルから受信する値は、対象セルの再選択が行われる確率を定義する値(Np)及びUE100間の公平性を担保するための値(Nr)を含む。Np及びNrは、現在のサービングセルから報知される報知情報に含まれてもよい。UE100間の公平性を担保するために、Nrは所定周期で変更されることが好ましい。但し、Npは、現在のサービングセルから報知される報知情報によらずに、予め定められた値であってもよい。同様に、Nrは、現在のサービングセルから報知される報知情報によらずに、予め定められた値であってもよい。
例えば、UE100は、(UE−IDmodNp)=Nrの条件が満たされた場合に、対象セルの再選択を行ってもよい。このようなケースにおいて、UE100は、(UE−IDmodNp)=Nrの条件が満たされない場合に、対象セルの再選択を行わない。上述したように、UE−IDとしては、RNTI、IMSI及びS−TMSIを用いることが可能である。従って、上述した式において、UE−IDは、RNTI、IMSI及びS−TMSIのいずれかと読み替えてもよい。
ここで、ランダム性を有する値を用いて対象セルの再選択を行うか否かを判定するタイミングは、第2実施形態で説明した「所定タイミング」であってもよい。所定タイミングは、例えば、現在のサービングセルから受信するシステム情報(SIB;System Information Block)に基づいて特定される。なお、所定タイミングは、対象セルの選択に伴って隣接セルの品質測定を開始するタイミングを意味する。
第2実施形態で説明したように、システム情報は、隣接セルの品質測定を直ちに開始することを意味していてもよい。このようなケースにおいて、UE100は、システム情報を受信するタイミングを所定タイミングとして特定し、システム情報の受信に応じて隣接セルの品質測定を開始する。
或いは、システム情報は、隣接セルの品質測定を開始すべきサブフレーム番号を含んでもよい。UE100は、システム情報に含まれるサブフレーム番号を所定タイミングとして特定し、特定されたサブフレーム番号で隣接セルの品質測定を開始する。
或いは、システム情報は、所定タイミングの周期を示す情報を含んでもよい。例えば、システム情報は、隣接セルの品質測定、対象セルの再選択若しくは再配分処理を終了したタイミングで起動されるタイマに設定すべきタイマ値を含む。UE100は、タイマ値がセットされたタイマが満了したタイミングを所定タイミングとして特定し、特定されたタイミングで隣接セルの品質測定を開始する。なお、再配分処理とは、後述するOSS(One Shot Shceme)又はCRS(Continuous Re-Distribution Scheme)などである。
変更例15においては、UE100間の公平性を担保するための値(Nr)が現在のサービングセルから報知される報知情報に含まれるケースについて例示した。しかしながら、変更例15はこれに限定されるものではない。例えば、所定タイミングを含むフレーム番号又はサブフレーム番号がNrとして用いられてもよい。例えば、システム情報が隣接セルの品質測定を直ちに開始することを意味する場合には、システム情報を受信するフレーム番号又はサブフレーム番号がNrとして用いられる。或いは、システム情報が隣接セルの品質測定を開始すべきサブフレーム番号を含む場合には、隣接セルの品質測定を開始すべきフレーム番号又はサブフレーム番号がNrとして用いられる。
或いは、UE100間の公平性を担保するための値(Nr)として、システム情報(SIB)の内容の更新に応じてインクリメントされる値(systemInfoValueTag)が用いられてもよい。systemInfoValueTagは、現在のサービングセルから報知される報知情報(SIB1)に含まれる。
なお、Nr<Npの関係が満たされるようにNrの値が選択されることが好ましい。或いは、UE100は、(UE−IDmodNp)=(NrmodNp)の条件が満たされた場合に、対象セルの再選択を行ってもよい。このようなケースにおいて、UE100は、(UE−IDmodNp)=(NrmodNp)の条件が満たされない場合に、対象セルの再選択を行わない。
ここで、UE100は、(UE−IDmodNp)>(NrmodNp)、(UE−IDmodNp)<(NrmodNp)、(UE−IDmodNp)=(NrmodNp)の3種類の条件の中から選択された1以上の条件が満たされた場合に、対象セルの再選択を行ってもよい。3種類の条件の中から選択される1以上の条件(すなわち、上述した式の等号又は不等号)は、現在のサービングセルから報知される報知情報に含まれてもよい。
或いは、UE100間の公平性を担保するための値(Nr)として、複数のNr(例えば、Nr1及びNr2)が設定されてもよい。このようなケースにおいて、UE100は、(UE−IDmodNp)=(Nr1modNp)の条件又は(UE−IDmodNp)=(Nr2modNp)の条件が満たされた場合に、対象セルの再選択を行ってもよい。
或いは、対象セルの再選択が行われる確率を定義する値(Np)として、複数のNp(例えば、Np1及びNp2)が設定されてもよい。このようなケースにおいて、UE100は、(UE−IDmodNp1)=(NrmodNp1)の条件又は(UE−IDmodNp2)=(NrmodNp2)の条件が満たされた場合に、対象セルの再選択を行ってもよい。
[変更例16]
以下において、第2実施形態の変更例16について説明する。以下においては、第2実施形態に対する相違点について主として説明する。
変更例16において、UE100(受信部)は、サービングセルとして選択される対象セルを配分するための再配分パラメータを現在のサービングセルから報知されている場合に、再配分パラメータを受信する。
再配分パラメータは、周波数の優先度(cellReselectionPriority)、セルの優先度(CSP;Cell Specific Priority)、所定期間(TreselectionRAT)、各種オフセット(Qqualminoffset、Qrxlevminoffset、Qoffsettemp、QHyst、Qoffset)、各種閾値(ThreshX,HighQ、ThreshX,HighP、ThreshServing,LowQ、ThreshServing,LowP)の中から選択された1以上のパラメータを含む。再配分パラメータは、例えば、現在のサービングセルから報知されるシステム情報(SIB;System Information Block)に含まれる。
このような前提下において、UE100(制御部)は、再配分パラメータを現在のサービングセルから受信している場合に、再選択要求信号の受信に応じて、再配分パラメータを用いた第1再配分処理を行う。一方で、UE100(制御部)は、再配分パラメータを現在のサービングセルから受信していない場合に、再選択要求信号の受信に応じて、再配分パラメータを用いない第2再配分処理を行う。なお、再選択要求信号は、変更例7と同様に、eNB200(サービングセル)から報知されるページング信号に含まれてもよい。
具体的には、UE100は、第1再配分処理において、変更例5と同様の処理、すなわち、再選択要求信号の受信に応じて行われる対象セルの再選択を行う。但し、第1再配分処理では、上述したように、再配分パラメータが用いられる。
一方で、UE100は、第2再配分処理において、現在のサービングセルが対象セルとして選択されにくくする。例えば、第2再配分処理としては、以下の処理が考えられる。
第1に、UE100は、第2再配分処理において、現在のサービングセルの周波数の優先度(cellReselectionPriority)を相対的に下げてもよい。例えば、UE100は、現在のサービングセルの周波数の優先度(cellReselectionPriority)を最低の優先度(lowest priority)に変更する。或いは、UE100は、現在のサービングセル以外の周波数の優先度を上げてもよい。
第2に、UE100は、第2再配分処理において、現在のサービングセルの優先度(CSP)を相対的に下げてもよい。例えば、UE100は、現在のサービングセルの優先度(CSP)を最低の優先度(lowest priority)に変更する。或いは、UE100は、現在のサービングセル以外のセルの優先度を上げてもよい。
第3に、UE100は、第2再配分処理において、現在のサービングセルの周波数と同じ周波数を有するセルの少なくとも1つのセルについてセルの優先度(CSP)が設定されている場合に、現在のサービングセルの優先度(CSP)を相対的に下げてもよい。一方で、UE100は、第2再配分処理において、現在のサービングセルの周波数と同じ周波数を有する全てのセルについて優先度(CSP)が設定されていない場合に、現在のサービングセルの周波数の優先度(cellReselectionPriority)を相対的に下げてもよい。
第4に、再選択要求信号は、第2再選択処理で適用するべき優先度を指定する所定値を含んでいてもよい。このようなケースにおいて、UE100は、所定値が第1値(例えば、0)である場合に、第2再配分処理において、現在のサービングセルの周波数の優先度を相対的に下げ、所定値が第2値(例えば、1)である場合に、第2再配分処理において、現在のサービングセルの優先度(CSP)を相対的に下げてもよい。
[変更例17]
以下において、第2実施形態の変更例17について説明する。以下においては、第2実施形態に対する相違点について主として説明する。
変更例17において、UE100(受信部)は、再選択要求信号の受信に応じて対象セルの再選択を行う再配分処理(OSS(One Shot Shceme))を適用するか否かを指示するインディケータ(OSS applicable)を現在のサービングセルから受信する。インディケータは、例えば、現在のサービングセルから報知されるシステム情報(SIB;System Information Block)に含まれる。
このような前提下において、UE100(制御部)は、再配分処理(OSS)の適用を指示するインディケータを受信しており、かつ、再配分パラメータを現在のサービングセルから受信していない場合に、再選択要求信号の受信に応じて、第2再配分処理を行ってもよい。UE100(制御部)は、再配分処理(OSS)の非適用を指示するインディケータを受信しており、かつ、再配分パラメータを現在のサービングセルから受信していない場合に、再選択要求信号の受信に応じて、第2再配分処理を行ってもよい。
なお、UE100は、再配分処理(OSS)の非適用を指示するインディケータを受信しており、かつ、再配分パラメータを現在のサービングセルから受信している場合には、再選択要求信号に依存しないトリガーに応じて、再配分パラメータを用いて対象セルの再選択を行う(CRS;Continuous Re-Distribution Scheme)。再選択要求信号に依存しないトリガーとは、例えば、タイマの満了などのトリガーである。タイマにセットされる値は、例えば、現在のサービングセルから報知されるシステム情報(SIB;System Information Block)に含まれる。
[変更例18]
以下において、第2実施形態の変更例18について説明する。以下においては、第2実施形態に対する相違点について主として説明する。
変更例18において、UE100(受信部)は、再配分パラメータが報知されているか否かを示す報知存在インディケータを受信する。報知存在インディケータは、例えば、現在のサービングセルから報知されるシステム情報(SIB;System Information Block)に含まれる。但し、報知存在インディケータは、再配分パラメータを含むシステム情報(例えば、SIB3)を受信する前に取得すべきシステム情報(例えば、MIB又はSIB1)に含まれることが好ましい。或いは、報知存在インディケータは、再選択要求信号を含むページング信号に含まれてもよい。
また、UE100(受信部)は、再配分パラメータの再取得が必要であるか否かを示す再取得インディケータを受信する。UE100は、再配分パラメータの再取得が必要である旨を再取得インディケータが示す場合に、再配分パラメータを再取得する。再取得インディケータは、現在のサービングセルから報知されるシステム情報(SIB;System Information Block)に含まれてもよく、再選択要求信号を含むページング信号に含まれてもよい。
このようなケースにおいて、UE100(制御部)は、再配分パラメータの再取得が必要である旨を再取得インディケータが示す場合に、再取得後の再配分パラメータを用いて、第1再配分処理を行う。すなわち、UE100は、再選択要求信号を受信しても、再配分パラメータが再取得されるまで、第1再配分処理をペンディングし、再配分パラメータが再取得されてから第1再配分処理を行う。一方で、UE100(制御部)は、再配分パラメータの再取得が必要でない旨を再取得インディケータが示す場合に、再取得前の再配分パラメータを用いて、第1再配分処理を行う。すなわち、UE100は、再選択要求信号を受信した場合に、再配分パラメータの再取得を待たずに、第1再配分処理を行う。
変更例18において、報知存在インディケータは、次のシステム変更期間(SI Modification Period)において、再配分パラメータが報知されるか否かを示す情報であってもよい。再取得インディケータは、次のシステム変更期間(SI Modification Period)において、再配分パラメータが変更されるか否かを示す情報であってもよい。このような構成によれば、報知存在インディケータ及び再取得インディケータを特定のUE100のみに通知することができる。
さらに、一つの周波数に対して、周波数の優先度に係る再配分パラメータ及びセルの優先度に係る再配分パラメータの双方が現在のサービングセルから報知されているケースにおいて、どの再配分パラメータを適用すべきかを示す適用パラメータインディケータが現在のサービングセルから報知されてもよい。例えば、適用パラメータインディケータは、周波数の優先度に係る再配分パラメータを適用するか、セルの優先度に係る再配分パラメータを適用するか、周波数の優先度及びセルの優先度の双方に係る再配分パラメータを適用するかを示す。適用パラメータインディケータは、現在のサービングセルから報知されるシステム情報(SIB;System Information Block)に含まれてもよく、再選択要求信号を含むページング信号に含まれてもよい。適用パラメータインディケータを受信するUE100は、適用パラメータインディケータに基づいて、再配分処理で用いる再配分パラメータを決定する。
[変更例19]
以下において、第2実施形態の変更例19について説明する。以下においては、第2実施形態に対する相違点について主として説明する。
変更例19において、UE100(制御部)は、変更例15と同様に、UE100に固有の値に基づいて対象セルの再選択を行う。詳細には、UE100は、UE100に固有の値に加えて、周波数又はセル毎に異なる値を用いて、第1再配分処理又は第2再配分処理を行う。
例えば、UE100は、以下の式に従って、第1再配分処理又は第2再配分処理を行う。
但し、redistrRange[i]は、i番目の候補周波数のセルが対象セルとして選択される確率を規定する値であり、0以上1以下の値である。redistrRange[0]は、現在のサービングセルの周波数のセルが対象セルとして選択される確率を規定する値であり、0以上1以下の値である。UE_IDは、UEに固有の値であり、offsetは、周波数又はセル毎に異なる値であり、0以上100以下の値である。
このようなケースにおいて、offsetを用いない場合には、「(UE_IDmod100)≦100×redeitrRange[0]」を満たす特定のUE100は、現在のサービングセルから他の周波数のセルに移動せずに、サービングセルに常に在圏し続けてしまう。すなわち、現在のサービングセルから移動しなくてもよい特定のUE100が固定されてしまう。このような事態を許容すると、特定のUE100と他のUE100との間で不公平が生じてしまう。これに対して、変更例19では、offsetの導入によって、UE100間の不公平を解消することができる。
また、offsetを用いない場合には、「(UE_IDmod100)≦100×redeitrRange[0]」を満たす特定のUE100の初期分布によって、各セルに対するUE100の再配分の効果が影響される。これに対して、これに対して、変更例19では、offsetの導入によって、「{(UE_ID+offset)mod100}≦100×redeitrRange[0]」を満たす特定のUE100を特定の周波数に意図的に誘導することができる。さらに、各セルに在圏するUE100のUE_IDのランダム性を考慮すると、「(UE_IDmod100)≦100×redeitrRange[0]」を満たす特定のUE100の初期分布によって各セルに対するUE100の再配分の効果が影響されるケースよりも、各セルに対してUE100を効果的に再配分することができる。
変更例19において、offsetは、例えば、現在のサービングセルから報知されるシステム情報(SIB;System Information Block)に含まれてもよく、再選択要求信号を含むページング信号に含まれてもよい。offsetは、UE100に個別に送信されるRRCメッセージに含まれてもよい。
変更例19において、offsetは、周波数又はセル毎に異なる値及び他のパラメータに基づいて算出されてもよい。他のパラメータとしては、再選択要求信号をUE100が受信したタイミングを含む時間情報(SFN又はUTC)を用いることができる。offsetは、周波数又はセル毎に異なる値であればよく、OAMによって設定された値であってもよい。
変更例19では、式(2)が適用された後に、式(3)が適用されるケースを想定しており、i番目の候補周波数のセルに移動するUE100を選択するために、{(UE_ID+offset)mod100}が式(3)に代入される順番は任意である。しかしながら、変更例19はこれに限定されるものではない。
具体的には、redeitrRange[0]〜redeitrRange[j]に割り当てられる周波数が定められているケースにおいて、{(UE_ID+offset)mod100}が式(2)又は式(3)に代入される順序が指定されていてもよい。或いは、0〜jの順序で{(UE_ID+offset)mod100}が式(2)又は式(3)に代入されるケースにおいて、redeitrRange[0]〜redeitrRange[j]に割り当てられる周波数が指定されていてもよい。このような順序指定或いは周波数指定によって、特定の周波数のセルをサービングセルとしてUE100が用いるように、再配分処理を意図的に制御することができる。上述した順序指定或いは周波数指定を含む情報は、現在のサービングセルから報知されるシステム情報(SIB;System Information Block)に含まれてもよく、再選択要求信号を含むページング信号に含まれてもよい。順序指定或いは周波数指定が存在しない場合には、存在しない順序又は周波数に対応するredeitrRangeの式(2)又は式(3)に{(UE_ID+offset)mod100}を代入する処理は省略されてもよい。
[変更例20]
以下において、実施形態の変更例20について説明する。以下においては、変更例5に対する相違点について主として説明する。
変更例20の適用シーンは、図13に示す通りである。図13に示すように、移動通信システムは、エリア#1及びエリア#2を有する。エリア#1には、周波数F1のセル#1−1及び周波数F1のセル#1−2が設けられる。エリア#2には、周波数F1のセル#2−1、周波数F1のセル#2−2及び周波数F1のセル#2−3が設けられる。周波数F1のセル(#1−1及び2−1)は高負荷のセルであり、周波数F2のセル(#1−2及び2−2)は低負荷のセルである。周波数F3のセル(#2−3)は、中負荷のセルであり、周波数F1及びF2のセルよりも高い優先度を有する。例えば、周波数F1及びF2のセルはマクロセルであり、周波数F3のセルはCSGセルであってもよい。
変更例20では、UE100(制御部)は、変更例5と同様に、再選択要求信号の受信に応じて、ターゲット周波数のセルへの対象セルの再選択を行うとともに所定タイマ(T360)を起動する。UE100(制御部)は、は、所定タイマの起動中においてターゲット周波数のセルを対象セルとして用いる。例えば、図13に示すケースでは、第1エリアにおいて周波数F1のセル#1−1から再選択要求信号を受信すると、周波数F1のセル#1−1から周波数F2のセル#1−2への対象セルの再選択が行われる(図13に示す動作A)。このような動作Aの後に、UE100がエリア#1からエリア#2に移動するケースを想定する(図13に示す動作B)。
このようなケースにおいて、変更例20では、UE100(制御部)は、UE100の移動速度に基づいて所定タイマ(T360)の満了時間を変更する。具体的には、UE100(制御部)は、UE100の移動速度が速いほど、所定タイマの満了時間として短い満了時間をセットする。例えば、UE100(制御部)は、所定タイマのカウント時間が所定時間閾値(T−redistribution)に達した場合に、所定タイマが満了したと判定する。従って、所定時間閾値(T−redistribution)は、所定タイマの満了時間を定義する値である。所定タイマの満了時間の変更方法は、例えば、以下に示す通りである。
(1)UE100(制御部)は、所定タイマの満了時間を定義する所定時間閾値(T−redistribution)に対してUE100の移動速度に基づいた係数(Scaling Factor)を乗算した値を用いて、タイマの満了を判定してもよい。係数は、移動速度に基づいて定められた値であり、例えば、0以上1以下の値である。移動速度が速いほど、係数の値が小さい。
例えば、所定移動速度よりも遅い移動速度を低速移動速度とし、所定移動速度よりも速い移動速度を高速移動速度とするケースについて考える。低速移動速度に対応する係数が1である場合に、高速移動速度に対応する係数は、例えば、0.25である。従って、UE100の移動速度が低速移動速度である場合には、所定タイマのカウント時間が所定時間閾値(T−redistribution)に係数(1)を乗算した値に達した場合に、所定タイマが満了したと判定される。一方で、UE100の移動速度が高速移動速度である場合には、所定タイマのカウント時間が所定時間閾値(T−redistribution)に係数(0.25)を乗算した値に達した場合に、所定タイマが満了したと判定される。
(2)UE100(受信部)は、所定タイマの満了時間を定義する複数の所定時間閾値を受信する。UE100(制御部)は、複数の所定時間閾値の中から、UE100の移動速度に基づいて選択された所定時間閾値を用いて、タイマの満了を判定する。移動速度が速いほど、所定時間閾値が短い。
例えば、所定移動速度よりも遅い移動速度を低速移動速度とし、所定移動速度よりも速い移動速度を高速移動速度とするケースについて考える。高速移動速度に対応する所定時間閾値(T−redistribution_2)は、低速移動速度に対応する所定時間閾値(T−redistribution_1)よりも短い。複数の所定時間閾値は、ターゲット周波数F2のセル(#1−2及び#2−2)の優先度よりも高い優先度を有する高優先セル(#2−3)を有するeNB200から報知されるシステム情報(SIB)に含まれてもよい。
(3)UE100(制御部)は、(1)及び(2)の組合せに基づいて、タイマの満了を判定してもよい。すなわち、UE100(制御部)は、UE100の移動速度に基づいて選択された所定時間閾値に係数を乗算した値を用いて、タイマの満了を判定してもよい。
上述した手順(1)〜(3)のいずれかにおいて、UE100(制御部)は、所定タイマの起動後においてUE100の移動速度が変化した場合に、所定タイマの満了時間を変更してもよい。UE100は、変化後の移動速度に基づいて所定タイマの満了時間を変更することは勿論である。
このようなケースにおいて、UE100(制御部)は、所定タイマを起動した際に参照されたUE100の移動速度よりもUE100の移動速度が速くなった場合に、所定タイマの満了時間を変更してもよい。UE100(制御部)は、所定タイマを起動した際に参照されたUE100の移動速度よりもUE100の移動速度が遅くなった場合には、所定タイマの満了時間を変更しなくてもよい。
UE100(制御部)は、所定タイマの起動中に所定タイマの満了時間を変更してもよい。UE100(制御部)は、所定タイマの満了後に所定タイマの満了時間を変更してもおよい。
変更例20によれば、所定タイマの起動中において、UE100が再選択要求信号を受信した際にUE100が位置していたエリア#1から、ターゲット周波数F2のセル(#1−2及び#2−2)よりも高い優先度を有する高優先度セル(#2−3)が設けられたエリア#2にUE100が移動する可能性が高い場合において、所定タイマが満了するまで高優先度セルが対象セルとして選択されない事態を抑制することができる。一方で、所定タイマの起動中においてエリア#1からエリア#2にUE100が移動する可能性が低い場合において、ソース周波数とターゲット周波数との間におけるピンポン現象を抑制することができる。
[変更例21]
以下において、実施形態の変更例21について説明する。以下においては、変更例20に対する相違点について主として説明する。変更例21の適用シーンは、変更例20と同様である。
変更例20では、UE100(制御部)は、UE100の移動速度に基づいて所定タイマ(T360)の満了時間を変更する。これに対して、変更例21では、UE100(制御部)は、所定タイマの停止を要求する停止要求信号を受信した場合に、所定タイマを停止する。停止要求信号は、ターゲット周波数F2のセル(#1−2及び#2−2)の優先度よりも高い優先度を有する高優先セル(#2−3)を有するeNB200から報知されてもよい。すなわち、停止要求信号は、エリア#1に設けられたセルを有するeNB200から報知されなくてもよい。停止要求信号は、エリア#2に設けられたセルを有するeNB200から報知されるシステム情報(SIB)に含まれてもよい。
ここで、UE100(制御部)は、UE100の移動速度が所定速度よりも速く、かつ、停止要求信号を受信した場合に、所定タイマを停止してもよい。すなわち、UE100は、停止要求信号を受信した場合であっても、UE100の移動速度が所定速度よりも遅い場合には、所定タイマを停止しなくてもよい。但し、UE100(制御部)は、UE100の移動速度によらずに、停止要求信号を受信した場合に、所定タイマを停止してもよい。
変更例21によれば、変更例20と同様に、所定タイマの起動中においてエリア#1からエリア#2にUE100が移動する可能性が高い場合において、所定タイマが満了するまで高優先度セルが対象セルとして選択されない事態を抑制することができる。一方で、所定タイマの起動中においてエリア#1からエリア#2にUE100が移動する可能性が低い場合において、ソース周波数とターゲット周波数との間におけるピンポン現象を抑制することができる。
[変更例22]
以下において、実施形態の変更例22について説明する。以下においては、変更例20に対する相違点について主として説明する。変更例22の適用シーンは、変更例20と同様である。
変更例20では、UE100(制御部)は、UE100の移動速度に基づいて所定タイマ(T360)の満了時間を変更する。これに対して、変更例22では、UE100(制御部)は、所定タイマの起動中における異周波数再選択要求信号の受信に応じて、異周波数(Inter−Frequency)のセルへの対象セルの再選択を行う。異周波数再選択要求信号は、ターゲット周波数F2のセル(#1−2及び#2−2)の優先度よりも高い優先度を有する高優先セル(#2−3)を有するeNB200から報知されてもよい。すなわち、異周波数再選択要求信号は、エリア#1に設けられたセルを有するeNB200から報知されなくてもよい。異周波数再選択要求信号は、エリア#2に設けられたセルを有するeNB200から報知されるシステム情報(SIB)に含まれてもよい。
変更例22では、異周波数再選択要求信号の受信に応じて、異周波数(Inter−Frequency)のセルへの対象セルの再選択が行われた場合であっても、所定タイマを停止しなくてもよい。
ここで、UE100(制御部)は、ソース周波数(F1)のセル(セル#1−1)から報知されるパラメータではなくて、ターゲット周波数(F2)のセル(セル#2−2)から報知されるパラメータに基づいて、異周波数のセルへの前記対象セルの再選択を行ってもよい。ターゲット周波数(F2)のセル(セル#2−2)から報知される各種パラメータは、例えば、周波数の優先度(cellReselectionPriority)、所定期間(TreselectionRAT)、各種オフセット(Qqualminoffset、Qrxlevminoffset、Qoffsettemp、QHyst、Qoffset)、各種閾値(ThreshX,HighQ、ThreshX,HighP、ThreshServing,LowQ、ThreshServing,LowP)を含む。
変更例22によれば、変更例20と同様に、所定タイマの起動中においてエリア#1からエリア#2にUE100が移動する可能性が高い場合において、所定タイマが満了するまで高優先度セルが対象セルとして選択されない事態を抑制することができる。一方で、所定タイマの起動中においてエリア#1からエリア#2にUE100が移動する可能性が低い場合において、ソース周波数とターゲット周波数との間におけるピンポン現象を抑制することができる。
[第2実施形態のその他の変更例]
第2実施形態では特に触れていないが、対象セルの選択に伴う隣接セルの品質測定は、所定タイミング(第2実施形態)において所定条件が満たされた場合に開始してもよい。或いは、ランダム性を有する値を用いた対象セルの選択(変更例1)は、所定条件が満たされたときに行われてもよい。例えば、所定条件は、UE100のアクセスクラスが現在のサービングセルから通知されているアクセスクラスであることであってもよい。或いは、所定条件は、周波数の優先度modAC=0が満たされること、若しくは、セル−IDmodAC=0が満たされることであってもよい。
第2実施形態で説明したように、対象セルの選択手順全体としては、(A)開始条件が満たされた場合に、現在のサービングセルに隣接する隣接セルの品質を測定する手順(測定手順)と、(B)選択条件を満たすセルの中からサービングセルとして用いる対象セルを選択する手順(選択手順)とを含む。第2実施形態は測定手順に関するものであり、変更例1〜変更例3は選択手順に関するものである。このようなケースにおいて、第2実施形態に係る測定手順と変更例1〜変更例3のいずれかに係る選択手順とを組み合わせてもよい。また、変更例1〜変更例3の中から選択された2以上の変更例に係る選択手順を組み合わせてもよい。
変更例4では、現在のサービングセルが、複数のトリガー通知のいずれかである参照トリガー通知に応じて対象セルを選択する動作をUE100にトリガーさせるために、UE100が有するカウンタ及びトリガー通知に含まれるカウンタ値を用いるケースを例示した。しかしながら、変更例4は、これに限定されるものではない。具体的には、現在のサービングセルから一定期間内において複数回に亘って報知されるトリガー通知のいずれかのトリガー通知(参照トリガー通知)に応じてUE100が対象セルを選択する動作をトリガーすればよい。従って、UE100は、対象セルを選択する動作のトリガー(又は実行若しくは開始、以下同様)に応じてタイマを起動するとともに、タイマが満了するまでの間にトリガー通知を受信しても、対象セルを選択する動作をトリガーしないように構成されていてもよい。タイマが起動されてからタイマが満了するまでの時間は、トリガー通知が複数回に亘って報知される期間(上述した一定期間)と同程度であることが好ましい。或いは、複数のトリガー通知のそれぞれは、2以上の値を取り得るトグル情報を含んでおり、UE100(制御部)は、参照トリガー通知に応じて対象セルを選択する動作をトリガーした場合に、参照トリガーに含まれるトグル情報を記憶領域に格納してもよい。このようなケースにおいて、UE100(制御部)は、現在のサービングセルから報知されるトリガー通知に含まれるトグル情報が記憶領域に格納されるトグル情報と一致する場合に、対象セルを選択する動作をトリガーしない。一方で、UE100(制御部)は、現在のサービングセルから報知されるトリガー通知に含まれるトグル情報が記憶領域に格納されるトグル情報と一致しない場合に、対象セルを選択する動作をトリガーする。
第2実施形態では特に触れていないが、対象セルの再選択を促すパラメータ或いは対象セルの再選択を要求する再選択要求信号などのトリガー通知を送信するセル(以下、過負荷セル)については、以下のように取り扱ってもよい。具体的には、UE100は、測定対象のセルから過負荷セルを除外してもよい。或いは、UE100は、隣接セルが満たすべき基準(“S−criteria”)を過負荷セルが満たしていても、サービングセルとして用いる対象セルから過負荷セルを除外してもよい。或いは、UE100は、ランキングを付与するセルから過負荷セルを除外してもよい。これによって、複数の隣接セルがトリガー通知を送信している状態(例えば、複数の隣接セルのいずれも負荷が高い状態)において、UE100がこれらの隣接セルを交互に対象セルとして選択するピンポン現象が抑制される。
第2実施形態では特に触れていないが、UE100は、現在のサービングセルに在圏してから経過した時間が禁止時間閾値(例えば、1秒)を超えるという条件が満たされた場合に、対象セルの再選択を行ってもよい。このような前提下において、UE100が、上述したトリガー通知に応じて対象セルの再選択を行う場合には、上述した開始条件(A1やA2)に応じて対象セルの再選択を行うケースで用いる時間閾値よりも長い時間閾値を用いることが好ましい。これによって、複数の隣接セルがトリガー通知を送信している状態(例えば、複数の隣接セルのいずれも負荷が高い状態)において、UE100が、これらの隣接セルを交互に対象セルとして選択するピンポン現象が抑制される。同様の観点から、UE100が、上述したトリガー通知に応じて対象セルの再選択を行う場合には、上述した開始条件(A1やA2)に応じて対象セルの再選択を行うケースで用いる所定期間(TreselectionRAT)よりも長い所定期間(TreselectionRAT)を用いることが好ましい。
第2実施形態及び変更例において、優先度(cellReselectionPriority)は、セルの周波数に割り当てられた優先度と考えてもよく、セルに割り当てられた優先度と考えてもよい。例えば、優先度(cellReselectionPriority)は、inter−frequencyの優先度であってもよく、inter−RAT frequency cellの優先度であってもよい。
第2実施形態の変更例20−22では特に触れていないが、対象セルの再選択方法は、特に限定されるものではなく、実施形態又は他の変更例に記載された方法であってもよい。
第2実施形態では特に触れていないが、UE100及びeNB200が行う各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。また、プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体であってもよい。
或いは、UE100及びeNB200が行う各処理を実行するためのプログラムを記憶するメモリ及びメモリに記憶されたプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップが提供されてもよい。
第2実施形態では、移動通信システムの一例としてLTEシステムを説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。移動通信システムは、LTEシステム以外のシステムであってもよい。
[付記1]
(はじめに)
LTEのUEのマルチキャリア負荷分散の新しい作業項目が承認され、この作業項目(WI)の目的は、最新のマルチキャリアオペレーションの下で、アイドルでのセル再選択メカニズムを強化することである。
WIは、まず下記を調べるための研究段階を持つべきである。
−複数のLTEキャリアの中でUEの再配分のための現在のメカニズムと測定量の制限。
研究段階の分析に基づいて、WIは以下の解決策を提供すべきである。
−コネクティッドモード時のHO又はUEのリダイレクトをトリガする負荷の必要性を最小限に抑えるLTEキャリア間でのRRCアイドルUEを再配分する。
−別のセル負荷、帯域幅及び能力を考慮すべきである。
−均一及び不均一の両方の配備シナリオを考慮すべきである。
−必要に応じて、新しい測定量、例えば、ユーザスループットのより良い推定のためのSINRは、評価され、導入されるべきである。
この付記は、マルチキャリア負荷分散のためのセル再選択メカニズムにおける潜在的な問題を研究段階の裏付けとして特定する。
(配備シナリオ)
図14は、配備シナリオを示す図である。WID及びモチベーション文書は、複数のキャリア間のホモジニアスカバレッジ(周波数間HomoNet)、複数のキャリア間のヘテロジニアスカバレッジ(周波数間HetNet)、及びこれら2つのシナリオの組み合わせなどのマルチキャリア配備シナリオの例を指摘している。すべての3つのシナリオに適用可能な統合解決策が望ましいが、大きな利益を実現することができる場合は、シナリオ固有の解決策も考慮すべきである。したがって、提案される解決策は、特定の配備シナリオへの適用性及びそれが意図しない配備シナリオで劣化(例えば、再選択のピンポン)の原因となるかどうかに基づいて評価されるべきである。
解決策は、周波数間HomoNet、周波数間HetNet又は2つのシナリオの組み合わせのうち少なくとも1つの配備に適用可能であるべきであり、解決策は、意図しないシナリオに負の影響を持つべきではない。
(既存のセル再選択メカニズムの制限)
セル(再)選択パラメータは、SIB又は個別シグナリング(RRC接続拒否又はRRC接続解放メッセージ)によって提供され、セル再選択プロシージャは、パラメータを使用してUEで実行される。通常のセル再選択(すなわち、個別パラメータなし)に着目すると、SIB3は一般的なパラメータを提供し、SIB4は周波数内の固有のパラメータを提供し、SIB5は周波数間の固有のパラメータを提供する。これらのパラメータを使用して、UEは、セル再選択優先度に応じて周波数の優先度付け及びRSRP/RSRQの測定を行い、S−基準(S-criterion)の評価、及びR−基準(R-criterion)でセルをランキングし、最適なセルを見つけ出して再選択し、キャンプする。
優先度付け及び測定フェーズにおいて、サービングセルのS−基準が満たされたときにUEは周波数内測定を実行しなくてもよい。隣接周波数の再選択優先度がサービング周波数よりも高い又はサービングセルのS−基準が満たされていない場合を除き、UEは、周波数間測定を実行しなくてもよい。より適切なセルが実際に利用可能であっても、測定が実行されない限り、セル再選択プロシージャがトリガされないことは明らかである。それは現在のセル再選択プロシージャの制限の1つであり、いくつかのケースで偏ったUEの分布を引き起こす。(例えば、図15に示すように、アイドルモードモビリティでの「ロックオン」。図15は、優先度の高い周波数での「ロックオン」を示す図である。)。
また、優先度付けフェーズで例外がある。UEは、選択ルールのための通常の周波数の優先度付けから逸脱し、興味のあるMBMSサービスを提供する別の周波数を選択することができる。また、リリース12のProSe直接通信は、「ProSeの直接通信が可能なUEがProSe直接通信を行うように設定されており、周波数にキャンプしながら唯一のProSe直接通信を行うことができる場合、UEはその周波数を最高の優先度とみなすことができる」というような同様のルールを導入した。そのため、この種のサービスに興味がある多くのUEが存在する場合、MBMS及び/又はProSeを提供する周波数のセルは、そうでないものよりも輻輳が生じる可能性がある。
なお、RAT間(inter−RAT)及びCSGセル用のセル再選択は、この作業項目の範囲外であると想定される。
RAN2は、UEがMBMS及び/又はProSeでその興味に基づいて周波数を優先する許可されていることを理解した上で、優先度の低い周波数と高い優先度の周波数との間でロードバランスをどのように達成することができるか検討すべきである。
評価及びランキングフェーズにおいて、S−基準及びR−基準は、UEによって測定されたRSRP及びRSRQを使用する。しかしながら、RSRQが狭い動的レンジを有しており、それは5dB上にSINRの非線形関数となり10dB程度で飽和するので、RSRQはSINRを決定するための十分な測定基準ではない。しかし、スループットが0dBと30dBとの間にほぼ直線的に維持される。これは達成可能なユーザスループットを低下させる可能性があるため、RSRQの測定と制限が高いカテゴリのUE(例えば、スマートフォン)のために特に厄介である。したがって、RRCコネクティッドへの遷移後に達成可能なユーザスループットを最大にするために、RSRQを使用した少なくともランキングプロセスはもはや適切ではなく、SINRのより良い推定値と新しい測定メトリックが望まれる。
少なくとも高いカテゴリのUEのためのランキングプロセスは、RSRQよりも正確な測定指標に基づくべきである。
スマートフォンとは異なり、低いUEカテゴリを持つMTCデバイスは、スループットがTTI内で受信するDL−SCHトランスポートブロックのビット数の最大値で上限に達するので、あまりにも高いSINRを必要としない。特に、より低いカテゴリのUEのためのWIDで述べられたように、新たなメトリックを使用した増加の測定が原因の不要な電力消費を回避することを考慮するべきである。
RAN2は、低いカテゴリのUEのための追加の電力消費を避けるべきである。
(潜在的な問題や課題)
このセクションでは、上記セクションで識別された制限以外の潜在的な問題が議論される。
(潜在能力(静的)/セル負荷(動的)を意識した分布)
セルは、eNBの送信電力及び動作周波数に応じて、帯域幅、CP長、オールモストブランクサブフレーム(ABS)、MBSFNサブフレーム、ProSeリソースプール、アンテナ数、及び/又は、セルサイズなどのパラメータの独立した設定を有しているので、周波数/セルの潜在的な能力が異なっている。これらは、周波数ドメイン、時間ドメイン及び空間ドメインに分類することができる(図16に図示)。図16は、潜在能力及び(半)静的設定を示す図である。セルの潜在能力は、上記のパラメータの関数として決定することができ、これらの設定は、典型的には(準)静的であり、既にSIBに設けられているの。それらはUEの実装又はサービングからの支援を通じて、アイドルUEによって取得されてもよい。セルの容量は、ユーザスループットに潜在的に関連しているので、UEは、セル再選択の一部としてこのようなセル容量を考慮すべきである。
セル再選択プロシージャは、隣接セルの設定を考慮するべきである。
現在のセル負荷などの動的な情報は、より適切なセル再選択を円滑化する。しかし、負荷情報の直接ブロードキャストは、以前の議論(例えば、のリリース12のWLANインターワーキング)に基づいていくつかのオペレータにより受け入れられない。WLANインターワーキングのためのケースのように、セルの負荷が、暗黙的にRAN支援パラメータ、すなわち、RSRP/RSRQの閾値の設定を介して提供されている。セルの負荷は、アイドルモードのUEの分布の不可欠な部分であるので、セルの負荷の暗黙的又は直接的な設定は、セル再選択を最適化するために考慮されるべきであるかどうかを検討すべきである。
RAN2は、直接又は暗黙的に、現在のセル負荷などの動的な情報をアイドルUEに提供することが許容されることができるかどうかを議論すべきである。
(クラスタ化されたUEの分布)
一般的には、ユーザの密度が領域内で均一ではなく、ユーザは、例えば建物の中、メインストリート、スタジアムなど、特定のスポット内でクラスタ化する傾向があることはよく知られている。したがって、eNBのカバレッジエリア内の複数のキャリア間でUEのクラスタの分布は、成功した負荷分散のキーとなり得る。
コネクティッドモードのUEでは、負荷分散は、リダイレクトやハンドオーバなどの既存のメカニズムを使用して解決することができる。一方、アイドルモードのUEは、基本的にはSIBが提供する共通の設定を適用する。すなわち、クラスタ化されたUEが同様の無線条件(すなわち、RSRP及びRSRQ)を経験すると仮定すると、現在のセル再選択メカニズムは、クラスタを分割することはできない。すなわち、これらのUEが同じS−基準/R−基準に基づき再選択する。セル再選択パラメータがeNBによって調整されても、それは単に(図17に示されるように)「団塊的再選択(mass reselection)」を引き起こし、複数のキャリア間で負荷分散を達成することができない。図17は、クラスタ化されたUEの団塊的再選択を示す図である。団塊的再選択を回避し、より優れた負荷分散を実現するためには、クラスタ内のUEのグループが、クラスタ内の他のUEのグループによって選択されたセルとは異なるセルを選択することが可能であるべきである。さらに、UEごとのUEランダム化方式のいくつかの種類を使用して再選択することがセルにとって有益であるかどうかを検討すべきである。このようなランダム化スキームは、eNBの制御下にある許容可能な測定範囲(例えば、セル再選択優先度及び/又はR−基準測定範囲)に基づくことができる。したがって、RAN2は、クラスタ化されたUEの負荷バランスを達成する方法を検討すべきである。
RAN2は、複数のキャリア間でクラスタ化されたUEのロードバランシングを実現する方法を検討すべきである。
[付記2]
(はじめに)
本付記では、2つのメカニズム、すなわち、連続配分と、ワンショット再配分とが、マルチキャリア負荷分散のために特定され、セル毎のパラメータ及び/又は再選択確率を用いた解決策が考慮される。
(事前条件及び事後条件)
解決策を検討する前に、アイドルUEが、複数のキャリア間でなぜ非一様に配分され得るのかを再考する価値がある。図18は、カバレッジ及び容量のための4つの周波数レイヤを仮定して、3つの可能な事前条件、すなわち(a)乃至(c)と、1つの事後条件、すなわち(d)を例示している。F1は、最低周波数(たとえば、800MHz、したがって、これはより大きなカバレッジを有する)であり、F4は、最高周波数(たとえば、3.5GHz、すなわち、それはより小さなカバレッジを有する)である。ここで、図18では、条件(b)は、他の条件と比較して逆の順序を有していることが注目される。条件(a)及び(b)では、各周波数レイヤは、異なるcellReselectionPriorityを有する一方、条件(c)は、すべての周波数間において等しい優先度を意図している。
条件(a)は、典型的な優先度設定として考慮され得る。これによって、容量改善を達成するために、より高い周波数における小さなセルレイヤが、再選択のために優先されるようになる。UEは、セルのS基準が満たされている限り、F2又はF4にキャンプオンされる。なぜなら、現在の仕様は、サービングセルのSqual/Srxlevに関わらず、UEに対して、サービングセルの周波数よりもより高い優先度の周波数で設定されたセルへのセル再選択及び周波数間測定を実行することを強要するからである。
条件(b)は、たとえばデュアル接続可能ネットワークにおけるカバレッジ−優先度設定のために考慮され得る。これは、条件(a)よりも劣悪な条件になる。なぜなら、すべてのUEがF1にキャンプオンされるからである。
cellReselectionPriorityは、ちょうど2つの周波数レイヤを超えたアイドルUEの負荷不均衡、すなわち、図18におけるF1とF2との間、又はF3とF4との間の不均衡、を引き起こし得ることが注目されるべきである。現在のメカニズムは、各周波数優先度のために異なるThreshX、HighQ/ThreshX、HighPを設定することを可能にするが、これらパラメータの変化は、団塊的再選択をもたらし、上記した合意「解決策は、1つのセルから別のセルへのUEのフラクションの移動を可能にすべきである」が満たされないので、配分問題を解決することができない。セル固有の優先度がたとえRel−13で提供されていても、セルが同じ容量(たとえば、同じ帯域幅)を提供すると仮定すると、優先付けられたセルは、(「UEのサージ」又は「近傍配置UE問題」としても知られている)団塊的再選択によるより高い負荷を経験し得るが、解決策は、たとえば、同一チャネルHetNetレイヤ上の小さなセルへの再選択のような固有のシナリオにおいて良好に機能し得る。
セル再選択優先度はそれ自身、周波数レイヤ又はセルレイヤにあるかに関わらず、複数の周波数間の負荷不均衡をもたらし得る。
条件(c)は、すべての周波数レイヤを、同じ優先度で、すなわち、等しい優先度の周波数間の場合で設定する。等しい優先度の周波数間では、R基準によってセルランキングが実行され、UEは、別の周波数による別の経路損失を補償するために、Qoffsetを考慮して、最良のRSRPを持つセルを選択すべきである。条件(a)及び(b)のケースにおけるように、現在のメカニズムはまた、解決策は、UEのフラクションを1つのセルから別のセルへ移動させることができなくてはならないという合意を満たすことができない。しかしながら、現在のセルランキングメカニズムは、「コネクティッドにあるUEのための(システムスループット、接続確立、RA、(周波数間)移動関連シグナリングの観点から)ユーザスループット及びネットワーク容量を最大化する」という問題を解決する際に役立つ。なぜなら、UEは、RSRPのみにしか依存しないものの、最良の無線条件を提供するセルを再選択でき得るからである。
セルランキングを用いた等周波数優先度は、ユーザスループット及びネットワーク容量を最大化するための可能性を有する。
条件(d)は、望ましい事後条件の例である。ここでは、UEは、各周波数/セルに一様にキャンプオンされ、すべてのセルが重く負荷をかけられている訳ではない。(d)における事後条件は、解決策は、UEのフラクションを1つのセルから別のセルへ移動させることができなくてはならないという前述した合意と整合しており、これは、たとえばセル毎のパラメータ及び/又は再選択確率を用いる。
CSPのような改良された連続配分メカニズムの最も顕著な利点は、セルを、軽い負荷状態に維持できること、すなわち、図18における事前条件(a)〜(c)が生じることを阻止するために、ネットワークのUE配分が維持及び使用され得ることである。一方、改良された連続配分を用いる主な欠点のうちの1つは、議論されたように、たとえネットワークが過負荷条件を被っていなくても、アイドルUEの電力消費に対するインパクトであることである。確率を用いた、及び/又は、ランダムしきい値オフセットを用いたセル固有の優先度のようなさらなる解決策が導入されるのであれば、UE電力消費は、実質的に増加され得る。さらに、たとえオペレータが、アイドルUEを再配分する必要性を被っていなくても、オペレータは、既存のネットワーク再選択メカニズムを修正するチャレンジに直面し得る。
改良された連続配分メカニズムは、既存のネットワーク配備の構成及びUE電力消費についてより多くのインパクトを有することが予想されている。
改善された連続配分が、4)キャリアレベルにおいてのみではなく、個々のセル間の負荷分散を制御することが可能でなければならないという合意(たとえば、別のキャリアにおけるある小さなセル、及び/又は、同一チャネルHet−Net配備におけるマクロセルが、過負荷であり得るというシナリオ)を満たすために導入されているのであれば、ネットワーク配備に対する劇的な変更を必要とすべきではなく、単に、既存のメカニズムに基づいて、より柔軟性を提供することを目的とするべきである。
提案1:既存の再選択メカニズム又は小さな改良が、いくつか負荷の重いネットワーク配備シナリオよりも良好に機能し得る。
改良された連続配分が、軽い負荷の下でネットワークを統計的に維持することができたとしても、エリア内のアイドルUEの密度と相関付けられたトラフィック需要は、たとえば、スポーツイベント時、通勤時間中、週末におけるショッピングモール内、又は緊急条件下において、著しく変動し得る。そのような負荷の重い条件では、ワンショット再配分メカニズムによって、可能な限り早く、より平準化された負荷条件へネットワークを戻すための手段があるべきである。ワンショット再配分メカニズムが、ネットワークを、通常の負荷条件に戻すことを可能にすると、改良された連続配分は、平準化された負荷条件の下でネットワークを維持するために再び活性化され得る。
ワンショット再配分メカニズムは、トラフィック需要における突然の急増によって、負荷の重いネットワークの下で有用であり得る。
ワンショット再配分メカニズムは、トラフィック需要における突然の急増によって、負荷の重いネットワークのケースのために主に使用されるので、既存のメカニズムと独立して適用され、したがって、現在のネットワーク戦略と矛盾しないであろう。さらに、電力消費イベントは一度しか実行されないので、UE電力消費に対するインパクトが低減され得るであろう。ネットワークは、複数のセル/周波数においてより高い負荷を経験する、すなわち、図18における事前条件(a)〜(c)の場合に、ワンショット再配分メカニズムを開始し得る。さらに、前述した合意1)内の「再配分」という用語は、ワンショット再配分メカニズムを求めるニーズと整合している。なぜなら、連続配分又は改良された連続配分は、UEを「再配分する」ための手段として図示されるべきではないからである。
提案2:RAN2は、ワンショット再配分メカニズムを、連続配分メカニズム又は改良された連続配分メカニズムとは独立したメカニズムとして考慮すべきである。
(改良された連続配分メカニズム)
ネットワークの負荷が軽く、マクロセルにキャンプオンされたUEが唯一しか存在しない極端なケースの場合、小さなセルがUEのためのしきい値を満たす場合、UEがマクロセルに留まる理由はない。このケースでは、優先度メカニズム、又は既存の周波数優先度、又は追加のセル特有優先度(CSP)のいずれかは、未だに良好に動作する。既にベースラインであったCSPを用いて、ネットワークは、優先度取り扱いのために、既存のルールにおける最小のインパクトを持つ構成において、さらなる柔軟性を提供される。これは、設定柔軟性の観点から、等しい優先度キャリア間の再選択数を低減するためのセル再選択優先度の数を拡大するための合意を用いる類似のアプローチである。したがって、既存の再選択メカニズムに基づく改良された連続配分は、CSPを用いてセルベースでの優先度を設定するための追加の手段のみを有するべきであるが、UEの数が増加した場合、負荷不均衡に至り得る欠点を潜在的に有することが注目されるべきである。このケースでは、別の解決策、すなわち、ワンショット再配分メカニズム、が必要とされ得る。
提案3:セル固有の優先度及び既に合意された拡張された再選択優先度のオプションのプロビジョニングを除いて、RAN2は、既存のセル再選択メカニズムにおいて、負荷の軽い/中位のネットワークのために、追加のメカニズムが必要とされないと結論付けるべきである。
(ワンショット再配分メカニズムの利点)
再配分のためのトリガー
すなわち、UEが、(特別な)セル再選択プロシージャを開始/継続する場合、再配分のためのトリガーは、以下のオプションのうちの1つに基づき得る。
オプション1:ネットワークが、再配分のためのパラメータをブロードキャストした場合;
オプション1−a:ネットワークが、セル固有の優先度のリストを提供した場合;
それは、CSP自身のみならず、ランダム化を備えたセル固有の優先度のトリガーとして仮定される。UEは、今日あるように、提供されたセル固有の優先度が、サービングセルの優先度よりも高い限り、周波数間測定を含むセル再選択プロシージャを継続すべきである。
オプション1−b:ネットワークが、セル固有の確率のリストを提供する場合;
このオプションは、再選択のためのトリガーが、確率を用いたセル固有の優先度(CSPP)に基づいていると仮定する。UEは、ランダム値を生成し、ランダム値が、提供されたセル固有の優先度を上回る場合、セル再選択プロシージャを実行すべきである。
オプション1−c:ネットワークが、再選択の最大値を提供する場合;
このオプションは、議論されたカウンタベースのスキームを仮定する。UEは、実行されたセル再選択の数をカウントし、カウントが、サービングセルによってブロードキャストされた最大値を上回る場合、より高い優先度のセルを無視すべきである。
オプション1−d:ネットワークがパラメータを更新した場合;
トリガーが、ページング又はSIBにおける更新されたパラメータによって示唆されると仮定される。UEは、更新されたパラメータを適用し、セル再選択プロシージャを実行すべきである。
オプション2:ネットワークが、明示的な要求を提供する場合;
このオプションは、再配分のための純粋なトリガーを仮定する。UEは、(特別な)パラメータを適用し、要求を受け取ると、一度だけ、セル再選択プロシージャを実行する。この要求は、アプリケーションとして、ページングメッセージで、又は、SIBのいずれかで、1ビットシグナリングを必要とし得る。(特別な)セル再選択のためのパラメータが先行してブロードキャストされ得るので、UEは、この要求を単にモニタするだけである。
オプション3:サービングセルが、RRC接続解放によって、専用パラメータを設定する場合;
それは、RRCコネクティッドからアイドルへとUEが移行する具体的なケースのためであり、RRC接続解放が、追加のセル固有のオフセット、追加のグルーピング、及び/又は、既存の専用の優先度を有し得る。
オプション1−xは、再選択制御のための典型的なメカニズムに基づくが、これらは、いくつかの欠点を有する。オプション1−xで、UEは、パラメータが提供されている間、たとえば、オプション1−aによって優先度付けられたセルが、既存のcellReselectionPriorityによって優先度付けられた周波数にないのであれば、追加の連続的な周波数間測定を適用するように強いられる。それは、付加的なUE電力消費に帰着し、回避されるべきである。また、UEが、確率を再計算しなければならない時点において、それは極めて鮮明という訳ではない。
さらに、オプション1−xは、パラメータが更新されたか否か、又は、ネットワークが(特別な)セル再選択プロシージャを開始することを決定したか否か、をチェックするために連続的にモニタすることをUEに対して要求し得る。オプション2は、ワンショット再配分メカニズムのための単純な解決策であるが、それは、UEに対して、このプロシージャの活性化を通知するために、1ビットのシグナリングを必要とする。解決策が専用シグナリングのみに依存しているのであれば、オプション3もまた快適な手法であるが、(システムスループット、接続確立、RA、(周波数間)移動関連シグナリングの観点から)コネクティッドにあるUEのためにユーザスループット及びネットワーク容量を最大化するための要求を満たすことができない。したがって、オプション2は、再配分のためのトリガーのための好適な解決策である。
提案4:ワンショット再配分は、サービングセルによってブロードキャストされた明示的な要求インディケーションによってトリガーされるべきである。
提案5:提案4が合意可能であれば、RAN2は、このインディケーションがページング又はSIBで提供されるのかを議論すべきである。
[付記3]
(はじめに)
本付記は、ワンショット再配分メカニズムのための再選択確率及び/又はセル毎パラメータを用いた解決策を考慮する。
(ワンショット再配分メカニズム)
ワンショット再配分は、特別なセル再選択プロシージャの開始のためのトリガーを明らかに必要とする。UEのフラクションによるセル再選択のための以下の解決策は、トリガー後に考慮される。
(UEのフラクションによるセル再選択)
解決策は、1つのセルから別のセルへのUEのフラクションの移動を可能にすべきであることが、このWIにおける大きなチャレンジのうちの1つである。可能な解決策が、以下のように議論された。
セル固有の優先度リストが前もって提供され、優先度は、サービングセルの優先度よりも高くならねばならないと仮定されたい。
オプション1−a:ランダムしきい値オフセットを用いたセル固有の優先度
ワンショット再配分に適用可能であれば、トリガーが生じた場合、UEは、より高い優先度の周波数のセルのために、ランダム値を生成し、Squal>Thresh’X、HighQ又はSrxlev>Thresh’X、HighPが満たされるのであれば、UEは、セルを再選択する。ここでは、Thresh’X、HighQ又はThresh’X、HighPが、ランダム化されたオフセット(すなわち、Thresh’X、HighQ=ThreshX、HighQ+offsetx/cell*random)とともに適用される。
このアプローチの1つの欠点は、Thresh’Xは、ランダム化されたオフセットのより広い/負の範囲では、良好なユーザスループットを保証しないことがあり得ることと、セルエッジ内のUEは、ランダム化されたオフセットからなる、より狭い範囲の他のセルへしか移動できないことである。
オプション1−b:確率を用いたセル固有の優先度(CSPP)
ワンショット再配分に適用可能であれば、トリガーが生じた場合、UEは、優先度付けられたセルのためのランダム値を生成し、ランダム値が、提供された確率を上回るのであれば、このセルを再選択する。
1つの欠点は、再選択されたセルは、S基準しか保証することができず、ThreshXもR基準も保証できないことである。それは、UEがRRCコネクティッドへ移行した場合、ユーザスループットの低下に帰着し得る。
オプション1−c:セル再選択の数を用いたカウンタベースのスキーム
ワンショット再配分に適用可能であれば、これによって、UEは、再選択の数の追跡を続け、トリガーが生じた場合、UEは、カウンタ値に基づいて、セル再選択優先度が、適用されるべきか、無視されるべきかを決定する。
優先度の取り扱いとの独立。すなわち、より高い優先度のセルのためのみではない。
オプション2−a:指定された範囲内のランダム化のランキング
このオプションは、(ランダム化の観点から)オプション1−bにおける拡張の一種であり、(範囲概念の観点から)オプション1−aと実質的に類似したアプローチであるが、オプション2−aは、ランキングプロセスにおける改良に注目する。指定された範囲を用いて、ユーザスループットの低下は、限定され、ネットワーク制御下にある。範囲の詳細はFFSであり、たとえば、単位は、[dB]であり得る。
オプション2−b:ランキング固有の確率
このオプションは、基本的には、オプション2−aを用いたものに類似したアプローチであるが、オプション2−bは、オプション1−bに類似して、確率を用いたランキングプロセスにおける改良に注目している。確率は、各ランクに対応しているので、UEは、より良いランク順位及び確率を持つセルを再選択することを許可される。
すべてのオプションが、1つのセルから別のセルへと、UEのフラクションを移動させ得る。オプション1−xとオプション2−xとの最も顕著な違いは、セル固有の優先度リスト(CSP)が必要とされているか否かである。オプション1−xは、再選択考慮においてのみ優先度取り扱いをするであろうから、再選択されたセルは、無線品質の観点から、各UEのために(準)最適ではないかもしれない。すなわち、新たなセルは、たとえ、より良好な無線品質を提供しているいくつかのセルが、UEの周囲で利用可能であっても、S基準しか満たさないことがあり得る。さらに、これらオプションは、より高い優先度の周波数/セルを持つ構成に依存するので、オプション1−xは、等しい優先度の周波数/セルを考慮することができない。
オプション2−xは、UEが検出したセルに対する比較の結果として、より良好なセルへのセル再選択を保証した既存のランキングプロセスに基づき得る。したがって、オプション2−xは、潜在的に、コネクティッドにあるUEのために、(システムスループット、接続確立、RA、(周波数間)移動関連シグナリングの観点から)ユーザスループット及びネットワーク容量を最大化し得る。したがって、ワンショット再配分は、ランキングプロセスを適合させねばならない。
提案1:ランキングプロセスは、ワンショット再配分のために改良されるべきである。
(改良されたランキングプロセスのためのターゲットセル/周波数)
提案1が合意可能であれば、問題は、どのセル/周波数が、改良されたランキングプロセスにおいて考慮されるべきであるかである。現在の仕様では、R基準を用いた評価は、周波数内及び等しい優先度の周波数間セルのために適合する。したがって、仕様における変更を最小化するために、改良されたランキングプロセスのためのターゲットセル/周波数はまた、等しい優先度のセル/周波数の下で考慮されるべきである。
提案2:ワンショット再配分におけるターゲットセル/周波数は、等しい優先度の下でのみ適用可能でなければならない。
提案2が許容可能であれば、ワンショット再配分のために、等しい優先度のターゲットセル/周波数がどのようにしてUEへ提供されるのかを決定する必要がある。以下の代替案が考慮され得る。
代替案1:サービングセルが、セル/周波数リストを明示的に提供する。
UEは単に、改良されたランキングプロセスにおいてリストに提供されたセル/周波数を考慮する。
代替案2:サービングセルが、セル/周波数を暗黙的に提供する。
それは、同意された拡張セル再選択優先度を使用し得る。拡張セル再選択優先度を用いて構成された各セル/周波数の場合、UEは、改良されたランキングプロセスのためにこれらセル/周波数を決定する。いくつかの例が表1において議論されているが、UEが、レガシーセル再選択優先度をも考慮すべきか否かに関わらず、それはFFSである。
シグナリングオーバヘッドの観点から、代替案2は、代替案1よりも良好である。しかしながら、代替案2は、たとえば、レガシーセル再選択優先度において優先度付けられたセル/周波数が、未だに優先度付けられるべきであるか否かのように、ターゲットセル/周波数を決定するために、少なくとも1つよりも多くのルールを必要とするであろう。両代替案には長所と短所が見られ得るが、代替案2が、若干好ましい解決策である。
提案3:RAN2は、拡張セル再選択優先度を用いて設定されたセル/周波数が、ワンショット再配分において等しい優先度として考慮されるべきであるか否かを決定するべきである。
表1は、代替案2を用いた暗黙的なターゲットセル/周波数の提供の例を示す。
注記:サービングセルは、レガシー優先度5であり、ターゲットセル/周波数が設定される。
Alt.2−1:(たとえば、より高い)レガシー優先度及び任意の拡張された優先度を用いる。
Alt.2−2:(たとえば、より高い)レガシー優先度及び(たとえば、より高い)拡張された優先度を用いる。
Alt.2−3:レガシー優先度に関わらず、任意の拡張された優先度を用いる。
Alt.2−4:レガシー優先度に関わらず、(たとえば、より高い)拡張された優先度を用いる。
(追加の検討)
ランダム化のためのさらなる検討
確率ベースのスキームは、ネットワークによる再選択の制御可能性及び/又は試験可能性についての関心を有することが指摘された。したがって、カウンタベースのスキームが、確率ベースのスキームに対する代案として議論された。しかしながら、確率ベースのスキームが、本当に問題があるのであれば、ランダム化が、既存のページングフレーム/機会判定に類似したUE_ID(又はIMSI)に基づき得るか否かも考慮され得る。たとえば、IMSIでは、(IMSI mod Np)=Nrが満たされるのであれば、UEは、(特別な)セル再選択プロシージャを実行し得る。ここで、Np及びNrは、UE間で期待される確率及び公平さに基づいて設定される。Np及びNrが、10及び0でそれぞれ設定されるのであれば、この式を満たす確率は10%である。セル内のUE間でIMSIが適切にランダム化されていると仮定されると、ネットワークは、確率を制御する一方、UE試験可能性は、はるかに単純になるであろう。
提案4:確率ベースのスキームが好適ではないのであれば、IMSIベースのランダム化は、代わりに、潜在的な方法のうちの1つとなるべきである。
RSRQ/SINRベースのランキングプロセスの可能性
現在のR基準は、RSRPしか考慮していないので、いずれの無線品質も考慮されない。ただ受信電力さえ評価されれば、それは、マクロセルを伴う均質なネットワークにおける最適なスループットを保証し得る。しかしながら、今日、HetNet配備の場合、それは正しくはない。たとえば、マクロセル近傍に位置する小さなセルは、良好なRSRPを提供するが、小さなセルのみの周波数レイヤ上のセルよりもよりも劣悪なRSRQを提供し得る。UEがコネクティッドに移行した場合に、ユーザスループット及びネットワーク容量を最大化するために、RSRQ又はSINRを持つR基準を再考する価値がある。IDLE UEが、今日使用されているものよりもより正確な信号品質のインディケーションを用いているのであれば、コネクティッドにあるUEのための(システムスループット、接続確立、RA、(周波数間)移動関連シグナリングの観点から)ユーザスループット及びネットワーク容量を最大化するための要件を潜在的に満たすであろう。
提案5:RAN2は、HetNet配備を考慮した異なる信号品質基準を用いて、R基準が再考されるべきか否かを考慮すべきである。
[付記4]
(はじめに)
連続再配分スキーム(CRS)とワンショットスキーム(OSS)とのためのマージされた解決策が提案され、アイドルモード配分のための一般に推奨されている。マージされた解決策は、IMSIベースの再配分を用いたCRSのための調和された解決策の、全体的な再配分メカニズムを再使用する。
本付記では、マージされた解決策は、NW/UE複雑さを低減するために、1つの可能な最適化とともに、OSSの観点から検証される。
(OSSオプションを備えたマージされた解決策)
2つのシナリオ、すなわち、長期間の不均衡な配分(シナリオ1)と、短期間の不均衡な配分(シナリオ2)が議論された。OSSが、特にシナリオ2に役立つことが識別された。以下の合意に達した。
合意
1.OSSのベースラインとして以下を使用する:
ページングは、現在キャリアを使用した/優先度付けたUEが、(タイマを用いて)一時的に最低の優先度を割り当てられるべきであることを指示するための単純な再優先度付け要求を含み得る。
2.CRSのベースラインとしてのR2−154729における解決策。しかし、別のレイヤに移る一部のためのUEを選択する方法は、未だにFFSである。
3.CRS及びOSS解決策の両方が、異なるシナリオのために導入されるべきである。
4.2つの解決策の両方の詳細が、さらに識別されるべきである。
さらなるオフライン議論がなされ、合意3及び合意4が、OSS解決策(合意1)の要件とCRS解決策(合意2)の要件との両方を組み込んだ、マージされた解決策へ組み合わされ得ることが合意された。マージされた解決策は、特にシナリオ1において、あるいは、両シナリオ、すなわちシナリオ1とシナリオ2とが、連続して必要とされる場合に、非常に良好に機能する。
考察1:マージされたCRS及びOSS解決策は、シナリオ1をサポートする必要性のために、又は、シナリオ1とシナリオ2との両方が連続して必要とされるのであれば、最適化される。
一方、オペレータが、所与の時間において、シナリオ2をサポートすることのみ必要であれば、OSSのみが必要とされると仮定され得る。マージされた解決策のプロシージャによれば、OSS動作は、以下の5つのステップで達成される。
(1)再配分パラメータに、適用可能なOSSをトリガーするためのオプションを提供するためのSI更新。
(2)UEが、SIB3及びSIB5において再配分パラメータを取得する。
(3)OSSページングメッセージトリガーを受信し/再配分パラメータを適用する選択的なUE。
(4)UEが、再配分評価/再選択を実行する。そして、
(5)再配分パラメータの削除及びレガシーパラメータの適用のため、次の修正境界におけるSI更新。
上記プロシージャが、提案されたOSS解決策に基づいて、合意1の意思を取得しなければ、それは、以下のように単に2つの簡単なステップしか必要としない。
a)OSSページングメッセージが受信されると、OSSが、UEのためにトリガーされる。
b)UEが、サービングセル/周波数の逆優先付けに基づいて、再配分評価/再選択を実行する。
負荷再配分は、混雑したケースの下でしばしば必要とされることを考慮すると、マージされた解決策の必要とされる追加のシグナリングオーバヘッドを許容することは不利になるであろう。
考察2:マージされたCRS及びOSS解決策は、OSS動作のみが必要とされるのであれば、過渡のステップ及びシグナリングオーバヘッドを必要とする。
さらに、SI更新は、UEがその後OSSページングメッセージによってトリガーされるか否か、すなわち、更新されたシステム情報が、OSSのためにターゲットとされていないUEのために有用であるか否かに関わらず、すべてのUEが、更新されたシステム情報を再獲得することを要求する。UEのフラクションは、OSSのためにのみトリガーされるので、合意1が2つのステップ(たとえば、前述したステップa及びステップb)によって実現されたのであれば、それは、回避されることができた余分なUE電力消費に帰着するであろう。したがって、マージされた解決策はまた、シナリオ2のみが必要とされるケースのために最適化されるべきである。
考察3:OSS動作のみが必要とされるのであれば、マージされた解決策は、不必要に、すべてのUEに対して、SIを更新させる。それは、UE電力消費量の増加をもたらす。
提案1:マージされたCRS及びOSS解決策は、シナリオ2のためにも最適化されるべきである。すなわち、OSSのみの動作が、2つのステップとともに、かつ、SI更新無しで可能となるべきである。
(OSSのみの動作のための可能な最適化)
提案1が許容可能であれば、「ページングは、現在キャリアを使用した/優先度付けたUEが、(タイマを用いて)一時的に最低の優先度を割り当てられるべきであることを指示するための単純な再優先度付け要求を含み得る。」という合意1を、マージされた解決策へ採用するために容易であり得る。マージされた解決策は既にOSSページングメッセージ及びタイマを有しているので、この問題は、どうやって「現在キャリアを使用/優先度付けたUEが、[・・・]一時的に最低の優先度を割り当てられるべきであるか」である。
マージされた解決策によれば、再配分パラメータはオプションである。パラメータがSIB3/5で提供されない場合、UEは、(適用可能なOSSの設定に関わらず)レガシーセル再選択プロシージャを実行することが仮定される。ここで、マージされた解決策は、SIが、表2に示されるようなオプションの再配分パラメータ含んでいないと仮定する。
考察4:再配分パラメータがSIB3/5において提供されない場合、UEは、レガシーセル再選択プロシージャを実行する。
レガシーセル再選択プロシージャ中、オプションの再配分パラメータが、提供されていない場合、UEは、未だにページングメッセージを受信することができるが、UEは、マージされた解決策では、SIB更新無しで、OSSを実行することは期待されていない。この種のOSSページングメッセージが許可されているのであれば、最も簡単な最適化は、提案されるように、UEは単に、現在のセル/周波数を、最低の優先度として考え、レガシープロシージャに従って、セル再選択を実行することであるべきである。マージされた解決策における再配分評価と同調させるために、UEがすべての近隣セル/周波数を、サービングセル/周波数よりも高い優先度を有するものとして考慮する、と言い直され得る。
この最適化は、マージされた解決策を用いた、すなわち、SI更新が無く、再配分パラメータのブロードキャストも無く、現在のOSS動作と比較して、シグナリングオーバヘッドを最小化するであろう。追加の電力消費に関し、それは、ページされているUEのフラクションにのみ影響を与える。すなわち、UEの残りは、OSS動作のためのいかなる電力消費も被ることはない。さらに、マージされた解決策及び/又はレガシー仕様に対するインパクトは、極めて小さい。したがって、RAN2は、この「アドオン」最適化を用いて、マージされた解決策を改良すべきである。
オプションの再配分パラメータが提供され、適用可能なOSSが設定されているのであれば、UEは、最適化無しで、マージされた解決策におけるプロシージャに従い続けるべきであることに注目されたい。
提案2:OSSページングメッセージが受信され、再配分パラメータが(OSS適用可能ビットであるに関わらず)SIBで提供されないのであれば、UEは、すべての近隣セル/周波数の優先度付けが、サービングセル/周波数のものよりも大きくなるであろうことを除いて、レガシーセル再選択プロシージャを実行すべきである。
(付録:OSS最適化のための可能な変更)
OSS最適化のための仕様における可能な変更は、以下の通りである。
変更の開始
5.2.4 セル再選択評価プロセス
5.2.4.1 再選択優先度取り扱い
異なるE−UTRAN周波数又はRAT間周波数の絶対的な優先度は、システム情報で、RRCConnectionReleaseメッセージで、又は、RAT間セル(再)選択において別のRATから継承することによって、UEへ提供され得る。システム情報のケースでは、E−UTRAN周波数又はRAT間周波数は、優先度を提供することなくリストされ得る(すなわち、cellReselectionPriorityというフィールドが、その周波数のために欠如している)。優先度が、専用シグナリングで提供されるのであれば、UEは、システム情報で提供されたすべての優先度を無視するものとする。UEがいずれかのセル状態にキャンプオンされているのであれば、UEは、現在のセルからのシステム情報によって提供された優先度を単に適用するものとする。そして、UEは、別の方法で指定されていないのであれば、RRCConnectionRejectで受信されたdeprioritisationReqと、専用シグナリングによって提供された優先度を維持する。通常状態にキャンプしたUEが、現在の周波数の場合とは異なる専用の優先度をのみを有している場合、UEは、現在の周波数を、最低優先度(すなわち、8つのネットワークが設定した値よりも低い)周波数として考慮するものとする。さらには、UEがOSSページングメッセージを受信した場合、かつ、システム情報が、いずれの再配分パラメータも含んでいない(すなわち、redistributionFactorというフィールドが、すべての周波数/セルのために欠如している)か、又は、UEが、現在の周波数のため以外の専用の優先度のみを有しているのであれば、UEは、現在の周波数/セルが、最低の優先度の周波数/セルであると考慮するものとする。UEが、適切なCSGセルにキャンプオンされている間、UEは、現在の周波数が、この周波数に割り当てられたその他いずれかの優先度値に関係なく、最も高い優先度の(すなわち、8つのネットワークが設定した値よりも高い)周波数であると常に考慮するものとする。サイドリンク通信が可能なUEが、サイドリンク通信を実行するように構成され、周波数にキャンプオンしている間にのみサイドリンク通信を実行し得るのであれば、UEは、その周波数を、最高の優先度であると考慮し得る。
注記:UEが最高の優先度の周波数であると考慮する、周波数間の優先度付けは、UE実施に委ねられる。
[付記5]
(はじめに)
RAN2は、マルチキャリア負荷再配分のための解決策の指示に合意した。
合意
1 以下の要件は、既存のセル再選択スキームによって満たされないことがあり得る。
1)ネットワーク制御下で、異なるキャリア間で、これらキャリアに現在キャンプオンしているユーザのフラクションを再配分するように制御することが可能であるべきである。
4)キャリアレベルにおいてのみではなく、個々のセル間での負荷分散を制御することが可能であるべきである(たとえば、同一チャネルのHet−Net配備におけるマクロセル、及び/又は、別のキャリアにおけるいくつかの小さなセルは、過負荷であり得るというシナリオ)。
2 解決策は、UEのフラクションを、1つのセルから別のセルへ移動させることができなくてはならない。
3 たとえば、RAN2#91会議からの再選択確率及び/又はセル毎パラメータを用いて、解決策に注目するため。
RAN2はさらに、「ベースラインとしてセル固有の優先度を採用する」ことに合意する。これは、上記の要件4)を満たし得る。しかしながら、ユーザのフラクションを再配分するための解決策、すなわち、要件1)は、最後の会議内に収束することができなかった。
本付記では、要件1)のための可能な妥協的解決策が議論される。
(ランダム化メカニズム)
現在の解決策
要件4)を満たすため、特に、ユーザのフラクションを再配分するために、ある種のランダム化メカニズムが有用であることが考慮される。なぜなら、既存の優先度はそれ自身では、団塊的再選択を回避することができないからである。ランダム化メカニズムに関し、ランダム化されたしきい値オフセット、CSPP、最良のセルを用いたCSPP、及びランキングランダム化のような可能な解決策が既に提案されている。それらはすべて、どのUEが、改良されたセル再選択を実行すべきであるのかを判定するために、UEがランダム値を生成する共有物、を共有する。したがって、すべてのメカニズムは、UEベースのメカニズムとして考慮され得る。UEベースのメカニズムの利点は、アイドルUEが、常に、確率にしたがって、異なる周波数へ移動することを可能にするであろう。1つの欠点は、UEがいつ負荷再配分プロセスを停止すべきなのかが明らかではないことであり得る。これは、再選択プロシージャの複数のトリガーによって、不安定な確率になるという結果になり得る。
すなわち、ランダム値を用いたUEベースのメカニズムは、アイドルUEを再配分し得る。これは、再選択プロシージャの複数のトリガーによって、不安定な確率という結果になり得る。
一方、専用シグナリングを用いた解決策もまた提案される。これは、より厳しいネットワーク制御を提案する。したがって、それは、NWベースのメカニズムとして考慮され得るが、「すべてのアイドルモード負荷平準化ニーズに対処するには不十分」であり得る。
すなわち、専用シグナリングを用いたNWベースのメカニズムは、より厳しいネットワーク制御を保証する一方、すべてのアイドルなUEを再配分するには不十分である。
RAN2は、進めるために以下のような4つの代替案を有する。
代替案1:UEベースの解決策のみを採用する。
代替案2:NWベースの解決策のみを採用する。
代替案3:Rel−13におけるNWベースの解決策とUEベースの解決策との両方を採用する。
代替案4:UEベースの解決策とNWベースの解決策との両方からの利点からなる代替解決策を考慮する。
代替案1と代替案2に関し、UEベースのメカニズムとNWベースのメカニズムとの両方が、要件4)における問題を潜在的に解決し得るが、これら解決策の各々は、考察1及び考察2それぞれにおいて述べられたように、それらの利点及び欠点を有する。代替案3に関し、異なる準最適な解決策が、1つの問題を解決するために明示されるであろう。それは、より多くの標準化努力をもたらし、また、UEとNWの実施の観点から、さらなる複雑さをもたらす。これは、可能な限り回避されるべきである。代替案4を用いて、RAN2は潜在的に、最小の仕様インパクトで、前の会議で議論されたアイデア、問題、及び好みに基づいて、単一の解決策へ収束することができる。
提案1:RAN2は、現在の解決策の利点を活用するために、ネットワーク制御下の異なるキャリア間で、UEのフラクションを再配分するための妥協的解決策を考慮すべきである。
(妥協的解決策:アイドルUEのNWベースのランダム化)
ランダム化スキーム
ランダム化スキームは、「これらキャリアに現在キャンプオンしているユーザのフラクション[・・・]を再配分する」要件を満たさねばならない。UEベースのランダム化は、UEによって生成されたランダム値に依存する。これは、アイドルUEのフラクションが、任意の時間における確率で、別の周波数に移動することを可能にする。したがって、NWベースのアプローチが、同様の効果を達成するか否かを検討する価値がある。多くのUEがエリア内に配置されていることを考慮すると、UEのIMSIもまた、図19に例示されているようにランダムに配分されることが仮定され得る。それは、既にランダム値として見なされるであろう。
IMSIが、任意の所与の地理的エリアにおいて十分にランダム化されていると仮定して、NWベースのアプローチは、RRCシグナリングによって、ランダム化を実行し得る。以下のように、2つの可能性が考慮され得る。
オプション1:ページング機会を用いたNWベースのランダム化
→負荷再配分のトリガーとしてページングメッセージを用いることが示唆された。ページングメッセージは実質的に、固有の/決定論的なUEへのシグナリングであり得る。これは、「ユーザのフラクション」に等しい。各UEのページングフレーム/機会はIMSIによって決定されるので、eNBは、UEが別の周波数へ移動する可能性を制御し得る。たとえば、eNBが、デフォルトのDRXサイクルにおけるすべてのページング機会の1/10の機会においてページするのであれば、UEの10%が、負荷再配分のためにトリガーされる。
→UEに負荷再配分を通知するために、ページングメッセージにインディケーションを追加することが必要である。しかし、それは1ビットであろう。
オプション2:モジュロ計算を用いたNWベースのランダム化
→IMSIのモジュール計算を用いて固有の/決定論的なUEを決定することも可能であり得る。たとえば、UEは、(IMSI mod Np)=Nrが満たされるのであれば、負荷再配分を実行でき得る。ここで、Np及びNrは、UE間の期待された確率及び公平さに基づいて設定される。Np及びNrが、それぞれ10及び0で設定されるのであれば、この式を満たす確率は10%である。
→パラメータ、すなわちこの例ではNp及びNrは、ブロードキャストシグナリングで提供され得る。
UEベースのメカニズムと比較して、これらのオプションは、アイドルUEの制御及びランダム値及び/又は確率の使用の観点から同じ利点を有する。このオプションでの最も顕著な利点は、UEがいつ負荷再配分プロセスを停止すべきかをもはや考慮する必要がないことである。なぜなら、NWは、UEの固有の/決定論的な集合を、すべてのUEのフラクションとして選択するからである。これによって、一旦再配分が実行されると、UEはもはやサービス提供周波数にはないようになる。これらNWベースのオプションは、ワンショットメカニズムに適用可能であると容易に理解され得るが、連続配分メカニズムにも拡張され得る。
たとえすべてのUE(すべてのIMSI)が、通常仮定されるような周波数/セルにない場合であっても、これらのオプションは良好に機能し得ることに注目されたい。
提案2:ターゲットとされたUEのためのランダム化を達成するために、負荷再配分のためのUEのIMSIに基づいて、ユーザのフラクションを選択することが、ネットワークのために有益である。
これらオプションと比較して、制御の精度は同程度であるが、既存の仕様に対するシグナリングオーバヘッド及びインパクトは、オプション2では増えるであろう。さらに、オプション2は、負荷再配分をトリガーするために、SI更新を必要とし得る。したがって、ページングメッセージを用いるオプション1が望ましい。
提案3:UEがページングメッセージでインディケーションを受信した場合、UEは、負荷再配分プロセスを実行すべきである。
(負荷再配分プロセス)
負荷再配分プロセスは、「異なるキャリア間で再配分するための」要件を満たさねばならない。最も単純な方式は、UEは、負荷再配分がトリガーされた場合にのみ、現在の周波数を、最も低い優先度として考慮することであり得る。最も低い優先度の周波数は、「8つのネットワークが設定した値よりも低い」として指定されるので、UEは、たとえばSqual>ThreshX、HighQのような基準を満たすセルが存在する限り、他の周波数に移動するものとする。サービングセルは現在、重い負荷を負っていると仮定され得るので、それは納得できる。
提案4:UEは、トリガー後、負荷再配分プロセスの間、現在の周波数を、最も低い優先度の周波数であると考慮すべきである。
また、要件として、UEがコネクティッドに移行した場合、ユーザスループットを最大化するために重要であることも提案された。しかし、それは、このWIにおいていずれの改良もなく、連続配分、すなわち、既存のセル再選択、によって解決され得る。たとえば、UEが、負荷再配分によって、第2の周波数へ移動した後、現在UEがキャンプオンしている第2の周波数を持つ第3の周波数レイヤに、同じ優先度の周波数が存在するのであれば、UEは、等しい優先度の周波数間再選択を実行し、今日あるようなR基準にしたがって、最良のセルを選択するべきである。したがって、ユーザスループットを最大化するための要件は、既存の等優先度再選択を用いたネットワーク配備によって解決され得ることが考慮され得る。
図20は、オプション2を用いた簡単な例と、既存のメカニズムを用いた組合せアプローチを示す図である。
提案5:ネットワーク配備は、負荷再配分後、より良好なユーザスループットを保証でき得ることが仮定されるべきである。
(ワンショットメカニズム及び連続配分)
このWIにおける改良は連続的に適用可能であると考慮されているが、ワンショットメカニズムが有益か否かが議論された。ワンショットメカニズムは、たとえば、eMBMSセッションの開始、又は、スポーツイベントのようなある特別な時間によって突然に増加され得るネットワーク負荷を標準化するために良好に機能する。しかしながら、ワンショットメカニズムのみを有することは十分ではないことがあり得る。アイドルなUEの連続的な移動を考慮すれば、たとえネットワークが、等しい優先度を持つマクロセルレイヤを提案しても、いくつかの配備シナリオにおいて、たとえば、エリアに移動しているUEが常に、RSRP、すなわち、2つのマクロセルレイヤ間の経路損失差、に依存して固有のレイヤを再選択するような、既存のセル再選択メカニズムのみでは、負荷不均衡が回避することができないのは事実であろう。したがって、解決策が、ワンショットメカニズムと連続配分との両方に適用可能であり得るか否かを考慮する価値がある。
連続配分は、いくつかの配備シナリオにおいて未だに必要であり得る。
この付記における提案が合意可能であれば、妥協的な解決策が、ワンショット再配分のためのみならず、連続配分のためにも適用され得る。eNBが、ページング機会において、負荷再配分を連続的にトリガーするのであれば、それは、実際に連続配分となり得るであろう。すなわち、エリアにおける(すべての周波数の間の)UEの確率は、再配分をトリガーしているセルから移動される。妥協的な解決策は、たとえ負荷再配分が2回以上トリガーされても、安定的な確率を保証し得る。したがって、RAN2が、異なるシナリオのために、単一の解決策を目指しているのであれば、それは、連続配分にも適用可能であり得るワンショットメカニズムに注目すべきである。
提案6:RAN2は、連続配分とワンショットメカニズムとの両方のケースを用いることに適用可能な柔軟性を提供する単一の解決策を目指すべきである。
[相互参照]
米国仮出願第62/145869号(2015年4月10日出願)、米国仮出願第62/165315号(2015年5月22日出願)、米国仮出願第62/188873号(2015年7月6日出願)、米国仮出願第62/218689号(2015年9月15日出願)、米国仮出願第62/247948号(2015年10月29日出願)、及び米国仮出願第62/281446号(2016年1月21日出願)の全内容が参照により本願明細書に組み込まれている。