しかし、特許文献1,2に記載のものは、液晶表示器や液晶ユニットの一側面を片持支持する構造であるため、情報を表示する表示機能を発揮するために使用する際に問題は生じないが、操作機能例えばメダル貸出装置を操作するための操作ボタンやタッチパネルを付与した場合には、操作ボタンやタッチパネルのタッチ操作の押力による揺動・回動の発生を防止するのが困難であり、操作時の安定性を確保するのは容易ではない。
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は操作部及び回動機構を備える表示器の操作時の安定性の確保しつつ、表示器の向きを変更する動作の操作性を向上させることができる遊技媒体貸出装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る遊技媒体貸出装置は、遊技媒体を用いて遊技を行う遊技機に隣接して設置され、遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出装置において、遊技媒体貸出装置本体と、情報を表示する表示部と、操作を受け付ける操作部と、を表面に備える表示器と、上記遊技媒体貸出装置本体の正面に対し上記表示器を少なくとも左右方向に回動可能、且つ、任意の回動角度で停止可能に連結する回動機構と、を備え、上記回動機構の回動中心は、上記表示器の裏面に配置される、ことを特徴とする。
このように回動機構の回動中心を表示器の裏面に配置する構造とすることにより、ユーザが表示器の表面に配置される操作部に押力を加えた際の回動機構に加えられるトルクを小さくすることができる。これにより、操作時における表示器の揺動・回動の発生を抑制しつつ、表示器の向きを変更する動作の操作性を向上させることができる。
この場合、上記回動機構の回動中心は、上記操作部における操作範囲の裏面に配置されることが好ましい。
このように構成することによって、ユーザが表示器の表面に配置される操作部に押力を加えた際の回動機構に加えられるトルクを更に小さくすることができる。これにより、操作時における表示器の揺動・回動の発生を抑制しつつ、表示器の向きの変更を容易に行うことができる。
この場合、上記回動機構は、上記表示器の表面に対し6N以下の押力が作用した場合に回動不能に形成されることが好ましい。
タッチパネルを操作するのに必要な押力は通常1N程度であるため、回動中心から最も離れた位置に存在する操作部において2N以上の保持力があれば、表示器が回動することなくタッチパネルの操作を行うことが可能となる。なお、場合によってはユーザは2〜5Nの押力でタッチパネルを操作することもあるので、表示器の表面に対し6N以下のいずれかの押力が作用した場合に回動不能になるように回動機構を構成することで、ユーザが操作部を操作する際における表示器の不要な揺動・回動を抑制することができる。
この場合、上記回動機構はヒンジであり、上記遊技媒体貸出装置本体の正面板には上記表示器が左右方向に回動する際に上記表示器の一部を収容する逃げ溝が形成されることが好ましい。
このように遊技媒体貸出装置本体の正面板に逃げ溝を形成することによって、表示器の左右方向の回動範囲を広くすることができる。
この場合、上記逃げ溝内に、上記表示器の裏面の一部と当接して上記表示器の回動範囲を規制する係止部を備えることが好ましい。
このように構成することによって、表示器の過度の回動を規制することができる。
この場合、上記ヒンジと筐体との間の接続を中継するヒンジ固定板を更に備え、上記ヒンジ固定板は、上記逃げ溝に形成された開口部に挿通された状態で上記筐体に固定してなることが好ましい。
このように構成することによって、表示器と遊技媒体貸出装置本体との取着を容易にすることができる。
この場合、上記ヒンジ固定板における筐体側の部位には位置決め凸部が設けられ、上記位置決め凸部を上記筐体に設けられる凹状又は孔状の位置決め嵌合部に嵌合してなることが好ましい。
このように構成することによって、ヒンジ固定板と遊技媒体貸出装置本体との取着を容易にすることができる。
この場合、上記表示器を表示制御する制御部を更に備え、上記筐体は、上記制御部を収容し、上記遊技媒体貸出装置本体内に収容されると共に、上記筐体が上記正面板の一部を構成する正面板ピースとアッセンブリ化されており、上記逃げ溝、上記開口部及び上記係止部を上記正面板ピースに形成してなることが好ましい。
このように構成することによって、遊技媒体貸出装置の組み立てを容易にすることができる。
この場合、上記表示部は、上記操作部と一体となったタッチパネルであってもよい。
本発明の遊技媒体貸出装置によれば、ユーザが表示器の表面に配置される操作部に押力を加えた際の回動機構に加えられるトルクを小さくすることができる。これにより表示器の揺動・回動の発生を抑制して表示器の操作時の安定性を確保しつつ、表示器の向きを変更する動作の操作性を向上させることができる。
以下、本発明に係る遊技媒体貸出装置について、図面を参照して説明する。ここでは、遊技機であるスロットマシン2に、この発明に係る遊技媒体貸出装置であるメダル貸出装置1を隣接して設置した場合について説明する。
図1で示すように、スロットマシン2はメダル貸出装置1の左側に隣接して配置されている。スロットマシン2は、遊技者(ユーザ)が遊技媒体としてのメダルを用いて遊技を行うものである。このスロットマシン2は、正面に表面窓4と、表面窓4から視認できるリール(図示せず)の回転を開始するためのレバー5と、回転した3列のリールを停止するための3個のストップボタン6とを有する操作手段を備える。更に、スロットマシン2は、正面にメダルを投入する投入口7及びメダルの受け皿であるトレー3が設けられている。ユーザは、投入口7に対してメダルを投入し、レバー5及びストップボタン6を操作して表面窓4から見えるリールの回転/停止を行う。この操作の結果、3列のリールの図柄が予め入賞設定された組み合わせとなったときに、相応する枚数のメダルをトレー3に払い出す。なお、この発明における左右方向,正面背面方向は図2(a)(b)にて矢印で示す方向である。
メダル貸出装置1はスロットマシン2の右側に隣接して配置されている(図1参照)。メダル貸出装置1は、ユーザの所定の操作、例えばユーザの貨幣投入口58への貨幣の投入や、ユーザの操作部21aへの操作に応じて、所定数のメダルをノズルシュート10を介してスロットマシン2のトレー3内に貸し出すものである。図2(a)(b),図3で示すように、メダル貸出装置1は、メダル貸出装置本体9と、情報を表示する表示部である表示画面21及び操作を受け付ける操作部21aとを表面に備える表示器20と、メダル貸出装置本体9の正面に対し表示器20を少なくとも左右方向に回動可能、且つ、任意の回動角度で停止可能に連結する回動機構であるヒンジ40と、で主に構成されている。
メダル貸出装置本体9は、図2(a)(b)で示すように、外観が縦長直方体形状であってメダル貸出装置1の各構成部を収納する本体筐体50と、メダル貸出装置1の各構成部の各種制御を行う制御部100と、本体筐体50の正面から膨出して設けられ、本体筐体50外に払い出されたメダルをトレー3に誘導するノズルシュート10と、で主に構成されている。
本体筐体50は、図2(a)(b)で示すように、矩形状の底板51と、底板51の左右の2辺に垂直に立設される側板52,53と、背面側に立設される背面板54と、上部開口を塞ぐ天井板55と、正面側の開口を塞ぐ複数の正面板ピース(第1の正面板61,第2の正面板62,第3の正面板63,第4の正面板64)により構成される正面板60と、で主に構成されている。また、図2(b)で示すように、本体筐体50の内部は、上から順に、ビルバリ収納部57aと、制御部収納部57bと、メダル補充部57cと、払出ホッパ収容部57dと、計数ホッパ収納部57eと、に仕切られている。
ビルバリ収納部57aは、ユーザが投入する貨幣を識別するビルバリ(貨幣識別装置)(図示せず)を収納する部位である。図2(a)(b)で示すように、ビルバリ収納部57aは、手前側の開口部が第1の正面板61によって塞がれている。第1の正面板61には、ユーザによって投入される貨幣の投入口である貨幣投入口58が形成されている。
制御部収納部57bは、図2(b)で示すように、メダル貸出装置1における各種制御を行う制御部100を収納する部位である。制御部100は、例えば、CPU等のマイクロプロセッサとその周辺回路を有する演算処理部を備えたコンピュータにより構成され、後述する表示器20を表示制御するための実行用プログラム等を格納するプログラム格納部(図示せず)と、設定された表示器20の表示態様のデータ等を記憶するための記憶部(図示せず)と、例えば表示器20の表示態様等を設定可能な設定部(図示せず)とを備えている。
また、制御部100は、表示器20,ビルバリ,メダル補充部,払出ホッパ,計数ホッパ,スロットマシン2の各構成部等と電気的に接続されており、各構成部等から送信された信号等に基づいて上述したプログラムを実行して各構成部等を制御し、メダル払出動作,メダル計数動作,表示動作等が行われるようになっている。
このように構成される制御部100は、図4,7,8で示すように、金属製の筐体101内に収納されており、正面側の開口を塞ぐ第2の正面板62と制御部アッセンブリ102を構成している。
制御部アッセンブリ102を構成する第2の正面板62には、各種ユーザインターフェイスが配置される。図3で示すように、上部区画に非接触のICカードを読み取るためのカードリーダ62aが配置され、左区画には上から順に店員を呼び出すための呼び出しボタン62bと、ユーザに関する情報と関連づけられた固有の識別情報、又はカード固有の識別情報が記憶されたカードが挿入されるカード挿入口62cと、カード挿入口62cの右隣に配置されるカード返却ボタンと62d、メダルの貸し出しボタン62eと,メダルの払い出しボタン62fと、USBコネクタ62gと、が配置されている。
また、第2の正面板62の右区画には、図4,7で示すように、上下方向に凹条が形成されており、この凹条は後述する表示器20が左右方向に回動する際に表示器20の一部を収容する逃げ溝62hとして機能する。逃げ溝62h内の右側の傾斜している壁は、表示器20の裏面と当接して表示器20の回動範囲を規制する、左向きの係止部62iとして機能する。左向きの係止部62iを設けることにより、表示器20の左方向への過度の回動を規制することができる。
逃げ溝62hには、図7で示すように、後述するヒンジ固定板45が挿通される第1の開口部62jと、制御部100と表示器20の裏面を繋ぐケーブルが挿通される第2の開口部62kが開設されている。逃げ溝62hにおいて、ヒンジ40の回動軸の近傍に、第1の開口部62jと第2の開口部62kを形成することにより、外部からヒンジ40やケーブルが見えなくなるためメダル貸出装置1のデザイン性を向上することができる。また、図7,9で示すように、第1の開口部62jの奥側には制御部100の筐体101が配設されており、筐体101にはスリット孔状の位置決め嵌合部101aが形成されている。
メダル補充部57cは、払出ホッパ(図示せず)の払出貯留部(図示せず)に補充するメダルを通す部位である。図2(a)(b)で示すように、メダル補充部57cの手前側の開口は第3の正面板63で塞がれている。
払出ホッパ収納部57dは、所定数のメダルを払い出す払出ホッパを収納する部位である。図2(a)(b)で示すように、払出ホッパ収納部57dの手前側の開口部は、ノズルシュート10に固定された第4の正面板64で塞がれている。
計数ホッパ収納部57eは、ノズルシュート10の計数メダル受皿内(図示せず)に投入されたメダルを計数する計数ホッパ(図示せず)を収納する部位である。図2(a)(b)で示すように、計数ホッパ収納部57eの手前側の開口部は、ノズルシュート10に固定された第4の正面板64で塞がれている。
ノズルシュート10は、図1,2で示すように、本体筐体50の正面下部から前方に膨出して設けられており、払出ホッパから払い出されたメダルをトレー3に誘導する。図2(a)(b)で示すように、ノズルシュート10は、第4の正面板64に固定されてアッセンブリ化されており、ノズルシュート10とアッセンブリ化した第4の正面板64を本体筐体50の開口に係止して装着することができる。
表示器20は、図3,4で示すように、この発明における表示部となる矩形状の表示画面21を表面に備え、この表示画面21が略長方体状のリヤケース22によって裏面側から保持されている。表示画面21は、バックライト及び液晶パネル等によって主に構成されており、液晶パネルの背面方向に配置されたバックライトから照射される光が液晶パネルを透過して画像を表示することができる。表示器20は、制御部100からの制御信号に基づいて表示画面21に種々の画像を表示することができる。
また、表示画面21には、上層にタッチパネルが重ねて配置されており、表示画面21上のいずれの部位にも操作部21aを表示させることができる。例えば、図3で示すように、表示画面21上に表示されたスクウェア状の模様で囲まれたA〜Fが表示されたタッチボタン及び略楕円形の模様で囲まれた終了ボタンが、操作部21aとして表示されている。ユーザは、指先を用いて表示画面21上に表示された操作部21aに押力を加えることにより操作することができる。制御部100は、ユーザの操作部21aの操作内容及び表示画面21の表示内容に従ってメダル貸出装置1を構成する各構成部等を制御する。このように構成することにより、操作部21aを表示器20の表面に配置することができると共に、表示画面21を操作部21aと一体となったタッチパネルとすることができる。
表示器20の裏面すなわちリヤケース22の裏面には、図4,5で示すように、上下方向に凸条が形成されており、この凸条は表示器20の回動を規制する右向きの係止部24として機能する。右向きの係止部24は、図11(a)〜(c)で示すように、表示器20をメダル貸出装置本体9の前面と略平行に回動させた際に、第2の正面板62の前面の一部と当接して表示器20の右側への過度の回動を規制することができる。
ヒンジ40は、図5で示すように、円柱状のシャフト41と、シャフト41を回動軸として回動可能に取り付けられた第1のヒンジピース42と、シャフト41を回動軸として回動可能に取り付けられた第2のヒンジピース43と、で主に構成されている。ヒンジ40は、第1のヒンジピース42と第2のヒンジピース43との間の摩擦により任意の回動角度で停止可能とするフリーストップヒンジである。
ヒンジ40は、表示器20の表面に対し6N以下のいずれかの押力が作用した場合に第1のヒンジピース42と第2のヒンジピース43との間の摩擦力により揺動・回動不能となる保持力を備えている。タッチパネルの操作部21aを操作するのに必要な押力は通常1N程度であるので、その操作部21aにおいて2N以上の保持力があれば、表示器20が回動することなくタッチパネルの操作を行うことが可能となる。なお、場合によってはユーザは2〜5Nの押力でタッチパネルを操作することもあるので、表示器20の表面に対し6N以下の押力が作用した場合に回動不能になるようにヒンジ40を構成することが、より好ましい。例えば、操作部21aの位置がヒンジ40の回動中心から50mm離れた位置に存在している状態で、その操作部21aの位置における保持力を2Nに設定する場合には、保持トルクが0.1N・mのヒンジ40を用いることで達成することができる。同様に、その操作部21aの位置における保持力を6Nに設定する場合には、保持トルクが0.3N・mのヒンジ40を用いることで達成することができる。なお、一般的な物性として、摩擦係数が低い程、動摩擦係数と静止摩擦係数との差が少ない傾向がある。従って、保持トルクが少ないヒンジ40である程、保持力と回動状態において必要な回動力との差を少なくすることができるので、表示器20の向き加減の調節を行い易くすることができる。図5、図11に示すように、ヒンジ40の回動中心を表示器20の裏面に配置する構造を用いることにより、ユーザが操作部21aに押力を加えた際における回動機構に加わるトルクを小さくすることができるので、保持トルクが小さいヒンジ40を用いることができる。これにより、操作時における表示器20の不要な揺動・回動の発生を抑制しつつ、表示器20の向きを変更する動作の操作性を向上させることができる。
ヒンジ40は、図5で示すように、第1のヒンジピース42が、表示器20の裏面に配置されるリヤケース22にねじ止めにより取着されている。このように構成することによって、ヒンジ40を表示器20の裏面に固定することができる。更に、図3で示すように、ヒンジ40のシャフト41が、リヤケース22の略中央付近に配置されるように取着されている。表示器20の表面における略中央付近には、操作部21aをいずれの部位にも表示可能な表示画面21が配置されている。このように構成することで、ヒンジ40の回動中心を操作部21aの操作範囲の裏面に配置することができる。
ヒンジ固定板45は、ヒンジ40と筐体101との間の接続を中継する部材であり、筐体101に対する表示器20の取着を容易にするための部材である。ヒンジ40は、図5で示すように、第2のヒンジピース43が、ヒンジ固定板45の一端にねじ止めして締結されている。ヒンジ固定板45は、図6で示すように、第2のヒンジピース43に取着される矩形状の基片45aと、基片45aの一の側辺から右方向に設けられ、表示器20を制御部100の筐体101に取付た際に第1の開口部62jを塞ぐ矩形状の閉塞片45bと、基片45aにおける閉塞片45bが設けられた側辺と対向する側辺から左斜め方向に設けられると共に制御部100の筐体101にねじ止めされる矩形状の取着片45cと、取着片45cにおいて基片45aが設けられた側辺と対向する側辺の中央付近から突出する位置決め凸部45dと、で主に構成されている。
上記のように構成される制御アッセンブリ102に対して表示器20の取着を行う際には、図7で示すように、先ず第2の正面板62に形成された第2の開口部62kから引き出されたケーブルを表示器20の裏面に設けられたコネクタ23(図5参照)に接続する。次いで、表示器20にヒンジ40を介して締結されたヒンジ固定板45を第2の正面板62に形成された第1の開口部62jに挿入して、図8,10で示すように、ヒンジ固定板45の先端に設けられた位置決め凸部45dを制御部100の筐体101設けられたに位置決め嵌合部101aに嵌合させる。次いで、制御部100の筐体101の外側からヒンジ固定板45の取着片45cと制御部100の筐体101とをねじ止めする。
このようにして表示器20が連結された制御アッセンブリ102を本体筐体50内に挿入すると、本体筐体50内に配置されているプラグコネクタにレセプタクルコネクタ103(図8参照)が嵌合して接続される。同時に、第2の正面板56dの係止爪62mが、筐体50の開口に設けられた側板52,53の曲げ部に係止して、本体筐体50に対する制御アッセンブリ102の装着が完了する(図4参照)。
ユーザがスロットマシン2において遊技を開始し、メダル貸出装置1のカード挿入口62cにカードが挿入すると、制御部100は、表示器20に対し例えば図3に示すような画像を表示画面21に表示させる。ユーザは、図11(a)〜(c)で示すように、表示器20に6Nより大きい引張力又は押力(例えば10N)を加えて表示画面21を右向き又は左向きに回動させて、表示画面21の向きをユーザ側に向くように調節することができる。
表示器20は、図11(c)で示すように、表示器20の裏面が、逃げ溝62h内に形成された左向きの係止部62iに当接して係止することにより、第2の正面板62に対して最大70度の回動範囲が、左方向に確保されるように構成されている。一方で、表示器20は、図11(a)で示すように、表示器20の裏面に形成されている右向きの係止部24が、第2の正面板62の前面の一部と当接して係止することにより、第2の正面板62に対し最大0度の回動が右方向にできるように構成されている。
ユーザが、表示器20に10Nの引張力を加えて表示画面21の向きをユーザ方向に回動させて、ユーザは一番見やすい角度例えば図11(c)の70度の回動角度で回動を停止すると、図3に示す表示画面21の画像を視認することができる。ユーザは、指先を用いて表示画面21上に表示された操作部21a、例えばBボタンに、例えば1Nの押力を加えることにより操作部21aを操作することができる。制御部100は、操作部21aのBボタンに押力を加える操作及び表示画面21の表示画像に従って、例えば計数ホッパに対しメダルの計数を開始させる制御を行うと共に表示器20に対し他の画像、例えば計数メダル数の画像(図示せず)を表示画面21に表示させる制御を行う。
ユーザが、操作部21aのBボタンに一般的な押力を加えて操作をする際には、表示器20に揺動・回動が発生しなない。なぜならば、ヒンジ40の回動中心を表示器20の裏面に配置する構造を採用することにより、ユーザが表示器20の表面に配置される操作部21aに押力を加えた際のヒンジ40に加えられるトルクを小さくして、表示器20の揺動・回動の発生を抑制することができるからである。
また、ヒンジ40の回動中心を操作部21aにおける操作範囲の裏面の部位に配置する構造を採用することにより、ユーザが表示器20の表面に配置される操作部21aに押力を加えた際の回動機構に加えられるトルクを更に小さくして、表示器20の揺動・回動の発生を抑制することができる。
また、表示器20の表面に対し6N以下のいずれかの押力が作用した場合に、第1のヒンジピース42と第2のヒンジピース43との間の摩擦により回動不能に構成されているので、操作部21aを操作可能な押力(例えば1〜5N)で操作部21aに押力を加えても、表示器20が揺動・回動しない。
このメダル貸出装置1によれば、ユーザが表示器20の表面に配置される操作部21aに押力を加えた際のヒンジ40に加えられるトルクを小さくすることができる。これにより表示器20の揺動・回動の発生を抑制して表示器20の操作時の安定性を確保しつつ、表示器20の向きを変更する動作の操作性を向上させることができる。
なお、上述した実施形態において、回動機構としてヒンジ40を用いたが、回動機構は、メダル貸出装置本体9の正面に対し表示器20を少なくとも左右方向に回動可能、且つ、任意の回動角度で停止可能に連結するものであればよく、例えば第2の正面板62からボールジョイントを突出して設け、メダル貸出装置本体9の正面に対し表示器20を左右及び上下方向に回動可能、且つ、任意の回動角度で停止可能に連結してもよい。
また、上述した実施形態において、表示器20は表示画面21と操作部21aが一体となったタッチパネルを設けたが、表示器20は表示画面21と操作部21aを表面に備えればよく、例えば表示画面21と表示画面21の周囲に設けられたスイッチボタン式操作部であってもよい。
本発明は上記の実施形態及び実施例の例示に限定されるものでなく、特許請求の範囲の技術的範囲には、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々、設計変更した形態が含まれる。