JP6394959B2 - 照明装置の製造方法 - Google Patents
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Description
この場合、発光モジュールには、基板と、基板の上に実装された発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)とが設けられている。
そして、基板が本体部に接着されている。
この様な照明装置が、自動車などの車両に用いられる場合には、基板と本体部との間の接着部が、大きな温度変化(−40℃〜85℃)、高い湿度、衝撃的な振動などに耐え得る必要がある。
ここで、照明装置を製造する工程において、塗布装置の不具合などにより接着剤の塗布が行われないと、基板と本体部とが密着接合されないことになる。
基板と本体部とが密着接合されていないと、発光モジュールの位置が変化したり、発光ダイオードや制御素子などにおいて発生した熱が本体部に伝わり難くなったりするおそれがある。
発生した熱の放熱が悪くなると、発光ダイオードの温度が過度に高くなり、発光ダイオードの寿命が短くなったり、輝度が低下したりするおそれがある。
また、伝熱が悪くなると、温度変化が大きい使用環境において、熱膨張量や収縮量が多くなり、これに伴う劣化も生じ易くなる。そのため、発光ダイオードや配線に過大な応力が加わり、不点灯となるおそれもある。
そのため、基板と本体部とが確実に接着されている必要がある。
しかしながら、発光モジュールが本体部に取り付けられた後では、外観検査により接着剤の塗布の有無を知ることができない。
この場合、接着剤の塗布の有無を検査する工程を設けるようにすれば、製造工程の煩雑化や、製造コストの増大を招くおそれがある。
そのため、発光モジュールが本体部に取り付けられた後であっても、接着剤の塗布の有無を容易に知ることができる照明装置および照明装置の製造方法の開発が望まれていた。
前記接着剤を塗布する工程において、前記発光モジュールを接着する領域に前記接着剤を塗布するとともに、前記発光モジュールの周縁からはみ出す位置、および、前記発光モジュールの周縁から外方に離れた位置の少なくともいずれかにも前記接着剤を塗布する。
この照明装置の製造方法によれば、発光モジュールが本体部に取り付けられた後であっても、接着剤の塗布の有無を容易に知ることができる。
そのため、標示部を検出することで、接着剤の塗布の有無を容易に知ることができる。
本実施の形態に係る照明装置1は、例えば、屋内照明や屋外照明などに広く用いることができる。
ここで、自動車や鉄道車両などに用いられる車両用の照明装置の場合には、基板と本体部との間の接着部が、大きな温度変化(−40℃〜85℃)、高い湿度、衝撃的な振動などに耐え得る必要がある。
そのため、車両用の照明装置の場合には、基板と本体部とが確実に接着されている必要がある。
車両用の照明装置としては、例えば、自動車に設けられるフロントコンビネーションライト、リアコンビネーションライト(ストップランプ、テールランプ、ターンシグナル、フォグランプなど)、室内用ライト、トランク用ライトなどを例示することができる。
ただし、本実施の形態に係る照明装置は、例示をしたものに限定されるわけではなく、自動車や鉄道車両などに設けられる照明装置に広く用いることができる。
図2は、本体部10の模式斜視図である。
図3は、発光モジュール20の模式斜視図である。
図4は、ソケット30の模式斜視図である。
図5は、給電部40および接着部50を例示するための模式断面図である。
なお、図5は、図1におけるA−A線を含む断面を表す図である。
図1に示すように、照明装置1には、本体部10、発光モジュール20、ソケット30、給電部40、接着部50、および標示部60が設けられている。
また、凹部11aは、基板21が接着される第1の領域11a1と、第1の領域11a1から外方に向けて突出する第2の領域11a2とを有する。
基板21は、第1の領域11a1において、凹部11aの底面の上に接着される。基板21の発光部22が設けられる側とは反対の側の面と、凹部11aの底面との間には、接着部50が設けられている。
また、複数の給電端子41が、凹部11aの底面から突出している。複数の給電端子41は、凹部11aの底面とは接触していない。
また、複数の凸部11bとフランジ部12との間には、ゴムやシリコーン樹脂などの材料からなるシール部材を設けることもできる。
フィン13は、フランジ部12の面から突出して複数設けられている。複数のフィン13は、板状を呈し、放熱フィンとして機能する。
そのため、熱を外部に放出することを考慮して、収納部11、フランジ部12、およびフィン13を熱伝導率の高い材料から形成することが好ましい。
また、照明装置1は、軽量となるようにすることが好ましい。
そのため、収納部11、フランジ部12、およびフィン13は、高熱伝導性樹脂から形成することが好ましい。
高熱伝導性樹脂は、例えば、PET(polyethylene terephthalate)やナイロン等の樹脂に、熱伝導率の高い炭素や酸化アルミニウム等からなる繊維や粒子を混合させたものである。
この場合、収納部11、フランジ部12、およびフィン13を一体成形することができる。
なお、収納部11、フランジ部12、およびフィン13を別々に形成し、これらを接合することもできる。収納部11、フランジ部12、およびフィン13を別々に形成する場合には、これらを同じ材料から形成することもできるし、これらを異なる材料から形成することもできる。
基板21は、板状を呈し、表面に配線パターン24が設けられている。
基板21の材料や構造には特に限定はない。例えば、基板21は、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどの無機材料(セラミックス)、紙フェノールやガラスエポキシなどの有機材料などから形成することができる。また、基板21は、金属板の表面を絶縁材料で被覆したものから形成することもできる。なお、金属板の表面を絶縁材料で被覆する場合には、絶縁材料は、有機材料からなるものであってもよいし、無機材料からなるものであってもよい。
また、基板21は、単層であってもよいし、多層であってもよい。
発光部22には、発光素子22a、外囲器22b、リード22cおよび封止部22dが設けられている。
発光素子22aは、外囲器22bに設けられた凹部22b1の内部に設けられている。 発光素子22aは、凹部22b1の内部に露出するリード22cに電気的に接続されている。
発光素子22aは、例えば、発光ダイオード、有機発光ダイオード、レーザダイオードなどとすることができる。
発光素子22aの光の出射面である上面は、照明装置1の正面側に向けられており、主に、照明装置1の正面側に向けて光を出射する。
また、外囲器22bの材料を樹脂とする場合には、酸化チタンなどの粒子を混合して、発光素子22aから出射した光に対する反射率を向上させるようにすることができる。 なお、酸化チタンの粒子に限定されるわけではなく、発光素子22aから出射した光に対する反射率が高い材料からなる粒子を混合させるようにすればよい。
また、外囲器22bは、例えば、白色の樹脂から形成することもできる。
また、発光素子22aから照明装置1の正面側に向けて出射された光の一部であって封止部22dの上面(封止部22dと外気との界面)で全反射した光は、外囲器22bの凹部22b1の側壁で反射して、再び照明装置1の正面側に向けて照射される。
リード22cの凹部22b1の内部に露出する部分は、発光素子22aと電気的に接続されている。
リード22cの外囲器22bの下面に向けて折り曲げられている部分は、配線パターン24と電気的に接続されている。
そのため、発光素子22aは、リード22cを介して配線パターン24と電気的に接続されている。
封止部22dは、例えば、外囲器22bの凹部22b1に樹脂を充填することで形成することができる。樹脂の充填は、例えば、ディスペンサなどの液体定量吐出装置を用いて行うことができる。
例えば、発光素子22aが青色発光ダイオード、蛍光体がYAG系蛍光体である場合には、発光素子22aから出射した青色の光によりYAG系蛍光体が励起され、YAG系蛍光体から黄色の蛍光が放射される。そして、青色の光と黄色の光が混ざり合うことで、白色の光が照明装置1から出射される。なお、蛍光体の種類や発光素子22aの種類は例示をしたものに限定されるわけではなく、照明装置1の用途などに応じて所望の発光色が得られるように適宜変更することができる。
例えば、発光部22は、配線パターンの上に実装された発光素子22aと、発光素子22aを囲む環状のリフレクタと、環状のリフレクタの内部に設けられた封止部22dと、を有するものであってもよい。
すなわち、COB(Chip on Board)方式を用いて、発光素子22aが配線パターン24の上に実装されるようにしてもよい。
また、発光部22の数や配設形態なども例示をしたものに限定されるわけではなく、照明装置1の用途などに応じて適宜変更することができる。
制御素子23は、発光素子22aに流れる電流を制御する。すなわち、制御素子23は、発光素子22aの発光を制御する。
制御素子23の数や大きさなどは、例示をしたものに限定されるわけではなく、発光素子22aの数や仕様などに応じて適宜変更することができる。
配線パターン24は、基板21の両方の面に設けることもできるが、製造コストを低減させるためには、基板21の一方の面に設けるようにすることが好ましい。
配線パターン24には、入力端子24aが設けられている。
入力端子24aは、複数設けられている。入力端子24aには、給電端子41が電気的に接続されている。そのため、発光素子22aは、配線パターン24を介して、給電端子41と電気的に接続されている。
また、放熱性を向上させるために、接着部50と、本体部10の間に伝熱板15をさらに設けることができる(図5を参照)。伝熱板15は、例えば、アルミニウムなどの熱伝導率の高い金属を用いて形成することができる。また、伝熱板15は、本体部10に固定されている。伝熱板15は、例えば、ねじなどの締結部材を用いて固定したり、超音波溶着法を用いて固定したりすることができる。
なお、伝熱板15は、必要に応じて設けるようにすればよい。
本体部30aは、樹脂などの絶縁材料から形成されている。本体部30aの側壁には、凸部30a1が設けられている。本体部10に設けられた凹部に凸部30a1を嵌め合わせることで、ソケット30が本体部10に保持される。
めす型端子30bの一方の端部は、本体部30aの一方の端面に露出している。本体部30aの一方の端面に露出しているめす型端子30bの端部には、給電端子41が嵌め合わされる。
めす型端子30bの他方の端部には、配線30cが電気的に接続されている。
配線30cには、図示しない電源などが電気的に接続される。
そのため、ソケット30を給電端子41に嵌め合わせることで、図示しない電源などと、発光素子22aとが電気的に接続される。
ソケット30は、例えば、接着剤などを用いて本体部10側の要素に接着することができる。
給電端子41は、複数設けられている。
給電端子41は、線状を呈し、金属などの導電性材料から形成されている。
複数の給電端子41は、保持部42を貫通して延びている。
給電端子41の入力端子24a側の端部は、保持部42の入力端子24a側の端部42aから突出している。保持部42の端部42aから突出した給電端子41は、凹部11aの底面から突出し、入力端子24aと電気的に接続される。
給電端子41のソケット30側の端部は、保持部42のソケット30側の端部42bから突出している。保持部42の端部42bから突出した給電端子41は、めす型端子30bと嵌め合わされる。
2つの給電端子41を例示したが、給電端子41の数や形状などは、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
高熱伝導性樹脂には、炭素などの導電性を有する物質を樹脂に混合させたものがある。そのため、高熱伝導性樹脂には導電性を有するものがある。
導電性を有する高熱伝導性樹脂を用いる場合には、本体部10と、給電端子41とが接触すると短絡が生ずることになる。
そのため、本体部10と給電端子41との間に、絶縁性を有する材料から形成された保持部42が設けられている。
孔10aは、本体部10の発光モジュール20が設けられる側の端部10bと、ソケット30が設けられる側の端部10cとの間を貫通している。
また、照明装置1が車両用の照明装置である場合には、使用環境の温度が、−40℃〜85℃となる。そのため、本体部10の材料である高熱伝導性樹脂の線膨張係数と、保持部42の材料である樹脂の線膨張係数とがなるべく近い値となることが好ましい。この様にすれば、照明装置1が、温度変化の大きな環境において用いられたとしても、本体部10と保持部42との間において発生する熱応力を低減させることができる。
この場合、高熱伝導性樹脂に含まれる樹脂を用いて保持部42を形成することができる。
例えば、高熱伝導性樹脂が炭素からなる繊維や粒子をPETに混合させたものである場合には、PETを用いて保持部42を形成することができる。
なお、伝熱板15が設けられている場合には、接着部50は、伝熱板15と、基板21の間に設けられている。
接着部50は、後述する接着剤51が硬化することで形成されたものとすることができる。
また、接着部50は、本体部10または伝熱板15と、基板21との間を絶縁する役割をも有している。
そのため、接着部50は、絶縁性を有し、熱伝導率の高い材料から形成することが好ましい。接着部50は、例えば、酸化アルミニウムなどの熱伝導率が高く絶縁性を有する物質を含む樹脂から形成することができる。接着部50は、例えば、酸化アルミニウムなどからなるフィラーを含む熱伝導性接着剤が硬化することで形成されたものとすることができる。
この場合、接着剤51の塗布の有無を検査する工程を設けるようにすれば、製造工程の煩雑化や、製造コストの増大を招くおそれがある。
そのため、本実施の形態に係る照明装置1においては、標示部60が設けられている。
なお、図6は、発光モジュール20が設けられる側から照明装置1を見た図である。
図6に示すように、標示部60は、平面視において、発光モジュール20(基板21)の周縁から外方に向けて突出している。
標示部60は、接着部50を形成する際に用いた接着剤51が硬化することで形成されたものとすることができる。
発光モジュール20を接着する領域に塗布された接着剤51が硬化することで接着部50が形成される。
発光モジュール20の周縁からはみ出す位置に塗布された接着剤51が硬化することで標示部60が形成される。
この様にすれば、外観検査などを行った際に、標示部60が形成されていれば、接着部50が形成されているものとすることができる。
そのため、発光モジュール20が本体部10に取り付けられた後であっても、接着剤51の塗布の有無を容易に知ることができる。
また、標示部60は、少なくとも1つ設けられていればよい。
標示部60の形状や大きさも適宜設定することができる。
標示部60の色にも特に限定はないが、外観検査などにおいて検出が容易となるように着色することもできる。例えば、標示部60の色は、基板21の色および本体部10の色と異なるものとすることができる。
そこで、本実施の形態に係る照明装置1においては、凹部11aの第2の領域11a2に標示部60を設けるようにしている。
例えば、凹部11aの第2の領域11a2の内部または近傍に接着剤51を塗布し、発光モジュール20を本体部10に取り付けた際に、第2の領域11a2の内部に接着剤51が入り込むようにすることができる。
この様にすれば、標示部60の形状、大きさ、および位置などを揃えることができる。そのため、検出の容易化、見栄えの向上などを図ることができる。
なお、図7は、発光モジュール20が設けられる側から照明装置1を見た図である。
図7に示すように、標示部60aは、平面視において、発光モジュール20(基板21)の周縁から離れた位置に設けられている。
標示部60aは、接着部50を形成する際に用いた接着剤51が硬化することで形成されたものとすることができる。
発光モジュール20を接着する領域に塗布された接着剤51が硬化することで接着部50が形成される。
発光モジュール20の周縁から離れた位置に塗布された接着剤51が硬化することで標示部60aが形成される。
この様に、標示部は、外観検査などで検出可能な位置に設けられていればよい。
この様にすれば、標示部60aの形状、大きさ、および位置などを揃えることができる。そのため、検出の容易化、見栄えの向上などを図ることができる。
なお、接着部50および標示部60、60aの形成工程、および、接着剤51の塗布の有無に関する検査工程以外の工程には、既知の技術を適用することができる。
そのため、ここでは、接着部50および標示部60、60aの形成工程、および、接着剤51の塗布の有無に関する検査工程について説明する。
なお、以下においては、標示部60を形成する場合を説明するが、標示部60aも同様にして形成することができる。
まず、本体部10(収納部11)または伝熱板15に、接着剤51を塗布する。
図8(a)、(b)は、接着剤51の塗布を例示するための模式平面図である。
図8(a)に示すように、接着剤51は面状に塗布することができる。
図8(b)に示すように、接着剤51は複数の位置に点状に塗布することができる。
なお、接着剤51は線状に塗布してもよい。
接着剤51を複数の位置に点状に塗布する場合には、複数のノズルを備えた液体定量吐出装置を用いることができる。
複数のノズルを備えた液体定量吐出装置を用いて、複数の位置に接着剤51を同時に塗布すれば、接着剤51に気泡が混入するのを抑制することができる。
すると、接着剤51が押し広げられて膜状となるとともに、接着剤51が発光モジュール20の周縁の所定の位置からはみ出す。
次に、接着剤51を硬化させて、発光モジュール20を本体部10に接着する。
この場合、発光モジュール20を接着する領域に塗布された接着剤51が硬化することで接着部50が形成される。
発光モジュール20の周縁からはみ出す位置に塗布された接着剤51が硬化することで標示部60が形成される。
接着剤51の硬化方法は、接着剤51の成分などに応じて適宜選択することができる。
外観検査装置などを用いて、標示部60の有無を検出する。
そして、標示部60が形成されていれば、接着部50が形成されているものとすることができる。
そのため、発光モジュール20が本体部10に取り付けられた後であっても、接着剤51の塗布の有無を容易に知ることができる。
また、標示部60の検出は、単独で行うこともできるが、発光モジュール20の取り付けなどに関する外観検査と併せて行うことができる。
そのため、製造工程の煩雑化や、製造コストの増大を招くことがない。
Claims (4)
- 本体部の一方の端部、または、前記本体部の一方の端部に設けられた伝熱板に接着剤を塗布する工程と;
前記塗布した接着剤の上に、発光素子を有する発光モジュールを設ける工程と;
前記塗布した接着剤を硬化させる工程と;
を具備し、
前記接着剤を塗布する工程において、前記発光モジュールを接着する領域に前記接着剤を塗布するとともに、前記発光モジュールの周縁からはみ出す位置、および、前記発光モジュールの周縁から外方に離れた位置の少なくともいずれかにも前記接着剤を塗布する照明装置の製造方法。 - 前記接着剤を硬化させる工程において、
前記本体部の一方の端部または前記伝熱板と、前記発光モジュールと、の間に接着部が形成されるとともに、
平面視において、前記発光モジュールの周縁から突出し、前記接着部の材料と同じ材料を含む標示部、および、前記発光モジュールから離れた位置に設けられ、前記接着部の材料と同じ材料を含む標示部の少なくともいずれかが形成される請求項1記載の照明装置の製造方法。 - 前記本体部の一方の端部には、凹部が設けられ、
前記標示部は、前記凹部の内部に設けられる請求項2記載の照明装置の製造方法。 - 前記本体部の一方の端部に前記伝熱板を設ける工程をさらに具備した請求項1〜3のいずれか1つに記載の照明装置の製造方法。
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