JP6394424B2 - 印刷データ生成装置 - Google Patents

印刷データ生成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6394424B2
JP6394424B2 JP2015017877A JP2015017877A JP6394424B2 JP 6394424 B2 JP6394424 B2 JP 6394424B2 JP 2015017877 A JP2015017877 A JP 2015017877A JP 2015017877 A JP2015017877 A JP 2015017877A JP 6394424 B2 JP6394424 B2 JP 6394424B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
value
specific
threshold
threshold value
correction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015017877A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016141020A (ja
Inventor
吉田 康成
康成 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2015017877A priority Critical patent/JP6394424B2/ja
Publication of JP2016141020A publication Critical patent/JP2016141020A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6394424B2 publication Critical patent/JP6394424B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本明細書は、印刷データを生成する技術に関し、特に、ディザマトリクスを用いたハーフトーン処理を実行して印刷データを生成する技術に関する。
複数個のノズルからインクを吐出して、印刷媒体上にドットを形成することによって、印刷を行うプリンタが知られている。このようなプリンタでは、ノズルの特性(例えば、インクの吐出量のばらつき)に起因して、印刷される画像にムラが発生する場合がある。例えば、特許文献1には、印刷データを生成するためのハーフトーン処理に用いられるディザマトリクス内の閾値を、ノズルの特性に基づいて補正する技術が開示されている。この技術によれば、ノズルの特性に起因して発生する画像のムラを低減することができる。
特開2009−89080号公報
しかしながら、上記技術では、ディザマトリクス内の閾値の補正に起因して、印刷画像にスジが現れる可能性があった。例えば、所定の濃度の画像を印刷する場合に、所定のノズルで印刷されるラインだけ、特定サイズのドットが現れなくなる場合がある。その場合には、画質を低下させる不具合として、他のノズルで印刷されるラインと、所定のノズルで印刷されるラインと、の間にスジが現れ得る。
本明細書は、ノズルの特性に起因して発生する印刷画像のムラを低減するとともに、スジの発生を抑制できる技術を開示する。
本明細書に開示された技術は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。
[適用例1]複数個のノズルを有する印刷ヘッドを用いて印刷を実行する印刷実行部のための印刷データ生成装置であって、
複数個の画素を含む対象画像を表す対象画像データを取得する画像取得部と、
複数個の閾値の配列を規定するディザマトリクスを取得するディザ取得部と、
前記複数個のノズルのそれぞれについて、インクの吐出量に関する特性値を取得する特性値取得部と、
前記対象画像内の特定のラインに対応する前記ディザマトリクス内の特定の複数個の閾値を特定する閾値特定部であって、前記特定のラインは、特定方向に沿って並ぶ複数個の画素を含む、前記閾値特定部と、
前記複数個のノズルのうち、前記特定のラインの印刷に用いられる特定のノズルの前記特性値を用いて、前記特定済の特定の複数個の閾値のうちの最小の閾値とは異なる閾値を補正し、かつ、前記最小の閾値を補正しない第1の補正処理を実行する第1の補正部と、
前記第1の補正処理後の前記特定済の特定の複数個の閾値と、前記特定のライン内の複数個の画素の値と、を比較して、注目画素の値が対応する閾値より大きい場合には前記注目画素について特定サイズのドットを形成することを決定し、注目画素の値が対応する閾値より小さい場合には前記注目画素について前記特定サイズのドットを形成しないことを決定する第1の決定部と、
前記第1の決定部による決定に従って、画素ごとドットの形成状態を示すドットデータを生成する第1の生成部と、
を備える、印刷データ生成装置。
上記構成によれば、特定のノズルの特性値を用いて、特定の複数個の閾値のうち、最小の閾値とは異なる閾値を補正するので、ノズルの特性に起因して発生する印刷画像のムラを低減できる。さらに、特定の複数個の閾値のうち、最小の閾値を補正しない。これによって、仮に補正処理を行わない場合には特定サイズのドットが形成されるライン内に、補正処理によって特定サイズのドットが形成されなくなることを抑制できる。この結果、補正処理に伴って印刷画像にスジが発生することを抑制することができる。このように、上記構成によれば、ノズルの特性に起因して発生する印刷画像のムラを低減するとともに、スジの発生を抑制できる。
[適用例2]複数個のノズルを有する印刷ヘッドを用いて印刷を実行する印刷実行部のための印刷データ生成装置であって、
複数個の画素を含む対象画像を表す対象画像データを取得する画像取得部と、
複数個の閾値の配列を規定するディザマトリクスを取得するディザ取得部と、
前記複数個のノズルのそれぞれについて、インクの吐出量に関する特性値を取得する特性値取得部と、
前記対象画像内の特定のラインに対応する前記ディザマトリクス内の特定の複数個の閾値を特定する閾値特定部であって、前記特定のラインは、特定方向に沿って並ぶ複数個の画素を含む、前記閾値特定部と、
前記複数個のノズルのうち、前記特定のラインの印刷に用いられる特定のノズルの前記特性値を用いて、前記特定済の特定の複数個の閾値を補正する第2の補正処理を実行する第2の補正部であって、前記特定済の特定の複数個の閾値のうちの少なくとも1個の閾値が、前記特定済の特定の複数個の閾値のうちの最小の閾値より小さく補正され得る場合に、前記少なくとも1個の閾値を前記最小の閾値と同じ値に決定する、前記第2の補正部と、
前記第2の補正処理後の前記特定済の特定の複数個の閾値と、前記特定のライン内の複数個の画素の値と、を比較して、注目画素の値が対応する閾値より大きい場合には前記注目画素について特定サイズのドットを形成することを決定し、注目画素の値が対応する閾値より小さい場合には前記注目画素について前記特定サイズのドットを形成しないことを決定する第2の決定部と、
前記第2の決定部による決定に従って、画素ごとドットの形成状態を示すドットデータを生成する第2の生成部と、
を備える、印刷データ生成装置。
上記構成によれば、特定のノズルの特性値を用いて、特定の複数個の閾値を補正するので、ノズルの特性値に起因して発生する印刷画像のムラを低減できる。さらに、補正によって少なくとも1個の閾値が、最小の閾値より小さくなる場合に、当該閾値を最小の閾値と同じ値に決定する。これによって、仮に補正処理を行わない場合には特定サイズのドットが形成されないライン内に、補正処理によって特定サイズのドットが形成されることを抑制できる。この結果、補正処理に伴って印刷画像にスジが発生することを抑制することができる。このように、上記構成によれば、ノズルの特性に起因して発生する印刷画像のムラを低減するとともに、スジの発生を抑制できる。
[適用例3]複数個のノズルを有する印刷ヘッドを用いて印刷を実行する印刷実行部のための印刷データ生成装置であって、
複数個の画素を含む対象画像を表す対象画像データを取得する画像取得部と、
複数個の閾値の配列を規定するディザマトリクスを取得するディザ取得部と、
前記複数個のノズルのそれぞれについて、インクの吐出量に関する特性値を取得する特性値取得部と、
前記対象画像内の特定のラインに対応する前記ディザマトリクス内の特定の複数個の閾値を特定する閾値特定部であって、前記特定のラインは、特定方向に沿って並ぶ複数個の画素を含む、前記閾値特定部と、
前記複数個のノズルのうち、前記特定のラインの印刷に用いられる特定のノズルの前記特性値を用いて、前記特定済の特定の複数個の閾値のうちの最小の閾値とは異なる閾値に対応する前記特定のライン内の画素の値を補正し、かつ、前記最小の閾値に対応する前記特定のライン内の画素の値を補正しない第3の補正処理を実行する第3補正部と、
前記特定済の特定の複数個の閾値と、前記第3の補正処理後の前記特定のライン内の複数個の画素の値と、を比較して、注目画素の値が対応する閾値より大きい場合には前記注目画素について特定サイズのドットを形成することを決定し、注目画素の値が対応する閾値より小さい場合には前記注目画素について前記特定サイズのドットを形成しないことを決定する第3の決定部と、
前記第3の決定部による決定に従って、画素ごとドットの形成状態を示すドットデータを生成する第3の生成部と、
を備える、印刷データ生成装置。
上記構成によれば、特定のノズルの特性値を用いて、特定の複数個の閾値のうち、最小の閾値とは異なる閾値に対応する特定のライン内の画素の値を補正するので、ノズルの特性値に起因して発生する印刷画像のムラを低減できる。さらに、特定の複数個の閾値のうち、最小の閾値に対応する特定のライン内の画素の値を補正しない。これによって、仮に補正処理を行わない場合には特定サイズのドットが形成されるライン内に、補正処理によって特定サイズのドットが形成されなくなることを抑制できる。この結果、補正処理に伴って印刷画像にスジが発生することを抑制することができる。このように、上記構成によれば、ノズルの特性に起因して発生する印刷画像のムラを低減するとともに、スジの発生を抑制できる。
なお、本発明は、種々の形態で実現可能であり、例えば、印刷装置の制御装置、印刷データの理方法、これらの装置および方法の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、等の形態で実現することができる。
プリンタ100の概略構成を示すブロック図である。 ディザマトリクスDMを説明する図である。 ノズル特性データNDの一例を示す図である。 シアンの特性データNDcの生成について説明する図である。 印刷処理のフローチャートである。 第1実施例のハーフトーン処理のフローチャートである。 第1実施例のハーフトーン処理の説明図である。 第1実施例の印刷画像PIaと比較例の印刷画像PIbとを示す図である。 第1実施例の印刷画像PIcと比較例の印刷画像PIdとを示す図である。 第2実施例のハーフトーン処理のフローチャートである。 変形例の説明図である。
A.第1実施例:
A−1.プリンタ100の構成:
図1は、本発明の一実施例としてのプリンタ100の概略構成を示すブロック図である。画像処理装置としてのプリンタ100は、プリンタ100を制御するコントローラとしてのCPU110と、DRAMなどの揮発性記憶装置120と、フラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置130と、液晶ディスプレイなどの表示部140と、タッチパネルやボタンなどを含む操作部150と、通信インタフェース160と、印刷実行部180と、を備えている。
不揮発性記憶装置130には、コンピュータプログラムPGと、後述するディザマトリクスDMを規定するディザマトリクスデータDDと、後述するノズル特性を示すノズル特性データNDと、が格納されている。CPU110は、コンピュータプログラムPGを実行することによって、プリンタ100を制御する種々の機能、例えば、後述する印刷データ生成処理を実行する印刷データ生成装置としての機能を実現する。コンピュータプログラムPG、ディザマトリクスデータDD、ノズル特性データNDは、例えば、プリンタ100の出荷時に予め不揮発性記憶装置130に格納されている。これに代えて、コンピュータプログラムPGは、CD−ROMなどに記録された形態や、サーバからダウンロードする形態で提供されても良い。
揮発性記憶装置120は、例えば、CPU110がプログラム(例えば、プログラム132)を実行する際に、用いられる種々の中間データを一時的に格納するためのバッファ領域として用いられる。
表示部140は、画像を表示する装置であり、例えば、各種のUI画面を表示するために用いられる。操作部150は、ユーザによって操作される装置であり、例えば、後述する印刷処理に関する指示をユーザから受け取るために用いられる。通信インタフェース160は、ネットワークに接続するための有線または無線のインタフェースである。
印刷実行部180は、搬送機構181と、主走査機構182と、ヘッドドライバ183と、印刷ヘッド184と、を備え、これらを用いて印刷を行う。
搬送機構181は、図示しない搬送モータの動力で搬送方向に印刷媒体としての用紙を搬送する。主走査機構182は、図示しない主走査モータの動力で印刷ヘッド184を主走査方向に往復動(主走査)させる。ヘッドドライバ183は、主走査方向に往復動する印刷ヘッド184を駆動するための回路であり、印刷データに従って印刷ヘッド184を駆動する。これによって、搬送機構181によって搬送される用紙上に、印刷ヘッド184からシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)の各インクが吐出される。この結果、用紙上にドットが形成されて、印刷が行われる。
本第1実施例では、印刷ヘッド184は、3種類のサイズのドット、すなわち、小ドットと、小ドットよりサイズが大きい中ドットと、中ドットよりサイズが大きい大ドットと、を形成することができる。
図1には、印刷ヘッド184に設けられたノズルの配列が示されている。印刷ヘッド184のノズル形成面184Sには、上述したC、M、Y、Kの各インクを吐出するノズル列NC、NM、NY、NKが形成されている。各ノズル列は、k個(kは、2以上の整数)のノズルNzを含んでいる。複数個のノズルNzは、図1の搬送方向D1の位置が互いに異なり、搬送方向D1に沿って所定のノズル間隔NTで並ぶ。図1には、搬送機構181によって用紙が搬送される搬送方向D1(副走査方向D1とも呼ぶ)と、印刷ヘッド184が主走査機構182によって主走査される主走査方向D2、D3と、が示されている。主走査方向D2、D3は、搬送方向D1に直交する方向である。各ノズル列に含まれる複数個のノズルNzのうち、搬送方向D1の上流端のノズルNzuから搬送方向D1の下流端のノズルNzdまでの搬送方向D1の長さをノズル長NLとも呼ぶ。
図2は、ディザマトリクスデータDDによって規定されるディザマトリクスDMを説明する図である。ディザマトリクスDMは、ハーフトーン処理に用いられる複数個の閾値の配列を規定するマトリクスであり、CMYKの色成分ごとに用意されている。図2には、1個の色成分用のディザマトリクスDMが図示されている。ディザマトリクスDMは、大ドットに対応する大ドット用のディザマトリクスDMLと、中ドットに対応する中ドット用のディザマトリクスDMMと、小ドットに対応する小ドット用のディザマトリクスDMSと、を含んでいる。図2には、大ドット用のディザマトリクスDMLの詳細の一例が示されている。
このディザマトリクスDMLでは、縦16行×横16列の枡目状に配置されたセルごとに、大ドット用の閾値TLが規定されている。大ドット用の閾値TLが取り得る範囲は、図2の例では、80〜255の範囲の値である。同様に、中ドット用のディザマトリクスDMMおよび小ドット用のディザマトリクスDMLでは、縦16行×横16列の枡目状に配置されたセルごとに、中ドット用の閾値TMおよび小ドット用の閾値TSが規定されている(図示省略)。換言すれば、ディザマトリクスDMでは、縦16行×横16列の枡目状に配置されたセルのそれぞれに、3個ずつの閾値TL、TM、TSが規定されている。1個のセルについて規定された3個の閾値TL、TM、TSは、大ドット用の閾値TL>中ドット用の閾値TM>小ドット用の閾値TSを満たす。このディザマトリクスDMは、縦16行×横16列の範囲で、256階調を表現することができる。
図2の大ドット用のディザマトリクスDMLにおいて、ハッチングされた閾値は、ディザマトリクスDMLの1行分の複数個の閾値TLのうちの最小閾値である。例えば、図2には、ディザマトリクスDMLの左側に、1〜16の行番号が付されている。1行目の複数個の閾値TLのうちの最小閾値は、「80」であり、6行目の複数個の閾値TLのうちの最小閾値は、「126」である。
図3は、ノズル特性データNDの一例を示す図である。ノズル特性データNDは、印刷ヘッド184の複数個のノズルNzのそれぞれについて、インクの吐出量に関する特性値を規定するデータである。ノズル特性データNDは、上述したC、M、Y、Kの各インクを吐出するノズル列NC、NM、NY、NKに対応する4個の特性データNDc、NDm、NDy、NDkを含んでいる。例えば、C(シアン)のノズル列NCの特性データNDcには、ノズル列NCに含まれるk個のノズルNzについて、吐出特性値NAが記録されている。ノズル番号NC1〜NCkは、ノズル列NCに含まれるk個のノズルNzのそれぞれの識別子である。同様に、M、Y、Kのノズル列NM、NY、NKの特性データNDm、NDy、NDkには、それぞれ、ノズル列NM、NY、NKにそれぞれk個ずつ含まれるノズルNzについて、吐出特性値NAが記録されている。
ノズル特性データNDは、プリンタ100のベンダによって、製造時に、印刷ヘッド184ごとに、すなわち、プリンタ100ごとに、生成される。図4は、C(シアン)の特性データNDcの生成について説明する図である。例えば、検査対象の印刷ヘッド184を用いて、用紙上にシアンのバンド画像BIが印刷される。シアンのバンド画像BIは、例えば、1回の主走査を行う間に、シアンのノズル列NCに含まれる全てのノズルを用いて、全ての画素に大ドットを形成することによって、印刷される画像である。その後、シアンのバンド画像BIの濃度を測定して、取得された濃度測定値に基づいて、図4の右側にグラフで示すように、搬送方向D1の位置の変化に対するバンド画像BIの濃度の変化特性が決定される。当該変化特性に基づいて、搬送方向D1のノズル位置における濃度と、濃度の平均値と、の差分が算出される。算出された差分が、当該ノズル位置にあるノズルNzの吐出特性値NAとして、決定される。図4の例では、ノズルNzaの吐出特性値NAaが図示されている。吐出特性値NAは、バンド画像BIの濃度の平均値を「255」として、算出される。吐出特性値NAは、例えば、−10≦NA≦+10の範囲内の値となる。C以外の色、すなわち、M、Y、Kの特性データNDm、NDy、NDkについても、同様の手法によって生成される。正の値の吐出特性値NAは、対応するノズルNzのインクの吐出量が、基準「0」より大きいことを示している。また、負の値の吐出特性値NAは、対応するノズルNzのインクの吐出量が、基準「0」より小さいことを示している。
A−2. 印刷処理:
図5は、印刷処理のフローチャートである。この印刷処理は、ユーザからの印刷指示を受け付けた場合に、プリンタ100のCPU110によって実行される。印刷処理では、CPU110は、S10〜S50の処理を実行して、印刷データを生成する。そして、S60にて、CPU110は、生成された印刷データに基づいて、印刷実行部180を制御することによって、印刷を実行する。
S10では、CPU110は、印刷すべき画像を表す画像データを取得する。この画像データは、例えば、図示しない外部の端末装置から通信インタフェース160を介して画像データを受信することに基づいて取得される。S20では、CPU110は、取得された画像データに対してラスタライズ処理を実行して、複数個の画素を含む対象画像を表すビットマップデータを生成する。ビットマップデータは、具体的には、RGB値によって画素ごとの色を表すRGB画像データである。RGB値に含まれる3個の成分値、すなわち、R値、G値、B値は、例えば、256階調の階調値である。
S30では、CPU110は、RGB画像データに対して色変換処理を実行して、CMYK画像データを生成する。CMYK画像データは、CMYKの4つの色成分の階調値(以下、CMYK値とも呼ぶ)で画素ごとの色を表す画像データである。色変換処理は、例えば、RGB値とCMYK値との対応関係を規定したルックアップテーブルを用いて行われる。
S40では、CPU110は、CMYK画像データに対してハーフトーン処理を実行して、ドットの形成状態を画素ごと、かつ、インクの色ごとに表すドットデータを生成する。ドットデータに含まれる各画素の値は、4種類のドットの形成状態を示す4個の値のいずれである。4種類のドットの形成状態は、「大ドット」、「中ドット」、「小ドット」、「ドット無し」の4つの状態である。ハーフトーン処理の詳細については、後述する。
S50では、CPU110は、ドットデータを用いて印刷データを生成する。例えば、CPU110は、ドットデータを、印刷実行部180を用いて印刷を行う際に用いられる順番に並べ替える処理と、ドットデータにプリンタ制御コードやデータ識別コードを付加する処理と、を実行する。この結果、プリンタ200によって解釈可能な印刷データが生成される。
S60では、CPU110は、生成された印刷データを、印刷実行部180に供給する。この結果、印刷実行部180は、印刷データに基づいて画像を印刷する。
A−3. ハーフトーン処理:
図5のS40のハーフトーン処理について説明する。図6は、第1実施例のハーフトーン処理のフローチャートである。図6のフローチャートは、1個の色成分についてのハーフトーン処理を示している。このハーフトーン処理が、CMYKの4個の色成分について、それぞれ、実行される。
S105では、CPU110は、CMYK画像データによって表される対象画像に含まれる複数個の画素から、1個の注目画素を選択する。S110では、CPU110は、注目画素に対応する3個の閾値、すなわち、大ドット用の閾値TL、中ドット用の閾値TM、小ドット用の閾値TSを、処理対象の色成分のディザマトリクスDM(図2)から取得する。図7は、第1実施例のハーフトーン処理の説明図である。図7に示すように、対象画像SI内に、図2のディザマトリクスDMが複数個並べて隙間無く配置される。対象画像SI内に並べられた複数個のディザマトリクスDMの縦16行×横16列の各セルは、対象画像SIの各画素と一対一で重なっている。この状態で、注目画素と重なるセルについて規定された3個の閾値TL、TM、TSが、注目画素に対応する閾値として取得される。
S115では、CPU110は、注目ラスタラインに対応する大ドット用の閾値群を特定する。ここで、ラスタラインは、対象画像SI内のラスタラインであって、主走査方向D2、D3に沿って並ぶ複数個の画素を含む1行分の画素群である。注目ラスタラインは、注目画素を含むラスタラインである。例えば、図7において、画素TPが注目画素である場合には、注目ラスタラインは、画素TPを含むラスタラインRL1である。なお、ラスタラインRL1に含まれる複数個の丸は、ラスタラインRL1に含まれる複数個の画素を表している。注目ラスタラインに対応する大ドット用の閾値群は、図7に示すように、対象画像SI内に複数個のディザマトリクスDMを並べた場合に、注目ラスタラインと重なるディザマトリクスDMの特定の行に属する大ドット用の閾値である。図7には、ラスタラインRL1と重なるディザマトリクスDMの特定の行SL1が示されている。また、図2のディザマトリクスDMLには、図7の特定の行SL1が破線で図示されている。図7のラスタラインRL1が、注目ラスタラインである場合には、図2の特定の行SL1について規定された複数個の大ドット用の閾値TLが、注目ラスタラインに対応する大ドット用の閾値群として特定される。
S120では、CPU110は、特定済の大ドット用の閾値群に含まれる複数個の閾値TLのうちの最小閾値TLminを特定する。注目ラスタラインに対応する大ドット用の閾値群が、図2の特定の行SL1について規定された複数個の大ドット用の閾値TLである場合には、特定の行SL1内のハッチングされた閾値「93」が、最小閾値TLminとして特定される。
S125では、CPU110は、注目ラスタラインの印刷に用いられる注目ノズルを、処理対象の色成分のノズル列に属する複数個のノズルの中から特定する。図7には、対象画像SIの左側に、対象画像SIを印刷する際に実行される複数回の主走査におけるノズル列NCの位置が図示されている。図7の例では、対象画像SIは、対象画像SI内の部分領域を1回の主走査で印刷する1パス印刷によって、印刷されるものとしている。位置NC(1)〜NC(3)は、1〜3回目の主走査におけるノズル列NCの位置を示している。例えば、ハーフトーン処理の処理対象の色成分がシアンであり、かつ、図7のラスタラインRL1が注目ラスタラインである場合には、図7のノズル列NCのノズルNzaが、注目ノズルとして特定される。
S130では、CPU110は、S125にて特定された注目ノズルの吐出特性値NAを、図3のノズル特性データNDから取得する。S135では、CPU110は、注目ノズルの吐出量が基準より大きいか否かを判断する。具体的には、注目ノズルの吐出特性値NAが、基準値「0」より大きい場合には、注目ノズルの吐出量が基準より大きいと判断される。注目ノズルの吐出特性値NAが、基準「0」以下である場合には、注目ノズルの吐出量が基準以下であると判断される。
注目ノズルの吐出量が基準以下である場合には(S135:NO)、S140にて、CPU110は、注目ノズルの吐出特性値NAを用いて、注目画素に対応する3個の閾値、すなわち、大ドット用の閾値TL、中ドット用の閾値TM、小ドット用の閾値TSをそれぞれ補正する。補正処理後の3個の閾値TLout、TMout、TSoutは、元の3個の閾値をTL、TM、TSと、吐出特性値NAと、を用いて、以下の式(1)〜(3)を用いて算出される。
TLout=TL×((NA×WL)+VL)/VL ...(1)
TMout=TM×((NA×WM)+VM)/VM ...(2)
TSout=TS×((NA×WS)+VS)/VS ...(3)
ここで、VL、VM、VSは、大ドットの濃度値を255として、大ドット、中ドット、小ドットの濃度を示した相対濃度値である。例えば、大ドットの相対濃度値VL=255、中ドットの相対濃度値VM=170、小ドットの相対濃度値VS=80である。WL、WM、WSは、大ドット、中ドット、小ドットの補正率である。例えば、大ドットの補正率WL=1、中ドットの補正率WM=(VM/VL)=(170/255)、小ドットの補正率WS=(VS/VL)=(80/255)である。
式(1)〜(3)から解るように、吐出特性値NAが基準値「0」より小さい場合には、(1)〜(3)の式を用いた補正処理後の閾値TLout、TMout、TSoutは、元の閾値TL、TM、TSより小さくなる(TLout<TL、TMout<TM、TSout<TS)。また、吐出特性値NAが基準値「0」と等しい場合には、(1)〜(3)の式を用いた補正処理後の閾値TLout、TMout、TSoutは、元の閾値TL、TM、TSのまま維持される(TLout=TL、TMout=TM、TSout=TS)。
S145では、CPU110は、補正処理後の大ドットの閾値TLoutが、S120にて特定された最小閾値TLminより小さいか否かを判断する。補正処理後の大ドットの閾値TLoutが最小閾値TLminより小さい場合には(S145:YES)、S150にて、CPU110は、補正処理後の大ドットの閾値TLoutを、最小閾値TLminに変更する(TLout=TLmin)。
注目ノズルの吐出量が基準より大きい場合には(S135:YES)、S155にて、CPU110は、注目画素に対応する大ドット用の閾値TLが、最小閾値TLminであるか否かを判断する。
注目画素に対応する大ドット用の閾値TLが、最小閾値TLminである場合には(S155:YES)、S160にて、CPU110は、注目ノズルの吐出特性値NAを用いて、注目画素に対応する中ドット用の閾値TMおよび小ドット用の閾値TSをそれぞれ補正する。中ドット用の閾値TMおよび小ドット用の閾値TSの補正は、上述した式(2)、(3)を用いて、それぞれ実行される。S160では、CPU110は、注目画素に対応する大ドット用の閾値TL(すなわち、最小閾値TLmin)を補正しない。したがって、注目画素に対応する大ドット用の補正処理後の閾値TLoutは、最小閾値TLminのまま維持される(TLout=TLmin)。
注目画素に対応する大ドット用の閾値TLが、最小閾値TLminでない場合には(S155:NO)、S165にて、CPU110は、S140と同様に、注目ノズルの吐出特性値NAを用いて、注目画素に対応する3個の閾値、すなわち、大ドット用の閾値TL、中ドット用の閾値TM、小ドット用の閾値TSをそれぞれ補正する。これらの閾値TL、TM、TSの補正は、上述した式(1)〜(3)を用いて、それぞれ実行される。
なお、式(1)〜(3)から解るように、吐出特性値NAが基準値「0」より大きい場合には、(1)〜(3)の式を用いた補正処理後の閾値TLout、TMout、TSoutは、元の閾値TL、TM、TSより大きくなる(TLout>TL、TMout>TM、TSout>TS)。
また、図7に示すように、1個の色成分についてのハーフトーン処理では、1個の注目画素に対して、1個の注目ラスタラインと、ディザマトリクスDMの1行分の大ドット用の閾値群と、1個の注目ノズルと、がそれぞれ対応していることが解る。例えば、図7の画素TPには、ラスタラインRL1と、特定の行SL1分の大ドット用の閾値群と、ノズルNzaと、が対応している。また、図7に示すように、ノズル列NCの1個のノズルNzaに着目すると、1〜3回の主走査のそれぞれにおいて、1個のノズルNzaに対応するラスタラインRL1〜RL3およびディザマトリクスDMの行SL1〜SL3は、それぞれ異なっていることが解る。したがって、対応するノズルの特性値を用いて実行される閾値TL、TM、TSの補正は、ディザマトリクスDMに対して予め実行しておくことはできず、ハーフトーン処理を行う度に、S135〜S165の補正処理を実行することが必要になる。
S170では、CPU110は、注目画素のCMYK値のうち、ハーフトーン処理の処理対象の色成分の値(以下、単に注目画素の値と呼ぶ)と、S135〜S165の補正処理後の閾値TLout、TMout、TSoutとの比較に基づいて、ドットの形成状態を決定する。
具体的には、CPU110は、注目画素の値が大ドット用の閾値TLout以上である場合には、注目画素について大ドットを形成することを決定する。CPU110は、注目画素の値が大ドット用の閾値TLoutより小さい場合には、注目画素について大ドットを形成しないことを決定する。
そして、CPU110は、注目画素の値が大ドット用の閾値TLoutより小さく、かつ、中ドット用の閾値TMout以上である場合には、注目画素について中ドットを形成することを決定する。CPU110は、注目画素の値が中ドット用の閾値TLoutより小さい場合には、注目画素について中ドットを形成しないことを決定する。
さらに、CPU110は、注目画素の値が中ドット用の閾値TMoutより小さく、かつ、小ドット用の閾値TSout以上である場合には、注目画素について小ドットを形成することを決定する。CPU110は、注目画素の値が小ドット用の閾値TSoutより小さい場合には、注目画素についていずれのドットも形成しないことを決定する。
以上のように、注目画素のドットの形成状態は、「大ドット」、「中ドット」、「小ドット」、「ドット無し」のいずれかに決定される。
S175では、CPU110は、S170にて決定されたドットの形成状態を示す値を、生成すべきドットデータの画素の値として、記録する。
S180では、CPU110は、対象画像SI内の全ての画素を処理したか否かを判断する。未処理の画素がある場合には(S180:NO)、CPU110は、S105に戻って、未処理の画素を注目画素として選択する。全ての画素を処理した場合には(S180:YES)、CPU110は、処理対象の色成分について、ハーフトーン処理を終了する。この時点で、処理対象の色成分について、画素ごとにドットの形成状態を示すドットデータが生成される。なお、処理対象の色成分についてハーフトーン処理が終了した場合、次の未処理の色成分についてハーフトーン処理を行う。全ての色成分に対してハーフトーン処理が終了した場合に、図5のS50の処理を開始する。
以上説明した第1実施例によれば、CPU110は、対象画像SI内の特定のラスタラインRL1に対応するディザマトリクスDM内の行SL1に含まれる特定の複数個の大ドット用の閾値TLを特定する(図6のS115)。そして、CPU110は、特定のラスタラインRL1の印刷に用いられる特定のノズルNzaの吐出特性値NAを用いて、特定の複数個の大ドット用の閾値TLのうちの最小閾値TLminとは異なる閾値を補正し、かつ、最小閾値TLminを補正しない補正処理を実行する(S155〜S165)。そして、CPU110は、当該補正処理後の特定の複数個の大ドット用の閾値TLoutと、特定のラスタラインRL1内の複数個の画素の値と、を比較して、注目画素の値が対応する閾値TLout以上である場合には、注目画素について大ドットを形成することを決定し、注目画素の値が対応する閾値TLoutより小さい場合には注目画素について大ドットを形成しないことを決定する(S170)。そして、CPU110は、S170における決定に従って、画素ごとドットの形成状態を示すドットデータを生成する(S180)。
このように、吐出特性値NAを用いて、特定の複数個の大ドット用の閾値TLのうち、最小閾値TLminとは異なる閾値が補正されるので、ノズルNzの特性に起因して発生する印刷画像のムラを低減できる。
例えば、上記式(1)から解るように、ノズルNzaの吐出特性値NAが、インクの吐出量が基準より大きいことを示す場合に、すなわち、NA>0である場合に、最小閾値TLminとは異なる閾値を補正前より大きな値に変更する補正が実行される。この結果、ノズルNzaによって形成される大ドットが基準より大きくなる場合に、大ドットが形成される確率を低下させるので、印刷画像の濃度が過度に大きくなることを適切に抑制できる。また、ノズルNzaの吐出特性値NAが、インクの吐出量が基準より小さいことを示す場合に、すなわち、NA<0である場合に、最小閾値TLminとは異なる閾値を補正前より小さな値に変更する補正が実行される。ノズルNzaによって形成される大ドットが基準より小さくなる場合に、大ドットが形成される確率を増加させるので、印刷画像の濃度が過度に小さくなることを適切に抑制できる。このように、ノズルNzの特性に起因して発生する印刷画像のムラを適切に低減できる。なお、ノズルNzaの吐出特性値NAが、インクの吐出量が基準と等しいことを示す場合に、すなわち、NA=0である場合に、補正前の閾値と補正後の閾値は等しくなる。
そして、最小閾値TLminが補正されないので、これによって、仮に補正処理を行わない場合には特定サイズのドットが形成されるラスタライン内に、補正処理によって大ドットが形成されなくなることを抑制できる。したがって、印刷画像にスジが発生することを抑制できる。この理由を、図8を参照して説明する。図8は、第1実施例の印刷画像PIaと、比較例の印刷画像PIbと、を示す図である。印刷画像PIa、PIbの左には、印刷画像PIa、PIbを印刷する際の2回の主走査におけるC(シアン)のノズル列NCの位置NC(1)、NC(2)が図示されている。印刷画像PIa、PIb内には、ディザマトリクスDMの特定の行SL1に対応する4本のラスタラインRLa〜RLdが、それぞれ図示されている。4本のラスタラインRLa〜RLdに対応するノズル、すなわち、4本のラスタラインRLa〜RLdの印刷に用いられるノズルは、図8に示すように、それぞれ異なる4個のノズルNza〜Nzdである。ここで、シアンのディザマトリクスDMの特定の行SL1の複数個の大ドットの閾値TLの最小閾値TLminは「93」であり、図8に示す位置にあるとする。そして、4個のノズルNza〜Nzdのうち、ノズルNzaの吐出特性値NAは、基準値「0」より大きな値(例えば、+5)であり、他のノズルNzb〜Nzdは、基準値「0」であるとする。この場合に、各画素のシアンの値が、最小閾値TLmin「93」と等しい、あるいは、僅かに大きな値(例えば「94」)である均一画像を表すCMYK画像データに対して、図6の第1実施例のハーフトーン処理を実行してドットデータを生成したとする。
図8において、各ラスタラインの白丸は、各ラスタライン内の複数個の画素のうち、大ドットが形成されない画素を示し、黒丸は、大ドットが形成される画素を示す。第1実施例では、上述したように、図6のS160において最小閾値TLminが補正されない。このために、第1実施例にて生成されるドットデータによって表される印刷画像PIaでは、図8に示すように、4本のラスタラインRLa〜RLdにおいて、最小閾値TLminに対応する画素に大ドットが形成される。この結果、均一画像である印刷画像PIaにおいて、仮に閾値の補正を行わない場合に維持される大ドットの周期性が維持される。この結果、印刷画像PIaにスジは現れにくい。
一方、比較例のハーフトーン処理では、大ドット用の閾値TLが最小閾値TLminである場合に、図6のS160において、当該最小閾値TLminも上記式(1)を用いて補正される。最小閾値TLmin「93」と等しい、あるいは、僅かに大きな値(例えば「94」)である均一画像を表すCMYK画像データに対して、比較例のハーフトーン処理が実行されたとする。比較例のハーフトーン処理によって生成されるドットデータによって表される印刷画像PIbでは、図8に示すように、吐出特性値NAが基準値「0」であるノズルNzb〜Nzdによって印刷されるラスタラインRLb〜RLdにおいて、最小閾値TLminは、補正処理によって変化しない。この結果、比較例の印刷画像PIbでは、ラスタラインRLb〜RLdの最小閾値TLminに対応する画素に大ドットが形成される。そして、印刷画像PIbでは、吐出特性値NAが基準値より大きな値であるノズルNzaによって印刷されるラスタラインRLaにおいて、最小閾値TLminが、画素の値「94」より大きな値に補正され得る。この結果、比較例の印刷画像PIbでは、ラスタラインRL1の最小閾値TLminに対応する画素に大ドットが形成されなくなる。この結果、均一画像である印刷画像PIbにおいて、仮に閾値の補正を行わない場合に維持される大ドットの周期性が、閾値の補正に起因して崩れてしまう。したがって、比較例の印刷画像PIbでは、例えば、ラスタラインRLaに大ドットが形成されないことに起因して、ラスタラインRLaに沿ってスジが現れ得る。
以上の説明したように、第1実施例によれば、印刷画像にスジが発生することを抑制できる。なお、最小閾値TLminとは異なる閾値TLが補正されても、補正によって対応するラスタラインに形成される大ドットの個数が変動するだけで、補正を行わなければ形成されるはずの大ドットがラスタラインからなくなることはない。このために、最小閾値TLminとは異なる閾値が補正されても、当該補正が原因でスジが現れることは発生し難い。以上の説明から解るように、第1実施例によれば、特定のラスタラインに対応する特定の複数個の大ドット用の閾値TLのうち、最小閾値TLminとは異なる閾値が補正され、最小閾値TLminが補正されないことによって、ノズルの特性に起因して発生する印刷画像のムラを低減するとともに、スジの発生を抑制できる。
さらに、上記第1実施例では、特定のラスタラインに対応する特定の複数個の大ドット用の閾値TLのうち、少なくとも1個の閾値が、S140の補正処理によって、最小閾値TLminより小さく補正され得る場合(S145:YES)に、S150にて、CPU310は、最小閾値TLminより小さく補正された閾値を、最小閾値TLminと同じ値に決定する。例えば、最小閾値TLminが、S140にて、最小閾値TLminより小さな値に補正されたとしても、S150にて、最小閾値TLminに戻されるので、結局、最小閾値TLminは、補正されないことに等しい。また、最小閾値TLminとは異なる閾値が、S140にて、最小閾値TLminより小さな値に補正されたとしても、S150にて、最小閾値TLminに変更される。このために、特定のラスタラインに対応する特定の複数個の大ドット用の閾値TLに、補正処理後に、最小閾値TLminより小さな閾値が含まれることを抑制できる。この結果、仮に補正処理を行わない場合には大ドットが形成されないラスタライン内に、補正処理によって特定サイズのドットが形成されることを抑制できる。
この理由を、図9を参照して説明する。図9は、第1実施例の印刷画像PIcと、比較例の印刷画像PIdと、を示す図である。図9には、図8と同様に、ノズル列NCの位置NC(1)、NC(2)と、ディザマトリクスDMの特定の行SL1に対応する4本のラスタラインRLa〜RLdと、4本のラスタラインRLa〜RLdに対応するノズルNza〜Nzdと、が図示されている。ここで、シアンのディザマトリクスDMの特定の行SL1の複数個の大ドットの閾値TLのうち、最小閾値TLmin「93」と、2番目に小さい閾値TLsm「95」とは、図9に示す位置にあるとする。そして、4個のノズルNza〜Nzdのうち、ノズルNzaの吐出特性値NAは、基準値「0」より小さな値(例えば、−10)であり、他のノズルNzb〜Nzdは、基準値「0」であるとする。この場合に、各画素のシアンの値が、最小閾値TLmin「93」より僅かに小さな値(例えば「92」)である均一画像を表すCMYK画像データに対して、図6の第1実施例のハーフトーン処理を実行してドットデータを生成したとする。
図9において、各ラスタラインの白丸は、各ラスタライン内の複数個の画素のうち、大ドットが形成されない画素を示し、黒丸は、大ドットが形成される画素を示す。第1実施例のハーフトーン処理では、上述したように、図6のS140にて大ドット用の最小閾値TLminや閾値TLsmが、最小閾値TLminより小さな値に補正されたとしても、最終的には、S150にて、これらの閾値の値は、最小閾値TLminと同じ値になる。このために、第1実施例のハーフトーン処理によって生成されるドットデータによって表される印刷画像PIcでは、図9に示すように、4本のラスタラインRLa〜RLdにおいて、最小閾値TLminや閾値TLsmに対応する画素に大ドットは、形成されない。この結果、均一画像である印刷画像PIにおいて、仮に閾値の補正を行わない場合に維持される大ドットの周期性が維持される。この結果、印刷画像PIにスジは現れにくい。
一方、比較例のハーフトーン処理では、S150が行われないとする。このために、比較例のハーフトーン処理では、S140にて、大ドット用の最小閾値TLminや閾値TLsmが、最小閾値TLmin「93」より小さな値(例えば、「91」)に補正された場合には、これらの閾値の値は、補正後の小さな値のままである。最小閾値TLmin「93」より僅かに小さな値(例えば「92」)である均一画像を表すCMYK画像データに対して、比較例のハーフトーン処理が実行されたとする。比較例のハーフトーン処理によって生成されるドットデータによって表される印刷画像PIdでは、吐出特性値NAが基準値「0」であるノズルNzb〜Nzdによって印刷されるラスタラインRLb〜RLdにおいて、最小閾値TLminや閾値TLsmの値が補正処理によって変化しない。このために、図9に示すように、印刷画像PIdでは、ラスタラインRLb〜RLdの最小閾値TLminや閾値TLsmに対応する画素に大ドットが形成されない。そして、印刷画像PIbでは、吐出特性値NAが基準値より小さな値であるノズルNzaによって印刷されるラスタラインRLaにおいて、最小閾値TLminや閾値TLsmの値が補正処理によって、画素の値「92」より小さな値「91」となり得る。この場合には、図9に示すように、印刷画像PIdでは、ラスタラインRLaの最小閾値TLminや閾値TLsmに対応する画素に大ドットが形成される。この結果、均一画像である印刷画像PIdにおいて、仮に閾値の補正を行わない場合に維持される大ドットの周期性が、閾値の補正に起因して崩れてしまう。したがって、比較例の印刷画像PIdでは、例えば、ラスタラインRLaの位置に大ドットが形成されることに起因して、ラスタラインRLaに沿ってスジが現れ得ることが解る。
以上の説明したように、第1実施例のハーフトーン処理によれば、印刷画像にスジが発生することを抑制できる。なお、最小閾値TLminと同じ値の閾値が補正によって増加しても、補正によって対応するラスタラインに形成される大ドットの個数が増加するだけである。仮に補正処理を行わなければ大ドットが形成されないラスタラインに、補正処理によって大ドットが現れることはない。このために、最小閾値TLminとは異なる閾値が補正処理によって最小閾値TLminに決定されることが原因でスジが現れることは起こり難い。以上の説明から解るように、第1実施例のハーフトーン処理によれば、特定のラスタラインに対応する特定の複数個の大ドット用の閾値TLのうち少なくとも1個の閾値が、最小閾値TLminより小さな値に補正され得る際に、当該閾値が最小閾値TLminと同じ値に決定されることによって、ノズルの特性に起因して発生する印刷画像のムラを低減するとともに、スジの発生を抑制できる。
さらに、上記第1実施例では、図6のS140、S160、S165から解るように、CPU110は、ラスタラインRL1に対応する中ドット用の閾値TMと、小ドット用の閾値TSとを、常に、ラスタラインRL1に対応する特定のノズルNZaの吐出特性値NAを用いて補正する。すなわち、中ドット用の閾値TMと、小ドット用の閾値TSとは、中ドット用のディザマトリクスDMMや小ドット用のディザマトリクスDMS内における複数個の閾値の大小関係に拘わらずに、対応するノズルの吐出特性値NAを用いて補正される。この結果、特にスジの発生を引き起こしがちである比較的大きなサイズのドットについては、スジの発生を抑制する工夫がなされた上述の補正処理が行われる。一方で、スジの発生を引き起こし難い比較的小さなサイズのドットについては、常に、吐出特性値NAを用いた補正が行われる。したがって、ノズルの特性に起因して発生する印刷画像のムラをより効果的に低減するとともに、より効果的にスジの発生を抑制できる。
また、CPU110は、中ドット用の閾値TMと、小ドット用の閾値TSについては、図6のS145およびS150の対象としていない。すなわち、CPU110は、中ドット用の閾値TMと、小ドット用の閾値TSについては、S140にて、同じ行内の最小閾値より小さな値に補正されるか否かに拘わらずに、対応するノズルの吐出特性値NAを用いて補正される。中ドット用の閾値TMと、小ドット用の閾値TSは、同じ行内の最小閾値より小さな値に補正されたとしても、同じ行内の最小閾値に決定されることはない。
この結果、特にスジの発生を引き起こしがちである比較的大きなサイズのドット用の閾値は、補正処理によって最小閾値TLminより小さな値になることが禁止されるが、スジの発生を引き起こし難い比較的小さなサイズのドット用の閾値は、そのような制限なく、補正される。したがって、ノズルの特性に起因して発生する印刷画像のムラを効果的に低減するとともに、より効果的にジの発生を抑制できる。
B.第2実施例:
第2実施例では、ハーフトーン処理は、第1実施例の図6のハーフトーン処理とは異なる。図10は、第2実施例のハーフトーン処理のフローチャートである。図10において、図6のステップと同一のステップには、図6と同一の符号を付した。また、図10において、図6のステップと異なるステップの符号の末尾に「b」を付加した。
図10のハーフトーン処理では、ディザマトリクスDMの閾値の補正に代えて、対象画像SI内の画素の値の補正が実行される。図10のハーフトーン処理では、図6のS140〜S150、S160、S165の処理に代えて、S160bの処理が実行される。
具体的には、S135にて、注目ノズルの吐出量が基準以下である場合には(S135:NO)、S160bにて、CPU110は、注目ノズルの吐出特性値NAを用いて、注目画素の値、すなわち、注目画素のCMYK値のうちの処理対象の色成分の値を補正する。注目画素の補正処理後の値であるPVoutは、注目画素の元の値PVと、吐出特性値NAと、を用いて、以下の式(4)を用いて算出される。
PVout=(PV×VL)/((NA×WL)+VL) ...(4)
ここで、第1実施例と同様に、VLは、大ドットの相対濃度値であり、例えば、VL=255である。また、WLは、大ドットの補正率であり、例えば、WL=1である。
S135にて、注目ノズルの吐出量が基準より大きい場合には(S135:YES)、S155にて、CPU110は、注目画素に対応する大ドット用の閾値TLが、最小閾値TLminであるか否かを判断する。
注目画素に対応する大ドット用の閾値TLが、最小閾値TLminでない場合には(S155:NO)、CPU110は、上述したS160bを実行して、注目画素の値を補正する。注目画素に対応する大ドット用の閾値TLが、最小閾値TLminである場合には(S155:YES)、CPU110は、S160bをスキップする。この場合には、注目画素の値の補正は行われない。
以上説明した第2実施例によれば、CPU110は、例えば、図7を例に説明すると、ラスタラインRL1の印刷に用いられるノズルNzaの吐出特性値NAを用いて、ラスタラインRL1内の複数個の画素のうち、最小閾値TLminとは異なる大ドット用の閾値TLに対応する画素の値を補正し、かつ、最小閾値TLminに対応する画素の値を補正しない補正処理を実行する(図10のS155、S160b)。この結果、ノズルの特性に起因して発生する印刷画像のムラを低減するとともに、スジの発生を抑制できる。すなわち、最小閾値TLminとは異なる閾値に対応するラスタラインRL1内の画素の値を補正するので、ノズルの特性値に起因して発生する印刷画像のムラを低減できる。さらに、最小閾値TLminに対応するラスタラインRL1内の画素の値を補正しないので、仮に補正処理を行わない場合には特定サイズのドットが形成されないラスタライン内に、補正処理によって特定サイズのドットが形成されることを抑制できる。この結果、補正処理に伴って印刷画像にスジが発生することを抑制することができる。仮に、最小閾値TLminに対応する画素の値を補正すると、最小閾値TLmin以上の画素の値が、最小閾値TLminより小さな値に補正され得る。この場合に、例えば、図8を参照して説明した状況と同様の状況では、図8の比較例の印刷画像PIbのように、仮に補正処理が行われない場合に、大ドットが形成されるラスタライン内に、補正処理によって大ドットが形成されなくなる場合がある。第2実施例では、このような不都合を抑制して、印刷画像にスジが発生することを抑制することができる。このように、第2実施例によれば、ノズルの特性に起因して発生する印刷画像のムラを低減するとともに、スジの発生を抑制できる。
さらに、第2実施例では、上記式(4)から解るように、ノズルNzaの吐出特性値NAが、インクの吐出量が基準より大きいことを示す場合に、すなわち、NA>0である場合に、補正される画素の値は、補正前より小さな値に変更される。この結果、ノズルNzaによって形成される大ドットが基準より大きくなる場合に、大ドットが形成される確率を低下させるので、印刷画像の濃度が過度に大きくなることを適切に抑制できる。また、ノズルNzaの吐出特性値NAが、インクの吐出量が基準より小さいことを示す場合に、すなわち、NA<0である場合に、補正される画素の値は、補正前より大きな値に変更される。ノズルNzaによって形成される大ドットが基準より小さくなる場合に、大ドットが形成される確率を増加させるので、印刷画像の濃度が過度に小さくなることを適切に抑制できる。このように、ノズルNzの特性に起因して発生する印刷画像のムラを適切に低減できる。なお、ノズルNzaの吐出特性値NAがノズルNzaのインクの吐出量が基準と等しいことを示す場合に、すなわち、NA=0である場合に、補正前の画素の値と補正後の画素の値は等しくなる。
C.変形例:
(1)図11は、変形例の説明図である。上記各実施例のプリンタ100は、印刷ヘッド184を搬送方向D1と交差する主走査方向D2、D3に移動させつつ、ドットの形成を行うシリアル印刷タイプのインクジェットプリンタである(図1)。これに代えて、図11に示すように、プリンタは、搬送方向D1と直交する方向D2に沿って並ぶ複数個のノズルNzを含むノズル列備える印刷ヘッド184xを備えるいわゆるライン印刷タイプのインクジェットプリンタであっても良い。この場合には、方向D2に沿った複数個のノズルNzのノズル長NLxは、印刷画像SIxの方向D2の長さと略等しい。そして、印刷ヘッド184xを方向D2に沿って移動させることなく、搬送方向D1に搬送される用紙上に印刷が行われる。
この場合には、1個のノズルNzによって形成される複数個のドットは、搬送方向D1に沿って並ぶ。従って、図11に示すように、注目画素TPxに対応する注目ラスタラインは、搬送方向D1に沿って並ぶ複数個の画素を含むラスタラインRLxである。そして、ラスタラインRLxに対応するディザマトリクスDMの複数個の大ドット用の閾値は、ディザマトリクスDMの搬送方向D1に沿った特定の列SLxについて規定された大ドット用の閾値TLである。また、図11の例では、ラスタラインRLxに対応するノズルNzは、ノズルNzxである。本変形例では、以上説明した注目ラスタラインと、注目ラスタラインに対応する複数個の大ドット用の閾値と、注目ラスタラインに対応するノズルと、を用いて、第1実施例および第2実施例のハーフトーン処理(図6、図10)が実行される。この場合には、ライン印刷タイプのインクジェットプリンタが用いられる場合に、ノズルの特性に起因して発生する印刷画像のムラを低減するとともに、スジの発生を抑制できる。
(2)上記各実施例のハーフトーン処理(図6、図10)では、S170にて、CPU110は、注目画素の値が補正処理後の大ドット用の閾値TLout以上である場合には、注目画素について大ドットを形成することを決定し、注目画素の値が補正処理後の大ドット用の閾値TLoutより小さい場合には、注目画素について大ドットを形成しないことを決定している。これに代えて、CPU110は、注目画素の値が補正処理後の大ドット用の閾値TLoutより大きい場合には、注目画素について大ドットを形成することを決定し、注目画素の値が補正処理後の大ドット用の閾値TLout以下である場合には、注目画素について大ドットを形成しないことを決定しても良い。注目画素の値と中ドット用の閾値TMoutとの比較に基づく中ドットの形成についての決定、および、注目画素の値と小ドット用の閾値TSoutとの比較に基づく小ドットの形成についての決定についても同様である。
(3)上記第1実施例では、CPU110は、注目ラスタラインに対応する複数個の閾値のうち、最小閾値とは異なる閾値は吐出特性値NAを用いて補正し、最小閾値は補正しない補正処理を、大ドット用の閾値TLについてのみ実行している(図6のS155〜S165)。CPU110は、中ドット用の閾値TMや小ドット用の閾値TSについても、最小閾値とは異なる閾値を吐出特性値NAを用いて補正し、最小閾値を補正しない補正処理を実行しても良い。また、小ドット、中ドット、大ドット、特大ドットの4種類のドットを用いて印刷を行う場合には、CPU110は、特大ドット用の閾値についてのみ、吐出特性値NAを用いて補正し、最小閾値は補正しない補正処理を実行しても良い。プリンタ100が、1種類のドットのみを用いて印刷を行う場合には、CPU110は、当該1種類のドット用の閾値について、吐出特性値NAを用いて補正し、最小閾値は補正しない補正処理を実行しても良い。
(4)上記第1実施例では、CPU110は、S140にて補正された結果、最小閾値TLminより小さくなった閾値を、S150にて最小閾値TLminに決定する補正処理(S140〜S150)を、大ドット用の閾値TLについてのみ実行している。この補正処理も、変形例(3)のように、他の閾値、例えば、中ドット用の閾値TM、小ドット用の閾値TS、特大ドット用の閾値、1種類のドット用の閾値などの各種の閾値について、実行されても良い。
(5)なお、上記第1実施例のハーフトーン処理は、S155〜S165の補正処理と、S140〜S150の補正処理と、の両方を含むが、これらの2個の補正処理のうちの一方のみを含んでも良い。例えば、S155〜S165の補正処理と、S140〜S150の補正処理と、のうちの一方は、省略されても良い。
(6)上記各実施例では、ノズル特性データNDにおいて、印刷ヘッド184に形成された複数個のNzについて、1個のノズルごとに1個の吐出特性値NAが規定されている。これに代えて、ノズル特性データNDにおいて、2個以上(例えば、2〜10個)のノズルごとに1個の吐出特性値NAが規定されていても良い。この場合には、2個以上のノズルで共通の吐出特性値NAが、閾値や画素の値の補正のために用いられる。このように、複数個のノズルNZaのそれぞれについて、固有の、または、他の特定のノズルと共通の吐出特性値NAが特定できれば良い。
また、ノズル特性データNDにおいて、1個のノズルごとに複数個の吐出に関する特性値が規定されていても良い。例えば、吐出特性値NAを用いて算出される大、中、小ドット用の3個の補正係数AKL、AKM、AKSが予め算出され、当該3個の補正係数が1個のノズルについての特性値として規定されても良い。大、中、小ドット用の3個の補正係数AKL、AKM、AKSは、例えば、以下の式(5)〜(7)で表される。
AKL={((NA×WL)+VL)/VL} ...(5)
AKM={((NA×WM)+VM)/VM} ...(6)
AKS={((NA×WS)+VS)/VS} ...(7)
こうすれば、例えば、大ドット用の閾値の補正は、単に、補正前の大ドット用の閾値に、補正係数AKLを乗ずるだけで、容易に実行することができる。小ドットや中ドット用の閾値の補正も同様である。
(7)上記各実施例のプリンタ100のCPU110が実行する印刷処理(図5)は、プリンタ100と有線または無線で通信可能に接続された端末装置(例えば、スマートフォンやパーソナルコンピュータ)のCPUによって実行されても良い。例えば、端末装置にプリンタドライバプログラムがインストールされ、端末装置のCPUが、当該プリンタドライバプログラムを実行することによって、上述した印刷処理を実行しても良い。この場合には、端末装置は、印刷処理によって生成した印刷データを含む印刷ジョブを生成し、当該印刷ジョブを印刷実行部としてのプリンタ100に送信することによって、プリンタ100に印刷を実行させれば良い。
(8)上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部あるいは全部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
100...プリンタ、110...CPU、120...揮発性記憶装置、130...不揮発性記憶装置、132...プログラム、140...表示部、150...操作部、160...通信インタフェース、180...印刷実行部、181...搬送機構、182...主走査機構、183...ヘッドドライバ、184...印刷ヘッド、184S...ノズル形成面、200...プリンタ、220...印刷機構、D1...搬送方向、D2...主走査方向、NA...吐出特性値、NC...ノズル列、DD...ディザマトリクスデータ、ND...ノズル特性データ、PG...コンピュータプログラム、DM...ディザマトリクス、VM...相対濃度値、NC、NM、NY、NK...ノズル列、Nz...ノズル

Claims (8)

  1. 複数個のノズルを有する印刷ヘッドを用いて印刷を実行する印刷実行部のための印刷データ生成装置であって、
    複数個の画素を含む対象画像を表す対象画像データを取得する画像取得部と、
    複数個の閾値の配列を規定するディザマトリクスを取得するディザ取得部と、
    前記複数個のノズルのそれぞれについて、インクの吐出量に関する特性値を取得する特性値取得部と、
    前記対象画像内の特定のラインに対応する前記ディザマトリクス内の特定の複数個の閾値を特定する閾値特定部であって、前記特定のラインは、特定方向に沿って並ぶ複数個の画素を含む、前記閾値特定部と、
    前記複数個のノズルのうち、前記特定のラインの印刷に用いられる特定のノズルの前記特性値を用いて、前記特定済の特定の複数個の閾値のうちの最小の閾値とは異なる閾値を補正し、かつ、前記最小の閾値を補正しない第1の補正処理を実行する第1の補正部と、
    前記第1の補正処理後の前記特定済の特定の複数個の閾値と、前記特定のライン内の複数個の画素の値と、を比較して、注目画素の値が対応する閾値より大きい場合には前記注目画素について特定サイズのドットを形成することを決定し、注目画素の値が対応する閾値より小さい場合には前記注目画素について前記特定サイズのドットを形成しないことを決定する第1の決定部と、
    前記第1の決定部による決定に従って、画素ごとドットの形成状態を示すドットデータを生成する第1の生成部と、
    を備える、印刷データ生成装置。
  2. 請求項1に記載の印刷データ生成装置であって、
    前記第1の補正部は、補正によって前記最小の閾値とは異なる閾値が、前記最小の閾値より小さく補正され得る場合に、前記最小の閾値とは異なる閾値を、前記最小の閾値と同じ値に決定する、印刷データ生成装置。
  3. 請求項2に記載の印刷データ生成装置であって、
    前記第1の補正部は、
    前記特定のノズルの前記特性値が、前記特定のノズルのインクの吐出量が基準より大きいことを示す場合に、前記特定済の特定の複数個の閾値のうちの最小の閾値とは異なる閾値を補正前より大きな値に変更する補正を実行し、
    前記特定のノズルの前記特性値が、前記特定のノズルのインクの吐出量が基準より小さいことを示す場合に、前記最小の閾値とは異なる閾値を補正前より小さな値に変更する補正を実行し、前記最小の閾値より小さく補正され得る際に、前記最小の閾値とは異なる閾値を、前記最小の閾値と同じ値に決定する、印刷データ生成装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の印刷データ生成装置であって、
    前記印刷実行部は、前記特定サイズのドットと、前記特定サイズより小さなサイズのドットと、を形成し、
    前記ディザマトリクスは、前記特定サイズのドットに対応する第1のマトリクスと、前記小さなサイズのドットに対応する第2のマトリクスと、を含み、
    前記第1の補正処理によって補正される前記特定済の特定の複数個の閾値は、前記第1のマトリクス内の複数個の閾値であり、
    前記第1の補正部は、前記特定のラインに対応する前記第2のマトリクス内の複数個の閾値を、前記第2のマトリクス内の複数個の閾値の大小に拘わらずに、前記特定のノズルの前記特性値を用いて補正する、印刷データ生成装置。
  5. 複数個のノズルを有する印刷ヘッドを用いて印刷を実行する印刷実行部のための印刷データ生成装置であって、
    複数個の画素を含む対象画像を表す対象画像データを取得する画像取得部と、
    複数個の閾値の配列を規定するディザマトリクスを取得するディザ取得部と、
    前記複数個のノズルのそれぞれについて、インクの吐出量に関する特性値を取得する特性値取得部と、
    前記対象画像内の特定のラインに対応する前記ディザマトリクス内の特定の複数個の閾値を特定する閾値特定部であって、前記特定のラインは、特定方向に沿って並ぶ複数個の画素を含む、前記閾値特定部と、
    前記複数個のノズルのうち、前記特定のラインの印刷に用いられる特定のノズルの前記特性値を用いて、前記特定済の特定の複数個の閾値を補正する第2の補正処理を実行する第2の補正部であって、前記特定済の特定の複数個の閾値のうちの少なくとも1個の閾値が、前記特定済の特定の複数個の閾値のうちの最小の閾値より小さく補正され得る場合に、前記少なくとも1個の閾値を前記最小の閾値と同じ値に決定する、前記第2の補正部と、
    前記第2の補正処理後の前記特定済の特定の複数個の閾値と、前記特定のライン内の複数個の画素の値と、を比較して、注目画素の値が対応する閾値より大きい場合には前記注目画素について特定サイズのドットを形成することを決定し、注目画素の値が対応する閾値より小さい場合には前記注目画素について前記特定サイズのドットを形成しないことを決定する第2の決定部と、
    前記第2の決定部による決定に従って、画素ごとドットの形成状態を示すドットデータを生成する第2の生成部と、
    を備える、印刷データ生成装置。
  6. 請求項5に記載の印刷データ生成装置であって、
    前記印刷実行部は、前記特定サイズのドットと、前記特定サイズより小さなサイズのドットと、を形成し、
    前記ディザマトリクスは、前記特定サイズのドットに対応する第1のマトリクスと、前記小さなサイズのドットに対応する第2のマトリクスと、を含み、
    前記第2の補正処理によって補正される前記特定済の特定の複数個の閾値は、前記第1のマトリクス内の複数個の閾値であり、
    前記第2の補正部は、前記特定のラインに対応する前記第2のマトリクス内の複数個の閾値を、前記第2のマトリクス内の前記複数個の閾値のうちの最小の閾値より小さな値に補正されるか否かに拘わらずに、前記特定のノズルの前記特性値を用いて補正する、印刷データ生成装置。
  7. 複数個のノズルを有する印刷ヘッドを用いて印刷を実行する印刷実行部のための印刷データ生成装置であって、
    複数個の画素を含む対象画像を表す対象画像データを取得する画像取得部と、
    複数個の閾値の配列を規定するディザマトリクスを取得するディザ取得部と、
    前記複数個のノズルのそれぞれについて、インクの吐出量に関する特性値を取得する特性値取得部と、
    前記対象画像内の特定のラインに対応する前記ディザマトリクス内の特定の複数個の閾値を特定する閾値特定部であって、前記特定のラインは、特定方向に沿って並ぶ複数個の画素を含む、前記閾値特定部と、
    前記複数個のノズルのうち、前記特定のラインの印刷に用いられる特定のノズルの前記特性値を用いて、前記特定済の特定の複数個の閾値のうちの最小の閾値とは異なる閾値に対応する前記特定のライン内の画素の値を補正し、かつ、前記最小の閾値に対応する前記特定のライン内の画素の値を補正しない第3の補正処理を実行する第3補正部と、
    前記特定済の特定の複数個の閾値と、前記第3の補正処理後の前記特定のライン内の複数個の画素の値と、を比較して、注目画素の値が対応する閾値より大きい場合には前記注目画素について特定サイズのドットを形成することを決定し、注目画素の値が対応する閾値より小さい場合には前記注目画素について前記特定サイズのドットを形成しないことを決定する第3の決定部と、
    前記第3の決定部による決定に従って、画素ごとドットの形成状態を示すドットデータを生成する第3の生成部と、
    を備える、印刷データ生成装置。
  8. 請求項7に記載の印刷データ生成装置であって、
    前記第3の補正部は、
    前記特定のノズルの前記特性値が、前記特定のノズルのインクの吐出量が基準より大きいことを示す場合に、前記最小の閾値とは異なる閾値に対応する前記特定のライン内の画素の値を補正前より小さな値に変更する補正を実行し、
    前記特定のノズルの前記特性値が、前記特定のノズルのインクの吐出量が基準より小さいことを示す場合に、補前記最小の閾値とは異なる閾値に対応する前記特定のライン内の画素の値を補正前より大きな値に変更する補正を実行する、印刷データ生成装置。
JP2015017877A 2015-01-30 2015-01-30 印刷データ生成装置 Active JP6394424B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015017877A JP6394424B2 (ja) 2015-01-30 2015-01-30 印刷データ生成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015017877A JP6394424B2 (ja) 2015-01-30 2015-01-30 印刷データ生成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016141020A JP2016141020A (ja) 2016-08-08
JP6394424B2 true JP6394424B2 (ja) 2018-09-26

Family

ID=56568233

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015017877A Active JP6394424B2 (ja) 2015-01-30 2015-01-30 印刷データ生成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6394424B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006159810A (ja) * 2004-12-10 2006-06-22 Seiko Epson Corp 印刷装置及び印刷用画像処理装置
JP4710431B2 (ja) * 2005-06-22 2011-06-29 富士ゼロックス株式会社 インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP2008153914A (ja) * 2006-12-18 2008-07-03 Seiko Epson Corp ディザマトリックス生成装置、ディザマトリックス生成プログラム及びディザマトリックス生成方法、印刷装置、印刷装置制御プログラム及び印刷装置制御方法、画像処理装置、画像処理プログラム及び画像処理方法、並びに前記プログラムを記録した記録媒体
JP2009089080A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Fujifilm Corp 画像処理方法および画像処理装置
JP4821840B2 (ja) * 2008-12-09 2011-11-24 ブラザー工業株式会社 印刷制御装置、印刷装置、および印刷制御プログラム
US8540330B2 (en) * 2010-09-27 2013-09-24 Xerox Corporation System and method to compensate for an inoperative inkjet in an inkjet printer

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016141020A (ja) 2016-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4419947B2 (ja) 印刷装置、印刷装置制御プログラム及び印刷装置制御方法、並びに印刷用データ生成装置、印刷用データ生成プログラム及び印刷用データ生成方法
JP4487894B2 (ja) 印刷装置
JP4434112B2 (ja) 印刷装置、印刷装置制御プログラム及び印刷装置制御方法
US9144996B2 (en) Controlling device
JP6398199B2 (ja) 印刷制御装置、印刷制御方法及び印刷制御プログラム
JP2006224419A (ja) 印刷装置、印刷プログラム、印刷方法、および画像処理装置、画像処理プログラム、画像処理方法、ならびに前記プログラムを記録した記録媒体
JP2014100797A (ja) 画像処理装置、記録装置および画像処理方法
JP2006315411A (ja) 印刷装置、印刷装置制御プログラム及び印刷装置制御方法、並びに印刷用データ生成装置、印刷用データ生成プログラム及び印刷用データ生成方法
JP6252003B2 (ja) 印刷装置、印刷方法、画像処理装置およびプログラム
JP4501826B2 (ja) 印刷装置
US7607747B2 (en) Printing device, printing device control program, printing device control method, printing data producing device, printing data producing program, printing data producing method, correction information producing method, and correction information producing device
JP2013258621A (ja) 印刷制御装置、および、コンピュータプログラム
JP6781399B2 (ja) 制御装置、および、コンピュータプログラム
JP7093052B2 (ja) 制御装置、および、コンピュータプログラム
JP2014176968A (ja) 画像データ処理装置、印刷装置および印刷システム
JP6394424B2 (ja) 印刷データ生成装置
JP2017030149A (ja) 印刷制御装置および印刷制御方法
US20210283925A1 (en) Image processing apparatus, image processing method, and inkjet printing apparatus
JP2006231906A (ja) 印刷装置、印刷装置制御プログラム及び印刷装置制御方法、並びに印刷用データ生成装置、印刷用データ生成プログラム及び印刷用データ生成方法
JP6379814B2 (ja) 画像処理装置、および、コンピュータプログラム
JP2007008176A (ja) 印刷装置、印刷装置制御プログラム及び印刷装置制御方法、並びに印刷用データ生成装置、印刷用データ生成プログラム及び印刷用データ生成方法
JP2022038519A (ja) 画像処理装置、印刷装置、印刷システムおよび画像処理方法
JP2006212907A (ja) 印刷装置、印刷プログラム、印刷方法および画像処理装置、画像処理プログラム、画像処理方法、並びに前記プログラムを記録した記録媒体
JP2008153914A (ja) ディザマトリックス生成装置、ディザマトリックス生成プログラム及びディザマトリックス生成方法、印刷装置、印刷装置制御プログラム及び印刷装置制御方法、画像処理装置、画像処理プログラム及び画像処理方法、並びに前記プログラムを記録した記録媒体
JP2006279596A (ja) 画像データ生成装置、画像データ生成処理プログラム、及び熱転写記録装置等

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170919

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180625

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180731

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180813

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6394424

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150