JP6393292B2 - 車両用走行制御装置およびその制御方法 - Google Patents
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Description
以下、衛星測位による航行方法をGPS航法と称し、速度センサやジャイロの測位による航行方法を自律航法と称する。
このようにすることで、衛星を用いた座標位置と自律航法で取得した座標位置とにズレが生じた場合に、異常が生じている箇所を特定することができるため、早期に乗員に異常個所を知らせて補修を促したり、正常な機能のみを用いて制御を行ったりすることができる。
このようにすることで、絶対座標と相対座標とを比較でき、異常個所の特定ができる。
このようにすることで、絶対座標位置取得手段の異常を特定することができ、早期に乗員に異常個所を知らせて補修を促したり、正常な機能のみを用いて制御を行ったりすることができる。
このようにすることで、絶対座標位置取得手段が正常時に走行状態取得手段の異常を特定することができ、早期に乗員に異常個所を知らせて補修を促したり、正常な機能のみを用いて制御を行ったりすることができる。
まず、図1により、実施形態の車両用走行制御の構成を説明する。
本実施形態においては、車両用走行制御装置1が、ECU(Electronic Control Unit)として実装されるものとしている。
また、車両用走行制御装置1の測位結果は、カーナビゲーションシステム等の表示器7に表示されるとともに、車両用走行制御装置1の故障検出結果が、表示器7に表示される。
図2Aは、自律航法測位による時刻T0と時刻T1の測位座標を表わし、図2Bは、GPS測位による時刻T0と時刻T1の測位座標を表わしている。図2Aと図2Bにおける×印は真の座標を、○印は測位座標を示している。そして、点線円は、測位誤差を表わしている。
このため、正常時のGPSの測位誤差と、センサ種別に応じた正常時の自律航法測位の測位誤差を予め記憶しておく。
そして、ΔX−ΔxとΔY−Δyの絶対値が、上記の測位誤差から決まる所定値と比較する。上記の絶対値が上記の所定値より大きい場合には、GPS受信器5または自律航法測位部11のいずれか一方に異常があると判定する。
以下、本明細書では、上記のセンサの測位誤差から決まる所定値を測位誤差判定閾値と呼ぶ。
この場合、上記の測位誤差判定閾値は、GPS測位誤差の2倍と自律航法測位誤差の和とすることができる。
図3は、車輪速センサ2で検出した所定時刻の単位時間当たり移動距離Dvpと、GPS受信器5で検出した同じ時刻の所定時間離れた2点の距離Dgpsの関係を示している。
図3の上側の○印は、車輪速測位による位置座標を示している。2つの○印の単位時間当たりの距離が、車輪速に対応する。具体的には、時速60k/h(16.7m/s)で走行している場合には、1秒離れた2つの○印の距離は16.7mとなる。このとき、車輪速センサ2の誤差が±20%とすると、±3.3mの誤差をもち、速度誤差範囲は6.6mとなる。
実際に求めた|Dgps−Dvp|(差の絶対値)が、13.3より大きいときには、車輪速センサ2とGPS受信器5のいずれかが異常であると推定できる。
図4は、GPS受信器5のT時間ごとの測位結果(図の星印)の座標位置を基に、車両軌跡を表わした図である。
詳細には、図の時刻0および時刻Tの測位座標から求められる直線の方向を時刻Tにおける車両の進行方向θ0とし、時刻Tおよび時刻2Tの測位座標から求められる直線の方向を時刻2Tにおける車両の進行方向θ1とする。そして、進行方向の偏差(θ1−θ0)の時間変化(θ1−θ0)/Tを、時刻T/2から時刻3T/2の平均ヨーレートとする。これを、時刻Tにおけるヨーレートセンサ3で検知したヨーレートωTと比較する。
そして、所定の周期でGPS受信器5の測位結果から求めた回転角速度とヨーレートセンサ3の検出値の偏差|(θn−θn-1)/T−ωn|(差の絶対値)を求め、これが測位誤差判定閾値より大きければ、ヨーレートセンサ3とGPS受信器5のいずれかが異常であると推定する。
この判定方法は、位置情報の2階微分が加速度に等価となることに基づいている。詳しくは、位置情報の差分をとって速度に相当する値を算出し、算出した値の差分を算出して、車両の加速度とする。
そして、所定の周期でGPS受信器5の測位結果から求めた加速度とGセンサ4の検出値の差の絶対値を求める。これが測位誤差判定閾値より大きければ、Gセンサ4とGPS受信器5のいずれかが異常であると推定する。
このときの測位誤差判定閾値は、GPS測位誤差とGセンサ4の検出誤差の4倍の和となり、予め、測位誤差判定閾値として記憶する。
GPS受信器5と車輪速センサ2による測位の異常判定、GPS受信器5とヨーレートセンサ3による測位の異常判定、GPS受信器5とGセンサ4による測位の異常判定、のいずれかの判定で異常が推定された場合には、異常判定したケースにおいて、対応する自律航法センサ(車輪速センサ2またはヨーレートセンサ3またはGセンサ4のいずれか)が故障であることが判る。
GPS受信器5の故障を判定した時には、GPS航法から自律航法に切り替えを行う。しかし、一定時間自律航法を行った場合には、誤差累積の可能性があるので、システムを停止する。ただし、インフラ等で車両外部から定期的に地点情報が入力できれば、その情報で位置情報を補正して、システム制御を継続する。
最初に、車輪速センサ2とGPS受信器5の測位結果の差分を算出して、測位誤差判定閾値と比較して、車輪速センサ2またはGPS受信器5の検出異常を表わす車輪速誤差の有無を求める(S501)。
そして、つぎに、説明するように、検出異常の有無の組合せに応じて、車輪速センサ2とヨーレートセンサ3とGセンサ4とGPS受信器5のいずれが異常であるかを特定し、検出部の代替制御を行う。
車輪速誤差が無ければ(S504のNo)、つぎに、ヨーレート誤差が有った否かを判定する(S505)。
ヨーレート誤差が無ければ(S505のNo)、ステップS507に進む。
ヨーレート誤差が有れば(S505のYes)、ヨーレートセンサ3の異常が判定されるため、車輪速センサ2と舵角センサ(図示せず)にて、代替制御する(S506)。そして、ステップS507に進む。
加速度誤差が無ければ(S507のNo)、処理を終了する。
加速度誤差が有れば(S507のYes)、Gセンサ4の異常が判定されるため、加速度の検出を、車輪速センサ2で検出した車速値を微分する処理(差分処理)に代替制御する(S508)。そして、処理を終了する。
ヨーレート誤差が無ければ(S509のNo)、ステップS504で車輪速誤差が有ると判定したので車輪速センサ2の異常を判定する。これにより、4輪のうちのどの輪の車輪速センサ2の故障かをさらに判定して、故障した車輪速センサ2を特定する。その後は残りの3輪と舵角センサ情報に代替して制御を行う(S510)。
加速度誤差が無ければ(S511のNo)、処理を終了する。
加速度誤差が有れば(S511のYes)、Gセンサ4の異常が判定されるため、加速度の検出を、車輪速センサ2で検出した車速値を微分する処理(差分処理)に代替制御する(S512)。そして、処理を終了する。
加速度誤差が無ければ(S513のNo)、ステップS504で車輪速誤差が有ると判定したので車輪速センサ2の異常を判定する。これにより、4輪のうちのどの輪の車輪速センサ2の故障かをさらに判定して、故障した車輪速センサ2を特定する。その後は残りの3輪と舵角センサ情報に代替して制御を行う(S514)。
さらに、ステップS509でヨーレート誤差が有ると判定したのでヨーレートセンサ3の異常を判定する。これにより、車輪速センサ2と舵角センサ(図示せず)にて、代替制御する(S515)。そして、処理を終了する。
また、上記のステップS506、ステップS508、ステップS510、ステップS512、ステップS514、ステップS515、ステップS516において、異常を推定した車輪速センサ2またはヨーレートセンサ3またはGセンサ4またはGPS受信器5についての、異常警報や補修指示を表示器7に行う。
11 自律航法測位部
12 異常判定部
13 故障部位特定
2 車輪速センサ
3 ヨーレートセンサ
4 Gセンサ
5 GPS受信器
6 アクチュエータ
7 表示器
Claims (5)
- 車両の走行状態を取得する検出部を複数有する走行状態取得手段と、
車両の絶対座標位置を測位する絶対位置取得手段と、
前記走行状態取得手段により得られた複数の走行状態に基づいて車両の相対位置を算出する自律航法測位部と、
前記自律航法測位部と前記絶対位置取得手段の測位結果の差に基づいて、前記自律航法測位部および前記絶対位置取得手段による測位の異常の有無を判定する異常判定部と、
前記異常判定部により異常があると判定された場合に、前記走行状態取得手段の複数の検出部と前記絶対位置取得手段との検出値に基づいて、異常な検出部または絶対位置取得手段を特定する故障部位特定部と、
を備えたことを特徴とする車両用走行制御装置。 - 請求項1に記載の車両用走行制御装置において、
前記異常判定部は、第1の特定位置と、前記第1の特定位置から所定時間走行して到達した第2の特定位置との偏差に関し、
前記絶対位置取得手段により取得された第1座標偏差と前記自律航法測位部により算出された第2座標偏差との差分が、所定値より大きいときに、前記自律航法測位部および前記絶対位置取得手段による測位異常を判定する
ことを特徴とする車両用走行制御装置。 - 請求項1または請求項2に記載の車両用走行制御装置において、
前記故障部位特定部は、
前記走行状態取得手段のそれぞれの検出部について、前記検出部で検出した走行状態の情報と前記絶対位置取得手段で取得した位置情報に基づいて算出した走行状態の情報とを比較して検出部の異常を推定し、
複数の前記検出部のすべてにおいて異常と推定した場合に、前記絶対位置取得手段が異常と特定する
ことを特徴とする車両用走行制御装置。 - 請求項3に記載の車両用走行制御装置において、
前記故障部位特定部は、
複数の前記検出部のいずれかひとつの検出部において異常と推定した場合に、当該検出部が異常と特定する
ことを特徴とする車両用走行制御装置。 - GPSによるGPS航法と複数の走行状態を検知するセンサによる自律航法とにより車両の測位をおこなう車両用走行制御装置の制御方法であって、
前記GPS航法に基づいて求めた複数のGPS測位点から第1の変化量を求めるステップと、
前記自律航法に基づいて求めた複数の自律航法測位点から、前記第1の変化量に対応する第2の変化量を求めるステップと、
記第1の変化量と前記第2の変化量の差分が所定値より大きいか否かを判定するステップと、
前記第1の変化量と前記第2の変化量の差分が所定値より大きい場合に、前記センサのそれぞれについて、前記センサで検知した走行状態の情報と、前記GPSの情報に基づいて算出した走行状態の情報とを比較するステップと、
前記センサごとの前記比較結果に応じて、前記GPSまたは前記センサのいずれかの異常を特定するステップと、
を含むことを特徴とする車両用走行制御装置の制御方法。
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