JP6393116B2 - スクロール型流体機械 - Google Patents

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Description

本発明は、固定及び可動スクロールのラップ間に作動流体の膨張室と圧縮室を形成するスクロール型流体機械に関するものである。
この種のスクロール型流体機械としては、基面にラップを設けた可動スクロールと、基面にこの可動スクロールのラップと噛合うラップを設けた固定スクロールとから構成されるスクロールユニットを備え、このスクロールユニットの作動室を仕切り壁により膨張室と圧縮室とに仕切って、中心側の膨張部とその外側の圧縮部とを形成した単板式の圧縮機一体型膨張機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この場合、膨張部には固定スクロールの中心部から高段側の圧縮機で圧縮された高圧に保たれた作動流体が吸入され、膨張部のラップ間に形成された膨張室で膨張することで可動スクロールが公転旋回運動され、動力が回収される。この動力により、圧縮部のラップ間に形成された圧縮室で作動流体を圧縮する。この圧縮部は低段側となり、圧縮部で圧縮された作動流体が高段側の圧縮機に吸い込まれる。
また、可動スクロールの基面とは反対側の背面には背圧室が構成されており、この背圧室には圧縮部の吐出圧力に保たれた作動流体が供給され、その圧力(圧縮部の吐出側の圧力)によって可動スクロールが固定スクロールに対して押し付けられるように付勢されるものであった。
特許第5209764号公報 特許第4892238号公報
ここで、膨張部には固定スクロールの中心部から高段側の圧縮機で圧縮された高圧の作動流体が吸入されるため、可動スクロールの基面には高段側の圧縮機の吐出圧力が加わることになる。そのため、背圧室から加わる背圧が不足して可動スクロールが固定スクロールから離れ、対向する一方のスクロールのラップと他方のスクロールの基面との間から作動流体が漏れてしまう問題が生じる。
一方、スクロール圧縮機においては、特許文献2に示されるように固定スクロールの吸入口に連通する凹部を固定スクロールの基面に形成する構造が開発されている。そこで、特許文献2の構造を特許文献1のようなスクロール型流体機械に採用し、外側の圧縮部に凹部を形成して、これを圧縮部の吸入側に連通させたとしても、中心部の膨張部に加わる高段側の圧縮機の吐出圧力には対抗し切れず、やはり押し付け力が不足してしまう。そのために可動スクロールの背面の面積を拡大しなければならなくなるという課題があった。
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、可動スクロールの背面の面積を拡大すること無く、適切な押し付け力を確保して安定的な運転を行うことができるスクロール型流体機械を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のスクロール型流体機械は、各基板の各基面にそれぞれ渦巻き状のラップが対向して形成された固定スクロール及び可動スクロールから構成され、両スクロールの各ラップ間に形成された膨張室で作動流体を膨張させることにより、可動スクロールを公転旋回運動させて動力を回収する膨張部と、この膨張部で回収された動力により、両スクロールの各ラップ間に形成された圧縮室で作動流体を圧縮する低段側の圧縮部とを備え、高段側の圧縮機で圧縮された高圧の作動流体を膨張部に吸入するものであって、可動スクロールの基面とは反対側である背面側に形成された背圧室と、膨張部に位置する固定スクロールの基面に形成された膨張部側凹部とを備え、背圧室に圧縮部の吐出圧力に保たれた作動流体を供給すると共に、膨張部側凹部は圧縮部の吸入側に連通させたことを特徴とする。
請求項2の発明のスクロール型流体機械は、上記発明において膨張部側凹部は環状を呈することを特徴とする。
請求項3の発明のスクロール型流体機械は、請求項1の発明において膨張部側凹部は島状を呈することを特徴とする。
請求項4の発明のスクロール型流体機械は、上記各発明において圧縮部に位置する固定スクロールの基面に形成された環状の圧縮部側凹部を備え、この圧縮部側凹部を圧縮部の吸入側に連通させたことを特徴とする。
請求項5の発明のスクロール型流体機械は、上記発明において固定スクロールの基板内に形成され、圧縮側吸入管が接続される圧縮側吸入室を備え、固定スクロールの基面において圧縮部側凹部を圧縮側吸入室に接続すると共に、圧縮側吸入室と膨張部側凹部とを連通する連通路を固定スクロールの基板内に形成したことを特徴とする。
請求項6の発明のスクロール型流体機械は、上記各発明において作動流体として二酸化炭素を使用したことを特徴とする。
本発明のスクロール型流体機械は、各基板の各基面にそれぞれ渦巻き状のラップが対向して形成された固定スクロール及び可動スクロールから構成され、両スクロールの各ラップ間に形成された膨張室で作動流体を膨張させることにより、可動スクロールを公転旋回運動させて動力を回収する膨張部と、この膨張部で回収された動力により、両スクロールの各ラップ間に形成された圧縮室で作動流体を圧縮する低段側の圧縮部とを備え、高段側の圧縮機で圧縮された高圧の作動流体を膨張部に吸入するものにおいて、可動スクロールの基面とは反対側である背面側に形成された背圧室と、膨張部に位置する固定スクロールの基面に形成された膨張部側凹部とを備え、背圧室に圧縮部の吐出圧力に保たれた作動流体を供給すると共に、膨張部側凹部は圧縮部の吸入側に連通させたので、膨張部に位置する固定スクロールの基面に形成された膨張部側凹部の圧力は、圧縮部の吸入側の圧力に低下する。
これにより、高段側の圧縮機で圧縮された高圧の作動流体が吸入される膨張部における可動スクロールの基面に加わる圧力を、総じて低くすることが可能となり、可動スクロールの背面の面積を拡大すること無く、可動スクロールを固定スクロールに押し付ける力を確保して安定的な運転を実現することができるようになる。
この場合、請求項2の発明の如く膨張部側凹部を環状に形成すれば、可動スクロールの基面に加わる圧力を均等に低くして可動スクロールの押し付け力を満遍なく確保することが可能となる。
逆に請求項3の発明の如く膨張部側凹部を島状に形成することで、膨張部側凹部を形成するスペースが限られる場合にも、最大限の押し付け力を確保することが可能となる。
また、請求項4の発明の如く圧縮部に位置する固定スクロールの基面に環状の圧縮部側凹部を形成して、この圧縮部側凹部を圧縮部の吸入側に連通させれば、可動スクロールの略全域において適切な押し付け力を確保することができるようになる。
この場合、請求項5の発明の如く固定スクロールの基面において圧縮部側凹部を圧縮側吸入室に接続すると共に、固定スクロールの基板内に形成されて圧縮側吸入管が接続される圧縮側吸入室と膨張部側凹部とを連通する連通路を固定スクロールの基板内に形成するようにすれば、比較的簡単な構成で膨張部側凹部と圧縮部側凹部を圧縮部の吸入側に連通させることができるようになり、加工コストの増大を抑制することができるようになる。
そして、上記各発明は、請求項6の発明の如き二酸化炭素を作動流体として使用する場合に特に有効である。
本発明を適用した一実施例のスクロール型流体機械の縦断側面図である。 図1の固定スクロールを基面側から見た平面図である(実施例1)。 図2のA−A線断面図である。 図1のスクロール型流体機械を用いた一実施例の冷凍サイクルの冷媒回路図である。 図4の冷凍サイクルのp−h線図である。 図4の冷凍サイクルの場合の可動スクロールの基面に加わる圧力と背圧との大小関係を示す図である。 膨張部側凹部を形成しないときの図4の冷凍サイクルの場合の可動スクロールの基面に加わる圧力と背圧との大小関係を示す図である。 図1のスクロール型流体機械を用いた他の実施例の冷凍サイクルの冷媒回路図である(実施例2)。 図8の冷凍サイクルのp−h線図である。 図8の冷凍サイクルの場合の可動スクロールの基面に加わる圧力と背圧との大小関係を示す図である。 膨張部側凹部を形成しないときの図8の冷凍サイクルの場合の可動スクロールの基面に加わる圧力と背圧との大小関係を示す図である。 本発明の他の実施例のスクロール型流体機械の固定スクロールを基面側から見た平面図である(実施例3)。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
(1)スクロール型流体機械1の全体構造
図1は、一実施例のスクロール型流体機械1の縦断側面図を示している。実施例のスクロール型流体機械1は、例えば、縦置き型単板式の圧縮機一体型膨張機であり、高圧側が超臨界圧力となる二酸化炭素を冷媒(作動流体)として使用したヒートポンプ等の冷凍サイクルRCに用いられる(図4に示す)。この冷凍サイクルRCの構成については後に詳述するが、図示しない空気調和機やヒートポンプ式給湯機等に組み込まれ、実施例のスクロール型流体機械1は冷媒の圧力によって膨張動作を行う後述する膨張部2と、この膨張部2の膨張動作によって圧縮動作を行う後述する圧縮部3(低段側)とを備えている(図2)。
スクロール型流体機械1はハウジング4を備えている。このハウジング4内には、主として固定スクロール6とこの固定スクロール6に対し公転旋回運動される可動スクロール7とから構成されるスクロールユニット8と、可動スクロール7を公転旋回運動可能に支持するメインフレーム9と、このメインフレーム9の底面に固定され、当該メインフレーム9の底面から突出して設けられた固定軸11とが配設されている。
ハウジング4は、本体となるメインシェル12と、このメインシェル12の上部を覆うキャップ状のトップシェル13と、メインシェル12の下部を覆うキャップ状のボトムシェル14とから構成されている。ハウジング4は、トップシェル13とボトムシェル14を、Oリング等のシール材を介し、メインシェル12を挟み込むようにしてボルトで互いに締結することにより組み立てられ、外部から内部が密閉されている。そして、メインフレーム9の外周部はメインシェル12の内側に固定されている。密閉されたハウジング4内には、スクロール型流体機械1の作動流体として冷凍サイクルRCから取り込んだ冷媒(二酸化炭素)を圧縮部3にて圧縮した圧力が作用している。
トップシェル13には、冷凍サイクルRCから取り込んだ冷媒を膨張部2に吸入する膨張側吸入管16が接続されている。メインシェル12には、膨張部2にて膨張された冷媒を冷凍サイクルRCに向けて吐出する膨張側吐出管17と、圧縮部3にて圧縮された冷媒を冷凍サイクルRCに向けて吐出する圧縮側吐出管18が接続されている。膨張側吸入管16と膨張側吐出管17の端部は、固定スクロール6の基板6a内に形成された膨張側吸入室19と膨張側吐出室21とにそれぞれ開口して連通され、圧縮側吐出管18の端部はメインシェル12内に開口し、このメインシェル12内を介してトップシェル13の内側に形成された圧縮側吐出室22に連通されている。
また、メインシェル12には、冷凍サイクルRCから取り込んだ冷媒を圧縮部3に吸入する圧縮側吸入管23(図3に示す。図1では手前側に位置する。)が接続され、この圧縮側吸入管23の端部は、固定スクロール6の基板6a内に形成された圧縮側吸入室24に開口され、連通されている。
一方、ボトムシェル14の内側には潤滑油室26が形成され、この潤滑油室26にはスクロールユニット8を潤滑するための潤滑油が貯留される。前述した圧縮側吸入室23には、固定スクロール6の基板6a及びメインフレーム9を貫通する送油孔27(図2)が開口されており、この送油孔27を介して潤滑油室26の潤滑油が圧縮側吸入室24に送油される構成とされている。
また、固定軸11内には、固定軸11の軸方向に沿って給油路28が穿設されており、この給油路28の下端は潤滑油室26に開口し、上端は後述するボス(凹部)31内の空間に開口されている。
固定スクロール6はメインフレーム9の上面9aに固定され、固定スクロール6の基板6aの前述した圧縮側吸入室24よりも固定スクロール6の径方向で若干中心側には後述する圧縮側吐出孔32が貫通して形成されている。この圧縮側吐出孔32の圧縮側吐出室22に対する開口部には、冷媒中の潤滑油を分離するオイルセパレータ33が装着されている。
可動スクロール7は、メインフレーム9の台座部9bにオルダムリング等の自転阻止機構34を介して自転することなく公転旋回運動可能に支持されている。この自転阻止機構34は台座部9bに嵌挿され、可動スクロール7の公転旋回運動に伴い基板7aの基面7bとは反対側の面である背面7cに摺動可能に通接される。更に、可動スクロール7の背面7cには、後述する偏心ブッシュ36が摺動且つ回動可能に嵌挿される円筒状の前述したボス31が突設されている。
(2)可動スクロール7の支持機構54
上述した固定軸11はメインフレーム9と共に可動スクロール7をその背面7cの中心部にて公転旋回運動可能に支持する支持機構54を構成している。この場合、固定軸11の上端部はスライドブッシュ56の内側に、ベアリング49によって摺動且つ回転可能に挿入されており、このスライドブッシュ56は偏心ブッシュ36内に、その偏心方向に移動可能に収納されている。即ち、固定軸11の上端部は、スライドブッシュ56を介して偏心ブッシュ36内に挿入されたかたちとされている。また、スライドブッシュ56と偏心ブッシュ36間にはバネ61が介設されている。このバネ61によりスライドブッシュ56は偏心方向に常時付勢され、これによって両スクロール6、7の芯ずれが調整されるよう構成されている。
そして、偏心ブッシュ36は、軸受48を介してボス31に摺動且つ回転可能に嵌挿されている。軸受48は、可動スクロール7の公転旋回運動に伴い偏心ブッシュ36に作用するラジアル荷重を受容する。また、偏心ブッシュ36の下端の鍔部とメインフレーム9との間にベアリング51が配設されている。このように、固定軸11はベアリング49、スライドブッシュ56、偏心ブッシュ36、軸受48、ベアリング51を介して可動スクロール7を公転旋回運動可能に支持しており、支持機構54は、上記ボス31、偏心ブッシュ36、スライドブッシュ56、固定軸11と、バネ61により構成される。
ここで、実施形態のスクロールユニット8は、圧縮機一体型膨張機において、一組の固定スクロール6及び可動スクロール7によって冷媒の作動室としての圧縮部3と膨張部2との両方を形成可能な、いわゆる単板式スクロールユニットであり、固定軸11は、メインフレーム9と共に可動スクロール7を公転旋回運動可能に支持するのみであって、固定軸11自体が回転駆動されることはない。
詳しくは、図2に示すように、固定スクロール6の基面6bには、環状の中間仕切り壁(環状壁)38と、環状の外側仕切り壁39とが立設され、中間仕切り壁38と外側仕切り壁(環状壁)39との間には渦巻状の外側固定スクロールラップ(ラップ)40、中間仕切り壁38よりも中心側には渦巻状の内側固定スクロールラップ(ラップ)41がそれぞれ立設されている。また、基面6bには図示しないシールリングが嵌挿される環状溝42が中間仕切り壁38の端面に凹設されている。この環状溝42のシールリングによってスクロールユニット8内は内側の膨張部2側と外側の圧縮部3側とに仕切られることになる。
固定スクロール6の基板6aには、前述した圧縮側吸入室24が外側仕切り壁39の若干内側の圧縮部3の外周端に形成され、中間仕切り壁38の若干外側の圧縮部3の内周端に圧縮側吐出孔32が形成されている。また、基板6aには、前述した膨張側吐出室21が中間仕切り壁38の若干内側の膨張部2の外周端に形成され、前述した膨張側吸入室19が膨張部2の内周端である中心部に形成されている。更に、基板6aには、外側仕切り壁39の若干外側に環状の油溝43が形成され、油溝43上に設けられた溝幅よりも大きい直径で所定の深さで座ぐり加工を施して形成した凹部の底面に前述した送油孔27が形成されている。
一方、可動スクロール7の基面7bには、外側固定スクロールラップ40に噛合う渦巻状の外側可動スクロールラップ(ラップ)44と、内側固定スクロールラップ41に噛合う渦巻状の内側可動スクロールラップ(ラップ)46とが相反する渦巻の方向で立設されている。
上述したスクロールユニット8によれば、中間仕切り壁38よりも内側に膨張部2が形成され、中間仕切り壁38と外側仕切り壁39との間に圧縮部3が形成される。詳しくは、図1中に実線矢印で示すように、膨張側吸入管16から吸入された冷媒は、膨張側吸入室19を経て膨張部2の中心部に取り込まれ、各スクロール6、7が互いに協働することによって各ラップ41、46間に形成された膨張室(作動室)にて膨張される。膨張室は、各スクロール6、7の外周側に向けて移動しながらその容積が増大され、これに伴い可動スクロール7が固定スクロール6の軸心周りに公転旋回運動される。可動スクロール7の公転旋回運動に供した冷媒は、膨張側吐出室21を経て膨張側吐出管17を介しハウジング4外の冷凍サイクルRCに向けて吐出される。
一方、圧縮側吸入管23から吸入された冷媒は、圧縮側吸入室24を経て圧縮部3に取り込まれ、上述した膨張室での冷媒の膨張に伴い可動スクロール7が固定スクロール6の軸心周りに公転旋回運動することにより、各スクロール6、7が互いに協働することによって各ラップ40、44間に形成された圧縮室(作動室)にて圧縮される。圧縮室は、可動スクロール7の公転旋回運動に伴い各スクロール6、7の中心に向けて移動しながらその容積が減少される。そして、圧縮室の容積の減少に伴い、高圧にされた冷媒は圧縮側吐出孔32、圧縮側吐出室22を経て圧縮側吐出管18を介し、ハウジング4外の冷凍サイクルRCに向けて吐出される。
更に、この過程において図1中にて点線矢印で示されるように、圧縮側吐出孔32から圧縮側吐出室22に吐出される冷媒は、オイルセパレータ33を通過する際に冷媒中の潤滑油が分離される。冷媒から分離された潤滑油はメインフレーム9に形成された油戻路47を経て潤滑油室26に貯留される。
潤滑油室26に貯留された潤滑油は、潤滑油室26と背圧室52の差圧によって給油路28を上昇して固定軸11の上端から吐出され、後述するベアリング49、軸受48、ベアリング51を潤滑した後に、メインフレーム9の台座部9bと可動スクロール7の背面7cとの間に形成される背圧室52に至る。
(3)冷凍サイクルRC
次に、図4は本発明のスクロール型流体機械1を用いた一実施例の冷凍サイクルRCの冷媒回路図を示している。尚、この図では説明のため、スクロール型流体機械1の膨張部2と圧縮部3を分離して示している。スクロール型流体機械1の膨張部2で回収された動力で駆動される圧縮部3は、この冷凍サイクルRCにおいて低段側の圧縮機(低段側の圧縮部)を構成する。この圧縮部3の前述した圧縮側吐出管18は、当該圧縮部3の後段に位置する高段側の圧縮機70の電動機70bで駆動される高段側の圧縮部70aに接続されている。
この圧縮部70aの後段には、冷媒を冷却するガスクーラ71が接続されており、ガスクーラ71の出口と蒸発器73の入口間に、スクロール型流体機械1の膨張部2と膨張弁72が並列に接続されている。このガスクーラ71からの冷媒は前述した膨張側吸入管16から膨張部2の膨張側吸入室19に取り込まれる。また、スクロール型流体機械1の膨張部2からは膨張側吐出管17を介して冷媒が蒸発器73に送られる。そして、この蒸発器73から出た冷媒が圧縮側吸入管23からスクロール型流体機械1の圧縮部3に吸い込まれる構成とされている。
次に、スクロール型流体機械1を含む冷凍サイクルRCの動作を説明する。スクロール型流体機械1の膨張部2が駆動する低段側の圧縮部3で昇圧された中間圧の冷媒(二酸化炭素冷媒)は、圧縮側吐出管18から高段側の圧縮機70に送られ、電動機70bで駆動される圧縮部70aによって更に昇圧され、高圧(超臨界)となる。この高圧の冷媒は超臨界状態のままガスクーラ71で冷却された後、一部は膨張側吸入管16からスクロール型流体機械1の膨張部2に取り込まれ、膨張減圧される。
尚、残りの冷媒は膨張弁72に送られて膨張減圧される。この膨張弁72はスクロール型流体機械1の膨張部2を通過する冷媒の流量の調整、及び、起動時における差圧の確保のために設けられているものである。
膨張部2において冷媒が等エントロピ的に膨張することによって可動スクロール7が公転旋回運動し、動力が回収される。この可動スクロール7の公転旋回運動によって圧縮部3が低段側の圧縮機として作動することになる。膨張部2で膨張した冷媒は、蒸発器73で加熱された後(或いは、それによって対象を冷却)、圧縮側吸入管23より再びスクロール型流体機械1の圧縮部3に吸引される。
図5は、係る冷凍サイクルRCのp−h線図を示している。この図に示すように、ガスクーラ71で熱交換することによって、点P3から点P4まで冷却された冷媒は、スクロール型流体機械1の膨張部2で等エントロピ的に膨張することによって、液相線LLを超えて湿り蒸気領域に入り、点P5となる。膨張後、蒸発器73で熱交換され、点P5から点P1まで加熱された冷媒は、スクロール型流体機械1の圧縮部3で点P1から点P2まで圧縮された後、高段側の圧縮機70の圧縮部70aで点P2から点P3まで圧縮される。従って、冷媒回路内では点P3、P4の圧力が最も高く、点P1の圧力が最も低い圧力となる。
このように、スクロール型流体機械1の圧縮部3で冷凍サイクルRCの圧縮過程の一部(低段側)を担い、高段側の圧縮機70の圧縮部70aで圧縮過程の残り(高段側)を担う。圧縮部3におけるエンタルピ差hP2−hP1分の圧縮動力は、膨張部2における回収動力によって賄われることになる。
(4)可動スクロール7の背圧
ここで、スクロール型流体機械1の背圧室52では、潤滑油によって自転阻止機構34と台座部9b及び可動スクロール7の背面7cとの摺動部などが潤滑される。また、ハウジング4内は前述した如く圧縮側吐出孔32から圧縮側吐出室22に吐出された圧縮部3の吐出圧力に保たれているので、給油路28を経て背圧室52にはこの圧縮部3の吐出圧力に保たれた冷媒(作動流体)が潤滑油と共に供給される。従って、背圧室52から可動スクロール7は、圧縮部3の吐出圧力で固定スクロール6に対して押圧付勢され、押し付けられることになる。
係る背圧室52からの背圧により、固定スクロール6に対する可動スクロール7の円滑な公転旋回運動が可能となる。そして、スクロール型流体機械1では、膨張部2における冷媒の膨張エネルギーによってスクロールユニット8が駆動され、このスクロールユニット8の駆動力により、圧縮部3において冷媒を圧縮する。
(5)可動スクロール7の押し付け力の確保
次に、図6及び図7を参照しながら、可動スクロール7の背圧と、当該可動スクロール7の基面7bに加わる圧力との大小関係について説明する。図6及び図7は可動スクロール7の背面に加わる背圧と、当該可動スクロール7の基面7bに加わる圧力を図5に示した冷凍サイクルRCの各点の圧力と対応させて示している。尚、各図の矢印は圧力の大きさを長さで表現したものである。
図7の場合、固定スクロール6の外側仕切り壁39の端面となる固定スクロール6の基面6bの一部に圧縮部側凹部57が形成されている(平面形状は前記特許文献2を参照)。そして、この圧縮部側凹部57は、圧縮側吸入室24に繋げられて連通されている。係る構造であった場合、前述したように可動スクロール7の背面には、圧縮部3の吐出圧力(点P2)が加わっている。
一方、膨張部2側の可動スクロール7の基面7bの中心部には、膨張側吸入室19から高段側の圧縮機70の吐出圧力(点P4)が加わり、膨張部2の中心部から外側の膨張側吐出室21の位置の基面7bに至って圧力は点P5の圧力まで低下する。他方、圧縮部3側の可動スクロール7の基面7bの外側の圧縮側吸入室24で圧縮部3の吸入側の圧力(点P1)となり、内側の圧縮側吐出室32の位置の基面7bに至って圧力は圧縮部3の吐出圧力(点P2)まで上昇する。
可動スクロール7の基面7bに加わる圧力、即ち、可動スクロール7を固定スクロール6から引き離そうとする力は上記のような状態であり、この力と背圧室52から加わる可動スクロール7を固定スクロール6に押し付ける力との大小関係が重要であり、背圧室52から加わる背圧が不足すると可動スクロール7が固定スクロール6から離れ、冷媒が作動室間で漏れてしまうことになる。
図7では固定スクロール6の外側仕切り壁39の端面となる固定スクロール6の基面6bの一部に圧縮部側凹部57が形成されており、この圧縮部側凹部57は圧縮側吸入室24に連通されているので、圧縮部側凹部57の圧力は背圧(点P2の圧力)よりも低い圧縮部3の吸入側の圧力(点P1)となる。従って、圧縮部3側の一部では背圧の不足は解消されているが、圧縮部3側の残りの部分(図7の向かって右側)は略膨張後の圧力(点P5)である。特に、膨張部2側の圧力は、中心部が高段側の圧縮機70の吐出圧力(点P4の圧力)であり、外側でも膨張後の圧力(点P5)までしか下がらないので、どうしても背圧が不足することになる。
そこで、本発明では図2、図3、図6に示すように、中間仕切り壁38の端面となる固定スクロール6の基面6bに、環状を呈する膨張部側凹部58を形成している。この膨張部側凹部58は、前述したシールリングを嵌挿する中間仕切り壁38の環状溝42よりも内側に形成されており、従って、膨張部2側の領域に位置している。また、固定スクロール6の基板6a内には、圧縮側吸入室24と膨張部側凹部58とを連通する連通路59が形成されており、この連通路59は開口59a(図2)にて膨張部側凹部58内に開口し、膨張部側凹部58が圧縮側吸入室24に連通されている。
これにより、膨張部側凹部58の圧力は背圧(点P2の圧力)よりも低い圧縮部3の吸入側の圧力(冷媒回路内で最も低い点P1の圧力)となる。従って、膨張部2側の可動スクロール7の基面7bに加わる力が図6に矢印で示すようにトータルで下げられることになり、これにより、可動スクロール7の押し付け力が確保されることになる。
このように、スクロールユニット8の膨張部2に位置する固定スクロール6の基面6bに膨張部側凹部58を形成し、背圧室52に圧縮部3の吐出圧力に保たれた冷媒の圧力を供給すると共に、膨張部側凹部58は圧縮部3の吸入側に連通させたので、膨張部2に位置する固定スクロール6の基面6bに形成された膨張部側凹部58の圧力は、圧縮部3の吸入側の圧力に低下する。
これにより、高段側の圧縮機70で圧縮された高圧の冷媒が吸入される膨張部2における可動スクロール7の基面7bに加わる圧力を、総じて低くすることが可能となり、可動スクロール7の背面の面積を拡大すること無く、可動スクロール7を固定スクロール6に押し付ける力を確保して安定的な運転を実現することができるようになる。
この場合、実施例では膨張部側凹部58を環状に形成しているので、可動スクロール7の基面7bに加わる圧力を均等に低くして可動スクロール7の押し付け力を満遍なく確保することが可能となる。
また、圧縮部3に位置する固定スクロール6の基面6bにも環状の圧縮部側凹部57が形成され、この圧縮部側凹部57が圧縮部3の吸入側に連通されているので、可動スクロール7の略全域において適切な押し付け力を確保することができるようになる。この場合、実施例では固定スクロール6の基面6bにおいて圧縮部側凹部57を圧縮側吸入室24に接続し、固定スクロール6の基板6a内に形成されて圧縮側吸入管23が接続される圧縮側吸入室24と膨張部側凹部58とを連通する連通路59を固定スクロール6の基板6b内に形成しているので、比較的簡単な構成で膨張部側凹部58と圧縮部側凹部57を圧縮部3の吸入側に連通させることができるようになり、加工コストの増大を抑制することができるようになる。
次に、図8から図11を参照してスクロール型流体機械1が他の実施例の冷凍サイクルRCに使用される場合について説明する。
(6)冷凍サイクルRCの他の例
図8は本発明のスクロール型流体機械1を用いた他の実施例の冷凍サイクルRCの冷媒回路図を示している。この場合、スクロール型流体機械1の膨張部2の膨張側吐出室21に接続された膨張側吐出管17は、気液分離器66に接続されている。また、膨張弁72の出口も気液分離器66に接続されている。この気液分離器66では、膨張部2から出た冷媒がガス冷媒と液冷媒とに分離され、ガス冷媒はガス配管67を経てスクロール型流体機械1の圧縮部3の圧縮側吐出管18に合流されている。一方、気液分離器66内の液冷媒は膨張弁68に送られ、この膨張弁68で絞られた後、蒸発器73に送られる構成とされている。尚、他の構成は図4の場合と同様である。
次に、この場合の実施例の冷凍サイクルRCの動作を説明する。スクロール型流体機械1の膨張部2が駆動する低段側の圧縮部3で昇圧された中間圧の冷媒(二酸化炭素冷媒)は、圧縮側吐出管18から高段側の圧縮機70に送られ、電動機70bで駆動される圧縮部70aによって更に昇圧され、高圧(超臨界)となる。この高圧の冷媒は超臨界状態のままガスクーラ71で冷却された後、一部は膨張側吸入管16からスクロール型流体機械1の膨張部2に取り込まれ、膨張減圧される。残りの冷媒は膨張弁72に送られて膨張減圧される。
この場合も膨張部2において冷媒が等エントロピ的に膨張することによって可動スクロール7が公転旋回運動し、動力が回収される。そして、この可動スクロール7の公転旋回運動によって圧縮部3が低段側の圧縮機として作動することになる。膨張部2で膨張した冷媒は、前述した如く気液分離器66で気液分離され、ガス冷媒は圧縮側吐出管18に送られて圧縮部3からの吐出冷媒と共に高段側の圧縮機70に吸い込まれる。液冷媒は膨張弁68で絞られて膨張減圧された後、蒸発器73に流入して加熱され(或いは、それによって対象を冷却)、圧縮側吸入管23より再びスクロール型流体機械1の圧縮部3に吸引される。このように、この実施例の冷凍サイクルRCではスクロール型流体機械1の膨張部2と膨張弁68で冷媒は二段膨張されることになる。
図9は、この場合の実施例の冷凍サイクルRCのp−h線図を示している。この図に示すように、ガスクーラ71で熱交換することによって、点P4から点P5まで冷却された冷媒は、スクロール型流体機械1の膨張部2で等エントロピ的に膨張することによって、液相線LLを超え、湿り蒸気領域に入って点P6の状態となる。ここが気液分離器66の状態である。この気液分離器66で分離された液冷媒は、点P7までエントロピが低下し、膨張弁68で点P8まで膨張減圧される。その後、蒸発器73で熱交換されて点P8から点P1まで加熱された冷媒は、スクロール型流体機械1の圧縮部3で点P1から点P2まで圧縮された後、気液分離器66からのガス冷媒と合流してエントロピが下がり、点P3の状態となる。そして、高段側の圧縮機70の圧縮部70aで点P3から点P4まで圧縮されると云う二段サイクルとなる。従って、冷媒回路内では点P4、P5の圧力が最も高く、点P1の圧力が最も低い圧力となる。
(7)図9の冷凍サイクルRCの場合の可動スクロール7の押し付け力の確保
次に、図10及び図11を参照しながら、この実施例の冷凍サイクルRCに使用されたスクロール型流体機械1の可動スクロール7の背圧と、当該可動スクロール7の基面7bに加わる圧力との大小関係について説明する。図10及び図11は可動スクロール7の背面に加わる背圧と、当該可動スクロール7の基面7bに加わる圧力を図9に示した冷凍サイクルRCの各点の圧力と対応させて示している。尚、この場合も各図の矢印は圧力の大きさを長さで表現したものである。
図11の場合、前述した図7と同様に固定スクロール6の外側仕切り壁39の端面となる固定スクロール6の基面6bの一部に圧縮部側凹部57が形成されている(平面形状は前記特許文献2を参照)。そして、この圧縮部側凹部57は、圧縮側吸入室24に繋げられて連通されている。また、前述同様に可動スクロール7の背面には、圧縮部3の吐出圧力(点P2)が加わっている。
一方、膨張部2側の可動スクロール7の基面7bの中心部には、膨張側吸入室19から高段側の圧縮機70の吐出圧力(点P5)が加わり、膨張部2の中心部から外側の膨張側吐出室21の位置の基面7bに至って圧力は点P6の圧力まで低下する。他方、圧縮部3側の可動スクロール7の基面7bの外側の圧縮側吸入室24で圧縮部3の吸入側の圧力(点P1)となり、内側の圧縮側吐出室32の位置の基面7bに至って圧力は圧縮部3の吐出圧力(点P2)まで上昇する。
図11でも固定スクロール6の外側仕切り壁39の端面となる固定スクロール6の基面6bの一部に圧縮部側凹部57が形成されており、この圧縮部側凹部57は圧縮側吸入室24に連通されているので、圧縮部側凹部57の圧力は背圧(点P2の圧力)よりも低い圧縮部3の吸入側の圧力(点P1)となる。従って、圧縮部3側の一部では背圧の不足は解消されるが、圧縮部3側の残りの部分(図11の向かって右側)は略膨張後の圧力(点P6)である。特に、膨張部2側の圧力は、中心部が高段側の圧縮機70の吐出圧力(点P5の圧力)であり、外側でも膨張後の圧力(点P6)までしか下がらない。この点P6の圧力は前述した実施例1の膨張後の圧力よりも高いので、この場合の冷凍サイクルRCでは実施例1の場合よりも可動スクロール7の基面7bに加わる力が全体として大きくなり、更に背圧が不足することになる。
一方、図10はこの場合の本発明のスクロール型流体機械1の可動スクロール7の背面に加わる背圧と、当該可動スクロール7の基面7bに加わる圧力を図9に示した冷凍サイクルRCの各点の圧力と対応させて示している。本発明の場合、中間仕切り壁38の端面となる固定スクロール6の基面6bに形成された環状を呈する膨張部側凹部58の圧力は背圧(点P2の圧力)よりも低い圧縮部3の吸入側の圧力(冷媒回路内で最も低い点P1の圧力)となる。従って、膨張部2側の可動スクロール7の基面7bに加わる力が図10に矢印で示すようにトータルで下げられることになり、これにより、気液分離二段サイクルの場合にも可動スクロール7の押し付け力が確保されることになる。
(8)膨張部側凹部58の他の例
次に、図12は他の実施例の固定スクロール6の基面6bを示している。前述した図2の実施例では中間仕切り壁38の端面となる固定スクロール6の基面6bに環状の膨張部側凹部58を形成したが、この実施例では中間仕切り壁38の幅が大きく、且つ、圧縮側吸入室24から固定スクロール6の中心に向かう方向の位置に、島状の膨張部側凹部58が形成されている。
そして、図2、図3の場合と同様に固定スクロール6の基板6a内には、圧縮側吸入室24と膨張部側凹部58とを連通する連通路59が形成されており、この連通路59は開口59aにて島状を呈する膨張部側凹部58内に開口し、膨張部側凹部58が圧縮側吸入室24に連通されている。他の構成は図2、図3の場合と同様である。
このように膨張部側凹部58を島状に形成することで、前述したような環状の膨張部側凹部58を形成するスペースが固定スクロール6に確保できない場合にも、最大限の押し付け力を確保することが可能となる。また、圧縮側吸入管23が固定スクロール6に差し込まれる孔(図12、図2に24aで示す)は、固定スクロール6の側面からその中心に向けて穿設され、圧縮側吸入室24に連通されるものであるが(図2、図3の場合も同様)、この実施例のように膨張部側凹部58を、圧縮側吸入室24から固定スクロール6の中心に向かう方向に形成することで、孔24aからドリル等を差し込んで固定スクロール6内に連通路59の上部(図3に示した水平部分59b)を形成する作業が極めて容易となる。
1 スクロール型流体機械
2 膨張部
3 圧縮部(低段側)
6 固定スクロール
6a、7a 基板
6b、7b 基面
7 可動スクロール
8 スクロールユニット
11 固定軸
24 圧縮側吸入室
52 背圧室
57 圧縮部側凹部
58 膨張部側凹部
59 連通路
RC 冷凍サイクル

Claims (6)

  1. 各基板の各基面にそれぞれ渦巻き状のラップが対向して形成された固定スクロール及び可動スクロールから構成され、両スクロールの前記各ラップ間に形成された膨張室で作動流体を膨張させることにより、前記可動スクロールを公転旋回運動させて動力を回収する膨張部と、該膨張部で回収された動力により、前記両スクロールの前記各ラップ間に形成された圧縮室で前記作動流体を圧縮する低段側の圧縮部とを備え、高段側の圧縮機で圧縮された高圧の前記作動流体を前記膨張部に吸入するスクロール型流体機械において、
    前記可動スクロールの基面とは反対側である背面側に形成された背圧室と、
    前記膨張部に位置する前記固定スクロールの基面に形成された膨張部側凹部とを備え、
    前記背圧室に前記圧縮部の吐出圧力に保たれた前記作動流体を供給すると共に、前記膨張部側凹部は前記圧縮部の吸入側に連通させたことを特徴とするスクロール型流体機械。
  2. 前記膨張部側凹部は環状を呈することを特徴とする請求項1に記載のスクロール型流体機械。
  3. 前記膨張部側凹部は島状を呈することを特徴とする請求項1に記載のスクロール型流体機械。
  4. 前記圧縮部に位置する前記固定スクロールの基面に形成された環状の圧縮部側凹部を備え、
    該圧縮部側凹部を前記圧縮部の吸入側に連通させたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちの何れかに記載のスクロール型流体機械。
  5. 前記固定スクロールの基板内に形成され、圧縮側吸入管が接続される圧縮側吸入室を備え、
    前記固定スクロールの基面において前記圧縮部側凹部を前記圧縮側吸入室に接続すると共に、前記圧縮側吸入室と前記膨張部側凹部とを連通する連通路を前記固定スクロールの基板内に形成したことを特徴とする請求項4に記載のスクロール型流体機械。
  6. 前記作動流体として二酸化炭素を使用したことを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちの何れかに記載のスクロール型流体機械。
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